JP2003117526A - 有機性廃棄物のバイオガス化処理方法 - Google Patents

有機性廃棄物のバイオガス化処理方法

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JP2003117526A JP2001311812A JP2001311812A JP2003117526A JP 2003117526 A JP2003117526 A JP 2003117526A JP 2001311812 A JP2001311812 A JP 2001311812A JP 2001311812 A JP2001311812 A JP 2001311812A JP 2003117526 A JP2003117526 A JP 2003117526A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水熱処理装置の加熱コストや設備コストを削
減できるようにする。 【解決手段】 供給管1aより供給される有機性廃棄物
スラリー10を、予熱装置11において40〜80℃に
予熱して粘度を低下させ、これにより伝熱効率の向上し
た低粘度スラリー13とさせる。次に、予め伝熱効率の
高められた低粘度スラリー13を水熱処理装置3に供給
し、加圧すると共に水熱処理温度まで加熱することによ
り、亜臨界水を作用させて固形物を可溶化させる。次い
で、高温の可溶化処理液14を可溶化処理液移送ライン
17a,17bを通して消化槽5に送るときに、予熱装
置11の伝熱管16を経由させて、予熱装置11におけ
る有機性廃棄物スラリー10の予熱用熱源として用いる
ことで所要温度まで冷却した後、消化槽5にて嫌気性消
化処理させることによりバイオガス6を発生させるよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は家庭から排出される
厨芥やし尿、し尿処理場や下水処理場から排出される汚
泥、あるいは、畜産廃棄物といわれる畜産糞尿等の有機
性廃棄物の単独あるいは混合物を有機成分原料として嫌
気性消化処理することにより、メタンガスを主成分とす
るバイオガスを発生させる有機性廃棄物のバイオガス化
処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機性廃棄物を処理するための手法の1
つとして、有機性廃棄物をバイオマス資源とみなし、有
機性廃棄物中の有機成分を原料としてメタン菌等の嫌気
性菌の働きによって消化処理させることにより、各種ボ
イラや発電設備等のエネルギー源として利用可能なバイ
オガス(メタン含有量50〜70%)を生産させてエネ
ルギーの回収を図る方法がある。
【0003】このように有機性廃棄物を原料として、嫌
気性菌の働きによりバイオガスを生成させる消化処理で
は、上記嫌気性菌の消化処理対象となるのが主として水
中に溶解した比較的低分子の有機物であるため、有機性
廃棄物の固形物を含むスラリーを処理しようとすると、
該スラリー中の固形物が溶けるのに時間がかかり、その
ため消化槽における滞留時間が長くなり1箇月程度の処
理期間が必要であった。
【0004】このために、有機性廃棄物を予め可溶化処
理した後、嫌気性菌による消化処理を短時間で効率的に
行なわせる方法として、たとえば、有機性汚泥にアルカ
リ性物質を添加してpHを7.3〜9.2に調整すると
共に、処理温度を50〜100℃に維持することで前処
理を行って高負荷消化処理を可能とするようにしたもの
(特開平5−345200号公報)、あるいは、都市ご
み中の厨芥を、酵素を用いて可溶化し、厨芥のスラリー
(厨芥固形物と水との混合物)中のセルロール性繊維を
微細化してから比重差によって三相に分離し、厨芥を多
く含む相を消化処理することで消化処理を容易に行うよ
うにしたもの(特公昭60−9879号公報)等が従来
提案されている。
【0005】又、近年では、臨界点(374℃、220
atm)以下の亜臨界の領域における水は、誘電率が下
がって有機物質の誘電率に近付くため、水が有機溶媒と
なり得ると同時に、イオン積の増加による激しい加水分
解作用が生じるようになることから、有機物に亜臨界水
を作用させて水熱処理することにより、有機物を低分子
へ分解させ、低粘度化させて可溶化できるという特徴を
利用して、図8にその一例の概略を示す如く、図示しな
い原料供給部から供給管1を通して供給される有機性廃
棄物スラリーとしての下水汚泥2を、図示しない加圧容
器に加熱手段(図示せず)や加圧装入するためのピスト
ンポンプの如き昇圧ポンプ(図示せず)や減圧排出させ
るための減圧弁(図示せず)を装備してなる水熱処理装
置3に装入して、該水熱処理装置3にて上記下水汚泥2
を水の存在下で150〜250℃に加熱することによ
り、下水汚泥2に高温高圧の亜臨界水を作用させて水熱
処理して可溶化させ、この際、該水熱処理によれば、十
数分程度の処理で原料となる下水汚泥2中の固形物の8
0%以上が可溶化できるため、上記水熱処理装置3より
取り出される下水汚泥の可溶化処理液4を消化槽5へ移
して、該消化槽5にて嫌気性菌による消化処理を行わせ
て高効率にバイオガス6を発生させるようにすること
で、可溶化処理をより短時間で行ってバイオガス化処理
全体の高速化を図ることができる共に、嫌気性消化処理
後の最終残渣を極端に少なくすることができるようにし
た有機性廃棄物のバイオガス化処理方法が開発されてき
ている。
【0006】なお、図8中、7は消化槽5の下流側に設
けた排水処理装置である。上記消化槽5においては、下
水汚泥2に含まれている窒素が嫌気性消化処理時にアン
モニア性窒素に転化されることから、消化槽5より排出
される消化処理液を図示しない固液分離装置により固液
分離してなる消化脱離液8を、上記排水処理装置7に導
いて、該排水所濾装置7にて硝化菌の存在下で曝気する
ことにより、該消化脱離液8中のアンモニア性窒素を、
好気条件下で硝化菌により硝酸性窒素に転化させた後、
この硝酸性窒素を含む消化脱離液8を、嫌気条件下にお
いて炭素源(一般にメタノール)を供給しながら硝酸イ
オン中の酸素を硝化菌の呼吸により消費させ、これによ
り遊離の窒素ガスを発生させて大気中に放散させること
で、生物学的硝化脱窒処理を行うようにするか、或い
は、上記消化脱離液8を蒸気により加熱して、アンモニ
アを放散(ストリッピング)させることにより脱窒処理
するようにし、しかる後、脱窒処理されてアンモニア性
窒素の除去された処理水9を外部に放流させるようにし
てある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した特
開平5−345200号公報に示されている方法の場
合、アルカリ処理のpHを7.3から9.2に調整する
ため多くのアルカリ性物質を消費すると共に、より効果
的に汚泥を可溶化しようとすると、pHを9以上に調整
する必要があるため、可溶化した処理液を消化槽に投入
