JP2003115598A - 光起電力装置及びその製造方法 - Google Patents

光起電力装置及びその製造方法

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JP2003115598A
JP2003115598A JP2001306623A JP2001306623A JP2003115598A JP 2003115598 A JP2003115598 A JP 2003115598A JP 2001306623 A JP2001306623 A JP 2001306623A JP 2001306623 A JP2001306623 A JP 2001306623A JP 2003115598 A JP2003115598 A JP 2003115598A
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water
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Shin Matsumi
伸 松見
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏面電極に設けられた分離空間に水分が残留
する場合においても、この残留水分による短絡等の発生
をなくすることができるようにする。 【解決手段】 透光性を有する基板1に、透光性を有す
る表面電極2と、発電層3と、裏面電極4とがこの順序
で積層されており、前記裏面電極4に、該裏面電極4に
近い側から吸水性絶縁層5と防水性絶縁層6とを積層
し、前記裏面電極4に設けられた分離空間9の残留水分
を吸水性絶縁層5で吸水するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラス、合成樹脂等
の透光性を有する基板に、該基板側から光を入射するア
モルファスシリコン等の発電層が積層された薄膜太陽電
池等の光起電力装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、非晶質シリコン(a−Si) 系半導体
を発電層に用いた光起電力装置が種々の用途に使用され
ている。この光起電力装置は、透光性を有する一枚の基
板上に複数の光電変換素子をカスケード接続することに
より、高電圧を取り出させるようにした集積型a −Si光
起電力装置の開発に負うところが大きい。
【0003】一般的なa −Si光起電力装置は、ガラスか
らなる基板の上に透明電極(表面電極)、内部にpin 接
合を有するa −Si膜からなる非晶質半導体層(発電
層)、裏面電極をこの順序で積層することにより構成さ
れる。
【0004】また、集積型a −Si光起電力装置は、全体
として1枚の基板から高い電圧を取り出すことができる
ように、複数の光電変換素子がカスケード接続されてい
る。集積型構造とするためには、基板に積層された透明
電極、非晶質半導体層(発電層)、裏面電極を夫々分離
して複数の光電変換素子を形成し、隣接する一方の光電
変換素子の透明電極と他方の光電変換素子の裏面電極と
を電気的に直列接続する必要がある。前記分離する方法
としては、主としてレーザを用いたレーザパターニング
法が用いられている(例えば、特公平4−64473号
公報参照)。
【0005】図6は従来の集積型光起電力装置の一部を
拡大した断面図である。この光起電力装置は、ガラス等
の絶縁性及び透光性を有する基板100の一面にIT
O、SnO2 等からなる透明電極101(表面電極)を
積層し、この透明電極101を例えばレーザビームの照
射により任意の段数に短冊状に分割する。
【0006】次に、この分割された透明電極101の基
板100と反対側面に、内部にpin接合を有するa −Si
膜からなる非晶質半導体層102を積層し、さらに、基
板100の他面側で、前記透明電極101が分割された
分割条部103と重ならない位置から前記分割条部10
3とほぼ平行となるようにして非晶質半導体層102に
レーザビームを照射し、非晶質半導体層102に含有さ
れた水素を急激に放出させ、この水素の放出により非晶
質半導体層102の一部を除去して、非晶質半導体層1
02を分割条部104が発生するように分割する。
