JP2003130384A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JP2003130384A JP2001327099A JP2001327099A JP2003130384A JP 2003130384 A JP2003130384 A JP 2003130384A JP 2001327099 A JP2001327099 A JP 2001327099A JP 2001327099 A JP2001327099 A JP 2001327099A JP 2003130384 A JP2003130384 A JP 2003130384A
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outlet
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大塚  雅生
Yukishige Shiraichi
白市  幸茂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 快適性の向上及び健康の安全性の向上を図る
とともに、冷却効率または暖房効率を向上することので
きる空気調和機を提供する。 【解決手段】 フロントパネル3の前面を遮蔽するとと
もに、室内機1の上面及び側面に形成された吸込口4
a、4eから室内の空気が取り入れられ、室内熱交換器
3と熱交換した後、吹出口5の第1開口部5aから室内
に送出される。所定の時期になると、横ルーバ11a、
11bが回動して第1開口部5aが閉塞され、回動板1
4、15が回動して第2開口部5bが開放される。これ
により、送風経路6を流通する調整空気は分岐通路13
を流通して第2開口部5bから送出され、上方に導かれ
る。フロントパネル3に沿って上昇する調整空気は遮蔽
されたフロントパネル3により遮られ、室内機1内への
流入が防止される。従って、使用者に常に冷たい風や暖
かい風が当たることを防止するとともに、風量を低下さ
せることなくショートサーキットを防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸い込んだ空気を
調和して送出する空気調和機に関する。
【0002】図19は従来の空気調和機の室内機を示す
概略側面断面図である。空気調和機の室内機1は、キャ
ビネット2により本体部が保持されており、キャビネッ
ト2には上面側と前面側に吸込口4a、4cが設けられ
たフロントパネル3が着脱自在に取り付けられている。
キャビネット2は後方側面に爪部(不図示)が設けられ
ており、室内の壁に取り付けられた取付板に該爪部を嵌
合することにより支持される。
【0003】フロントパネル3の下端部とキャビネット
2の下端部との間隙には、室内機1の幅方向に延びる略
矩形の吹出口5が形成されている。室内機1の内部に
は、吸込口4a、4cから吹出口5に連通する送風経路
6が形成されている。送風経路6内には空気を送出する
送風ファン7が配されている。送風ファン7として、例
えばクロスフローファン等を用いることができる。
【0004】フロントパネル3に対向する位置には、吸
込口4a、4cから吸い込まれた空気に含まれる塵埃を
捕集・除去するエアフィルタ8が設けられている。送風
経路6中の送風ファン7とエアフィルタ8との間には、
室内熱交換器9が配置されている。室内熱交換器9は圧
縮機(不図示)に接続されており、圧縮機の駆動により
冷凍サイクルが運転される。冷凍サイクルの運転によっ
て冷房時には室内熱交換器9が周囲温度よりも低温に冷
却される。また、暖房時には、室内熱交換器9が周囲温
度よりも高温に加熱される。
【0005】室内熱交換器9の前後の下部には冷房また
は除湿時に室内熱交換器9から落下した結露を捕集する
ドレンパン10が設けられている。送風経路6内の吹出
口5の近傍には、外部に臨んで垂直方向の吹出角度を略
水平乃至下方向に変更可能な横ルーバ11a、11bが
設けられている。横ルーバ11a、11bの奥側には左
右方向の吹出角度を変更可能な縦ルーバ12が設けられ
ている。
【0006】上記構成の空気調和機において、空気調和
機の運転を開始すると、送風ファン7が回転駆動され、
室外機(不図示)からの冷媒が室内熱交換器9へ流れて
冷凍サイクルが運転される。これにより、室内機1内に
は吸込口4a、4cから空気が吸い込まれ、エアフィル
タ8によって空気中に含まれる塵埃が除去される。