する時点で酸を用いて逆中和する必要があり、操業容易
性や運転コストの点で数々の問題点を有するため、実際
にこの方法を具現化するにはかなりの困難が伴う。
【0008】又、特公昭60−9879号公報に示され
ている方法の場合には、使用する酵素の価格は非常に高
いものであり、効果を見出す濃度の酵素を添加すること
は実際のプラントで実施を考えた場合全く採用し得ない
ものである。又、三相に比重分離し厨芥を多く含む相を
消化処理することは、消化処理自体を簡略化するが、そ
の他の廃水や残渣の処理をあわせて考慮すると、この方
法を実現することははなはだ難しい。
【0009】更に、水熱処理による可溶化処理を嫌気性
消化処理の前段に設けた図8に示した如き従来の有機性
廃棄物のバイオガス化処理方法では、下水汚泥2を直接
水熱処理装置3に供給しているが、上記下水汚泥2等の
有機性廃棄物スラリーは常温では粘度が高いために、水
熱処理装置3における加熱の際の伝熱効率が低く、その
ため伝熱面積を大きくする必要があることから、水熱処
理装置3が大型化して設備コストが嵩むという問題があ
り、又、下水汚泥2の固形物濃度が3%未満と低い場合
(通常の下水汚泥は0.3〜2%程度)は、水分が97
%以上と多いため、この多量の水分を水熱処理装置4に
て水熱処理温度である150〜250℃まで加熱するた
めに要する加熱コストが嵩むという問題がある。
【0010】因みに、上記加熱コストの引き下げを図る
ための一つの手段としては、水熱処理装置3における水
熱処理温度を、通常採用されている150〜250℃か
ら、100〜150℃以下に低下させることが考えられ
るが、この場合、下水汚泥2中の固形物の可溶化率が低
下し、水熱処理装置3より取り出される下水汚泥の可溶
化処理液4中に固形の有機物が多く残って残渣量が増加
するという問題が生じる。
【0011】又、水熱処理装置3における加熱コストの
引き下げを図るための他の手段としては、同伴水分を減
らすために下水汚泥2を凝集剤を用いて予め濃縮し、該
水分量の低下した下水汚泥2の濃縮物を水熱処理装置3
へ供給させるようにすることが考えられるが、この場合
には、凝集剤に高いコストを要するという問題が発生
し、更に、凝集剤として無機系凝集剤を用いた場合に
は、水熱処理後の残渣量が増加し、又、高分子系凝集剤
を用いた場合には、下水汚泥2の粘度が更に増加し、こ
の高粘度スラリーとなる下水汚泥2の濃縮物では伝熱物
性が低下して、水熱処理装置3にて加熱する際の伝熱効
率が更に低下するため、水熱処理装置3に更に大きな伝
熱面積が必要になり、このため水熱処理装置が更に大型
化するという問題が生じる。更に、凝集剤を用いて沈殿
法や遠心濃縮法によって下水汚泥2の濃縮を図る方法で
は、原料となる下水汚泥2中に土砂等の無機固形物が含
まれていた場合には、該無機固形物は下水汚泥2の濃縮
物に混入した状態で回収され、下水汚泥2の濃縮物と一
緒に水熱処理装置4に導入されるようになり、その結
果、上記無機固形物が、水熱処理装置4に付属する昇圧
ポンプや減圧弁等の配管可動部分に対して摩耗、閉塞等
の機械的障害を引き起こして、多大なメンテナンス費用
を要する虞が生じるという問題もある。
【0012】このように、原料となる有機性廃棄物を予
め可溶化することにより、高速に消化処理を実施する方
法として従来提案されているものでは、いずれの方法に
おいてもランニングコストや設備コスト等の面で未だ十
分なものではなく、更なる改良が望まれているのが現状
である。
【0013】そこで、本発明は、有機性廃棄物を予め可
溶化して嫌気性消化によるバイオガス化処理を高速に行
うことができ、且つランニングコストや設備コスト等の
削減を図ることができる有機性廃棄物のバイオガス化処
理方法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、原料となる有機性廃棄物スラリーを40
〜80℃に予熱して粘度を低下させた後、水熱処理装置
に供給して高温高圧の亜臨界水を作用させて水熱処理す
ることにより可溶化させ、次に、該有機性廃棄物の可溶
化処理液を、減圧させると共に所要温度まで冷却させた
後消化槽に移し、該消化槽内にて嫌気性消化処理してバ
イオガスを発生させる有機性廃棄物のバイオガス化処理
方法とする。
【0015】有機性廃棄物スラリーを40〜80℃に予
熱すると、常温では高粘度となる有機性廃棄物スラリー
の粘度が低下させられる。該有機性廃棄物の低粘度スラ
リーは、粘度の低下に伴って伝熱効率を示す総括伝熱係
数が高められた状態で水熱処理装置に供給されるように
なるため、該水熱処理装置にて水熱処理温度となる15
0〜250℃まで容易に加熱され、高温高圧の亜臨界水
が作用させられることにより水熱処理されて固形物が可
溶化される。その後、水熱処理装置より取り出される有
機性廃棄物の可溶化処理液は、減圧されると共に後段の
消化槽における嫌気性消化処理の至適温度となる所要温
度まで冷却された後、消化槽に移される。該消化槽で
は、有機性廃棄物の可溶化処理液の嫌気性消化処理が行
われ、この際、有機性廃棄物の固形物は予め可溶化され
ているため、有機成分が速やかに嫌気性菌により消化処
理されてバイオガスが生産される。
【0016】又、水熱処理装置より取り出される高温の
可溶化処理液の保有する熱を、有機性廃棄物スラリーの
予熱用熱源として用いるようにするか、又は、消化槽に
て発生するバイオガスの燃焼熱を、有機性廃棄物スラリ
ーの予熱用熱源として用いるようにすることにより、予
熱装置における有機性廃棄物スラリーの予熱に要するコ
ストを削減できると共に、予熱用熱源を別途用意する必
要をなくすことができて、設備コストの削減を図ること
ができる。
【0017】更に、原料となる有機性廃棄物スラリーを
浮上濃縮槽にて40〜80℃に加熱して所要時間保持す
ることにより有機性廃棄物の浮上濃縮物と希薄スラリー
に分離させ、上記浮上濃縮槽より希薄スラリーと分離さ
れて取り出される有機性廃棄物の浮上濃縮物を、水熱処
理装置に供給して高温高圧の亜臨界水を作用させて水熱
処理することにより可溶化させ、該浮上濃縮物の可溶化
処理液を減圧させると共に所要温度まで冷却させた後、
該減圧、冷却された可溶化処理液と、上記浮上濃縮槽よ
り浮上濃縮物と分離されて取り出される希薄スラリーを
消化槽に移し、該消化槽内にて嫌気性消化処理してバイ
オガスを発生させる有機性廃棄物のバイオガス化処理方
法とすることにより、浮上濃縮槽にて有機性廃棄物スラ
リーを濃縮して、後段の水熱処理装置にて水熱処理すべ
き対象を、有機性廃棄物の浮上濃縮物のみとして水熱処
理すべき量を低減させることができると共に、上記浮上
濃縮物は、浮上濃縮槽にて温度が40〜80℃に保持さ
れているため、低粘度化させて伝熱効率を高めた状態で
水熱処理装置に供給することができ、水熱処理装置を伝
熱面積の小さいコンパクトなものとすることができて、
設備コストの削減を図ることができる。又、上記浮上濃