【0007】この分割後、非晶質半導体層102の透明
電極101と反対側面に銀等の金属膜を主体とする裏面
電極105を積層し、非晶質半導体層102を介して前
記透明電極101と裏面電極105とを接続する。この
後、レーザビーム照射により透明電極101及び非晶質
半導体層102の分割された分割条部103、104と
重ならない位置で該分割条部103、104とほぼ平行
となる一部分を除去し、分離空間106とすることによ
り複数の光電変換素子を形成する。
【0008】ところで、光劣化対策及び光電変換効率向
上に伴う非晶質半導体層102の膜厚さの最適化及びナ
ローバンドギャップ材料を用いた積層型光起電力装置の
開発が進むに従って非晶質半導体層102の薄膜化が進
んでいる。この非晶質半導体層102の薄膜化に伴い、
裏面電極105がパターニングされるとき、非晶質半導
体層102が含有する水素の絶対量が不足し、前記レー
ザビームの照射によって裏面電極105が完全に除去さ
れないという問題があった。
【0009】これに対して、小さい力学的作用でも非晶
質半導体層102と裏面電極105とを除去できるよう
にすべく、裏面電極105の膜厚を薄くする方法が考え
られるが、裏面電極105の膜厚を薄くすれば、レーザ
ビーム照射の際の熱伝導による放熱効果が減少し、裏面
電極105の分離端部の熱変形及びレーザビーム照射に
よって溶融飛散した溶融飛散物の再付着などによる短絡
が発生する。
【0010】このような裏面電極105のレーザパター
ニングによる加工不良の対応策としては、レーザ加工の
代わりにエッチング加工等のウエットプロセスによる分
離加工、又は、レーザとウエットプロセスとの併用とい
った手法が用いられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記したようなウエッ
トプロセスによる裏面電極105の分離加工後は、加熱
処理等によって加工面を乾燥させるが、このとき、加熱
処理温度及び加熱処理時間には下地の非晶質半導体層1
02(発電層)への熱的ダメージとかスループットの低
減とかを防止するための制約を受けるため、前記分離空
間106の水分を完全に除去することはできず、分離空
間106に水分が残留することになる。そして、分離空
間106が形成された後、裏面電極105側の防水とか
機械的保護とかを目的として、一般的にエポキシ系樹脂
等を原料とする裏面保護層107が裏面電極105の非
晶質半導体層102と反対側面に積層されるため、前記
分離空間106の残留水分が裏面保護層107によって
閉じ込められた状態となり、この残留水分が長期間の使
用において、露結のような粒となり、短絡等の不良が発
生する。
【0012】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、主たる目的は、裏面電極に、該裏面電極に近い
側から吸水性絶縁層と防水性絶縁層とを積層することに
より、裏面電極に設けられた分離空間に水分が残留する
場合においても、この残留水分による短絡等の発生をな
くすることができる光起電力装置を提供する点にある。
【0013】また、他の目的は、前記裏面電極と前記吸
水性絶縁層との間に透水性絶縁層を積層することによ
り、吸水性絶縁層が吸水した水分を発電層から離間さ
せ、水分による短絡等の発生をより一層なくすることが
できる光起電力装置を提供する点にある。
【0014】さらに、他の目的は、前記防水性絶縁層又
は吸水性絶縁層を積層した後、表面電極と裏面電極との
間に逆バイアス電圧を印加するか、又は、前記防水性絶
縁層又は吸水性絶縁層を積層した後、アニール処理を行
うことにより、前記残留水分を強制的に吸水性絶縁膜に
吸着させることができる光起電力装置の製造方法を提供
する点にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る光起電力
装置は、透光性を有する基板に、透光性を有する表面電
極と、発電層と、裏面電極とをこの順序で積層した光起
電力装置において、前記裏面電極に、該裏面電極に近い
側から吸水性絶縁層と防水性絶縁層とが積層されている
ことを特徴とする。
【0016】第1発明にあっては、裏面電極に分離空間
が設けられ、該分離空間に水分が残留する場合において
