JP2003119186A - α,β−不飽和エノン及びα,β−不飽和スルホンのエナンチオ選択的エポキシ化のためのポリアミノ酸−触媒法 - Google Patents

α,β−不飽和エノン及びα,β−不飽和スルホンのエナンチオ選択的エポキシ化のためのポリアミノ酸−触媒法

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JP2003119186A JP2002217801A JP2002217801A JP2003119186A JP 2003119186 A JP2003119186 A JP 2003119186A JP 2002217801 A JP2002217801 A JP 2002217801A JP 2002217801 A JP2002217801 A JP 2002217801A JP 2003119186 A JP2003119186 A JP 2003119186A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α,β−不飽和エノン及びα,β−不飽和ス
ルホンのポリアミノ酸−触媒エナンチオ選択的エポキシ
化を可能にするが、先行技術のJulia−Colon
naエポキシ化の変形の欠点を免れる方法を提供するこ
と。 【解決手段】 新規な方法は、水溶性塩基、酸化剤、触
媒としてのジアステレオマー−及びエナンチオマー−濃
縮されたホモ−ポリアミノ酸、水、水と非混和性である
かもしくは限られた混和性しか有していない有機溶媒な
らびに助触媒としての特殊な相間移動触媒の存在下で、
α,β−不飽和エノン又はα,β−不飽和スルホンを高
い転換率及びエナンチオマー過剰率でエポキシ化するこ
とを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】本発明は、特殊な助触媒(cocatalyst)の存
在下におけるα,β−不飽和エノン及びα,β−不飽和
スルホンのエナンチオ選択的エポキシ化のための新規な
ポリアミノ酸−触媒法に関する。 【0002】キラル、非ラセミエポキシドは光学的に活
性な薬剤及び材料の製造のための価値のあるシントン(s
ynthon)として既知である(例えばa)Bioorg.
Med.Chem.,1999,7,2145−215
6;b)Tetrahedron Lett.,199
9,40,5421−5424)。これらのエポキシド
は二重結合のエナンチオ選択的エポキシ化により製造す
ることができる。この場合、1つの合成段階において2
個の立体中心が作られる。従って、二重結合のエナンチ
オ選択的エポキシ化のために多数の方法が開発されたこ
とは驚くべきことではない。しかしながら、エナンチオ
選択的エポキシ化のための新規な改良法がまだ非常に必
要とされている。 【0003】それぞれの場合に特殊な基質に限られてい
るエポキシ化法に、α,β−不飽和エノンのエナンチオ
選択的エポキシ化のための方法が含まれる。 【0004】かくして、例えば、エノンのエポキシ化の
ためのキラル、非ラセミアルカロイドに基づく相間移動
触媒の使用が、Tetrahedron Lett.,
1998,39,7563−7566、Tetrahe
dron Lett.,1998,39,1599−1
602及びTetrahedron Lett.,19
76,21,1831−1834に記載されている。 【0005】Tetrahedron Lett.,1
998,39,7353−7356、Tetrahed
ron Lett.,1998,39,7321−73
22及びAngew.Chem.,Int.Ed.En
gl.,1997,36,410−412はさらに、有
機ヒドロペルオキシドを用いるエノンの金属−触媒不斉
エポキシ化の可能性を記載している。 【0006】WO−A−99/52886は、糖類に基
づく触媒の存在下におけるエノンのエナンチオ選択的エ
ポキシ化の可能性を記載している。エフェドリン誘導体
の存在下においてZnオルガニル(organyls)
及び酸素を用いるエポキシ化のための他の方法がLie
bigs Ann/Recueil.1997,110
1−1113に公開されている。 【0007】Angew.Chem.,Int.Ed.
Engl.,1980,19,929−930、Tet
rahedron,1984,40,5207−521
1及びJ.Chem.Soc.,Perkin Tra
ns.1,1982,1317−24は、過酸化水素及
びNaOH水溶液ならびに溶媒としての芳香族もしくは
ハロゲン化炭化水素の存在下で、エナンチオマー−及び
ジアステレオマー−濃縮ポリアミノ酸がα,β−不飽和
エノンのエナンチオ選択的エポキシ化を触媒することが
できるJuliaエポキシ化法を記載している。これら
のいわゆる3−相条件のさらに別の開発がOrg.Sy
nth;Mod.Trends,Proc.IUPAC
Symp.6th.,1986,275に見いだされ
る。該方法は今日、Julia−Colonnaエポキ
シ化と一般に呼ばれている。 【0008】EP−A−0 403 252に従うと、
このJulia−Colonnaエポキシ化において、
原型の溶媒の代わりに脂肪族炭化水素を有利に用いるこ
ともできる。 【0009】WO−A−96/33183は特殊な態様
として、同時にポリアミノ酸、有機溶媒、例えばジクロ
ロメタン、酸化剤として、水中における溶解度が低いも
のである過硼酸ナトリウム及びアルカリ(例えばNaO
H)が存在すると、相間移動触媒AliquatR
36([(CH3)(C8173+]Cl-)の存在下
でもエノンのエナンチオ選択的エポキシ化を行い得る可
能性を記載している。 【0010】これらの改良にかかわらず、3−相条件は
明白な欠点を有する。原型の条件下における反応時間
は、反応性の基質の場合でさえ数日の範囲内にある。例
えばトランス−カルコンのエポキシ化には、用いられる
ポリアミノ酸に依存して1〜6日が必要である(Tet
rahedron,1984,40,5207−521
1)。NaOH溶液を加えて溶媒中で12〜48時間撹
拌することにより反応容器中で行われるポリアミノ酸の
予備活性化は、多くの基質の場合に反応時間を1〜3日
に短縮する。この場合、触媒の中間の仕上げは必要でな
い(EP−A−0403 252)。NaOH/過酸化
水素系の存在下で、予備活性化を最短で6時間に短縮す
ることができる(J.Chem.Soc.,Perki
n Trans.1,1995,1467−146
8)。 【0011】この改良にかかわらず、水酸化物イオンに
敏感な基質に3−相法を適用することはできない(J.
