JP2003126125A - 人工血管及びその製造方法 - Google Patents

人工血管及びその製造方法

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JP2003126125A JP2001326426A JP2001326426A JP2003126125A JP 2003126125 A JP2003126125 A JP 2003126125A JP 2001326426 A JP2001326426 A JP 2001326426A JP 2001326426 A JP2001326426 A JP 2001326426A JP 2003126125 A JP2003126125 A JP 2003126125A
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Katsuko Sakai
克子 酒井
Takashi Ushida
多加志 牛田
Tetsuya Tateishi
哲也 立石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体適合性、機械的強度、抗血栓性等におい
て優れ、血液の漏洩が生じず、かつ製造が容易である人
工血管の提供。 【解決手段】 ゲル化する溶液に生体作用物質を含漬さ
せて生体作用物質含有溶液を調製し、常圧又は陰圧条件
下で筒状の多孔質人工血管基材の孔内に前記生体作用物
質含有溶液を取り込ませ、前記多孔質人工血管基材の孔
内に取り込まれた前記生体作用物質含有溶液をゲル化す
ることによって、血液漏れが起きず、抗血栓性に優れ、
内腔面がほぼ平滑であり、力学的な性質にも優れた人工
血管を短期間で得ることができ、もって上記課題を解決
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,心・脳疾患系,さ
らに四肢の末梢血管などを含む人体のあらゆる血管の疾
患の治療に際して使用される人工血管に関するものであ
り、より詳しくは、多孔質人工血管基材とゲルと生体作
用物質とを複合化した人工血管に関する。
【0002】
【従来の技術】大口径(内径が約5mm〜約30mm)
の人工血管は、先天性疾患、動脈硬化症といった血管疾
患の治療に際して使用される。このような人工血管とし
ては,ポリエステル性の線維や伸展性の4塩化フッ素化
合物などの材料で作製された人工血管が臨床で用いられ
ている。大口径の人工血管は、このような材料によって
作製されていても十分な血流速度が確保されるため、臨
床的に十分な成果が得られている。
【0003】一方、小口径(内径が約0.5mm〜約5
mm)の人工血管は、動脈硬化症、血管れん縮、末梢血
管の損傷、瘤形成、腫瘍の浸潤といった血管疾患の治療
に際して需要が非常に高いものである。しかしながら、
小口径の人工血管においては、小口径であるがゆえに上
述の材料では十分な血流速度を確保し得る抗血栓性に優
れた人工血管を得ることはできなかった。また、上述の
ような材料は非生分解性材料であり、生体適合性も悪
く、かつ移植後にも異物が体内に残存することになると
いう問題がある。
【0004】一方、生体適合性、抗血栓性を考慮して、
平滑筋を含有し、内皮細胞の層を内腔面上に形成できる
ような平滑な内腔面を有する、人工的な筒状物質を形成
したハイブリッド型人工血管モデルが提唱されている。
【0005】このようなモデルとして、具体的には、平
滑筋を混合させたゲル状のコラーゲンを筒状構造体に成
型するモデルが提唱されている(Weinberg et al. Scie
nce,1986, 231, p397-400、Hirai et al. ASAIO journa
l, 1994, p383-388)。このモデルによれば、短時間で
平滑な内腔面を有する人工血管を形成することができ
る。しかしながら、このような筒状構造体は脆弱である
ため、作製直後はピンセットで持ち上げることができな
い等、極めて扱いにくく、また、血圧などの生体内に存
在する力学的な環境に耐えることができないという問題
があった。
【0006】また、生分解性又は非生分解性の筒状の構
造体に平滑筋細胞を含有させた培養溶液を直接播種さ
せ、これによって内腔面が平滑になるまで培養させた後
に内皮細胞を播種させるモデルも提唱されている(Nikl
ason et al. Science, 1999, 284, p489-493、特開2001
-78750号公報)。これらモデルによれば、機械的強度に
優れ、動脈レベルの人工血管としても耐えられるもので
ある。しかしながら、生分解性又は非生分解性の筒状構
造体は、疎水性が強く、細胞の接着、および増殖が著し
く悪いことが知られている。このため、平滑な内腔面を
形成するまで筒状構造体内の平滑筋細胞を培養させるの
