JP2003117746A - 主軸スイベル装置 - Google Patents

主軸スイベル装置

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JP2003117746A
JP2003117746A JP2001316304A JP2001316304A JP2003117746A JP 2003117746 A JP2003117746 A JP 2003117746A JP 2001316304 A JP2001316304 A JP 2001316304A JP 2001316304 A JP2001316304 A JP 2001316304A JP 2003117746 A JP2003117746 A JP 2003117746A
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spindle
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swivel
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JP2001316304A
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English (en)
Inventor
Shoji Kasai
彰二 笠井
Shigeki Goto
茂樹 後藤
Katsunori Shigemoto
勝典 重本
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Toyo Advanced Technologies Co Ltd
Original Assignee
Toyo Advanced Technologies Co Ltd
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主軸台を旋回可能状態とスイベルベース上に
固定可能な状態とに確実に切換え、かつ、主軸台を安定
した状態で支持しながら旋回させるようにする。 【解決手段】 主軸台の下部に転動体保持部材58が設
けられる。転動体保持部材58は、その下端部に転動体
72を回転可能に保持し、その転動体72が主軸台下面
から上方へ没入する没入位置と転動体72が主軸台の下
面から下方に突出する突出位置との間を上下動する。こ
の転動体保持部材58が没入位置に切換えられると、主
軸台がスイベルベース42上に着地し、突出位置に切換
えられると、転動体72の転動を伴いながら主軸台がス
イベルベース42上を旋回走行できる状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種工作機械にお
いて、工作物を保持する主軸の向きを変更して当該工作
物の加工面を適正な方向に向けるための主軸スイベル装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、主軸スイベル装置を備えた内面
研削盤の一例を示したものである。
【0003】この内面研削盤のベッド10上にはスイベ
ルベース42が設置され、その上に主軸台12が設置さ
れている。この主軸台12には主軸8が略水平な状態で
回転可能に支持され、この主軸8の前端(図6では右
端)にはチャック部14が設けられており、このチャッ
ク部14により工作物16が把持される。工作物16は
図例では略円筒状をなし、その中心軸と前記主軸8の中
心軸Xとが合致する姿勢で前記チャック部14に保持さ
れる。
【0004】前記主軸台12は、図略の機構によって所
定の垂直軸(図例では主軸中心軸X上の軸)Yを中心と
して旋回可能(転向可能)となるようにスイベルベース
42上に設置され、さらに、スイベル駆動装置20によ
って旋回駆動されるようになっている。
【0005】図例では、前記主軸台12の適所にねじ筒
22が連結され、このねじ筒22に送りねじ軸24が螺
合状態で挿通される一方、ベッド10上には送り駆動モ
ータ26が垂直軸28回りに回転可能となるように設置
され、この送り駆動モータ26の出力軸に前記送りねじ
軸24が連結されている。そして、この送り駆動モータ
26が送りねじ軸24を回転駆動することにより、この
送りねじ軸24に沿うねじ筒22の直線移動と垂直軸2
8回りの送り駆動モータ26の回転とを伴いながら主軸