Chem.Soc.,Perkin Trans.1,
1997,3501−3507)。これらの古典的条件
のさらに別の欠点は、ポリアミノ酸が反応の間に(又は
予備活性化の間にさえ)ゲルを形成することである。こ
れは反応の間に必要な混合を制限し、反応混合物の仕上
げを妨害する。 【0012】Tetrahedron Lett.,2
001,42,3741−43は、3−相条件下で、フ
ェニル−E−スチリルスルホンのエポキシ化における相
間移動触媒AliquatR 336の添加が遅い反応
速度(反応時間:4日)及び低いエナンチオマー過剰率
(21% ee)を生ずるのみであることを開示してい
る。今日まで、古典的3−相Julia−Colonn
a条件下におけるα,β−不飽和エノンのエポキシ化の
ための相間移動触媒(PTC)の使用の例は開示された
ことがない。 【0013】Julia−Colonnaエポキシ化
は、反応法における変更によりさらに改良されてきた。
Chem.Commun.,1997,739−740
に従うと、溶媒としてのTHF、1,2 ジメトキシエ
タン、tert−ブチルメチルエーテル又は酢酸エチ
ル、非−求核性塩基(例えばDBU)及び酸化剤として
のウレア/過酸化水素錯体を用いることにより、(擬)
−無水反応条件を満足させることができる。エポキシ化
はこれらのいわゆる2−相反応条件下で、明白により迅
速に起こる。従って、J.Chem.Soc.,Per
kin Trans.1,1997,3501−350
7に従うと、Julia−Colonna条件下におけ
る水酸化物に敏感なエノンのエナンチオ選択的エポキシ
化も、この方法で初めて可能である。 【0014】しかしながら、2−相条件の使用時に、迅
速な反応時間及び高いエナンチオマー過剰率を達成する
ためにポリアミノ酸を別のプロセスにおいて予備活性化
しなければならないという観察は、明白な欠点であるこ
とがわかる。トルエン/NaOH溶液中における撹拌に
より行われるこの予備活性化に数日が必要である。Te
trahedron Lett.,1998,39,9
297−9300に従うと、次いで予備活性化された必
要な触媒が洗浄及び乾燥手順の後に得られる。しかしな
がら、この方法で予備活性化されたポリアミノ酸は2−
相条件下でペーストを形成し、それは反応及び続く仕上
げの間の混合を妨害する。EP−A−1006 127
に従うと、活性化ポリアミノ酸を固体担体上に吸着する
ことによりこの問題を解決することができる。シリカゲ
ル担体上のポリアミノ酸はSCATs(シリカ吸着触
媒)と呼ばれる。 【0015】しかしながら2−相条件のさらに別の欠点
は、反応を可能にするために、経費のかかる非−求核性
塩基(例えばDBU)の使用が必要なことである。 【0016】EP−A−1 006 111に従うと、
Julia−Colonnaエポキシ化のさらに別の変
形は、水、水−混和性溶媒(例えば1,2−ジメトキシ
エタン)及び過炭酸ナトリウムの存在下における活性化
ポリアミノ酸によるエナンチオ選択的エポキシ化の触媒
作用である。水−混和性溶媒の使用は、この方法におけ
る仕上げ(抽出)を複雑にする。 【0017】Julia−Colonnaエポキシ化で
は、達成され得る反応速度及びエナンチオマー過剰率
(ee)は、用いられるポリアミノ酸及びその調製の様
式に大きく依存する(Chirality,1997,
9,198−202)。おおよそ比較できる結果を得る
ために、文献における新規な方法の開発及び記述には、
触媒としてポリ−L−ロイシン(pll)及び前駆体と
してトランス−カルコンを用いる標準的系が全体に及ん
で用いられている。しかしながら、D−もしくはL−ポ
リロイシンの他に、他のポリアミノ酸、例えばD−もし
くはL ネオペンチルグリシンも成功裏に用いられてい
る(EP−A−1 006 127)。 【0018】本発明の目的は、α,β−不飽和エノン及
びα,β−不飽和スルホンのポリアミノ酸−触媒エナン
チオ選択的エポキシ化を可能にするが、Julia−C
olonnaエポキシ化の上記の変形の欠点を免れる方
法を提供することであった。特に、別に行われなければ
ならないポリアミノ酸の予備活性化、経費のかかる塩基
及び酸化剤の使用ならびに潜在的に問題となる型の反応
法及び仕上げを避ける、迅速且つ広範囲に適用可能な方
法を見いだすことが意図された。同時に、プロセスが工
業的規模で空/時収率、取り扱い、経済性及び生態学に
関して利点を有することが意図された。 【0019】今回、驚くべきことに、3−相条件下で特
殊な相間移動触媒を用い、実質的により短い反応時間且
つ同時にずっと高いエナンチオマー過剰率で、α,β−
不飽和エノン及びα,β−不飽和スルホンのエポキシ化
を行うことができることが見いだされた。 【0020】かくして本発明は、(1)水溶性塩基、
(2)酸化剤、(3)触媒としてのジアステレオマー−
及びエナンチオマー−濃縮された(enriched)ホモ−ポリ
アミノ酸、(4)水及び(5)水と非混和性であるか又
は限られた混和性しか有していない有機溶媒の存在下に
おけるα,β−不飽和エノン又はα,β−不飽和スルホ
ンのエポキシ化法であって、さらに(6)式(I) (R1234A)+- (I) の相間移動触媒が存在し、式中、AはN又はPであり、
-は無機もしくは有機アニオンであり、R1、R2、R3
及びR4は同一もしくは異なり、アルキル、アリール、
アラルキル、シクロアルキル又はヘテロアリール基であ
り、それらは1個もしくはそれより多い同一もしくは異
なるハロゲン基により置換されていることができるか、
あるいはまた、2個の基がそれぞれの場合にAを含むC
4−C6−シクロアルキル環を形成することができ、ここ
で(i)基R1、R2、R3及びR4中に存在する炭素原子
と複素原子の合計は少なくとも13であり、(ii)相
間移動触媒のアクセシビリティ(accessibility)qは
0.6〜1.3の範囲内にあり、ここでqは次式: 【0021】 【数2】 【0022】から導かれることを特徴とする方法に関す
る。 【0023】本発明に従う方法は必須の特徴として、特
殊な相間移動触媒の使用を含む:アクセシビリティqと
呼ばれる変数は、与えられた一般式(I)の相間移動触
媒の経験的パラメーターであり、それはすでにテトラア
ルキルアンモニウム塩に関して文献に記載されている
(ACS Symp.Ser.,1997,659,1
00−102)。 【0024】本発明に従う方法で用いられる相間移動触
媒は0.6〜1.3の範囲内、好ましくは0.7〜1.
3の範囲内、特に0.8〜1.2の範囲内のアクセシビ
リティqを有する。 【0025】一般式(I)中のX-は好ましくはF-、C
-、Br-、I-、OH-、NO3 -、HSO4 -、SO4 -
CH3COO-、CF3COO-、C25COO-、C37
COO-、CF3SO3 -又はC49SO3 -である。 【0026】適していることがわかった一般式(I)の
相間移動触媒は、A及びX-が上記の意味を有し、R1
2、R3及びR4が同一もしくは異なり、C1−C18−ア
ルキル、C6−C18−アリール、C7−C19−アラルキ
ル、C5−C7−シクロアルキル又はC3−C18−ヘテロ
アリールであり且つ同時に上記の条件(i)及び(i
i)が満たされるものである。 【0027】特に適した相間移動触媒は、((C49
4N)+Hal-、特に((C494N)+Br-、((C
494P)+Hal-、特に((C494P)+Br-
は((C494N)+HSO4 -である。 【0028】そのアクセシビリティが0.6〜1.3の
値の範囲外であるAliquatR336([(CH3
(C8173+]Cl-)及びAliquatR 17
5([(CH3)(C493+]Cl-)のような相間
移動触媒ならびにPEG400のような相間移動触媒
は、対照的に、本発明に従う方法の利点に導かない。そ
れらが用いられると、劣ったエナンチオマー過剰率又は
劣った空−時収率を以てのみ、標的生成物が得られる。 【0029】本発明に従って用いられるべき相間移動触
媒は通常商業的に入手可能であるかあるいはまた、熟練
者にとって慣れた方法により調製することができる。 【0030】加えられる相間移動触媒の量は重要ではな
く、通常はそれぞれ用いられるα,β−不飽和エノン又
はα,β−不飽和スルホンに基づいて0.1〜20モル
%の範囲内、好ましくは0.5〜15モル%の範囲内、
特に好ましくは0.5〜11モル%の範囲内である。し
かしながら、0.1モル%よりずっと低い量を用い、反
応速度は顕著に低下するが、高いエナンチオマー過剰率
は変わらないことが観察されるべきである。 【0031】α,β−不飽和エノン又はα,β−不飽和
スルホンとして、一般式(II) 【0032】 【化1】 【0033】[式中、Xは(C=O)又は(SO2)で
あり、R5及びR6は同一もしくは異なり、(C1
18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2
