JP2003119019A - セラミックス粉末 - Google Patents

セラミックス粉末

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JP2003119019A JP2001316539A JP2001316539A JP2003119019A JP 2003119019 A JP2003119019 A JP 2003119019A JP 2001316539 A JP2001316539 A JP 2001316539A JP 2001316539 A JP2001316539 A JP 2001316539A JP 2003119019 A JP2003119019 A JP 2003119019A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マトリックス材中における分散性と、製造時の
流動性との両立を図れるセラミックス粉末を提供する。 【解決手段】粒径が0.01〜10μmのセラミックス
1次粒子を造粒した2次粒子からなるセラミックス粉末
であって、前記2次粒子は、全体積率を100%とした
ときに前記セラミックス1次粒子の占める体積割合であ
る1次粒子占有体積率が50〜65%であることを特徴
とするセラミックス粉末。1次粒子占有体積率を所定範
囲内とすることにより、セラミックス1次粒子の分散性
と流動性とを両立させることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マトリックス材中
に分散、充填等されるセラミックス粉末に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】材料の多機能化等を図る観点から、種々
の複合材料が用いられる。例えば、樹脂の強度、剛性、
熱伝導性、耐熱性等の向上を目的に、マトリックス樹脂
中にセラミックス粒子を分散、充填させた樹脂複合材料
が用いられる。具体例を挙げると、半導体チップの封止
材として、エポキシ樹脂等に酸化ケイ素(シリカ)や炭
化ケイ素等のセラミックス粒子を分散、充填したものが
使用されている。セラミックス粒子を分散等させること
で、特に、封止材の放熱性(熱伝導性)、強度等を向上
させることができる。
【0003】ところで、このようなセラミックス分散材
として、球状の酸化物微粒子(セラミックス微粒子)が
用いられる。この酸化物微粒子は、例えば、VMC法
(Vapourized Metal Combuti
on Method)により製造される。この方法を簡
単に説明すると、酸素雰囲気内でバーナーにより化学炎
を形成し、この化学炎中に、目的とする酸化物微粒子の
原料粉末(金属粉末等)を粉塵雲が形成される程度に投
入する。そして、爆燃させ、溶融、飛散させることで酸
化物微粒子を得るものである。この方法で得られた酸化
物微粒子は、その形状がほぼ真球状であり、粒度分布も
シャープ(つまり、粒径がほぼ一定)である。そして、
この酸化物微粒子を樹脂フィラーとして使用すると、耐
摩耗性、寸法安定性、熱伝導性、耐熱性等、樹脂材料の
各種機能を向上させることができる。その酸化物微粒子
の一種である真球状シリカ微粒子は、実際に、前記半導
体チップの封止材用に使用されている。
【0004】VMC法で得られた酸化物微粒子は、ドラ
イ状態で生成されるため、表面吸着水、表面水酸基等が
少なく、粒子の凝集が生じ難い。従って、樹脂中に分散
させる観点からは非常に優れた粒子である。しかし、そ
の酸化物微粒子からなる微粉末は、飛散し易い。また、
嵩密度も大きいために、ホッパー等に投入すると内部で
ブリッジや圧縮固着を生じて排出困難となる。つまり、
その酸化物微粒子のままの粉末は、取扱い性が悪く、射
出成形等を効率的に行えない。そこで、その酸化物微粒
子を造粒して2次粒子を形成し、使用粉末の取扱い性を
向上させることが、例えば、特開昭62−96311〜
96313号公報に開示されている。それらの公報によ
ると、酸化物微粒子であるシリカ微粒子(1次粒子)を
水でスラリー化し、スプレードライヤー法で噴霧乾燥
し、造粒して、酸化物粒子の取扱い性を高めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、水を結合剤
として造粒を行うと、酸化物微粒子の表面で水酸基同士
が強く結合し、強固に凝集した2次粒子が生成されてし