【0007】室内機1内に取り込まれた空気は室内熱交
換器9と熱交換し、冷却または加熱される。そして、送
風経路6を通って縦ルーバ12及び横ルーバ11a、1
1bによって左右方向及び上下方向に向きを規制されて
吹出口5から下方に向けて室内に送出される。
【0008】また、空気調和機の運転の開始直後は速や
かに室内の空気を循環させる必要がある。このため、送
風ファン7の回転速度を高くして室内熱交換器9で熱交
換された空気は吹出口5から勢いよく送出される。そし
て、室温と設定温度との温度差が小さくなると、送風フ
ァン7の調整により徐々に送風量が低下する。これによ
り、きめ細かに室内が均一な温度分布に形成されるよう
になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の空気調和機によると、空気調和機は通常、使用者
の身長よりも高い位置に設置され、吹出口5から略水平
方向乃至下方向に送風される。このため、設定温度付近
に達した状態で送風を継続すると使用者に常に冷たい風
や暖かい風が当たることになる。従って、使用者に不快
感を与える問題があった。また、除湿運転時や冷房運転
時では局所的に使用者の体温を低下させて健康に害を与
える問題もあった。
【0010】これらの問題を解決するために、吹出口か
ら上方に調和空気を送出できる空気調和機が研究開発さ
れている。図20はこの空気調和機の室内機を示す概略
側面断面図であり、前述の図19と同一の部分には同一
の符号を付している。室内機1の吹出口5は第1開口部
5aと第2開口部5bとを有している。第1開口部5a
は送風経路6の終端に下方に臨んで配されている。第2
開口部5bは送風経路6から上方に傾斜して分岐する分
岐通路13により送風経路6と連通している。分岐通路
13の両端には、回動軸14a、15aでフロントパネ
ル3に枢支される回動板14、15が設けられている。
【0011】空気調和機の運転を開始すると、吸込口4
a、4cから室内機1内に取り込まれた空気は室内熱交
換器9と熱交換し、冷却または加熱される。そして、送
風経路6を通って縦ルーバ12及び横ルーバ11a、1
1bによって左右及び上下方向に向きを規制されて矢印
A1に示すように第1開口部5aから略水平方向乃至下
方向に向けて室内に送出される。
【0012】また、空気調和機の運転の開始直後は速や
かに室内の空気を循環させる必要がある。このため、送
風ファン7の回転速度を高くして室内熱交換器9で熱交
換された空気は吹出口5から勢いよく送出される。室温
と設定温度との温度差が小さくなったことを温度センサ
(不図示)により検知すると、送風ファン7の調整によ
り徐々に送風量が低下する。
【0013】そして、図21に示すように、横ルーバ1
1a、11bが回動して第1開口部5aが閉塞される。
同時に、回動板14、15が回動して第2開口部5b及
び分岐通路13の分岐部分が開放される。これにより、
送風経路6を流通する調整空気が分岐通路13を流通し
て第2開口部5bから送出され、矢印A2に示すように
上方に導かれる。
【0014】従って、使用者に常に冷たい風や暖かい風
が当たることがなく、使用者の不快感を防止して快適性
を向上することができる。更に、冷房時には局所的に使
用者の体温を低下させることがなく健康上の安全性を向
上することができるようになっている。
【0015】しかしながら、上記の空気調和機による
と、第2開口部5bから上方に送出された調和空気が、
矢印A3に示すようにフロントパネル3の前面に設けら
れた吸込口4cから室内機1内に取り込まれ、所謂ショ
ートサーキットが生じる。このため、空気調和機の冷却
効率または暖房効率を低下させる問題があった。
【0016】更に、冷房運転時や除湿運転時には第2開
口部5bから送出された冷気が直ちに室内熱交換器9を
通過するため、室内熱交換器9内の冷媒は充分な熱を吸
収することができない。このため、室内熱交換器9の温
度が標準の運転時に比して低下して結露の増加及び結露
水の凍結が発生する。
【0017】そして、冷房運転または除湿運転を継続す
ると室内熱交換器9の表面に氷が成長し、室内熱交換器
9から離れた位置の氷は低温に維持されずに一部が解け
る。この解けた水滴は送風ファン7に滴下すると第2開
口部5bから室内に放出される。また、室内熱交換器9
の温度が低下し、キャビネット2やフロントパネル3の
表面が結露して結露水が滴下する。これらにより、室内
が浸水する問題があった。更に、室内熱交換器9の表面