−C18)−アルキニル、(C3−C8)−シクロアルキ
ル、(C6−C18)−アリール、(C7−C19)−アラル
キル、(C1−C18)−ヘテロアリール又は(C2
19)−ヘテロアラルキルであり、ここでR5及びR6
関して挙げた基は同一もしくは異なる基R7、ハロゲ
ン、NO2、NR78、PO0-378、SO0-37、O
7、CO27、CONHR7又はCOR7により1回も
しくは1回より多く置換されていることができ且つ基R
5及びR6中の1個もしくはそれより多いCH2基は場合
によりO、SO0-2、NR7又はPO0-27により置き換
えられていることができ、ここでR7及びR8は同一もし
くは異なり、H、(C1−C18)−アルキル、(C2−C
18)−アルケニル、(C2−C18)−アルキニル、(C3
−C8)−シクロアルキル、(C6−C18)−アリール、
(C1−C18)−ヘテロアリール、(C 1−C8)−アル
キル−(C6−C8)−アリール、(C1−C8)−アルキ
ル−(C 1−C19)−ヘテロアリール、(C1−C8)−
アルキル−(C3−C8)−シクロアルキルであり、これ
らの基R7及びR8は同一もしくは異なるハロゲン基によ
り1回もしくは1回より多く置換されていることができ
る]の化合物を用いることができる。 【0034】(C1−C18)−アルキル基は、本発明の
目的の場合、1〜18個の飽和C原子を有し且つどこか
に分枝を有していることができる基を意味する。この群
の中に特に基メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル、ペンチル及びヘキシルを含むことができ
る。 【0035】(C2−C18)−アルケニル基は(C1−C
18)−アルキル基に関して挙げた特徴を有し、必ず少な
くとも1個の二重結合が基中に存在する。 【0036】(C2−C18)−アルキニル基は(C1−C
18)−アルキル基に関して挙げた特徴を有し、必ず少な
くとも1個の三重結合が基中に存在する。 【0037】(C3−C8)−シクロアルキル基は、3〜
8個のC原子及び適宜どこかに分枝を有する環状アルキ
ル基を意味する。本明細書において含まれるのは特にシ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル及びシクロヘプチルのような基である。この基
中に1個もしくはそれより多い二重結合が存在すること
ができる。 【0038】(C6−C18)−アリール基は、6〜18
個のC原子を有する芳香族基を意味する。本明細書にお
いて含まれるのは特にフェニル、ナフチル、アントリル
及びフェナントリルのような基である。 【0039】(C7−C19)−アラルキル基は(C1−C
8)−アルキル基を介して分子に結合している(C6−C
18)−アリール基を意味する。 【0040】(C1−C18)−ヘテロアリール基は、本
発明の目的の場合、1〜18個のC原子を有し且つ1個
もしくはそれより多い複素原子、好ましくはN、Oもし
くはSを環中に有する5、6−もしくは7−員芳香族環
系を示す。これらのヘテロアリール基には例えば2−、
3−フリル、1−、2−、3−ピロリル、2−、3−チ
エニル、2−、3−、4−ピリジル、2−、3−、4
−、5−、6−、7−インドリル、3−、4−、5−ピ
ラゾリル、2−、4−、5−イミダゾリル、1−、3
−、4−、5−トリアゾリル、1−、4−、5−テトラ
ゾリル、アクリジニル、キノリニル、フェナントリジニ
ル、2−、4−、5−、6−ピリミジニル及び4−、5
−、6−、7−(1−アザ)−インドリジニルが含まれ
る。 【0041】(C2−C19)−ヘテロアラルキル基は
(C7−C19)−アラルキル基に対応する複素芳香族系
を意味する。 【0042】ハロゲンあるいは又Halは、本発明の範
囲内で、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。 【0043】本発明に従う方法で好適に用いられる基質
は好ましくは、R5及びR6が同一もしくは異なり、(C
1−C12)−アルキル、(C2−C12)−アルケニル、
(C2−C12)−アルキニル、(C5−C8)−シクロア
ルキル、(C6−C12)−アリール又は(C1−C12)−
ヘテロアリールであり、ここで上記の基は同一もしくは
異なる基R7、ハロゲン、NO2、NR78、PO0-37
8又はOR7により1回もしくは1回より多く置換され
ていることができ、R7及びR8は一般式(II)に関し
て上記で示した意味を有する一般式(II)のα,β−
不飽和エノン又はα,β−不飽和スルホンである。 【0044】本発明に従う方法で特に好適に用いられる
基質は、R5及びR6が同一もしくは異なり、(C1−C
12)−アルキル、(C2−C12)−アルケニル、(C2
12)−アルキニル、(C5−C8)−シクロアルキル、
(C6−C12)−アリール又は(C1−C12)−ヘテロア
リールであり、ここで上記の基は同一もしくは異なる基
7、ハロゲン、NO2、NR78、PO0-378又は
OR7により1回もしくは1回より多く置換されている
ことができ、R7及びR8は一般式(II)に関して上記
で示した意味を有し、但し基R5又はR6の少なくとも1
個は(C2−C12)−アルケニル、(C2−C12)−アル
キニル、(C6−C12)−アリール−又は(C1−C12
−ヘテロアリール基である一般式(II)のα,β−不
飽和エノン又はα,β−不飽和スルホンである。 【0045】一般式(III)の基質を本発明に従うエ
ポキシ化に供するのが特に好ましい: 【0046】 【化2】【0047】式中、n及びmは同一もしくは異なり、
0、1、2又は3の数であり、R9及びR10は同一もし
くは異なり、NR78、NO2、OR7、(C1−C12
−アルキル、(C2−C12)−アルケニル、(C2
12)−アルキニル、(C5−C8)−シクロアルキル、
(C6−C12)−アリール又は(C1−C12)−ヘテロア
リールであり、ここでこれらの基R9及びR10は同一も
しくは異なるハロゲン基により1回もしくは1回より多
く置換されていることができ、R7及びR8は式(II)
に関して前に挙げた意味を有する。 【0048】エナンチオマー−濃縮されたエポキシドの
製造のための本発明に従う方法は、触媒としてのジアス
テレオマー−及びエナンチオマー−濃縮されたホモ−ポ
リアミノ酸の存在下で行われる。これに関し、多様なジ
アステレオマー−及びエナンチオマー−濃縮されたホモ
−ポリアミノ酸を用いることができる。ポリネオペンチ
ルグリシン、ポリロイシン、ポリイソロイシン、ポリバ
リン及びポリアラニン及びポリフェニルアラニンの群か
らのホモ−ポリアミノ酸を用いるのが好ましい。この群
からの最も好ましいものはポリネオペンチルグリシン及
びポリロイシンである。 【0049】これに関し、ポリアミノ酸の鎖長は、通
常、一方で反応におけるキラル誘導が損なわれないよう
に、且つ他方でポリアミノ酸の合成の経費が高すぎない
ように選ばれるであろう。ホモ−ポリアミノ酸の鎖長は
好ましくは5〜100個のアミノ酸繰り返し単位の範囲
内、好ましくは7〜50個のアミノ酸繰り返し単位の範
囲内である。10〜40個のアミノ酸を有するホモ−ポ
リアミノ酸が特別に好ましい。 【0050】用いられるべきホモ−ポリアミノ酸はエポ
キシ化の前に、中間の単離を伴う別の予備活性化にも供
されないし、それらは無機担体にも適用されない。これ
は方法の経済的魅力を有意に増し、さらに工業的実施を
容易にする。 【0051】ホモ−ポリアミノ酸を反応において未変化
でそのまま用いることができ、あるいはまた、あらかじ
め多官能基性アミンを用いて架橋するかあるいは他の有
機ポリマーにより鎖−延長することができる。架橋のた
めに有利に用いられる架橋性アミンはジアミノアルカン
類、好ましくは1,3−ジアミノプロパン又は架橋され
たヒドロキシ−もしくはアミノポリスチレン(CLAM
PS、商業的に入手可能)である。適したポリマー延長
剤は好ましくはポリエチレングリコールもしくはポリス
チレンに基づく求核試薬である。この方法で改質された
(modified)ポリアミノ酸はChem.Com
mun.,1998,1159−1160及びTetr
eahedron:Asymmetry,1997,
8,3163−3173に記載されている。 【0052】エポキシ化において用いられるべきホモ−
ポリアミノ酸自身は、当該技術の現状における方法によ
り製造することができる(J.Org.Chem.,1
993,58,6247−6254又はChirali
ty,1997,9,198−202)。該方法はアミ
ノ酸の両方の光学的鏡像体に適用されるべきものであ
る。ポリアミノ酸の特定の鏡像体の使用はエポキシドの
立体化学と関連し、すなわちポリ−L−アミノ酸はポリ
−D−アミノ酸を用いて得られるエポキシドの光学的鏡
像体を生ずる。 【0053】用いられるホモ−ポリアミノ酸の量は重要
ではなく、通常はそれぞれ用いられるα,β−不飽和エ
ノン又はα,β−不飽和スルホンに基づいて0.000