縮槽内では、有機性廃棄物スラリーが低粘度化されるた
め、有機性廃棄物スラリーに土砂等の無機固形物が含ま
れていたとしても、比重差により沈降分離させて除去で
きるため、該無機固形分が後段の水熱処理装置における
配管可動部分に機械的障害を引き起こす虞はない。
【0018】更に又、浮上濃縮槽より有機性廃棄物の浮
上濃縮物と分離されて回収される希薄スラリーを、消化
槽に移して嫌気性消化処理させることに代えて、上記希
薄スラリーを、消化槽より排出される消化脱離液の生物
学的消化脱窒処理を行う排水処理装置に炭素源として供
給するようにすることにより、消化槽より排出される消
化脱離液を生物学的消化脱窒処理する際に供給するため
の炭素源に要するコストを削減することができる。
【0019】更に又、浮上濃縮槽より希薄スラリーと分
離されて回収される有機性廃棄物の浮上濃縮物を、遠心
濃縮器にて遠心濃縮した後、水熱処理装置に供給するよ
うにすることにより、有機性廃棄物の浮上濃縮物に含ま
れる水分量を更に低減させてから水熱処理装置に供給で
きるため、浮上濃縮のみでは固形物濃度を高めることが
困難な固形物濃度の低い有機性廃棄物スラリーの処理に
有利なものとすることができる。
【0020】更に又、水熱処理装置より取り出される高
温の可溶化処理液の保有する熱を、浮上濃縮槽における
有機性廃棄物スラリーの加熱用熱源として用いるように
するか、又は、消化槽にて発生するバイオガスの燃焼熱
を、浮上濃縮槽における有機性廃棄物スラリーの加熱用
熱源として用いるようにすることにより、浮上濃縮槽に
おける有機性廃棄物スラリーの加熱に要するコストを削
減できると共に、該浮上濃縮槽の加熱用熱源を別途用意
する必要をなくすことができて、設備コストの削減を図
ることができる。
【0021】更に又、バイオガスの燃焼により発生する
燃焼排ガスを、浮上濃縮槽に吹き込むことにより、該浮
上濃縮槽内に気泡を発生させるようにすることにより、
浮上濃縮槽における有機性廃棄物スラリーの浮上濃縮効
率を向上させることができて、該浮上濃縮槽における浮
上濃縮時間の短縮を図ることが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0023】図1は本発明の有機性廃棄物のバイオガス
化処理方法の実施の一形態に用いる装置の一例を示すも
ので、図8に示した有機性廃棄物のバイオガス化処理装
置と同様に、水熱処理装置3と消化槽5と排水処理装置
7を上流側から順に設けた構成において、上記水熱処理
装置3の上流側に、原料となる有機性廃棄物スラリー1
0を予熱するための予熱装置11を設置し、該予熱装置
11と上記水熱処理装置3とを、低粘度スラリー移送ラ
イン12を介して接続して、予熱装置11により有機性
廃棄物スラリー10を40〜80℃に予熱処理して粘度
を低下させた後、該有機性廃棄物の低粘度スラリー13
を、低粘度スラリー移送ライン12を通して水熱処理装
置3に移送して水熱処理させ、これにより固形物に亜臨
界水を作用させて可溶化させ、しかる後、該低粘度スラ
リーの可溶化処理液14を、消化槽5に移して、該消化
槽にて速やかに嫌気性消化処理させてバイオガス6を発
生させるようにする。
【0024】詳述すると、上記予熱装置11は、図示し
ない原料供給部より供給管1を通して供給される有機性
廃棄物スラリー10を受け入れる容器15と、外部より
所要の高温流体を流通させることにより上記容器15内
の有機性廃棄物スラリー10を加熱できるようにした伝
熱管16とを備えてなる構成とし、上記伝熱管16の一
端部には、水熱処理装置3の出口側に一端を接続した可
溶化処理液移送ライン17aの他端を接続し、且つ伝熱
管16の他端部を、可溶化処理液移送ライン17bを介
して消化槽5に接続して、上記水熱処理装置3にて15
0〜250℃に加熱されて水熱処理された後、可溶化処
理液移送ライン17aへ取り出される高温の可溶化処理
液14を、予熱装置11の伝熱管16に導いて、容器1
5内の有機性廃棄物スラリー10と熱交換させることに
より、該有機性廃棄物スラリー10を所要の予熱温度に
まで間接加熱するための熱源として使用できるように
し、一方、該予熱装置11にて上記有機性廃棄物スラリ
ー10の予熱に供して冷却させた可溶化処理液14を、
可溶化処理液移送ライン17bを通して消化槽5に送る
ことができるようにしてある。
【0025】上記予熱装置11において有機性廃棄物ス
ラリー10の予熱に供された後も、可溶化処理液14の
温度が後段の消化槽5における嫌気性消化処理の至適温
度よりも高い場合には、図1に二点鎖線で示す如く、処
理液移送ライン17bの途中位置に、流通する可溶化処
理液14の温度を、消化槽5における嫌気性消化処理の
至適温度以下まで冷却するためのクーラー18を設ける
ようにする。
【0026】上記水熱処理装置3は、図1に示す如く、
管状の加圧容器としての水熱処理容器19をヒータの如
き加熱手段(図示せず)により加熱できるように備える
と共に、該水熱処理容器19の上流側の流路にピストン
ポンプの如き昇圧ポンプ20を備え、且つ下流側流路に
減圧弁21をそれぞれ備えた構成としてあり、上記予熱
装置11にて低粘度化された後、低粘度スラリー移送ラ
イン12を通して送られる有機性廃棄物の低粘度スラリ
ー13を、昇圧ポンプ20にて所要圧力まで昇圧させな
がら水熱処理容器19に連続的に装入させると共に、加
熱手段により150〜250℃に加熱して、上記低粘度
スラリー13に亜臨界水を作用させて固形物を可溶化さ
せ、しかる後、可溶化処理液14を減圧弁21により減
圧させながら可溶化処理液移送ライン17aへ連続的に
送り出すことにより、水熱処理を連続的に行うことがで
きるようにしてある。
【0027】その他、図8に示したものと同一のものに
は同一符号が付してある。
【0028】上記装置を用いて有機性廃棄物のバイオガ
ス化処理を行う場合は、先ず、原料供給部より供給管1
aを通して導いた常温(10〜30℃程度)の有機性廃
棄物スラリー10を、予熱装置11に供給して40〜8
0℃に予熱して粘度を低下させる。この際、予熱温度は
上記温度範囲内であれば高いほうが好ましい。なお予熱
温度を40〜80℃としたのは、40℃未満及び80℃
を越える場合には、粘度低減の効果が顕著ではなくなる
ためである。又、有機性廃棄物スラリー10の上記予熱
温度における保持時間は、数分程度でよく、長くても2
0〜30分程度にする。次に、上記予熱装置11より低
粘度スラリー移送ライン12を通して導いた低粘度スラ
リー13を、水熱処理装置3にて昇圧ポンプ20にて所
要圧力まで加圧すると共に加熱手段により150〜25
0℃に加熱して、低粘度スラリー13に高温高圧の亜臨
界水を作用させて固形物を可溶化させる。次いで、可溶
化処理液14を、減圧弁21にて可溶化処理液移送ライ
ン17a,17bを通して消化槽5に移送させるとき
に、予熱装置11の伝熱管16を経由させて有機性廃棄
物スラリー10と熱交換させることにより冷却させると