に成長した氷の押圧力によってキャビネット2やフロン
トパネル3等に破損や変形が発生する問題もあった。
【0018】本発明は、快適性の向上及び健康上の安全
性の向上を図ることができるとともに、冷却効率または
暖房効率を向上することのできる空気調和機を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、ショートサーキッ
トを防止して結露による室内の浸水及び空気調和機の破
損や変形を防止することのできる空気調和機を提供する
ことを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、室内の壁面に取り付けて、吸込口から取り
入れた空気を調和して下部に設けた吹出口から下方乃至
上方に切り替えて送出する空気調和機において、前記吸
込口の少なくとも一部を空気調和機の側面部に設けたこ
とを特徴としている。この構成によると、空気調和機を
運転すると、空気調和機の側面部と例えば前面部とに設
けた吸込口から取り込まれた空気が調和されて吹出口か
ら下方に送出され、所定の時期になると吹出口から上方
に送出される。空気調和機内には側面部から空気が取込
まれるため前面側からの空気の流入量が制限される。
【0020】また本発明は、上記構成の空気調和機にお
いて、前記吹出口よりも上方の前面側を遮蔽する遮蔽部
を設けたことを特徴としている。この構成によると、上
方に送出された調和空気は、遮蔽部によって前面側から
空気調和機内に取込まれることなく室内に流通する。
尚、空気調和機の前面側と言う場合には、正面から視認
できる傾斜面や曲面が含まれる。
【0021】また本発明は、上記構成の空気調和機にお
いて、前記吹出口よりも上方の前面側を遮蔽する遮蔽部
を設けるととともに前記遮蔽部に前記吸込口を形成する
開口部を設け、垂直面に投影して該開口部の開口面積を
前記吹出口よりも上方の投影面積の20%以下にしたこ
とを特徴としている。この構成によると、吹出口から上
方に送出された調和空気は開口面積の小さい遮蔽部によ
って前面側から空気調和機内に取込まれる量が制限され
て室内に流通する。
【0022】また本発明は、上記構成の空気調和機にお
いて、垂直面に投影して、前記吹出口よりも上方の長さ
を100%とし、前面側の上から50%よりも下方を遮
蔽する遮蔽部を設けたことを特徴としている。この構成
によると、吹出口から上方に送出された調和空気は下方
を遮蔽した遮蔽部によって前面側から空気調和機内に取
込まれる量が制限されて室内に流通する。
【0023】また本発明は、上記各構成の空気調和機に
おいて、前記遮蔽部に断熱材を設けたことを特徴として
いる。この構成によると、吹出口から上方に調整空気を
送出する際に、空気調和機に取り込まれた空気と、遮蔽
部の表面を通る空気との温度差による結露が防止され
る。
【0024】また本発明は、上記各構成の空気調和機に
おいて、前記吹出口から上方に調整空気を送出して冷房
運転または除湿運転を行うことを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。説明の便宜上、従来例の図20、図
21と同様の部分については同一の符号を付している。
図1、図2は第1実施形態の空気調和機の室内機を示す
概略側面断面図及び斜視図である。空気調和機の室内機
1は、キャビネット2により本体部が保持されている。
【0026】キャビネット2の前面側には、本体部を覆
うようにフロントパネル3が着脱自在に取り付けられて
いる。キャビネット2の上面側には吸込口4aが設けら
れており、前方には前面側が遮蔽されたフロントパネル
3が着脱自在に取り付けられている。室内機1の側面側
にはキャビネット2の側面部2bとフロントパネル3と
の間の空隙によって吸込口4eが形成されている。吸込
口4eは後述する送風経路6と連通しており、吸込口4
eから取り入れられる空気は吸込口4aからの空気とエ
アフィルタ8の前面側で合流するようになっている。
【0027】キャビネット2は後方側面に爪部(不図
示)が設けられており、室内の壁に取り付けられる取付
板に該爪部を嵌合することにより支持される。フロント
パネル3の下端部とキャビネット2の下端部との間隙に
は、室内機1の幅方向に延びる略矩形の第1、第2開口
部5a、5bから成る吹出口5が形成されている。
【0028】室内機1の内部には、吸込口4a、4eか
ら吹出口5に連通する送風経路6が形成されている。送
風経路6内のキャビネット2の前方には空気を送出する
