JP2003117011A - 避難具 - Google Patents

避難具

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JP2003117011A
JP2003117011A JP2001312152A JP2001312152A JP2003117011A JP 2003117011 A JP2003117011 A JP 2003117011A JP 2001312152 A JP2001312152 A JP 2001312152A JP 2001312152 A JP2001312152 A JP 2001312152A JP 2003117011 A JP2003117011 A JP 2003117011A
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heat
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Masao Koyama
正男 小山
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KOYAMA RESCUE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物が建設される時点では、コストやスペー
スの問題で設計仕様に含まれていなかった避難設備に関
し、環境や時代の変化に応じ、特にビル火災に対応する
ため、しかるべき防災避難の手段を講ずる必要に迫られ
た既存のビルディングに、追加工として後付け施工する
事ができて、しかも効果的な高所用避難具が望まれてい
る。又、大通りに面した外壁(5)に既設の窓があれば
利用したい。 【解決手段】 渡り板(1)の両脇(1a),(1a)
で折り畳み自在に付設された欄干部(2)を有する跳ね
橋(10)と、その跳ね橋(10)を建物(4)の外壁
(5)にある開口部(6)の敷居(7)で枢軸支承し、
跳ね揚げと架け降ろしの回動を自在にする蝶番(8)
と、前記跳ね橋(10)及び欄干部(2)を平常時には
縮小して収納する収納機構と、非常時には跳ね橋(1
0)を建物(4)の外部方向へ架設展開する展開維持機
構(9)とを備えた避難具を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に火災時のビル
ディングからの脱出を補助する避難具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のビルディングに設置され、平常時
も利用できる「非常階段」を補完する高所用避難具とし
て、非常時専用の「救助袋」、「緩降機」や「縄梯子内
臓型避難ハッチ」等があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、被災者が逃げ
残された階の下方の階から火炎や有毒ガスの煤煙が吹き
上げている場合は、被災者はその火炎や有毒ガスの煤煙
の直撃を避けられないので前記何れの方式でも、無事に
生還することが困難になる。
【0004】そして、不幸な火災現場の実況映像を見る
に、ビルディングの高層階で逃げ遅れた被災者は、猛火
や有毒ガスの煤煙に包まれた建物の内部から、身を乗り
出し、窓枠等の僅かな突起や迫りだし部分にしがみつい
て、建物の開口部や外壁で、救助されるまで待機してい
る姿がある。
【0005】その待機している被災者が、力尽きず生存
可能な数分以内に梯子車又はヘリコプターによる救助が
成功するか否かはレスキュー隊に委ねるとしても、その
極限状態におかれて救助を待っている最中の被災者が、
何分何秒間の生存を維持できるかが、被災者の生死を分
ける境目である。
【0006】そのことは建物の開口部や外壁の近くで、
救助されるまで待機している数分間に亘り、猛火や有毒
ガスの煤煙の直撃を避けられ、たとえ被災者の意識が薄
らいでも、或いは避難具にしがみつく力が尽きても容易
に転落しないようにすることである。
【0007】又、従来の高所用避難具は、その建物が建
設される時点で予め設計され、施工されるものであり、