共に、必要に応じてクーラー18にて所要温度まで冷却
させた後消化槽5に流入させ、該消化槽5にて上記可溶
化処理液14を嫌気性消化処理させることによりバイオ
ガス6を発生させるようにする。消化槽5より排出され
る消化脱離液5は、図8に示したものと同様に、排水処
理装置7にて脱窒処理してアンモニア性窒素の除去され
た処理液9とさせてから外部に放流させる。
【0029】上記において、有機性廃棄物スラリー10
を予熱装置にて常温から40〜80℃に予熱すると、た
とえば、有機性廃棄物スラリー10としての2〜5%固
形物濃度の下水汚泥では、常温では400〜1000c
Pの粘度を有するが、80℃に熱した場合には100〜
200cPに粘度低下するというように、常温において
は高粘度となる有機性廃棄物スラリー10は、その粘度
が低下させられて低粘度スラリー13とされる。この粘
度の低下に伴って、該低粘度スラリー13では、伝熱効
率を示す総括伝熱係数が、常温の有機性廃棄物スラリー
10の場合に比して数倍から10倍程度に大きくなるた
め、上記低粘度スラリー13を水熱処理装置3に移して
水熱処理するときに、より容易に水熱処理温度まで加熱
されるようになる。又、消化槽5には、予め固形分の可
溶化された可溶化処理液14を供給するようにしてある
ことから、該消化槽5内にて有機成分の嫌気性消化処理
が速やかに行われてバイオガス6が発生させられる。
【0030】このように、高粘度で伝熱効率の低い有機
性廃棄物スラリー10を、低粘度スラリー13とするこ
とにより伝熱効率を大幅に向上させてから水熱処理装置
3に供給できるため、該水熱処理装置3における加熱を
容易に実施でき、このため低粘度スラリー13とさせる
ことに伴う上記総括伝熱係数の拡大に反比例するように
水熱処理装置3の伝熱面積を縮小することが可能になる
ことから、水熱処理装置3の小型化を図ることができ
て、設備コストを削減することが可能になる。
【0031】又、予熱装置11における有機性廃棄物ス
ラリー10の予熱は、水熱処理装置3より取り出される
高温の可溶化処理液14を熱源として用いるようにして
あることから、予熱装置11における有機性廃棄物スラ
リー10の予熱に要するコストを削減できると共に、予
熱用熱源を別途用意する必要がないため、設備コストの
削減を図ることができる。
【0032】次に、図2は本発明の実施の他の形態を示
すもので、図1に示した構成において、予熱装置11の
伝熱管16に、水熱処理装置3より高温の可溶化処理液
14を導く可溶化物移送ライン17aを接続して、上記
高温の可溶化処理液14を有機性廃棄物スラリー10の
予熱用熱源として上記伝熱管16に流通させるようにし
たことに代えて、予熱装置11の伝熱管16の両端部
に、温水ボイラ22を、温水供給管23と温水回収管2
4を介して接続して、温水ボイラ22にて発生させる高
温の温水25を、温水供給管23、伝熱管16、温水回
収管24の順に循環させることにより予熱装置11にお
ける有機性廃棄物スラリー10の予熱用熱源として用い
ることができるようにし、更に、上記温水ボイラ22に
は、消化槽5に一端を接続したガス取出管26の他端を
接続して、消化槽5における有機成分の嫌気性消化によ
り発生するバイオガス6を、ガス取出管26へ取り出し
て回収すると共に、温水ボイラ22へ燃料として供給し
て燃焼させ、このバイオガス6の燃焼熱により、上記温
水ボイラ22にて、予熱装置11における有機性廃棄物
スラリー10の予熱用熱源として用いるための高温の温
水25を発生させるようにしたものである。
【0033】上記温水ボイラ22において、消化槽5よ
り回収されるバイオガス6のみでは燃料に不足が生じる
虞がある場合は、図2に二点鎖線で示す如く、温水ボイ
ラ22に、図示しない燃料供給部より各種燃料を補助燃
料27として導くための燃料供給管28を接続して、温
水ボイラ22に、燃料供給部より燃料不足分に相当する
補助燃料27を供給させるようにする。又、水熱処理装
置3と消化槽5はクーラー18を備えた可溶化物移送ラ
イン17を介して直接接続して、上記水熱処理装置3よ
り取り出される高温の可溶化処理液14は、クーラー1
8にて後段の嫌気性消化処理の至適温度以下になるよう
に冷却させた後、可溶化物移送ライン17を通して消化
槽5へ送るようにしてある。その他の構成は図1に示し
たものと同様であり、同一のものには同一符号が付して
ある。
【0034】本実施の形態によれば、バイオガス化処理
を行うべく有機性廃棄物スラリー10を供給管1aを通
して予熱装置11に供給すると、該有機性廃棄物スラリ
ー10は、温水ボイラ22より温水供給管23を通して
伝熱管16に導かれる高温の温水25により所要の予熱
温度に予熱され、これにより粘度が低く且つ伝熱効率の
高められた低粘度スラリー13とされた後、水熱処理装
置3にて高温高圧にされることにより、亜臨界水の作用
により水熱処理されて可溶化される。しかる後、該可溶
化処理液14は、減圧弁21にて減圧され、クーラー1
8にて冷却された後、消化槽5へ移されて、該消化槽5
にて速やかに嫌気性消化処理が行われることによりバイ
オガス化が行われる。この際発生するバイオガス6は、
温水ボイラ22にて燃料として燃焼され、その燃焼熱に
より上記予熱装置11にて有機性廃棄物スラリー10の
予熱用熱源として用いる温水25の加熱が行われるよう
になる。
【0035】このように、予熱装置11にて、温水25
を熱源として有機性廃棄物スラリー10を所要の予熱温
度に予熱して伝熱効率の高い低粘度スラリー13とした
後、水熱処理装置3に供給することができるため、上記
実施の形態と同様に、水熱処理装置3における水熱処理
の対象の伝熱効率を高めることができて、水熱処理装置
3の小型化を図って設備コストを削減することができ
る。又、上記予熱装置11における有機性廃棄物スラリ
ー10の予熱用熱源としては、消化槽5にて発生させる
バイオガス6の温水ボイラ22における燃焼熱により加
熱した温水25を使用できることから、上記実施の形態
と同様に、予熱装置11における有機性廃棄物スラリー
10の予熱に要するコストを削減できると共に、予熱用
熱源を別途用意する必要がないため、設備コストの削減
を図ることも可能となる。
【0036】次いで、図3は本発明の実施の更に他の形
態を示すもので、図1と同様な構成において、水熱処理
装置3の上流側に予熱装置11を設けることに代えて、
水熱処理装置3の上流側に浮上濃縮槽29を設けて、該
浮上濃縮槽29にて、原料となる有機性廃棄物スラリー
10を40〜80℃に所要時間保持することにより、固
形物を浮上濃縮させ、該浮上濃縮槽29にて固形物濃度
が高められると同時に加熱されて粘度が低下させられた
有機性廃棄物の浮上濃縮物30を、水熱処理装置3に供
給して水熱処理させるようにしたものである。
【0037】上記浮上濃縮槽29は、上下方向に延びる
タンク31の側壁上部位置に、浮上濃縮物取出口32
を、又、上下方向中間部位置に希薄スラリー取出口33