送風ファン7が配されている。送風ファン7として、例
えばクロスフローファン等を用いることができる。
【0029】フロントパネル3に対向する位置には、吸
込口4a、4eから吸い込まれた空気に含まれる塵埃を
捕集・除去するエアフィルタ8が設けられている。送風
経路6中の送風ファン7とエアフィルタ8との間には、
室内熱交換器9が配置されている。フロントパネル3と
室内熱交換器9との間には所定間隔の空間が設けられて
おり、吸込口4a、4eから取り入れられた空気が該空
間を通って室内熱交換器9と広い面積で接触するように
なっている。
【0030】室内熱交換器9は圧縮機(不図示)に接続
されており、圧縮機の駆動により冷凍サイクルが運転さ
れる。冷凍サイクルの運転によって、冷房時には室内熱
交換器9が周囲温度よりも低温に冷却される。暖房時に
は、室内熱交換器9が周囲温度よりも高温に加熱され
る。尚、室内熱交換器9とエアフィルタ8との間には吸
い込まれた空気の温度を検知する温度センサ(不図示)
が設けられている。
【0031】室内熱交換器9の前後の下部には、冷房ま
たは除湿時に室内熱交換器9から落下した結露を捕集す
るドレンパン10が設けられている。前方のドレンパン
10はフロントパネル3に取り付けられ、後方のドレン
パン10はキャビネット2と一体に形成されている。送
風経路6内の吹出口5の第1開口部5aの近傍には、外
部に臨んで垂直方向の吹出角度を略水平乃至下方向に変
更可能な横ルーバ11a、11bが設けられている。横
ルーバ11a、11bの奥側には左右方向の吹出角度を
変更可能な縦ルーバ12が設けられている。
【0032】第2開口部5bは送風経路6から上方に傾
斜して分岐する分岐通路13により送風経路6と連通し
ている。分岐通路13の両端には回動軸14a、15a
でフロントパネル3に枢支される回動板14、15が設
けられている。回動板15により分岐通路13を閉じる
と、回動板15が送風経路6の内壁面を形成して気流を
案内する。これにより、送風経路6を流通する空気の流
通抵抗の増加を防止するようになっている。
【0033】上記構成の空気調和機において、空気調和
機の運転を開始すると、送風ファン7が回転駆動され、
室外機(不図示)からの冷媒が室内熱交換器9へ流れて
冷凍サイクルが運転される。これにより、室内機1内に
は吸込口4a、4eから空気が吸い込まれ、エアフィル
タ8によって空気中に含まれる塵埃が除去される。
【0034】室内機1内に取り込まれた空気は室内熱交
換器9と熱交換し、冷却または加熱される。そして、送
風経路6を通って縦ルーバ12及び横ルーバ11a、1
1bによって左右及び上下方向に向きを規制されて吹出
口5から矢印A1に示すように略水平方向乃至下方向に
向けて室内に送出される。
【0035】また、空気調和機の運転の開始直後は速や
かに室内の空気を循環させる必要がある。このため、送
風ファン7の回転速度を高くして室内熱交換器9で熱交
換された空気は吹出口5から勢いよく送出される。室温
と設定温度との温度差が小さくなったことを温度センサ
により検知すると、送風ファン7の制御により徐々に送
風量が低下する。
【0036】そして、図3に示すように、横ルーバ11
a、11bが回動して第1開口部5aが閉塞され、回動
板14、15が回動して第2開口部5b及び分岐通路1
3の分岐部分が開放される。これにより、吸込口4a、
4eから取り込まれた空気が送風経路6及び分岐通路1
3を流通して第2開口部5bから送出され、同図及び図
4の矢印A2に示すように上方に導かれる。従って、使
用者に常に冷たい風や暖かい風が当たることがなく、使
用者の不快感を防止して快適性を向上することができ
る。更に、冷房時には局所的に使用者の体温を低下させ
ることがなく健康上の安全性を向上することができる。
【0037】また、第2開口部5bから上方に送出され
る調整空気はフロントパネル3の前面を通過するが、フ
ロントパネル3の前面側が遮蔽されているためショート
サーキットの発生を著しく低減することができる。従っ
て、空気調和機の冷却効率または暖房効率の低下を防止
することができる。尚、フロントパネル3の前面側に傾
斜面や曲面が形成された場合であっても、正面から視認
できる傾斜面や曲面であれば遮蔽することによって同様
の効果を得ることができる。
【0038】また、ショートサーキットが発生しないた
め、冷房運転時に結露水の凍結及び成長を防止できる。
従って、結露水の凍結による氷が解けた水や結露水が室
内へ放出されることによる浸水を防止することができる