に数ヶ月という長い培養時間を要するという問題があっ
た。これは、人工血管を必要とする患者の状況を考慮す
ると実用的なものであるとはいえなかった。また、筒状
構造体による平滑筋細胞の補足率も低く、筒状構造体の
隙間から血液が漏れる恐れがあるという問題があった。
また、当該モデルによれば、その機械的強度が高いゆえ
に、移植後に自己の血管との間で摩擦が生じて、結合部
に切れ目が生じ、血液が漏れる恐れがあるという問題も
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、生体適合性、
機械的強度、抗血栓性等において優れ、血液の漏洩が生
じず、かつ製造が容易である人工血管が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、適度な機械的強度を有するファイバー(繊維)
状またはスポンジ状の材料から形成された筒状の多孔質
人工血管基材を、細胞を混合した溶液に常圧又は陰圧条
件下で含浸させ、孔内に細胞含有溶液を取り込ませた後
に、当該溶液をゲル化させることによって、短時間で多
孔質人工血管基材の細部にまで高密度で細胞を浸透さ
せ、かつ保持させることができることを見出し、本発明
を完成させた。
【0009】また、本発明者らは、上記と同様の方法
で、細胞のみならず、生体内で合成される生理活性物質
やそれらの生理活性物質をコードする遺伝子、生体外で
合成もしくは得られる医薬化合物等といった薬学的活性
成分を多孔質人工血管基材に取り込むことができ、ドラ
ッグデリバリーシステム、人工血管以外の人工臓器を含
む、様々な用途の人工血管として対応できる人工血管を
提供できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】即ち、本発明では、筒状の多孔質人工血管
基材を有する人工血管において、前記多孔質人工血管基
材の孔内に生体作用物質含有ゲル溶液を含浸させてなる
人工血管が提供される。
【0011】また、本発明では、筒状の多孔質人工血管
基材を有する人工血管の製造方法において、温度変化、
pH変化、塩濃度変化、及び酵素反応変化のいずれかに
対応してゲル化する溶液に、生体作用物質を含浸させて
生体作用物質含有溶液を調製する工程と、常圧又は陰圧
条件下で前記多孔質人工血管基材の孔内に前記生体作用
物質含有溶液を取り込ませる工程と、前記多孔質人工血
管基材の孔内に取り込まれた前記生体作用物質含有溶液
をゲル化する工程とを含む人工血管の製造方法が提供さ
れる。
【0012】本発明において、前記多孔質人工血管基材
が、生分解性材料又は非生分解性材料から構成されるこ
とが好ましい。また、前記生分解性材料は、ポリ乳酸、
ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、
ポリリンゴ酸、ポリ―ε―カプロラクトン、ε−カプロ
ラクトンと乳酸との共重合体、ε−カプロラクトンとグ
リコール酸との共重合体、ε−カプロラクトンと乳酸と
グリコール酸との共重合体、ポリ−3−ヒドロキシブチ
レート、ポリ−4−ヒドロキシブチレート、及び3−ヒ
ドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートとの共
重合体からなる群から選ばれる1種以上の材料であるこ
とが好ましい。また、前記非生分解性材料は、ポリエチ
レン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブタジエン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポ
リアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリスルホ
ン系樹脂、及びポリテトラフルオロエチレン系樹脂から
なる群から選ばれる1種以上の材料であることが好まし
い。
【0013】また、本発明において、前記生体作用物質
が、細胞及び/又は薬学的活性成分であることが好まし
い。また、前記細胞は、平滑筋細胞、繊維芽細胞、未分
化細胞、肝細胞、膵臓細胞、及び造血幹細胞からなる群
から選ばれる1種以上の細胞であることが好ましい。
【0014】また、本発明にかかる人工血管において、
前記生体作用物質含有ゲル溶液が、コラーゲンゲル溶
液、フィブリンゲル溶液、アクリルアミドゲル溶液、ア
ガロースゲル溶液、及びアルギン酸ゲル溶液からなる群
から選ばれる1種以上のゲル溶液であって、生体作用物
質を含有するものであることが好ましい。
【0015】また、本発明にかかる人工血管の製造方法
において、ゲル化する前記溶液が、コラーゲン溶液、フ
ィブリン溶液、アクリルアミド溶液、アガロース溶液、
及びアルギン酸溶液からなる群から選ばれる1種以上の
溶液であることが好ましい。
