JP2003109249A - ヒートモード記録光ディスク媒体 - Google Patents

ヒートモード記録光ディスク媒体

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JP2003109249A
JP2003109249A JP2001301125A JP2001301125A JP2003109249A JP 2003109249 A JP2003109249 A JP 2003109249A JP 2001301125 A JP2001301125 A JP 2001301125A JP 2001301125 A JP2001301125 A JP 2001301125A JP 2003109249 A JP2003109249 A JP 2003109249A
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Kazuyuki Usuki
一幸 臼杵
Kazutoshi Katayama
和俊 片山
Norio Futaesaku
則夫 二重作
Masaaki Kudo
昌章 工藤
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Fujifilm Holdings Corp
Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤可溶性のポリイミド樹脂からなる下塗り
層を形成し、平滑性、耐熱性、透光性にすぐれたヒート
モード記録の光ディスク媒体を提供する。 【解決手段】 基板上に、順に、少なくとも下塗り層、
相変化型光記録層または光磁気記録層から選ばれたヒー
トモード記録層を有し、該下塗り層が、下記一般式
(1)で表わされる繰返し単位を含むポリイミド樹脂を
主成分とすることを特徴とするヒートモード記録光ディ
スク媒体である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光により情
報を記録・再生するヒートモード記録光ディスク媒体で
あって、特に、ポリイミド樹脂を主成分とした下塗り層
を有する光ディスク媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】近年の情報記録分野においては、光情報
記録に関する研究が各所で進められている。この光情報
記録は、非接触で記録・再生が行えること、磁気記録方
式に比べて高い記録密度が達成できること、再生専用
型、追記型、書き換え可能型のそれぞれのメモリー形態
に対応できること、等の数々の利点を有し、安価な大容
量ファイルの実現を可能とする方式として産業用から民
生用まで幅広く利用され、さらに今後の発展が期待され
ている。 【0003】前記光情報記録に使用される光ディスクと
しては、MOやMD等のような光磁気記録媒体;CD、
CD-R、DVD、DVD−R、DVD−RW等の光記
録媒体;等が挙げられる。 【0004】前記光磁気記録媒体は、一般に、プラスチ
ック等の透明な円盤状の基板に光磁気記録層を含む多層
膜を形成し、磁界を加えながらレーザー光を照射して記
録、消去を行い、レーザー反射光のカー回転角を検出し
て情報を再生する。このような光磁気記録媒体は以下に
示すような構成を有する。すなわち、透明基板上に、窒
化珪素、窒化アルミニウム、酸化珪素、ZnS等の透明
誘電体層が形成され、該透明誘電体層上にTbFeC
o、GdFeCo、DyFeCo、TbFeCoCr等
のアモルファス希土類遷移金属磁性膜あるいはPtCo
等の垂直磁化膜といった光磁気記録層が形成され、さら
に上記したような窒化珪素等の透明誘電体層が形成さ
れ、さらにはAl、AlTi、AlCr等のアルミニウ
ムを主とする反射層が形成され、さらにまた紫外線硬化
型樹脂等よりなる保護層が形成された構成とされる。こ
のような光磁気ディスクの情報を記録再生するには、透
明基板側から光を照射する。 【0005】このような光磁気記録媒体は、透明基板上
に、真空蒸着或いはスパッタリング等の手法により誘電
体層や反射層が形成されるが、真空蒸着やスパッタリン
グ等の手法によりそれぞれの層を形成しようとすると、
その表面が粗くなりやすい。上述のような透明基板から
光を照射する光磁気記録媒体においては、照射した光を
反射する反射層等の表面が粗いと、信号特性の劣化が発
生し易すくなるため、記録層および反射層等の平滑性を
改善する必要がある。 【0006】また、一般にレーザーを集光して書きこみ
を行うと、基板が熱ダメージを起こしやすい。一度、基
板が熱ダメージを受けて変形すると、書き換え耐久性が
劣化するという問題があった。この問題に対して誘電体
保護膜の厚みと熱伝導度を制御し、基板の熱ダメージを
防止する方法が用いられているが、高出力レーザーによ
る記録を行おうとすると、基板の熱ダメージを完全に防
止することが不可能であった。 【0007】一方、前記光ディスク媒体としては、レー
ザ光の照射による情報の記録、再生及び消去可能な光メ
モリ媒体の一つとして、結晶−非晶質間、或いは2つの