とともに、成長した氷の押圧力による室内機1の変形や
破損を防止することができる。
【0039】更に、吸込口4eが室内機1の側面側に開
放されているので、フロントパネル3の前面側を遮蔽し
ても充分な風量を確保することができる。従って、運転
効率の低下を防止できるとともに、充分な風量を確保す
るために送風ファン7の回転数を増加させる必要がな
く、騒音の増大を防止することができる。室内機1と室
内の天井との空間が狭く吸込口4aからの吸気量が少な
い場合には、風量低下を防止する効果がより大きくな
る。
【0040】また、フロントパネル3の内面は室内機1
内に取り込まれた空気と接触し、フロントパネル3の外
面は吹出口5から送出された調和空気と接触する。この
ため、フロントパネル3の両面の温度差により結露が生
じやすくなるが、発泡樹脂等から成る断熱材をフロント
パネル3に固着すると、結露を防止できるのでより望ま
しい。フロントパネル3を中空に形成して空気層や真空
層から成る断熱材を設けてもよい。
【0041】尚、空気調和機によって除湿運転を行う際
も同様に、室内熱交換器9との熱交換により除湿された
低温の空気を上方に送出することにより上記と同様の効
果を得ることができる。また、空気調和機は、室内熱交
換器内に蒸発部と凝縮部とを備えた再熱ドライ方式の除
湿装置であってもよい。即ち、再熱ドライ方式の除湿装
置は、蒸発部で熱交換により冷却除湿された空気が凝縮
部で熱交換により昇温されて室内に送出される。この
時、凝縮器で昇温しても尚、体温よりも低温の空気が常
に使用者に当たることを防止することができる。
【0042】次に、図5は第2実施形態の空気調和機の
室内機を示す斜視図である。前述の図1〜図4に示す第
1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。
第1実施形態と異なる点は、吸込口4eの開口部にキャ
ビネット2の側面部2bと一体に形成される桟2cを設
けて吸込口4eをスリット状に形成している点である。
その他の部分は第1実施形態と同一である。
【0043】本実施形態においても第1実施形態と同様
に、矢印A1に示すように第1開口部5aから水平乃至
下方に調整空気を送出することができる。そして、所定
の時期になると図6の矢印A2に示すように、第2開口
部5bから上方に向けて調整空気を送出することができ
る。従って、第1実施形態と同様の効果を得ることがで
きるとともに、桟2cにより室内機1内への異物の侵入
を防止することができる。
【0044】次に、図7は第3実施形態の空気調和機の
室内機を示す斜視図である。前述の図1〜図4に示す第
1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。
第1実施形態と異なる点は、キャビネット2の側面部2
bに設けた開口部により吸込口4eを形成している点で
ある。吸込口4eは室内熱交換器9の側面断面の形状に
応じて、側面部2bにより室内熱交換器9の側面を覆い
つつ、室内熱交換器9の上面に沿った形状に形成されて
いる。これにより、吸込口4eから流入する空気が低い
流通抵抗で室内熱交換器9と接触することができるよう
になっている。その他の部分は第1実施形態と同一であ
る。
【0045】本実施形態においても第1実施形態と同様
に、矢印A1に示すように第1開口部5aから水平乃至
下方に調整空気を送出することができる。そして、所定
の時期になると図8の矢印A2に示すように、第2開口
部5bから上方に向けて調整空気を送出することができ
る。従って、第1実施形態と同様の効果を得ることがで
きる。
【0046】次に、図9、図10は第4実施形態の空気
調和機の室内機を示す概略側面断面図及び斜視図であ
る。前述の図1〜図4に示す第1実施形態と同様の部分
には同一の符号を付している。第1実施形態と異なる点
は、フロントパネル3の上部に吸込口4cを設けている
点である。その他の部分は第1実施形態と同一である。
【0047】空気調和機の運転を開始すると、室内機1
内に吸込口4a、4c、4eから吸い込まれた空気が室
内熱交換器9と熱交換し、冷却または加熱される。そし
て、送風経路6を通って縦ルーバ12及び横ルーバ11
a、11bによって左右及び上下方向に向きを規制され
て吹出口5から矢印A1に示すように略水平方向乃至下
方向に向けて室内に送出される。
【0048】室温と設定温度との温度差が小さくなった
ことを温度センサにより検知すると、送風ファン7の調