【0016】また、本発明にかかる人工血管において、
前記多孔質人工血管基材の内腔面上に、内皮細胞層が形
成されていてもよい。
【0017】また、本発明にかかる人工血管の製造方法
において、前記多孔質人工血管基材の孔内に取り込まれ
た前記生体作用物質含有溶液をゲル化した前記多孔質人
工血管基材の内腔面上に、内皮細胞層を形成する工程を
更に含んでいてもよい。
【0018】また、本発明において、前記多孔質人工血
管基材が、生分解性材料又は非生分解性材料からなる補
強部材によって補強されていてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明にかかる人工血管は、筒状
の多孔質人工血管基材を有するものであり、その孔内に
生体作用物質含有ゲル溶液を含むものである。
【0020】まず、本発明で用いられる多孔質人工血管
基材について説明する。本発明で使用される多孔質人工
血管基材は、多孔質であり、生体作用物質を孔内に取り
込みやすくする観点から、孔同士がつながったオープン
ポア構造のものが好ましい。孔の割合は、基材の70%
〜99%であることが好ましく、80%〜95%である
ことが更に好ましい。
【0021】また、本発明で用いられる多孔質人工血管
基材は、筒状であり、例えば、小口径人工血管として用
いる場合は、内径が1mm〜7mmであることが好まし
く、1mm〜5mmであることが更に好ましく、1mm
〜4mmであることが更にまた好ましい。
【0022】従来、動脈硬化症、血管れん縮、末梢血管
の損傷、瘤形成、腫瘍の浸潤といった小口径血管の疾患
の治療にあっては、他の部位の自己血管の再移植、ある
いは、疾患が全身性の症状であり自己血管の移植が適切
でない場合は四肢の切断といった処置が取られていた。
本発明にかかる人工血管を小口径人工血管として用いる
場合は、上記の血管疾患の治療にあっても、従来取られ
ていた処置を施すことなく、その治療を可能にし、手術
の緊急性、患者の負担等を考えると好ましい。
【0023】また、大口径人工血管として用いる場合
は、内径が5mm〜70mmであることが好ましく、5
mm〜50mmであることが更に好ましい。
【0024】また、本発明で用いられる多孔質人工血管
基材の材料としては、生分解性材料、非生分解性材料等
を挙げることができる。生体内での異物反応、免疫反
応、発ガン性など考慮して、移植後に生体由来でない成
分は溶けてなくなる人工血管を提供するという観点から
は生分解性材料であることが好ましい。また、移植後に
溶けてなくならないため、機械的強度を保持でき、現段
階、現技術開発レベルで安定した商品を供給するという
観点からは非生分解性材料であることが好ましい。
【0025】生分解性材料としては、特に制限はない
が、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、乳酸とグリコール酸
との共重合体、ポリリンゴ酸、ポリ―ε―カプロラクト
ン、ε−カプロラクトンと乳酸との共重合体、ε−カプ
ロラクトンとグリコール酸との共重合体、ε−カプロラ
クトンと乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリ−3−
ヒドロキシブチレート、ポリ−4−ヒドロキシブチレー
ト、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレ
ートとの共重合体等を挙げることができ、厚生労働省、
FDA(米国食品医薬品局)の認可という観点からは、
ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸との
共重合体であることが好ましい。
【0026】非生分解性材料としては、特に制限はない
が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ
ブタジエン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹
脂、ポリスルホン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン
系樹脂等を挙げることができ、厚生労働省、FDAの認
可という観点からは、ポリエチレン系樹脂、ポリテトラ
フルオロエチレン系樹脂であることが好ましい。
【0027】本発明で使用される筒状の多孔質人工血管
基材の製造方法としては、例えば、上述した材料の溶液
に、塩化ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の発泡剤
を混合して筒状に成型し、その後発泡させて多孔質状に
するという方法を挙げることができる。このような方法
としては、例えば、Nam et al. J.Biomed. Master Res.