1〜40モル%の範囲内、好ましくは0.001〜20
モル%の範囲内、特に好ましくは0.01〜15モル%
の範囲内、特別には1〜15モル%の範囲内である。 【0054】用いられる酸化剤は一般的に過酸化物、過
酸あるいは次亜塩素酸ナトリウム又は過炭酸ナトリウム
のような無機酸化剤である。過酸化物、過酸又は次亜塩
素酸ナトリウムが好ましい。H22水溶液が特に好適に
用いられる。この水溶液はさらに、すべての通常の濃度
を有することができる。この反応において用いられるべ
きさらに別の酸化剤はMethoden Org.Ch
em.(Houben−Weyl),volume 4
/1a+b,59−319に挙げられている化合物及び
Oxidation in Organic Chem
istry,ACS Monograph 186,W
ashington DC,1990,1−47に挙げ
られている化合物である。 【0055】用いられる酸化剤の量は1〜40当量の広
い限度内で変わることができる。驚くべき且つ有利なこ
とに、本発明に従う反応は、1〜10当量、好ましくは
1〜3当量、特に好ましくは1.1〜2.5当量の範囲
内の比較的少量の酸化剤を用いてさえもまだ、短い反応
時間及び高いエナンチオマー過剰率で起こる。 【0056】本発明に従う方法は水溶性塩基の存在下で
行われる。この目的のためにアルカリ金属水酸化物、例
えばNaOH、KOH又はLiOHを用いるのが適して
いることがわかった。塩基は通常水溶液の形態で用いら
れる。 【0057】用いられる塩基の量は0.1〜10当量の
広い限度内で変わり得る。驚くべき且つ有利なことに、
本発明に従う反応は、0.5〜5当量、好ましくは0.
8〜2当量の範囲内の比較的少量の塩基を用いてさえも
まだ、短い反応時間及び高いエナンチオマー過剰率で起
こる。 【0058】本発明に従う方法は、水と非混和性である
かもしくは限られた混和性しか有していない溶媒を用い
て行われる。本発明の範囲内で、有機溶媒と水の混合物
が20℃において、単相のままであるために、20重量
%以下、好ましくは10重量%以下、特に8重量%以下
の水を含有することができる場合に、溶媒は水と限られ
た混和性を有するとみなされる。 【0059】適した有機溶媒は一般に非置換もしくは置
換芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロアルカン類及
びエーテル類である。特に適しているのはトルエン、キ
シレン、ヘキサン、tert−ブチルメチルエーテル、
ジエチルエーテル、クロロホルム及び塩化メチレンであ
る。 【0060】用いられる溶媒の関数としてのエナンチオ
マー過剰率及び反応速度の最適化において、通常の3−
相条件下と類似の効果が観察され、すなわち特に芳香族
炭化水素、例えばトルエン中で高いエナンチオマー過剰
率が得られるが、エーテル類、例えばtert−ブチル
メチルエーテル又はハロアルカン類、例えばクロロホル
ム中で特に短い反応時間が達成される。 【0061】さらに、ホモ−ポリアミノ酸pllはte
rt−ブチルメチルエーテル中で凝集することが見いだ
された。従ってtert−ブチルメチルエーテルは連続
反応法のために興味深く且つ適した溶媒である。 【0062】エポキシ化で用いられる温度は一般に−1
0〜+50℃の範囲内、好ましくは0〜+40℃の範囲
内、特に+10〜+30℃である。 【0063】非脱プロトン化H22と比較して過剰の脱
プロトン化H22が存在するように、反応の間のpH設
定を選ぶことができる。他方、反応の間のpHを、用い
られる有機化合物に害を与える程高く選んでもならな
い。pHは好ましくは7〜14の範囲内、好ましくは
7.5〜13の範囲内である。 【0064】系の含水率は通常、前記の通り、系の個々
の反応成分、例えば塩基及び酸化剤が水溶液の形態で用
いられるということから生ずる。反応混合物における合
計含水率は、完全な反応混合物に基づいて1〜70重量
%の範囲内、好ましくは5〜50重量%の範囲内であ
る。 【0065】反応の実施に関し、通常、手順は塩基、ホ
モ−ポリアミノ酸、相間移動触媒、溶媒、水及び基質を
混合し、次いで酸化剤を加えるようなものである。 【0066】本発明に従う方法は非常に短縮された反応
時間により傑出している。α,β−不飽和エノン及び
α,β−不飽和スルホンのエポキシ化を、数日ではなく
てわずか数時間又はわずか数分内でさえ、高い転換率及
び高いエナンチオ選択率で達成することができる。 【0067】本発明に従う、助触媒としての相間移動触
媒の使用は、酸化剤及び塩基の必要量を非常に顕著に減
少させることを可能にし、これが反応速度、転換率又は
エナンチオマー過剰率に悪影響を有することはない。 【0068】追加的な利点は、特に経費の低い塩基及び
酸化剤を用いることができることである。 【0069】非常に短い反応時間のために、通常の3−
相条件により成功裏にエポキシ化され得ない(J.Ch
em.Soc.,Perkin Trans.1,19
97,3501−3507)水酸化物に敏感な基質もま
た初めて、本発明に従う方法を介して水性3−相条件下
でエナンチオ選択的エポキシ化することができる。 【0070】 【実施例】ポリアミノ酸の製造法は多くの場合、触媒活
性において広く変動するJulia−Colonnaエ
ポキシ化のための触媒を与える(Chirality,
1997,9,198−202)。単位時間当たりの転
換率及びエナンチオマー過剰率は、エポキシ化反応に同
じポリアミノ酸バッチを用いる場合のみに特定の基質に
関して比較され得る。この理由で、新しい結果を文献で
公開されている結果と直接比較することは不可能であ
り、それは単にやむを得ず異なる触媒バッチが用いられ
るからである。この理由で、続く実施例群I〜VIII
のそれぞれにおいて(本発明に従う実施例及び対応する
比較実施例の両方において)、同じポリロイシンバッチ
を用いた。 【0071】以下の実施例のすべてにおいて、転換率及
びエナンチオマー過剰率(ee)は、文献から既知の方
法により、キラル非ラセミ相上におけるHPLC(UV
検出)を用いて決定される。 実施例群I: 実施例1〜3及び比較実施例CE4〜9 種々の相間移動触媒を用いるトランス−カルコンのエポ
キシ化 種々のアクセシビリティを有する種々の相間移動触媒
(PTC)の、3−相反応条件下におけるトランス−カ
ルコン(1)のエポキシカルコン(2)へのエポキシ化
への効果を以下の実施例で示す。 スキーム1: 【0072】 【化3】【0073】100mgの非−予備活性化ポリアミノ酸
pll(11モル%)、0.24ミリモルのトランス−
カルコン及び8.5mgの(Bu4N)+Br-(又は1
1モル%の他のPTC)を0.6mlのトルエン及び
0.2mlのNaOH(4.2当量に相当する5モル溶
液として使用)の混合物中に懸濁させる。次いで0.7
mlのH22(28.5当量に相当する30%濃度水溶
液として使用)を加える。この混合物を次いで室温で撹
拌しながら反応させる。反応が完了した(あるいは選ば
れた反応時間の)後、反応混合物を2mlの酢酸エチル
で希釈し、次いで遠心する。次いで上澄み液を、撹拌さ
れ氷冷されたNaHSO3水溶液(4ml、20%濃度
溶液)中にゆっくり導入する。相の分離の後、有機相を
硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮する。このエ
ポキシ化の結果を下記の表1に集める。 【0074】 【表1】 【0075】 q 相間移動触媒のアクセシビリティ C# 用いられる相間移動触媒中のC原子及び複素原
子の合計 Bn ベンジル Me メチル Et エチル Bu n−ブチル Oct n−オクチル PEG ポリエチレングリコール 実施例群II: 実施例10〜13 相間移動触媒としての(Bu4N)+Br-の存在下にお
けるエポキシ化への溶媒の効果の研究 100mgの非−予備活性化ポリアミノ酸pll(11
モル%)、0.24ミリモルのトランス−カルコン及び
8.5mgの(Bu4N)+Br-(又は11モル%の他
のPTC)を、0.8mlの記載する溶媒及び0.2m
lのNaOH(4.2当量に相当する5モル溶液として
使用)中に懸濁させる。次いで0.7mlのH22(2
8.5当量に相当する30%濃度水溶液として使用)を
加える。この混合物を次いで室温で撹拌しながら反応さ
せる。1時間の反応時間の後、反応混合物を2mlの酢
酸エチルで希釈し、次いで遠心する。次いで上澄み液
を、撹拌され氷冷されたNaHSO3水溶液(4ml、
20%濃度溶液)中にゆっくり導入する。相の分離の
後、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮
する。これらの実施例の結果を下記の表2に集める。 【0076】 【表2】 【0077】実施例群III: 実施例14〜17 相間移動触媒としての種々の量の(Bu4N)+Br-
存在下におけるトランス−カルコンのエポキシ化 0.27gの非−予備活性化ポリアミノ酸pll(0.