まう。その結果、その2次粒子と樹脂とを混練しても、
その2次粒子は樹脂中で元の酸化物微粒子にまで分解し
難い。つまり、樹脂中における分散性が悪い。分散性が
悪いと、樹脂の強度低下やクラックの発生、表面粗度の
悪化等の支障を来し得る。上記公報に開示された造粒法
以外にも、転動造粒法や撹拌造粒法等もあるが、いずれ
も水を結合剤として用いており、同様にその分散性は低
い。
【0006】一方、結合剤として、有機溶媒、パラフィ
ンワックスなど非水系の結合剤を用いれば、2次粒子が
ポーラス状となって、上記分散性は解消され得る。しか
し、従来の2次粒子では、流動性が好ましくないから、
結局はセラミックス粉末の取扱い性を改善するには至っ
ていない。このように、セラミックス粉末を構成するセ
ラミックス1次粒子の分散性と流動性等の取扱い性とを
高次元に両立させ得る2次粒子は、これまでなかった。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであ
り、セラミックス1次粒子の分散性と流動性とを高次元
で両立させ得る造粒2次粒子からなるセラミクス粉末を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はこの
課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、
造粒した2次粒子中でのセラミックス1次粒子の体積割
合が所定範囲にあるときに、セラミックス1次粒子の分
散性と流動性とを高次元で両立させ得ることを究明し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明のセラミ
ックス粉末は、粒径が0.01〜10μmのセラミック
ス1次粒子を造粒した2次粒子からなるセラミックス粉
末であって、前記2次粒子は、全体積率を100%とし
たときに前記セラミックス1次粒子の占める体積割合で
ある1次粒子占有体積率が50〜65%であることを特
徴とする。
【0008】本発明のセラミックス粉末によると、セラ
ミックス1次粒子の分散性と流動性とを両立させること
ができたが、その理由は必ずしも定かではない。現状、
次のように考えられる。すなわち、1次粒子占有体積率
を50〜65%とすることにより、凝集しているセラミ
ックス1次粒子が適度に分解し易くなり、その流動性と
その分散性とが両立できたと考えられる。ここで、セラ
ミックス1次粒子を等大球であると仮定すると、最密充
填状態における占有体積率は74%程度となる。これ
は、前述した、水を結合剤として造粒した2次粒子の占
有体積率に近いものと思われる。
【0009】本発明に係る2次粒子は、このような最密
充填状態よりも、占有体積率が低く、セラミックス1次
粒子間に適度な隙間が存在している状態であるといえ
る。つまり、ある程度の隙間を残存した状態でセラミッ
クス1次粒子が凝集しているため、上記分散性や流動性
が確保されたと思われる。1次粒子占有体積率が50%
未満であると、2次粒子中に空隙部分が増え、流動性が
低下するため好ましくない。一方、それが65%を超え
ると、1次粒子の分散性が低下して好ましくない。これ
らの観点から、1次粒子占有体積率が55〜60%であ
るとより好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、実施形態を挙げ、本発明を
より詳しく説明する。 (1)セラミックス1次粒子 セラミックス1次粒子は、粒径が0.01〜10μmの
セラミックス微粒子からなる。前述したVMC法により
製造された微粒子に限らず、その他のアトマイズ法等で
製造された微粒子でも良い。また、アルミナ等の金属酸
化物微粒子に限らず、シリカ等の酸化物微粒子でも良い
し、さらにはSiC等の微粒子でも良い。
【0011】セラミックス1次粒子は、微細であるほ
ど、樹脂中等に分散した際の補強効果や表面光沢等の外
観に優れるが、余りに微細な粒子は製造や取扱いが困難
である。そこで、セラミックス1次粒子の粒径を0.0
1〜10μmとしたが、0.05〜1μmであるとより
好ましい。セラミックス1次粒子の真球度は、例えばア
スペクト比を用いて対比できる。そのアスペクト比が1
〜1.1であると、ほぼ真球状と考えて良い。上記VM
C法により製造されたシリカの酸化物微粒子等は、アス
ペクト比が限りなく1に近い真球状粒子である。このよ
うな真球状粒子は、分散材としての補強効果や表面光沢
