JP2003114355A - 光分波器および光合波器 - Google Patents

光分波器および光合波器

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JP2003114355A
JP2003114355A JP2001307732A JP2001307732A JP2003114355A JP 2003114355 A JP2003114355 A JP 2003114355A JP 2001307732 A JP2001307732 A JP 2001307732A JP 2001307732 A JP2001307732 A JP 2001307732A JP 2003114355 A JP2003114355 A JP 2003114355A
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optical
filter
swpf
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Hironori Hayata
博則 早田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 誘電体多層膜フィルタおよびコリメータレン
ズの微調整を容易にすることができる安価な光分波器お
よび光合波器を提供するものである。 【解決手段】 複数波長の光が多重された光をコリメー
タレンズ101で平行光に変換して、第1のSWPF
(短波長帯通過フィルタ)121に入射させる。第1の
SWPF121は、波長がλ1,λ2,λ3の光を透過
して、波長がλ4の光を45度で対向した第1の反射ミ
ラー131に向けて反射する。反射ミラー131は、入
射した光線を反射してコリメータレンズ102に供給す
る。コリメータレンズ102は、供給された光線を光フ
ァイバ112に結合する。これにより、波長がλ4の光
が分波される。SWPF121と反射ミラー131とは
支点Aを中心にして可動調整できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ通信に
用いる光分波器および光分波器に関し、より特定的に
は、誘電体多層膜フィルタの波長特性を利用して光を分
波、合波する光分波器および光合波器に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の光ファイバ通信における高密度波
長多重伝送では、波長間隔が狭くなってきている。その
ため、光分波器および光合波器には、急峻な波長特性
(狭い波長間隔の光を分波することができる特性のこ
と)が要求されるようになってきた。従来、誘電体多層
膜フィルタの膜面への入射角が変わると波長特性が変化
するという現象を利用した光分波器および光合波器が提
案されていた。このような従来の光分波器および光合波
器として、特開2000−147303号公報に開示さ
れたものがある。
【0003】特開2000−147303号公報に開示
されている光分波器および光合波器では、複数のバンド
パスフィルタ(一定の波長の光のみを透過することがで
きる誘電体多層膜フィルタのこと)を光路上に順次角度
を変えて配置することにより光を分波合波する構成が提
案されている。図7は、特開2000−147303号
公報に開示されている光分波器および光合波器の構成を
示した図である。当該光分波器および光合波器では、波
長λ1、λ2、λ3,λ4の4つの光を合波分波する。
図7において、特開2000−147303号公報に開
示されている光分波器および光分波器は、石英等の材料
からなる台形基板1300と、バンドパスフィルタ12
01および1202と、コリメータレンズ1000、1
001、1002、1003および1004とを備え
る。バンドパスフィルタ1201とバンドパスフィルタ
1202とは、互いに平行ではない。バンドパスフィル
タ1202は、入射角がηaの場合、波長がλ1の光を
透過し、入射角がηcの場合、波長がλ3の光を透過す
る。バンドパスフィルタ1201は、入射角がηbの場
合、波長がλ2の光を透過し、入射角がηdの場合、波
長がλ4の光を透過する。コリメータレンズ1000、
1001、1002、1003および1004は、光フ
ァイバと結合しており、光ファイバから供給された光を
平行光に変換して出力する。ここで、平行光とは、拡散
をしない光のことである。
【0004】多重化された光線は、光ファイバ1100
を伝ってコリメータレンズ1000に供給される。コリ
メータレンズ1000に供給された光は、入射角ηaで
バンドパスフィルタ1202に入射する。バンドパスフ
ィルタ1202への入射角はηaであるので、波長λ1
の光のみがバンドパスフィルタ1202を透過し、コリ
メータレンズ1001に供給される。一方、λ1以外の
波長の光は、バンドパスフィルタ1202の一側面12
02Bで反射し、入射角ηbでバンドパスフィルタ12
01に入射する。
【0005】入射角ηbでバンドパスフィルタ1201
に入射した光に対して、波長がλ2の光のみがバンドパ
スフィルタ1201を透過してコリメータレンズ100
2に供給される。λ2以外の波長の光は、バンドパスフ
ィルタ1201の一側面1201Aで反射し、入射角η
cでバンドパスフィルタ1202に再び入射する。次い
で、入射角ηcでバンドパスフィルタ1202に入射し
た光に対して、波長がλ3の光のみがバンドパスフィル
タ1202を透過しコリメータレンズ1003に供給さ
れ、波長λ3以外の光(ここでは、波長λ4の光)が、
反射してバンドパスフィルタ1201に入射角ηdで入
射する。次いで、波長λ4の光が、バンドパスフィルタ
1201を透過しコリメータレンズ1004に供給され
る。このようにして、多重化された光は、波長λ1、λ
2、λ3、λ4の光に分波されることとなる。光の合波
を行う際は、コリメータレンズ1001、1002、1
003、1004に波長λ1、λ2、λ3、λ4の光を
供給すれば、上記の光路とは逆に光線が進行し、合波さ
れた光がコリメータレンズ1000に供給されることと
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、誘電体多層
膜フィルタには製造バラツキなどによる特性誤差がある
ため、上記のような従来の光分波器および光合波器を製
造する場合、入出力用のコリメータレンズを高精度に位
置決めする必要がある。しかし、特開2000−147
303号公報に開示されている光分波器および光合波器
では、一つのコリメータレンズの位置を微調整したら、
光の進行方向が変化するため、その他のコリメータレン
ズの位置を微調整する必要があった。そのため、従来の
