JP2003112955A - コンクリート補強材及びその製造方法 - Google Patents

コンクリート補強材及びその製造方法

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JP2003112955A
JP2003112955A JP2001338576A JP2001338576A JP2003112955A JP 2003112955 A JP2003112955 A JP 2003112955A JP 2001338576 A JP2001338576 A JP 2001338576A JP 2001338576 A JP2001338576 A JP 2001338576A JP 2003112955 A JP2003112955 A JP 2003112955A
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concrete
resin
fiber
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fibers
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JP2001338576A
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Take Hosoya
多慶 細谷
Tadashi Kikyoya
正 桔梗谷
Makoto Yasunobu
誠 安延
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SANSEI TORYO KOGYO KK
TAKAO SHOJI KK
Takao Shoji KK
Aisawa Construction Ltd
Original Assignee
SANSEI TORYO KOGYO KK
TAKAO SHOJI KK
Takao Shoji KK
Aisawa Construction Ltd
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Publication date
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリートとの付着性に優れ、これを用いた
コンクリート構造物のクラックの生成及び進展を効果的
に抑制できるコンクリート補強材及びその製造方法を提
供するものである。 【解決手段】特定のマルチフィラメント状繊維を砥石な
どでしごくこと等により、表層部分を毛羽だだせる等の
処理を行い、ウーリー状とし、次いで、このウーリー状
マルチフィラメント繊維に耐アルカリ性と強度を有する
エポキシ系樹脂もしくはアクリル樹脂を含浸、被覆、硬
化させた被覆層を有し、その樹脂被覆層表面にウーリー
構造由来の凹凸が設けられており、この凹凸形状がコン
クリートに対してアンカーの如く食い込み、容易にすり
抜け難くすることにより、コンクリートとの付着性を著
しく向上させ、これを用いたコンクリート構造物のクラ
ックの進展を防ぐ効果が期待でき、高い破断強度を有
し、繊維長さ方向に任意の長さでカットされていること
を特徴とするロッド状のコンクリート補強材ならびにそ
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明に属する技術分野】本発明は、コンクリートの欠
点及び弱点をカバーするためにコンクリート中に添加さ
れた繊維由来物質の物性が、コンクリートに加えられる
特定の力に対し、効率よく強度等を発現させる補強材及
びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】コンクリート構造体の特徴は、圧縮に対
する性能は優れているが、引張及び曲げに対する性能が
圧縮強度の1/10程度であることが挙げられる。この
ような欠点を補う手段として、鋼製の短繊維補強材をコ
ンクリート中に混ぜ込み、引張曲げ強度を向上させる方
法が採られている。しかし、鋼材の欠点として水や酸素