整により徐々に送風量が低下する。そして、図11に示
すように、横ルーバ11a、11bが回動して第1開口
部5aが閉塞される。同時に、回動板14、15が回動
して第2開口部5b及び分岐通路13の分岐部分が開放
される。これにより、送風経路6を流通する調整空気は
分岐通路13を流通して同図及び図12の矢印A2に示
すように、第2開口部5bから上方に送出される。
【0049】従って、第1実施形態と同様に、使用者に
常に冷たい風や暖かい風が当たることがなく、使用者の
不快感を防止して快適性を向上するとともに、冷房時に
は局所的に使用者の体温を低下させることがなく健康上
の安全性を向上することができる。
【0050】また、第2開口部5bから送出された調整
空気の一部は矢印A3に示すようにフロントパネル3に
設けられた吸込口4cから室内機1内に取り込まれてシ
ョートサーキットが生じる。しかしながら、本実施形態
は以下の方法によりショートサーキットの発生を抑制し
ている。
【0051】図13はショートサーキットの風量と吸込
口4cの開口率との関係を示している。横軸は開口率
(単位:%)を示している。開口率は垂直面に投影した
際に、吹出口5よりも上方の投影面積に対する吸込口4
cの開口面積の割合により表している。縦軸はショート
サーキットの風量を示しており、開口率50%の時のシ
ョートサーキットの風量を1としたときの比により表し
ている。また、垂直面に投影して吹出口5よりも上方の
長さを100%とし、上から50%の位置を中心にして
上下略対称に分散して吸込口を配置した時の実験データ
を示している。
【0052】同図によると、開口率の増加に伴ってショ
ートサーキットの風量が増加する。前述の図20、図2
1に示す従来例の開口率は約50%になっている。開口
率を20%以下にするとショートサーキットの風量が従
来の1/2以下になる。従って、本実施形態は、吸込口
4cの開口率を20%以下に形成することによって、従
来よりも著しくショートサーキットの発生を抑制できる
ようになっている。
【0053】また、図14はショートサーキットの風量
と吸込口4cの位置との関係を示している。縦軸はショ
ートサーキットの風量を示しており、垂直面に投影して
吹出口5よりも上方の長さを100%とし、上から50
%の位置を中心に上下略対称に分散して開口率50%の
吸込口を配置した時のショートサーキットの風量を1と
している。
【0054】横軸は吸込口4cの位置を示している。吸
込口4cの位置は、垂直面に投影して、室内機1の上か
ら吸込口4cの下端までの距離を吹出口5よりも上方の
室内機1の長さに対する比(単位:%)により表してい
る。また、図13の結果から、開口率が20%の吸込口
4cの位置を可変したときの実験データを示している。
【0055】同図によると、吸込口4cを上方に配置す
るほどショートサーキットの風量が減少する。そして、
吸込口4cの下端が上から60%の位置と50%の位置
との間でショートサーキットの風量が急激に減少する。
従って、本実施形態は、吸込口4cを室内機1の上から
50%以内に設け、下方を遮蔽することによって更にシ
ョートサーキットの発生を抑制することができるように
なっている。
【0056】これにより、従来よりも空気調和機の冷却
効率を向上させることができる。また、室内機1の上面
が室内の天井と接近している場合には上面の吸込口4a
から取り込まれる空気量が減少しても、側面側の吸込口
4eだけでなく前方に面して設けられる吸込口4cから
空気を取り込むことができ、送風効率の低下を防止する
ことができる。また、本実施形態に示すように、上方へ
行くほど後方へ傾斜する傾斜面3a(図11参照)に吸
込口4cを形成することにより、ショートサーキットを
更に抑制することができる。
【0057】次に、図15、図16は第5実施形態の空
気調和機の室内機を示す概略側面断面図及び斜視図であ
る。前述の図9〜図12に示す第4実施形態と同様の部
分には同一の符号を付している。第4実施形態と異なる
点は、吸込口4cが、フロントパネル3の上端とキャビ
ネット2の上面部2aとの間に設けられた隙間により形
成されている点である。その他の部分は第4実施形態と
同一である。
【0058】吸込口4a、4c、4eから室内機1内に
取り込まれた空気は吹出口5の第1開口部5aから矢印
A1に示すように略水平方向乃至下方に送出される。室
温と設定温度との温度差が小さくなったことを温度セン
サにより検知すると、図17に示すように、横ルーバ1
1a、11bにより第1開口部5aが閉塞される。同時