2000, 53, p1-7に記載された方法を挙げることができ
る。
【0028】次に、上記多孔質人工血管基材の孔内に含
まれる、生体作用物質含有ゲル溶液について説明する。
【0029】本発明で使用される生体作用物質含有ゲル
溶液は、生体作用物質を含むゲル溶液であり、生体作用
物質を均一に混合させたものであることが好ましい。
【0030】ゲル溶液に含まれる生体作用物質として
は、細胞、薬学的活性成分等を挙げることができ、これ
らの1種類以上であってもよい。このような生体作用物
質は、人工血管の用途に応じて適宜定めることができ
る。
【0031】本明細書において、薬学的活性成分とは、
生体内において一種以上の薬理活性を示す成分をいい、
例えば、生体内で合成される生理活性物質、それらの生
理活性物質をコードする遺伝子、生体外で合成もしくは
得られる医薬化合物等を挙げることができる。
【0032】生体作用物質として使用される細胞として
は、例えば、幹細胞やES系細胞等の未分化細胞、平滑
筋細胞、繊維芽細胞、肝細胞、膵臓細胞、造血幹細胞等
を挙げることができる。
【0033】生体作用物質として使用される生理活性物
質としては、生体内で合成されるタンパク質を挙げるこ
とができ、例えば、インシュリン、抗プリオン抗体、抗
エイズウイルス抗体等を挙げることができる。このよう
な生理活性物質を生体作用物質として含む人工血管とし
ては、糖尿病、感染症等の疾患の治療を兼ねた人工血管
といった用途がある。
【0034】生体作用物質として使用される遺伝子とし
ては、上述した生理活性物質をコードする遺伝子を挙げ
ることができ、例えば、アデノシンデアミナーゼをコー
ドする遺伝子、第8血液凝固因子をコードする遺伝子、
第9血液凝固因子をコードする遺伝子等を挙げることが
できる。遺伝子を生体作用物質として含む人工血管とし
ては、アデノシンデアミナーゼ欠損症、血友病等の疾患
の治療を兼ねた人工血管といった用途がある。
【0035】また、生体作用物質として生体外で合成も
しくは得られる医薬化合物を使用することもできる。こ
のような医薬化合物としては、有機化合物、自然界に存
在する微生物などによって産生させる抗生物質等を挙げ
ることができ、具体的には、ペニシリン、シクロホスフ
ァミド、アクチノマイシンD、5−フルオロウシシル、
ブレオマイシン等を挙げることができる。このような医
薬化合物を生体作用物質として含む人工血管としては、
感染症、抗ガン治療などを兼ねた人工血管といった用途
がある。
【0036】多孔質人工血管基材が生分解性材料から構
成されている場合は、人工血管移植後の機械的強度を担
保するという観点から、ゲル溶液には、少なくとも、平
滑筋細胞、繊維芽細胞、未分化細胞が含まれていること
が好ましい。
【0037】ゲル溶液に混合させる生体作用物質の密度
は、生体作用物質が細胞の場合には、1×104cel
l/ml〜1×109cell/mlであることが好ま
しく、1×106cell/ml〜1×107cell/
mlであることが更に好ましい。
【0038】また、ゲル溶液としては、温度、pH、塩
濃度、酵素反応などの変化によってゲル化する溶液をゲ
ル化させたものであり、毒性や発ガン性のないものであ
れば特に制限はなく使用することができる。温度変化に
対応してゲル化するものとしては、例えば、コラーゲ
ン、アクリルアミド系の樹脂、アガロースを挙げること
ができる。また、pH変化に対応してゲル化するものと
しては、コラーゲン等を挙げることができる。また、塩
濃度の変化に対応してゲル化するものとしては、アルギ
ン酸等を挙げることができる。また、酵素反応に対応し
てゲル化するものとしては、フィブリン等を挙げること
ができ、ゲル化させる酵素としては、例えば、フィブリ
ノーゲン等を挙げることができる。
【0039】本発明の人工血管は、多孔質人工血管基材
の孔内に生体作用物質含有ゲル溶液が取り込まれてい
る。生体作用物質含有ゲル溶液は、血液の漏れを防ぎ、
更に血管内皮細胞の足場を確保する観点から、多孔質人
工血管基材の全孔の50%以上を占めることが好まし
く、90%以上を占めることが更に好ましい。
【0040】本発明にかかる人工血管は、抗血栓性を良
好にする観点から、多孔質人工血管基材の内腔面上に内
皮細胞層が形成されていてもよい。
【0041】また、本発明にかかる人工血管において、
機械的強度を更に良好にするため、多孔質人工血管基材
を生分解性材料又は非生分解性材料からなる補強部材に
よって補強されていてもよい。補強部材は、多孔質人工
血管基材の外周面上及び/又は内周面上に形成されてい
てもよく、また、多孔質人工血管基材内部に組み込まれ
ていてもよい。多孔質人工血管基材の外周面上に形成さ
れた補強部材としては、多孔質人工血管基材の外径と略