の影響により腐食されたり、塩などにより脆化されたり
して、劣化することが挙げられる。このような現象が起
こると、鋼材の断面欠損により強度が低下し、コンクリ
ート構造物の強度低下につながる。また、ポリプロピレ
ン、ポリビニルアルコール等の有機短繊維を使用する場
合、繊維の引張強度あるいはコンクリートとの付着力が
不足し、十分満足できるコンクリート補強材となってい
ない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鋼材
と同等以上の曲げじん性向上効果を有し、コンクリート
との付着性に優れ、その付着強度を上回る強度を有する
繊維を用いることでロッドの破断を防ぎ、コンクリート
内のアルカリ性環境に対し脆化しにくい樹脂で繊維を被
覆したコンクリート補強材であり、これを用いることに
より、コンクリート構造物のクラックの生成及び進展を
効果的に抑制し、高い引張曲げ強度を有するコンクリー
ト構造物を得ることができるコンクリート補強材を提供
することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、従来のコンク
リート補強材の劣化、引張強度不足、コンクリートとの
付着力不足といった問題点を解決すべく鋭意研究した結
果、ウーリー状に加工された特定の高強力繊維にエポキ
シ樹脂もしくはアクリル樹脂を含浸させて硬化した後に
任意の長さにカットしたものにより前記問題が解決でき
ること、又かかる補強材は上記、ウーリー状に加工され
た繊維に上記樹脂を含浸するだけで、それ自体の有す
る、毛羽状の凹凸の部分がそのまま硬化することによ
り、樹脂含浸後に改めて成型する必要なく、好適に製造
できることを見出した。 【0005】本発明のコンクリート補強材は、マルチフ
ィラメント繊維を砥石などでしごくこと等により、表層
部分を毛羽だだせる等の処理を行い、ウーリー状とし、
次いで、このウーリー状マルチフィラメント繊維に耐ア
ルカリ性と強度を有するエポキシ系樹脂もしくはアクリ
ル樹脂を含浸、被覆、硬化させることを特徴とする。マ
ルチフィラメント状の繊維は引張強度が10cN/dt
ex以上好ましくは12cN/dtex以上、弾性率が
100cN/dtex以上好ましくは200cN/dt
ex以上、破断伸度0.3〜10%の性能を有すること
が肝要である。これは、ウーリー状繊維による凹凸形状
のもたらすアンカー効果を出来る限り最大限まで発揮
し、ひびわれ発生と同時に補強材が引張抵抗力を受け持
つために必要な性能である。 【0006】マルチフィラメント状繊維を含浸、被覆す
る樹脂には、繊維内部まで含浸し、樹脂と繊維の界面で
の破壊を防ぎ、耐アルカリ性に優れる性能が必要であ
る。耐アルカリ性と強度を有する樹脂としては、エポキ
シ系樹脂もしくはアクリル系樹脂を挙げることが出来
る。 【0007】コンクリート補強材とコンクリートとの付
着性、及びアンカー効果を増すためには樹脂単体よりも
繊維で補強された凹凸形状のものの方が、コンクリート
に対するアンカー効果とすり抜け防止効果を向上するこ
とができる。 【0008】補強材の樹脂付着量は、被覆層表面の凹凸
形状がコンクリートとのアンカー効果を担うため、繊維
重量に対する樹脂付着量で30重量%以上800重量%
以下、望ましくは30重量%以上500重量%以下とす
ることが肝要である。 【0009】樹脂付着量が多すぎると、コンクリート中
の補強材の同一混入率に対する補強繊維の含有量が相対
的に減少するため補強強度が低下する。一方、樹脂付着
量が少なすぎると、ウーリー状繊維による凹凸形状の発
現が少なく、アンカー効果が期待できない。 【0010】 本発明の補強材製造方法は、ウーリー状
のマルチフィラメント繊維を複数本平行に並べ、樹脂含
浸した後に樹脂を硬化させることにより得られる。 【0011】 ウーリー状のマルチフィラメント繊維の
製法は、繊維に一定のテンションを掛けそこに砥石を押
し付けることによりマルチフィラメント状繊維中のモノ
フィラメント繊維表面が毛羽状になり、あるいはモノフ
ィラメント繊維が断続的に切れてその端部が主たる繊維
の方向以外の方向に折れ曲がった部分を有することで容
