JP2003107026A - オイル劣化検知方法及び装置 - Google Patents

オイル劣化検知方法及び装置

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JP2003107026A
JP2003107026A JP2001304131A JP2001304131A JP2003107026A JP 2003107026 A JP2003107026 A JP 2003107026A JP 2001304131 A JP2001304131 A JP 2001304131A JP 2001304131 A JP2001304131 A JP 2001304131A JP 2003107026 A JP2003107026 A JP 2003107026A
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capacitance
oil
capacitor
circuit
sensing capacitor
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Hisashi Sasaki
寿 佐々木
Shinichi Hayashi
伸一 林
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測新品オイルを基準媒体として用いる必要が
なく、しかもオイル温度が変化した場合でも、オイルの
静電容量に基づく劣化検知を常に正確に行なうことがで
きるエンジンオイル劣化検知方法を提供する。 【解決手段】 劣化検知対象となるエンジンオイル中に
浸漬される電極対によりセンシングコンデンサCSを形
成し、そのセンシングコンデンサCSの静電容量変化に
基づいて、該エンジンオイルの劣化検知を行なう。セン
シングコンデンサCSの静電容量を測定するために、該
センシングコンデンサCSに正弦波測定信号を入力
し、該正弦波測定信号の入力に対するセンシングコン
デンサの応答波形に基づいて該センシングコンデンサ
CSの静電容量を反映した検知信号(10)を得るととも
に、正弦波測定信号の周波数を10kHz以上100
MHz未満に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オイル劣化検知
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等のエンジンを保守する場合、潤
滑用のオイルをしかるべき時期に交換することは、エン
ジンを長持ちさせる上で非常に重要である。一般には、
オイル溜めにオイルゲージを差し込んでおき、定期的に
これを抜き取ってオイル汚れ状況を目視確認することに
より、オイル劣化の状態を把握するようにしている。し
かし、必要に迫られて運転はするが自動車そのものには
興味がないといったドライバーや、機械が苦手なドライ
バーなどは、気を利かせたガソリンスタンド店員にオイ
ル確認してもらって初めて汚れに気が付く、という状況
が普通であり、信じ難いことではあるが車検時等に一度
しかオイル交換をしない、といったことも現実にありえ
る。なお、多くの自動車のコックピットパネルにはオイ
ル警告インジケータが設けられているが、これはオイル
レベルの検知結果を報知するだけのものであって、汚れ
状態等を報知するものではない。
【0003】そこで、特表平11−507434号、特
開平5−264495号、特開昭63−168549
号、特開昭59−102151号及び特開平6−824
08号の各公報には、オイルの静電容量あるいはその静
電容量と関連した誘電率を測定することにより、オイル
劣化状態を検知する装置が提案されている。ここで、オ
イル劣化の原因の一つとして全酸価の増加がある。これ
は、オイルの主体であるベースオイルが酸化し、有極性
物質のカルボン酸やアルコールが増加することが要因と
考えられている。その結果、オイルの誘電率が上昇して
静電容量が増大するから、これを検知することによりオ
イル劣化状態を知ることができる。
【0004】ところで、静電容量測定は一般には交流イ
ンピーダンス測定によりなされる。オイル劣化検知の場
合、オイル内に1対の電極を対向配置してオイルを誘電
体とするセンシングコンデンサを形成し、これに交流測
定信号を供給してその応答波形から静電容量を求めるこ
ととなる。前述の通り、オイルに浸漬されるセンシング
コンデンサの静電容量変化は、オイルの劣化とともに減
少する。この場合、センシングコンデンサの交流通過挙
動は、図14(c)に示す等価回路により容易に理解す
ることができる。すなわち、対向電極により形成される
コンデンサのメインパラメータとしての静電容量(以
下、主静電容量という)CMに対し、誘電体をなすオイ
ルの絶縁抵抗は寄生パラメータであり、その主静電容量
CMに対する等価並列抵抗RPとして把握できる。他方、
交流印加時には、その角周波数を2πfとして、主静電
容量CMは1/(2πfCM)の容量性リアクタンスXc
を生ずる。
【0005】センシングコンデンサのインピーダンス測
定においては、使用する交流周波数が小さくなると容量
性リアクタンスXcが増大するから、主静電容量CMを
通過する電流成分(以下、容量通過電流という)Icに
対する、等価並列抵抗RPを通過する電流成分(以下、
抵抗通過電流成分という)Ipの相対値Ip/Ic(以
下、Dで表す)が大きくなる。室温下では、新品オイル
では導電性添加剤の含有量が多いため絶縁抵抗が低い傾
向にあり、上記の等価並列抵抗RPは小さくなり、劣化
オイルでは逆に少なくなるので、等価並列抵抗RPは大
きくなる。すなわち、抵抗通過電流Ipは劣化したオイ
ルほど小さく現れることとなる。従って、室温下では、
インピーダンス測定に用いる交流周波数fを低くすれ
ば、オイル劣化状態に応じた変化率の大きい抵抗通過電
流Ipの寄与を大きくでき、ひいては劣化オイルと新品
オイルとのインピーダンス(あるいは静電容量)測定値
の差を大きくできるから、オイルの劣化をより検知しや
すくなる。特開平6−82408号公報には、その交流
周波数の適正範囲として100mHz〜10kHzが開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】運転中のエンジンの周
辺は、水冷されているといえどもある程度の昇温が避け
がたく、しかもその温度は、運転状態によって常温から
130℃前後までの比較的広い幅で変動する。従って、
オイルの温度ひいてはセンシングコンデンサの温度もこ