に、回動板14、15の回動により第2開口部5b及び
分岐通路13が開放される。これにより、第2開口部5
bから同図及び図18の矢印A2に示すように調整空気
が上方に送出される。
【0059】本実施形態は吸込口4cの開口率が20%
以下になっている。また、垂直面に投影して吹出口より
も上方の室内機1の長さを100%としたときに上から
50%以内に吸込口4cの下端が設けられ、フロントパ
ネル3の下方が遮蔽されている。従って、第4実施形態
と同様にショートサーキットの発生を抑制することがで
きる。尚、吹出口5から上方に調整空気を送出する際に
吸込口4cを閉じる開閉機構を設けるとより望ましい。
【0060】第1〜第5実施形態において、フロントパ
ネル3の全面或いは下方を遮蔽しているが、前述の図2
0、図21に示す従来例においても室内機の側面側に第
1〜第5実施形態と同様の吸込口4eを設けた場合は、
前面側の吸込口4c(図20参照)から取込まれる空気
量を減少させることができる。従って、吹出口5から上
方に向けて調整空気を送出した際に従来よりもショート
サーキットを低減することができる。
【0061】
【発明の効果】本発明によると、吹出口から下方及至上
方に切り替えて送出する空気調和機において吸込口の少
なくとも一部を空気調和機の側面部に設けることによっ
て、使用者に常に冷たい風や暖かい風が当たることがな
く、使用者の不快感防止による快適性の向上及び健康上
の安全性の向上を図ることができる。また、空気調和機
の前面側から取込まれる空気量を減少させて従来よりも
ショートサーキットを低減することができる。
【0062】また本発明によると、空気調和機の前面側
を遮蔽する遮蔽部を設けたので、使用者の不快感防止に
よる快適性の向上及び健康上の安全性の向上を図ること
ができるとともに、ショートサーキットを防止して冷却
効率或いは暖房効率を向上させることができる。また、
ショートサーキットの防止により、冷房運転時や除湿運
転時に結露の増加や結露水の凍結及び成長を防止でき
る。従って、結露水や凍結した氷が解けた水による室内
への水の放出を防止することができるとともに、成長し
た氷の押圧力による空気調和機の変形や破損を防止する
ことができる。更に、側面部の吸込口により充分な風量
を確保して、運転効率の低下を防止できるとともに、充
分な風量を確保するために送風ファンの回転数を増加さ
せる必要がなく、騒音の増大を防止することができる。
【0063】また本発明によると、空気調和機の前面側
に吸込口の開口率が20%以下の遮蔽部を設けたので、
使用者の不快感防止による快適性の向上及び健康上の安
全性の向上を図ることができるとともに、ショートサー
キットを抑制して冷却効率或いは暖房効率を向上させる
ことができる。また、結露水や凍結した氷が解けた水が
放出されることによる室内の浸水や、成長した氷による
空気調和機の変形や破損を防止することができる。更
に、前面側及び側面部の吸込口により、下方向に調和空
気を送出する際に充分な風量を確保することができる。
【0064】また本発明によると、垂直面に投影して吹
出口よりも上方の長さを100%としたときに、前面側
の下方の50%を遮蔽部により遮蔽しているので、使用
者の不快感防止による快適性の向上及び健康上の安全性
の向上を図ることができるとともに、ショートサーキッ
トを抑制して冷却効率或いは暖房効率を向上させること
ができる。また、結露水や凍結した氷が解けた水が放出
されることによる室内の浸水や、成長した氷による空気
調和機の変形や破損を防止することができる。更に、前
面側及び側面部の吸込口により、下方向に調和空気を送
出する際に充分な風量を確保することができる。
【0065】また本発明によると、遮蔽部に断熱材を設
けることにより、遮蔽部の両面の温度差による結露を防
止することができる。
【0066】また本発明によると、吹出口から上方に調
和空気を送出して冷房運転または除湿運転を行うので、
ショートサーキットによる結露水の増加や結露水の凍結
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の空気調和機の室内機
を示す概略側面断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の空気調和機の室内機
を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の空気調和機の室内機