必要に迫られた既存のビルディングに追加工として後付
け施工する事は困難であった。
【0008】本発明は、コスト、スペース及び土地家屋
の利用形態によって制約される諸般の事情により、防災
面での設計に不備があり、指摘されながらも、それを抜
本的に改善するほどの大規模修繕までは、実施出来ない
既存のビルディングに対し、簡素な追加工として後付け
施工できる避難具である。
【0009】この避難具を設置したビルディングで火災
が発生し、そこの高層階で逃げ遅れた被災者は、猛火や
有毒ガスの煤煙に包まれた建物の内部から、この避難具
が建物の外側に展開する迫りだし部分を利用して、身を
乗り出し、建物の開口部や外壁から数メートルでも離れ
た位置で待機し、かつ逃げ残された階の下の階から火炎
や有毒ガスの煤煙が吹き上げている場合にも、それらの
直撃を避けられるようにし、たとえ被災者の意識が薄ら
いでも、或いは避難具にしがみつく力が尽きても容易に
転落せず、梯子車の梯子やバスケットが届くまでの数分
間を生存させることのできる避難具を提供することを目
的としている。
【0010】又、「後付け施工できる避難具」としての
みならず、「新規建設時における正式な防災設計仕様」
として採用されれば、なお最善の実施形態を呈すること
ができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、渡り板(1)の両脇で折り
畳み自在に付設された欄干部(2)を有する跳ね橋(1
0)と、その跳ね橋(10)を建物(4)の外壁(5)
にある開口部(6)の敷居(7)で枢軸支承し、跳ね揚
げと架け降ろしの回動を自在にする蝶番(8)と、前記
跳ね橋(10)及び欄干部(2)を平常時には縮小して
収納する収納機構と、非常時には前記収納機構の収納形
状維持を解放することにより前記跳ね橋(10)を建物
(4)の外部方向へ架設展開する展開維持機構(9)と
を備え、少なくとも退避所要時間以上の耐熱維持できる
耐熱防炎構造であることを特徴とする避難具とした。
【0012】この様にしたので、諸般の事情により、避
難階段を設置するスペースのない既存のビルディングに
でも、平常時には跳ね橋(10)を嵩張ってじゃまにな
らないように縮小収納し、跳ね上げて、開口部(6)を
閉鎖し、非常時にのみ展開して利用できるので、道路に
面した外壁(5)にある既存の窓等に取り付けるか、又
は2m2程度の穴を開けて取り付けることができる。
【0013】そして、火災時に逃げ遅れた被災者は、猛
火に包まれた建物の内部から、身を乗り出して、建物の
開口部や外壁から数メートルでも離れた位置で待機し、
梯子車のバスケット等が届くまでの数分間を生存するこ
とができる。
【0014】又、請求項2に係る発明は、前記耐熱防炎
構造として、耐熱防炎性の板による前記渡り板(1)
と、耐熱防炎性の板及び/又はシートによる前記欄干部
(2)とを備えた。
【0015】この様にしたので、逃げ遅れた被災者は、
猛火に包まれた建物の内部から、身を乗り出して、建物
の開口部や外壁から数メートルでも離れた位置で、梯子
車のバスケット等が届くまでの時間を、渡り板(1)
と、耐熱防炎性の板及び/又はシートによる前記欄干部
(2)により形成された防火バリヤに囲まれて待機でき
る。従って、その逃げ遅れた被災者は、逃げ残された階
の下の階から火炎や有毒ガスの煤煙が吹き上げている場
合にも、下からの火炎の直撃を避けられるので、数分間
を生存することができる。
【0016】又、請求項3に係る発明は、多段折り畳み
自在及び/又は多段伸縮自在の前記渡り板(11j),
(11k)を備えた。又、請求項4に係る発明は、蛇腹
構造のシートによる前記欄干部(2)を備えた。
【0017】又、請求項5に係る発明は、前記敷居
(7)から最も遠い前記渡り板(1)の突端部に付設さ
れ、その突端部を下向きに延長する折り畳み自在の防火
板(3)と、前記蝶番(8)の枢軸と平行な要軸を前記
突端部に持つ扇状機構(21)と、その扇状機構(2
1)に関連して前記防火板(3)の両脇の辺(3a),
(3a)に扇状機構(21)の一方の半径片端を接し、