れに対応した温度で変動を受ける。この際、オイル劣化
検知を上記のようなインピーダンス測定に基づいて行な
おうとした場合、図14(b)の等価回路においては、
抵抗通過電流Ipはその温度変化の影響を非常に大きく
受ける。図19は、2種類の市販の新品オイルについ
て、その絶縁抵抗の温度変化を示すものであるが、いず
れも温度上昇に伴い絶縁抵抗が急速に減少していること
がわかる。従って、測定に使用する交流周波数を低く設
定した場合、オイル温度上昇に伴うオイルの絶縁抵抗の
変動に起因して、インピーダンス測定値に対するセンシ
ングコンデンサの静電容量測定が的確に行なえなくな
り、この静電容量変化に基づくオイル劣化検知を的確に
行なうことが不可能となる問題がある。
【0007】本発明の課題は、オイル温度が上昇した場
合でも、オイルの絶縁抵抗変動の影響を抑制してオイル
の静電容量に基づく劣化検知を常に正確に行なうことが
できるオイル劣化検知方法及び装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明の
オイル劣化検知方法は、劣化検知対象となるオイル中に
浸漬される電極対によりセンシングコンデンサを形成
し、そのセンシングコンデンサの静電容量変化に基づい
て、該オイルの劣化検知を行なう方法において、センシ
ングコンデンサの静電容量を測定するために、該センシ
ングコンデンサに正弦波測定信号を入力し、該正弦波測
定信号の入力に対するセンシングコンデンサの応答波形
に基づいて該センシングコンデンサの静電容量を反映し
た検知信号を得るとともに、正弦波測定信号の周波数を
10kHz以上100MHz未満に設定することを特徴
とする。
【0009】また、本発明のオイル劣化検知装置は、劣
化検知対象となるオイル中に浸漬される電極対によりセ
ンシングコンデンサを形成し、そのセンシングコンデン
サの静電容量変化に基づいて、該オイルの劣化検知を行
なう装置において、センシングコンデンサの静電容量を
測定するために、該センシングコンデンサに入力するべ
き測定信号として、周波数が10kHz以上100MH
z未満の正弦波測定信号を生成する測定信号生成回路
と、測定信号の入力に対するセンシングコンデンサの応
答波形に基づいて、該センシングコンデンサの静電容量
を反映した検知信号を出力する検知信号出力回路と、を
備えたことを特徴とする。
【0010】上記本発明の方法及び装置においては、検
知対象オイルを誘電体として形成されるセンシングコン
デンサの、静電容量を反映した検知信号をインピーダン
ス測定により得るに際して、使用する正弦波測定信号の
周波数を、前記した特開平6−82408号公報に開示
された周波数範囲よりも高い、10kHz以上100M
Hz未満に設定する点に特徴がある。このような従来よ
りも高めの周波数範囲を使用することにより、図14
(b)に示す等価回路において、温度依存性の大きい抵
抗通過電流Ipの寄与を適度に少なくすることができる
から、水冷エンジン等で通常問題となる温度範囲(−2
0〜130℃前後)にて、オイル温度が変動して、オイ
ル自体の絶縁抵抗が変動した場合であっても、オイル中
に形成されたセンシングコンデンサの静電容量変化に基
づいて、オイル劣化検知を的確に行なうことが可能とな
る。
【0011】本発明において、使用する正弦波測定信号
の周波数が10kHz未満になると、抵抗通過電流Ip
の寄与、ひいては検知信号レベルの温度依存性が大きく
なって、オイル温度の上昇に伴うオイルの絶縁抵抗低下
の影響を受け易くなるために、的確な劣化検知が困難と
なる。他方、100MHzを超えた場合は、容量性リア
クタンス成分が極度に減少する結果、劣化オイルと新品
オイルとの検知信号レベルの差が小さくなって、検知判
別が困難となる。また、100MHzを超える周波数の
正弦波測定信号を精度よく発生させる信号発生器及び検
出回路は一般に高価であり、装置コストの高騰を招く問
題がある。使用する正弦波測定信号の周波数は、望まし
くは20kHz〜1MHz、より望ましくは20kHz
〜100kHzの範囲で調整することが望ましい。
【0012】なお、本発明の適用対象となるオイルは、
主に自動車用等のエンジンオイルであるが、機械潤滑油
などエンジンオイル以外のオイルにも適用可能である。
【0013】ところで、オイルの静電容量測定を行なう
ためには、測定用の電気回路が必要となる。センシング
コンデンサの静電容量をインピーダンス測定により測定
する場合、当然に、測定信号生成回路や検知信号出力回
路を周辺回路として配置する必要がある。これらの周辺
回路とセンシングコンデンサとは、ノイズ防止のために
ツイストペア線や同軸線からなるケーブルを用いて接続
されるが、あまり長くケーブルを引き出すと、ケーブル
自体が有している浮遊容量の影響が大きくなり、オイル
の静電容量を正確に測定することができなくなる。従っ
て、オイルの静電容量測定に際してはセンシングコンデ
ンサと周辺回路とを結ぶ接続用のケーブル長を可及的に
短くする必要があり、結果的に周辺回路はオイル溜めの
あるエンジンの近傍に配置せざるを得なくなる。しか
し、前述の通り、運転中のエンジンの周辺は、常温から
130℃前後までの比較的広い幅で変動するため、測定
用の周辺回路の温度も随時変化を受けることになる。そ
の結果、同じ劣化状態のオイルであっても、測定に使用
される周辺回路の温度が変化すれば、その検知信号の出
力レベルに差を生じ、正確な静電容量測定ができなくな
る問題がある。
【0014】これを解決するためには、検知信号の、検
知信号出力回路の温度特性に由来した出力レベル変化を
補償するための温度補償機構を設けておくことが有効で
ある。この構成によると、検知信号出力回路を含む測定
用回路系の温度が変化した場合でも、測定対象となるオ
イルの(見かけの)静電容量に基づく劣化検知を常に正
確に行なうことができる。つまり、正弦波測定信号の周
波数として、抵抗通過電流Ipの影響を軽減できる前記
範囲を採用し、かつ温度補償機構を設けることにより、
検知信号出力に温度依存性を生じさせる二大要因であ
る、オイルの温度変動に伴うオイル自体の絶縁抵抗変動
と検知信号出力回路の温度特性との双方についてその影
響を軽減でき、オイル温度や回路温度が変動した場合で
も、正確にオイル劣化検知を行なうことができるように
なる。
【0015】ここで、検出信号の、検知信号出力回路の
温度特性に由来した出力レベル変化を補償するための温
度補償機構としては、静電容量の温度係数がセンシング
コンデンサよりも小さい基準コンデンサと、その基準コ