易にウーリー状に加工でき、この毛羽状構造により、エ
ポキシ系樹脂もしくはアクリル樹脂との密着性ならびに
繊維と樹脂との複合体の強度が向上する。 【0012】 ウーリー状マルチフィラメント繊維に含
浸、被覆されるエポキシ系樹脂もしくはアクリル樹脂に
ウイスカやフィラー等の添加剤を添加することにより、
複合材としての比重をコンクリートの比重に近付け、コ
ンクリート練り混ぜ性能を向上し施工中の材料分離を低
減することも可能である。 【0013】 【発明の詳細】本発明のコンクリート補強材は、引張破
断強度10cN/dtex以上且つ弾性率100cN/
dtex以上、破断伸度0.3〜10%のウーリー状マ
ルチフィラメント繊維がエポキシ系樹脂もしくはアクリ
ル樹脂で結着されたコンクリート補強材であって、その
形状が該繊維の長さ方向が長手方向であるロッド状であ
り、且つ該被覆層の表面に原糸のウーリー形状に由来す
る凹凸を有するものである。 【0014】 本発明に使用する繊維は、産業資材用の
アクリル系繊維、ポリアリレート系繊維、高強力PVA
マルチフィラメント状繊維、パラアラミド系のマルチフ
ィラメント状繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PB
O繊維、炭素繊維などが挙げられ、これらの繊維は破断
強度10cN/dtex以上、弾性率100cN/dt
ex以上を満たし、耐アルカリ性を有する点で本発明に
適した繊維と考える。 【0015】 本発明のコンクリート補強材は、上記特
定の構成、特に凹凸を有していることにより、コンクリ
ートとの付着性が著しく向上しており、且つ、その付着
強度を上回る強度を有するマルチフィラメント状繊維を
用いることで当該補強材の破断を防ぎ、又コンクリート
内のアルカリ性環境等に対し、劣化しにくい樹脂で該繊
維を絶縁被覆したものである。 【0016】 図1、図2は、上記の本発明コンクリー
ト補強材の一例を示す模式図である。図1は補強材の長
手方向横断面図であり、図右端の波線は同様の形状が更
に続いていることを示す。図2は補強材の長手方向縦断
面図である。 【0017】 図1における1はウーリー状マルチフィ
ラメント繊維、2は芯部、3は被覆層、4は凹凸構造を
示す。 【0018】 図2における1はウーリー状マルチフィ
ラメント繊維、2は芯部、3は被覆層、4は凹凸を示
す。 【0019】 図1から明らかな様に本発明の補強材は
ウーリー状形状由来の凹凸状の形状を有しており、図2
から明らかなように、芯部の周囲がエポキシ系樹脂もし
くはアクリル樹脂で被覆されており、その樹脂層にウー
リー状繊維由来の凹凸が断続的に設けられている。 【0020】 図1の補強材の樹脂被覆層には、マルチ
フィラメント自体のウーリー状の形状により繊維の長さ
方向に沿って、凹凸が設けられており、その凹凸状の形
状は繊維の種類によっても発現性が異なってくるが、砥
石を当てる圧力、又は、繊維の送り方向に対して正回
転、もしくは逆回転させることで容易にコントロールす
ることが出来る。 【0021】 図2の補強材の縦断面形状は、マルチフ
ィラメント状繊維の長さ方向が長手方向であるロッド状
であるが、その縦断面形状は、丸形、長方形、平行四辺
形、菱形、これらの形状の角が丸められたもの、これら
の形状の種々の組み合わせ等のいずれの形状であっても
良い。 【0022】 更に、上記のような縦断面形状は、ウー
リー状マルチフィラメント繊維に樹脂を含浸させた後
に、物理的に形状を付与することも可能である。 【0023】 マルチフィラメント状繊維におけるモノ
フィラメント繊維の本数は、特に限定されないが、通
常、100〜10,000本程度の範囲で有ることが好
ましい。 【0024】 本発明に使用する繊維としては、産業資
材用のアクリル系繊維、ポリアリレート系繊維、高強力
ポリビニルアルコールパラアラミド系のマルチフィラメ
ント状繊維、超高分子量ポリエチレン系のマルチフィラ
メント状繊維、PBO(ポリベンズオキサゾール)系の
マルチフィラメント状繊維、炭素繊維系のマルチフィラ
メント状繊維などが上げられる。これらの繊維は、引張
破断強度10cN/dtex以上、及び弾性率100c