も、この分離空間の残留水分を吸水性絶縁層によって吸
水することができる。この結果、長期間に亘る使用にお
いても、裏面電極の分離空間の残留水分を吸水性絶縁層
により除々に吸水することができ、短絡等の発生をなく
することができる。しかも、吸水性絶縁層の裏面電極と
反対側面には防水性絶縁層が積層されているため、外部
から裏面電極側への水分の進入を防ぐことができる。
【0017】第2発明に係る光起電力装置は、前記裏面
電極と前記吸水性絶縁層との間に透水性絶縁層を有して
いることを特徴とする。
【0018】第2発明にあっては、裏面電極に設けられ
た分離空間の残留水分が透水性絶縁層を透水し、さら
に、この透水した水分が吸水性絶縁層で吸水されるた
め、分離空間の水分の量に影響されることなく、吸水性
絶縁層で吸水された水分が前記裏面電極と接することを
禁止でき、分離空間に残留した水分による短絡等の発生
をより一層正確に防止することができる。
【0019】第3発明に係る光起電力装置の製造方法
は、透光性を有する基板及び表面電極と、発電層と、裏
面電極と、吸水性絶縁層と、防水性絶縁層とをこの順序
で積層した光起電力装置、又は、前記裏面電極と前記吸
水性絶縁層との間に透水性絶縁層を積層した光起電力装
置を製造する方法であって、前記防水性絶縁層又は吸水
性絶縁層を積層した後、前記表面電極と裏面電極との間
に逆バイアス電圧を印加することを特徴とする。
【0020】第3発明にあっては、逆バイアス電圧を印
加することにより、表面電極と裏面電極との間に短絡、
又は短絡しかけた箇所がある場合にこの部分に集中的に
電流が流れることにより発熱し、分離空間の残留水分を
強制的に蒸発させて吸水性絶縁層に吸着させることがで
きる。この結果、長期間に亘って使用されるときにおい
ても、前記分離空間部分の残留水分による不良発生の可
能性をさらに低減できる。
【0021】第4発明に係る光起電力装置の製造方法
は、透光性を有する基板及び表面電極と、発電層と、裏
面電極と、吸水性絶縁層と、防水性絶縁層とをこの順序
で積層した光起電力装置、又は、前記裏面電極と前記吸
水性絶縁層との間に透水性絶縁層が積層されている光起
電力装置を製造する方法であって、前記防水性絶縁層又
は吸水性絶縁層を積層した後、アニール処理を行うこと
を特徴とする。
【0022】第4発明にあっては、裏面電極に設けられ
た分離空間の残留水分をアニール処理の熱によって蒸発
し、この残留水分を予め強制的に吸水性絶縁層に吸着さ
せることができる。この結果、長期間に亘って使用され
るときにおいても、前記分離空間部分による不良発生の
可能性をさらに低減できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて詳述する。 実施の形態1.図1は本発明の光起電力装置の一部を拡
大した断面図、図2は吸水性絶縁層及び防水性絶縁層が
積層されていない状態の斜視図、図3及び図4は光起電
力装置の製造工程図である。
【0024】光起電力装置は、ガラス等の絶縁性及び透
光性を有する直方体の基板1と、該基板1に積層され、
透光性を有する表面電極2と、該表面電極2の基板1と
反対側面に積層された非晶質半導体層からなる発電層3
と、該発電層3の前記表面電極2と反対側面に積層され
た裏面電極4と、該裏面電極4の発電層3と反対側面に
積層された吸水性絶縁層5と、該吸水性絶縁層5の前記
裏面電極4と反対側面に積層された防水性絶縁層6とか
らなる。
【0025】表面電極2は膜厚0.2〜1.0μm 、実
施の形態1では約1.0μm の比較的薄厚のSnO2
らなり、熱CVD法等によって基板1の一面に形成され
ている(図3の(a) 参照)。また、この表面電極2は、
基板1の一面に形成された後、例えば、レーザビームの
照射により任意の段数に短冊状に分割されており、この
分割された複数の表面電極2の間には分割条部7が設け
られている(図3の(b) 参照)。
【0026】発電層3は、内部にpin 接合を有し、トー
タル膜厚が0.2〜0.4μm 程度、実施の形態1では
約0.3μm であり、前記分割条部7が形成された後、
プラズマCVD法によって前記表面電極2上に形成され
(図3の(c) 参照)、前記分割条部7を埋めている。
尚、この発電層3は、a −SiC からなる膜厚200Åの