光分波器および光合波器を製造するための工程が増え、
製造コストがアップするという問題があった。
【0007】また、従来の光分波器および光合波器は、
各コリメータレンズが複雑な位置関係にあるため、保持
筐体が複雑なものとなるといった問題があった。
【0008】それゆえに、本発明の目的は、誘電体多層
膜フィルタおよびコリメータレンズの微調整を容易にす
ることができる安価な光分波器および光合波器を提供す
るものである。
【0009】また、本発明の他の目的は、保持筐体が簡
単な光分波器および光合波器を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数の波
長の光を分波する光分波器であって、供給された光を平
行光に変換する供給用ポートと、供給用ポートが出力す
る平行光の進行方向上に配置されている1以上のフィル
タと、各フィルタと対になっており、フィルタが反射し
た光をさらに反射させる1以上の反射ミラーと、各反射
ミラーと対になっており、反射ミラーが反射した光を受
光する1以上の出力用ポートとを備え、各フィルタは、
平行光の入射角に応じて、一定波長帯の光は反射し、そ
れ以外の波長帯の光は透過する特性を有し、平行光のう
ちで反射して抜き出したい光の波長に応じた入射角とな
るように傾けて配置されている。
【0011】上記第1の発明の構成により、フィルタ
は、透過する平行光を入射方向と同一の方向に透過する
ので、平行光のフィルタへの入射角を調整したとして
も、次のフィルタへの平行光の入射角に影響を与えな
い。したがって、分波したい光を得るためには、一対の
フィルタ、反射ミラーおよび出力用ポートのみを調整す
ればよいこととなり、その他のフィルタ、反射ミラーお
よび出力用ポートは調整しなくてよいこととなる。
【0012】第2の発明は、第1の発明に従属する発明
であって、フィルタは、平行光の入射角を微調整するた
めに可動させることができる。
【0013】上記第2の発明の構成により、光分波器を
製造するに際し、平行光の入射角を微調整して、分波し
たい光の強度をより高めることができる。また、光分波
器の製造後においても、分波したい光の調節を行うこと
ができる。
【0014】第3の発明は、第2の発明に従属する発明
であって、各出力用ポートは、対応する反射ミラーと対
になっているフィルタの微調整に応じて、位置を微調整
するために可動させることができる。
【0015】上記第3の発明の構成により、出力用ポー
トは、フィルタの微調整によって進路がずれた光を完全
に受光するために位置調整することができる。
【0016】第4の発明は、第2の発明に従属する発明
であって、フィルタは、反射ミラーとの交点を中心にし
て可動することを特徴とする。
【0017】上記第4の発明の構成により、フィルタを
微調整したとしても反射ミラーによって反射される光の
出力ポートへの結合位置がすれることがなくなる。
【0018】第5の発明は、第1の発明に従属する発明
であって、各フィルタと対になっている各反射ミラー
は、全て同一の角度で対向していることを特徴とする。
【0019】上記第5の発明の構成により、各反射ミラ
ーが反射する光の進行方向が互いに平行となり、出力用
ポートを互いに平行な位置関係に配置すればよく、光分
波器の保持筐体が簡単な構成となる。
【0020】第6の発明は、第5の発明に従属する発明
であって、角度は、45度であることを特徴とする。
【0021】上記第6の発明の構成により、各反射ミラ
ーが反射する光の進行方向と、供給用ポートが出力する
平行光の進行方向とが直交する関係となり、出力用ポー
トと供給用ポートとを互いに直交する位置関係に配置す
ればよく、光分波器の保持筐体が簡単な構成となる。
【0022】第7の発明は、第1の発明に従属する発明
であって、供給用ポートは、点光源から発せられた光を
平行光に変換して出力すると共に、平行光を一点に集光
して出力する集束性ロッドレンズと、集束性ロッドレン
ズの一側面に配置され、点光源から発せられた光とし
て、集束性ロッドレンズに光を供給するための供給用光
ファイバと、集束性ロッドレンズの他一側面に配置さ
れ、集束性ロッドレンズから出力される平行光のうち
で、一部の波長帯の光を反射し、それ以外の波長帯の光
を透過する供給用ポートフィルタと、集束性ロッドレン
ズの光軸方向を中心に供給用光ファイバと線対称に配置
され、供給ポートフィルタが反射して集束性ロッドレン
ズによって一点に集光された光を受光するための出力用
光ファイバとを備える。
【0023】上記第7の発明の構成により、供給用ポー
トフィルタにおいて、入射角が0度に近いときにのみ反
射する波長の光を分波することができる。したがって、
入射角の増大によって生ずる、P偏光やS偏光の特性分
離、急峻な立上がり特性の劣化や、透過損失の増加を少
しでも防止することが可能となる。また、反射ミラーに
よって光の進行を妨げられることなく、入射角が0度に
近い場合に反射する光を取り出すことが可能となる。
【0024】第8の発明は、第7の発明に従属する発明
であって、供給用ポートフィルタは、自己が透過する光
の進行方向と、前記集束性ロッドレンズの光軸方向とが
同一となるように、その一側面に傾斜を設けることを特
徴とする。
【0025】上記第8の発明の構成により、集束性ロッ
ドレンズの光軸方向と、供給用ポートが出力する平行光
の進行方向とが一直線上になるので、集束性ロッドレン
ズを傾けて配置する必要がなく、光分波器の保持筐体が
簡単な構成となる。
【0026】第9の発明は、第1の発明に従属する発明
であって、各出力用ポートは、合波すべき光を平行光に
変換して対になる反射ミラーに当該平行光を供給する手
段をさらに有し、各反射ミラーは、対になる出力ポート
から供給された平行光を反射して、対になるフィルタに
供給し、供給用ポートは、各フィルタによって反射さ
れ、合波された光を受光する手段をさらに有する。
【0027】上記第9の発明の構成により、各出力用ポ
ートに合波したい光を供給すれば、光が合波され、合波
された光を供給用ポートから取り出すことができ、当該
光分波器を光合波器として使用することが可能となる。
【0028】第10の発明は、複数の波長の光を合波す
る光合波器であって、合波すべき光を受光し平行光に変
換して出力する1以上の入力用ポートと、各入力用ポー
トと対になっており、入力用ポートから出力された平行
光を反射する1以上の反射ミラーと、各反射ミラーと対
になっており、反射ミラーが反射した平行光を受光し、
平行光の入射角に応じて、一定波長帯の光は反射し、そ
れ以外の波長帯の光は透過する特性を有する1以上のフ
ィルタと、各フィルタが反射し、合波された光を受光す
る出力用ポートとを備え、各フィルタは、それぞれの反
