JP2003125555A - 超伝導界磁巻線のための開ループ形短期冷却を有する極低温冷却システムと方法 - Google Patents
超伝導界磁巻線のための開ループ形短期冷却を有する極低温冷却システムと方法Info
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Abstract
で供給するための冷却流体システムを提供する。 【解決手段】 該システムは、主冷却システム(52、
88)及び第2の冷却システム(54)を含み、該第2
の冷却システムは、第1の極低温流体(70)を有する
貯蔵装置(74)と、該貯蔵装置からの第1の極低温流
体と主冷却システムを通って流れる第2の極低温流体と
に流体連通している少なくとも一つの冷却継手(82)
とを含む。極低温剤ライン(80)には、ベント(8
4)を更に備える。これにより、主冷却システムが作動
していない際にも、高温超伝導機械へ極低温冷却流体を
供給できる。
Description
伝導(HTS)部品を備えたロータを有する同期機械の
ための極低温冷却システムに関する。より具体的には、
本発明は、極低温流体をHTS機械のロータに供給し、
ロータから戻された使用済みの冷却流体を再冷却するた
めの冷却システムに関する。
体ヘリウムによって冷却され、使用済みのヘリウムは室
温の気体ヘリウムとして戻される。極低温冷却のために
液体ヘリウムを使用することは、戻された室温の気体ヘ
リウムの連続的な再液化を必要とする。従って、再液化
は、重大な信頼性の問題を提起し、ヘリウム冷却システ
ムに対してかなりの補助電源を必要とする。従って、ロ
ータから戻された、高温の使用済み冷却流体を再液化す
る極低温冷却システムへの必要性がある。再液化された
冷却流体は、その後、HTSロータを連続的に冷却する
ために再使用に供される。
ムは、極低温に冷却し、伝導性ロータコイルのような機
械の部品の超伝導特性を維持するために、冷却流体を提
供するものである。経済的理由のために、電気機械は、
高い可用性及び信頼性を有することが期待される。しか
しながら、ギフォード・マクマホン(GM)冷却システ
ムのコールドヘッド及び圧縮機のような幾つかの極低温
冷却部品は、磨耗のために作動寿命が短く、冷却システ
ムの部品の機械的な往復運動の結果として冷却流体の漏
れに遭遇する。コールドヘッド及びギフォード・マクマ
ホン・システムの信頼性は、一部の機械、特に発電機の
ような工業用動力機械の高信頼性の要求に対しては、十
分なものではない。
トが低く、かつ商業用製品として使用可能な極低温冷却
装置を必要とする。既存の極低温冷却装置を用いて高い
信頼性を達成するために、これまで余分の極低温冷却機
部品が用いられてきた。個々の冷却部品の不十分な信頼
性、及びHTSロータに冷却流体の連続的供給を確保す
るという必要条件により、これまで、HTSロータ用の
極低温冷却システムには、余分な部品を含むことが必要
とされてきた。
において連続的に作動しなければならない。極低温冷却
部品が故障した場合には、冷却流体が機械に適切に流れ
ることができなくなり、該機械の超伝導部品の温度が上
がる。これらの暖められた部品は、その超伝導特性を失
い、超伝導性を失うことによって機械の作動が中断され
る。従って、不十分な信頼性しかもたない冷却システム
は、予期せず、望ましくない機械の停止を引き起こすこ
とになる。システムの可用性を維持するために、一般的
には、これまで完全に余分な冷却システム経路を用いて
冷却システムの信頼性を向上させてきた。余分なシステ
ム部品によって、超伝導機械のための極低温冷却システ
ムのコストは、ほぼ倍増される。
低温冷却機部品への必要性のために実質的に増加される
ことになる。更に、不十分な信頼性及びシステムの冗長
性のために、既存の極低温冷却システムは、頻繁な保守
を必要とするようになる。従って、これらの極低温冷却
システムの初期コスト及び作動コストは、相対的に高い
ものとなる。
(K)までの範囲の温度に対する一般的な極低温冷却機
装置は、ギフォード・マクマホンのコールドヘッド技術
に基づいており、該技術は、冷却機の容量を制限し、お
よそ年に1度の保守を必要とするものである。システム
の容量と信頼性を増加させるために、増加するコストを
犠牲にして、多数の装置を組み合わせることが可能であ
る。多数の(余分な)コールドヘッドに加えて、閉ルー
プの循環システムは、低温の再循環ファン、或いは向流