台12全体が垂直軸Yを中心としてスイベルベース42
上で旋回するようになっている。
【0006】一方、この主軸台12と対向する位置には
砥石台30が設置されている。この砥石台30は、ベッ
ド10上で前後方向(図6では左右方向)にスライド可
能なテーブル32と、このテーブル32上に左右方向
(図6では上下方向)にスライド可能に設置されたホイ
ールへッド34とを備え、このホイールへッド34の工
具装着部36に先端に砥石をもつ砥石軸38が装着され
ている。
【0007】この内面研削盤によれば、図示のように主
軸中心軸Xと砥石軸38の中心軸とが平行となる旋回位
置に主軸台12を固定した状態で、工作物16の内周面
を研削できる一方、図示の位置から主軸台12を適当に
旋回させることにより、例えば工作物16に形成された
テーパー面18も研削することが可能になる。
【0008】ところで、このような主軸スイベル駆動を
実現するためには、主軸台12がスイベルベース42上
で旋回できる状態と当該主軸台12が任意の旋回位置で
スイベルベース42上に固定される状態とに切換える手
段が必要となる。その手段として、例えば特開平8−1
9962号公報には、主軸台の下面に静圧パッドを設
け、同パッドから噴射するエアの圧力によって主軸台を
静圧保持した状態で当該主軸台を旋回駆動し、所望の旋
回位置で前記エアの噴射を停止させて主軸台をスイベル
ベース上に着地させ、その位置で固定するようにした装
置が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に示されるス
イベル装置は、エアの噴射圧によって主軸台をリフトア
ップさせるものであるため、そのリフトアップ時におけ
る主軸台の状態が不安定でバランスが悪い。また、主軸
台が傾いてエアが主軸台とスイベルベースとの隙間から
外方に漏れると、リフトアップ自体ができなくなるおそ
れもある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、主軸台
を旋回可能状態とスイベルベース上に固定可能な状態と
に確実に切換えることができ、かつ、当該主軸台を安定
した状態で支持しながら旋回させることができる主軸ス
イベル装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本発明は、工作物または工具を保持する
主軸を略水平な状態で回転可能に支持する主軸台と、こ
の主軸台を支持するスイベルベースとを備え、かつ、こ
のスイベルベース上で前記主軸台が略垂直方向の軸回り
に旋回可能となるように設置された主軸スイベル装置に
おいて、前記スイベルベース上を転動する転動体と、前
記主軸台にこの主軸台に対して上下方向に相対移動可能
となるように設けられ、その下端に前記転動体を主軸台
の旋回方向に転動可能となるように保持する転動体保持
部材と、この転動体保持部材をその下端に保持された転
動体が前記主軸台の下面から上方へ没入する没入位置と
当該転動体が主軸台の下面から下方に突出する突出位置
との間で上下動させる駆動手段とを備え、前記転動体保
持部材が前記没入位置にあるときは前記主軸台の下面が
前記スイベルベース上に着地し、前記転動体保持部材が
前記突出位置にあるときはその転動体の突出分だけ主軸
台がスイベルベース上からリフトされ、この状態で前記
転動体の転動を伴いながら主軸台が前記スイベルベース
上を前記旋回方向に走行可能となるように構成されてい
るものである。
【0012】この構成によれば、前記転動体保持部材を
突出位置、すなわち、転動体が主軸台の下面から突出す
る位置に切換えることにより、この転動体の転動を利用
して主軸台をスイベルベース上で滑らかに旋回走行させ
ることができ、これによって所望の旋回位置へ主軸台を
移動させることができる。しかも、従来のようにエアの
噴射圧で主軸を浮上させる装置に比べ、旋回時の主軸支
持状態は安定しており、旋回確実性も高い。そして、目
標の旋回位置に到達した後は、前記転動体保持部材を没
入位置、すなわち前記転動体が主軸台の下面から上方に
没入する位置に切換えることにより、主軸台の下面をス
イベルベース上に着地させることができ、この状態で主
軸台をスイベルベース上に安定した状態で固定すること
ができる。
【0013】なお、前記没入位置切換時における主軸台
の固定は、当該主軸台とスイベルベースとの摩擦力で賄
うようにしてもよいが、前記転動体保持部材が前記没入
