JP2003119064A - 無機質ボード - Google Patents
無機質ボードInfo
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- inorganic
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B28/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
- C04B28/02—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/00241—Physical properties of the materials not provided for elsewhere in C04B2111/00
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/40—Porous or lightweight materials
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/91—Use of waste materials as fillers for mortars or concrete
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- Organic Chemistry (AREA)
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- Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート
(ALC)廃材を有効利用し、高機能の調湿建材を提供
する。 【解決手段】 ALC廃材を微粉砕し、その微粉砕され
たALC微粉末に無機質水硬性結合材を混合分散させた
後、加圧成形し、該成形体をオートクレーブ養生するこ
とにより得られる無機質ボード。 【効果】 ALC建築物解体廃材等の有効利用により調
湿性の優れた無機質ボードを供給できる。
(ALC)廃材を有効利用し、高機能の調湿建材を提供
する。 【解決手段】 ALC廃材を微粉砕し、その微粉砕され
たALC微粉末に無機質水硬性結合材を混合分散させた
後、加圧成形し、該成形体をオートクレーブ養生するこ
とにより得られる無機質ボード。 【効果】 ALC建築物解体廃材等の有効利用により調
湿性の優れた無機質ボードを供給できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オートクレーブ養
生軽量気泡コンクリート(以下、ALCと称す)廃材を
再利用した無機質ボードに関する。特に、ALC建築物
解体現場等から発生するALC廃材から、塗料、シーリ
ング材、補強鉄筋を取り除いたALC建築物解体廃材を
主原料として再利用した無機質ボードに関する。
生軽量気泡コンクリート(以下、ALCと称す)廃材を
再利用した無機質ボードに関する。特に、ALC建築物
解体現場等から発生するALC廃材から、塗料、シーリ
ング材、補強鉄筋を取り除いたALC建築物解体廃材を
主原料として再利用した無機質ボードに関する。
【0002】
【従来の技術】建築廃材の廃棄処分方法は、社会問題と
なっており、環境問題としても近年注目されつつある。
特に、ALC建築物の修理や撤去等によって生ずるAL
C建築物解体廃材は、かさ比重が小さいため、埋め立て
処分をする際にも、より多くの用地を必要とし、圧縮処
理、あるいは、粉砕処理をしてから埋め立て処分をする
ことが行われている。
なっており、環境問題としても近年注目されつつある。
特に、ALC建築物の修理や撤去等によって生ずるAL
C建築物解体廃材は、かさ比重が小さいため、埋め立て
処分をする際にも、より多くの用地を必要とし、圧縮処
理、あるいは、粉砕処理をしてから埋め立て処分をする
ことが行われている。
【0003】しかしながら埋め立て処分は環境に対する
負荷が大きく、将来的な用地の確保も困難である。さら
に、日本国内においてALC建築物が販売され始めて3
0年以上経過しており、都市再開発、あるいは住み替え
などの理由による、ビル、住宅等のALC建築物の解体
工事が増加してきている。それに伴い、今後、ALC建
築物解体廃材の排出量が、飛躍的に増加することが予想
され、従来の埋め立て処分にかわる処理方法が求められ
ている。
負荷が大きく、将来的な用地の確保も困難である。さら