等の外観に特に優れる。
【0012】ところで、2次粒子への造粒前に、セラミ
ックス1次粒子の表面をコーティングしておくと、分散
性により優れる。その表面処理剤として、カップリング
剤または界面活性剤がある。より具体的には、例えば、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサ
メチルジシラザン等のシラン系、イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート等のチタネート系、アセトアル
コキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネー
ト系、ジルコネート系等のカップリング剤、ステアリン
酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルス
ルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロ
ゲン酸塩、第四アンモニウム塩等のカチオン系界面活性
剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、脂肪酸
モノグリセリド等の非イオン系界面活性剤、アミノ酸等
の両性系界面活性剤等である。
【0013】(2)2次粒子 2次粒子は、上記1次粒子占有体積率に加え、その粒径
が100μm〜5mm、さらには、355μm〜3mm
であると好ましい。粒径100μm未満の小さい2次粒
子からなる粉末(微粉)が増えると、付着や固着等が生
じ易くなり、流動性が悪化する。一方、2次粒子の粒径
は大きくても支障は殆どないが、それが5mm以下であ
ると、取扱性が良い。この2次粒子は、転動造粒法、撹
拌造粒法等の他、後述のロールプレス法等により製造さ
れる。2次粒子の造粒に際して、セラミックス1次粒子
の結合剤は必ずしも必要ではない。しかし、適当な結合
剤を適量もちいると、1次粒子の流動性、分散性にすぐ
れた2次粒子が容易に得られる。
【0014】この結合剤として、例えば、パラフィンワ
ックス、低分子量ポリエチレン、ジメチルシリコーンオ
イルなどの離型材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リビニルアルコールなどのビニル系高分子、ポリアクリ
ロニトリル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル、メ
タクリル系高分子、ポリビニルメチルエーテル、ポリビ
ニルエチルエーテル等のポリビニルエーテル系高分子、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレ
ート等のポリエステル系高分子、カルポキシルメチルセ
ルロースナトリウム、メチルセルロース等のセルロース
系高分子、ポリバラフェニレンテレフタルアミド等の液
晶系高分子等がある。勿論、1次粒子と結合剤との相性
もあるため、例えば、セラミックス1次粒子をシリカ粒
子とし、結合剤をパラフィンとすると良い。
【0015】また、結合剤は、多すぎると1次粒子の分
散性を低下させるため、適当な割合であることが望まし
い。例えば、2次粒子の全体積率を100%としたとき
に、その占める体積割合である結合剤占有体積率を0.
6〜8%、より好ましくは、0.7〜7%、さらには
0.86〜4.3%とすると良い。なお、これらの結合
剤占有体積率は、2次粒子全体を100重量%としたと
きに、それぞれ0.4〜6重量%、0.5〜5重量%、
0.6〜3重量%に相当する。
【0016】(3)セラミックス粉末の用途 本発明のセラミックス粉末は、マトリックス材料中への
分散材または充填材として用いると好ましい。マトリッ
クス材料は、樹脂の他、Al等の金属でも良い。なお、
マトリックス材となる樹脂は、フェノール系、エポキシ
系等の熱硬化性樹脂、ビニル系、ポリイミド系等の熱可
塑性樹脂などの樹脂全般である。例えば、エポキシ樹脂
中にシリカ微粒子を分散させたセラミックス分散樹脂材
は、半導体チップ等の封止材として好ましい。特に、半
導体チップが超微細加工により高集積されたものであっ
ても、本発明のセラミックス粒子は流動性、分散性等に
優れるため、上記セラミックス分散樹脂材が半導体チッ
プの細部まで注入され得る。
【0017】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。 (1)実施例 実施例1 原料のセラミックス微粒子(セラミックス1次粒子)と