同一の内径を有し、断面が基材と同心円となるように基
材に被覆された筒状の部材を挙げることができる。ま
た、多孔質人工血管基材の内周面上に形成された補強部
材としては、多孔質人工血管基材の内径と略同一の外径
を有し、断面が基材と同心円となるように基材に被覆さ
れた筒状の部材を挙げることができる。いずれも、繊維
状の生分解性材料又は非生分解性材料を網目状に織るこ
とで形成したもの等を挙げることができる。また、この
ような網目状の補強部材を、多孔質人工血管基材を成型
する際に予め組み込むことによって、補強部材を多孔質
人工血管基材内に組み込むこともできる。なお、生分解
性材料及び非生分解性材料としては、多孔質人工血管基
材の材料として上述したものを挙げることができる。
【0042】次に、本発明にかかる人工血管の製造方法
について説明する。
【0043】まず、温度変化、pH変化、塩濃度変化及
び酵素反応変化のいずれかに対応してゲル化する溶液に
生体作用物質を混合し、生体作用物質含有溶液を調製す
る。混合させる生体作用物質としては、人工血管の用途
に応じて適宜定めることができ、上記で説明した物質を
挙げることができる。また、ゲル化する溶液中に混合さ
せる生体作用物質の密度は、生体作用物質が細胞の場合
には、1×104cell/ml〜1×109cell/
mlであることが好ましく、1×106cell/ml
〜1×107cell/mlであることが更に好まし
い。
【0044】続いて、予め用意した多孔質人工血管基材
を、上述のように調製した生体作用物質含有溶液に含浸
し、常圧条件下、好ましくは陰圧条件下で基材の孔内に
生体作用物質含有溶液を取り込ませる。
【0045】多孔質人工血管基材の材料及び製造方法に
ついては、上述した通りである。また、多孔質人工血管
基材は、補強部材によって補強されていてもよい。補強
部材および補強方法については、上述した通りである。
【0046】多孔質人工血管基材の生体作用物質含有溶
液への含浸方法としては、常圧条件下、好ましくは陰圧
条件下で生体作用物質含有溶液に多孔質人工血管基材を
浸漬して静置するといった方法を挙げることができる。
基材内に生体作用物質を取り込ませるためには、生体作
用物質が多孔質人工血管基材の孔内に十分取り込まれる
まで含浸させる。例えば、生体作用物質含有溶液に多孔
質人工血管基材を含浸させて、10分〜60分静置させ
ることが好ましく、30分〜60分静置させることが更
に好ましい。
【0047】添加時の圧力は、常圧でもよいが、効率的
に生体作用物質を基材の孔内に取り込ませる観点から、
大気圧よりも低い圧力が好ましい。この圧力は、使用す
る材料、機材の耐圧性、使用する生体作用物質の活性保
持可能性などを考慮して、適宜決定される。
【0048】続いて、多孔質人工血管基材の孔内に取り
込まれた生体作用物質含有溶液をゲル化させる。ゲル化
条件は、使用する溶液に合わせて適宜設定する。ゲル化
させる際には、平滑な内腔面を形成する観点から、ゲル
化条件下で更に、10分〜120分静置させることが好
ましく、30分〜60分静置させることが更に好まし
い。
【0049】本発明にかかる人工血管の製造方法におい
て、多孔質人工血管基材の内腔面上に、内皮細胞層を形
成させることができる。内皮細胞層は、ゲル化した生体
作用物質含有溶液を孔内に保持した多孔質人工血管基材
の内腔内に、内皮細胞を含有する培養液を流し込み、回
転培養させることによって容易に形成することができ
る。
【0050】内皮細胞培養の際の回転数は、0.5rp
m〜100rpmであることが好ましく、5rpm〜1
0rpmであることが更に好ましい。また、培養時間
は、10分〜24時間であることが好ましく、20分〜
60分であることが更に好ましい。
【0051】本発明によれば、筒状の多孔質人工血管基
材の孔内に、生体作用物質を高密度で含み、血液漏れが
起きず、内腔面がほぼ平滑であり、また、多孔質人工血
管基材を有するため、力学的な性質にも優れた人工血管
を提供することができる。
【0052】また、本発明によれば、生体作用物質を短
時間で効率よく高密度に人工血管へ組み込みことができ
る。
【0053】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を具体的に説明
する。
【0054】参考例(多孔質人工血管基材の調製) 重量平均分子量約300,000のポリ乳酸320mg
をクロロホルム4mlで完全に溶かして液状にした後
に、炭酸水素アンモニウムの結晶5gを混合させた。内
径が5mm、外径が7mmの鋳型に上述のポリマーを流
し込み、形を整えた後、鋳型からポリマーをとり出し、
クロロホルムを完全に蒸発させるために、50℃で24