をそれぞれ設けると共に、タンク底部に図示しない開閉
装置により開閉可能としてある無機固形物取出口34を
設け、且つタンク頂部に、図1に示した供給管1aと同
様に図示しない原料供給部から有機性廃棄物スラリー1
0を導くための供給管1aが接続してあり、更に、上下
方向中間部所要位置に、外部より所要の高温流体を流通
させることにより上記タンク31内に収容した有機性廃
棄物スラリー10を間接加熱するための伝熱管35を備
えた構成としてなり、上記浮上濃縮物取出口32には、
図1に示した水熱処理装置3と同様の水熱処理装置3を
浮上濃縮物移送ライン36を介して接続し、又、上記伝
熱管35の入口側となる一端部と、水熱処理装置3の出
口側とを可溶化物移送ライン17aにて接続すると共
に、伝熱管35の出口側となる他端部と、消化槽5とを
可溶化物移送ライン17bを介して接続した構成として
ある。更に、希薄スラリー取出口33に接続した希薄ス
ラリー移送ライン37を、上記可溶化物移送ライン17
bの途中位置に接続した構成としてある。更に又、上記
浮上濃縮槽29は、供給管1aを通して供給される有機
性廃棄物スラリー10を所要時間、たとえば、少なくと
も30分以上、好ましくは1〜2時間程度滞留させるこ
とができる容積のものとしてある。なお、上記の如く浮
上濃縮槽29における有機性廃棄物スラリー10の滞留
時間を少なくとも30分以上としたのは、常温の有機性
廃棄物スラリー10を40〜80℃に加熱すると、図1
に示した場合と同様に、スラリー全体の粘度が低下させ
られ、同時に有機性廃棄物スラリー10中の固形物の物
性が変化してその比重が軽くなるため、上記固形物は徐
々に浮上させられるようになるが、保持時間が30分未
満では、上記固形物の表層への浮上が十分に行われず、
したがって浮上分離による濃縮が十分に行われないため
である。
【0038】その他、図1に示したものと同一のものに
は同一符号が付してある。
【0039】上記装置を用いて有機性廃棄物のバイオガ
ス化処理を行う場合は、先ず、原料供給部より供給管1
aを通して導いた有機性廃棄物スラリー10を浮上濃縮
槽29に投入して、40〜80℃にて所要時間滞留させ
る。これにより、上述した如く、有機性廃棄物スラリー
10中の固形物は、浮上濃縮槽29内にて表層へ浮上さ
せられて浮上濃縮物30とされると共に、その粘度が低
下させられ、たとえば、有機性廃棄物スラリー10とし
て1.5〜2.5%固形物濃度の下水汚泥の場合には、
浮上濃縮槽にて60℃に加熱して1〜2時間保持する
と、固形物濃度が4〜8%に濃縮されると共に、粘度が
100〜200cPとなる浮上濃縮物30が浮上分離さ
れるため、固形物濃度が低くてそのまま嫌気性消化処理
可能な希薄スラリー38と上下方向に分離されるように
なる。
【0040】又、この際、原料となる有機性廃棄物スラ
リー10に土砂等の無機固形物39が含まれていた場合
には、該無機固形物39は粘度の低下したスラリー中を
比重差により沈降させられるため、上記浮上濃縮槽29
内では、表層の浮上濃縮物30と、中間層の希薄スラリ
ー38と、底層に沈降分離される無機固形物39の3相
に分離される。その後、浮上濃縮物取出口32より取り
出される浮上濃縮物30は、浮上濃縮物移送ライン36
を介して水熱処理装置3に移送し、図1に示した低粘度
スラリー13の水熱処理と同様に水熱処理することによ
り固形物を可溶化させる。その後、可溶化処理液移送ラ
イン17aに取り出される高温状態の浮上濃縮物の可溶
化処理液40は、浮上濃縮槽29の伝熱管35に導いて
流通させることにより、該浮上濃縮槽29において有機
性廃棄物スラリー10を上記所要温度まで間接加熱する
ための熱源として使用させ、その後、該有機性廃棄物ス
ラリー10と熱交換することにより冷却された可溶化処
理液40は、図1に示した可溶化処理液14と同様に、
可溶化処理液移送ライン17bを通して消化槽5へ送る
ようにし、この際、浮上濃縮槽29にて浮上濃縮物30
と分離される希薄スラリー38を、希薄スラリー取出口
33より希薄スラリー移送ライン37に取り出すととも
に、上記可溶化処理液移送ライン17bを通して消化槽
5へ送られる可溶化処理液40に混入させて消化槽5へ
送るようにし、しかる後、該消化槽5にて、上記可溶化
処理液40と希薄スラリー38を速やかに嫌気性消化さ
せることによりバイオガスを発生させるようにする。上
記消化槽5より取り出される消化脱離液8は、図1に示
した消化脱離液8と同様に、消化処理装置7て脱窒処理
した後、処理水9として外部へ放流させるようにする。
【0041】一方、浮上濃縮槽29にて底層に沈降分離
される無機固形物39は、適宜時期若しくは定期的に浮
上濃縮槽29底部の無機固形物取出口34より取り出し
て除去するようにする。
【0042】このように、本実施の形態によれば、有機
性廃棄物スラリー10中の固形物を、一旦浮上濃縮槽2
9にて濃縮させて浮上濃縮物30のみを水熱処理装置3
に供給して水熱処理させるようにしていることから、該
水熱処理装置3における処理量を減少させることができ
ると共に、上記浮上濃縮物30を低粘度化して伝熱効率
が高められた状態で水熱処理装置3に供給できるため、
該水熱処理装置3における伝熱効率を高めることがで
き、水熱処理装置3の更なる小型化を図って設備コスト
を削減することができる。又、浮上濃縮槽29における
有機性廃棄物スラリー10の加熱用熱源としては、水熱
処理装置3より高温状態で取り出される可溶化処理液4
0を用いるようにしてあることから、上記浮上濃縮槽2
9における有機性廃棄物スラリー10の加熱に要するコ
ストを削減できると共に、加熱用熱源を別途用意する必
要がないため、設備コストの削減を図ることができる。
更に、浮上濃縮槽29では、有機性廃棄物スラリー10
中の固形物濃度を浮上濃縮により高めることができるた
め、固形物濃度の比較的薄い有機性廃棄物スラリー10
のバイオガス化処理に有利なものとすることができ、
又、原料となる有機性廃棄物スラリー10に無機固形物
39が含まれていた場合には、該無機固形物39を浮上
濃縮槽29にて沈降分離させて除去できるため、水熱処
理装置3における昇圧ポンプ20や減圧弁21等の配管
可動部分に対して上記無機固形物39が摩耗、閉塞等の
機械的障害を引き起こす虞を解消できる。
【0043】更に、図4は本発明の実施の更に他の形態
を示すもので、図3に示したものと同様な構成におい
て、希薄スラリー移送ライン37の他端を、可溶化物移
送ライン17bの途中位置に接続することに代えて、排
水処理装置7に接続すると共に、該排水処理装置7を、
生物学的消化脱窒処理法による脱窒処理を行うものとし
て、浮上濃縮槽29にて浮上濃縮物30や無機固形物3
9と分離されて希薄スラリー取出口33より取り出され
る希薄スラリー38を、廃水処理装置7に、消化脱離液
8を生物学的消化脱窒処理するための炭素源として供給
するようにしたものである。