式の高効率熱交換器を備えた室温の外部再循環ファンの
いずれかを必要とする。高い信頼性のための冗長性が要
求される場合には、全ての部品を6シグマの標準偏差の
品質で作ることができない限り、これらの部品は、コス
トを増し、システムに複雑さを付加することになる。
コストは、HTSロータを有する機械のコストを著しく
増加させる。これらの高コストは、市場で販売できる同
期機械にHTSロータを組み入れることは、商業的に実
用的でないとすることの原因になってきた。従って、よ
り費用がかからず、作動が安価で、HTSロータに極低
温冷却流体の供給を高い信頼で行う極低温冷却システム
への、本質的かつこれまで対処されなった必要性があ
る。
は、それに限定するわけではないが、回転発電機、回転
モータ及びリニアモータが含まれる。これらの機械は、
一般的に、電磁的に結合されたステータとロータとを備
える。ロータは、多極ロータコアと、ロータコアに取り
付けられたコイル巻線とを含むことができる。ロータコ
アは、鉄の鍛造品のような、透磁性の中実材料を含むこ
とができる。
システムが開示される。この一時的冷却システムは、主
冷却システムの部品の保守又は故障の間、主冷却システ
ムが整備されて作動できる状態になるまで作動するもの
である。一時的冷却システムは、従来の余分な冷却経路
システムのコストと比較して、初期コスト及び寿命期間
中における作動コストが低い。
る冷却流体に、数時間、極低温冷却を与えることができ
る。主冷却システムが少なくとも部分的に作動している
状態であるこれらの冷却時間により、超伝導機械の連続
作動が可能になる。一時的冷却システムが作動している
間、確立された超伝導機械のサービス・ネットワークに
より、故障した主冷却システムの部品を修理し、主冷却
システムの作動を行うようにすることができなくてはな
らない(次いで、一時的冷却システムを停止する)。従
って、一時的冷却システムは、数時間のような定められ
た期間の間、SC機械に対して連続して極低温冷却流体
を供給するものである。
超伝導機械に極低温冷却流体を供給するための冷却流体
システムであり、このシステムは、主冷却システム(5
2、88)と、第2の冷却システムとを含み、該第2の
冷却システムは、第1の極低温流体を有する貯蔵装置
と、該貯蔵装置からの第1の極低温流体と、主冷却シス
テムを通って流れる第2の極低温流体とに流体連通する
少なくとも一つの冷却継手とを備え、また、該第2の冷
却システムは、第1の極低温流体が少なくとも一つの冷
却継手を通って流れない第1の作動モードと、第1の極
低温流体が少なくとも一つの冷却継手を通って流れる第
2の作動モードとを有し、主冷却システムにおいて故障
が発生した場合に、第1の作動モードから第2の作動モ
ードへ切り替えられる。
械のための高温超伝導ロータに連結された冷却流体シス
テムであり、該システムは、再循環圧縮機と、再循環圧
縮機からロータへ流れる第2の冷却流体のための流路を
提供する入口ラインとを更に含む主冷却システムを備
え、該入口ラインは、コールドヘッド装置を通過してお
り、第1の極低温剤流体のための貯蔵タンクと、貯蔵タ
ンク及び入口ラインと流体連通している少なくとも一つ
の熱交換器と、タンクと少なくとも一つの熱交換器との
間にある弁とを更に含む一時的冷却システムが設けら
れ、該弁は、第1の極低温剤流体がタンクから少なくと
も一つの熱交換器へ流れるのを許容する開位置と、第1
の極低温剤流体を少なくとも一つの熱交換器から遮断す
る閉位置とを有し、該弁の開位置は、コールドヘッド装
置が作動不能の場合に選択され、該弁の閉位置は、コー
ルドヘッド装置が第2の極低温剤冷却流体を冷却するた
めに作動している場合に選択される。
冷却システムと一時的冷却システムを用いて超伝導機械
を冷却するための方法であり、該方法は、第1の極低温
冷却流体を一時的冷却システム内に貯蔵する段階と、第
2の極低温冷却流体を主冷却システムと機械との間で循
環させて、機械の超伝導部品を極低温に冷却する段階
と、主冷却システム内の冷却装置を用いて第2の極低温
剤冷却流体を冷却し、同時に、第1の極低温冷却流体を
第2の極低温剤冷却流体から熱的に隔離する段階と、冷
却装置が作動不能である間、第1の極低温冷却流体が第
2の冷却流体を極低温に冷却できるようにする段階とを
含む。
本発明の実施形態を記載する。
する例示的な同期発電機械10を示す。ロータは、ステ
