JP2003121285A - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

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JP2003121285A
JP2003121285A JP2001321904A JP2001321904A JP2003121285A JP 2003121285 A JP2003121285 A JP 2003121285A JP 2001321904 A JP2001321904 A JP 2001321904A JP 2001321904 A JP2001321904 A JP 2001321904A JP 2003121285 A JP2003121285 A JP 2003121285A
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temperature
pressure sensor
sensor
piezoelectric element
estimating
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Tomoshi Kikuchi
智志 菊池
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電型圧力センサにおいて、圧力センサの温度
変化による出力誤差を補正して、センサの温度変化にか
かわらず正確な圧力の測定を行うことができる技術を提
供する。 【解決手段】圧電素子55を具備した圧力センサ9であ
って、圧電素子55に予め荷重をかける加圧手段52
と、圧力センサ9の温度を上昇させる温度上昇手段56
と、温度上昇手段56の温度を推定する温度上昇推定手
段11と、圧力センサ9周辺の温度を推定するセンサ周
辺温度推定手段8と、を具備し、温度上昇手段56によ
り圧力センサの温度が上昇されたときに温度上昇推定手
段11が推定した温度及びセンサ周辺温度推定手段8が
推定した温度に基づいて圧力センサ9の出力の変動を補
正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力センサに関
し、特に、内燃機関の気筒内圧力を計測する燃焼圧セン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】加えられた応力に応じて電荷が発生する
圧電効果を利用した圧電型圧力センサが知られている。
特に、内燃機関においては、気筒内圧力を検出するため
の圧電型圧力センサを具備し、該圧力センサの検出値に
基づいて添加時期や燃料噴射量を制御することが可能で
ある。
【0003】また、内燃機関において使用される圧電型
圧力センサには、燃料の着火性を向上させるために、燃
料や吸入空気を加熱するグロープラグと一体になったも
のがある。
【0004】このような圧電型圧力センサでは、グロー
プラグ加熱時や内燃機関の過渡状態等では温度の変化と
共に各部材の弾性率が変化し圧電素子に印加される応力
が変動する。この応力の変動は、圧電型圧力センサの出
力信号の変動となる。従って、過渡状態等であって、温
度変化が激しいときには、圧力を正確に測定することが
困難であった。
【0005】このような問題に対し、例えば特開平5−
164643号公報では、各部材の熱膨張率を調整する
ことにより、圧電素子に熱膨張の影響が及ばないように
している。
【0006】一方、圧電素子は、発生する電荷の大きさ
が該圧電素子の温度に伴って変化する特性を有する。従
って、グロープラグ加熱時や内燃機関の過渡状態等であ
って温度の変化が激しいときには、圧力を正確に測定す
ることが困難であった。
【0007】このような問題に対し、例えば実開昭60
−535号公報では、圧電素子近傍に温度センサを設け
て圧電素子の温度変化による出力変動を補正している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各部材
の熱膨張率を調整するためには、各部材の材質、形状、
設置位置等を厳密に定める必要があるためセンサ設計の
自由度が減少してしまう。一方、温度センサを設けて圧
電素子の温度変化による出力変動を補正する場合には、
温度センサを設ける場所を確保しなくてはならなくな
り、圧力センサの設置場所に制限が加えられてしまう。
【0009】本発明は、上記したような問題に鑑みてな
されたものであり、圧力センサの温度変化による出力誤
差を補正して、センサの温度変化にかかわらず正確な圧