射する光が一直線上になるように配置されており、反射
して合波したい波長帯の光の入射角に応じて傾けて配置
されている。
【0029】上記第10の発明の構成によれば、フィル
タが反射した平行光は、同一方向に進むので、平行光の
フィルタへの入射角を調整したとしても、次のフィルタ
への平行光の入射角に影響を与えない。したがって、合
波光を得るためには、一対のフィルタ、反射ミラーおよ
び出力用ポートのみを調整すればよいこととなり、その
他のフィルタ、反射ミラーおよび出力用ポートは調整し
なくてよいこととなる。
【0030】第11の発明は、第10の発明に従属する
発明であって、各フィルタは、平行光の入射角を微調整
するために可動させることができる。
【0031】上記第11の発明の構成によれば、光合波
器を製造するに際し、平行光の入射角を微調整して、合
波したい光の強度をより高めることができる。また、光
合波器の製造後においても、合波したい光の調節を行う
ことができる。
【0032】第12の発明は、第11の発明に従属する
発明であって、各入力用ポートは、対応する反射ミラー
と対になっているフィルタの微調整に応じて、位置を微
調整するために可動させることができる。
【0033】上記第12の発明の構成によれば、入力用
ポートは、フィルタの微調整によって進路がずれた光
を、他のフィルタが反射する光の直線上になるように位
置調整することができる。
【0034】第13の発明は、第11の発明に従属する
発明であって、フィルタは、反射ミラーとの交点を中心
にして可動することを特徴とする。
【0035】上記第13の発明の構成により、フィルタ
を微調整したとしても反射ミラーによって反射される光
の出力ポートへの結合位置がすれることがなくなる。
【0036】第14の発明は、第10の発明に従属する
発明であって、各フィルタと対になっている各反射ミラ
ーは、全て同一の角度で対向していることを特徴とす
る。
【0037】上記第14の発明の構成によれば、各入力
用ポートが出力する平行光の進行方向が互いに平行とな
り、各入力用ポートを互いに平行な位置関係に配置すれ
ばよく、光合波器の保持筐体が簡単な構成となる。
【0038】第15の発明は、第14の発明に従属する
発明であって、角度は、45度であることを特徴とす
る。
【0039】上記第15の発明の構成によれば、各入力
用ポートが出力する平行光の進行方向と、各フィルタが
反射する平行光の進行方向とが直交する関係となり、各
入力用ポートと出力用ポートとを互いに直交する位置関
係に配置すればよく、光合波器の保持筐体が簡単な構成
となる。
【0040】第16の発明は、第10の発明に従属する
発明であって、出力用ポートは、点光源から発せられた
光を平行光に変換して出力すると共に、平行光を一点に
集光して出力する集束性ロッドレンズと、集束性ロッド
レンズの一側面に配置され、点光源から発せられた光と
して、集束性ロッドレンズに光を供給するための供給用
光ファイバと、集束性ロッドレンズの他一側面に配置さ
れ、集束性ロッドレンズから出力される平行光のうち
で、一部の波長帯の光を反射し、それ以外の波長帯の光
を透過する出力用ポートフィルタと、集束性ロッドレン
ズの光軸方向を中心に供給用光ファイバと線対称に配置
され、出力用ポートフィルタが反射して集束性ロッドレ
ンズによって一点に集光された光を受光するための出力
用光ファイバとを備え、出力用ポートフィルタは、各フ
ィルタが反射した光を受光する。
【0041】上記第16の発明の構成によれば、出力用
ポートフィルタにおいて、入射角が0度に近いときにの
み反射する波長の光を合波することができる。したがっ
て、入射角の増大によって生ずる、P偏光やS偏光の特
性分離、急峻な立上がり特性の劣化や、透過損失の増加
を少しでも防止することが可能となる。また、反射ミラ
ーによって光の進行を妨げられることなく、入射角が0
度に近い場合に反射する光を合波することが可能とな
る。
【0042】第17の発明は、第16の発明に従属する
発明であって、出力用ポートフィルタは、各フィルタが
反射する光の進行方向と、集束性レンズの光軸方向とが
同一となるように、その一側面に傾斜を設けることを特
徴とする。
【0043】上記第17の発明の構成によれば、集束性
ロッドレンズの光軸方向と、各フィルタが反射する平行
光の進行方向とが一直線上になるので、集束性ロッドレ
ンズを傾けて配置する必要がなく、光合波器の保持筐体
が簡単な構成となる。
【0044】第18の発明は、第10の発明に従属する
発明であって、出力用ポートは、分波したい光を平行光
に変換してフィルタに入射させる手段をさらに有し、各
反射ミラーは、対になるフィルタが反射して取り出した
光をさらに反射し、対になる入力用ポートに供給し、入
力用ポートは、対になる反射ミラーから供給された取り
出された光を受光する手段をさらに有する。
【0045】上記第18の発明の構成によれば、出力用
ポートに分波したい供給すれば、光が分波され、分波さ
れた光を各入力用ポートから取り出すことができ、当該
光合波器を光分波器として使用することが可能となる。
【0046】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明の第1の実施形態に係る光分波器の構成を示す図であ
る。図1において、第1の実施形態に係る光分波器は、
コリメータレンズ101,102,103,104およ
び105と、光ファイバ111,112,113,11
4および115と、第1の短波長帯通過フィルタ(以
下、SWPF(ShortWavelength Pa
ss Filter)という)121と、第2のSWP
F122と、第3のSWPF123と、第1の反射ミラ
ー131と、第2の反射ミラー132と、第3の反射ミ
ラー133とを備える。SWPFが請求項でいうところ
のフィルタに該当する。第1の実施形態に係る光分波器
は、光線の逆進原理(可逆原理)により、光合波器とし
ても用いることができる。
【0047】第1のSWPF121と第1の反射ミラー
131とは、互いに45度の角度で対向しており、第1
のSWPF121への光線の入射角を微調整することが
できるように支点Aを中心にして可動するようになって
いる。第1のSWPF121と第1の反射ミラー131
とは、調整の後、固定することができるようになってい
る。同様に、第2のSWPF122と第2の反射ミラー
132、第3のSWPF123と第3の反射ミラー13
3とも、互いに45度の角度で対向しており、支点Bま
たはCを中心にして可動するようになっている。第2の
SWPF122と第2の反射ミラー132、第3のSW
PF123と第3の反射ミラー133とも、調整の後、
固定することができるようになっている。