位置にある状態で前記主軸台をスイベルベース側に固定
する固定手段を備えるようにすれば、加工中に主軸台を
より確実に静止状態に保つことができる。
【0014】前記駆動手段は、前記転動体保持部材を前
記没入位置と突出位置との間で上下動させることができ
るものであればよい。例えば、前記転動体保持部材側に
設けられたピストン部と、このピストン部を上下動可能
に収容するシリンダと、このシリンダ内において前記ピ
ストン部により上下に区画された各流体室に対して作動
流体を給排することにより当該ピストン部と一体に転動
体保持部材を上下動させる流体給排手段とを含むように
すれば、転動体保持部材自体を流体圧シリンダのピスト
ンとして利用した簡素な構造で、転動体保持部材の駆動
を行うことができる。
【0015】前記転動体及び転動体保持部材は、前記ス
イベルベース上に並ぶ複数の位置に設けられていること
が、より好ましい。このような構成により、主軸台はそ
の旋回中により安定した状態で支持されることになる。
【0016】その場合、各転動体保持部材の突出位置に
ばらつきがあると(すなわち主軸台下面からの転動体の
突出量にばらつきがあると)、そのばらつき分だけ主軸
台全体が傾くことになるが、各転動体保持部材につい
て、その突出位置を調節するための突出位置調節手段が
設けられている構成とすれば、当該微調整によって各転
動体保持部材の突出位置同士を高精度で整合させること
が可能であり、これによって旋回時における主軸台の姿
勢を良好にすることができる。
【0017】前記突出位置調節手段としては、例えば、
前記転動体保持部材の外周面上に雄ねじが設けられてな
るねじ部と、このねじ部に螺合され、主軸台側に固定さ
れている部材に対して上側から当接することにより主軸
台に対する転動体保持部材の下降を規制するストッパと
を含むものが、好適である。この構成によれば、ねじ部
に対してストッパを適宜回転させることにより、このス
トッパの位置を微調整することができ、その結果、この
ストッパが主軸台側に固定されている部材と当接する位
置すなわち前記突出位置を正確に調節することが可能と
なる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を図
1〜図5に基づいて説明する。なお、本発明にかかるス
イベル装置が搭載される工作機械全体の構成は前記図6
に示したものと同等であり、同図に示す構成要素と同一
の構成要素には共通の参照符を付してその説明を省略す
る。
【0019】図1及び図2に示すスイベルベース42
は、3枚のプレート43,44,45が下から順に積層
されてなり、前記図6に示したベッド10上にテーブル
40を介して設置されている。そして、このスイベルベ
ース42上に主軸台12が設置されている。
【0020】主軸台12の上部には主軸駆動モータ11
が搭載されている。この主軸駆動モータ11は駆動伝達
機構13を介して主軸8(図1及び図2では図示省略)
の回転駆動を行う。主軸前端部にはチャック連結部17
が固定され、このチャック連結部17に前記図6に示し
たチャック部14が連結される。
【0021】前記テーブル40からは前方(図1及び図
2では右方)にスイベル支持アーム46が延び、その端
部に略垂直方向のスイベル軸48が固定されている。こ
のスイベル軸48の固定位置は、図例では前記主軸台1
2の主軸中心軸上の位置に設定されている。一方、前記
主軸台12からは前方にスイベルアーム15が延び、こ
のスイベルアーム15の端部が前記スイベル軸48に当
該軸48を中心として旋回可能となるように連結されて
いる。この構造により、前記主軸台12はスイベル軸4
8を中心として旋回可能となるようにスイベルベース4
2上に設置されている。
【0022】なお、本発明において主軸台12を旋回駆
動する手段は問わず、前記図6に示したスイベル駆動装
置20のように送りねじ軸24を利用したものでもよい
し、旋回中心軸にモータ等の回転駆動源を連結するよう
にしてもよい。
【0023】この主軸スイベル装置の特徴として、前記
主軸台12には、スイベルベース上に並ぶ複数の位置
(図例では3つの位置)にそれぞれ走行切換ユニット5
0が組み込まれるとともに、その切換駆動源として流体
給排ユニット52が搭載され、この流体給排ユニット5
2と各走行切換ユニット50とが配管54によって接続
されている。そして、前記流体給排ユニット52により
各走行切換ユニット50について作動流体(例えば作動