ータの円筒形のロータ真空キャビティ16内に嵌まる界
磁巻線コイル34を含む。ロータ14は、ステータのロ
ータ真空キャビティ16内に嵌まる。ロータがステータ
内で回転すると、ロータとロータコイルによって発生す
る磁界18(点線で示される)はステータを通って移動
/回転し、ステータのコイル巻線19に電流を生じさせ
る。この電流は、発電機によって電力として出力され
る。
20と、全体的に中実のロータコア22とを有する。中
実のコア22は、大きな透磁率を有し、鉄のような強磁
性材料で形成するのが普通である。低電力密度の超伝導
機械では、ロータの鉄心を使用して、起磁力(MMF)
を減少させ、従ってコイル線の使用量を最小にする。例
えば、ロータの鉄心は、約2テスラの空隙磁界強度で磁
気的に飽和させることができる。
ストラック形の高温超伝導(HTS)コイル巻線を支持
する。別の構成では、HTSコイル巻線は、サドル形に
してもよく、或いは、特定のHTSロータ設計に適した
幾つかの他のコイル巻線形状を有してもよい。ここに開
示される冷却システムは、中実のロータコア上に取り付
けられるレーストラック形コイル以外のコイル巻線及び
ロータ形態に適合させることができる。
これらの端シャフトは、コア22を支え、軸受25によ
って支持される。コレクタ端シャフト24は、ロータの
SCコイル巻線を冷却するのに用いられる極低温冷却流
体の源への極低温剤移送継手26を有する。極低温剤移
送継手26は、極低温剤冷却流体の源に結合される固定
セグメントと、HTSコイルに冷却流体を供給する回転
セグメントとを含む。例示的な極低温剤移送継手が、本
出願人による係属中の日本特許出願第2002−137
962号(米国特許出願第09/854,931号)に
おいて開示されており、その全体が参考文献として本明
細書に組み込まれる。コレクタ端シャフトはまた、ロー
タコイル34を外部の電気装置又は電源装置に接続する
ためのコレクタリング27を含む。駆動端シャフト30
は、出力タービン継手32であってもよい。
の界磁コイル巻線34を示す。ロータのSC界磁巻線3
4は、高温超伝導コイル36を含む。各々のHTSコイ
ルは、固体状エポキシ含浸巻線複合材料で積層されたB
SCCO(BixSrxCaxCuxOx)導線のような、
高温超伝導導体を含む。例えば、一連のBSCCO22
23線を、積層し、互いに接着し、巻いて中実のエポキ
シ含浸コイルとすることができる。
Sコイルは、一般的に、HTSテープが巻かれ、次いで
エポキシ含浸された層である。HTSテープは、厳密な
寸法公差を得るために、精密なコイルの形態に巻かれて
いる。テープは螺旋に巻かれ、レーストラック形SCコ
イル36を形成する。
コアの寸法で決まる。一般的に、各々のレーストラック
形コイルは、ロータコアの磁極を囲み、ロータ軸線に対
して平行である。HTSコイル巻線は、レーストラック
の周りで連続している。コイルは、ロータコアの周り及
び該コアの磁極の間に、無抵抗の電流路を形成する。
ル巻線34に含まれる。これらの流路は、SCコイル3
6の外縁部の周りに延びることができる。流路は、コイ
ルに極低温冷却流体を供給し、これらコイルから熱を除
去する。冷却流体は、SCコイル巻線において、該コイ
ルに電気抵抗がない場合を含む超伝導状態をもたらすの
に必要とされる低温、例えば27°Kを維持する。冷却
路は、ロータコアの一端に入口及び出口ポート39を有
する。これらポート39は、SCコイル上の冷却路38
を、極低温剤移送継手26に接続する。
冷却システム50の概略図である。このシステムは、主
極低温剤冷却システム52と、一時的冷却システム54
とを含む。主冷却システムは、冷却流体を電気機械を通
って循環させるもので、冷却流体を極低温に冷却するた
めのコールドヘッド装置56を有する。コールドヘッド
が故障したり、或いは保守のために停止する場合には、
一時的冷却システムが、コールドヘッド装置の機能を実
行し、主冷却システムを循環する冷却流体を冷却する。
温剤気体再循環冷却システム50が、開発された。この
冷却システムは、例えば再循環冷却システムのような主
システム52と、一時的冷却システム54とを含む。一
般に、主冷却システムは、再循環圧縮機58と、向流式
熱交換器64と、コールドヘッド装置56とを含む。主
冷却システムにおいて、極低温剤冷却流体は、再循環圧
縮機から熱交換器及びコールドヘッド装置(ここで、流
体が極低温に冷却される)を通って、ロータ14及びそ