【0048】第1のSWPF121、第2のSWPF1
22および第3のSWPF123は、光線が通過する光
路上に順番に配置されている。コリメータレンズ101
から第1のSWPF121への光線の入射角が最も小さ
く、次に、第2のSWPF122、第3のSWPF12
3といった順番に、光線の入射角が大きくなっている。
第1のSWPF121は、光の入射角がθaとなるよう
に傾けられている。第2のSWPF122は、光の入射
角がθbとなるように傾けられている。第3のSWPF
123は、光の入射角がθcとなるように傾けられてい
る。θa、θbおよびθcには、θa<θb<θcの関
係が成立する。
【0049】コリメータレンズ101には、光ファイバ
111が接続されている。同様に、コリメータレンズ1
02には光ファイバ112が、コリメータレンズ103
には光ファイバ113が、コリメータレンズ104には
光ファイバ114が、コリメータレンズ105には光フ
ァイバ115が接続されている。
【0050】コリメータレンズ101および105の光
軸方向と、コリメータレンズ102、103および10
4の光軸方向とは、直交する位置関係にある。コリメー
タレンズ102、103および104は、互いに平行な
位置関係にある。コリメータレンズ101は、光ファイ
バ111から供給された光を第1のSWPF121に入
射させることができる位置に配置されている。コリメー
タレンズ102は第1の反射ミラー131が反射した光
を受光することができる位置に、コリメータレンズ10
3は第2の反射ミラー132が反射した光を受光するこ
とができる位置に、コリメータレンズ104は第3の反
射ミラー133が反射した光を受光することができる位
置に配置されている。コリメータレンズ105は、第3
のSWPF123を透過した光を受光することができる
位置に配置されている。
【0051】次に、第1の実施形態に係る光分波器の各
構成部材の機能について説明する。第1のSWPF12
1、第2のSWPF122および第3のSWPF123
は、入射角度によって透過する(反射する)光の波長が
異なるという特性(波長特性)を持つ。第1のSWPF
121、第2のSWPF122および第3のSWPF1
23には、異なる符号を付しているが上記の特性は同じ
である。図2は、第1のSWPF121、第2のSWP
F122および第3のSWPF123の波長特性を示し
た図である。以下、第1のSWPF121の波長特性に
ついて代表して説明する。
【0052】図2の各グラフは、縦軸を各波長の透過率
(%)および光強度(mW)、横軸を光の波長(nm)
としている。図2(a)は、入射角がθaのときの第1
のSWPF121の波長特性を示したグラフである。図
2(a)に示したように、入射角がθaのとき、第1の
SWPF121は、波長がλ1,λ2,λ3の光は約1
00%透過するが、波長がλ4の光はほとんど透過しな
い。ほとんど透過されない波長がλ4の光は、第1のS
WPF121によって反射される(以下、同様に透過さ
れない光は、反射される)。
【0053】図2(b)は、入射角がθbのときの第1
のSWPF121の波長特性を示したグラフである。図
2(b)に示したように、入射角がθbのとき、第1の
SWPF121は、波長がλ1,λ2の光は約100%
透過するが、波長がλ3,λ4の光はほとんど透過しな
い。図2(c)は、入射角がθcのときの第1のSWP
F121の波長特性を示したグラフである。図2(c)
に示したように、入射角がθcのとき、第1のSWPF
121は、波長がλ1の光は約100%透過するが、波
長がλ2,λ3,λ4の光はほとんど透過しない。
【0054】コリメータレンズ101は、光ファイバ1
11から供給された光を平行光に変換して、第1のSW
PF121に入射させる。ここで、平行光とは、拡散し
ない光のことである。通常、光ファイバ111から出力
される光は、拡散される。コリメータレンズ101は、
光ファイバ111から出力された光を拡散させずに平行
光に変換する。また、コリメータレンズ101は、第1
のSWPF121から供給される光を受光し、光ファイ
バ111に結合させる。
【0055】コリメータレンズ102は、第1の反射ミ
ラー131から供給される光を受光し、光ファイバ11
2に結合させる。また、コリメータレンズ102は、光
ファイバ112から供給された光を平行光に変換して、
第1の反射ミラー131に入射させる。同様に、コリメ
ータレンズ103は、第2の反射ミラー132からの光
を受光する一方で、光ファイバ113からの光を第2の
反射ミラー132に入射させる。また、コリメータレン
ズ104は、第3の反射ミラー133からの光を受光す
る一方で、光ファイバ114からの光を第3の反射ミラ
ー133に入射させる。コリメータレンズ105は、第
3のSWPF123を透過した光を受光し、光ファイバ
115に結合させる。また、コリメータレンズ105
は、光ファイバ115からの光を平行光に変換して、第
3のSWPF123に入射させる。
【0056】第1の反射ミラー131は、第1のSWP
F121で反射した光を反射して、コリメータレンズ1
02に供給する。また、第1の反射ミラー131は、コ
リメータレンズ102から入射した光を反射して第1の
SWPF121に入射させる。同様に、第2の反射ミラ
ー132は、第2のSWPF122で反射した光を反射
してコリメータレンズ103に供給すると共に、コリメ
ータレンズ103から入射した光を反射して、第2のS
WPF122に入射させる。また、第3の反射ミラー1
33は、第3のSWPF123で反射した光を反射して
コリメータレンズ104に供給すると共に、コリメータ
レンズ104から入射した光を反射して、第3のSWP
F123に入射させる。
【0057】次に、第1の実施形態に係る光分波器が光
を分波する場合の動作について説明する。光ファイバ1
11からコリメータレンズ101に供給された光(波長
がλ1,λ2,λ3およびλ4の光が合波されている)
は、コリメータレンズ101によって平行光に変換され
る。当該平行光は、第1のSWPF121に入射角θa
で入射する。第1のSWPF121は、その波長特性
(図2(a)参照)に基づき、入射した光のうち、波長
λ4の光を反射し、λ1〜λ3の光を透過する。
【0058】第1のSWPF121で反射された波長λ
4の光は、45度で対向する第1の反射ミラー131に
入射する。第1の反射ミラー131は、入射した当該光
を反射して、コリメータレンズ102に供給する。コリ
メータレンズ102は、供給された光を光ファイバ11
2に結合する。これによって、波長λ4の光のみが取り
出されることとなる。
【0059】一方、第1のSWPF121を透過した光
(波長λ1,λ2,λ3の光を含む)は、第2のSWP