p型非晶質半導体層と、a −Siからなる膜厚2000〜
2500Åのi型非晶質半導体層と、膜厚300Åのn
型微結晶シリコン半導体層とからなる。
【0027】この発電層3は、表面電極2に形成された
後、前記基板1の他面側で、前記表面電極2の分割条部
7と重ならない位置から前記分割条部7とほぼ平行とな
るようにして発電層3にレーザビームを照射し、該発電
層3が含有する水素を急激に放出させ、この水素の放出
により複数の段数に短冊状に分割されており、この分割
された発電層3間には前記分割条部7とほぼ平行となる
分割条部8が設けられている(図3の(d) 参照)。
【0028】裏面電極4は、Au、Ag、Al、Cu、
Ti、W、Ni等の常温(300K)の電気抵抗率が5
0.0μΩ・cm以下の材料から選択される膜厚3000
Åを有しており、前記分割条部8が形成された後、スパ
ッタ法により前記発電層3に形成され、前記分割条部8
を埋めている(図3の(e) 参照)。この裏面電極4が分
割条部8を埋めることにより表面電極2と裏面電極4と
が電気的に直列に接続されている。尚、裏面電極4は、
金属単膜、又は、透明導電膜/金属膜、又は、金属膜/
透明導電膜、又は、透明導電膜/金属膜/透明導電膜の
ような金属を中心とし、積層された複合構造の場合もあ
るが、実施の形態1においては、Agをスパッタ法によ
り形成し、金属単膜構造としてある。
【0029】この裏面電極4は、発電層3に形成された
後、表面電極2及び発電層3の分割条部7、8と重なら
ない位置で該分割条部7、8とほぼ平行となる一部分を
レーザ加工法とエッチング加工等のウェットプロセスに
より除去し、分離空間9とすることにより複数の光電変
換素子(セル)を形成する(図4の(f) 参照)。ここで
裏面電極4とともに発電層3の一部を除去する理由は、
分離加工の信頼性を向上させ、完全な分離空間9を得る
ためである。
【0030】このように裏面電極4を形成した後、前記
分離空間9に残留する水分を吸水するための前記吸水性
絶縁層5を裏面電極4の発電層3と反対側面に積層し
(図4の(g) 参照)、さらに該吸水性絶縁層5の裏面電
極4と反対側面に前記防水性絶縁層6を積層し(図4の
(h) 参照)、この吸水性絶縁層5及び防水性絶縁層6か
らなる2種類の材料を積層してなる裏面保護層10を形
成する。裏面保護層10は裏面電極4側の防水及び機械
的保護を図る。
【0031】吸水性絶縁層5は、粉末状の吸水性樹脂を
少量(10%以下)混入させたポリアミド溶液をバーコ
ータで塗布し、焼成して形成されている。前記吸水性樹
脂としては、アクリル酸塩重合体、又は、デンプンアク
リル酸塩共重合体が用いられるが、実施の形態では、デ
ンプンアクリル酸塩共重合体を5%混入させて使用して
ある。
【0032】防水性絶縁層6は、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリ塩化ビニル(PVC)の中から1つ以上選択
されるフィルムと、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)との複合フィルムをラミネートすることにより形成
されている。尚、この複合フィルムをラミネートする代
わりに、エポキシ系の樹脂をスクリーン印刷により塗
布、焼成して防水性絶縁層6を形成してもよい。実施の
形態では、EVA/PET複合フィルムを使用した。
尚、裏面保護層10は吸水性絶縁層5を前記裏面電極4
に積層し、該吸水性絶縁層5に防水性絶縁層6を積層す
ることにより構成される他、吸水性絶縁層5と防水性絶
縁層6とが予め積層された構成としてもよい。
【0033】以上のように構成された光起電力装置は、
ウェットプロセスによる分離加工方法によって裏面電極
4が分離されているため、この分離された裏面電極4間
の分離空間9には水分が残留することになる。このよう
に分離空間9に水分が残留した状態で、基板1に太陽光
が照射されるように光起電力装置が配置される。基板1
及び表面電極2を経て発電層3に照射された太陽光は複
数の発電層3によって光電変換され、この変換された光
起電力が表面電極2及び裏面電極4を介して外部に取り
出される。このように太陽光が照射される場所に配置さ
れ、長期間に亘って使用されるとき、前記分離空間9に