ンデンサの静電容量測定に基づき、静電容量検知信号を
温度補償するための処理を行なう温度補償処理回路とを
有するものとして構成するとよい。検知信号出力回路の
温度特性により、静電容量の検出値自体が変化すること
になっても、基準コンデンサの静電容量をその都度測定
することで、センシングコンデンサの静電容量の検出値
を、温度依存性の小さい基準コンデンサの静電容量を基
準として正規化することができ、温度変化の影響を効果
的に軽減できる。
【0016】なお、基準コンデンサは、静電容量の温度
変化率がセンシングコンデンサ(つまり、検知対象とな
るオイル)よりも経時変化の小さいものを使用する点が
重要である。例えば、特開昭63−168549号公報
には、検知対象となるオイルと同種の未使用オイルを基
準媒体として用いた第二のコンデンサを用いる構成が開
示されている。しかしながら、一般の水冷自動車用エン
ジンの周囲温度が概ね−30〜120℃の間で変化する
ことと、基準媒体として用いるオイル自身が周囲温度の
影響を受けて経時変化を来たす(例えば酸化等を生ず
る)ことから、測定回路系の温度補償に使用する基準コ
ンデンサとしての機能は全く期待できない。
【0017】上記基準コンデンサを用いる構成において
温度補償処理回路は、具体的には、基準コンデンサに入
力するべき測定信号を生成する測定信号生成回路と、測
定信号の入力に対する基準コンデンサの応答波形に基づ
いて、該基準コンデンサの静電容量を反映した検知信号
を出力する検知信号出力回路とを有するものとして構成
することができる。この場合、検知信号に基づくセンシ
ングコンデンサの静電容量測定情報と、同じく基準コン
デンサの静電容量測定情報との比較に基づいて温度補償
を行なうこととなる。例えば、静電容量測定情報とし
て、各静電容量の絶対値を反映したパラメータ(以下、
容量パラメータという)を用いる場合は、センシングコ
ンデンサの容量パラメータと基準コンデンサの容量パラ
メータとの比を用いることで、検知信号出力回路の温度
特性の影響を効果的に減ずることができる。
【0018】この場合、温度補償処理回路において、測
定信号生成回路と検知信号出力回路とは、同一仕様のも
のであればセンシングコンデンサ用のものと基準コンデ
ンサ用のものとを別々に用意してもよいが、これら回路
はセンシングコンデンサと基準コンデンサとの間で共用
化することがより望ましい。このようにすると、部品点
数が減じられて安価となるばかりでなく、個別に設ける
回路間の温度特性ばらつきの影響もなくなり、温度補償
の信頼性をより高めることができる。この場合、それら
回路の接続を、センシングコンデンサと基準コンデンサ
との間で切り替える切り替え回路を設けるようにする。
また、切り替え回路による回路接続の切り替えを、一定
周期にて繰り替えし実行させる切り替え制御機構を設け
ておけば、温度補償を伴うオイル劣化検知を定期的に自
動実行することができ、オイル交換時期等をより的確に
把握することができる。
【0019】基準コンデンサとしては、一般の水冷自動
車用エンジンの周囲温度が、おおむね−30℃〜120
℃の間に収まっていることを考慮し、静電容量の温度変
化率が該温度域でなるべく小さいものを使用すること
が、オイル静電容量測定の温度補償をより正確に行なう
上で望ましい。例えば、前記温度域での静電容量の温度
変化率が±1%以内に収まっているものを使用すると、
オイルの静電容量測定値に対し、基準コンデンサ自体の
静電容量の温度変化率がほとんど無視できる。その結
果、検知信号に基づく基準コンデンサの静電容量測定情
報を補正せずに用いても、センシングコンデンサの静電
容量測定情報を問題なく温度補償することが可能とな
る。ただし、基準コンデンサの静電容量の温度変化率が
上記範囲から多少逸脱したコンデンサであっても、静電
容量の温度依存性が予め知れている場合は、温度センサ
による測温結果に基づいて基準コンデンサの静電容量測
定情報をそのつど温度補正することにより、基準コンデ
ンサとして使用することができる。
【0020】次に、測定信号生成回路は、測定信号とし
て正弦波信号を出力するものを本発明に好適に使用でき
る。測定信号は、交流インピーダンス測定が可能な波形
であれば原理的にはどのような波形を用いてもよく、例
えば方形波や三角波あるいはのこぎり波などを用いるこ
とも可能である。しかしながら、正弦波波形を用いた場
合、コンデンサを通過する際の過渡現象による波形変化
が一定の位相進角と振幅変化のみであり、その振幅がお
おむね静電容量に比例して変化することから、波形から
静電容量を算出する処理が簡便ですむ利点がある。この
場合、出力回路は、当該正弦波信号に対する応答波形の
ピーク値(あるいは振幅(peak to peak値)でもよい)
を検知信号として出力するものとしておく。
【0021】測定信号生成回路は、発振部をRLC等の
受動素子やオペアンプ等の能動素子にて構成した種々の
発振回路により構成することもできる。ただし、こうし
た発振回路は、共振波形をそのまま利用するために、発
振部をなす素子の温度特性が変化すると、その影響が発
振時に増幅して現れることから、得られる波形の振幅が
温度変化しやすい問題がある。また、これを防止する補
償回路を組み込むと、装置コストの増大を招きやすくな
る。そこで、測定信号生成回路を以下のように構成する
ことで、振幅の安定した信号波形を簡略な回路構成によ
り得ることができるようになる。すなわち、該構成で
は、測定信号生成回路を、各々一定のアナログ設定電圧
が入力される複数の電圧入力ポートと、電圧入力ポート
に入力される複数のアナログ設定電圧のうち、1のもの
を選択して出力する電圧出力ポートと、外部から受ける
切り替え選択信号に基づいて、電圧出力ポートに出力す
べきアナログ設定電圧を切り替える切り替え回路とを備
えたアナログスイッチ回路と、アナログスイッチ回路か
ら複数のアナログ設定電圧が予め定められた順序にて切
り替え出力されるよう、アナログスイッチ回路に対し切
り替え選択信号を出力する切り替え選択信号出力回路と
を備えたものとして構成する。そして、切り替え選択信
号の出力シーケンスに対応したアナログ設定電圧の階段
状の切り替え出力を、アナログスイッチ回路の電圧出力
ポートから信号波形として出力する。
【0022】この構成によると、アナログスイッチ回路
の複数の電圧入力ポートに各々一定のアナログ設定電圧
を入力し、外部からの切り替え選択信号により、それら
の複数のアナログ設定電圧入力を、所定の順序で切り替
えながら電圧出力ポートに出力することで、切り替え選