N/dtex以上を満たし、耐アルカリ性を有する点
で、本発明に適した繊維である。 【0025】 マルチフィラメント状繊維の引張強度
は、凹凸形状のもたらすアンカー効果を出来る限り最大
限まで発揮させるために補強材が切断し難いことが必要
であり、少なくとも引張破断強度が10cN/dtex
以上、好ましくは12cN/dtex以上、弾性率はひ
びわれ発生と同時に補強材が引張抵抗力を受け持つため
に少なくとも100cN/dtex以上、好ましくは2
00cN/dtex以上の性能を有することが必要であ
る。 【0026】 引張破断強度及び弾性率は、高いほど好
ましいが、上限は通常引張破断強度が50cN/dte
x程度、弾性率が3000cN/dtex程度である。 【0027】 本発明のコンクリート補強材は、マルチ
フィラメント状繊維に耐アルカリを有する樹脂を含浸、
被覆、硬化させ、マルチフィラメント状繊維を使用して
いることにより、該樹脂を繊維内部まで含浸させること
ができ、樹脂と繊維の界面での破壊を防ぐ効果が得られ
る。 【0028】 本発明において、繊維を被覆する樹脂と
しては、耐アルカリ性と強度に優れた樹脂を選定する必
要があり、例えば、エポキシ系樹脂もしくはアクリル樹
脂を挙げることができる。 【0029】 これらのエポキシ系樹脂もしくはアクリ
ル樹脂は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使
用でき、これらの樹脂は、紫外線等で硬化する光硬化性
樹脂、溶剤蒸発、熱、硬化剤などにより硬化する樹脂で
あっても良い。 【0030】 マルチフィラメント状繊維を含浸、被覆
する樹脂量については、樹脂層の表面側の凹凸形状がコ
ンクリートとのアンカー効果を担うので、十分多い方が
好ましく、樹脂の付着率は、繊維の重量に対して30重
量%以上とすることが好ましいが、多過ぎると、高強力
繊維の含有量が相対的に減少し、補強強度が低下した
り、コンクリート内に混入できる使用量が少なくなるた
め、800重量%を超えることは望ましくない。 【0031】 樹脂付着率は、下記式により、定義され
る。 樹脂の付着率(重量%)=(W−Wo)/Wo×100 ここで、Wは樹脂被覆後の繊維の重さを示し、Woは樹
脂被覆前の繊維の重さを示す。 【0032】 本発明のウーリー状のマルチフィラメン
ト繊維は、例えば、マルチフィラメント状繊維を、10
0〜800番の研削用砥石でしごくことによって容易に
形成する事ができる。 【0033】 本発明のコンクリート補強材は、ウーリ
ー状マルチフィラメント繊維をエポキシ系樹脂もしくは
アクリル樹脂で含浸被覆するだけで、繊維自体のウーリ
ー状態のまま樹脂が含浸被覆されるので、その状態のま
ま硬化させることにより、容易に凹凸形状を付与でき
る。 【0034】 本発明の補強材は、マルチフィラメント
状繊維中のモノフィラメント繊維が樹脂を介して相互に
結着した芯部と芯部の外周面に被覆層を形成すると共に
被覆層の表層部分に凹凸が形成され、この芯部と凹凸を
有する被覆層とが形成されたマルチフィラメント状繊維
を切断してロッド状とするという本発明製造方法によ
り、好適に製造することができる。 【0035】 また、本発明補強材は、ウーリー状マル
チフィラメント繊維に、エポキシ系樹脂もしくはアクリ
ル樹脂を含浸、被覆後、各種の凹凸成形機を用いて、凹
凸部を形成し、次いで樹脂を硬化させ、適宜切断する方
法などによっても製造することができる。 【0036】 本発明のウーリー状マルチフィラメント
繊維は、ウーリー状マルチフィラメント繊維と芯部なら
びに被覆層のエポキシ系樹脂もしくはアクリル樹脂との
密着性及び繊維と樹脂との複合体の強度を高める為に、
ウーリー状マルチフィラメント繊維中のモノフィラメン
ト繊維が毛羽状になった部分と断続的に切れてその端部
が主たる繊維の方向以外の方向に折れ曲がった部分を有
するが、前述の砥石などによる処理を厳しくしすぎると
毛玉部分が多くなり、繊維の引張強度が低下するので、
低下しすぎない程度に処理することが必要である。 【0037】 又、撚糸されたウーリー状マルチフィラ
メント繊維からウーリー糸を加工する場合の最適撚り係