他方の半径片端を前記欄干部(2)の突端部の辺(2
b)に、その平面延長として扇型に展開する蛇腹を備え
た。
【0018】これら請求項3、請求項4又は請求項5に
係る発明の避難具は、蛇腹構造や多段折り畳み自在及び
/又は多段伸縮自在の構造であり、平常時においては嵩
張らないように、縮小して収納できるので、この避難具
を設置したことによる、平常時の居住性や見栄えを害さ
ない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明によ
る実施例について説明する。
【0020】図1は本発明の第一の実施形態における、
跳ね橋が非常時に利用可能な状態に展開維持した状態を
示す斜視図であり、その跳ね橋10は、渡り板1、欄干
部2、防火板3、扇状機構21が蝶番8,80,82で
連繋され、これら全体が耐熱防炎構造になっている。
【0021】又、跳ね橋10は建物4の外壁5にある開
口部6の敷居7で蝶番8により、跳ね揚げと架け降ろし
の回動を自在に枢軸支承されている。そして、渡り板1
の突端には蝶番8と軸平行の蝶番82があり、その蝶番
82により枢軸回動自在の防火板3が支承され、非常時
の使用状態においては、遊具の滑り台程度に下降する傾
斜角度を保つか、又は垂直下向に展開維持できるように
構成されている。従って、蝶番82の開き角度は最大で
約270度以下に規制されている。
【0022】さらに、跳ね橋10は耐熱防炎性の渡り板
1の両脇の二辺1a,1aで、蝶番80により折り畳み
自在に付設された耐熱防炎性の板又はシートによる欄干
部2を有している。その欄干部2は、外壁5沿いの一辺
2aが開口部6の両脇の二辺6aに、それぞれ接してい
る。なお、欄干部2が蛇腹構造、又は柔軟性に富むシー
トであれば、蝶番80を省略しても折り畳み自在であ
る。ただし、その場合は骨格部材として、図4に示す支
柱39やステー・ワイヤ40等が必要である。
【0023】又、扇状機構21は扇の骨格と蛇腹構造の
シートとにより構成され、蝶番82の両端部で、その枢
軸と平行な要(かなめ)の軸を持つように、その扇状機
構21は開閉自在である。ただし、前記要(かなめ)の
軸は、跳ね橋10を折り畳んで収納する都合により、欄
干部2が剛性のある板であれば、厳密な軸精度を維持せ
ずに、むしろ軸直角方向にも柔軟に曲がる全方位関節で
あるか、又は前記要(かなめ)の軸そのものを無くした
方が良い。逆に、欄干部2が柔軟性に富むシートであれ
ば、前記要(かなめ)の軸と蝶番82の枢軸を一体にし
て兼用しても良い。
【0024】又、欄干部2の四辺のうち外壁5や蝶番8
から遠い方の一辺2bには、扇状機構21の一方の直径
部が接合され、扇状機構21の他方の直径部は防火板3
の側辺3aに接合され、渡り板1に対して防火板3の蝶
番82による開き角度が、0〜270度で展開する際
に、渡り板1の突端部にある蝶番82の枢軸から、さら
に欄干部2の高さ分、すなわち辺2bの長さを半径とす
る扇形又は半円形の防火膜を形成する。
【0025】跳ね橋10及び欄干部2を平常時には縮小
して収納する扉型の収納機構(図4参照)により、建具
として通常見うけられる扉の大きさと形状にまとめら
れ、開口部6を閉鎖し、転落防止の対策を施している。
開口部6の内側には、「非常の際には赤いレバー(「吊
り輪」や「握り玉」としても良い)を止まるまで引いて
から、脱出用の渡り板を、外側に蹴り倒すか、体当たり
で屋外に押し倒し、そこに乗って、救助を待って下さ
い」等の案内文を記載し、周知のニッカド電池内臓の停
電バックアップ照明を施してある(図示せず)。
【0026】非常時には前記扉型の収納機構の一部をな
す、外枠、蓋、ホルダ、ストッパ、爪、掛け金、閂(か
んぬき)等の係止具に対して、例えば、その閂等を引き
抜く取っ手、引き手、梃子、及びレバー、若しくは吊り
輪状の握り手付き操作紐などの係合動作(容易に創致で
きるので図示せず)により、跳ね橋10が収納された形
状の維持を解放する。被災者若しくは避難誘導者は前記
案内文に示したように「赤いレバーを引いてから、脱出
用の渡り板を、体当たりで外側へ押し倒す(一部省
略)」という程度に簡単で、訓練の要らない単純動作に