3モル%)、5.0gのトランス−カルコン及び種々の
量(表3を参照されたい)の(Bu4N)+Br -を20
mlのトルエン及び7.2mlのNaOH(1.5当量
に相当する5モル溶液として使用)中に懸濁させる。次
いで3.7mlのH22(1.5当量に相当する30%
濃度水溶液として使用)を加える。この混合物を次いで
室温で撹拌しながら反応させる。2時間の反応時間の
後、反応混合物を50mlの酢酸エチルで希釈し、次い
で遠心する。次いで上澄み液を、撹拌され氷冷されたN
aHSO3水溶液(100ml、20%濃度溶液)中に
ゆっくり導入する。相の分離の後、有機相を硫酸ナトリ
ウム上で乾燥し、減圧下で濃縮する。これらの実施例の
結果を下記の表3にまとめる。 【0078】 【表3】 【0079】実施例群IV: 実施例18及び比較実施例CE19 酸化剤としてNaOClを用いる、スキーム1に示した
トランス−カルコン(1)のエポキシカルコン(2)へ
のエポキシ化 非活性化ポリアミノ酸pll(11モル%)、11モル
%の(Bu4N)+Br -(実施例18においてのみ)、
6mlのNaOCl(7.5%濃度水溶液として使用)
及び溶媒としてのトルエンの存在下で、トランス−カル
コンを室温で1.5時間反応させ、エポキシカルコンを
得る。2mlの酢酸エチルを用いる希釈、遠心ならびに
続く硫酸ナトリウム上での乾燥及び上澄み液の濃縮によ
り仕上げを行った。表4は得られる結果を含んでいる。 【0080】 【表4】【0081】実施例20:(E)−1,2−ジベンゾイ
ルエチレン(3)の(4)へのエポキシ化(PTCを用
いる3−相条件) スキーム2: 【0082】 【化4】 【0083】100mgの非−予備活性化pll(11
モル%)、57mgの(E)−1,2−ジベンゾイルエ
チレン及び8.5mgの(Bu4N)+Br-(11モル
%)を0.8mlのトルエン及び63μlのNaOH
(1.3当量に相当する5モル水溶液として使用)の混
合物中に懸濁させた。次いで32μlのH22(1.3
当量に相当する30%濃度水溶液として使用)を加え
た。この混合物を室温で撹拌しながら反応させた。5分
の反応時間の後、反応混合物を2mlの酢酸エチルで希
釈し、次いで撹拌され氷冷されたNaHSO3水溶液
(4ml、20%濃度溶液)中にゆっくり導入した。ポ
リマーを濾過した後、濾液の有機相を硫酸ナトリウム上
で乾燥し、減圧下で濃縮した。100%の転換率及び7
2% eeのエナンチオマー過剰率が得られる(シフト
試薬としてEu(tfc)3を用いるシフト−1H−NM
R実験により決定)。 実施例21:(E)−1−フェニル−3−(2−ピリジ
ニル)−2−プロペン−1−オン(5)の(6)へのエ
ポキシ化(PTCを用いる3−相条件) スキーム3: 【0084】 【化5】 【0085】9mgの非−予備活性化pll(0.5モ
ル%)、100mgの(E)−1−フェニル−3−(2
−ピリジニル)−2−プロペン−1−オン及び8.5m
gの(Bu4N)+Br-(0.3モル%)を0.2ml
のトルエン及び0.14mlのNaOH(1.5当量に
相当する5モル水溶液として使用)の混合物中に懸濁さ
せた。次いで74μlのH22(1.5当量に相当する
30%濃度水溶液として使用)を加えた。この混合物を
室温で撹拌しながら反応させた。30分の反応時間の
後、反応混合物を2mlの酢酸エチルで希釈し、次いで
撹拌され氷冷されたNaHSO3水溶液(4ml、20
%濃度溶液)中にゆっくり導入した。遠心の後、上澄み
液を濾過し、減圧下で濃縮した。>99%の転換率及び
84% eeのエナンチオマー過剰率が得られる(キラ
ルGCにより決定)。 【0086】以下の実施例群のすべてにおいて、本発明
に従う方法を今度は、相間移動触媒が加えられない、文
献で開示されている条件と比較する。この目的のため
に、選ばれた代表的反応のために最も良い、公開されて
いる条件を、本発明に従う方法を行うためにも用いられ
る同じポリアミノ酸バッチを用いて再現した。 実施例群V: 実施例22及び比較実施例23〜25 3−相条件下における、スキーム1で示したトランス−
カルコン(1)のエポキシカルコン(2)へのエポキシ
実施例22 PTCを用いる3−相条件 100mgの非−予備活性化pll、50mgのトラン
ス−カルコン及び8.5mgの(Bu4N)+Br-
0.8mlのトルエン及び62μlのNaOH(1.3
当量に相当する5モル水溶液として使用)の混合物中に
懸濁させた。次いで32μlのH22(1.3当量に相
当する30%濃度水溶液として使用)を加えた。この混
合物を室温で撹拌しながら反応させた。10分の反応時
間の後、反応混合物を2mlの酢酸エチルで希釈し、次
いで撹拌され氷冷されたNaHSO 3水溶液(4ml、
20%濃度)中にゆっくり導入した。遠心の後、上澄み
液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。比較実施例CE23 PTCなしの3−相条件 100mgの非−予備活性化pllを0.8mlのトル
エン、0.2mlのNaOH(4.2当量に相当する5
モル水溶液として使用)及び0.2mlのH22(30
%濃度水溶液として使用)の混合物中に懸濁させた。こ
の混合物を室温で撹拌しながら6時間反応させた。次い
で50mgのトランス−カルコン及びさらに0.5ml
のH22(30%濃度水溶液として使用、28.5当量
の加えられるH22の合計量に相当する)を加えた。1
時間の反応時間の後、反応混合物を2mlの酢酸エチル
で希釈し、次いで撹拌され氷冷されたNaHSO3水溶
液(4ml、20%濃度)中にゆっくり導入した。遠心
の後、上澄み液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で
濃縮した。比較実施例CE24 PTCなしの2−相条件 a)pllの別の予備活性化 1gのポリマーを5mlのトルエン及び10mlのNa
OH(5モル水溶液として使用)の混合物中に懸濁さ
せ、5日間撹拌した。この時間の間にゲルが生成した。
仕上げのために、ポリマーをデカンテーションにより単
離し、20mlのエタノールを用いて摩砕し、次いで濾