結晶相間の転移を利用する、いわゆる相変化型光記録媒
体としての光ディスクがよく知られている。この相変化
型光記録媒体は、Te、Se等のカルコゲンを主成分と
した光記録層と、この光記録層を両面から挟み込む透光
性誘電体層と、レーザ光の入射側とは反対に設けた反射
層と、保護層とから主に構成されている。代表的な材料
系に、GeSbTe系、AgInSbTe系材料が良く
知られていて、実用化されている。 【0008】記録原理は次の通りである。まず、成膜直
後の記録層は非晶質状態で反射率は低いので、はじめ
に、レーザ光を照射して光記録層を加熱し、ディスク全
面を反射率の高い結晶状態にする。この操作を初期化と
いう。初期化した光ディスクにレーザ光を局所的に照射
して記録膜を溶融、急冷し、アモルファス状態に相変化
させる。この相変化に伴い記録層の光学的性質(反射
率、透過率、複素屈折率等)が変化して、情報を記録す
る。再生は、弱いレーザ光を照射して結晶とアモルファ
スとの反射率差、または位相差を検出して行う。書き換
えは、結晶化を引き起こす低エネルギーの消去パワーの
上に重畳した記録ピークパワーを記録層に投入すること
により、消去過程を経ることなくすでに記録された記録
マーク上にオーバーライトする。 【0009】このような光記録媒体は、前記光磁気記録
媒体と同様に真空蒸着やスパッタリング等の手法により
光記録層、誘電体層、反射層が形成されるため、表面が
粗くなりやすい。従って、光記録媒体は、前記光磁気記
録媒体と同様に光記録層等の平滑性を改善する必要があ
る。光磁気ディスク媒体と同様に熱ダメージの問題があ
る。 【0010】平滑性、耐熱性を改善するための一つの手
段として、真空成膜を行う前に基板表面に下塗り層を形
成する手段が挙げられる。該下塗り層としては、種々の
材料が考えられるが、少なくとも、スパッタリング法に
耐えうる耐熱性を有する材料が好ましい。該材料として
は、ポリアミド樹脂やポリイミド樹脂が挙げられるが、
これらは、汎用溶剤に対する溶解性が低く、扱いにくい
溶剤を使用する必要がある。また、従来のポリイミド樹
脂は芳香属系であり、かかる芳香属系ポリイミド樹脂の
多くは溶媒への溶解性が低い。従って、例えば、基板等
にコーティングする場合は、直接ポリイミド樹脂を塗布
することができず、前駆体であるポリアミック酸の溶液
を塗布し、その後の工程で加熱によるイミド化を行わな
ければならないので、加工性が悪かった。さらに、樹脂
が汎用溶剤に可溶性であっても、溶液の粘度が高いた
め、薄くて均一な被膜が得られず、表面性を高めること
は困難である。さらにこのような方法では、溶剤を十分
に乾燥することが難しく、塗膜中の溶剤残留量が多くな
ってしまう問題がある。また、一般に、ポリイミド樹脂
は可視光領域に吸収を有しており、レーザーの透光性に
問題があった。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】以上から、本発明は、
溶剤可溶性のポリイミド樹脂からなる下塗り層を形成
し、平滑性、耐熱性、透光性にすぐれたヒートモード記
録の光ディスク媒体を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的は、以下に示す
本発明により解決される。すなわち、本発明は、基板上
に、順に、少なくとも下塗り層、相変化型光記録層また
は光磁気記録層から選ばれたヒートモード記録層を有
し、該下塗り層が、下記一般式(1)で表わされる繰返
し単位を含むポリイミド樹脂を主成分とすることを特徴
とするヒートモード光ディスク媒体である。 【0013】 【化2】 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の光ディスク媒体は、基板
上に、少なくとも、下塗り層、相変化型光記録層または
光磁気記録層から選ばれたヒートモード記録層が順次形
成されている。また、必要に応じてその他の公知の層
(接着層、誘電体層、反射層、保護層等)がこれらの層
の間等に形成される。また本発明においては記録・再生
に使用するレーザー光はCDのように基板側から入射す
る方式、あるいは現在提案されている次世代の光ディス
クのように保護層側あるいは記録層側から入射する方式
のいずれにも使用可能である。本発明の光ディスク媒体
の好ましい構成としては、少なくとも、基板上に、下塗
り層、光または光磁気記録層がこの順に形成されるもの
であるが、基板側からレーザー光を入射する場合には、
下塗り層と記録層間に誘電体層、記録層上に誘電体層、
さらに誘電体層上に反射層、保護層が存在してもかまわ
ない。一方、記録層側からレーザー光を入射する場合に
は、下塗り層と記録層間に反射層、誘電体層、記録層上
に誘電体層、接着層、保護層が存在してもかまわない。
以下、基板および各層について説明する。 【0015】<基板>基板としては、従来の光情報記録
媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意
に選択して使用することができる。具体的には、ガラ