択信号の出力シーケンスに対応したアナログ設定電圧の
階段状の切り替え出力を信号波形として出力することが
できる。この場合、アナログスイッチ回路の電圧出力ポ
ートから直接得られる波形は、必ず階段状のものとなる
ので、正弦波の波形を得るためには、信号波形を平滑化
するローパスフィルタ回路を設けておけばよい。例え
ば、正弦波波形の場合は、前記した正弦波の軌跡をたど
る階段状波形をローパスフィルタ回路により平滑化する
ことにより、簡単に得ることができる。
【0023】上記の構成では、アナログ設定電圧をアナ
ログスイッチ回路に直接入力し、これを切り替えること
で波形生成するので、アナログ波形を直接得ることがで
きる。アナログ設定電圧の温度変化をある程度小さく抑
えることができれば、共振波形のようにその影響が増幅
して現れることがないので、結果的に得られる温度に対
して振幅の一定した波形を容易に得ることができる。さ
らに、オペアンプ等の温度により特性変化しやすい集積
回路素子を波形生成の要部に使用しないことも、温度変
化やノイズの影響を受けにくく、高精度の波形生成が可
能な要因の一つであるといえる。また、アナログスイッ
チ回路にて要部が構成され、しかも温度補償回路を特に
組み込む必要もないことから、回路全体を安価に構成で
きる。
【0024】上記の測定信号生成回路においては、アナ
ログスイッチ回路にて切り替え可能なアナログ設定電圧
の入力数が多いほど、入力数の1のものを選択して出力
させ得るアナログ設定電圧の出力数も増すことができる
ため、より精密な波形生成が可能となる。この場合、ア
ナログスイッチ回路における複数の電圧入力ポートの各
々に対応して入力される複数のアナログ設定電圧は、分
圧回路を用いて電源電圧を降圧することにより生成され
るものとすれば、アナログ設定電圧の入力数が増えた場
合でも、1つの電源電圧から複数の分圧回路の使用によ
り多数の設定電圧を生成可能であるので、装置をより安
価に構成することができる。複数の分圧回路は、抵抗器
を用いた抵抗分圧を構成しても良いし、コンデンサを用
いて容量分圧を構成しても良い。また、分圧回路各々の
分圧比選択により、種々のアナログ設定電圧が電源電圧
より簡単に得られる利点もある。この場合、複数の分圧
回路は、それぞれ並列接続され、単一の電源部から電源
電圧の供給を受けるものとすれば、電源回路が1つです
み、装置を一層安価に構成できる。
【0025】また、上記測定信号生成回路は、セラミッ
ク発振子又は水晶発振子にて発振部が構成された発振回
路を有するものとして構成することができる。また、切
り替え選択信号出力回路は、出現順序が固定的に定めら
れた3以上のアナログ設定電圧出力からなる階段状の信
号波形単位が繰り返される信号波形が得られるように、
発振回路の発振周波数に基づいて定められる一定間隔の
切り替えタイミングにて複数のアナログ設定電圧を切り
替え出力するものとして構成することができる。精密な
波形生成のためには、アナログ設定電圧の入力数のほ
か、その切り替えタイミングの間隔や精度を確保するこ
とも重要である。上記の構成によると、切り替えタイミ
ングを、セラミック発振子又は水晶発振子を有する高精
度発振回路からの発振パルスにより与えるので、構成が
簡単でありながらデジタルファンクションジェネレータ
並みの波形精度を得ることができ、その周波数の温度変
動も小さく抑えることができる。特に高精度が要求され
る場合は、発振精度がより高い水晶発振子を用いること
が有利である一方、セラミック発振子(例えばセラロッ
ク(商品名))を用いれば、発振精度は水晶発振子に次
ぐものとなるが、安価に回路を構成することができる。
【0026】上記測定信号生成回路にて生成する信号波
形は、出現順序が固定的に定められた3以上のアナログ
設定電圧出力からなる階段状の信号波形単位が繰り返さ
れるものとして構成できる。また、上記のような波形
は、アナログスイッチ回路の複数の電圧入力ポートを一
定順序で切り替える処理を繰り返すことにより簡単に生
成することができる。
【0027】アナログスイッチ回路としては、切り替え
選択信号が複数ビットの信号で入力されるものを使用す
ることができる。このようなアナログスイッチ回路とし
ては、例えばアナログマルチプレクサ/デプレクサ(例
えば、モトローラ社のMC74HC4051(商品名)
など)等の名称で市販されているものがある。このよう
なアナログスイッチ回路を使用すると、アナログスイッ
チ回路の複数の電圧入力ポートを一定順序で切り替える
処理を、以下のような構成により簡単に実現することが
できる。すなわち、切り替え選択信号出力回路として、
一定周波数の元パルス発振回路と、その元パルス発振回
路の周波数を分周することにより、周波数が互いに2の
累乗倍の関係にある複数系統のパルス信号を、切り替え
選択信号として出力する分周回路とを備えたものを使用
する。他方、アナログスイッチ回路の複数の電圧入力ポ
ートは、切り替え選択信号の、各ビットの信号レベル
の、複数の組合せに一対一に対応付けられ、各々対応す
る信号レベルの組合せが成立した場合に有効化されて、
自身に入力されているアナログ設定電圧を電圧出力ポー
トに出力する。そして、切り替え選択信号をなす複数の
パルス信号が、信号レベルの複数の組合せを、周波数の
相違に基づき一定順序で繰り替えすことにより、階段状
の信号波形単位が、複数の電圧入力ポートの、有効化の
順序に対応する形で生成・出力される。
【0028】複数ビットの切り替え選択信号を用いたア
ナログスイッチ回路は、そのビットの組合せ数が2の累
乗倍となることから、電圧入力ポートの数も、これに合
わせて2の累乗倍だけ形成されているものが多い(例え
ば、前述のMC74HC4051は、切り替え選択信号
が3ビットであり、電圧入力ポート数は2=8ポート
である)。この場合、周波数が互いに2の累乗倍の関係
にあるパルス信号の組合せを用いることで、複数ビット
の切り替え選択信号を過不足なく使用した電圧入力ポー
ト切り替えが可能となり、ひいては全ての電圧入力ポー
トを有効に使用したきめ細かい波形生成が可能となる。
なお、上記のような周波数関係を満たすパルス信号は、
バイナリカウンタ等を用いた分周回路により簡単に生成
できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。図1は、本発明のオイル劣化検知
装置の一実施形態を示す全体回路図である。該オイル劣
化検知装置1は、大きく分けて測定信号生成回路10、
検知信号出力回路30及び電源回路20の3つの部分か