に、日本国内においてALC建築物が販売され始めて3
0年以上経過しており、都市再開発、あるいは住み替え
などの理由による、ビル、住宅等のALC建築物の解体
工事が増加してきている。それに伴い、今後、ALC建
築物解体廃材の排出量が、飛躍的に増加することが予想
され、従来の埋め立て処分にかわる処理方法が求められ
ている。
【0004】以上の理由から、ALC建築物解体廃材を
埋め立て処分とすることなく、原料のひとつとして新規
建材に有効利用することは非常に重要な課題となってい
る。また、近年の建築物においては、高気密・高断熱化
が進められているが、そこで用いられている建材には、
吸放湿性、防露性などの調湿特性が十分でないために、
湿度変化に伴い次のような弊害が発生している。 1)湿度上昇による湿気により、カビ、ダニが発生し、
人体へ悪影響を与える。
埋め立て処分とすることなく、原料のひとつとして新規
建材に有効利用することは非常に重要な課題となってい
る。また、近年の建築物においては、高気密・高断熱化
が進められているが、そこで用いられている建材には、
吸放湿性、防露性などの調湿特性が十分でないために、
湿度変化に伴い次のような弊害が発生している。 1)湿度上昇による湿気により、カビ、ダニが発生し、
人体へ悪影響を与える。
【0005】2)湿度低下による乾燥により、ウイルス
の発生や粘膜損傷を起こし、居住者へ健康被害を与え
る。 これらの問題を解決するためには、建材自体に吸放湿性
能を持たせた調湿建材が開発されており、例えば、ゼオ
ライト系建材(特開平3−93662号公報)やALC
の粉末を利用した床下調湿材(特開平6−99063号
公報)などが挙げられる。
の発生や粘膜損傷を起こし、居住者へ健康被害を与え
る。 これらの問題を解決するためには、建材自体に吸放湿性
能を持たせた調湿建材が開発されており、例えば、ゼオ
ライト系建材(特開平3−93662号公報)やALC
の粉末を利用した床下調湿材(特開平6−99063号
公報)などが挙げられる。
【0006】しかしながら、ゼオライトは吸湿しやすく
放湿しにくいため、上記湿度変化に対する問題を解決で
きる調湿建材であるとは言い難い。なんとなれば、調湿
建材には、生活空間における大きな湿度変化に追従する
ために、大きな吸放湿速度を有することが、その機能上
重要なためである。また、ALCを利用した床下調湿剤
においては、ALCの吸放湿能力が充分ではないため
に、これも上記問題を解決した調湿建材であるとは言え
なかった。
放湿しにくいため、上記湿度変化に対する問題を解決で
きる調湿建材であるとは言い難い。なんとなれば、調湿
建材には、生活空間における大きな湿度変化に追従する
ために、大きな吸放湿速度を有することが、その機能上
重要なためである。また、ALCを利用した床下調湿剤
においては、ALCの吸放湿能力が充分ではないため
に、これも上記問題を解決した調湿建材であるとは言え
なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ALC廃材
を利用し、調湿機能の優れた無機質ボードを提供するこ
とを課題とする。
を利用し、調湿機能の優れた無機質ボードを提供するこ
とを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明者は鋭意検討した結果、ALC建築物解体
廃材と水硬性材料をオートクレーブ養生して得られる無
機質ボードは、大きな調湿性能を有し、調湿建材として
非常に有効であることを見出し本発明に至った。すなわ
ち、本発明は、下記の通り。
めに、本発明者は鋭意検討した結果、ALC建築物解体
廃材と水硬性材料をオートクレーブ養生して得られる無
機質ボードは、大きな調湿性能を有し、調湿建材として
非常に有効であることを見出し本発明に至った。すなわ
ち、本発明は、下記の通り。
【0009】(1)主原料であるオートクレーブ養生軽
量気泡コンクリート微粉末と副原料である無機質水硬性
結合材粉末とを混合しプレス成形した後、オートクレー
ブ養生することによって得られる無機質ボードにおい
て、オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート微粉末が
オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート廃材を微粉砕
したものであることを特徴とする無機質ボード。 (2)プレス成型が、真空脱水プレス成型であることを