時間加熱した。次に、3次元的なスポンジ構造を作製す
るために、筒状のポリマーを80℃で10分加熱し、炭
酸アンモニウムを溶出した。超純水で筒状ポリマーを十
分に洗浄した後に、凍結乾燥して、内径約5mm、外径
約7mm、長さ約20mmのポリ乳酸から構成される多
孔質人工血管基材(以下、「PLLA基材」という)を
作製した。
【0055】実施例1 0.39%のコラーゲン溶液に、5×106cells/ml の
濃度でヒト正常大動脈血管平滑筋細胞を混合させた溶液
を作製した。次に、参考例で作製したPLLA基材を、
ガラス製のチューブに入れ、上述のヒト正常大動脈血管
平滑筋細胞含有コラーゲン溶液1.4mlに浸漬し、こ
れを油圧式ポンプ(ULVAC社製、G−5)によって
減圧して、陰圧条件下で30分間静置した。続いて、外
径が5mmのチューブをPLLA基材の中心に挿入した
後に、37℃のインキュベータに移動させ、60分間静
置することによって、PLLA基材内のコラーゲン溶液
をゲル化させ、人工血管を作製した。
【0056】比較例1 培養溶液(ダルベッコ最小必須培地(DMEM))に、
ヒト正常大動脈血管平滑筋細胞を混合させ、5×106c
ells/ml の濃度の細胞含有溶液を作製した。次に、参考
例で作製したPLLA基材をガラス製のチューブに入
れ、上述のヒト正常大動脈血管平滑筋細胞含有培養溶液
1.4mlに浸漬し、これを油圧式ポンプ(ULVAC
社製、G−5)によって減圧して、陰圧条件下で30分
間静置した。続いて、外径が5mmのチューブをPLL
A基材の中心に挿入した後に、37℃のインキュベータ
に移動させ、60分間静置し、人工血管を作製した。
【0057】(1)取り込まれた細胞数の比較 実施例1および比較例1で作製した人工血管に取り込ま
れたヒト正常大動脈血管平滑筋細胞の数を比較した。比
較は、PLLA基材を浸漬する前のヒト正常大動脈血管
平滑筋細胞溶液中の細胞数に対する、PLLA基材を浸
漬後取り出した後の溶液中の細胞数の割合(%)を計算
することにより行った。細胞の数は、4’,6−ジアミ
ジノ−2−フェニルインドール二塩酸(DAPI)によ
って発色させた核の数を、蛍光分光光度計を用いて算出
することにより行った。なお、浸漬時間は30分である
ため、この時間内に平滑筋細胞が増殖することはない。
下記の表1に取り込まれた細胞の割合を示す。
【0058】
【表1】 表1から、比較例1で作製した人工血管に比べ、実施例
1で作製した人工血管は、極めて効率的に細胞を取り込
んでいることがわかる。
【0059】(2)人工血管の内腔面の状態の比較 実施例1および比較例1で作製した人工血管の内腔面の
状態を調べた。細胞を安定化するため、それぞれの人工
血管を更に1日培養したものを観察に用いた。実施例1
で作製した人工血管の内腔面の走査型電子顕微鏡(SE
M)写真(スケール100μm)を図1に、比較例1で
作製した人工血管の内腔面のSEM写真を図2に、参考
のために参考例で作製したPLLA基材の内腔面の状態
のSEM写真を図3に示した。図1及び図2から、比較
例1の人工血管の内腔面は孔が未だに多いのに比べ、実
施例1の人工血管の内腔面は孔がなく、平滑になってい
ることがわかる。
【0060】(3)人工血管の内腔面側の細胞密度の比
較 実施例1および比較例1で作製した人工血管の内腔面側
の細胞密度を調べた。細胞を安定化するため、それぞれ
の人工血管を更に1日培養した後、それぞれの人工血管
の断面切片(厚さ8μm)を作製し、ヒト正常大動脈血
管平滑筋細胞の核をヘキスト(ヘキスト社製)100n
g/mlで染色した。図4に実施例1で作製した人工血
管の断面の蛍光写真、図5に比較例1で作製した人工血
管の断面の蛍光写真を示した。なお、図中点線は、内腔
面を示すものである。図4及び図5から、比較例1で作
製した人工血管に比べ、実施例1で作製した人工血管の
ほうが高密度で細胞が取り込まれていることがわかる。
【0061】実施例2 5.0×106 cells/ml の濃度で正常ヒト臍帯静脈血管
内皮細胞を含有した培養溶液を1ml調製し、実施例1
で作製した人工血管の内腔内に流し込んだ。回転培養装
置(タイテック社、RT−50)を用いて、5rpm〜
10rpmの回転速度で回転させながら60分間培養す
ることによって、内皮細胞層を形成させた。
【0062】(4)人工血管内腔面上の内皮細胞層 実施例2で作製した人工血管内腔面上に形成させた内皮
細胞の様子を調べた。細胞を安定化するため、人工血管
を更に1日培養した後、人工血管の断面切片(厚さ8μ
m)を作製し、内皮細胞をアセチル化低密度リポプロテ
イン(LDL)で染色した。図6に上記の人工血管の断
面の透過型顕微鏡写真を、図7に同じ断面の蛍光写真を
示した。なお、図7中の矢印は、内皮細胞層を示すもの