ス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の
アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等
の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリ
オレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等
を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよ
い。また記録膜側からレーザー光を入射する場合に限
り、基板はアルミニウムやシリコンなどレーザー光を透
過しない物質でもかまわない。上記材料の中では、耐湿
性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファス
ポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカ
ーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、特に
限定されないが一般的なシステムとしては、1.1±
0.3mmとすることが好ましい。 【0016】基板には、トラッキング用の案内溝または
アドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が
形成されている。DVR(ソニー(株)が提唱する高密
度記録媒体 22.5GB/枚)として使用する場合
は、より高い記録密度を達成するためにCD−R/RW
やDVD−R/RWに比べて、より狭いトラックピッチ
のプレグルーブが形成された基板を用いることが好まし
い。プリグルーブのトラックピッチは、200〜400
nmの範囲にとすることを必須とし、好ましくは、25
0〜350nmの範囲とする。また、プレグルーブの深
さ(溝深さ)は、40〜150nmの範囲とすることが
好ましく、50〜120nmの範囲とするとすることが
より好ましい。 【0017】<下塗り層>下塗り層は、前記プレグルー
ブが形成された基板上に形成され、下記一般式(1)で
表わされる繰返し単位を含むポリイミド樹脂(以下、
「架橋型ポリイミド樹脂」という)を主成分とする。架
橋型ポリイミド樹脂を主成分として、下塗り層を形成す
ることで、熱ダメージを防止し、後述する誘電体層の薄
膜化を図ることが可能となり、情報記録時の基板変形を
防止することができる。 【0018】 【化3】 【0019】下塗り層中における架橋型ポリイミド樹脂
の含有量は、固形分質量で50質量%以上であることが
好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、
特に架橋型ポリイミド樹脂のみで構成されることが最も
好ましい。含有量が50質量%未満であると、耐熱性等
を十分に付与できなくなり、充分な接着性や平滑性を付
与することが困難となることがある。下塗り層は、本発
明の効果を損なわない範囲で、ポリアミド樹脂、エポキ
シ樹脂等の他の樹脂を含有させたり、必要に応じて、種
々の添加剤(エポキシ樹脂の硬化剤、硬化触媒)等を添
加することができる。 【0020】架橋型ポリイミド樹脂における上記一般式
(1)で表わされる繰り返し単位の含有率としては、1
0%以上が好ましく、50%以上がさらに好ましく、特
に架橋型ポリイミド樹脂が上記一般式(1)で表わされ
る単位のみで構成されることが最も好ましい。上記含有
率が10%未満であると、後述する有機溶剤に対する溶
解性や耐熱性が低下する場合がある。また、架橋型ポリ
イミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記
繰り返し単位のほか、ピロメリット酸、ビフェニルテト
ラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフ
ェニルスルホンテトラカルボン酸等の酸無水物由来の繰
り返し単位、オキシジアニリン、メチレンジアニリン、
キシリレンジアミン、ビス(アミノフェノキシフェニ
ル)プロパン等の芳香族ジアミン由来の繰り返し単位、
メチレンビスシクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジ
アミン等の脂肪族ジアミン由来の繰り返し単位、ジアミ
ノシロキ酸等に由来の繰り返し単位を含んでいてもよ
い。 【0021】架橋型ポリイミド樹脂の重量平均分子量
は、5000〜150000の範囲内であることが好ま
しく、10000〜100000の範囲内であることが
さらに好ましい。上記重量平均分子量が5000〜15
0000の範囲内にあると、溶液粘度の上昇によるハン
ドリング適性の低下がなく、かつ、レベリング効果が得
られ、さらに、耐熱性を高める点からも好適である。さ
らに、架橋型ポリイミド樹脂の物性としては、ガラス転
移温度Tg(℃)〔DSC〕は、レーザー光およびスパ
ッタ成膜時の熱ダメージを防止する観点から、200〜