力の測定を行うことができる技術を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本発明による圧力センサは、以下の手段を採用した。
即ち、第1の発明は、加えられた圧力に応じた起電力が
発生する圧電素子を具備した圧力センサであって、前記
圧電素子に予め荷重をかけつつ前記圧力センサに加えら
れた圧力に応じて前記圧電素子に加える荷重を変化させ
る加圧手段と、前記圧力センサの少なくとも一部の温度
を上昇させる温度上昇手段と、前記温度上昇手段が上昇
させた温度を推定する温度上昇推定手段と、圧力センサ
周辺の温度を推定するセンサ周辺温度推定手段と、を具
備し、前記温度上昇手段により前記圧力センサの温度が
上昇され、前記圧電素子にかかる荷重が変化して圧力セ
ンサの出力が変動したときに、前記温度上昇推定手段が
推定した温度及び前記センサ周辺温度推定手段が推定し
た温度に基づいて前記加圧手段の荷重変化による前記圧
力センサの出力の変動を補正することを特徴とする。
【0011】本発明の最大の特徴は、温度上昇手段を有
した圧電型圧力センサにおいて、センサ部材の弾性率の
変動に起因して変動したセンサ出力を温度上昇推定手段
が推定した温度とセンサ周辺温度推定手段が推定した温
度とから補正することにある。
【0012】このように構成された圧力センサでは、セ
ンサ周辺の温度及び温度上昇手段が上昇させた温度によ
り圧力センサ構成部材の弾性率が変動し、出力信号が変
動する。ここで、センサ周辺の温度及び温度上昇手段の
温度と、出力信号が変動する値とでは相関関係があるた
め、これらの温度を求めることにより、出力信号の変動
値を求めることができ、従って、出力信号を補正するこ
とも可能となる。
【0013】上記課題を達成するために本発明による圧
力センサは、以下の手段を採用した。即ち、第2の発明
は、加えられた圧力に応じた起電力が発生する圧電素子
を具備した圧力センサであって、前記圧電素子に予め荷
重をかけつつ前記圧力センサに加えられた圧力に応じて
前記圧電素子に加える荷重を変化させる加圧手段と、前
記圧力センサの少なくとも一部の温度を上昇させる温度
上昇手段と、前記圧電素子の温度を推定する素子温度推
定手段と、圧力センサ周辺の温度を推定するセンサ周辺
温度推定手段と、を具備し、前記温度上昇手段により前
記圧電素子周辺の温度が上昇されたときに前記素子温度
推定手段が推定した温度及び前記センサ周辺温度推定手
段が推定した温度に基づいて前記圧電素子の温度変化に
より生じる出力特性変化の補正を行うことを特徴とす
る。
【0014】本発明の最大の特徴は、温度上昇手段を有
した圧電型圧力センサにおいて、センサの温度特性に起
因したセンサ出力の変動を素子温度推定手段が推定した
温度とセンサ周辺温度推定手段が推定した温度とから補
正することにある。
【0015】このように構成された圧力センサでは、温
度により出力の変動を生じる温度特性を有しており、圧
電素子の温度及びセンサ周辺の温度により圧電素子の出
力信号に変動を生じる。ここで、圧電素子の温度及びセ
ンサ周辺の温度とセンサ温度特性による出力信号の変動
する値とでは相関関係があるため、これらの温度を求め
ることにより、出力信号の変動値を求めることができ、
従って、出力信号を補正することも可能となる。
【0016】本発明においては、前記圧力センサは、前
記温度上昇手段が上昇させた温度を推定する温度上昇推
定手段を具備し、前記素子温度推定手段は、温度上昇推
定手段が推定した温度に基づいて圧電素子の温度を推定
することができる。ここで、温度上昇手段が上昇させた
温度と素子温度とには相関関係があるため、温度上昇推
定手段が推定した温度に基づいて圧電素子の温度を推定
することが可能となる。
【0017】本発明においては、前記温度上昇手段は、
前記圧力センサの出力信号を補正するときに間欠的に温
度を上昇させることができる。ここで、温度上昇手段が
素子周辺の温度を常時上昇させていると、周辺の環境に
影響を及ぼすことになる。従って、温度上昇手段により
間欠的に温度上昇がなされているときに補正値の算出を
行うと、センサ周辺の温度上昇を抑制することができ、
周辺への影響を最小限に抑えることが可能となる。
【0018】第1及び第2の発明においては、前記温度
上昇手段は、電力の供給により発熱し、前記温度上昇推
定手段は、前記温度上昇手段に電力が供給されたときの
電気抵抗に基づいて前記温度上昇手段が上昇させた温度
を推定することができる。電気抵抗と温度上昇手段の温
度とには相関関係があるため、電気抵抗を測定すること
により温度上昇手段の温度を推定することが可能とな
る。尚、電気抵抗は、温度上昇手段に流れる電流と電圧
とから求めても良い。
【0019】第1及び第2の発明においては、前記圧力
センサは、内燃機関に設けられ、前記センサ周辺温度推