F122へ入射角θbで入射する。なお、厳密には、光
が第1のSWPF121を透過する際、屈折現象が起き
るために光の進む向きが、若干平行移動する。より詳し
く説明すると、光が空気中から第1のSWPF121に
入射した時に屈折し、その後、第1のSWPF121か
ら空気中に光が出射する時に屈折する。しかし、この場
合、媒質と屈折率との関係から、第1のSWPF121
に入射したときの光の進む向きと、第1のSWPF12
1から出ていく時の光の進む向きとは、平行である。さ
らに、第1のSWPF121の厚みは、薄いのでコリメ
ータ101からのビーム径の大きさと比べて無視できる
ほど小さい。従って、第1のSWPF121を透過する
光は、入射した光と同一方向に進行していくとして差し
支えない。以下、同様に上記のことを前提として話を進
める。また、第2のSWPF121および第3のSWP
F123についても同様である。
【0060】第2のSWPF122は、入射角θbで入
射した光について、波長λ3の光のみ反射し、波長λ1
〜λ2の光を透過する(図2(b)参照)。
【0061】第2のSWPF122で反射された波長λ
3の光は、45度で対向する第2の反射ミラー132に
入射する。第2の反射ミラー132は、入射した当該光
を反射して、コリメータレンズ103に供給する。コリ
メータレンズ103は、供給された光を光ファイバ11
3に結合する。これによって、波長λ3の光のみが取り
出されることとなる。
【0062】一方、第2のSWPF122を透過した光
(波長λ1,λ2の光を含む)は、第3のSWPF12
3へ入射角θcで入射する。第3のSWPF123は、
入射角θcで入射した光について、波長λ2の光のみ反
射し、波長λ1の光を透過する(図2(c)参照)。
【0063】第3のSWPF123で反射された波長λ
2の光は、45度で対向する第3の反射ミラー133に
入射する。第3の反射ミラー133は、入射した当該光
を反射して、コリメータレンズ104に供給する。コリ
メータレンズ104は、供給された光を光ファイバ11
4に結合する。これによって、波長λ2の光のみが取り
出されることとなる。
【0064】一方、第3のSWPF123を透過した光
(波長λ1の光)は、コリメータレンズ105に供給さ
れる。コリメータレンズ105は、供給された光を光フ
ァイバ115に結合する。これによって、波長λ1の光
のみが取り出されることとなる。
【0065】このように、波長λ1、λ2、λ3および
λ4の光が合波されている光を、それぞれの波長の光に
分波することが可能となる。
【0066】第1の実施形態に係る光分波器は、光線の
逆進原理(可逆原理)により、光合波器としても使用す
ることができる。次に、第1の実施形態に係る光分波器
が光を合波する場合の動作について説明する。波長λ
1,λ2,λ3,λ4の光を合波する場合、波長λ1の
光を光ファイバ115を介してコリメータレンズ105
に供給し、波長λ2の光を光ファイバ114を介してコ
リメータレンズ104に供給し、波長λ3の光を光ファ
イバ113を介してコリメータレンズ103に供給し、
波長λ4の光を光ファイバ112を介してコリメータレ
ンズ102に供給する。このように、光を供給すれば、
光線逆進の原理(可逆原理)により、光が分波される場
合と逆の光路によって、光が合波されることとなる。
【0067】より詳しく説明すると、コリメータレンズ
105から出力された波長λ1の光は、第3のSWPF
123に入射角θcで入射するので、第3のSWPF1
23を透過する。コリメータレンズ104から出力され
た波長λ2の光は、第3の反射ミラーで反射され、さら
に第3のSWPF123で反射され、波長λ1の光と合
波され、第2のSWPF122に入射角θbで入射す
る。第2のSWPF122に入射角θbで入射した波長
λ1およびλ2が合波された光は、第2のSWPF12
2を透過する。以下、同様にして、波長λ3およびλ4
の光と合波されて、コリメータレンズ101に供給され
ることとなる。
【0068】次に、第1の実施形態に係る光分波器を製
造する際に行うSWPFおよびコリメータレンズの微調
整について説明する。第1のSWPF121と第1の反
射ミラー131とは45度に対向しているので、第1の
SWPF121への入射角が何度であったとしても、コ
リメータレンズ101から発光される光の進行方向と第
1の反射ミラー131が反射する光の進行方向とは、直
行することとなる(このことは、三角形の内角の和は1
80度であることを利用すれば、簡単に導き出すことが
できる事実であるので、証明は省略する)。
【0069】また、支点Aを中心にして、第1のSWP
F121への入射角を微調整したとしても、反射ミラー
131で反射される光のコリメータレンズ102への結
合位置はずれることがない。したがって、第1のSWP
F121を微調整したとしても、コリメータレンズ10
2を微調整する必要がない。なお、支点Aとは関係なく
第1のSWPF121への入射角を微調整した場合、コ
リメータレンズ102への結合位置がずれることにな
る。この場合は、コリメータレンズ102を左右に可動
させて微調整すればよい。
【0070】さらに、第1のSWPF121を微動させ
たとしても、第1のSWPF121を透過する光は、元
の進行方向のまま透過するので(先述)、第2のSWP
F122への入射角は変化しない。したがって、第1の
SWPF121を微調整したとしても、第2のSWPF
122、第3のSWPF123およびコリメータレンズ
105を微調整する必要はない。第2のSWPF122
および第3のSWPF123の微調整についても同様で
ある。
【0071】このように、本発明の第1の実施形態に係
る光分波器は、製造する際、SWPFやコリメータレン
ズの微調整を容易に行うことができるので、製造工程を
減らすことができ、より安価に光分波器を製造すること
が可能となる。
【0072】また、本発明の第1の実施形態に係る光分
波器は、各コリメータレンズが直交する位置関係かまた
は平行な位置関係にあるので、保持筐体の構成を簡単に
することが可能となる。
【0073】なお、第1の実施形態においては、波長λ
1の光は入射方向と同一方向に出力されているが、必要
に応じて第3のSWPF123の次に、SWPFと反射
ミラーとを同様の構成で設けることによって、入射方向
と直交した方向に出力することができる。
【0074】なお、第1の実施形態においては、λ1,
λ2,λ3,λ4の4つの波長の光のみを分波している
が、45度で対向したSWPFと反射ミラーを同様の構
成で設けることによって、上記の4つ以上の波長の光を
分波することが可能となる。
【0075】また、45度で対向したSWPFと反射ミ