450℃の範囲内であることが好ましく、250〜40
0℃の範囲内であることがさらに好ましい。 【0022】また、鉛筆硬度(JIS−K5400)と
しては、耐傷性の点から、B〜7Hの範囲内であること
が好ましく、H〜4Hの範囲内であることがさらに好ま
しい。光の透過度としては、使用するレーザー波長にお
いて0.8以上であることが好ましく、0.9以上であ
ることがより好ましい。 【0023】架橋型ポリイミド樹脂の原料としては、特
定の架橋炭化水素のジアミンを好適に用いることができ
る。従って、従来の芳香属系のポリイミド樹脂とは異な
り、前駆体のポリアミド酸でなく、イミド化が完結した
状態で、クロロホルム、ジメチルスルホオキサイド(D
MSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、
N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、
γ−バレロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、
m−クレゾール、等の一般的な有機溶剤に溶解すること
が可能である。このため、溶液による架橋型ポリイミド
樹脂の成膜が可能であり、溶剤を幅広く選択することが
できるため、種々の塗布方法によって下塗り層を形成す
ることができる。また、架橋型ポリイミド樹脂は、その
溶液の粘度が低いため、これを支持体(基板)上に塗布
したときに、凹凸に対する回り込みが良く、平滑化効果
が高いことから、ディスクの平坦化が可能となり、高い
密着性を付与することができる。また、ハンドリング性
が良好なことから、下塗り層の形成作業が容易であり、
さらに、ポリイミド樹脂をモノマー単位ではなく重合体
として支持体に付与するため、硬化(重合)工程が不要
となり、生産性、作業性に優れる。また、硬化(重合)
工程が不要であることから、該工程において与えうるデ
ィスクの熱的なダメージがない。さらに、架橋型ポリイ
ミド樹脂は、従来の芳香族系のポリイミド樹脂と比較し
て透明性(透光性)が高いため、レーザー光路としても
好適である。 【0024】以下に本発明におけるポリイミドの好適な
製造方法について説明する。まず、反応容器にビシクロ
[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6テト
ラカルボン酸二無水物と、DMF、トルエン等の有機溶
剤を加えて、60〜120℃に加温する。次いで、2,
5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タンおよび/または2,6−ビス(アミノメチル)ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタンを滴下し、120〜160
℃で、10〜120分間反応させる。さらに上記温度よ
り高い160〜200℃で1〜10時間反応させ、反応
後に反応液を冷却し、該反応液を多量のアセトン中に添
加する。その後、溶液中の固形物を濾別し、該固形物を
乾燥してポリイミド樹脂の白色粉末を得ることができ
る。なお、架橋型ポリイミド樹脂の製造方法はこれに限
られるものではない。当該架橋型ポリイミド樹脂として
は、丸善石油化学(株)社から市販されているPI−1
00(商品名)等を好適に用いることができる。 【0025】本発明において基板上にポリイミド樹脂を
付与して下塗り層を形成する方法としては、前記架橋型
ポリイミド樹脂を前記有機溶剤に溶解した溶液をスプレ
ー法、ディップコート法、スピンコート法等の手法によ
って基板上に塗布した後、乾燥する方法を用いることが
できる。また、上記乾燥には、一般的な熱風乾燥、赤外
線乾燥等の方法を利用できる。このようにして形成され
た下塗り層の厚さは、0.005〜20μmとすること
が好ましく、0.01〜1μmとすることがより好まし
い。 【0026】<誘電体層>前記下塗り層上には、誘電体
層(「誘電体保護層」ともいう)を形成することが好ま
しい。誘電体層は、記録時に基板、記録層等が熱によっ
て変形して記録特性が劣化することを防止するなど、基
板、記録層を熱から保護する効果、光学的な干渉効果に
より、再生時の信号コントラストを改善する効果があ
る。誘電体層は、後述する記録層上にも形成することが
好ましいが、これらは、同一の材料、組成でなくてもよ
く、異種の材料から構成されていてもよい。誘電体層と
しては、Si、Ge、Al、Ti、Zr、Taなどの金
属、あるいは半導体の酸化物の薄膜、Si、Ge、Al
などの金属、あるいは半導体の窒化物の薄膜、Ti、Z
r、Hf、Siなどの金属あるいは半導体の炭化物の薄
膜、ZnS、In23、TaS4、GeS2等の金属、あ
るいは半導体の硫化物の薄膜、及びこれらの化合物の2
種類以上の混合物の膜が、耐熱性が高く、化学的に安定
なことから好ましい。誘電体層の厚さは、5〜200n
mとすることが好ましく、10〜100nmとすること
がより好ましい。 【0027】<光記録層>光記録層は、前記下塗り層上