定手段は内燃機関の冷却水温度に基づいて前記圧力セン
サ周辺の温度を推定することができる。ここで、内燃機
関の気筒内圧力を測定する圧力センサでは、該センサ周
辺に内燃機関を冷却するための冷却水が流通しているこ
とがある。このような場合には、冷却水の温度が圧力セ
ンサ構成部材の温度に影響を与える。そして、冷却水の
温度とセンサ構成部材の温度とには相関があるため、冷
却水を測定することにより、センサ構成部材の温度を推
定することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る圧力センサの
具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。こ
こでは、本発明に係る圧力センサを車両駆動用のディー
ゼル機関に適用した場合を例に挙げて説明する。 <第1の実施の形態>図1は、本実施の形態に係る圧電
型圧力センサを適用するエンジン1とその吸排気系の概
略構成を示す図である。
【0021】図1に示すエンジン1は、気筒2を有する
水冷式の4サイクル・ディーゼル機関である。
【0022】エンジン1は、シリンダヘッド1a及びシ
リンダブロック1bが連結されて構成されている。
【0023】シリンダヘッド1aには、吸気ポート4及
び排気ポート5が形成されており、夫々吸気弁6及び排
気弁(図示省略)を介して気筒2と連通される。また、
シリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bには、冷
却水が流通する冷却水通路7が形成されている。シリン
ダヘッド1aには、気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射す
る燃料噴射弁3、冷却水通路7を流通する冷却水の温度
を計測する水温センサ8、気筒2内の圧力を測定する圧
力センサ9が設けられている。
【0024】一方、気筒2には、燃料の燃焼により往復
運動を行うピストン10が設けられている。
【0025】燃料噴射弁3は、燃料を所定圧まで蓄圧す
る蓄圧室(コモンレール、図示省略)と接続され、該蓄
圧室から高圧の燃料が供給されている。
【0026】このように構成されたエンジン1では、吸
気行程に吸気弁6が開弁し排気弁が閉弁するとともにピ
ストン10が下降し、吸気ポート4を吸気が流通して気
筒2内へ導入される。
【0027】その後、圧縮行程で吸気が圧縮され、ピス
トンが上死点近傍まで上昇すると、燃料噴射弁3に駆動
電流が印加され、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃
料噴射弁3から気筒2内へ燃料が噴射される。噴射され
た燃料は、圧縮され高温となった吸気により着火され燃
焼する。このときの燃焼により発生した熱は冷却水に伝
わり、冷却水の温度が上昇する。温度が上昇した冷却水
はラジエータ(図示省略)を流通して大気と熱交換を行
うことにより温度が低下される。
【0028】また、燃料の燃焼により発生した圧力はピ
ストン10を下降させ、機関出力が得られる。
【0029】一方、排気行程では、排気弁が開弁しピス
トン10が上昇して排気ポート5より既燃ガスが排出さ
れる。
【0030】次に、本実施の形態による圧電型圧力セン
サの構造について説明する。
【0031】図2は、本実施の形態による圧電型圧力セ
ンサの縦断面概略構成図である。
【0032】ハウジング51は金属からなり、その外周
にはエンジン1のシリンダヘッド1aに固定するための
ねじが形成されている。一方、ハウジング51内部には
圧力を伝達するための中軸52が設けられている。中軸
52の一端側にはねじが形成されており固定ナット53
が取り付けられている。また、ハウジング51の端部は
フランジ上に形成され、ハウジング51と固定ナット5
3との間には、順に電極板57a、圧電素子55、電極
板57b、ワッシャ54が介在している。固定ナット5
3の締め付け力はワッシャ54により均等に圧電素子5
5に伝えられる。
【0033】一方、中軸52の他端にはヒータ56が設
けられている。ヒータ56は、円筒状のシース561
と、シース561内部に格納され金属線からなる発熱体
562とからなる。発熱体562は、例えばセラッミッ
ク粉末からなる耐熱性絶縁体をシース561内に緻密に
充填して固定されている。発熱体562は、中軸52の
他端に固定され、ヒータ56と中軸52は、一体となっ
ている。
【0034】次に、その動作について説明する。
【0035】発熱体562に通電されると、該発熱体5
62の抵抗により発熱し、シース561に熱が伝わる。
この熱は、気筒2内の吸気及び気筒2内へ供給された燃