より、避難具の目的を容易かつ迅速確実に達成できる操
作になっている。
【0027】展開維持機構9は、跳ね橋10を建物の外
部方向へ架設展開した状態を維持するための筋交(すじ
かい)状の支持部材である他、図示せぬバネやホックに
より瞬時の展開動作とその展開形状を維持する機構も含
まれる。具体的には渡り板1を略水平に保つように、蝶
番8の枢軸回動する開き角度を約90度に規制してい
る。そして、図1に示した跳ね橋10の場合は、渡り板
1に規定の人数、例えば渡り板1の面積で収容可能な2
0名が載ってもその体重で破壊しないだけの片持ち梁の
強度を備えている。
【0028】図2は図1のものが火災発生時に利用され
る状況を示す側面図であり、4階建ての建物4におい
て、大通りに面した外壁5にある窓62,63,64の
敷居7に跳ね橋12,13,14がある。衝撃吸収マッ
ト15、梯子車16、バスケット17、消防士18、放
水銃19は、ビル火災における周知の消火救護活動の形
態を示す要素である。
【0029】跳ね橋12,13,14は、蝶番8により
跳ね揚げと架け降ろしの回動を自在に枢軸支承されてい
る。今、建物4の1階フロアから出火し、出入口61は
既に防火シャッター71が閉塞し、かつ高温の有毒ガス
と猛火が2,3,4階フロア2F,3F,4Fを取り巻
き、それぞれの窓62,63,64を煙突として、そこ
から吹き上げているとする。
【0030】2階以上のフロア2F,3F,4Fで逃げ
送れて、取り残された被災者92,93,94若しくは
避難誘導者は前記案内文に示したように「赤いレバーを
引いてから、脱出用の渡り板を、体当たりで外側へ押し
倒す(一部省略)」との操作により、跳ね橋12,1
3,14を建物4の大通りに面した外壁5から外方向
に、展開し維持する。
【0031】そして、フロア2Fの被災者92aは、同
92b,92c,92dの動作を経て、地上の救護者が
広げて待機する衝撃吸収マット15に向けて滑り降り
る。その際に、被災者92cは欄干部2の延長面をなす
扇状機構21を両手で触りながら、滑り台状の防火板3
を滑り降りるので、恐怖心による心理的な抵抗も緩和さ
れるので、被災者94も怖気づかず、退避行動が速やか
である。
【0032】又、フロア3Fの被災者93は、跳ね橋1
3の上で、高温の火炎と有毒な煤煙避けるように、頭を
外に向けてうつ伏せに待機し、救助を待つ。この時、被
災者93は放水銃19の霧状散水を浴びれば、火炎の高
熱に対抗できるので、延命時間を稼げるであろう。一
方、フロア4Fの被災者94aは、同94bの動作を経
て、梯子車16から伸び上がるバスケット17に乗って
救護に来た消防士18の誘導に応じ、バスケット17に
乗り移る。
【0033】これらの極限状態において、耐熱防護服と
酸素マスク等を着用していない被災者92,93,94
は跳ね橋12,13,14の渡り板1、欄干部2、防火
板3及び扇状機構21による凹部に囲まれて、下から吹
き上げて致命的危害を加える高温の火炎と有毒な煤煙の
直撃を避けられるので、延命の猶予時間を与えられる。
【0034】そして、たとえ被災者93,94が跳ね橋
13,14の前記凹部内で、うずくまったまま気絶して
も、前述の環境は、跳ね橋13,14のない窓枠等にし
がみついた極限状態から、力尽きて地上に落下激突し、
即死するのに比べれば、はるかに延命時間を稼げるの
で、時間においても人数においても生存率と生還率を高
められる。
【0035】図3は本発明の第二の実施形態における、
跳ね橋100が非常時に利用可能な状態に展開維持した
状態を示す側面図であり、その跳ね橋100は、渡り板
11j,11k、欄干部2、防火板3、扇状機構21、
支柱39がアンカー・フック38、蝶番8,81,82
及びステー・ワイヤ40,41,42で連繋され、これ
ら全体が耐熱防炎構造になっている。
【0036】アンカー・フック38は外壁5に埋設固定
され、所定の荷重に耐え得るように、建物4の梁や柱に
係止することが望ましい。ステー・ワイヤ40,41,
42は鋼鉄の芯線に耐熱被覆を施したものである。そし
て、ステー・ワイヤ40は支柱39の上端部39aとア