特徴とする(1)記載の無機質ボード。 (3)オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート微粉末
の体積平均粒子径が、5〜200μmであることを特徴
とする(1)または(2)に記載の無機質ボード。 (4)オートクレーブ養生軽量気泡コンクリートが、築
15年以上の建築物から得られる建築物解体廃材である
ことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の無
機質ボード
量気泡コンクリート微粉末と副原料である無機質水硬性
結合材粉末とを混合しプレス成形した後、オートクレー
ブ養生することによって得られる無機質ボードにおい
て、オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート微粉末が
オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート廃材を微粉砕
したものであることを特徴とする無機質ボード。 (2)プレス成型が、真空脱水プレス成型であることを
特徴とする(1)記載の無機質ボード。 (3)オートクレーブ養生軽量気泡コンクリート微粉末
の体積平均粒子径が、5〜200μmであることを特徴
とする(1)または(2)に記載の無機質ボード。 (4)オートクレーブ養生軽量気泡コンクリートが、築
15年以上の建築物から得られる建築物解体廃材である
ことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の無
機質ボード
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。まず、無機質粉体材料を構成する各種配合成分
について説明する。主原料であるALC微粉末とは、A
LC建築物解体現場等から発生するALC建築物解体廃
材から、塗料、シーリング材、補強鉄筋、補強鉄筋防錆
材などをできるだけ取り除き、微粉砕したものである。
明する。まず、無機質粉体材料を構成する各種配合成分
について説明する。主原料であるALC微粉末とは、A
LC建築物解体現場等から発生するALC建築物解体廃
材から、塗料、シーリング材、補強鉄筋、補強鉄筋防錆
材などをできるだけ取り除き、微粉砕したものである。
【0011】本発明に使用するALC微粉末の粒子径は
小さいことが望まれるが、体積平均粒子径が5μm未満
に粉砕することはコスト的に不利であり、プレスに過大
な圧力を要する。さらに密度が上がることで気体透過性
が低下し、単位時間あたりの吸放湿量、つまり吸放湿速
度が小さくなりやすい。また体積平均粒子径が200μ
mを越えるとプレス直後の成形体の強度が低下し、成型
性を損ね、同時に単位体積あたりのALC微粉末の量が
減るために吸放湿速度が低下しやすい。
小さいことが望まれるが、体積平均粒子径が5μm未満
に粉砕することはコスト的に不利であり、プレスに過大
な圧力を要する。さらに密度が上がることで気体透過性
が低下し、単位時間あたりの吸放湿量、つまり吸放湿速
度が小さくなりやすい。また体積平均粒子径が200μ
mを越えるとプレス直後の成形体の強度が低下し、成型
性を損ね、同時に単位体積あたりのALC微粉末の量が
減るために吸放湿速度が低下しやすい。
【0012】したがって、吸放湿速度の大きい調湿建材
を効率よく製造するためには、体積平均粒子径(50%
径)が5〜200μmであることが望ましく、軽量かつ高
強度で吸放湿速度の大きい調湿建材を得るためには、1
0〜150μmであることがより好ましい。さらに、本
発明に使用するALC廃材は、ALCの廃材であれば、
特に限定されるものではないが、経年1年以上が好まし
く、10年以上がより好ましい。さらに、築15年以上
の建築物からの解体廃材を使用すると、無機質ボードの
調湿性能、特に中湿度域(相対湿度50〜75%)にお
ける吸放湿速度が向上するので経年15年以上が最も好
ましい。
を効率よく製造するためには、体積平均粒子径(50%
径)が5〜200μmであることが望ましく、軽量かつ高
強度で吸放湿速度の大きい調湿建材を得るためには、1
0〜150μmであることがより好ましい。さらに、本
発明に使用するALC廃材は、ALCの廃材であれば、
特に限定されるものではないが、経年1年以上が好まし
く、10年以上がより好ましい。さらに、築15年以上
の建築物からの解体廃材を使用すると、無機質ボードの
調湿性能、特に中湿度域(相対湿度50〜75%)にお