ら成り立っている。オイル劣化検知装置1の基本機能は
既に説明した通り、図14に示すように、劣化検知対象
となるエンジンオイル中に浸漬される電極対51,52
によりセンシングコンデンサCSを形成し、そのセンシ
ングコンデンサCSの静電容量変化に基づいて、該エン
ジンオイルの劣化検知を行なうものである。図14
(a)の実施形態ではセンシングコンデンサCSをなす
電極対51,52は、同心的に配置される筒状形態をな
し、オイル中に配置することにより両者の隙間にオイル
が浸透して、該オイルを誘電体とするコンデンサが形成
されることとなる。他方、(b)に示すように、電極対
51,52を平行対向板電極として構成することもでき
る。この実施形態では、一方の電極が結線により電気的
に導通した2枚の電極板52,52にて構成されてい
る。なお、本発明において「電極対」とは、直流電圧を
印加したとき互いに異極性に帯電する電極をいい、図1
4(a)のように、双方の電極を各々単一の電極板とし
て構成することもできるし、(b)に示すように、一方
又は双方の電極が複数個の電極片に分割されていてもよ
い。
【0030】次に、検知信号出力回路10は、センシン
グコンデンサCSの静電容量を測定するために、該セン
シングコンデンサCSに入力するべき測定信号を生成
するものである。具体的には、アナログスイッチ回路I
C4を主体に構成された波形生成部4と、その波形生成
部4に切り替え選択信号を供給する切り替え選択信号出
力回路205とを有する。アナログスイッチ回路IC4
は、本実施形態では米国モトローラ社の8チャネル・ア
ナログ・マルチプレクサ・デマルチプレクサMC74H
C4051を使用している。図3は、その詳細を示すも
ので、(a)はその端子構成を、(b)は動作表を、
(c)は外観ピン配列を、それぞれ示すものである。図
3(a)に示すように、該アナログスイッチ回路IC4
は、各々一定のアナログ設定電圧が入力される複数の、
ここでは8つの電圧入力ポート(アナログ入出力端子)
X0〜X7と、それら電圧入力ポートX0〜X7に入力
される複数のアナログ設定電圧のうち、1のものを選択
して出力する電圧出力ポート(共通入出力端子)Xと、
外部から受ける切り替え選択信号(3ビット)の入力部
(チャネル選択入力端子)A,B,Cとを有し、該切り
替え選択信号に基づいて、電圧出力ポートXに出力すべ
きアナログ設定電圧を切り替える構成をなしている。
【0031】そして、イネーブル信号端子とチャネル選
択入力端子A,B,Cとの入力電圧レベル(閾値より高
い状態をH、低い状態をLで表す)の組合せにより、図
3(b)の動作表に従い、アナログ入出力端子X0〜X
7のいずれかのチャネルをオンとして、そのチャネルへ
のアナログ設定電圧入力を共通入出力端子Xに選択的に
出力することが許容される。
【0032】図2は、波形生成部4を拡大して示すもの
である。アナログスイッチ回路IC4の前段には、設定
電圧生成部210が設けられている。該設定電圧生成部
210は、電源電圧(+5V)を分圧抵抗(R2,R
3),(R4,R5),(R6,R7)を用いて降圧す
ることにより、複数の異なる設定電圧値β(0.73
V),γ(2.50V),δ(4.27V)を生成する
複数の分圧回路が設けられている。また、接地レベル電
圧αと電源電圧εとを、それぞれ0V及び+5Vの設定
電圧として出力するための、プルアップ抵抗R9とプル
ダウン抵抗R8も設けられている。
【0033】これらの設定電圧は、昇圧順切り替え(α
→β→γ→δ→ε)と降圧順切り替え(ε→δ→γ→β
→α)とを交互にかつ連続的に等時間間隔で繰り返した
とき、図8のグラフAに示すように、正弦波の軌跡を描
く階段上の波形を形成するものである。(なお、図8の
グラフAでは、γ→δ→εの昇圧順切り替えで開始され
ている)この場合、両端電圧α,ε以外の中間設定電圧
β,γ,δは、降圧切り替え時と昇圧切り替え時とで各
々2度出現しなければならないが、その出現順序は当然
昇圧時と降圧時とでは逆となる。そこで、図2に示すよ
うに、8つの電圧入力ポート(アナログ入出力端子)X
0〜X7において、中間設定電圧β,γ,δは2つの異
なるポートに分配入力し、昇圧時と降圧時とで互いに異
なる電圧入力ポートを使い分けるようにしている。これ
により、正弦波等の周期関数波形の1波長分に相当する
電圧出力を、電圧入力ポートX0〜X7の単純な順次切
り替えシーケンスにより実現することができる。
【0034】図1に戻り、切り替え選択信号出力回路2
05は、アナログスイッチ回路IC4から、複数のアナ
ログ設定電圧が上記のように予め定められた順序にて切
り替え出力されるよう、アナログスイッチ回路IC4に
切り替え選択信号を供給する役割を果たすものである。
該切り替え選択信号出力回路205は、具体的には、セ
ラミック発振子110(商品名、例えばセラロック:水
晶発振子でもよい)にて発振部が構成された発振回路2
を有してなる。図4(a)に示すように,この発振回路
2は、コルピッツ発振回路のインダクタをセラミック発
振子110で置き換え、反転増幅部としてのインバータ
IC1を用い帰還抵抗R1を追加した構成となってい
る。本実施形態では、図6に示すように、インバータ
IC1の駆動電圧に対応したVp−p(peak to peak)
電圧が5V、発振周波数4MHzの方形波クロックパル
スを出力するものとして構成されている。
【0035】そして、切り替え選択信号出力回路205
は、出現順序が固定的に定められた3以上、ここでは8
つ(ただし、β、γ、δは2度ずつ出現する)のアナロ
グ設定電圧出力からなる階段状の信号波形単位が繰り返
される信号波形が得られるように、上記発振回路2の発
振周波数に基づいて定められる一定間隔の切り替えタイ
ミングにて、前記切り替え選択信号A,B,Cを切り替
え出力する。具体的には、図1に示すように、上記の発
振回路2を一定周波数の元パルス発振回路として、その
元パルス発振回路の周波数を分周することにより、周波
数が互いに2の累乗倍の関係にある複数系統のパルス信
号を、切り替え選択信号として出力する分周回路3を備
えたものとして構成される。
【0036】図4(b)に示すように、該分周回路3
は、2つのバイナリカウンタIC2,IC3を主体に構
成されるものである。該バイナリカウンタIC2,IC
3として、本実施形態では米国モトローラ社の12ステ
ージ・バイナリリップルカウンタMC74HC4040
Aを使用している。図5は、その詳細を示すもので、そ
の端子構成を示すものである。
【0037】本実施形態では、、図4(b)に示すよう