油)の給排が行われることにより、主軸台12全体がス
イベルベース42上で走行可能な状態と、主軸台12が
スイベルベース42上に固定される状態とに切換えられ
るようになっている。
【0024】各走行切換ユニット50は、図3に示すよ
うなハウジング51内に、シリンダ本体56と、ローラ
支軸(転動体保持部材)58と、天板60とを格納して
いる。シリンダ本体56及び天板60は、ローラ支軸5
8を昇降させるための流体圧シリンダを構成し、前記ハ
ウジング51とともに主軸台12側に固定されている。
【0025】シリンダ本体56は、中央に上下方向の貫
通孔をもつ円筒状をなすが、上部貫通孔56aは下部貫
通孔56bよりも内径の大きいピストン収容室とされて
いる。天板60は、前記上部貫通孔56aの上端開口を
塞ぐようにシリンダ本体56の上端に固定され、この天
板60の中央部にはシリンダ本体56の貫通孔56a,
56bよりも小径の貫通孔60aが設けられている。
【0026】ローラ支軸58は、上から順に、前記天板
60の貫通孔60aに挿通される上側軸部58dと、前
記貫通孔60aよりも大径でかつシリンダ本体56の上
部貫通孔56aよりも小径の本体軸部58cと、前記下
部貫通孔56b内にほぼ隙間なく挿通される下側軸部5
8bとを一体に有し、このローラ支持軸58の外周面と
シリンダ本体56及び天板60の内周面との間にはシー
ル部材64が介在している。
【0027】さらに、前記本体軸部58cの中段部分に
は前記上部貫通孔56a内を摺動する大径のピストン部
58aが形成されている。このピストン部58aは上部
貫通孔56a内を上下に区画して下側流体室62Aと上
側流体室62Bとを形成している。そして、前記流体給
排ユニット52から下側流体室62Aに圧力流体が供給
されて上側流体室62Bから流体が排出されることによ
り、ローラ支軸58全体がシリンダ本体56に対して相
対的に上昇する一方、上側流体室62Bに圧力流体が供
給されて下側流体室62Aから流体が排出されることに
より、ローラ支軸58全体がシリンダ本体56に対して
相対的に下降するようになっている。
【0028】ローラ支軸58の下端には、円筒状のロー
ラ(転動体)72を回転可能に保持するローラ保持部7
4が設けられている。
【0029】このローラ保持部74は、前記ローラ72
を左右から挟む二股状をなし、このローラ72及びロー
ラ保持部74を軸76が水平方向(スイベルベース42
の上面と平行な方向)に貫通するとともに、この軸76
の周囲に装着されたスリーブ78の外周面と前記ローラ
72の内周面との間に軸受80が介在している。この構
造により、ローラ72は軸76を中心として回転可能な
状態でローラ保持部74に保持されている。
【0030】前記軸76の向きは、主軸台12の旋回中
心軸すなわち前記スイベル軸48の中心軸を通る直線に
沿う向きに設定されている。従って、図3及び図4に示
すように前記ローラ72がスイベルベース42上に接触
した状態では当該ローラ72の転動を伴いながら主軸台
12全体がスイベル軸48回りに旋回走行できるように
なっている。
【0031】なお、図3において82は抜け止め板、8
4は回り止め板であり、抜け止め板82は、軸76の途
中部分に形成された溝76aに嵌め込まれた状態でロー
ラ保持部74の側面に固定されることにより、軸76の
抜け止めを行う。回り止め板84は、その下端部に下方
に開口する切欠84aを有し、この切欠84aが前記軸
76の端部に係合された状態でシリンダ本体56に固定
されることにより、軸76を含めてローラ支軸58全体
がシリンダ本体56に対して相対回転するのを阻止す
る。
【0032】前記ローラ支軸58の上側軸部58dから
はさらに上方にねじ軸(ねじ部)66が突出し、このね
じ軸66に、前記ローラ支軸58の突出位置を決める
(すなわち突出量を規制する)ストッパ68が装着され
ている。
【0033】このストッパ68は、その中央部を上下に
貫通するねじ孔68aを有し、このねじ孔68aが前記
ねじ軸66の雄ねじに螺合されている。ストッパ68の
適所にはこれを径方向に貫通するねじ孔68bが設けら
れ、このねじ孔68b内に植込みボルト70がねじ込ま
れることにより、ねじ軸66に対するストッパ68の回
転が止められる(すなわちストッパ68の高さ位置が固
定される)ようになっている。そして、このストッパ6
8の外周部から下方に筒状の突出部68cが突出し、こ