の超伝導コイル34へと流れる。使用済み冷却流体は、
ロータから戻され、熱交換器(ここで、ロータへ通る加
圧冷却流体からの熱が、使用済みの気体に伝達される)
を通り、再び再循環圧縮機を通って入口ラインに入り、
循環する。
な限られた作動期間を有するものとすることができる。
一時的冷却システムは、コールドヘッド装置を修理し、
再始動するのに適当な期間を超える一時期、主システム
52の冷却流体を冷却するように設計されている。従っ
て、コールドヘッド装置が一時的に故障したり、或いは
停止した場合でも、一時的冷却システムが、機械10の
継続的作動を可能にする。
縮機58と、冷却流体を供給し、主システムを介して冷
却流体を循環させる冷却流体貯蔵タンク60とを含む。
再循環システムにおける極低温剤流体は、ヘリウムであ
るのが好ましいが、HTSロータの作動温度が、77°
K、27°K、又は20°Kより下に下がらない場合に
は、それぞれ窒素、ネオン、又は水素とすることもでき
る。
システムと、ロータと、コイル巻線とを通って循環する
という点で、閉ループのシステムである。冷却流体は、
再循環圧縮機を出て、該圧縮機と向流式熱交換器64と
の間の入口ライン62を通過するとき、高圧であり、3
00°Kのような周囲温度であるか、或いはそれに近
い。戻りライン66を通って機械10から再循環圧縮機
58へ戻る使用済み冷却流体が流れる。熱交換器を通過
する戻りライン内の使用済み冷却流体は、依然として比
較的低温であり、再循環圧縮機で行われる加圧によって
も周囲温度までは加熱されていない。低温の使用済み冷
却流体は、圧縮機を出ていく冷却流体を冷却するのに用
いられる。熱交換器は、圧縮機から流れる冷却流体の熱
を、戻りライン内の使用済み冷却流体に伝達する。従っ
て、入口ライン62内の冷却流体は、周囲温度よりかな
り低い温度で熱交換器を出ていく。
ら、コールドヘッド装置56を有する冷却コイル継手6
8へ流れる。主冷却システム内を循環する冷却流体は、
窒素ガス又は液体、ネオンガス又は液体、或いは水素ガ
ス又は液体とすることができる。冷却流体は、コールド
ヘッド装置の出口において液体であり、気体としてロー
タから戻るようにすることができる。コールドヘッド装
置は、入口ライン内の冷却流体を、例えば30°K或い
はそれより下の極低温まで冷却する。極低温冷却流体
は、入口温度(Tin)でHTS発電機に供給され、H
TSロータ巻線を冷却する。ロータからの戻り気体は、
温度(Tout)で出て、向流式熱交換器64を通って
進み、再循環圧縮機58に戻る。
が、ロータのSCコイル巻線34の冷却流路38を通っ
て流れるときに蒸発することができる。流路38におけ
る冷却流体の蒸発により、SCコイルが冷却され、該コ
イルが超伝導状態で作動することが保証される。蒸発し
た冷却流体は、低温の気体としてHTSロータから、戻
りライン66を通って流れる。戻りラインは、ロータか
ら再循環圧縮機まで低温の冷却気体が通るような大きさ
にされている。
であってもよく、単段のギフォード・マクマホン式極低
温冷却器、或いは単段に取り付けられた再凝縮器装置を
有する別個の又は一体の極低温冷却器圧縮機を備えたパ
ルス管とすることができる。単一又は多数の極低温冷却
機のコールドヘッド装置(図3では一つだけが示され
る)を、ロータ14及びそのSC巻線34の冷却流路へ
の入口における極低温(Tin)まで冷却流体を冷却す
るために用いることができる。
ールドヘッド装置と、ロータへの入口ライン及びロータ
からの戻りラインとを囲み、断熱することができる。こ
のコールドボックスは、主冷却システムの極低温部品を
真空状態で断熱し、該冷却システムへの熱伝導を最小に
する。冷却ボックスは、真空ジャケットをもつ冷却流体
ラインと、熱交換器及びコールドヘッド内の断熱された
部品とを含むことができる。コールドボックスは、ロー
タへの冷却システム継手26まで延び、熱が不必要に冷
却システム内に伝達されず、かつ冷却流体の極低温を維
持することを保証する。
ロータ14における冷却移送継手26に連結される。移
送継手及びロータにおいて、冷却流体は、端シャフト2
4の真空ジャケットをもつ冷却流路、及びSCコイル3
6周りの冷却流路38を通過する。冷却流体は、ロータ
のSCコイル36を蒸発冷却によって極低温に維持し、
該コイルが超伝導状態で作動することを保証する。
流体は、コイルの冷却流路38を出て、端シャフトの真