数は、樹脂を十分に含浸させるという観点から撚りを掛
け過ぎないことが好まく、繊維の強力を最大限に発揮す
るという観点からある程度撚りが必要であり、使用する
素材に合わせて無撚から最適撚り係数で算出された撚り
数までの範囲で最適撚り係数を選定することが好まし
い。 撚りすぎると、ウーリー状態が収束し、繊維表面
の凹凸が減少するので好ましくない。 【0038】 図3は、本発明製造方法における樹脂含
浸工程を行う装置の模式断面図である。図3において、
1はマルチフィラメント状繊維、5はウーリー状態にす
るための砥石、6は含浸ロール、7はエポキシ系樹脂液
もしくはアクリル樹脂液、8は樹脂液浴槽、9は硬化
層、10はロッドをカットする部分、11はしごきロー
ル、12は巻き取りロールである。 【0039】 樹脂液は、エポキシ系樹脂もしくはアク
リル樹脂を有機溶剤などの各種溶媒に溶解又は分散した
液体であり、必要に応じて、硬化剤、増粘剤、フィラー
等を混合したものである。溶剤が好ましくない場合に
は、無溶剤タイプの設計も可能である。 【0040】 樹脂液の粘度は、樹脂をマルチフィラメ
ント状繊維に十分に含浸させて、乾燥後に前記樹脂付着
率となるようにするため、1000cps〜20000
cps、好ましくは2000cps〜18000cps
となるように調整することが好ましく、収縮率も20%
以下のものが望ましい。 【0041】 図3においては、ウーリー状マルチフィ
ラメント繊維1を、浴槽8中の数本段差をつけて固定さ
れたフリーロールである含浸ロール6が十分に浸るまで
満たされたエポキシ系樹脂液もしくはアクリル樹脂7に
含浸し、含浸ロール6を通過するときに繊維がロール部
に接触した状態で扁平に開き、しごきロール11を通過
することによって均一に含浸していくことにより樹脂が
被覆される。 【0042】 ウーリー状マルチフィラメント繊維1が
硬化層9を通過後、ロッドをカットする部分10を用い
て任意の長さにロッドを切断し製品化するが、切断を行
わず巻き取りリール12により巻き取ることも可能であ
る。 【0043】 ここでウーリー状マルチフィラメント繊
維に含浸、被覆されるエポキシ系樹脂もしくはアクリル
樹脂及び親水性付与剤に高比重のウイスカやフィラー等
の添加剤を添加し、比重をコンクリートの比重に近付け
ることも可能であるる。 【0044】 更に短時間で硬化を完了させる方法とし
て、エポキシ系樹脂やアクリル樹脂としてUV照射で硬
化する樹脂を選定し、含浸後、紫外線を照射して直接硬
化させる方法や、加熱によりラジカル重合や重縮合など
の反応により硬化する樹脂を選定し、シートに挟み込ん
だ状態で加熱硬化させる方法も可能である。 【0045】 ウーリー状マルチフィラメント繊維が相
互に結着された芯部とその周囲の樹脂被覆層が形成さ
れ、樹脂被覆層にウーリー形状による該凹凸が形成され
たものを取り出し、適当な長さになるように、長手方向
と直角方向に切断することにより、本発明のコンクリー
ト補強材を、好適に取得できる。 【0046】 本発明の補強材は、例えば、水、セメン
ト、細骨材、粗骨材、混和材等と共に、通常、コンクリ
ート中の含有量が0.1〜10体積%程度となるよう
に、混合して使用することができ、コンクリートの強
度、特に引張強度、曲げ強度等を向上し、ひび割れの生
成及び進展を効果的に抑制できる。 【0047】 【実施例】 以下、実施例及び試験例を挙げて、本発明
をより具体的に説明するが、下記実施例は本発明を限定
する性質のものではなく、本明細書に記載の趣旨に徹し
て設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含
まれるものとする。 【0048】 実施例1 破断強力:27.2cN/dtex、破断伸度:3.9
%、弾性率(初期引張抵抗度):941cN/dtex
の超高分子量ポリエチレン繊維(商品名「ダイニーマ1
320T」、東洋紡績(株)製、モノフィラメント本数
1170本)に800番の砥石をあててテンションを2
50gかけてしごきウーリー状に表面処理を行う。次い
でこのウーリー状マルチフィラメントに紫外線硬化型の
エポキシ樹脂(商品名「EPUV−101」、三精塗料