に形成される。しかし、下塗り層上に誘電体層が形成さ
れた場合は、該誘電体層上、反射層が形成された場合に
は反射層上に形成してもかまわない。光記録層は、結晶
状態と非晶状態の少なくとも2つの状態をとり得る少な
くともAg、Al、Te、Sbからなる相変化型の光記
録材料からなることが好ましい。なお、当該光記録層上
には、必要に応じて、既述の誘電体層が形成することが
好ましい。 【0028】<光磁気記録層>光磁気記録層は、TbF
eCo、DyFeCo、NdDyFeCo等、垂直磁化
で保磁力が大きく、適度なキュリー点を有し、カー回転
角が大きい垂直磁気記録材料が好ましいが、TbFeC
oを主体とした材料は特に保磁力が大きいので好まし
い。TbFeCoには耐食性を高めるためにCr、T
i、Zr、Nd、Ta等の耐食性元素を添加したり、短
波長でのカー回転角を高めるために数原子%のNd等が
添加されてもよい。耐食性を高める元素を添加するとカ
ー回転角が減少するが、Ta添加の場合はCo濃度の補
正によりキュリー温度を同じくすればTbFeCoとほ
とんど同等のカー回転角が得られるので特に好ましい。
光磁気記録層はTbFeCoのように保磁力が大きい材
料とGdFeCoのように保磁力が小さい材料の積層等
であってもよい。 【0029】また光記録層、光磁気記録層の厚さは、5
〜100nmとすることが好ましく、10〜50nmと
することがより好ましい。 【0030】<反射層>反射層は、基板側からレーザー
を入射する場合には記録層上、記録層側からレーザーを
入射する場合には基板と記録層間に形成することが好ま
しい。前記反射層には、レーザー光に対する反射率が高
い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以
上であることが好ましい。反射率が高い光反射性物質と
しては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属ある
いはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反
射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の
組合せで、または合金として用いてもよい。これらのう
ちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、
Au、Al、Tiおよびステンレス鋼である。特に好ま
しくは、Au、Ag、Al、Tiあるいはこれらの合金
である。反射層の厚さは、一般的には10〜300nm
の範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ま
しい。 【0031】光記録層、光磁気記録層、誘電体層、反射
層を形成する方法としては、公知の真空中での薄膜形成
法、例えば真空蒸着法(抵抗加熱型や電子ビーム型)、
イオンプレーティング法、スパッタリング法(直流や交
流スパッタリング、反応性スパッタリング)などがあげ
られる。特に組成、膜厚のコントロールが容易であるこ
とから、スパッタリング法が好ましい。 【0032】<接着層>本発明の光ディスク媒体では必
要に応じて接着層を設けることができる。接着層は、反
射層と保護層の接着、多層の記録層を有する場合には記
録層間の接着等に用いる任意の層である 接着層を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好まし
く、なかでもディスクの反りを防止するため、硬化収縮
率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂と
しては、例えば、大日本インキ社製の「SD−64
0」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化
性接着剤)を挙げることができる。また、接着層の厚さ
は、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が
好ましく、5〜500μmの範囲がより好ましく、10
〜100μmの範囲が特に好ましい。 【0033】<保護層>保護層は、ディスクの耐傷性を
高めるため、記録層上に設けることが好ましい。レーザ
ー光を基板側から入射する場合にはCDのようにその材
料は特に限定されないが、記録層側からポリカーボネー
ト、アモルファスポリオレフィン、透光性のUV硬化樹
脂、本発明の下塗り層に使用する透光性ポリイミドなど
で構成されることが好ましい。保護層の厚さは、特に限
定されないが0.001〜1.0mmであることが好ま
しく、0.01〜0.2mmであることがより好まし
い。 【0034】 【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0035】(実施例1)厚さ0.6mm、直径120
mmのスパイラル状のグルーブ(トラックピッチ0.7
4μm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂(帝人