【0044】その他の構成は図3に示したものと同様で
あり、同一のものには同一符号が付してある。
【0045】本実施の形態によれば、消化槽5より排出
される消化脱離液8を生物学的消化脱窒処理する際に供
給すべき炭素源のために要するコストを削減することが
できる。
【0046】更に又、図5は本発明の実施の更に他の形
態を示すもので、図3に示したものと同様な構成におい
て、浮上濃縮槽29に伝熱管35を設けて、該伝熱管3
5に、水熱処理装置3より高温の可溶化処理液40を導
く可溶化物移送ライン17aを接続して、上記高温の可
溶化処理液40を浮上濃縮槽29の加熱用熱源とするよ
うにしたことに代えて、浮上濃縮槽29に、上下方向に
延びて上端部がタンク31の頂部中心部を貫通し且つ下
端部がタンク31内の下部所要位置に達する蒸気吹込管
41を設置し、該蒸気吹込管41の上端に、蒸気ボイラ
42より蒸気43を導くための蒸気配管44を接続し
て、蒸気ボイラ42にて発生させた蒸気43を蒸気配管
44、蒸気吹込管41を通して導いて、浮上濃縮槽29
にて所要時間滞留させる有機性廃棄物スラリー10内に
直接噴出させることにより、該有機性廃棄物スラリー1
0を40〜80℃に加熱できるようにし、更に、上記蒸
気ボイラ42には、消化槽5に一端を接続したガス取出
管26の他端を接続して、消化槽5における有機成分の
嫌気性消化により発生するバイオガス6を、上記ガス取
出管26を介して蒸気ボイラ42へ燃料として供給して
燃焼させ、このバイオガス6の燃焼熱により、上記蒸気
ボイラ42にて、浮上濃縮槽29における有機性廃棄物
スラリー10の加熱用熱源として用いるための蒸気43
を発生させるようにしたものである。
【0047】上記蒸気ボイラ42において、消化槽5よ
り回収されるバイオガス6のみでは燃料に不足が生じる
虞がある場合には、図5に二点鎖線で示す如く、蒸気ボ
イラ42に、図示しない燃料供給部より各種燃料を補助
燃料27として導くための燃料供給管28を接続して、
燃料供給部より蒸気ボイラ42へ燃料不足分に相当する
補助燃料27を供給して燃焼させるようにする。又、水
熱処理装置3と消化槽5はクーラー18を備えた可溶化
物移送ライン17を介して直接接続して、上記水熱処理
装置3より取り出される高温の可溶化処理液40は、上
記クーラー18にて後工程の嫌気性消化処理の至適温度
以下になるように冷却させた後、可溶化物移送ライン1
7を通して消化槽5へ送るようにしてある。その他の構
成は図3に示したものと同様であり、同一のものには同
一符号が付してある。
【0048】本実施の形態によれば、消化槽5における
嫌気性消化の際に発生するバイオガス6を蒸気ボイラ4
2にて燃料として燃焼させ、その燃焼熱により浮上濃縮
槽29における有機性廃棄物スラリー10の直接加熱に
用いるための蒸気43を発生させるようにしてあるた
め、図3に示した実施の形態と同様に、浮上濃縮槽29
における有機性廃棄物スラリー10の所要温度までの加
熱に要するコストを削減できると共に、加熱用熱源を別
途用意する必要がないため、設備コストの削減を図るこ
とも可能となる。
【0049】更に、図6は、本発明の実施の更に他の形
態を示すもので、図5に示したものと同様な構成におい
て、浮上濃縮物移送ライン36の途中位置に、遠心濃縮
器45を設置すると共に、該遠心濃縮器45より固形物
と遠心分離されるろ液46を排出させるためのろ液排出
ライン47を、希薄スラリー移送ライン37の途中位置
に接続した構成として、浮上濃縮槽29より浮上濃縮物
移送ライン36を通して導かれる浮上濃縮物30を、遠
心濃縮器45にて遠心分離させることにより、水分をろ
液46として更に分離させて浮上濃縮物30の固形物濃
度を更に高めた後、水熱処理装置3へ送ることができる
ようにし、一方、上記遠心濃縮器45における遠心濃縮
により上記浮上濃縮物30と分離されるろ液46は、ろ
液排出ライン47を通して希薄スラリー移送ライン37
に導いて、該希薄スラリー移送ライン37を通して消化
槽5へ移送される希薄スラリー37に混入させるように
して、消化槽5にて嫌気性消化させることにより、バイ
オガス化処理を行わせるようにしたものである。
【0050】その他の構成は、図5に示したものと同様
であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0051】本実施の形態によれば、有機性廃棄物スラ
リー10は、浮上濃縮槽29にて図5に示したものと同
様にして固形物濃度が高められた浮上濃縮物とされた
後、遠心濃縮器45にて含まれる水分量が更に減少させ
られて、更に固形物濃度を高めた状態の浮上濃縮物3
0、すなわち、たとえば、原料の有機性廃棄物スラリー
10として0.5%固形物濃度の下水汚泥を処理した場
合には、浮上濃縮槽29にて60℃に加熱して1〜2時
間保持すると、1.5〜3%まで固形物濃度が濃縮され
た浮上濃縮物30が得られ、これを遠心濃縮器45にて
更に遠心濃縮することにより、4〜8%固形物濃度の浮
上濃縮物30が得られ、且つ該浮上濃縮物30は上記温
度までの加熱されることにより、粘度が低下させられて
伝熱効率が高められた状態で水熱処理装置3に供給され
るようになるため、浮上濃縮槽29における浮上濃縮の
みでは固形物濃度を高めることが難しい固形物濃度の低
い有機性廃棄物スラリー10の処理に有利なものとする
ことができる。
【0052】更に、図7は本発明の実施の更に他の形態
を示すもので、図6に示したものと同様な構成におい
て、浮上濃縮槽29に、蒸気吹込管41を設置し、該蒸
気吹込管41に、蒸気ボイラ42より蒸気43を導くた
めの蒸気配管44を接続し、且つ該蒸気ボイラ42に
は、消化槽5に一端を接続したガス取出管26の他端を
接続した構成とすることに代えて、浮上濃縮槽29を、
タンク31の上下方向中間部所要位置に、外部より所要
の高温流体を流通させることにより上記タンク31内に
収容した有機性廃棄物スラリー10を間接加熱するため
の伝熱管48を備えると共に、該浮上濃縮槽29内の下
端部に、外部より後述する燃焼ガス49を導いて散気さ
せるための散気装置50を設けた構成とし、且つ上記浮
上濃縮槽29の伝熱管48の両端部には、図2に示した
温水ボイラ22と同様に、消化槽5よりガス取出管26
を介してバイオガス6を導いて燃料として燃焼させるこ
とにより高温の温水25を発生させるようにしてある温
水ボイラ22を、温水供給管23と温水回収管24を介
して接続して、温水ボイラ22にて発生させる高温の温
水25を、温水供給管23、伝熱管48、温水回収管2
4の順に循環させることにより浮上濃縮槽29における
有機性廃棄物スラリー10の加熱用熱源として用いるこ
とができるようにし、更に、上記散気装置50には、上
記温水ボイラ22の排ガスライン51より分岐させた分
岐管52の先端部を接続して、温水ボイラ22より排ガ
スライン51を通して排出される燃焼排ガス49の一部
を、分岐管を通して散気装置50に導き、該散気装置5