して、市販のVMC法で生成した真球状のシリカ微粒子
(粒径0.5μm:アドマファイン製SO−C2)を用
意した。このシリカ微粒子100部(重量部、以下同
様)に対してパラフィンワックス1部を、ボイラーで8
0℃に加熱した解砕羽根を備えたレーディゲミキサー
(太平洋機工社製、WB−75)に投入した。そして、
主軸回転数50rpm、解砕軸回転数3000rpmと
して、15分間の撹拌混合した(混合工程)。
【0018】この混合工程で得られた混合物を市販のコ
ンパクティング造粒機に投入し、ロールプレス法により
2次粒子の造粒を行った(造粒工程)。このとき、コン
パクティング造粒機は、粉体供給量100kg/h、ロ
ール回転数22rpm、ロール油圧17MPa、ロール
間隙0.25mm、予備圧縮スクリュー回転数60rp
m、ロール線圧(圧縮圧力)850kN/mの条件で運
転した。なお、面圧を正確に測定することは困難である
ため、ロールにかかる力とロール幅とから求まるロール
線圧を指標として用いた。なお、このロールプレス法を
施した直後の生成物は、フレーク状の小片であり、解砕
する必要はなかった(以下の実施例でも同様)。
【0019】実施例2 実施例1と同じシリカ微粒子100部に対し、0.6部
のパラフィンを含む濃度30%のトルエン溶液を2分間
かけて滴下し、その後、上記レーディゲミキサーで15
分間の撹拌混合を行った。レーディゲミキサーは、加熱
せずに、主軸回転数50rpm、解砕軸回転数3000
rpmで運転した。
【0020】その後、得られた混合物を、熱風循環型乾
燥機により140℃×2時間加熱して乾燥させた(つま
り、トルエンを除去した)。加熱乾燥後の混合物を用い
て、実施例1と同様のロールプレス法により造粒した。
但し、コンパクティング造粒機の運転条件は、粉体供給
量300kg/h、ロール回転数30rpm、ロール油
圧15MPa、ロール間隙1.0mm、予備圧縮スクリ
ューなし、ロール線圧(圧縮圧力)400kN/mとし
た。
【0021】実施例3 本実施例では、結合剤を使用せずに、前記シリカ微粒子
を直接、コンパクティング造粒機に投入した。その運転
条件は、実施例2と同じである。
【0022】実施例4 実施例1と同じシリカ微粒子100部に対し、表面処理
剤であるシランカップリング剤(信越化学社製、KBM
403)を含む濃度50%のイソプロパノール溶液を2
部の割合で噴霧しながら、レーディゲミキサーで10分
間、撹拌混合を行った。こうして、シリカ微粒子に対し
て表面処理を施した。なお、レーディゲミキサーは、加
熱せずに主軸回転数500rpm、解砕軸回転数300
0rpmで運転した。
【0023】その後さらに、パラフィンワックス1部を
投入して、15分間の撹拌混合を行った。このとき、実
施例1と同条件でレーディゲミキサーを運転した。こう
して得られた混合物を、熱風循環型乾燥機で120℃×
5時間加熱して乾燥させた。そして、加熱乾燥後の混合
物を用いて、実施例1と同じ条件でロールプレス法によ
り2次粒子を造粒した。
【0024】実施例5 本実施例では、シリカ微粒子と混合するパラフィンワッ
クスの添加量のみを、実施例1の1部から3部に変更し
て、それ以外は実施例1と同様にして2次粒子の造粒を
行った。
【0025】実施例6 本実施例では、シリカ微粒子と混合するパラフィンワッ
クスの添加量のみを、実施例1の1部から5部に変更し
て、それ以外は実施例1と同様にして2次粒子の造粒を
行った。
【0026】実施例7 上記シリカ微粒子に替えて溶融シリカ微粒子を用意し、
これを用いて実施例1と同様の造粒を行った。なお、溶
融シリカ微粒子は、VMCシリカ製造設備を用いて、市
販の粉砕シリカ(平均粒径0.7μm)をプロパンガス
による溶融バーナで溶融、球状化(平均粒径0.6μ
m)したものである。
【0027】(2)比較例 比較例1 実施例1と同じシリカ微粒子100部に対し、1部のパ
ラフィンを含む濃度30%のトルエン溶液を2分間かけ
て滴下した。その後、実施例2と同様にして10分間撹
拌し造粒した。得られた造粒物を、熱風循環型乾燥機に
より140℃×2時間加熱して乾燥させた。
【0028】比較例2 実施例1と同じシリカ微粒子100部に対してイソプロ
パノール2部をレーディゲミキサーに投入した。その
後、実施例2と同様にして30分間撹拌し造粒した。得