空ジャケットをもつ流路を通り、冷却継手26を通って
ロータ14を出る。戻り移送ライン66は、ロータから
熱交換器64を通って再循環圧縮機58への戻り冷却流
体のための流路を提供する。コールドボックス72内の
入口及び戻りラインは、真空ジャケットをもち、強く断
熱されている。入口ラインと戻りラインの、及びコール
ドボックスによる真空断熱は、冷却流体が主冷却システ
ムとロータとの間を循環する際に、冷却流体における熱
伝達損失を最小にする。コールドボックスと再循環圧縮
機との間のラインに真空ジャケットを設ける必要はな
い。流量弁76が、主冷却システム52の冷却流体の流
量を制御する。
への冷却流体の安定供給をもたらすものである。さら
に、この循環主冷却システムは、大規模な余分の冷却シ
ステムを必要としないという点で、構成及び作動が経済
的である。主冷却システムのコールドヘッド装置が故障
した場合でも、冷却機能を提供し続ける一時的冷却シス
テムによって、冷却システムの全体的な信頼性が高めら
れる。冷却システムの信頼性及び経済性により、商業的
に使用可能な、HTSロータを有する同期機械の開発が
容易になる。
ムが十分に作動している間、特にコールドヘッド56が
作動可能である間は、停止したままである。作動してい
ない間は、一時的冷却システムは、主冷却システムを通
って循環する冷却流体を冷却することはない。該一時的
冷却システムは、極低温剤貯蔵タンク74と該一時的冷
却システム54を主冷却システム52内の冷却流体に熱
的に連結する熱交換器82との間の流量弁78によっ
て、該主システムから隔離される。極低温剤貯蔵タンク
は、冷却流体のための通常の長期隔離用貯蔵タンクであ
る。
体70(「一時的冷却流体」)の貯蔵タンク74と、該
貯蔵タンクから、主冷却システムの入口ライン62に熱
的に連結された第2の熱交換器82まで延びる流体ライ
ン80と、ベント84とを含む。貯蔵タンク内の冷却流
体は、主冷却システム内の再循環冷却流体と分離されて
おり、混合はされない。一時的冷却流体は、主システム
のコールドヘッド装置の故障に対応する際など一時的冷
却システムが作動されるまで、タンク内に貯蔵される。
剤流体は、一時的貯蔵タンク内で使用されずに極低温の
ままである。HTSロータが、ロータ継手26(Ti
n)において80°Kまで冷却されなければならない場
合には、開回路の一時的冷却システムにおいて、液体窒
素を一時的極低温剤流体として用いることができる。H
TSロータが、Tinにおいて約30°Kまで冷却され
なければならない場合には、液体ネオンを一時的貯蔵タ
ンク内の極低温剤流体として用いることができ、該ロー
タが、Tinにおいて約20°Kまで冷却されなければ
ならない場合には、液体水素又はヘリウムを極低温剤流
体として用いることができる。
タンク74から流体ライン80を通って少なくとも一つ
の熱交換器82まで流れ(排出され)、そこで、主シス
テム内の冷却流体を極低温まで冷却する。また、一時的
冷却流体は、主システム内の熱交換器64を通って流
れ、循環冷却流体が主システムの再循環圧縮機を出てい
く際に、該循環冷却流体を冷却することもできる。一つ
又はそれ以上の熱交換器を通過した後、一時的冷却流体
は、ベント84によって一時的冷却システムから排出さ
れる。貯蔵タンク内には、一時的冷却システムが開ルー
プモードで数時間の間作動するために十分な一時的冷却
流体がある。開ループモードで作動した後、一時的シス
テムの作動中に使用されて排出された流体を補充するた
めに、追加の一時的冷却流体を貯蔵タンクに加えること
ができる。
コールドヘッド装置が故障した場合、又は他のことで停
止した場合、或いは冷却への必要性が高いロータの初期
冷却の間、又は幾つかの他の特別な事情が主冷却システ
ムにおいて生じ、ロータへの入口ライン62内の冷却流
体が過熱し、ロータ14のSC巻線34を適切に冷却で
きなくなった場合に、作動状態に切り換え(遮断用流量
弁78を開けることによって)られる。遮断用流量弁7
8は、手動で作動させてもよく、或いは、機械又は冷却
システムのためのコンピュータ化された制御システムに
よって自動的に開けるようにしてもよい。
ドで作動する。作動中に極低温剤流体は、一時的貯蔵タ
ンクから極低温剤ライン80を介して開放弁78を通っ
て流れ、一時的冷却システムを主冷却システム内の循環
冷却流体に熱的に連結する熱交換器82を通過する。一