ける吸放湿速度が向上するので経年15年以上が最も好
ましい。
【0013】副原料である無機質水硬性結合材として
は、水と反応し硬化する材料であれば特に限定されるも
のではなく、普通ポルトランドセメント、高炉セメン
ト、早強セメント、中庸熱セメント、ジェットセメン
ト、アルミナセメント等の水硬性結合材を用いることが
出来る。さらに、調湿性能を阻害しない範囲で、ALC
微粉末以外の珪酸質原料、補強繊維材を混入させること
が可能である。
は、水と反応し硬化する材料であれば特に限定されるも
のではなく、普通ポルトランドセメント、高炉セメン
ト、早強セメント、中庸熱セメント、ジェットセメン
ト、アルミナセメント等の水硬性結合材を用いることが
出来る。さらに、調湿性能を阻害しない範囲で、ALC
微粉末以外の珪酸質原料、補強繊維材を混入させること
が可能である。
【0014】珪酸質原料としては、反応性のよいシリカ
ヒューム、微粉砕された珪石、微粉砕したフライアッシ
ュなどである。また、補強繊維材としては、例えば一般
的に用いられるビニロン、ナイロン、パルプ等の有機繊
維、アスベスト、カーボンファイバー等の無機繊維、ス
テンレスファーバー等の金属繊維などを用いることがで
き、養生方法にオートクレーブ養生を採用する場合は、
オートクレーブ養生に耐久性のある無機質繊維、金属繊
維、耐熱性有機繊維を用いることが望ましい。
ヒューム、微粉砕された珪石、微粉砕したフライアッシ
ュなどである。また、補強繊維材としては、例えば一般
的に用いられるビニロン、ナイロン、パルプ等の有機繊
維、アスベスト、カーボンファイバー等の無機繊維、ス
テンレスファーバー等の金属繊維などを用いることがで
き、養生方法にオートクレーブ養生を採用する場合は、
オートクレーブ養生に耐久性のある無機質繊維、金属繊
維、耐熱性有機繊維を用いることが望ましい。
【0015】また、必要であれば、ラス網、鉄筋マット
等の補強鉄筋も使用できる。無機質粉体に補強繊維を添
加した場合には、無機質ボードに破壊強度を上回る曲げ
モーメントが生じ、曲げ亀裂が発生した場合でも直ちに
破損に至らず、安全性が格段に増加する。以上の原材料
を混合、分散させて得られる無機質粉体材料をプレス成
型した後、オートクレーブ養生し、本発明の無機質ボー
ドを得ることができる。高温高圧のオートクレーブ養生
を行うことにより、高強度のボードが得られ、かつ、中
・高湿度域(相対湿度40〜90%)における吸放湿速
度が向上する。
等の補強鉄筋も使用できる。無機質粉体に補強繊維を添
加した場合には、無機質ボードに破壊強度を上回る曲げ
モーメントが生じ、曲げ亀裂が発生した場合でも直ちに
破損に至らず、安全性が格段に増加する。以上の原材料
を混合、分散させて得られる無機質粉体材料をプレス成
型した後、オートクレーブ養生し、本発明の無機質ボー
ドを得ることができる。高温高圧のオートクレーブ養生
を行うことにより、高強度のボードが得られ、かつ、中
・高湿度域(相対湿度40〜90%)における吸放湿速
度が向上する。
【0016】プレスの方式としては、養生後の無機質ボ
ードの特性に悪影響を与えなければ特に限定されるもの
ではなく、例えば一般に行われている成型プレス、抄造
脱水プレス、乾式プレス、真空脱水プレスなどの方法が
ある。特に、吸放湿速度を向上させるための薄化と、実
形状の小口のような立体形状を得るために、片面より押
し付け型で押圧しながらもう一方の片面より減圧して水
を抜く真空脱水プレス成型がより好ましい。
ードの特性に悪影響を与えなければ特に限定されるもの
ではなく、例えば一般に行われている成型プレス、抄造
脱水プレス、乾式プレス、真空脱水プレスなどの方法が
ある。特に、吸放湿速度を向上させるための薄化と、実
形状の小口のような立体形状を得るために、片面より押
し付け型で押圧しながらもう一方の片面より減圧して水
を抜く真空脱水プレス成型がより好ましい。
【0017】ALC建築物解体廃材の有効利用技術とは
異なるが、セメント板廃材を微粉砕し高圧プレスをした
のち、オートクレーブ養生をすることによってセメント
板を得る手法が考案されている(特開平09-1931
17)。この技術では、硬化反応を促進させるためにセ
メント板廃材を微粉砕するが、セメント板廃材は硬度が
著しく高く、さらに通常補強繊維が含まれているため、
微粉砕は困難である。このため篩い分けによる粗粉およ
び繊維の除去が必要である。それ故、セメント板廃材を
用いたセメント板を製造する時の製造コストが高くなっ
てしまうという欠点がある。ALC廃材の場合、補強繊