ンカー・フック38とを所定長さでステー結合し、ステ
ー・ワイヤ41,42は蝶番81,82とアンカー・フ
ック38とを所定長さでステー結合し、跳ね橋100の
耐荷重強度を確保している。なお、ステー・ワイヤ40
は、図示せぬ横方向から救助に及ぶ梯子やバスケット
に、被災者が移動する際の足場になる想定も必要なの
で、つかまり易く滑り難い鎖状か帯状にしても良い。
【0037】図4は図3のものが平常時に縮小して収納
され、その形状を維持されている状態を示す側面図であ
る。平常時は、跳ね橋100を蝶番81,82の所で、
渡り板11j,11kと、防火板3と、支柱39を三段
に折り畳み、蝶番8の所で垂直に跳ね上げて、外壁5の
開口部6を閉塞するようにして収納維持されている。そ
の際に、渡り板11jと渡り板11kの間に、耐熱シー
トでなる欄干部2と、ステー・ワイヤ40,41,42
(図4からは省略)と、防火板3と、支柱39を内側に
畳み込んで収納維持される。すると、折り畳まれた跳ね
橋100は、略1枚の厚板状に外形寸法をまとめられ、
渡り板11jを外壁5の面と略同一面に連続し、渡り板
11kを建物4の内面と略同一面に連続し、壁と一体に
見せる格好で、開口部6に嵌合し、そこを閉塞する。
【0038】又、いたずらや過失誤操作による転落事故
防止の対策を施しているが、図示せぬ開閉の操作レバー
に透明アクリル防護カバーを被せて、非常時以外は触ら
せない等の工夫が周知なので、具体的な図解及び説明は
省略する。
【0039】さらに、図示しない別の実施形態として、
跳ね橋の渡り板と欄干を、上が開いたコ字又はU字の断
面形状をもつ複数の樋を、平常時には重ねて収納し、非
常時には一部分の重なりを残して伸長させる、多段伸縮
可能な樋による構成としても良い。これは請求項3の多
段伸縮自在の前記渡り板に該当する。
【0040】なお、本発明における蝶番は、「実質上蝶
番と同等の機能部」を意味しており、蝶番に代わる枢軸
回動自在の構造でなる機能部であれば、枢軸の有無にか
かわらず、全て本発明の技術思想に含まれる。
【0041】そして、耐熱防炎性の板による前記渡り板
と、耐熱防炎性の板及び/又はシートによる前記欄干部
や、扇型に展開する蛇腹の材料は、目的に応じて最新か
つ高性能の材料を用いるであろう。あるいは、最新材料
でなくとも、例えば、ステンレス等の金属板又は金属網
に石綿を被覆した程度の既成材料の組み合わせであって
も、本発明の目的を達成できる。その場合も使用する材
料を問わず、全て本発明の技術思想に含まれるものと見
なし得る。
【0042】なお、本発明は、諸般の事情により、防災
設計の不備なままに長年の間、居住利用されてきた既存
のビルディングに対して、「後付け施工できる避難具」
として効果的であるとしているが、そのように後付け施
工のみならず、「新築時における正式な防災設計仕様」
として採用されれば、仕上がりの美観や機能面で、最善
の実施形態を呈することができる。その場合も窓型、扉
型もしくは専用開口等の形状を問わず、全て本発明の技
術思想に含まれるものと見なし得る。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように構成したので、請求
項1に係る発明によれば、諸般の事情により、防災面で
の設計に不備がありながらも、それを抜本的に改善する
ほどの大規模修繕までは、実施出来ない既存のビルディ
ングに対して、避難階段を設置するスペースのないとこ
ろでも、道路に面した壁面にある既存の窓に取り付ける
か又は2m2程度の穴を開け取り付けられる。そして、
火災時に逃げ遅れた被災者は、猛火に包まれた建物の内
部から、身を乗り出して、建物の開口部や外壁から数メ
ートルでも離れた位置で待機し、梯子車のバスケット等
が届くまでの数分間を生存することができる。
【0044】又、請求項2に係る発明によれば、猛火に
包まれた建物の内部から、身を乗り出して、建物の開口
部や外壁から数メートルでも離れた位置で、待機中の逃
げ遅れた被災者は、梯子車のバスケット等が届くまでの
時間を、逃げ残された階の下の階から火炎や有毒ガスの