に、前段のバイナリカウンタIC2のQ5が切り替え選
択信号のAビット、Q6が同じくBビット、Q7がCビ
ットとして使用される。図7(c)から明らかなよう
に、AビットをなすQ5の出力は、図6の4MHzの
元パルスが1/2に分周される結果、図6に示す1
25kHzの方形波クロックパルスとなる。同様に、B
ビットをなすQ6の出力は1/2に分周される結果、
図6の62.5kHzの方形波クロックパルスとな
り、CビットをなすQ7の出力は1/2に分周される
結果、の31.25kHzの方形波クロックパルスと
なる。これらの方形波クロックパルスは、バイナリカウ
ンタIC2からの分周出力であるから当然に周波数が互
いに2の累乗倍の関係にあるものとなる。これらが、図
2に示すように、前記した切り替え選択信号の各ビット
A,B,Cとしてアナログスイッチ回路IC4に入力さ
れる。
【0038】他方、前段のバイナリカウンタIC2のQ
12出力(周波数:976.6Hz)は、後段のバイナ
リカウンタIC3に元クロックとして入力され、そのQ
11から0.477Hzの分周クロックパルス(図1
)として取り出される。この分周クロックパルスは、
後述する通り、センシングコンデンサCSと基準コンデ
ンサC3との切り替えタイミングを規定する切り替え制
御信号として用いられる。
【0039】図3(b)に示すように、アナログスイッ
チ回路IC4の複数の電圧入力ポートX0〜X7は、切
り替え選択信号の各ビットA,B,Cの信号レベルの、
複数の組合せに一対一に対応付けられており、各々対応
する信号レベルH/Lの組合せが成立した場合に有効化
されて、自身に入力されているアナログ設定電圧を電圧
出力ポートXに出力する。そして、上記のような周波数
関係を満たす複数のクロックパルス信号を、切り替え選
択信号の各ビットA,B,Cとして用いることにより、
信号レベルH/Lの複数(本実施形態では、2=8通
り)の組合せが、図7(a)及び(b)に示すように、
クロックパルス信号の周波数の相違に基づき一定順序で
繰り替えされることとなる。具体的には、最も波長の長
いCビットのパルスの1波長を周期として、8通りのH
/Lの組合せが重複することなく繰り返される。これに
より、図7(c)に示すように、階段状の信号波形単位
が、複数の電圧入力ポートX0〜X7の、有効化の順序
に対応する形で生成・出力されることとなる。
【0040】図2に戻り、アナログスイッチ回路IC4
の電圧出力ポートXから出力される波形は、必ず階段状
のものとなるので、本実施形態では、信号波形を平滑化
するローパスフィルタ回路15が設けられている。本実
施形態では、該ローパスフィルタ回路15は、抵抗器
(R10,R11)とキャパシタ(C1,C2)とを用
いたパッシブフィルタを2段カスケード接続したものと
して構成しているが、これに限られるものではない。そ
して、本実施形態では、図8に示すように、切り替え選
択信号A,B,Cの切り替え出力により、アナログスイ
ッチ回路IC4から出力される正弦波の奇跡を描く階段
状の波形(グラフA)が、ローパスフィルタ回路15を
通過することにより、グラフBに示すような正弦波の信
号出力として得られることになる。このローパスフィル
タ回路15によりスムージングされた信号波形(正弦波
の信号波形)フォロワをなすオペアンプIC5−1によ
りインピーダンス変換された後、出力されることとな
る。この信号波形が、静電容量の測定信号として使用
される。該正弦波測定信号の周波数は、10kHz〜
100MHz(望ましくは20〜100kHz)の範囲
で設定されるものであり、本実施形態では、の方形波
クロックパルスに対応した31.25kHzに調整され
ている。
【0041】次に、図9は検知信号出力回路30を拡大
して示すものである。該検知信号出力回路30は、測定
信号の入力に対するセンシングコンデンサCSの応答
波に基づいて、該センシングコンデンサCSの静電容
量を反映した検知信号(10)を出力するものである。そし
て、オイル劣化検知装置1は、検知信号(10)の、検知信
号出力回路の温度特性に由来した出力レベル変化を補償
するための温度補償機構を備えたものとして構成されて
いる。
【0042】温度補償機構は、具体的には、静電容量の
温度変化率がセンシングコンデンサ(すなわち、劣化検
知対象となるオイル)CSよりも小さい基準コンデンサ
C3と、その基準コンデンサC3の静電容量測定に基づ
き、静電容量検知信号を温度補償するための処理を行な
う温度補償処理回路31とを有する。温度補償処理回路
31においては、測定信号生成回路10と検知信号出力
回路30とがセンシングコンデンサCSと基準コンデン
サC3との間で共用化されており、それら回路の接続
を、センシングコンデンサCSと基準コンデンサC3と
の間で切り替える切り替え回路IC6が設けられてい
る。
【0043】切り替え回路IC6はアナログスイッチ回
路にて構成され、本実施形態では米国モトローラ社の8
チャネル・アナログ・マルチプレクサ・デマルチプレク
サMC74HC4052を使用している。図10は、そ
の詳細を示すもので、(a)はその端子構成を、(b)
は動作表を、(c)は外観ピン配列を、それぞれ示すも
のである。図10(a)に示すように、該アナログスイ
ッチ回路は、各々複数の電圧入力ポート(アナログ入出
力端子)からなる2組の入力ポート群X0〜X3/Y0
〜Y3と、各入力ポート群X0〜X3/Y0〜Y3に入
力される複数のアナログ設定電圧のうち、各群毎に1の
ものを選択して出力する電圧出力ポート(共通入出力端
子)X/Yと、外部から受ける切り替え選択信号(2ビ
ット)の入力部(チャネル選択入力端子)A,Bとを有
し、該切り替え選択信号に基づいて、電圧出力ポートX
/Yにそれぞれ出力すべきアナログ入力を切り替える切
り替え回路とを備えている。
【0044】そして、イネーブル信号端子とチャネル選
択入力端子A,Bとの入力電圧レベル(閾値より高い状
態をH、低い状態をLで表す)の組合せにより、図10
(b)の動作表に従い、入力ポート群X0〜X3のいず
れか1つ、及び入力ポート群Y0〜Y3のいずれか1つ
のチャネルをオンとして、各チャネルへのアナログ入力
を共通入出力端子X/Yにそれぞれ選択的に出力するこ
とが許容される。
【0045】図9に示すように、チャネル選択入力端子
A,Bは、端子Bが接地されて入力が常にLレベルとな
っている。他方、端子Aには、前記した分周回路3(図
1)からの切り替え制御信号(0.477Hz)が入
力されており、Hレベル入力状態とLレベル入力状態と