維がなく、微粉砕が容易であり、篩い分けの必要がない
ので安価に無機質ボードを製造できる。
異なるが、セメント板廃材を微粉砕し高圧プレスをした
のち、オートクレーブ養生をすることによってセメント
板を得る手法が考案されている(特開平09-1931
17)。この技術では、硬化反応を促進させるためにセ
メント板廃材を微粉砕するが、セメント板廃材は硬度が
著しく高く、さらに通常補強繊維が含まれているため、
微粉砕は困難である。このため篩い分けによる粗粉およ
び繊維の除去が必要である。それ故、セメント板廃材を
用いたセメント板を製造する時の製造コストが高くなっ
てしまうという欠点がある。ALC廃材の場合、補強繊
維がなく、微粉砕が容易であり、篩い分けの必要がない
ので安価に無機質ボードを製造できる。
【0018】また、セメント板廃材を用いたセメント板
は、表面がセメント色(灰色)になり、顔料を用いた着
色が困難である。また、プレスにより無機質ボードを製
造した場合、そのセメント板はALC微粉末で作成した
無機質ボードと比較すると非常に高比重になり、比重に
対する曲げ強度が低くなるという欠点がある。したがっ
て、比重を低下させるためにはパルプのような有機質の
軽量化材が多量に必要となり、無機質材料という特質が
失われるという欠点がある。
は、表面がセメント色(灰色)になり、顔料を用いた着
色が困難である。また、プレスにより無機質ボードを製
造した場合、そのセメント板はALC微粉末で作成した
無機質ボードと比較すると非常に高比重になり、比重に
対する曲げ強度が低くなるという欠点がある。したがっ
て、比重を低下させるためにはパルプのような有機質の
軽量化材が多量に必要となり、無機質材料という特質が
失われるという欠点がある。
【0019】本発明では見掛け比重の低いALCの微粉
末が容易に得られることにより、セメント板より低比重
な無機質ボードを得ることができるため、パルプなどの
軽量化材を必要とせず、比重が低い割に強度が強い無機
質ボードを低コストで提供できるものである。また本発
明ではALC微粉末を主原料とするため、寸法安定性が
良く、耐久性が優れた無機質ボードが得られ、上記のセ
メント板廃材を利用したものとは本質的に異なるもので
ある。
末が容易に得られることにより、セメント板より低比重
な無機質ボードを得ることができるため、パルプなどの
軽量化材を必要とせず、比重が低い割に強度が強い無機
質ボードを低コストで提供できるものである。また本発
明ではALC微粉末を主原料とするため、寸法安定性が
良く、耐久性が優れた無機質ボードが得られ、上記のセ
メント板廃材を利用したものとは本質的に異なるもので
ある。
【0020】さらに、以前よりALC自体に調湿性があ
ることがわかっており、ALCの粉末を利用した床下調
湿材(特開平6−99063)などがあった。しかしな
がら、その調湿性能は充分でなく、広く実用化はされて
いないのが現状である。そこで、本発明者は、鋭意検討
した結果、ALC廃材を利用した本発明の無機質ボード
において、飛躍的にその調湿性が向上し、特に経年数1
5年以上のALC廃材を用いた場合には、中湿度域(相
対湿度50〜75%)における吸放湿速度が向上するこ
とを見出した。
ることがわかっており、ALCの粉末を利用した床下調
湿材(特開平6−99063)などがあった。しかしな
がら、その調湿性能は充分でなく、広く実用化はされて
いないのが現状である。そこで、本発明者は、鋭意検討
した結果、ALC廃材を利用した本発明の無機質ボード
において、飛躍的にその調湿性が向上し、特に経年数1
5年以上のALC廃材を用いた場合には、中湿度域(相
対湿度50〜75%)における吸放湿速度が向上するこ
とを見出した。
【0021】すなわち図1に示した、後述する本発明の
実施例3、5の無機質ボード、およびALCの25℃に
おける水蒸気吸着等温線より明らかなように、本発明の
調湿建材においては、10〜90%の全湿度域にわたっ
て、ALCよりも多くの吸着量を有し、さらには、湿度
変化に対する吸着量の変化もALCより大きい。この結
果から、本発明の無機質ボードは、従来のALCを原料
とした調湿材とはことなるものであることがわかる。
実施例3、5の無機質ボード、およびALCの25℃に
おける水蒸気吸着等温線より明らかなように、本発明の
調湿建材においては、10〜90%の全湿度域にわたっ
て、ALCよりも多くの吸着量を有し、さらには、湿度
変化に対する吸着量の変化もALCより大きい。この結
果から、本発明の無機質ボードは、従来のALCを原料