である。図6及び図7から、実施例2で作製した人工血
管の内腔面上には、連続的に内皮細胞層が形成されてい
ることがわかる。
【0063】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
人工血管に必要不可欠な、血液と直接接する最内腔面の
短期間における平滑化が可能であり、短時間で効率のよ
い生体作用物質の人工血管への組み込みが可能である。
【0064】また、本発明によれば、血液漏れが起き
ず、抗血栓性に優れ、内腔面がほぼ平滑であり、力学的
な性質にも優れた人工血管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で作製された人工血管の内腔面の走
査型電子顕微鏡による観察像である。
【図2】 比較例1で作製された人工血管の内腔面の走
査型電子顕微鏡による観察像である。
【図3】 参考例で作製されたPLLA基材の内腔面の
走査型電子顕微鏡による観察像である。
【図4】 実施例1で作製された人工血管の蛍光顕微鏡
による断面像である。
【図5】 比較例1で作製された人工血管の蛍光顕微鏡
による断面像である。
【図6】 実施例2で作製された人工血管の透過型顕微
鏡による断面像である。
【図7】 実施例2で作製された人工血管の蛍光顕微鏡
断面像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 克子 東京都文京区本郷7丁目3番1号 (72)発明者 牛田 多加志 東京都文京区本郷7丁目3番1号 (72)発明者 立石 哲也 東京都文京区本郷7丁目3番1号 Fターム(参考) 4C081 AB13 BA05 CA021 CA031 CA041 CA081 CA121 CA131 CA171 CA281 CB011 CC01 CD34 DA03 DB03 EA02 EA03 4C097 AA15 BB01 CC01 DD02 DD15 EE02 EE03 EE04 EE06 EE08 FF01 FF03 FF05 MM02 MM04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状の多孔質人工血管基材を有する人工血
    管において、 前記多孔質人工血管基材の孔内に生体作用物質含有ゲル
    溶液を含浸させてなる人工血管。
  2. 【請求項2】前記多孔質人工血管基材が、生分解性材料
    又は非生分解性材料から構成されることを特徴とする請
    求項1に記載の人工血管。
  3. 【請求項3】前記生分解性材料が、ポリ乳酸、ポリグリ
    コール酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリリン
    ゴ酸、ポリ―ε―カプロラクトン、ε−カプロラクトン
    と乳酸との共重合体、ε−カプロラクトンとグリコール
    酸との共重合体、ε−カプロラクトンと乳酸とグリコー
    ル酸との共重合体、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、
    ポリ−4−ヒドロキシブチレート、及び3−ヒドロキシ
    ブチレートと4−ヒドロキシブチレートとの共重合体か
    らなる群から選ばれる1種以上の材料であることを特徴
    とする請求項2に記載の人工血管。
  4. 【請求項4】前記非生分解性材料が、ポリエチレン系樹
    脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポ
    リスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリ
    ル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリスルホン系樹
    脂、及びポリテトラフルオロエチレン系樹脂からなる群
    から選ばれる1種以上の材料であることを特徴とする請
    求項2に記載の人工血管。
  5. 【請求項5】前記生体作用物質が、細胞及び/又は薬学
    的活性成分であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の人工血管。
  6. 【請求項6】前記細胞が、平滑筋細胞、繊維芽細胞、未
    分化細胞、肝細胞、膵臓細胞、及び造血幹細胞からなる
    群から選ばれる1種以上の細胞であることを特徴とする
    請求項5に記載の人工血管。
  7. 【請求項7】前記生体作用物質含有ゲル溶液が、コラー
    ゲンゲル溶液、フィブリンゲル溶液、アクリルアミドゲ
    ル溶液、アガロースゲル溶液、及びアルギン酸ゲル溶液