工業(株)社製、粘度2000cps、1液タイプ)を
224重量%になるように含浸被覆させ、直後に紫外線
を照射して硬化させた。 【0049】 この様にしてウーリー状マルチフィラメ
ント繊維が相互に結着された芯部とその周囲にウーリー
形状由来の凹凸を有する樹脂被覆層が形成され、樹脂被
覆層の周囲に高さ120μmの凹凸が形成されたものを
取り出し、30mmの長さになるように長手方向と直角
方向にカットし、ロッド状の本発明コンクリート補強材
を得た。 【0050】 表1に示すコンクリートの配合比に基づ
いてタテ10cm、ヨコ10cm、幅40cmのコンク
リート試験体を作製し、曲げ強度を評価するため、JI
S A 1106による3等分点載荷曲げ試験を行っ
た。試験はコンクリート試験体を成形後、第1次(湿気
室で1日)養生後脱型し、第2次(20℃の水中で14
日)養生後スパン30cm、載荷スピード3kN/分に
て最大曲げ強度を測定した。その結果最大曲げ強度は
8.2N/mmであった。 【0051】 実施例2 実施例1と同様に付着させる樹脂量として、105%と
なるように含浸させ、樹脂被覆層の周囲に高さ80μm
の凹凸が形成されたロッドを製造した。実施例1と同様
に最大曲げ強度を測定した結果、最大曲げ強度は8.9
N/mmであった。 【0052】 実施例3 破断強力:36.6cN/dtex、破断伸度:3.3
%、初期引張抵抗度:1350cN/dtexのPBO
繊維(商品名「ザイロン1110」、東洋紡績(株)
製、モノフィラメント繊維の本数890本)に54t/
mの撚りをかけ、含浸用樹脂としてエポキシ樹脂(商品
名「EP−45」、三精塗料工業(株)社製、粘度20
00cps、2液タイプ、主剤:硬化剤=2:1)を2
24重量%になるように含浸被覆させ、180℃で2分
間硬化させた。 【0053】 この様にしてウーリー状マルチフィラメ
ント繊維が相互に結着された芯部とその両面に高さ18
0μmの凹凸形状を有する樹脂被覆層が形成されたもの
を取り出し、30mmの長さになるように長手方向と直
角方向にカットして、ロッド状の本発明コンクリート補
強材を得た。 【0054】 実施例1と同様に最大曲げ強度を測定し
た。その結果最大曲げ強度は8.3N/mmであっ
た。 【0055】 比較例1 コンクリート補強材を全く使用しないで、同様にコンク
リート試験体を作製し、実施例1と同様に最大曲げ強度
を測定した。その結果最大曲げ強度は4.8N/mm
であった。 【0056】 比較例2 実施例1において、ウーリー加工しないで、同様の方法
で製造した。この時の樹脂付着量は230%で、実施例
とほぼ同様であったが、製造されたロッドの縦断面図
は、ほぼ円形で、殆ど表面には凹凸構造は認められなか
った。 【0057】 実施例1と同様に最大曲げ強度を測定し
た。その結果最大曲げ強度は6.6N/mmであっ
た。 【0058】 比較例3 実施例1において、使用マルチフィラメント繊維とし
て、表面をコロナ放電処理し、密着性を向上させたグレ
ードの繊維を用い、ウーリー化処理をしない樹脂付着量
226%のロッドを得たが、比較例2と同様に、表面は
平滑な、縦断面図はほぼ真円状態のロッド形状であっ
た。 【0059】 繊維を実施例1と同じ体積%用いてコン
クリート試験体を作製し、実施例1と同様に最大曲げ強
度を測定した。その結果最大曲げ強度は6.7N/mm
であった。 【0060】 比較例4 コンクリート補強材として、インテンドタイプの長さ3
0mmのスチールカット繊維を同じ体積%用いてコンク
リート試験体を作製し、実施例1と同様に最大曲げ強度
を測定した。その結果最大曲げ強度は8.1N/mm
であった。 【0061】 比較例5 コンクリート補強材として、長さ30mmのポリビニル
アルコール繊維を同じ体積%用いてコンクリート試験体
を作製し、実施例1と同様に最大曲げ強度を測定した。
その結果最大曲げ強度は6.5N/mmであった。 【0062】 結果を表2に示す。表2から、本発明の
コンクリート補強材をコンクリートに混入することで、
スチール繊維の場合と同等以上の曲げ強度ならびに曲げ
じん性効果を有し、従来のPVA(ポリビニルアルコー