の動作を示す概略側面断面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態の空気調和機の室内機
の動作を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第2実施形態の空気調和機の室内機
を示す斜視図である。
【図6】 本発明の第2実施形態の空気調和機の室内機
の動作を示す斜視図である。
【図7】 本発明の第3実施形態の空気調和機の室内機
を示す斜視図である。
【図8】 本発明の第3実施形態の空気調和機の室内機
の動作を示す斜視図である。
【図9】 本発明の第4実施形態の空気調和機の室内機
を示す概略側面断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態の空気調和機の室内機
を示す斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態の空気調和機の室内機
の動作を示す概略側面断面図である。
【図12】本発明の第4実施形態の空気調和機の室内機
の動作を示す斜視図である。
【図13】本発明の第4実施形態の空気調和機の室内機
の吸込口の開口率とショートサーキット風量との関係を
示す図である。
【図14】本発明の第4実施形態の空気調和機の室内機
の吸込口の位置とショートサーキット風量との関係を示
す図である。
【図15】本発明の第5実施形態の空気調和機の室内機
を示す概略側面断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態の空気調和機の室内機
を示す斜視図である。
【図17】本発明の第5実施形態の空気調和機の室内機
の動作を示す概略側面断面図である。
【図18】本発明の第5実施形態の空気調和機の室内機
の動作を示す斜視図である。
【図19】従来の空気調和機の室内機を示す概略側面断
面図である。
【図20】他の従来の空気調和機の室内機を示す概略側
面断面図である。
【図21】他の従来の空気調和機の室内機の動作を示す
概略側面断面図である。
【符号の説明】
1 室内機 2 キャビネット 2b 側面部 3 フロントパネル 4a、4c、4e 吸込口 5 吹出口 5a 第1開口部 5b 第2開口部 6 送風経路 7 送風ファン 8 エアフィルタ 9 室内熱交換器 10 ドレンパン 11a、11b 横ルーバ 12 縦ルーバ 13 分岐通路 14、15 回動板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内の壁面に取り付けて、吸込口から取
    り入れた空気を調和して下部に設けた吹出口から下方乃
    至上方に切り替えて送出する空気調和機において、前記
    吸込口の少なくとも一部を空気調和機の側面部に設けた
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 前記吹出口よりも上方の前面側を遮蔽す
    る遮蔽部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の空
    気調和機。
  3. 【請求項3】 前記吹出口よりも上方の前面側を遮蔽す
    る遮蔽部を設けるととともに前記遮蔽部に前記吸込口を
    形成する開口部を設け、垂直面に投影して該開口部の開
    口面積を前記吹出口よりも上方の投影面積の20%以下
    にしたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  4. 【請求項4】 垂直面に投影して、前記吹出口よりも上
    方の長さを100%とし、前面側の上から50%よりも
    下方を遮蔽する遮蔽部を設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の空気調和機。
  5. 【請求項5】 前記遮蔽部に断熱材を設けたことを特徴
    とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の空気調和
    機。
  6. 【請求項6】 前記吹出口から上方に調和空気を送出し
    て冷房運転または除湿運転を行うことを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれかに記載の空気調和機。
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