ラーの構成を減らして、上記4つ未満の波長を分波する
ようにしてもよい。
【0076】また、入射角を変化させて、上記4つの波
長以外の波長の光を分波するようにしてもよい。
【0077】なお、第1の実施形態においては、対とな
るSWPFと反射ミラーとは、45度で対向するように
しているが、別に対向する角度は、45度でなくてもよ
い。たとえば、対となるSWPFと反射ミラーとがそれ
ぞれ任意の角度で対向していてもよい。この場合、SW
PFを透過した光はコリメータレンズ101から出力さ
れる光の進行方向とほぼ同一の進行方向に進むので、一
つのSWPFへの入射角を調整したとしても、他のSW
PFへの入射角に影響を与えることはない。これによ
り、各コリメータレンズ、SWPFおよび反射ミラーの
微調整を簡単に行うことができ、安価な光分波器を提供
することが可能となる。
【0078】また、対となるSWPFと反射ミラーとが
対向する角度をそれぞれ同一の角度(45度以外)とし
てもよい。この場合、各反射ミラーが反射する光の進行
方向は、互いに平行となる。これにより、各コリメータ
レンズを互いに平行するような位置に配置することがで
き、光分波器の保持筐体を簡単にすることが可能とな
る。
【0079】なお、第1の実施形態においては、SWP
Fを用いているが、長波長の光を通過させる長波長帯通
過フィルタ(LWPF)を用いることとしてもよい。こ
の場合、長波長の光がLWPFを通過して、短波長の光
が反射し、反射ミラーによってさらに反射され、コリメ
ータレンズに供給されることとなる。
【0080】(第2の実施形態)上記第1の実施形態に
おいて、0度に近い入射角で光線を第1のSWPF12
1(図1参照)に入射させるのは困難である。なぜな
ら、第1のSWPF121を光の進行方向に対してほぼ
垂直に設置する必要があり、かかる場合、反射ミラー1
31が光線の進行方向上に位置しすることとなり、光線
の進行を妨げることとなるからである。従って、0度に
近い入射角のときに反射する様な波長の光を第1の実施
形態に係る光分波器を用いて分波するのは困難である。
【0081】第2の実施形態では、入射角が0度に近い
入射角のときに反射する様な波長の光をも分波すること
ができる光分波器を提供する。
【0082】図3は、本発明の第2の実施形態に係る光
分波器の構成を示す図である。図3において、第1の実
施形態に係る光分波器と同様の機能を有する構成部材に
ついては、同一の符号を付して説明を省略する。第2の
実施形態においては、波長がλ1,λ2,λ3,λ5の
光を分波する。ここで、波長がλ5の光は、0度に近い
入射角のときに限りSWPFで反射するものとする。波
長λ5は、第1の実施形態における波長λ4よりも長い
波長であるとする。第1の実施形態の場合と同様、第2
の実施形態に係る光分波器は、光合波器としても利用で
きる。
【0083】第2の実施形態に係る光分波器は、第2の
SWPF122に光線を入射させるための入射ポート2
00を備える。入射ポート200は、光ファイバ211
および212と、集束性ロッドレンズ240と、SWP
F221とを含む。
【0084】光ファイバ211および光ファイバ212
は、集束性ロッドレンズ240の一側面に設置されてお
り、互いに集束性ロッドレンズ240の光軸から等距離
の位置になるよう配置されている。SWPF221の一
側面は、集束性ロッドレンズ240の他一側面に、傾斜
がないように貼り付けられている。入射ポート200
は、SWPF221を透過した光線を第2のSWPF1
22に入射させることができる位置に配置されており、
さらに、SWPF221を透過する光線の光路と、反射
ミラー132および反射ミラー133で反射した光線の
光路とが直交するような位置に配置されている。
【0085】集束性ロッドレンズ240は、0.25ピ
ッチの大きさである。ここで、ピッチとは、レンズ内の
光線の蛇行周期のことをいう。集束性ロッドレンズ24
0は、光軸上屈折率が一番高く外周部に行くに従って、
屈折率が下がるレンズである。図4は、集束性ロッドレ
ンズ240に光が入射した際の光の振る舞いを説明する
ための図である。図4(a)に示したように、集束性ロ
ッドレンズ240は、平行光を一点に集中させる作用を
持つ。図4(b)に示したように、入射端面に点光源2
41を置いた場合、集束性ロッドレンズ240は、点光
源241から発せられた光を平行光に変換して出力する
作用を持つ。ここで、点光源241は、光ファイバの一
端面から出力される光であると考えられる。従って、図
4(c)に示したように、入射ポート200のような構
成を設けると、光ファイバ211から出力された光は、
平行光となり、SWPF221に0度に近い入射角で入
射する。SWPF221に入射した光のうち、一部の波
長の光(波長帯がλ5以上の光)が反射して、光ファイ
バ212の一端面に集光し、それ以外の波長の光が平行
光として、SWPF221を透過する。集束性ロッドレ
ンズ240として、たとえば、日本板硝子(株)のセル
フォック(登録商標)・マイクロレンズがある。
【0086】SWPF221は、第2のSWPF122
および第3のSWPF123と同様の短波長帯通過フィ
ルタであり、入射角が0度(たとえば、約1度)に近い
場合、波長帯がλ5以上の光を反射するという波長特性
を有する。
【0087】次に、第2の実施形態に係る光分波器の動
作について説明する。集束性ロッドレンズ240は、光
ファイバ211より入射した光(波長λ1,λ2,λ
3,λ5の光が多重化されている)を平行光に変換さ
せ、0度に近い入射角(たとえば、約1度)でSWPF
221に入射させる。
【0088】SWPF221は、0度に近い角度で入射
した光のうち、その波長特性によって、波長がλ5の光
を反射する。集束性ロッドレンズ240は、SWPF2
21が反射した光を光ファイバ211と線対称な位置に
設けられた光ファイバ212に結合させる。これによっ
て、波長がλ5の光が取り出されることとなる。
【0089】一方、SWPF221は、入射した光のう
ち、波長がλ1,λ2,λ3の光を透過し、第2のSW
PF122に入射角θbで入射させる。第2のSWPF
122に入射した光の進路については、第1の実施形態
の場合と同様であるので、説明を省略する。これによっ
て、波長がλ1,λ2,λ3の光が分波されることとな
る。
【0090】ここで、SWPF221への入射角につい
て説明する。SWPF221への入射角(γとする)
は、集束性ロッドレンズの屈折率分布定数をk、軸上屈
折率をn、フィルタの基板屈折率をm、レンズ中心から
光ファイバ211の中心までの距離をsとすると、次式
で表わされる。 r=kns/m(ラジアン) たとえば、k=0.294,n=1.59、m=1.