られた造粒物を、熱風循環型乾燥機により140℃×2
時間加熱して乾燥させた。
【0029】比較例3 実施例1と同じシリカ微粒子100部に対して水4部を
レーディゲミキサーに投入した。その後、実施例2と同
様にして30分間撹拌し造粒した。得られた造粒物を、
熱風循環型乾燥機により140℃×10時間加熱して乾
燥させた。
【0030】比較例4 実施例1と同じシリカ微粒子100部に対してパラフィ
ンワックス1部をレーディゲミキサーに投入した。その
後、実施例1と同様にして15分間撹拌混合した。得ら
れた混合物をコンパクティング造粒機に投入し、ロール
プレス法により2次粒子の造粒を行った。このとき、コ
ンパクティング造粒機は、粉体供給量80kg/h、ロ
ール回転数20rpm、ロール油圧10MPa、ロール
間隙0.5mm、予備圧縮スクリューなし、ロール線圧
(圧縮圧力)150kN/mの条件で運転した。
【0031】比較例5 実施例1と同じシリカ微粒子20部を水80部に混合し
たスラリーを作成した。このスラリーを回転ディスク方
式のスプレードライヤー(大川原化工機社製、L−1
2)に供給し、そこから240℃の乾燥空気中に噴霧し
乾燥させて2次粒子を造粒した。
【0032】比較例6 実施例7で述べた溶融シリカ微粒子を用いて比較例1と
同様に造粒を行った。
【0033】比較例7 上記溶融シリカ微粒子を用いて、比較例5と同様に造粒
を行った。
【0034】(3)2次粒子の評価 上記実施例およぼ比較例で得られた各試料について、2
次粒子の平均粒径、流動性(流動時間)、樹脂中での分
散性、1次粒子占有体積率、結合剤占有体積率(パラフ
ィン占有体積率)および造粒直後後の形状を表1に示し
た。また、実施例等で用いたセラミックス1次粒子(シ
リカ微粒子または溶融シリカ微粒子)の特性について
も、参考として表1に併せて示した。
【0035】平均粒径は、実施例1〜7、比較例1〜
4および比較例6については、フルイ分け法(重量基
準)により求めた。比較例5、7についは顕微鏡観察に
より求めた。ちなみに、セラミックス1次粒子は、レー
ザー回折式粒度分布測定(堀場製作所製、LA−50
0)により測定した。
【0036】流動性は、流動時間で評価した。流動時
間は、ステンレス製漏斗(φ150×φ35×H110
mm)に粉末を充填した後、その漏斗の下口を開き、粉
末の全量がその下口から排出されるのに要した時間であ
る。なお、表1中に示した「×」は、粉末中にブリッジ
が形成され、それ以降の排出がなされなかったことを示
す。
【0037】分散性は、各種粉末をPET樹脂中に分
散させた樹脂複合材料を実際に製作し、その薄片(10
×10×約0.02mm)中における分散粒子の凝集の
程度を顕微鏡観察(倍率175倍)して評価した。その
薄片中に存在する凝集塊の粒径が、30μm以下であれ
ば◎、その粒径が30〜70μmであれば○、その粒径
が70μm以上であれば×として、表1に示した。な
お、上記薄片は、シリカ粉末(2次粒子またはセラミッ
クス1次粒子)50部とPETペレット(帝人製、TR
4550BHK)50部とをミキサーで予備混合し、二
軸押出機を用いて溶融混錬してペレット化し、そのペレ
ットをホットプレスにより厚さ約20μmのフィルム状
としたものである。
【0038】1次粒子占有体積率は、式(2)に示す
ように、造粒片のシリカ比重(密度:g/cc)をシリ
カの真比重(密度:2.21(g/cc))で除して求
めた。 1次粒子占有体積率(%)=(造粒片のシリカ比重/2.21)×100 ( 2) なお、造粒片の比重は、一般的に公知の方法で測定すれ
ば良い。例えば、一定個数の造粒片(板状または球状)
について、顕微鏡観察から求めた体積で、その重量を除
して求めた。パラフィン等が2次粒子中に存在する場合
は、その分の重さを除外して造粒片のシリカ比重とし
た。
【0039】また、パラフィン占有体積率(結合剤占有
体積率)も同様に、式(3)により求めた。 パラフィン占有体積率(%)=(造粒片のパラフィン比重/0.92) ×100 (3) ここで、造粒片のパラフィン比重=(パラフィン重量/
造粒片体積)、パラフィンの真比重0.92(g/c
c)である。
【0040】上記実施例または比較例で使用したシリ
カ微粒子は、アスペクト比1の真球状であり、溶融シリ
カ粒子は、アスペクト比が1.5(逆数:0.67)程
度の角のとれた不定形状の球状粒子であった。このアス
ペクト比は、顕微鏡観察で粒径を測定して、その短径