煤煙が吹き上げている場合にも、下からの火炎の直撃を
避けられるので、数分間を生存することができる。
【0045】又、請求項3、請求項4及び請求項5に係
る発明によれば、平常時には嵩張らないように縮小して
収納できるので、避難具を追加設置したことによる、平
常時の居住性や見栄えを害さない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態における、跳ね橋が非
常時に利用可能な状態に展開維持した状態を示す斜視図
である。
【図2】図1のものが火災発生時に利用される状況を示
す側面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態において、跳ね橋が非
常時に利用可能な状態に展開維持した状態を示す側面図
である。
【図4】図3のものが平常時に収納形状維持されている
状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1,11j,11k 渡り板 1a 渡り板1の両脇の二辺 2 欄干部 2a 欄干部2における外壁5沿いの一辺 2b 欄干部2における外壁5から遠い方の一辺 2F,3F,4F ビルディングの各階 3 防火板 4 建物 5 外壁 6 開口部 6a 開口部6の両脇の二辺 7 敷居 8,80,82 蝶番 10,12,13,14,100 跳ね橋 15 衝撃吸収マット 16 梯子車 17 バスケット 18 消防士 19 放水銃 21 扇状機構 38 アンカー・フック 39 支柱 39a 支柱39の上端部 40,41,42 ステー・ワイヤ 61 出入口 62,63,64 窓 71 防火シャッター 92,93,94 被災者

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】渡り板(1)の両脇で折り畳み自在に付設
    された欄干部(2)を有する跳ね橋(10)と、 その跳ね橋(10)を建物(4)の外壁(5)にある開
    口部(6)の敷居(7)で枢軸支承し、跳ね揚げと架け
    降ろしの回動を自在にする蝶番(8)と、 前記跳ね橋(10)及び欄干部(2)を平常時には縮小
    して収納する収納機構と、 非常時には前記収納機構の収納形状維持を解放すること
    により前記跳ね橋(10)を建物(4)の外部方向へ架
    設展開する展開維持機構(9)とを備え、 少なくとも退避所要時間以上の耐熱維持できる耐熱防炎
    構造であることを特徴とする避難具。
  2. 【請求項2】前記耐熱防炎構造として、耐熱防炎性の板
    による前記渡り板(1)と、耐熱防炎性の板及び/又は
    シートによる前記欄干部(2)と、を備えたことを特徴
    とする請求項1に記載の避難具。
  3. 【請求項3】多段折り畳み自在及び/又は多段伸縮自在
    の前記渡り板(11j),(11k)を備えたことを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の避難具。
  4. 【請求項4】蛇腹構造のシートによる前記欄干部(2)
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち
    の何れか1項に記載の避難具。
  5. 【請求項5】前記敷居(7)から最も遠い前記渡り板
    (1)の突端部に付設され、その突端部を下向きに延長
    する折り畳み自在の防火板(3)と、 前記蝶番(8)の枢軸と平行な要軸を前記突端部に持つ
    扇状機構(21)と、 その扇状機構(21)に関連して前記防火板(3)の両
    脇の辺(3a),(3a)に前記扇状機構(21)の一
    方の半径片端を接し、他方の半径片端を前記欄干部
    (2)の突端部の辺(2b)に、その平面延長として扇
    型に展開する蛇腹を備えたことを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のうちの何れか1項に記載の避難具。
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