の突出部68cが天板60の上面に当接可能となってい
る。
【0034】この構造において、前記下側流体室62A
へ圧力流体が供給されると、本体軸部58cの上端が天
板60の下面に当接する位置までローラ支軸58が上昇
し、これによりローラ72が主軸台12の下面12aか
ら上方に没入する(すなわちローラ支軸58が没入位置
に切換えられる)一方、前記上側流体室62Bへの圧力
流体が供給されると、図3に示すようにストッパ68の
突出部68cが天板60の上面に当接する位置までロー
ラ支軸58がシリンダ本体56に対して下降し、これに
よりローラ72が主軸台12の下面12aから下方に突
出する(すなわちローラ支軸58が突出位置に切換えら
れる)ように、ローラ支軸58のストロークが設定され
ている。
【0035】従って、前記ストッパ68の上下位置を適
宜変化させることにより、ローラ支軸58の最下位置す
なわち突出位置の高さを微調整することが可能となって
いる。具体的には、前記植込みボルト70を緩めた状態
でストッパ68を適宜回転させてその上下位置を調節
し、その後に植込みボルト70を締め込むという作業を
行うことにより、前記突出位置を微調整することがで
き、かかる微調整によって各走行切換ユニット50にお
けるローラ支軸58の突出位置の高さを均一にすること
が可能となっている。
【0036】この走行切換ユニット50に加え、図示の
主軸台12には、当該主軸台12を任意の旋回位置でス
イベルベース42に固定するための固定手段が設けられ
ている。この実施の形態では、前記スイベルベース42
の少なくとも一部(図例ではプレート44,45)を主
軸台12の下面12aとでクランプする手段が設けら
れ、そのクランプ力によって主軸台12がスイベルベー
ス42上に固定されるようになっている。
【0037】具体的には、前記スイベルベース42を構
成する各プレート43,44,45に図5に示すような
溝43a,44a,45aが形成されている。これらの
溝43a,44a,45aは、図1に示すようにスイベ
ル軸48の中心軸(旋回中心軸)を中心とする円弧状を
なし、溝44aは溝43a,溝45aよりも小幅となっ
ている。
【0038】一方、主軸台12の下部には、スイベルベ
ース42上に並ぶ複数のクランプシリンダ(固定手段)
90が設けられている。各クランプシリンダ90は、流
体圧シリンダで構成され、前記流体給排ユニット50か
らの圧力流体の供給を受けて伸縮するロッド92を有
し、このロッド92が主軸台12の下面12aから下方
に突出する姿勢で当該主軸台12にクランプシリンダ9
0の本体が固定されている。
【0039】前記ロッド92は溝45a,44aを貫
き、溝43a内に到達しており、主軸台12の旋回に伴
って溝43a,44a,45a内を移動できるようにな
っている。この溝43a内において、ロッド92の下端
部にはこれを溝43aの幅方向に貫く軸94が固定さ
れ、この軸94の両端にクランプローラ96が装着され
ている。そして、図5に示すようにクランプローラ96
がプレート44の下面(溝44aの周縁部)に圧接する
までロッド92が上方に引き込まれることにより、当該
クランプローラ96と主軸台12の下面12aとでプレ
ート44,45がクランプされ、そのクランプ力によっ
て主軸台12がスイベルベース42側に固定されるよう
になっている。
【0040】次に、この主軸スイベル装置の作用を説明
する。ここでは、例として、主軸台12が図1に示す位
置に固定されている初期状態から当該主軸台12を所定
の目標位置まで旋回させ、当該目標位置で再び主軸台1
2を固定する場合について説明する。
【0041】1)初期状態 この初期状態では、各走行切換ユニット50における流
体室62A,62Bのうちの下側流体室62Aに圧力流
体が供給されることによりローラ支軸58が没入位置
(ローラ72が主軸台12の下面12aから上方に没入
する位置)に切換えられており、従って当該主軸台12
の下面12aはスイベルベース42上に着地している。
さらに、各クランプシリンダ90のロッド92は上方に
引き込まれてその下端部に設けられたクランプローラ9
6が主軸台12の下面12aとともにプレート44,4
5をクランプしており、そのクランプ力で主軸台12が
スイベルベース42上に固定されている。
【0042】2)スイベル駆動 前記初期状態から主軸台12を旋回させるには、まずク
ランプシリンダ90のロッド92を下方に伸長させてプ