    からなる群から選ばれる1種以上のゲル溶液であって、
    生体作用物質を含有するものであることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の人工血管。
  8. 【請求項8】前記多孔質人工血管基材の内腔面上に、内
    皮細胞層が形成されていることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の人工血管。
  9. 【請求項9】前記多孔質人工血管基材が、生分解性材料
    又は非生分解性材料からなる補強部材によって補強され
    ていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載
    の人工血管。
  10. 【請求項10】筒状の多孔質人工血管基材を有する人工
    血管の製造方法において、 温度変化、pH変化、塩濃度変化、及び酵素反応変化の
    いずれかに対応してゲル化する溶液に生体作用物質を含
    浸させて生体作用物質含有溶液を調製する工程と、 常圧又は陰圧条件下で前記多孔質人工血管基材の孔内に
    前記生体作用物質含有溶液を取り込ませる工程と、 前記多孔質人工血管基材の孔内に取り込まれた前記生体
    作用物質含有溶液をゲル化する工程とを含む人工血管の
    製造方法。
  11. 【請求項11】前記多孔質人工血管基材を、生分解性材
    料又は非生分解性材料から形成することを特徴とする請
    求項10に記載の人工血管の製造方法。
  12. 【請求項12】前記生分解性材料が、ポリ乳酸、ポリグ
    リコール酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリリ
    ンゴ酸、ポリ―ε―カプロラクトン、ε−カプロラクト
    ンと乳酸との共重合体、ε−カプロラクトンとグリコー
    ル酸との共重合体、ε−カプロラクトンと乳酸とグリコ
    ール酸との共重合体、ポリ−3−ヒドロキシブチレー
    ト、ポリ−4−ヒドロキシブチレート、及び3−ヒドロ
    キシブチレートと4−ヒドロキシブチレートとの共重合
    体からなる群から選ばれる1種以上の材料であることを
    特徴とする請求項11に記載の人工血管の製造方法。
  13. 【請求項13】前記非生分解性材料が、ポリエチレン系
    樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、
    ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアク
    リル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリスルホン系樹
    脂、及びポリテトラフルオロエチレン系樹脂からなる群
    から選ばれる1種以上の材料であることを特徴とする請
    求項11に記載の人工血管の製造方法。
  14. 【請求項14】前記生体作用物質が、細胞及び/又は薬
    学的活性成分であることを特徴とする請求項10〜13
    のいずれかに記載の人工血管の製造方法。
  15. 【請求項15】前記細胞が、平滑筋細胞、繊維芽細胞、
    未分化細胞、肝細胞、膵臓細胞、及び造血幹細胞からな
    る群から選ばれる1種以上の細胞であることを特徴とす
    る請求項14に記載の人工血管の製造方法。
  16. 【請求項16】ゲル化する前記溶液が、コラーゲン溶
    液、フィブリン溶液、アクリルアミド溶液、アガロース
    溶液、及びアルギン酸溶液からなる群から選ばれる1種
    以上の溶液であることを特徴とする請求項10〜15の
    いずれかに記載の人工血管の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項10〜16のいずれかに記載の人
    工血管の製造方法において、 前記多孔質人工血管基材の孔内に取り込まれた前記生体
    作用物質含有溶液をゲル化した前記多孔質人工血管基材
    の内腔面上に、内皮細胞層を形成する工程を更に含むこ
    とを特徴とする人工血管の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項10〜17のいずれかに記載の人
    工血管の製造方法において、 前記多孔質人工血管基材が、生分解性材料又は非生分解
    性材料からなる補強部材によって補強されていることを
    特徴とする人工血管の製造方法。
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