5、s=0.0625の状態で使用した場合を考える
と、r=0.0195ラジアン(約1度)の入射角とな
る。
【0091】第2の実施形態に係る光分波器を用いて光
を合波する場合、波長がλ1、λ2、λ3、λ5の光を
それぞれ光ファイバ115、114、113、212に
供給すればよい。第1の実施形態と同様、光線逆進の原
理(可逆原理)により、各光線は、分波するときと逆の
進行方向で伝わり、合波された光線が光ファイバ211
に供給されることとなる。
【0092】入射光路と反射光路とを大きく分離するた
めには、各SWPFへの入射角を大きくして反射する角
度を大きく取る必要がある。しかし、入射角の増大は、
P偏光やS偏光の特性分離を招来することとなり不都合
である。また、入射角の増大は、急峻な立上がり特性の
劣化や、透過損失の増加を招くことになる。そのため、
できる限り入射角の増大をさけるほうが好ましい。すな
わち、0度に近い入射角から光を分波することができる
のが好ましい。
【0093】このように、第2の実施形態に係る光分波
器は、SWPFに小さな角度で入射して反射した光を集
束性ロッドレンズで入射方向とは異なる方向に分離する
ことができるので、0度に近い入射角から光線を分波す
ることが可能となる。これにより、分波すべき波長の数
が多い場合、SWPFへの入射角が徐々に増加していく
という現象を少しでも抑制することが可能となり、P偏
光やS偏光の特性分離、急峻な立上がり特性の劣化や、
透過損失の増加などを防止することができる。
【0094】また、第2の実施形態に係る光分波器で
は、集束性ロッドレンズ240とSWPF221との構
成によって、光の入射と分波とを同時に行うので、光コ
リメータレンズを削減することが可能となり、保持筐体
の小型化を図ることが可能となる。
【0095】なお、第2の実施形態において、入射ポー
ト200に集束性ロッドレンズ240を用いているが、
別に集束性ロッドレンズと同様の機能を持つレンズであ
れば他のレンズであっても構わない。
【0096】(第3の実施形態)図5は、本発明の第3
の実施形態に係る光分波器の構成を示す図である。図5
において、第1の実施形態に係る光分波器と同様の機能
を有する構成部材については、同一の符号を付して説明
を省略する。第3の実施形態においては、第2の実施形
態と同様、波長がλ1,λ2,λ3,λ5の光を分波す
る。第2の実施形態と同様、波長がλ5の光は、0度に
近い入射角のときに限りSWPFで反射するものとす
る。第2の実施形態と同様、第3の実施形態に係る光分
波器は、光合波器としても利用できる。
【0097】第3の実施形態に係る光分波器は、第2の
SWPF122に光を入射させるための入射ポート30
0を備える。入射ポート300は、光ファイバ311,
312と、集束性ロッドレンズ340と、SWPF32
1とを含む。
【0098】光ファイバ311、312は、第2の実施
形態の場合と同様にして、集束性ロッドレンズ340の
一側面に設置されている。SWPF321の一側面は、
集束性ロッドレンズ340の他一側面に、傾斜がないよ
うに貼り付けられている。集束性ロッドレンズ340と
接している面とは逆側のSWPF321の一側面には、
傾斜が設けられている。当該傾斜は、集束性ロッドレン
ズ340の光軸とSWPF321を透過した光の出射方
向とが同一になるように設けられている。
【0099】上記のように構成された光分波器は、第2
の実施形態の場合と同様にして波長がλ1,λ2,λ
3,λ5の光を分波、合波する。
【0100】このように、第3の実施形態に係る光分波
器は、SWPF321の入射側の一側面に傾斜を付ける
ことによって、集束性ロッドレンズ340の光軸方向
と、コリメータレンズ103および104の光軸方向と
が直交するようなっている。したがって、各構成部材を
配置するための位置決めが容易になり、保持筐体の構成
が簡単になる。
【0101】(第4の実施形態)図6は、本発明の第4
の実施形態に係る光分波器の構成を示す図である。図6
において、第1の実施形態に係る光分波器と同様の機能
を有する構成部材については、同一の符号を付して説明
を省略する。第4の実施形態においては、第2の実施形
態と同様、波長がλ1,λ2,λ3,λ5の光を分波す
る。第2の実施形態と同様、波長がλ5の光は、0度に
近い入射角のときに限りSWPFで反射する。第2の実
施形態と同様、第4の実施形態に係る光分波器は、光合
波器としても利用できる。
【0102】第4の実施形態に係る光分波器は、第2の
SWPF122に光を入射させるための入射ポート40
0を備える。入射ポート400は、光ファイバ411,
412と、集束性ロッドレンズ440と、SWPF42
1とを含む。
【0103】光ファイバ411および412は、集束性
ロッドレンズ440の一側面に設置されており、集束性
ロッドレンズ440の光軸中心の近傍に配置されてい
る。SWPF421の一側面と集束性ロッドレンズ44
0の一側面とが互いに接する面には、それぞれ互いに傾
斜が設けられている。一方、SWPF421の逆側一側
面には、傾斜が設けられていない。当該傾斜は、光ファ
イバ441からSWPF421への光の入射角と同一の
角度で設けられている。従って、光ファイバ441から
SWPF421への光の入射角は、ほぼ0度に近い角度
となる。また、SWPF421から透過されて第2のS
WPF122に入射する光は、集束性ロッドの光軸方向
と同一方向になるので、集束性ロッドレンズ440の光
軸方向と、コリメータレンズ103および104の光軸
方向とが直交することとなる。
【0104】上記のように構成された光分波器は、第2
の実施形態の場合と同様にして波長がλ1,λ2,λ
3,λ5の光を分波、合波する。
【0105】このように、第4の実施形態に係る光分波
器は、SWPF421の出射側の一側面に傾斜を付ける
ことによって、集束性ロッドレンズ440の光軸方向
と、コリメータレンズ103および104の光軸方向と
が直交するようなっている。したがって、各構成部材を
配置するための位置決めが容易になり、保持筐体の構成
が簡単になる。
【0106】
【発明の効果】以上のように本発明は、SWPFと反射
ミラーとを対向するように配置して、反射ミラーから反
射された光をコリメータレンズで受光して分波したい光
を取り出す。SWPFへの入射角を微調節したとして
も、他のSWPFへの光の入射角に変化は生じないの
で、本発明の光分波器および光合波器を製造する際、S
WPF、反射ミラーおよびコリメータレンズの微調整を
容易に行うことができることとなる。したがって、本発
明は、製造工程を減らすことができ、より安価に光分波
器および光合波器を製造することが可能となるという効
果を有する光分波器および光分波器を提供することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光分波器の構成
を示す図である。
【図2】第1のSWPF121、第2のSWPF122
および第3のSWPF123の波長特性を示した図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る光分波器の構成
を示す図である。
【図4】集束性ロッドレンズ240に光が入射した際の
光の振る舞いを説明するための図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る光分波器の構成
を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る光分波器の構成
を示す図である。
【図7】特開2000−147303号公報に開示され
ている光分波器および光分波器の構成を示した図であ
る。
【符号の説明】
101,102,103,104,105 コリメータ
レンズ 111,112,113,114,115,211,2