残留した水分は吸水性絶縁層5により除々に吸水され
る。この結果、分離空間9に残留した水分による短絡等
の発生を防止することができる。また、外部から吸水性
絶縁層5への水分の進入は、防水性絶縁層6により防止
することができる。
【0034】表1は従来の光起電力装置と本発明に係る
光起電力装置とを1年間屋外で暴露し、暴露後の低照度
(8000Lx)下でのVoc(開放電圧)の変化率を
比較したものである。この表1により、本発明にあって
は低照度Vocの屋外暴露による劣化が改善されている
ことが分かる。この劣化の改善は、裏面電極4の分離空
間9の残留水分が原因となり、長期間に亘って発生する
短絡等が本発明によって防止できたためである。
【0035】
【表1】
【0036】本発明の光起電力装置は、以上のように防
水性絶縁層6を積層した後、前記表面電極2と裏面電極
4とを逆バイアス電圧印加手段11に接続し(図4の
(i) 参照)、表面電極2と裏面電極4との間に0.5〜
10V/段(セル)の逆バイアス電圧を印加して光起電
力装置を製造することが好ましい。逆バイアス電圧を印
加することにより、表面電極2と裏面電極4との間に短
絡、又は短絡しかけた箇所がある場合にこの部分に集中
的に電流が流れることにより発熱し、前記分離空間9の
残留水分を強制的に蒸発させて吸水性絶縁層5に吸着さ
せることができるからである。
【0037】このように光起電力装置を製造することに
より、裏面電極4が分離された分離空間9の残留水分を
蒸発させ、この残留水分を予め強制的に吸水性絶縁層5
に吸着させることができるため、前記したように太陽光
が照射される場所に配置され、長期間に亘って使用され
るとき、前記分離空間9部分による不良発生の可能性を
さらに低減できる。
【0038】また、本発明の光起電力装置は、表面電極
2と裏面電極4との間に逆バイアス電圧を印加する代わ
りに、前記防水性絶縁層6を積層した後、100〜30
0℃のアニール処理を行うことにより前記裏面電極4を
加熱し、前記分離空間9の残留水分を強制的に吸水性絶
縁層5に吸着させるように光起電力装置を製造してもよ
い。
【0039】このようにアニール処理を行うことによ
り、逆バイアス電圧を印加する場合と同様、裏面電極4
が分離された分離空間9の残留水分を蒸発させ、この残
留水分を予め強制的に吸水性絶縁層5に吸着させること
ができるため、前記したように太陽光が照射される場所
に配置され、長期間に亘って使用されるとき、前記分離
空間9部分による不良発生の可能性をさらに低減でき
る。
【0040】実施の形態2.図5は光起電力装置の実施
の形態2の一部を拡大した断面図である。この実施の形
態2の光起電力装置は、前記裏面電極4と前記吸水性絶
縁層5との間に透水性絶縁層12を積層し、前記分離空
間9に残留した水分が透水性絶縁層12を透水するよう
にしたものである。
【0041】透水性絶縁層12は、多孔性ポリエーテ
ル、多孔性ポリオレフィン系フィルムが用いられてい
る。また、吸水性絶縁層5としては、吸水性樹脂を少量
(10%以下)添加して形成されたポリビニルアルコー
ル(PVA)フィルムが用いられている。実施の形態で
は、多孔性ポリオレフィンフィルムと、デンプンアクリ
ル酸塩共重合体を5%添加したポリビニルアルコール
(PVA)フィルムとを重ね合わせて透水性絶縁層12
と吸水性絶縁層5とが形成されている。さらに、この吸
水性絶縁層5の透水性絶縁層12と反対側面に前記防水
性絶縁層6として、EVA/PET複合フィルムがラミ
ネートされており、透水性絶縁層12、吸水性絶縁層5
及び防水性絶縁層6の3種類の材料を積層してなる裏面
保護層10が形成されている。裏面保護層10は裏面電
極4側の防水及び機械的保護を図る。
【0042】実施の形態2においては、前記したように
太陽光が照射される場所に配置され、長期間に亘って使
用されるとき、前記分離空間9に残留した水分は透水性
絶縁層12を透水し、さらに、この透水した水分が吸水
性絶縁層5で吸水される。この結果、分離空間9の水分
の量に影響されることなく、吸水性絶縁層5で吸水され
た水分が前記裏面電極4と接することを禁止でき、分離
空間9に残留した水分による短絡等の発生をより一層正
確に防止することができる。