過した。フィルターケーク(ポリマー)を水で中性にな
るまで洗浄した。次いでポリマーをアセトンで3回洗浄
し、最後に真空中においてP25上で乾燥した。 b)2−相条件下におけるエポキシ化 50mgのトランス−カルコン、25mgのウレア/過
酸化水素錯体(UHP、0.26ミリモル、1.1当
量)及び別に予備活性化された94.5mgのpll
(11モル%。予備活性化に関しては項a)を参照され
たい)を混合し、2.7mlの無水THFを用いて懸濁
させた後、40μlのDBU(1.1当量)を加えた。
反応混合物を撹拌しながら室温で反応させた。10分の
反応時間の後、反応混合物を2mlの酢酸エチルで希釈
し、次いで遠心した。次いで上澄み液を、撹拌され氷−
冷されたNaHSO3水溶液(4ml、20%濃度)中
にゆっくり導入した。相の分離の後、有機相を硫酸ナト
リウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。比較実施例CE25 SCAT条件 a)SCATの調製 1gの別に予備活性化されたpll(予備活性化は比較
実施例CE18に関する方法の項a)における通りに行
われた)及び3.4gのシリカゲル60(230〜40
0メッシュ、Merck)を混合し、30mlの無水T
HF中に懸濁させ、光を排除して48時間ゆっくり撹拌
した。懸濁液を濾過し、残留物を各回10mlの無水T
HFで2回洗浄した。材料(SCAT)を真空中におい
てP25上で乾燥した。 b)SCAT条件下におけるエポキシ化 50mgのトランス−カルコン、25mgのウレア/過
酸化水素錯体(UHP、0.26ミリモル、1.1当
量)及び419mgのSCAT(11モル%)を混合
し、2.7mlの無水THFを用いて懸濁させた後、4
0μlのDBU(1.1当量)を加えた。反応混合物を
撹拌しながら室温で反応させた。10分の反応時間の
後、反応混合物を濾過した。濾液を2mlの酢酸エチル
と混合し、次いで撹拌され氷−冷されたNaHSO3
溶液(4ml、20%濃度)中にゆっくり導入した。相
の分離の後、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧
下で濃縮した。 【0087】実施例22及び比較実施例CE23〜25
の結果を下記の表5に集める。 【0088】 【表5】【0089】実施例群VI: 実施例26及び比較実施例27〜29 (E)−1−(2−アミノフェニル)−3−フェニル−
2−プロペン−1−オン(7)の(8)へのエポキシ化 スキーム4: 【0090】 【化6】 【0091】実施例26 PTCを用いる3−相条件 100mgの非−予備活性化pll、54mgのトラン
ス−アミノカルコン及び8.5mgの(Bu4N)+Br
-を0.8mlのトルエン及び200μlのNaOH
(4.2当量に相当する5モル水溶液として使用)の混
合物中に懸濁させた。次いで125μlのH22(5当
量に相当する30%濃度水溶液として使用)を加えた。
この混合物を室温で撹拌しながら反応させた。10分の
反応時間の後、反応混合物を2mlの酢酸エチルで希釈
し、次いで遠心した。次いで上澄み液を氷冷されたNa
HSO3水溶液(4ml、20%濃度)中にゆっくり導
入した。相の分離の後、有機相を硫酸ナトリウム上で乾
燥し、減圧下で濃縮した。比較実施例CE27 PTCなしの3−相条件 100mgの非−予備活性化pllを0.8mlのトル
エン、0.2mlのNaOH(4.2当量に相当する5
モル水溶液として使用)及び0.2mlのH22(30
%濃度水溶液として使用)の混合物中に懸濁させた。こ
の混合物を撹拌しながら6時間反応させた。次いで54
mgのトランス−アミノカルコン及びさらに0.5ml
のH22(30%濃度水溶液として使用、28.5当量
の加えられるH22の合計量に相当する)を加えた。1
時間の反応時間の後、反応混合物を2mlの酢酸エチル
で希釈し、撹拌され氷冷されたNaHSO3水溶液(4
ml、20%濃度)中に導入した。次いで混合物を遠心
した。次いで上澄み液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減
圧下で濃縮した。比較実施例CE28 2−相条件 a)pllの別の予備活性化 1gのポリマーを5mlのトルエン及び10mlのNa
OH(5モル水溶液として使用)の混合物中に懸濁さ
せ、5日間撹拌した。この時間の間にゲルが生成した。
仕上げのために、ポリマーをデカンテーションにより単
離し、20mlのエタノールを用いて摩砕し、次いで濾
過した。フィルターケーク(ポリマー)を水で中性にな
るまで洗浄した。次いでポリマーをアセトンで3回洗浄
し、最後に真空中においてP25上で乾燥した。 b)2−相条件下におけるエポキシ化 54mgのトランス−アミノカルコン、25mgのウレ
ア/過酸化水素錯体(UHP、0.26ミリモル、1.
1当量)及び別に予備活性化された94.5mgのpl
l(11モル%。予備活性化は上記のa)に記載した通
りに行った)を混合し、2.7mlの無水THFを用い
て懸濁させた後、40μlのDBU(1.1当量)を加
えた。反応混合物を撹拌しながら室温で反応させた。1
0分の反応時間の後、反応混合物を2mlの酢酸エチル
で希釈し、次いで遠心した。次いで上澄み液を、撹拌さ
れ氷−冷されたNaHSO3水溶液(4ml、20%濃
度)中にゆっくり導入した。相の分離の後、有機相を硫
酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。比較実施例CE29 SCAT条件 a)SCATの調製 1gの別に予備活性化されたpll(方法に関しては比
較実施例CE18の項a)を参照されたい)及び3.4
gのシリカゲル60(230〜400メッシュ、Mer
ck)を混合し、30mlの無水THF中に懸濁させ、
光を排除して48時間ゆっくり撹拌した。懸濁液を濾過
し、残留物を各回10mlの無水THFで2回洗浄し
た。材料(SCAT)を真空中においてP25上で乾燥
した。 b)SCAT条件下におけるエポキシ化 54mgのトランス−アミノカルコン、25mgのウレ
ア/過酸化水素錯体(UHP、0.26ミリモル、1.