時的冷却熱交換器82は、初期冷却、及びコールドヘッ
ド装置の故障のような冷却部品の停止の間を除く正常作
動中は、隔離されている。極低温剤流体が向流式熱交換
器を通って一方向に流れると、該極低温剤流体は主冷却
システムの入口ライン62を冷却し、それによって再循
環する冷却流体から一時的冷却システム内の極低温剤流
体へ熱が伝達される。
大気又は他の環境に放出するもので、そこで暖かい極低
温剤流体(例えば、水素又はヘリウム気体)を安全に放
出することができる。排出された極低温剤液体は、コー
ルドヘッド装置のような主冷却システムが正常の作動に
戻った後、貯蔵タンクを再び満たすことによって補充さ
れる。極低温剤流体は、一時的熱交換器と向流式主熱交
換器を通過することによって、冷却流体が機械内を通る
ときに、主冷却システム内の循環冷却流体の極低温作動
温度を維持する。
ドヘッド装置56が保守又は交換のために停止している
間、冷却流体70を極低温に冷却させるのに十分な貯蔵
容量を有する。例えば、貯蔵タンクは、5時間から10
時間までといった数時間の機械10の正常作動の間冷却
流体を冷却するために、100リットルなどの十分な極
低温剤流体を有することができる。
単で、かつ安価な補助的冷却システムである。余分のコ
ールドヘッド装置及び他の高価な余分の装置が、冷却シ
ステムにおいて必要とされる。開放回路の一時的冷却シ
ステム54が、ロータの作動に影響することなくコール
ドヘッド装置を保守又は交換のために停止させることが
できる程十分な冷却容量を有しているので、信頼性を確
保するために余分な通常冷却容量を必要とはしない。従
って、HTS冷却システム50(主冷却システム52及
び一時的システム54)は、低コストで余分な部品を有
さず、高い冷却信頼性を有するものである。
実施形態の概略図である。第2の冷却システム86にお
ける、第1の冷却システム50と共通の部品は、図3及
び図4において共通の参照番号で識別される。特に、第
2の実施形態における一時的冷却システム54は、冷却
システムの第1の実施形態における一時的冷却システム
54と概念上同じである。
用済み冷却流体を戻りライン66から入口ライン62内
にポンピングするエゼクタ90を更に含む。戻りライン
からエゼクタを通って入口ラインに再入する冷却流体
は、再循環圧縮機58及び熱交換器64をバイパスす
る。従って、圧縮機及び熱交換器にかかる流体負荷は、
エゼクタを使用する場合には減少される。エゼクタ90
により、エゼクタを有さない主冷却システム52におい
て必要とされるよりも小さな熱交換器及び圧縮機を主冷
却システム88において使用することが可能になる。
プであるエゼクタ90の詳細な概略図を示す。エゼクタ
は、第1の収斂−拡開ノズル92と、ディフューザ区域
94と、第2の収斂−拡開ノズル96とを含む。第1の
ノズルへの入口98は、入口ライン62に連結され、熱
交換器64からの高圧の冷却流体流を受ける。高圧の流
れは、第1のノズル92を通過する際に、比較的低い静
圧で該ノズルの出口100からディフューザ94内に射
出されるため、その流れの速度は大幅に増加する。この
低圧のディフューザが、使用済みの冷却流体を戻りライ
ン66から入口ポート102を介してディフューザ94
内に引き込む。入口ポート102を、ディフューザの軸
線と位置合わせすることができる。
ディフューザ94において、第1のノズルからの冷却流
体噴流と共に運ばれる。双方の冷却流体流は、混合冷却
流体流を形成し、比較的大きい直径の出口104を有す
る第2の収斂−拡開ノズル96を通過する。第2のノズ
ルは、第1ノズル(今は戻り流体を含む)からの噴流を
減速させ、エゼクタの出口104における入口ライン6
2に再び入る際における、流れの圧力を(ディフューザ
及び戻りラインの圧力より大きい圧力まで)増加させ
る。ディフューザの下流にある入口ライン62内の冷却
剤の圧力は、該冷却剤をコールドヘッド装置、ロータ、
SCコイル巻線及び戻りラインを通って移動させるのに
十分な程である。
流体流を用いて、エゼクタに、戻りラインから入口ライ
ンへ大量の流体をポンピングさせるようにすることがで
きる。入口ラインにおいて、熱交換器64からの高圧流
体流は、第1の収斂−拡開ノズル92に流入する。ノズ
ルの排出口100及びディフューザ94内において、流
体流の圧力は低く、その速度は速い。ディフューザ内の
低圧が、使用済み流体を戻りラインから入口ポート10
2を通してエゼクタに流入させることになる。