【0043】以上説明した実施の形態2においても、前
記防水性絶縁層6を積層した後、前記表面電極2と裏面
電極4との間に逆バイアス電圧を印加し、光起電力装置
を製造してもよいし、また、前記防水性絶縁層6を積層
した後、アニール処理を行い、光起電力装置を製造して
もよい。その他の製造工程及び構成は実施の形態1と同
様であるため、その詳細な説明及び作用の説明を省略す
る。
【0044】尚、以上説明した実施の形態では、防水性
絶縁層6を積層した後、表面電極2と裏面電極4との間
に逆バイアス電圧を印加して光起電力装置を製造する
か、又は、防水性絶縁層6を積層した後、アニール処理
を行って光起電力装置を製造したが、その他、吸水性絶
縁層5を積層した後、表面電極2と裏面電極4との間に
逆バイアス電圧を印加し、この後、前記吸水性絶縁層5
に前記防水性絶縁層6を積層してもよいし、また、前記
吸水性絶縁層5を積層した後、アニール処理を行い、こ
の後、前記吸水性絶縁層5に前記防水性絶縁層6を積層
してもよい。
【0045】
【発明の効果】第1発明によれば長期間に亘る使用にお
いても、分離空間の残留水分による短絡等の発生をなく
することができ、しかも、外部から発電層への水分の進
入を防ぐことができる。
【0046】第2発明によれば、分離空間の水分の量に
影響されることなく、吸水性絶縁層で吸水された水分が
前記裏面電極と接することを禁止でき、分離空間に残留
した水分による短絡等の発生をより一層正確に防止する
ことができる。
【0047】第3発明及び第4発明によれば、分離空間
の残留水分を強制的に吸水性絶縁層に吸着させることが
できるため、長期間に亘って使用されるときにおいて
も、前記分離空間部分による不良発生の可能性をさらに
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光起電力装置の一部を拡大した断
面図である。
【図2】本発明に係る光起電力装置の吸水性絶縁層及び
防水性絶縁層が積層されていない状態の斜視図である。
【図3】本発明に係る光起電力装置の製造工程図であ
る。
【図4】本発明に係る光起電力装置の製造工程図であ
る。
【図5】本発明に係る光起電力装置の実施の形態2の一
部を拡大した断面図である。
【図6】従来の集積型光起電力装置の一部を拡大した断
面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 表面電極 3 発電層 4 裏面電極 5 吸水性絶縁層 6 防水性絶縁層 12 透水性絶縁層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する基板に、透光性を有する
    表面電極と、発電層と、裏面電極とがこの順序で積層さ
    れている光起電力装置において、前記裏面電極に、該裏
    面電極に近い側から吸水性絶縁層と防水性絶縁層とが積
    層されていることを特徴とする光起電力装置。
  2. 【請求項2】 前記裏面電極と前記吸水性絶縁層との間
    に透水性絶縁層を有している請求項1記載の光起電力装
    置。
  3. 【請求項3】 透光性を有する基板及び表面電極と、発
    電層と、裏面電極と、吸水性絶縁層と、防水性絶縁層と
    をこの順序で積層した光起電力装置、又は、前記裏面電
    極と前記吸水性絶縁層との間に透水性絶縁層を積層した
    光起電力装置を製造する方法であって、前記防水性絶縁
    層又は吸水性絶縁層を積層した後、前記表面電極と裏面
    電極との間に逆バイアス電圧を印加することを特徴とす
    る光起電力装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 透光性を有する基板及び表面電極と、発
    電層と、裏面電極と、吸水性絶縁層と、防水性絶縁層と
    をこの順序で積層した光起電力装置、又は、前記裏面電
    極と前記吸水性絶縁層との間に透水性絶縁層を積層した
    光起電力装置を製造する方法であって、前記防水性絶縁
    層又は吸水性絶縁層を積層した後、アニール処理を行う
    ことを特徴とする光起電力装置の製造方法。
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