料を加熱し、機関の始動性を向上させる。
【0036】一方、気筒2内の燃焼により発生した圧力
は、ヒータ56をハウジング51の内部方向に微小なが
ら押し入れる。そして、ヒータ56は、中軸52を介し
て固定ナット53を押し上げる。従って、圧電素子55
に印加される応力はヒータ56に印加された圧力が大き
くなるに従って小さくなる。このようにして圧電素子5
5に印加される応力に応じて発生した電荷を電極板57
a及び電極板57bを介して電気信号として検出し、気
筒2内の圧力を測定している。
【0037】以上述べたように構成されたエンジン1に
は、該エンジン1を制御するための電子制御ユニット
(ECU:Electronic Control Unit)35が併設され
ている。このECU11は、エンジン1の運転条件や運
転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御するユ
ニットである。
【0038】ECU11には、燃料噴射弁3、水温セン
サ8、圧力センサ9等が電気配線を介して接続されてい
る。
【0039】ここで、図3は、ヒータ56通電時のセン
サ出力信号を示した図である。圧電素子55に印加され
る応力が変動して、ヒータ56に印加される圧力の変化
がなくともヒータ56の通電時には出力信号が低下して
いる。このように従来の圧電型圧力センサにおいては、
ヒータ56の発熱によりハウジング51、中軸52等の
構成部品の弾性率が変動し、圧力センサの出力信号が変
動していた。
【0040】そこで、本実施の形態では、ヒータ56の
温度とセンサ出力の変動とには相関関係があり、また水
温とセンサ出力の変動とにも相関関係があることに着目
して、ヒータ56の温度及び水温に基づいて出力信号の
補正を行い、正確な圧力の測定を可能とした。
【0041】図4は、本実施の形態によるセンサ出力補
正方法のフローを示したフローチャート図である。
【0042】ステップS101では、ヒータ56が通電
状態にあるか否か判定される。ヒータ56が通電状態に
ない場合には、本ルーチンによるセンサ出力の補正は行
われない。ステップS101で肯定判定がなされた場合
には、ステップS102へ進み、一方、否定判定がなさ
れた場合には、本ルーチンを終了する。
【0043】ステップS102では、水温の計測が行わ
れる。ECU11は、水温センサ8の出力信号を読み込
む。
【0044】ステップS103では、ヒータ56への通
電によるセンサ部材の弾性率変化に起因した出力変動を
補正するための補正係数が算出される。補正係数は、ヒ
ータ56通電開始からの経過時間をパラメータとしたマ
ップにより算出される。
【0045】ここで、図5は、ヒータ56通電時の中軸
52温度の時間推移を示したタイムチャート図である。
このように、中軸52温度の温度は水温及びヒータ56
通電開始からの時間によって定まる。従って、ヒータ5
6通電からの時間から中軸52等の温度を補正する補正
係数を求めることが可能となる。
【0046】ここで、図6は、ヒータ56通電からの時
間と補正係数との関係を示した図である。ヒータ56通
電開始からヒータ56の温度は上昇し、所定の温度まで
上昇すると一定の温度が保持される。従って、予め実験
等により、ヒータ56通電開始からのヒータ56の温度
を求めておけば、ヒータ56通電から経過した時間によ
りヒータ56の温度を求めることができる。また、ヒー
タ56の温度と、圧力センサ9の各部材の弾性率とには
相関関係があるため、ヒータ56温度に応じた弾性率を
求めておけば、ヒータ56通電時間と補正係数との関係
としてマップ化することが可能である。
【0047】一方、図7は、ヒータ56の温度とヒータ
56の電気抵抗との関係を示した図である。この図に示
されるように、ヒータ56の温度とヒータ56の電気抵
抗との間には相関関係がある。従って、ヒータ56に流
れる電流を検知することができる場合には、該電流とバ
ッテリ電圧とから、ヒータ56の抵抗を算出し、図7に
示すヒータ56の抵抗とヒータ56の温度との関係に基
づいてヒータ56の温度を算出することができる。この
ようにして算出したヒータ56温度と補正係数との関係
を予めマップ化しておけば、ヒータ56を流れる電流か
ら補正係数を算出することができるので、この値を補正
係数として用いても良い。
【0048】ステップS104では、水温によるセンサ
出力の変動を補正するための補正係数を算出する。
【0049】ここで、図8は、水温と補正係数との関係
を示した図である。冷却水通路7を流通する冷却水の温
度はセンサの放熱効率に影響を与えるため、水温が異な
るとセンサ部材の温度上昇度が異なることになる。この
ような補正係数は、冷却水通路7、中軸52及びハウジ