12,311,312,313,411,412 光フ
ァイバ 121 第1のSWPF 122 第2のSWPF 123 第3のSWPF 131,132,133 反射ミラー 200,300,400 入射ポート 221,321,421 SWPF 240,340,440 集束性ロッドレンズ 241 点光源

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の波長の光を分波する光分波器であ
    って、 供給された光を平行光に変換する供給用ポートと、 前記供給用ポートが出力する平行光の進行方向上に配置
    されている1以上のフィルタと、 各前記フィルタと対になっており、前記フィルタが反射
    した光をさらに反射させる1以上の反射ミラーと、 各前記反射ミラーと対になっており、前記反射ミラーが
    反射した光を受光する1以上の出力用ポートとを備え、 各前記フィルタは、前記平行光の入射角に応じて、一定
    波長帯の光は反射し、それ以外の波長帯の光は透過する
    特性を有し、前記平行光のうちで反射して抜き出したい
    光の波長に応じた入射角となるように傾けて配置されて
    いる、光分波器。
  2. 【請求項2】 各前記フィルタは、前記平行光の入射角
    を微調整するために可動させることができる、請求項1
    に記載の光分波器。
  3. 【請求項3】 各前記出力用ポートは、対応する前記反
    射ミラーと対になっている前記フィルタの微調整に応じ
    て、位置を微調整するために可動させることができる、
    請求項2に記載の光分波器。
  4. 【請求項4】 前記フィルタは、前記反射ミラーとの交
    点を中心にして可動することを特徴とする、請求項2に
    記載の光分波器。
  5. 【請求項5】 各前記フィルタと対になっている各前記
    反射ミラーは、全て同一の角度で対向していることを特
    徴とする、請求項1に記載の光分波器。
  6. 【請求項6】 前記角度は、45度であることを特徴と
    する、請求項5に記載の光分波器。
  7. 【請求項7】 前記供給用ポートは、 点光源から発せられた光を平行光に変換して出力すると
    共に、平行光を一点に集光して出力する集束性ロッドレ
    ンズと、 前記集束性ロッドレンズの一側面に配置され、点光源か
    ら発せられた光として、前記集束性ロッドレンズに光を
    供給するための供給用光ファイバと、 前記集束性ロッドレンズの他一側面に配置され、前記集
    束性ロッドレンズから出力される平行光のうちで、一部
    の波長帯の光を反射し、それ以外の波長帯の光を透過す
    る供給用ポートフィルタと、 前記集束性ロッドレンズの光軸方向を中心に前記供給用
    光ファイバと線対称に配置され、前記供給ポートフィル
    タが反射して前記集束性ロッドレンズによって一点に集
    光された光を受光するための出力用光ファイバとを備え
    る、請求項1に記載の光分波器。
  8. 【請求項8】 前記供給用ポートフィルタは、自己が透
    過する光の進行方向と、前記集束性ロッドレンズの光軸
    方向とが同一となるように、その一側面に傾斜を設ける
    ことを特徴とする、請求項7に記載の光分波器。
  9. 【請求項9】 各前記出力用ポートは、合波すべき光を
    平行光に変換して対になる前記反射ミラーに当該平行光
    を供給する手段をさらに有し、 各前記反射ミラーは、対になる前記出力ポートから供給
    された平行光を反射して、対になる前記フィルタに供給
    し、 前記供給用ポートは、各前記フィルタによって反射さ
    れ、合波された光を受光する手段をさらに有する、請求
    項1に記載の光分波器。
  10. 【請求項10】 複数の波長の光を合波する光合波器で
    あって、 合波すべき光を受光し平行光に変換して出力する1以上
    の入力用ポートと、 各前記入力用ポートと対になっており、前記入力用ポー
    トから出力された平行光を反射する1以上の反射ミラー
    と、 各前記反射ミラーと対になっており、前記反射ミラーが
    反射した平行光を受光し、前記平行光の入射角に応じ
    て、一定波長帯の光は反射し、それ以外の波長帯の光は
    透過する特性を有する1以上のフィルタと、 各前記フィルタが反射し、合波された光を受光する出力
    用ポートとを備え、 各前記フィルタは、それぞれの反射する光が一直線上に
    なるように配置されており、反射して合波したい波長帯
    の光の入射角に応じて傾けて配置されている、光合波
    器。
  11. 【請求項11】 各前記フィルタは、前記平行光の入射
    角を微調整するために可動させることができる、請求項
    10に記載の光合波器。
  12. 【請求項12】 各前記入力用ポートは、対応する前記
    反射ミラーと対になっている前記フィルタの微調整に応
    じて、位置を微調整するために可動させることができ
    る、請求項11に記載の光合波器。
  13. 【請求項13】 前記フィルタは、前記反射ミラーとの
    交点を中心にして可動することを特徴とする、請求項1
    1に記載の光分波器。
  14. 【請求項14】 各前記フィルタと対になっている各前
    記反射ミラーは、全て同一の角度で対向していることを
    特徴とする、請求項10に記載の光合波器。
  15. 【請求項15】 前記角度は、45度であることを特徴
    とする、請求項14に記載の光合波器。
  16. 【請求項16】 前記出力用ポートは、 点光源から発せられた光を平行光に変換して出力すると
    共に、平行光を一点に集光して出力する集束性ロッドレ
    ンズと、 前記集束性ロッドレンズの一側面に配置され、点光源か
    ら発せられた光として、前記集束性ロッドレンズに光を
    供給するための供給用光ファイバと、 前記集束性ロッドレンズの他一側面に配置され、前記集
    束性ロッドレンズから出力される平行光のうちで、一部
    の波長帯の光を反射し、それ以外の波長帯の光を透過す
    る出力用ポートフィルタと、 前記集束性ロッドレンズの光軸方向を中心に前記供給用
    光ファイバと線対称に配置され、前記出力用ポートフィ
    ルタが反射して前記集束性ロッドレンズによって一点に
    集光された光を受光するための出力用光ファイバとを備
    え、 前記出力用ポートフィルタは、各前記フィルタが反射し
    た光を受光する、請求項10に記載の光合波器。
  17. 【請求項17】 前記出力用ポートフィルタは、各前記
    フィルタが反射する光の進行方向と、前記集束性レンズ
    の光軸方向とが同一となるように、その一側面に傾斜を
    設けることを特徴とする、請求項16に記載の光合波
    器。
  18. 【請求項18】 前記出力用ポートは、分波すべき光を
    平行光に変換して前記フィルタに入射させる手段をさら
    に有し、 各前記反射ミラーは、対になる前記フィルタが反射して
    取り出した光をさらに反射し、対になる前記入力用ポー
    トに供給し、 前記入力用ポートは、対になる前記反射ミラーから供給
    された取り出された光を受光する手段をさらに有する、
    請求項10に記載の光合波器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010533880A (ja) * 2007-07-20 2010-10-28 ラーゾス レーザーテヒニーク ゲーエムベーハー 同軸の光線束生成のための異波長光ビーム結合装置

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