ル)繊維の場合よりも強度が高く、スチール繊維の場合
に見られる補強材の腐食等の欠点が無いコンクリート構
造体が得られることがわかる。 【0063】 【発明の効果】本発明のコンクリート補強材によれば、
高強力のウーリー状マルチフィラメント繊維がエポキシ
系樹脂もしくはアクリル樹脂で結着された芯部と、その
芯部の周囲に設けられた繊維のウーリー構造由来の凹凸
を有する補強材であって、その形状が該繊維の長さ方向
が長手方向であるロッド状であり、その樹脂被覆層表面
にウーリー構造由来の凹凸が設けられており、この凹凸
形状がコンクリートに対してアンカーの如く食い込み、
容易にすり抜け難くすることにより、コンクリートとの
付着性を著しく向上させ、これを用いたコンクリート構
造物のクラックの進展を防ぐ効果が期待でき、高い破断
強度を有するコンクリート構造物が得られるという顕著
な効果が奏される。 実施例1:ウーリー状凹凸形状補強材(ダイニーマ樹脂
付着量224%) 実施例2:ウーリー状凹凸形状補強材(ダイニーマ樹脂
付着量105%) 実施例3:ウーリー状凹凸形状補強材(ザイロン樹脂付
着量224%) 比較例1:補強材なし 比較例2:ウーリー状凹凸形状なし補強材(ダイニーマ
樹脂付着量230%) 比較例3:ウーリー状凹凸形状なし補強材(ダイニーマ
コロナ放電処理樹脂付着量226%) 比較例4:鋼製補強材 比較例5:ビニロン製補強材 【表1】 【表2】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明コンクリート補強材の一例を示す模式図
であり、長手方向に沿う横断面図である。 【図2】本発明コンクリート補強材の一例を示す模式図
であり、長手方向に沿う縦断面図である。 【図3】本発明コンクリート補強材の製造方法における
樹脂含浸工程の模式断面図である。 【符号の説明】 1 ウーリー状マルチフィラメント繊維 2 芯部 3 エポキシ系樹脂被覆層 4 凹凸形状 5 砥石 6 含浸ロール 7 エポキシ系樹脂もしくはアクリル系樹脂液 8 樹脂液浴槽 9 硬化層 10 ロッドカット部分 11 しごきロール 12 巻き取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14/38 C04B 14/38 A 20/10 20/10 D02G 1/10 D02G 1/10 3/44 3/44 D06M 15/263 D06M 15/263 15/55 15/55 (72)発明者 桔梗谷 正 奈良県大和郡山市額田部北町1261番地の5 三精塗料工業株式会社内 (72)発明者 安延 誠 岡山県倉敷市黒崎566番地の1 有限会社 高尾商事内 Fターム(参考) 4G012 LA14 LA15 4L033 AA05 AA07 AA08 AA09 AB01 AC11 AC15 CA18 CA49 4L036 MA04 MA05 MA06 MA24 MA33 PA05

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】引張強度10cN/dtex以上、弾性率
    100cN/dtex以上、破断伸度0.3%以上10
    %以下の性能を有するウーリー状のマルチフィラメント
    繊維で且つエポキシ系樹脂もしくはアクリル系樹脂を含
    浸及び硬化させた後、任意の長さにカットされているこ
    とを特徴とするコンクリート補強材及びその製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016534247A (ja) * 2013-09-04 2016-11-04 オーシーヴィー インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー コンクリートの補強のための複合繊維
CN107311549A (zh) * 2017-06-20 2017-11-03 安庆市吉美装饰材料有限责任公司 一种装饰用可塑性复合材料的加工工艺

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