ング51の形状等により異なるので、予め実験等により
求めておく。
【0050】ステップS105では、センサ出力が補正
される。ステップS103で算出された補正係数及びス
テップS104で算出された補正値から次式によりセン
サ出力が補正される。
【0051】補正後センサ出力=センサ出力×ヒータ温
度補正係数×水温補正係数このようにして、センサの弾
性率変化に起因したセンサ出力の変動を補正することが
可能となる。
【0052】このように本実施の形態による圧力センサ
出力信号の補正方法を用いれば、冷間始動時のヒータ5
6への通電による発熱に伴うセンサ構成部材の弾性率変
化に起因した圧電素子への荷重変化によるセンサ出力の
変動を補正することができる。 <第2の実施の形態>本実施の形態は、第1の実施の形
態と比較して以下の点で相違する。即ち、本実施の形態
では、圧電素子の温度特性に起因した圧電素子の出力変
動を考慮してセンサ出力の補正を行う。
【0053】ここで、図9は、圧電素子の温度と誘電率
との関係を示した図である。温度が高くなると誘電率が
大きくなることが分かる。しかし、センサの温度によっ
て該センサの構成部材の弾性率の変化と圧電素子の温度
特性とがセンサ出力に影響を及ぼすため、どちらの影響
をどれだけ受けているか分離して考えることが困難であ
る。
【0054】そこで、本実施の形態では、ヒータ56を
間欠通電しつつ圧力センサ近傍の温度を推定して温度特
性の補正のみを行うことを可能とする。
【0055】次に、本実施の形態によるセンサ温度特性
補正方法について説明する。
【0056】図10は、本実施の形態によるセンサ出力
補正方法のフローを示したフローチャート図である。
【0057】ステップS201では、ヒータ56への通
電が行われているか否か判定される。ヒータ56に通電
されているときには、前述のようにセンサ構成部材の弾
性率の変化と圧電素子の温度特性とがセンサ出力に影響
し、補正することが困難である。従って、ヒータ56が
継続して通電されているときには補正を行わないように
した。
【0058】ステップS201で肯定判定がなされた場
合には本ルーチンを終了し、一方、否定判定がなされた
場合にはステップS202へ進む。
【0059】ステップS202では、ヒータ56へ間欠
通電が行われる。ヒータ56は、冷間始動時に燃料の気
化を促進する等の目的で通電されるため、一般に、暖機
後は通電されない。また、暖機後に常時通電してしまう
と、ヒータ56からの熱が気筒内の燃焼に影響を及ぼし
燃焼温度の上昇、エミッションの悪化等を誘発してしま
う。従って、本実施の形態では、暖機後にヒータ56へ
間欠通電を行うことにより、エミッションの悪化を抑制
しつつセンサ出力を補正する。
【0060】ステップS203では、圧電素子の温度が
推定される。
【0061】ヒータ56の通電時のヒータ56の電気抵
抗とヒータ56の温度との間には相関関係があり、ま
た、ヒータ56温度と圧電素子の温度との間には相関関
係がある。従って、ヒータ56抵抗と圧電素子の温度と
の間にも相関があることになる。
【0062】ここで、図11は、ヒータ56通電時のヒ
ータ56抵抗と圧電素子温度との関係を示した図であ
る。上述のようにヒータ56の抵抗と圧電素子温度との
間には相関があるため、この関係を予めマップ化してお
けば、ヒータ56の抵抗と水温とに基づいて圧電素子の
温度を求めることができる。
【0063】ヒータ56通電時の抵抗は、バッテリの電
圧とヒータ56に流された電流との関係から算出するこ
とが可能である。また、ヒータ56の抵抗として用いる
値は、間欠通電を例えば3回行って、ヒータ56へ通電
後一定の時間が経過したときに夫々の算出されたヒータ
56の電気抵抗の平均値である。
【0064】ステップS204では、補正値が算出され
る。センサ出力にステップS204で算出された値を乗
じた値が補正後のセンサ出力として求められる。
【0065】このようにして、圧電素子の温度特性によ
る出力変動を補正することが可能となる。
【0066】このように本実施の形態による圧力センサ
出力信号の補正方法を用いれば、圧電素子近傍の温度を
推定して、圧電素子の温度特性によるセンサ出力の変動
を補正することができる。
【0067】
【発明の効果】本発明に係る圧力センサでは、センサの
温度変化により構成部材の弾性率が変化することに起因
したセンサ出力の変動を補正することができる。
【0068】また、センサの温度特性を考慮してセンサ
出力の変動を補正することができる。
【0069】従って、センサ温度によらず圧力の正確な
測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る圧力センサを適用