1当量)及び419mgのSCAT(11モル%)を混
合し、2.7mlの無水THFを用いて懸濁させた後、
40μlのDBU(1.1当量)を加えた。反応混合物
を撹拌しながら室温で反応させた。10分の反応時間の
後、反応混合物を2mlの酢酸エチルで希釈し、次いで
遠心した。上澄み液を、撹拌され氷−冷されたNaHS
3水溶液(4ml、20%濃度)中にゆっくり導入し
た。相の分離の後、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥
し、減圧下で濃縮した。 【0092】実施例26及び比較実施例27〜29の結
果を下記の表6に集める。 【0093】 【表6】 【0094】実施例群VII: 実施例30及び比較実施例31 (E)−1−シクロプロピル−3−フェニル−2−プロ
ペン−1−オン(9)の(10)へのエポキシ化 スキーム5: 【0095】 【化7】 【0096】実施例30 PTCを用いる3−相条件 100mgの非−予備活性化pll、41mgの(E)
−1−シクロプロピル−3−フェニル−2−プロペン−
1−オン及び7.7mgの(Bu4N)+Br-を0.8
mlのトルエン及び200μlのNaOH(4.2当量
に相当する5モル水溶液として使用)の混合物中に懸濁
させた。次いで700μlのH22(28.5当量に相
当する30%濃度水溶液として使用)を加えた。この混
合物を室温で撹拌しながら反応させた。5時間の反応時
間の後、反応混合物を1mlの酢酸エチルで希釈し、次
いで濾過した。次いで濾液の有機相を、撹拌され氷冷さ
れたNaHSO3水溶液(4ml、20%濃度)中にゆ
っくり導入した。相の分離の後、有機相を硫酸ナトリウ
ム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。比較実施例31 PTCなしの3−相条件 100mgの非−予備活性化pllを0.8mlのトル
エン、0.2mlのNaOH(4.2当量に相当する5
モル水溶液として使用)及び0.2mlのH22(30
%濃度水溶液として使用)の混合物中に懸濁させた。こ
の混合物を撹拌しながら室温で16時間反応させた。次
いで41mgの(E)−1−シクロプロピル−3−フェ
ニル−2−プロペン−1−オン及びさらに0.5mlの
22(30%濃度水溶液として使用、28.5当量の
加えられるH22の合計量に相当する)を加えた。5時
間の反応時間の後、反応混合物を1mlの酢酸エチルで
希釈し、次いで撹拌され氷冷されたNaHSO3水溶液
(4ml、20%濃度)中にゆっくり導入した。濾過の
後、濾液の有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下
で濃縮した。 【0097】実施例30及び比較実施例31の結果を下
記の表7に集める。 【0098】 【表7】 【0099】実施例群VIII: 実施例32及び比較実施例33 フェニルE−スチリルスルホン(11)の(12)への
エポキシ化 スキーム6: 【0100】 【化8】 【0101】実施例32 PTCを用いる3−相条件 100mgの非−予備活性化pll、59mgのフェニ
ルE−スチリルスルホン及び8.5mgの(Bu4N)+
Br-を0.8mlのトルエン及び200μlのNaO
H(4.2当量に相当する5モル水溶液として使用)の
混合物中に懸濁させた。次いで125μlのH22(5
当量に相当する30%濃度水溶液として使用)を加え
た。この混合物を室温で撹拌しながら反応させた。2時
間の反応時間の後、反応混合物を2mlの酢酸エチルで
希釈し、次いで遠心した。次いで上澄み液を2mlの水
中にゆっくり導入した。相の分離の後、有機相を硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。比較実施例33 PTCとしてAliquatR 33
6を用いる3−相条件(アクセシビリティq=1.3
8) 100mgの非−予備活性化pll、59mgのフェニ
ルE−スチリルスルホン及び11mgのAliquat
R 336を0.8mlのトルエン及び200μlのN
aOH(4.2当量に相当する5モル水溶液として使
用)の混合物中に懸濁させた。次いで125μlのH2
2(5当量に相当する30%濃度水溶液として使用)
を加えた。この混合物を室温で撹拌しながら反応させ
た。2時間の反応時間の後、反応混合物を2mlの酢酸
エチルで希釈し、次いで遠心した。次いで上澄み液を2
mlの水中にゆっくり導入した。相の分離の後、有機相
を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。 【0102】実施例32及び比較実施例33の結果を下
記の表8に集める。 【0103】 【表8】【0104】本発明の特徴及び態様を示せば以下のとお
りである。 1.(1)水溶性塩基、(2)酸化剤、(3)触媒とし
てのジアステレオマー−及びエナンチオマー−濃縮され
た(enriched)ホモ−ポリアミノ酸、(4)水及び(5)
水と非混和性であるか又は限られた混和性しか有してい
ない有機溶媒の存在下におけるα,β−不飽和エノン又
はα,β−不飽和スルホンのエポキシ化法であって、さ
らに(6)式(I) (R1234A)+- (I) の相間移動触媒が存在し、式中、AはN又はPであり、
-は無機もしくは有機アニオンであり、R1、R2、R3
及びR4は同一もしくは異なり、アルキル、アリール、
アラルキル、シクロアルキル又はヘテロアリール基であ
り、それらは1個もしくはそれより多い同一もしくは異
なるハロゲン基により置換されていることができるか、
あるいはまた、2個の基がそれぞれの場合にAを含むC
4−C6−シクロアルキル環を形成することができ、ここ
で (i)基R1、R2、R3及びR4中に存在する炭素原子と
複素原子の合計は少なくとも13であり、(ii)相間
移動触媒のアクセシビリティ(accessibility)qは0.
6〜1.3の範囲内にあり、ここでqは次式: 【0105】 【数3】 【0106】から導かれることを特徴とする方法。 2.そのアクセシビリティqが0.7〜1.3の範囲
内、好ましくは0.8〜1.2の範囲内にある相間移動
触媒を用いることを特徴とする上記1に従う方法。 3.一般式(I)中のXがF-、Cl-、Br-、I-、O
-、NO3 -、HSO4 -、SO4 -、CH3COO-、CF3
COO-、C25COO-、C37COO-、CF 3SO3 -
又はC49SO3 -であることを特徴とする上記1又は2
に従う方法。 4.R1、R2、R3及びR4が同一もしくは異なり、C1
−C18−アルキル、C6−C18−アリール、C7−C19
アラルキル、C5−C7−シクロアルキル又はC3−C18
−ヘテロアリールである一般式(I)の相間移動触媒を
用いることを特徴とする上記1〜3の1つもしくはそれ
より多くに従う方法。 5.((C494N)+Hal-、好ましくは((C4
94N)+Br-、((C 494P)+Hal-、好まし
くは((C494P)+Br-又は((C494N)+
HSO4 -を相間移動触媒として用いることを特徴とする
上記1に従う方法。 6.相間移動触媒を、それぞれ用いられるα,β−不飽
和エノン又はα,β−不飽和スルホンに基づいて、0.