が約1秒間隔で切り替わるようになっている。
【0046】図10に示すように、端子BがLのとき、
端子AのH/L切り替えにより、オンチャネルとなるポ
ート対が、Y0/X0とY1/X1との間で切り替わ
る。図9に示すように、ポートY0/X0には基準コン
デンサC3が接続されており、ポートY1/X1にはセ
ンシングコンデンサCSが接続されている。他方、共通
入出力端子Yには正弦波をなす測定信号が入力され、
共通入出力端子Xが出力側端子とされている。従って、
切り替え制御信号による端子AのH/L切り替えによ
り、測定信号は、図11に示すように、基準コンデン
サC3とセンシングコンデンサCSとに対し、約1秒間
隔で交互に切り替えつつ入力され、その応答波形が共
通入出力端子Xから出力されることとなる。すなわち、
図9に示すアナログスイッチング回路IC6は、分周回
路3とともに、切り替え回路と、回路接続の切り替えを
一定周期にて繰り替えし実行させる切り替え制御機構と
を兼ね備えた機能を実現していることがわかる。
【0047】次に、基準コンデンサC3は、20℃での
値を基準としたときの、−30℃〜120℃における静
電容量の温度変化率が±1%以内のものが使用されてい
る。本実施形態では、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)樹脂を誘電体として用いたプラスチックフィルムコ
ンデンサ(商品名:ECHU(松下電器産業(株)))
を使用している。図18は、その静電容量の温度変化特
性を示している(縦軸は、20℃での静電容量を基準と
して容量変化率を表している)。
【0048】図11に示すように、本実施形態において
は測定信号として正弦波信号が使用され、検知信号出
力回路は、当該正弦波信号に対する応答波形のピーク値
を検知信号として出力するようになっている。以下、詳
しく説明する。図13に示すように、測定信号の元波
形は振幅がほぼ一定の正弦波であるが、基準コンデンサ
C3とセンシングコンデンサCSとに対し交互に切り替
え入力される結果、応答波形(電流波形)の出力は、
基準コンデンサC3の通過波形と、センシングコンデン
サCSの通過波形とが一定周期で交代したものとなり、
各波形部分の振幅は基準コンデンサC3及びセンシング
コンデンサCSの静電容量に比例して増減する。
【0049】図9に示すように、応答波形は、オペア
ンプIC5−2と電流検出用の帰還抵抗R14とを主体
に構成された電流−電圧変換回路32により電圧波形に
変換される(図13)。なお、本実施形態では測定信
号(ひいては応答波形)が、中心値2.5Vの単極
性波形を有するものとして生成されており、これを0V
中心とする双極性電圧波形とするために、+2.5Vの
基準入力を形成するための分圧抵抗R12,R13が設
けられている。また、C4は発振防止用のコンデンサで
ある。
【0050】この電圧波形は、次段のピークホールド
回路33でピークホールドされ、図13のピークホー
ルド波形とされる。図9示すように、電圧波形は、そ
の入り口側にてコンデンサC5と抵抗R15よりなるハ
イパスフィルタ回路33aにおいて直流成分が除去さ
れ、さらに抵抗R28にて電流制限された後、オペアン
プIC5−3とコンデンサC6とを要部とするピークホ
ールド部に入力される。そして、オペアンプIC5−3
の出力側に並列接続されたコンデンサC6により、電圧
波形のピーク値が保持される。
【0051】ここで、電圧波形は、基準コンデンサC
3とセンシングコンデンサCSとの切り替えに伴い、ピ
ーク値が階段状に増加する。ピーク値電圧が増加する場
合は、IC5−3からの出力電圧増加によりコンデンサ
C6が追加充電され、保持ピーク値が増加する。他方、
ピーク値電圧が減少する場合、オペアンプIC5−3の
出力側の電位よりもコンデンサC6側の電位が高くな
る。通常のピークホールド回路では、オペアンプIC5
−3への電流吸い込みか、あるいは自己放電よりコンデ
ンサC6を放電させて、ピーク保持出力を追従させるよ
うにする。しかし、本実施形態では、この吸い込み電流
をダイオードD1により阻止する一方、代わってコンデ
ンサC6と並列に置かれた抵抗(例えば1MΩ程度の高
抵抗のものを使用する)R16により放電促進し、波形
追従の応答性をさらに良好なものとする工夫がなされて
いる。
【0052】こうして得られたピークホールド波形(図
13)は、図9に示すように、次段の増幅部34によ
り増幅され、最終的な検知信号(10)(図13も参照)と
して出力される。増幅部34においては、オペアンプI
C5−4が周辺の抵抗R17〜R19、コンデンサC7
とともに周知の非反転増幅回路を構成している。非反転
増幅回路の採用により、ピークホールド波形はインピ
ーダンス変換されつつ増幅され、後段の信号処理部側の
負荷変動やノイズ等の影響を受けにくくなる。なお、非
反転増幅回路に続く形で抵抗R20,R21、コンデン
サC8及びツェナーダイオードRD5からなる出力保護
回路が設けられている。
【0053】図13に示すように、検知信号(10)は、基
準コンデンサC3とセンシングコンデンサCSとの切り
替えにより、そのピークホールド値(それぞれ基準コン
デンサC3とセンシングコンデンサCSとの静電容量を
反映するものである)が交互に現れる方形波状の波形を
有するものとなる。これは、オイルの静電容量測定信号
と、その温度補償用である基準コンデンサC3の静電容
量測定信号との、一種の時分割多重化信号とみなすこと
ができる。最終的に、オイルの静電容量測定信号を、基
準コンデンサC3の静電容量測定信号を用いて温度補償
するには、両信号は何らかの形で分離されなければなら
ない。本実施形態では、図9に示すように、分周回路3
からの切り替え制御信号を出力端子35から外部(例
えば、後述するマイクロプロセッサ又はアナログハード
ウェア)取出可能とし、その切り替え制御信号のエッ
ジタイミングから検知信号(10)における基準コンデンサ
C3とセンシングコンデンサCSとの切り替えタイミン
グ、ひいては信号分離タイミングを把握できるようにし
ている。
【0054】以下、マイクロプロセッサを用いた、実際
の温度補償演算処理の一例について説明する。図15に
示すように、マイクロプロセッサ70は、周知のごとく
CPU71と制御プログラムを格納したROM72、さ
らにはその実行メモリとなるRAM73と、信号あるい
はデータの入出力を行なうインターフェース部74とを
有している。検知信号(10)は、A/D変換器75により
所定ビット数のデジタル信号Qとされ、インターフェー