するエンジンとその吸排気系とを併せ示す概略構成図で
ある。
【図2】 本実施の形態による圧電型圧力センサの縦断
面概略構成図である。
【図3】 ヒータ通電時のセンサ出力信号を示した図で
ある。
【図4】 第1の実施の形態によるセンサ出力補正方法
のフローを示したフローチャート図である。
【図5】 ヒータ通電時の中軸温度の時間推移を示した
タイムチャート図である。
【図6】 ヒータ通電からの時間と補正係数との関係を
示した図である。
【図7】 ヒータ温度とヒータ抵抗との関係を示した図
である。
【図8】 水温と補正係数との関係を示した図である。
【図9】 圧電素子の温度と誘電率との関係を示した図
である。
【図10】 第2の実施の形態によるセンサ出力補正方
法のフローを示したフローチャート図である。
【図11】 ヒータ通電時のヒータ抵抗と圧電素子温度
との関係を示した図である。
【符号の説明】
1・・・・エンジン 2・・・・気筒 3・・・・燃料噴射弁 4・・・・吸気ポート 5・・・・排気ポート 6・・・・吸気弁 7・・・・冷却水通路 8・・・・水温センサ 9・・・・圧力センサ 10・・・ピストン 11・・・ECU 51・・・ハウジング 52・・・中軸 53・・・固定ナット 54・・・ワッシャ 55・・・圧電素子 56・・・ヒータ 57a・・電極板 57b・・電極板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01L 27/00 G01L 27/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加えられた圧力に応じた起電力が発生する
    圧電素子を具備した圧力センサであって、 前記圧電素子に予め荷重をかけつつ前記圧力センサに加
    えられた圧力に応じて前記圧電素子に加える荷重を変化
    させる加圧手段と、 前記圧力センサの少なくとも一部の温度を上昇させる温
    度上昇手段と、 前記温度上昇手段が上昇させた温度を推定する温度上昇
    推定手段と、 圧力センサ周辺の温度を推定するセンサ周辺温度推定手
    段と、を具備し、 前記温度上昇手段により前記圧力センサの温度が上昇さ
    れ、前記圧電素子にかかる荷重が変化して圧力センサの
    出力が変動したときに、前記温度上昇推定手段が推定し
    た温度及び前記センサ周辺温度推定手段が推定した温度
    に基づいて前記加圧手段の荷重変化による前記圧力セン
    サの出力の変動を補正することを特徴とする圧力セン
    サ。
  2. 【請求項2】加えられた圧力に応じた起電力が発生する
    圧電素子を具備した圧力センサであって、 前記圧電素子に予め荷重をかけつつ前記圧力センサに加
    えられた圧力に応じて前記圧電素子に加える荷重を変化
    させる加圧手段と、 前記圧力センサの少なくとも一部の温度を上昇させる温
    度上昇手段と、 前記圧電素子の温度を推定する素子温度推定手段と、 圧力センサ周辺の温度を推定するセンサ周辺温度推定手
    段と、を具備し、 前記温度上昇手段により前記圧電素子周辺の温度が上昇
    されたときに前記素子温度推定手段が推定した温度及び
    前記センサ周辺温度推定手段が推定した温度に基づいて
    前記圧電素子の温度変化により生じる出力特性変化の補
    正を行うことを特徴とする圧力センサ。
  3. 【請求項3】前記圧力センサは、前記温度上昇手段が上
    昇させた温度を推定する温度上昇推定手段を具備し、前
    記素子温度推定手段は、温度上昇推定手段が推定した温
    度に基づいて圧電素子の温度を推定することを特徴とす
    る請求項2に記載の圧力センサ。
  4. 【請求項4】前記温度上昇手段は、前記圧力センサの出
    力信号を補正するときに間欠的に温度を上昇させること
    を特徴とする請求項2に記載の圧力センサ。
  5. 【請求項5】前記温度上昇手段は、電力の供給により発
    熱し、前記温度上昇推定手段は、前記温度上昇手段に電
    力が供給されたときの電気抵抗に基づいて前記温度上昇
    手段が上昇させた温度を推定することを特徴とする請求
    項1乃至3の何れかに記載の圧力センサ。
  6. 【請求項6】前記圧力センサは、内燃機関に設けられ、
    前記センサ周辺温度推定手段は内燃機関の冷却水温度に
    基づいて前記圧力センサ周辺の温度を推定することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の圧力センサ。
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