0より浮上濃縮槽29に収容した有機性廃棄物スラリー
10内に噴出させることにより、該有機性廃棄物スラリ
ー10内に気泡を発生させることができるようにしたも
のである。
【0053】その他の構成は図6に示したものと同様で
あり、同一のものには同一符号が付してある。
【0054】本実施の形態によれば、浮上濃縮槽29に
おいて、消化槽5より回収したバイオガス6を燃料とし
て温水ボイラ22にて発生させる高温の温水25を、伝
熱管に流通させることにより浮上濃縮槽29における有
機性廃棄物スラリー10の間接加熱が行われると共に、
温水ボイラ22の燃焼排ガス49の一部が散気装置50
より直接吹き込まれることによる有機性廃棄物スラリー
10の直接加熱も行われるため、たとえば、1tの有機
性廃棄物スラリー10に対して、上記温水25との加熱
割合を鑑みて燃焼排ガス49の噴出量を0.5〜10m
の範囲で調整することにより、有機性廃棄物スラリー
10を40〜80℃に加熱して浮上濃縮を行わせること
ができるため、浮上濃縮槽29における有機性廃棄物ス
ラリー10の加熱時間を短縮できる。又、燃焼排ガス4
9を有機性廃棄物スラリー10に吹き込んで気泡を発生
させることができるため、浮上濃縮槽29における固形
物の浮上分離を促進して浮上濃縮効率を向上させること
ができ、該浮上濃縮槽29における浮上濃縮に要する時
間を短縮することも可能になる。
【0055】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではなく、図2では、温水ボイラ22にて発
生させた高温の温水25を伝熱管16に通すことにより
予熱用熱源として用いるものを示したが、伝熱管16
に、バイオガス6を燃料とする蒸気ボイラにて発生させ
た蒸気を流通させて予熱用熱源として用いるようにして
もよいこと、図5乃至図7に示した実施の形態におい
て、希薄スラリー移送ライン37の他端を、図4に示し
た実施の形態と同様に排水処理装置7に接続して、浮上
濃縮槽29より回収される希薄スラリー38を、消化脱
離液8の生物学的消化脱窒処理を行うための炭素源とし
て排水処理装置7へ供給するようにしてもよいこと、図
5及び図6に示した実施の形態において、蒸気ボイラ4
2の燃焼排ガスを、図7に示した実施の形態と同様に、
浮上濃縮槽29における気泡発生用のガスとして用いる
ようにしてもよいこと、図7に示したものでは、浮上濃
縮槽29における有機性廃棄物スラリー10の加熱用熱
源としては、温水25と燃焼排ガス49を併用したもの
として示したが、いずれか一方のみにより有機性廃棄物
スラリー10の加熱を行うようにしてもよいこと、水熱
処理装置3は、供給される有機性廃棄物の低粘度スラリ
ー13や、浮上濃縮物30を高温高圧にして亜臨界水を
作用させることにより有機成分の固形物を可溶化できれ
ば、いかなる形式のものを採用してもよいこと、その
他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の有機性廃棄物
のバイオガス化処理方法によれば、原料となる有機性廃
棄物スラリーを40〜80℃に予熱して粘度を低下させ
た後、水熱処理装置に供給して高温高圧の亜臨界水を作
用させて水熱処理することにより可溶化させ、次に、該
有機性廃棄物の可溶化処理液を、減圧させると共に所要
温度まで冷却させた後消化槽に移し、該消化槽内にて嫌
気性消化処理してバイオガスを発生させるようにしてあ
るので、常温では高粘度で伝熱効率の低い有機性廃棄物
スラリーを、低粘度スラリーとすることにより伝熱効率
を大幅に向上させてから水熱処理装置に供給できるた
め、該水熱処理装置における加熱を容易に実施でき、こ
のため水熱処理装置の伝熱面積を縮小できることから、
水熱処理装置の小型化を図ることができて、設備コスト
を削減することができるという優れた効果を発揮し、
又、水熱処理装置より取り出される高温の可溶化処理液
の保有する熱を、有機性廃棄物スラリーの予熱用熱源と
して用いるようにするか、又は、消化槽にて発生するバ
イオガスの燃焼熱を、有機性廃棄物スラリーの予熱用熱
源として用いるようにすることにより、予熱装置におけ
る有機性廃棄物スラリーの予熱に要するコストを削減で
きると共に、予熱用熱源を別途用意する必要をなくすこ
とができて、設備コストの削減を図ることができる。更
に、原料となる有機性廃棄物スラリーを浮上濃縮槽にて
40〜80℃に加熱して所要時間保持することにより有
機性廃棄物の浮上濃縮物と希薄スラリーに分離させ、上
記浮上濃縮槽より希薄スラリーと分離されて取り出され
る有機性廃棄物の浮上濃縮物を、水熱処理装置に供給し
て高温高圧の亜臨界水を作用させて水熱処理することに
より可溶化させ、該浮上濃縮物の可溶化処理液を減圧さ
せると共に所要温度まで冷却させた後、該減圧、冷却さ
れた可溶化処理液と、上記浮上濃縮槽より浮上濃縮物と
分離されて取り出される希薄スラリーを消化槽に移し、
該消化槽内にて嫌気性消化処理してバイオガスを発生さ
せるようにすることにより、浮上濃縮槽にて有機性廃棄
物スラリーを濃縮して、後段の水熱処理装置にて水熱処
理すべき対象を、有機性廃棄物の浮上濃縮物のみとして
水熱処理量を低減させることができて、水熱処理に要す
る加熱コストを削減できると共に、上記浮上濃縮物は、
浮上濃縮槽にて温度が40〜80℃に保持されているた
め、低粘度化させて伝熱効率を高めた状態で水熱処理装
置に供給することができ、水熱処理装置を伝熱面積の小
さいコンパクトなものとすることができて、設備コスト
の削減を図ることができ、又、上記浮上濃縮槽内では、
有機性廃棄物スラリーが低粘度化されるため、有機性廃
棄物スラリーに土砂等の無機固形物が含まれていたとし
ても、比重差により沈降分離させて除去できるため、該
無機固形分が後段の水熱処理装置における配管可動部分
に機械的障害を引き起こす虞はなく、したがって、土砂
等の無機固形分の混入した有機性廃棄物スラリーのバイ
オガス化処理に有利なものとすることができるという優
れた効果を発揮し、更に、浮上濃縮槽より有機性廃棄物
の浮上濃縮物と分離されて回収される希薄スラリーを、
消化槽に移して嫌気性消化処理させることに代えて、上
記希薄スラリーを、消化槽より排出される消化脱離液の
生物学的消化脱窒処理を行う排水処理装置に炭素源とし
て供給するようにすることにより、消化槽より排出され
る消化脱離液を生物学的消化脱窒処理する際に供給する
ための炭素源に要するコストを削減することができ、更
に又、浮上濃縮槽より希薄スラリーと分離されて回収さ
れる有機性廃棄物の浮上濃縮物を、遠心濃縮器にて遠心
濃縮した後、水熱処理装置に供給するようにすることに
より、有機性廃棄物の浮上濃縮物に含まれる水分量を更
に低減させてから水熱処理装置に供給できるため、浮上
濃縮のみでは固形物濃度を高めることが困難な固形物濃
度の低い有機性廃棄物スラリーの処理に有利なものとす
ることができ、更に又、水熱処理装置より取り出される