通る冷却流体流として(摩擦による損失を除いて)保存
される。入口ラインの冷却剤流の高圧力は、第1のノズ
ルにおいて高速度流に変換される。エゼクタの軸線(x
軸)に沿ったこの流れの運動量は、保存される。ディフ
ューザに流入する戻りラインの冷却流体流は、第1のノ
ズルから出る高速度流と合流する。2つの流れの全体の
運動量は、エゼクタの軸線に沿った2つの流れの各運動
量のほぼ合計になる。全体の運動量が、この合流を広径
の出口104を有する第2のノズル96を通って押し進
め、流れの速度を圧力に変換させる。出口流の圧力が、
エゼクタの下流にある入口ライン内の冷却流体を、コイ
ル、ロータ及び戻りラインを通って移動させる。
は、エゼクタを通ってポンピングされる流れ及び抽出器
を出る混合流の一部分となる。熱交換器からの入口ライ
ン62における流れの高圧力は、比較的少量の流れで十
分な運動量を生成し、戻りライン内の冷却流体の大部分
を引き込み、エゼクタからの冷却流体の混合流を主冷却
システム88の残りの部分を通して押し進める。
却流体が必要とされるので、再循環ポンプ及び熱交換器
を通る冷却流体流は、HTSロータを通る冷却流体の循
環流の一部分でしかない。その結果、熱交換器の大きさ
が相当減少され、その効率は、主冷却システム全体の効
率に対して重要ではなくなる。同様に、再循環圧縮機を
小さなものとすることができ、エゼクタなしの主システ
ムにおける圧縮機よりも少ない電力しか必要としないよ
うにすることができる。このように、主システムにおい
てエゼクタを使用することの一つの利点は、熱交換器及
び圧縮機の大きさ及びコストの著しい減少と、熱交換器
の損失及び圧縮機の所要電力の減少による高いシステム
効率にある。
実施形態と考えられるものに関して説明してきたが、本
発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、
それとは逆に、添付する特許請求の範囲の技術思想に含
まれる全ての実施形態を保護しようとしていることを理
解されたい。
C)ロータの概略側面図。
コイルの概略斜視図。
温冷却システムの概略図。
図。
概略図。
Claims (18)
- 【請求項1】 主冷却システムと、第2の冷却システム
とを含み、極低温冷却流体を高温超伝導機械に供給する
ための冷却流体システムであって、前記第2の冷却シス
テムが、 第1の極低温流体を有する貯蔵装置と、 該貯蔵装置からの前記第1の極低温流体と、前記主冷却
システムを通って流れる第2の極低温流体とに流体連通
している少なくとも一つの冷却継手と、を備え、 前記第2の冷却システムは、前記第1の極低温流体が前
記少なくとも一つの冷却継手を通って流れない第1の作
動モードと、前記第1の極低温流体が前記少なくとも一
つの冷却継手を通って流れる第2の作動モードとを有
し、 前記主冷却システムにおいて故障が発生した場合に、前
記第1の作動モードから前記第2の作動モードへ切り替
えられる、ことを特徴とする冷却流体システム。 - 【請求項2】 前記第2の冷却システムが、前記貯蔵装
置から前記冷却継手への前記第1の極低温流体の流路を
提供する極低温剤ラインを更に備え、該ラインが、該ラ
インを通る第1の極低温流体の流れを阻止する第1の弁
位置と、該ラインを通る第1の極低温流体の流れに対し
て開放された第2の弁位置とを有する弁を含むことを特
徴とする、請求項1に記載の冷却流体システム。 - 【請求項3】 前記少なくとも一つの冷却継手が、少な
くとも一つの熱交換器であることを特徴とする、請求項
1に記載の冷却流体システム。 - 【請求項4】 前記少なくとも一つの冷却継手が、第1
の熱交換器及び第2の熱交換器であり、該第1の熱交換
器は、前記第2の作動モードにおいては作動可能である
が前記第1の作動モードにおいては作動不能であり、該
第2の熱交換器は、前記第1及び第2の作動モード双方
において作動可能であることを特徴とする、請求項1に
記載の冷却流体システム。 - 【請求項5】 前記第2の冷却システムが、前記極低温
剤ラインに、ベントを更に備えることを特徴とする、請
求項2に記載の冷却流体システム。 - 【請求項6】 前記第1の極低温冷却流体が、窒素、水
素、ネオン、及びヘリウムからなる群から選択されるこ
とを特徴とする、請求項1に記載の冷却流体システム。 - 【請求項7】 同期機械のための高温超伝導ロータに連