レート44,45のクランプを解き、さらに、各走行切
換ユニット50の下側流体室62Aから圧力流体を排出
すると同時に上側流体室62Bに圧力流体を供給してロ
ーラ支軸58をシリンダ本体56に対して相対的に下降
させ、ストッパ68の突出部68cが天板60の上面に
当接する位置、すなわち、ローラ支軸58の下端部に保
持されたローラ72が主軸台12の下面12aから下方
に突出する突出位置に切換える。このようにローラ72
が主軸台12の下面12aから突出する分だけ、主軸台
12はその自重に抗してスイベルベース42上からリフ
トされることになる。
【0043】この状態でスイベル駆動手段(例えば前記
図6に示したスイベル駆動装置20)を作動させると、
主軸台12はローラ72の転動を伴いながらスイベルベ
ース42上を円滑に旋回走行する。
【0044】3)主軸台12の再固定 前記旋回走行によって主軸台12が目標位置に到達した
時点で当該主軸台12を停止させる。その位置で各走行
切換ユニット50の上側流体室62Bから圧力流体を排
出すると同時に下側流体室62Aに圧力流体を供給して
ローラ支軸58をシリンダ本体56に対して相対的に上
昇させ、ローラ72が没入する没入位置に切換える。こ
れにより、主軸台12の下面12aはスイベルベース4
2上に再着地する。この状態でクランプシリンダ90の
ロッド92を再び上方へ引き込み、そのクランプローラ
96と主軸台12の下面12aとでプレート44,45
をクランプすることにより、前記目標位置に主軸台12
を固定することができる。
【0045】なお、この固定手段の具体的構成は問わ
ず、例えば前記特開平8−19962号公報に示される
ような真空吸着や磁気による吸着等を行うようにしても
よい。また、主軸台12の重量が十分大きい場合には、
その自重による摩擦力(スイベルベース42に対する摩
擦力)のみで主軸台12の固定を賄うことも可能であ
る。
【0046】その他、本発明は例えば次のような実施の
形態をとることも可能である。
【0047】・ローラ支軸58を昇降させるための駆動
手段は、流体圧によるものに限らない。例えば電動モー
タを駆動源としてラック・ピニオン機構やカム機構、リ
ンク機構等によりローラ支軸58を昇降させることも可
能である。
【0048】・転動体は前記のようなローラ72に限ら
ず、例えば転動体保持部材の下端部に球体を回転自在に
保持するようにしてもよい。
【0049】・本発明は、工作物を保持する主軸をスイ
ベルさせるものに限らず、逆に工作物を加工するための
砥石等の工具を保持する主軸をスイベルさせる装置とし
ても適用が可能である。また、本発明にかかる主軸スイ
ベル装置が搭載される工作機械も図6に示すような内面
研削盤に限らず、工作物または工具を回転可能に保持し
ながら工作物の所定面を加工する種々の工作機械につい
て本発明の適用が可能である。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明は、転動体を回転可
能に保持する転動体保持部材をその転動体が主軸台の下
面から上方へ没入する没入位置と当該転動体が主軸台の
下面から下方に突出する突出位置との間で上下動させる
ようにし、前記没入位置への切換によって主軸台をスイ
ベルベース上に着地させる一方、前記突出位置への切換
によって前記転動体の転動を伴いながら主軸台が前記ス
イベルベース上を旋回方向に走行できるようにしたもの
であるので、主軸台を旋回可能状態とスイベルベース上
に固定可能な状態とに確実に切換えることができる効果
がある。また、従来のようにエア噴射圧によって主軸台
を浮上させるものに比べ、主軸台をより安定した状態で
支持しながら旋回させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる主軸スイベル装置
の平面図である。
【図2】前記主軸スイベル装置の主軸台を透過して示し
た側面図である。
【図3】前記主軸スイベル装置に設けられる走行切換ユ
ニットの断面正面図である。
【図4】前記走行切換ユニットの要部を示す側面図であ
る。
【図5】前記主軸スイベル装置における主軸台の固定手
段を示す一部断面図である
【図6】主軸スイベル装置を備えた工作機械の一例とし
て内面研削盤を示した平面図である。
【符号の説明】