(d)に対する長径(D)の比(D/d)として求ま
る。
【0041】以上の結果を基に、上記1次粒子占有体
積率と2次粒子の分散性または流動性との相関を図1に
示した。この図から解るように、1次粒子占有体積率が
50〜65%の範囲にあると、分散性および流動性の両
方が優れていることが解る。一方、その範囲から外れ
て、1次粒子占有体積率が65%を超えると分散性が急
激に悪化し、逆に1次粒子占有体積率が50%未満では
流動性が急激に悪化することが明かとなった。なお、図
1中の分散性は上記3段階評価を表示したものであり、
流動性は上記流動時間の逆数を相対的に表示したもので
ある。
【0042】
【表1】
【0043】(4)樹脂複合材料の評価 次に、前記実施例4で製造した2次粒子からなるシリカ
造粒粉末と、セラミックス1次粒子であるシリカ微粒子
の粉末とを用いて、PET樹脂からなる複合材料を製造
した。そして、その試験片について、曲げ強度、曲げ弾
性率、Tg(ガラス転移点)、吸湿性(吸水率)、アイ
ゾット衝撃値および線膨張率を測定した結果を表2に示
す。
【0044】なお、上記試験片は、次のようにして製造
した。先ず、セラミックス粉末(シリカ造粒粉末または
シリカ微粒子)50部とPETペレット(帝人製、TR
4550BHK)50部とをミキサーで予備混合し、二
軸押出機を用いて溶融混錬してペレット化した。そのペ
レットを射出成形機により成形して、上記試験片を製造
した。
【0045】
【表2】
【0046】以上の実施例から解るように、本発明に係
るセラミックス粉末を用いると、2次粒子の分散性や流
動性が良好であり、また、得られたセラミックス分散樹
脂材の特性も良好であった。
【0047】
【発明の効果】本発明のセラミックス粉末によれば、マ
トリックス材中における分散性と、製造時の流動性との
両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1次粒子占有体積率と2次粒子の分散性および
流動性との相関関係を示す分散図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楊 武 愛知県西加茂郡三好町大字明知字西山1 株式会社アドマテックス内 Fターム(参考) 4G072 AA25 AA41 BB05 BB07 DD04 DD05 DD06 GG03 HH14 LL11 QQ06 TT02 TT30 UU01 4J002 AB021 AB031 AE031 BB011 BB021 BB111 BE041 BG041 BG061 BG101 CF061 CF071 CL061 CP031 DJ016 FB136 FB176 FD016 GQ05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径が0.01〜10μmのセラミックス
    1次粒子を造粒した2次粒子からなるセラミックス粉末
    であって、 前記2次粒子は、全体積率を100%としたときに前記
    セラミックス1次粒子の占める体積割合である1次粒子
    占有体積率が50〜65%であることを特徴とするセラ
    ミックス粉末。
  2. 【請求項2】前記2次粒子は、前記セラミックス1次粒
    子を結合させる結合剤を含有し、該2次粒子の全体積率
    を100%としたときに該結合剤の占める体積割合であ
    る結合剤占有体積率が0.6〜8%である請求項1記載
    のセラミックス粉末。
  3. 【請求項3】前記セラミックス1次粒子はシリカ粒子で
    あり、前記結合剤はパラフィンである請求項2記載のセ
    ラミックス粉末。
  4. 【請求項4】前記セラミックス1次粒子は、カップリン
    グ剤または界面活性剤による表面処理がなされたもので
    ある請求項1記載のセラミックス粉末。
  5. 【請求項5】前記セラミックス1次粒子は、アスペクト
    比が1〜1.1の真球状粒子である請求項1記載のセラ
    ミックス粉末。
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JP2009242768A (ja) * 2008-02-29 2009-10-22 Admatechs Co Ltd 光線反射塗料及びその製造方法

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