結された冷却流体システムであって、 主冷却システムを備え、該主冷却システムが、 再循環圧縮機と、 コールドヘッド装置を通過し、前記再循環圧縮機から前
記ロータへ流れる第2の冷却流体のための流路を提供す
る入口ラインと、を備え、 一時的冷却システムが設けられ、該一時的冷却システム
が、 第1の極低温剤流体のための貯蔵タンクと、 該貯蔵タンク及び前記入口ラインと流体連通する少なく
とも一つの熱交換器と、 前記タンクと前記少なくとも一つの熱交換器との間の弁
と、を備え、 該弁は、前記第1の極低温剤流体が前記タンクから前記
少なくとも一つの熱交換器へ流れるのを許容する開位置
と、前記第1の極低温剤流体を前記少なくとも一つの熱
交換器から遮断する閉位置とを有し、 前記弁の前記開位置は、前記コールドヘッド装置が作動
不能の場合に選択され、前記弁の前記閉位置は、前記コ
ールドヘッド装置が前記第2の極低温剤冷却流体を冷却
するために作動している場合に選択される、ことを特徴
とする冷却流体システム。 - 【請求項8】 前記主冷却システムが、前記ロータと再
循環圧縮機との間の、前記第2の冷却流体のための流路
を提供する戻りラインを更に備えることを特徴とする、
請求項7に記載の冷却流体システム。 - 【請求項9】 前記一時的冷却システムが、前記貯蔵装
置から前記少なくとも一つの熱交換器への、前記第1の
極低温流体のための流路を提供する極低温剤ラインを更
に備えることを特徴とする、請求項7に記載の冷却流体
システム。 - 【請求項10】 前記少なくとも一つの熱交換器が、第
1の熱交換器及び第2の熱交換器であり、該第1の熱交
換器は、前記第2の作動モードにおいては作動可能であ
るが前記第1の作動モードにおいては作動不能であり、
該第2の熱交換器は、前記第1及び第2の作動モード双
方において作動可能であることを特徴とする、請求項7
に記載の冷却流体システム。 - 【請求項11】 前記一時的冷却システムが、前記極低
温剤ラインに、ベントを更に備えることを特徴とする、
請求項9に記載の冷却流体システム。 - 【請求項12】 前記第1の極低温冷却流体が、窒素、
水素、ネオン、及びヘリウムからなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項7に記載の冷却流体システ
ム。 - 【請求項13】 主冷却システムと一時的冷却システム
を用いて超伝導機械を冷却するための方法であって、 a.第1の極低温冷却流体を前記一時的冷却システム内
に貯蔵する段階と、 b.第2の極低温冷却流体を前記主冷却システムと前記
機械との間で循環させて、前記機械の超伝導部品を極低
温に冷却する段階と、 c.前記主冷却システム内の冷却装置を用いて前記第2
の極低温冷却流体を冷却し、同時に、前記第1の極低温
冷却流体を該第2の極低温冷却流体から熱的に隔離する
段階と、 d.前記冷却装置が作動不能である間、前記第1の極低
温冷却流体が前記第2の冷却流体を極低温に冷却できる
ようにする段階と、を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項14】 前記機械の作動中に、前記第2の極低
温冷却流体が、該機械を通って連続的に循環されること
を特徴とする、請求項13に記載の方法。 - 【請求項15】 前記第2の冷却流体を冷却した後、前
記第1の極低温冷却流体を排出する段階を更に含むこと
を特徴とする、請求項13に記載の方法。 - 【請求項16】 前記一時的冷却システムが、貯蔵タン
クと、少なくとも一つの熱交換器とを備え、前記第1の
極低温冷却流体は、前記タンク内に貯蔵され、前記少な
くとも一つの熱交換器通って流れるときに前記第2の極
低温冷却流体を冷却することを特徴とする、請求項13
に記載の方法。 - 【請求項17】 前記少なくとも一つの熱交換器が、第
1の熱交換器及び第2の熱交換器であり、該第1の熱交
換器は、前記段階(c)の間には作動可能であるが前記
段階(d)の間には作動不能であり、該第2の熱交換器
は、前記段階(c)及び(d)において作動可能である
ことを特徴とする、請求項16に記載の方法。 - 【請求項18】 前記第1の極低温冷却流体が、窒素、
水素、ネオン、及びヘリウムからなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
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