高温の可溶化処理液の保有する熱を、浮上濃縮槽におけ
る有機性廃棄物スラリーの加熱用熱源として用いるよう
にするか、又は、消化槽にて発生するバイオガスの燃焼
熱を、浮上濃縮槽における有機性廃棄物スラリーの加熱
用熱源として用いるようにすることにより、浮上濃縮槽
における有機性廃棄物スラリーの加熱に要するコストを
削減できると共に、該浮上濃縮槽の加熱用熱源を別途用
意する必要をなくすことができて、設備コストの削減を
図ることができ、更に又、バイオガスの燃焼により発生
する燃焼排ガスを、浮上濃縮槽に吹き込むことにより、
該浮上濃縮槽内に気泡を発生させるようにすることによ
り、浮上濃縮槽における有機性廃棄物スラリーの浮上濃
縮効率を向上させることができて、該浮上濃縮槽におけ
る浮上濃縮時間の短縮を図ることが可能になる等の効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機性廃棄物のバイオガス化処理方法
の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】本発明の実施の他の形態を示す概要図である。
【図3】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図であ
る。
【図4】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図であ
る。
【図5】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図であ
る。
【図6】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図であ
る。
【図7】本発明の実施の更に他の形態を示す概要図であ
る。
【図8】従来の有機性廃棄物のバイオガス化処理方法の
一例を示す概要図である。
【符号の説明】
3 水熱処理装置 5 消化槽 6 バイオガス 7 排水処理装置 8 消化脱離液 10 有機性廃棄物スラリー 14 可溶化処理液 29 浮上濃縮槽 30 浮上濃縮物 38 希薄スラリー 40 可溶化処理液 45 遠心濃縮器 49 燃焼排ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 11/04 C02F 11/12 Z 11/06 B09B 3/00 ZABC 11/12 D 304Z (72)発明者 渡辺 幸市 東京都江東区豊洲三丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 藤井 衛 東京都江東区豊洲三丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 三輪 敬一 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜環境テクニカ ルセンター内 Fターム(参考) 4D004 AA01 AA02 AA03 AC05 BA03 CA13 CA17 CA22 CA24 DA03 DA06 4D040 AA12 AA46 AA47 AA61 AA63 4D059 AA07 BA12 BA21 BE38 BE41 BF02 BF15 BF20 BK12 CA07 CA14 EB04 EB06 EB08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料となる有機性廃棄物スラリーを40
    〜80℃に予熱して粘度を低下させた後、水熱処理装置
    に供給して高温高圧の亜臨界水を作用させて水熱処理す
    ることにより可溶化させ、次に、該有機性廃棄物の可溶
    化処理液を、減圧させると共に所要温度まで冷却させた
    後消化槽に移し、該消化槽内にて嫌気性消化処理してバ
    イオガスを発生させることを特徴とする有機性廃棄物の
    バイオガス化処理方法。
  2. 【請求項2】 水熱処理装置より取り出される高温の可
    溶化処理液の保有する熱を、有機性廃棄物スラリーの予
    熱用熱源として用いるようにした請求項1記載の有機性
    廃棄物のバイオガス化処理方法。
  3. 【請求項3】 消化槽にて発生するバイオガスの燃焼熱
    を、有機性廃棄物スラリーの予熱用熱源として用いるよ
    うにした請求項1記載の有機性廃棄物のバイオガス化処
    理方法。
  4. 【請求項4】 原料となる有機性廃棄物スラリーを浮上
    濃縮槽にて40〜80℃に加熱して所要時間保持するこ
    とにより有機性廃棄物の浮上濃縮物と希薄スラリーに分
    離させ、上記浮上濃縮槽より希薄スラリーと分離されて
    取り出される有機性廃棄物の浮上濃縮物を、水熱処理装
    置に供給して高温高圧の亜臨界水を作用させて水熱処理
    することにより可溶化させ、該浮上濃縮物の可溶化処理
    液を減圧させると共に所要温度まで冷却させた後、該減
    圧、冷却された可溶化処理液と、上記浮上濃縮槽より浮
    上濃縮物と分離されて取り出される希薄スラリーを消化
    槽に移し、該消化槽内にて嫌気性消化処理してバイオガ
    スを発生させることを特徴とする有機性廃棄物のバイオ
    ガス化処理方法。
  5. 【請求項5】 浮上濃縮槽より有機性廃棄物の浮上濃縮
    物と分離されて回収される希薄スラリーを、消化槽に移
    して嫌気性消化処理させることに代えて、上記希薄スラ
    リーを、消化槽より排出される消化脱離液の生物学的消
    化脱窒処理を行う排水処理装置に炭素源として供給する
    ようにした請求項4記載の有機性廃棄物のバイオガス化
    処理方法。
  6. 【請求項6】 浮上濃縮槽より希薄スラリーと分離され
    て回収される有機性廃棄物の浮上濃縮物を、遠心濃縮器
    にて遠心濃縮した後、水熱処理装置に供給するようにし
    た請求項4又は5記載の有機性廃棄物のバイオガス化処
    理方法。
  7. 【請求項7】 水熱処理装置より取り出される高温の可
    溶化処理液の保有する熱を、浮上濃縮槽における有機性
    廃棄物スラリーの加熱用熱源として用いるようにした請
    求項4、5又は6記載の有機性廃棄物のバイオガス化処
    理方法。
  8. 【請求項8】 消化槽にて発生するバイオガスの燃焼熱
    を、浮上濃縮槽における有機性廃棄物スラリーの加熱用
    熱源として用いるようにした請求項4、5又は6記載の
    有機性廃棄物のバイオガス化処理方法。
  9. 【請求項9】 バイオガスの燃焼により発生する燃焼排
    ガスを、浮上濃縮槽に吹き込むことにより、該浮上濃縮
    槽内に気泡を発生させるようにした請求項8記載の有機
    性廃棄物のバイオガス化処理方法。
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