とした調湿材とはことなるものであることがわかる。
【0022】また、築10年のALC建築物解体廃材か
ら得た実施例5と比較すると、30〜90%の湿度域に
わたって、実施例3において多くの吸着量を示してお
り、さらに、湿度変化に対する吸着量の変化も大きい。
この傾向は、快適な住環境を与える相対湿度40〜70
%において、特に顕著である。この水蒸気吸着量と調湿
性には密接な相関関係があり、水蒸気吸着量が多いほど
優れた調湿建材であるといえる。
ら得た実施例5と比較すると、30〜90%の湿度域に
わたって、実施例3において多くの吸着量を示してお
り、さらに、湿度変化に対する吸着量の変化も大きい。
この傾向は、快適な住環境を与える相対湿度40〜70
%において、特に顕著である。この水蒸気吸着量と調湿
性には密接な相関関係があり、水蒸気吸着量が多いほど
優れた調湿建材であるといえる。
【0023】以下、実施例により本発明の詳細について
説明する。
説明する。
【0024】
【実施例1〜5】ALC微粉末は、ALC建築現場から
発生するALC解体物解体廃材から、塗料、シーリング
材を取り除いた後、ジョウクラッシャーで粗粉砕し、補
強鉄筋を取り除いた後、高速回転のハンマーミルで微粉
砕することにより容易に得られた。解体時の築年数は、
表1に示す通りであった。ALC微粉末を用いて表1に
示す組成の無機質粉体材料を調整、プレス成型をおこな
ったうえ、オートクレーブ養生をおこなった。水硬性結
合材としては、普通ポルトランドセメント(OPC)を
使用した。
発生するALC解体物解体廃材から、塗料、シーリング
材を取り除いた後、ジョウクラッシャーで粗粉砕し、補
強鉄筋を取り除いた後、高速回転のハンマーミルで微粉
砕することにより容易に得られた。解体時の築年数は、
表1に示す通りであった。ALC微粉末を用いて表1に
示す組成の無機質粉体材料を調整、プレス成型をおこな
ったうえ、オートクレーブ養生をおこなった。水硬性結
合材としては、普通ポルトランドセメント(OPC)を
使用した。
【0025】
【比較例1〜2】ALC製造工場におけるALC切削工
程から発生するALC端材を実施例と同様に微粉砕し、
表1に示す組成、プレス条件、養生条件により無機質ボ
ードを得た。粉末の粒度分布の測定は、レーザー式粒度
分布測定器「マイクロトラック9320HRA」で行
い、体積平均粒子径として50%径を採用した。強度試
験は、供試体寸法を2cm×4cm×16cmとし、2
0℃相対湿度60%で乾燥し、約10%の含水状態とし
て、2等分点1線裁荷の曲げ試験を行った。
程から発生するALC端材を実施例と同様に微粉砕し、
表1に示す組成、プレス条件、養生条件により無機質ボ
ードを得た。粉末の粒度分布の測定は、レーザー式粒度
分布測定器「マイクロトラック9320HRA」で行
い、体積平均粒子径として50%径を採用した。強度試
験は、供試体寸法を2cm×4cm×16cmとし、2
0℃相対湿度60%で乾燥し、約10%の含水状態とし
て、2等分点1線裁荷の曲げ試験を行った。
【0026】
【表1】
【0027】調湿性は以下のように測定した。200×
200×7mmの寸法にサンプルを切り出し、200×
200mmの1面以外の5面をアルミニウムテープでシ
ールする。この試験体を23℃、相対湿度53%の恒温
恒湿槽に入れて、恒量となるまで放置する。恒量後、雰
囲気湿度を75%に変え、24時間保持、その後、再び
相対湿度53%で24時間保持する。その間、経時的に
秤量し吸放水量を測定し、単位面積あたりの吸放湿量と
する。実施例1と比較例1の結果を図2、表2に示す。
200×7mmの寸法にサンプルを切り出し、200×
200mmの1面以外の5面をアルミニウムテープでシ
ールする。この試験体を23℃、相対湿度53%の恒温
恒湿槽に入れて、恒量となるまで放置する。恒量後、雰
囲気湿度を75%に変え、24時間保持、その後、再び
相対湿度53%で24時間保持する。その間、経時的に
秤量し吸放水量を測定し、単位面積あたりの吸放湿量と
する。実施例1と比較例1の結果を図2、表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】図2、表2から、明らかなように本発明の
実施例1においては、相対湿度73%に変えた後、2、
4時間後の吸湿量が各々、26g/m2、30g/m2の
値を示し、比較例1の1.5倍の値となり、吸湿速度が
向上していることがわかる。なおかつ、73%24時間