1〜20モル%の範囲内、好ましくは0.5〜15モル
%の範囲内、特に好ましくは0.5〜11モル%の範囲
内の量で用いることを特徴とする上記1〜5の1つもし
くはそれより多くに従う方法。 7.α,β−不飽和エノン又はα,β−不飽和スルホン
として用いられる化合物が一般式(II) 【0107】 【化9】 【0108】[式中、Xは(C=O)又は(SO2)で
あり、R5及びR6は同一もしくは異なり、(C1
18)−アルキル、(C2−C18)−アルケニル、(C2
−C18)−アルキニル、(C3−C8)−シクロアルキ
ル、(C6−C18)−アリール、(C7−C19)−アラル
キル、(C1−C18)−ヘテロアリール又は(C2
19)−ヘテロアラルキルであり、ここでR5及びR6
関して挙げた基は同一もしくは異なる基R7、ハロゲ
ン、NO2、NR78、PO0-378、SO0-37、O
7、CO27、CONHR7又はCOR7により1回も
しくは1回より多く置換されていることができ且つ基R
5及びR6中の1個もしくはそれより多いCH2基は場合
によりO、SO0-2、NR7又はPO0-27により置き換
えられていることができ、ここでR7及びR8は同一もし
くは異なり、H、(C1−C18)−アルキル、(C2−C
18)−アルケニル、(C2−C18)−アルキニル、(C3
−C8)−シクロアルキル、(C6−C18)−アリール、
(C1−C18)−ヘテロアリール、(C 1−C8)−アル
キル−(C6−C8)−アリール、(C1−C8)−アルキ
ル−(C 1−C18)−ヘテロアリール、(C1−C8)−
アルキル−(C3−C8)−シクロアルキルであり、これ
らの基R7及びR8は同一もしくは異なるハロゲン基によ
り1回もしくは1回より多く置換されていることができ
る]を有することを特徴とする請求項1〜6の1つもし
くはそれより多くに従う方法。 8.α,β−不飽和エノン又はα,β−不飽和スルホン
として用いられる化合物が一般式(II)を有し、ここ
でR5及びR6は同一もしくは異なり、(C1−C1 2)−
アルキル、(C2−C12)−アルケニル、(C2−C12
−アルキニル、(C5−C8)−シクロアルキル、(C6
−C12)−アリール又は(C1−C12)−ヘテロアリー
ルであり、ここで上記の基は同一もしくは異なる基
7、ハロゲン、NO2、NR78、PO0-378又は
OR7により1回もしくは1回より多く置換されている
ことができ、R7及びR8は一般式(II)に関して上記
で示した意味を有することを特徴とする上記1〜7の1
つもしくはそれより多くに従う方法。 9.本発明に従う方法で用いられる基質が一般式(I
I)のα,β−不飽和エノン又はα,β−不飽和スルホ
ンであり、ここでR5及びR6は同一もしくは異なり、
(C1−C12)−アルキル、(C2−C12)−アルケニ
ル、(C2−C12)−アルキニル、(C5−C8)−シク
ロアルキル、(C6−C12)−アリール又は(C1
12)−ヘテロアリールであり、ここで上記の基は同一
もしくは異なる基R7、ハロゲン、NO2、NR78、P
0-378又はOR7により1回もしくは1回より多く
置換されていることができ、R7及びR8は一般式(I
I)に関して上記で示した意味を有し、但し基R5又は
6の少なくとも1個は(C2−C12)−アルケニル、
(C2−C12)−アルキニル、(C6−C12)−アリール
−又は(C 1−C12)−ヘテロアリール基であることを
特徴とする上記1〜8の1つもしくはそれより多くに従
う方法。 10.本発明に従う方法で用いられる基質が一般式(I
II) 【0109】 【化10】 【0110】[式中、n及びmは同一もしくは異なり、
0、1、2又は3の数であり、R9及びR10は同一もし
くは異なり、NR78、NO2、OR7、(C1−C12
−アルキル、(C2−C12)−アルケニル、(C2
12)−アルキニル、(C5−C8)−シクロアルキル、
(C6−C12)−アリール又は(C1−C12)−ヘテロア
リールであり、ここでこれらの基R9及びR10は同一も
しくは異なるハロゲン基により1回もしくは1回より多
く置換されていることができ、R7及びR8は式(II)
に関して前に挙げた意味を有する]の化合物であること
を特徴とする上記1〜9の1つもしくはそれより多くに
従う方法。 11.用いられるジアステレオマー−及びエナンチオマ
ー−濃縮されたホモ−ポリアミノ酸がポリネオペンチル
グリシン、ポリロイシン、ポリイソロイシン、ポリバリ
ン、ポリアラニン及びポリフェニルアラニンの群からの
ものであることを特徴とする上記1〜10の1つもしく
はそれより多くに従う方法。 12.ポリアミノ酸の鎖長が5〜100個のアミノ酸繰
り返し単位の範囲内、好ましくは7〜50個のアミノ酸
繰り返し単位の範囲内、特に10〜40個のアミノ酸繰
り返し単位の範囲内であることを特徴とする上記1〜1
1の1つもしくはそれより多くに従う方法。 13.ホモ−ポリアミノ酸がエポキシ化の触媒としての
それらの使用の前に、中間の単離を伴う別の予備活性化
に供されておらず且つ無機担体に適用されていないこと
を特徴とする上記1〜12の1つもしくはそれより多く
に従う方法。 14.ホモ−ポリアミノ酸を、それぞれ用いられるα,
β−不飽和エノン又はα,β−不飽和スルホンに基づい
て、0.0001〜40モル%の範囲内、好ましくは
0.001〜20モル%の範囲内、特に好ましくは0.
01〜15モル%の範囲内、特別には1〜15モル%の
範囲内で用いることを特徴とする上記1〜13の1つも
しくはそれより多くに従う方法。 15.過酸化物、過酸又は無機酸化剤、例えば次亜塩素
酸ナトリウム又は過炭酸ナトリウムを酸化剤として用い
ることを特徴とする上記1〜14の1つもしくはそれよ
り多くに従う方法。 16.H22水溶液を酸化剤として用いることを特徴と
する上記1〜15の1つもしくはそれより多くに従う方
法。 17.酸化剤を1〜40当量、好ましくは1〜10当
量、特に好ましくは1〜3当量、特に1.1〜2.5当
量の量で用いることを特徴とする上記1〜16の1つも
しくはそれより多くに従う方法。 18.アルカリ金属水酸化物、好ましくはNaOH、K
OH又はLiOHを水溶性塩基として用いることを特徴
とする上記1〜17の1つもしくはそれより多くに従う
方法。 19.塩基を0.1〜10当量、好ましくは0.5〜5
当量、特に好ましくは0.8〜2当量の量で用いること
を特徴とする上記1〜18の1つもしくはそれより多く
に従う方法。 20.非置換もしくは置換芳香族炭化水素、好ましくは
トルエン又はキシレン、脂肪族炭化水素、好ましくはヘ
キサン、ハロアルカン類、好ましくはクロロホルム又は
塩化メチレンあるいはエーテル類、好ましくはtert
−ブチルメチルエーテル及びジエチルエーテルを有機溶
媒として用いることを特徴とする上記1〜19の1つも
しくはそれより多くに従う方法。 21.反応温度が−10〜+50℃の範囲内、好ましく
は0〜+40℃の範囲内、特に+10〜+30℃である
ことを特徴とする上記1〜20の1つもしくはそれより
多くに従う方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07M 7:00 C07M 7:00 (72)発明者 クリスタ・マリア・クリユガー ドイツ48149ミユンスター・シエツピンゲ ンベーク60 (72)発明者 ハンス−クリステイアン・ミリツアー ドイツ51519オーデンタール・バルトベー ク2 Fターム(参考) 4C048 AA01 BB15 CC01 XX02 4C063 AA01 BB01 CC71 DD12 EE05 4H006 AA02 AC81 BA65 BB11 BB12 BB15 BC10 BC31 BC34 BE32 BE36 4H039 CA63 CC40

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (1)水溶性塩基、 (2)酸化剤、 (3)触媒としてのジアステレオマー−及びエナンチオ
    マー−濃縮されたホモ−ポリアミノ酸、 (4)水及び (5)水と非混和性であるか又は限られた混和性しか有
    していない有機溶媒の存在下におけるα,β−不飽和エ
    ノン又はα,β−不飽和スルホンのエポキシ化法であっ
    て、さらに (6)式(I) (R1234A)+- (I) の相間移動触媒が存在し、式中、AはN又はPであり、
    -は無機もしくは有機アニオンであり、R1、R2、R3
    及びR4は同一もしくは異なり、アルキル、アリール、
    アラルキル、シクロアルキル又はヘテロアリール基であ
    り、それらは1個もしくはそれより多い同一もしくは異
    なるハロゲン基により置換されていることができるか、
    あるいはまた、2個の基がそれぞれの場合にAを含むC
    4−C6−シクロアルキル環を形成することができ、 ここで (i)基R1、R2、R3及びR4中に存在する炭素原子と
    複素原子の合計は少なくとも13であり、 (ii)相間移動触媒のアクセシビリティqは0.6〜
    1.3の範囲内にあり、ここでqは次式: 【数1】 から導かれることを特徴とする方法。
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