社製ポリカーボネート商品名パンライトAD5503)
基板のグルーブを有する面上に、ポリイミド樹脂(PI
−100、丸善石油化学(株)製)を1質量%含有する
シクロヘキサノン溶液をスピンコート法により塗布し、
厚さ0.1μmの下塗り層を形成した。 【0036】形成した下塗り層上に、厚み30nmのZ
nS−SiO2からなる誘電体保護層、厚み20nmの
Ag−In−Sb−Teからなる相変化記録層、厚み1
5nmのZnS−SiO2からなる誘電体保護層、厚み
120nmのAl−Tiからなる反射層、をこの順にス
パッタリングにより形成した。次に、前記反射層上にU
V硬化型接着剤をスピンコート法で塗布し、UV照射を
行って硬化反応を開始させた後、ダミーとなるポリカー
ボネート基板(厚み0.6mm、直径120mm)を貼
り合わせ、DVD構成の相変化型光ディスクを作製し
た。 【0037】(比較例1)下塗り層を形成しなかった以
外は、実施例1と同様にして相変化型光ディスクを作製
した。 【0038】実施例1および比較例1で作製したそれぞ
れの相変化型光ディスクを、波長660nm、開口数
(NA)0.6のピックアップを用いた光ディスク用記
録再生テスターを用い、オーバーライトテストを行っ
た。レーザー光は基板側から入射した。その結果、本発
明を用いた実施例1の光ディスクでは、1000回以上
の書き換え耐久性を示したのに対し、比較例1の光ディ
スクでは、その耐久性は700回であった。 【0039】(実施例2)厚さ1.1mm、直径120
mmのスパイラル状のグルーブトラックピッチ0.31
5μm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂基板の
グルーブを有する面上に、ポリイミド樹脂(PI−10
0、丸善石油化学(株)製)を1質量%含有するシクロ
ヘキサノン溶液をスピンコート法により塗布し、厚さ
0.1μmの下塗り層を形成した。 【0040】形成した下塗り層上に、厚み120nmの
Al−Tiからなる反射層、厚み30nmのSi34
らなる誘電体保護層、厚み30nmのTb−Fe−Co
からなる光磁気記録層、厚み25nmのSi34からな
る誘電体保護層をこの順にスパッタリングにより形成し
た。次に、前記反射層上にUV硬化型接着剤をスピンコ
ート法で塗布し、UV照射を行って厚み0.1mmの保
護層を形成して記録層側レーザー入射型の光磁気ディス
クを作製した。 【0041】(比較例2)下塗り層を形成しなかった以
外は、実施例2と同様にして光磁気ディスクを作製し
た。 【0042】実施例2および比較例2で作製したそれぞ
れの光磁気ディスクを、波長405nm、開口数(N
A)0.85のピックアップを用いた光磁気ディスク用
記録再生テスターを用い、レーザーパワー0.5mW、
線速度2.0m/secで磁界変調オーバーライトテス
トを行った。レーザー光は記録層側から入射した。その
結果、本発明を用いた実施例2の光磁気ディスクでは、
1000回以上の書き換え耐久性を示したのに対し、比
較例2の光磁気ディスクでは、その耐久性は750回で
あった。 【0043】 【発明の効果】本発明によれば、溶剤可溶性のポリイミ
ド樹脂からなる下塗り層を形成し、平滑性、耐熱性、透
光性にすぐれたヒートモード記録の光ディスク媒体を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 和俊 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 二重作 則夫 東京都中央区八丁堀2丁目25番10号 丸善 石油化学株式会社内 (72)発明者 工藤 昌章 東京都中央区八丁堀2丁目25番10号 丸善 石油化学株式会社内 Fターム(参考) 4J043 PA02 PA04 PA08 PA15 QB15 QB26 QB31 RA35 SA06 SA43 SB01 SB02 TA22 TB01 TB02 UA041 UA042 UA081 UA082 UA121 UA122 UA131 UA132 UA151 UA652 UA662 UA692 UB021 UB121 UB152 UB302 UB402 XA03 ZA12 ZB03 5D029 JA01 JB18 NA03 5D075 FG10

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板上に、順に、少なくとも下塗り層、
    相変化型光記録層または光磁気記録層から選ばれたヒー
    トモード記録層を有し、該下塗り層が、下記一般式
    (1)で表わされる繰返し単位を含むポリイミド樹脂を
    主成分とすることを特徴とするヒートモード記録光ディ
    スク媒体。 【化1】
JP2001301125A 2001-09-28 2001-09-28 ヒートモード記録光ディスク媒体 Pending JP2003109249A (ja)

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