後の吸湿量も、比較例1より多くなっている。さらに、
相対湿度53%における放湿状態においても、実施例1
は、比較例1よりも早く放湿していることがわかる。
実施例1においては、相対湿度73%に変えた後、2、
4時間後の吸湿量が各々、26g/m2、30g/m2の
値を示し、比較例1の1.5倍の値となり、吸湿速度が
向上していることがわかる。なおかつ、73%24時間
後の吸湿量も、比較例1より多くなっている。さらに、
相対湿度53%における放湿状態においても、実施例1
は、比較例1よりも早く放湿していることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明により、ALC廃材を主原料とし
て利用し、優れた調湿性を有する無機質ボードを提供で
き、ALC建築物解体廃材等の有効利用が出来る。特に
経年15年以上のALC廃材を原料とした場合は、中湿
度域において、良好な吸放湿性を有する調湿建材を得る
ことができ、居住者にとって快適で健康的な住環境を与
えることができる。
て利用し、優れた調湿性を有する無機質ボードを提供で
き、ALC建築物解体廃材等の有効利用が出来る。特に
経年15年以上のALC廃材を原料とした場合は、中湿
度域において、良好な吸放湿性を有する調湿建材を得る
ことができ、居住者にとって快適で健康的な住環境を与
えることができる。
【図1】実施例3、5およびALCの25℃における水
蒸気吸着等温線を示す線図である。
蒸気吸着等温線を示す線図である。
【図2】実施例1と比較例1の吸放湿曲線を示す線図で
ある。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 主原料であるオートクレーブ養生軽量気
泡コンクリート微粉末と副原料である無機質水硬性結合
材粉末とを混合しプレス成形した後、オートクレーブ養
生することによって得られる無機質ボードにおいて、オ
ートクレーブ養生軽量気泡コンクリート微粉末がオート
クレーブ養生軽量気泡コンクリート廃材を微粉砕したも
のであることを特徴とする無機質ボード。 - 【請求項2】 プレス成型が真空脱水プレス成型である
ことを特徴とする請求項1記載の無機質ボード。 - 【請求項3】 オートクレーブ養生軽量気泡コンクリー
ト微粉末の体積平均粒子径が、5〜200μmであるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の無機質ボー
ド。 - 【請求項4】 オートクレーブ養生軽量気泡コンクリー
トが、築15年以上の建築物から得られる建築物解体廃
材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載の無機質ボード
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001311683A JP2003119064A (ja) | 2001-10-09 | 2001-10-09 | 無機質ボード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001311683A JP2003119064A (ja) | 2001-10-09 | 2001-10-09 | 無機質ボード |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003119064A true JP2003119064A (ja) | 2003-04-23 |
Family
ID=19130461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001311683A Pending JP2003119064A (ja) | 2001-10-09 | 2001-10-09 | 無機質ボード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003119064A (ja) |
-
2001
- 2001-10-09 JP JP2001311683A patent/JP2003119064A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040914 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070508 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071009 |