8 主軸 12 主軸台 16 工作物 42 スイベルベース 48 スイベル軸(旋回中心軸) 52 流体給排ユニット 56 シリンダ本体 58 ローラ支軸(転動体保持部材) 58a ピストン部 60 天板 62A,62B 流体室 66 ねじ軸(ねじ部) 68 ストッパ 72 ローラ(転動体) 74 ローラ保持部 76 軸(ローラ回転中心軸) 90 クランプシリンダ(固定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重本 勝典 広島県広島市南区宇品東5丁目3番38号 トーヨーエイテック株式会社内 Fターム(参考) 3C034 AA05 BB14 3C048 BC03 CC04 CC17 DD12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物または工具を保持する主軸を略水
    平な状態で回転可能に支持する主軸台と、この主軸台を
    支持するスイベルベースとを備え、かつ、このスイベル
    ベース上で前記主軸台が略垂直方向の軸回りに旋回可能
    となるように設置された主軸スイベル装置において、前
    記スイベルベース上を転動する転動体と、前記主軸台に
    この主軸台に対して上下方向に相対移動可能となるよう
    に設けられ、その下端に前記転動体を主軸台の旋回方向
    に転動可能となるように保持する転動体保持部材と、こ
    の転動体保持部材をその下端に保持された転動体が前記
    主軸台の下面から上方へ没入する没入位置と当該転動体
    が主軸台の下面から下方に突出する突出位置との間で上
    下動させる駆動手段とを備え、前記転動体保持部材が前
    記没入位置にあるときは前記主軸台の下面が前記スイベ
    ルベース上に着地し、前記転動体保持部材が前記突出位
    置にあるときはその転動体の突出分だけ主軸台がスイベ
    ルベース上からリフトされ、この状態で前記転動体の転
    動を伴いながら主軸台が前記スイベルベース上を前記旋
    回方向に走行可能となるように構成されていることを特
    徴とする主軸スイベル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の主軸スイベル装置におい
    て、前記駆動手段は、前記転動体保持部材側に設けられ
    たピストン部と、このピストン部を上下動可能に収容す
    るシリンダと、このシリンダ内において前記ピストン部
    により上下に区画された各流体室に対して作動流体を給
    排することにより当該ピストン部と一体に転動体保持部
    材を上下動させる流体給排手段とを含むことを特徴とす
    る主軸スイベル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の主軸スイベル装
    置において、前記転動体及び転動体保持部材が前記スイ
    ベルベース上に並ぶ複数の位置に設けられていることを
    特徴とする主軸スイベル装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の主軸スイベル装置におい
    て、各転動体保持部材について、その突出位置を調節す
    るための突出位置調節手段が設けられていることを特徴
    とする主軸スイベル装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の主軸スイベル装置におい
    て、前記突出位置調節手段は、前記転動体保持部材の外
    周面上に雄ねじが設けられてなるねじ部と、このねじ部
    に螺合され、主軸台側に固定されている部材に対して上
    側から当接することにより主軸台に対する転動体保持部
    材の下降を規制するストッパとを含むことを特徴とする
    主軸スイベル装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の主軸ス
    イベル装置において、前記転動体保持部材が前記没入位
    置にある状態で前記主軸台をスイベルベース側に固定す
    る固定手段を備えていることを特徴とする主軸スイベル
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101912066B1 (ko) * 2018-04-02 2018-10-25 주식회사 신일 틸팅 베드

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