ス部74のデータ入力ポートに入力される。他方、出力
端子35から出力される切り替え制御信号もインターフ
ェース部74の別のデータ入力ポートに入力される。
【0055】図16は、その処理の一例を示すものであ
り、エンジンの駆動が開始して本処理が開始されると、
まずS1でRAM73の必要なメモリエリアをリセット
し、S2で出力端子35から出力される切り替え制御信
号がLになればデジタル化された検知信号Qの値を読み
込む。この値は、切り替え制御信号がLのときの値であ
るから、基準コンデンサC3の静電容量を反映したもの
であり、S3で、これをC0として記憶する。次に、S
4で出力端子35から出力される切り替え制御信号がH
になれば検知信号Qの値を読み込む。この値は、切り替
え制御信号がHのときの値であるから、センシングコン
デンサCS、つまり測定対象オイルの静電容量を反映し
たものであり、S5で、これをCMとして記憶する。そ
して、S6でCMの値をC0の値で除することにより、測
定対象オイルの容量相対値Jを算出する。S7におい
て、Jの値が限界値J0よりも大きくなっていればオイ
ル寿命と判断し、S8でランプ点灯などの所定の報知出
力を行なう。
【0056】CMとC0は、いずれも同一の検知出力回路
30を経て出力される検知信号(10)に基づいて得られ
るものであるから、検知出力回路30の温度により値が
変化する。しかし、その影響はCMとC0とでほぼ同じと
考えられるから、CMの値をC0の値で除した容量相対値
Jを採用することで、測定対象オイルの静電容量に関す
るCMの値を温度補償することが可能となる。
【0057】なお、温度補償演算処理は、マイクロプロ
セッサを用いずに、図17に示すようなアナログハード
ウェア80を用いて行なうこともできる。検知信号(10)
は、2つのサンプルアンドホールド回路82,82に分
配され、それぞれ単安定マルチバイブレータ83からの
パルスを受けて、検知信号(10)のサンプリング及びホー
ルドを行なう。単安定マルチバイブレータ83は、クロ
ックパルスの立下りエッジを作動トリガとして発生する
ものを使用する。このクロックパルスとして前記した出
力端子35から出力される切り替え制御信号(図1参
照)を用いるが、一方の単安定マルチバイブレータ83
にはインバータ81により反転入力するようにする。こ
れにより、サンプルアンドホールド回路82,82の一
方は、切り替え制御信号の立ち上がりエッジに対応して
検知信号(10)のサンプリングを行い、他方は立ち下がり
エッジに対応して検知信号(10)のサンプリングを行な
う。前者はセンシングコンデンサCSの静電容量を反映
したアナログ信号CMとして出力され、後者は基準コン
デンサの静電容量を反映したアナログ信号C0として出
力さる。なお、検知信号(10)は、切り替えエッジから一
定時間経過して安定化することを考慮し、サンプルアン
ドホールド回路82,82と対応する単安定マルチバイ
ブレータ83,83との間には遅延回路を設けている。
【0058】CMをC0で除することによりJを求める処
理は、対数変換回路等を用いたアナログ除算回路を用い
て演算してもよいが、前記した限界値J0を一定に定め
ることができる場合は、J0=CM/C0としてCM=J0
・C0と表すことができるから、非反転増幅器により構
成された基準電圧変換器84により、J0に対応したゲ
インにてC0を増幅し、これを新たに基準値として用い
て比較器85によりCMの値と比較することにより、オ
イル劣化判定を行なうことができる。
【0059】最後に、図1の定電圧電源回路20につい
て説明する。該定電圧電源回路20は、前段側の第一電
源部21と、後段側の第二電源部22とを有する。第一
電源部21は自動車に搭載されたバッテリー(図示せ
ず)から受電するものであり、抵抗器R23とキャパシ
タC9からなるローパスフィルタにより、オルターネー
タ等からの重畳交流成分が除去された後、電流制限抵抗
R24を設けたバイパス路を介してツェナーダイオード
ZD2により一定電圧のバイパス電流が形成される。こ
のバイパス電流によりトランジスタTr1を駆動するこ
とにより、入力される直流を定電圧化することができ
る。なお、C10は発振防止用のキャパシタであり、D
2は逆流防止用のダイオードである。第一電源部21の
出力電圧は、本実施形態では+7.6Vであり、図1の
オペアンプIC5−1〜IC5−4等の電源電圧として
使用される。
【0060】第二電源部22は3端子レギュレータIC
7を有し、温度変動等の影響が小さいさらに安定化され
た直流を生成するものである。3端子レギュレータIC
7には第一電源部21からの出力が入力され、これを若
干降圧して+5Vとして、すでに説明した種々の集積回
路IC1〜IC4、IC6に駆動電圧として供給される
とともに、設定電圧生成部10にも設定電圧生成用の元
電圧として供給される。設定電圧生成部10は、この第
二電源部22を単一の電源部として使用し、分圧回路に
より種々のアナログ設定電圧を生成することとなる。な
お、C12は発振防止用のキャパシタであり、集積回路
IC1〜IC4、IC6に対しては、各々パスコンC1
3〜C17が並列に挿入されている。
【0061】以上、本発明の実施形態を説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲
の記載を逸脱しない形で、種々の変形もしくは改良を羽
化することができ、これらも当然に本発明の技術的範囲
に属する。例えば、測定対象となるオイルの油温をサー
ミスタ等の温度センサを用いて測定し、検知出力回路3
0の温度変化の影響を補償するだけでなく、測定対象と
なるオイルの温度変化の影響を補償するようにしてもよ
い。これにより、静電容量変化に基づくオイルの劣化検
知をより高精度に行なうことができる。具体的には、実
験等により静電容量補正計数と油温との関係を予め測定
しておき、その関係を静電容量補正計数−油温関係情報
として、1次元マップもしくは実験式の形で図15のR
OM72等に記憶しておく。そして、図7に示すフロー
チャートのS1とS2との間に油温測定のステップを設
け、S6とS7との間に、測定された油温に対応する静
電容量補正計数を、静電容量補正計数−油温関係情報を
参照して補間もしくは実験式演算により決定するステッ
プを実行する。そして、S6にて算出された相対容量値
Jに該静電容量補正計数を乗ずることにより、補正済み
相対容量値J’を算出する。S7では、この補正済み相
対容量値J’と限界値J0との比較に基づいて、オイル
劣化(寿命)の判断を行なうこととなる。
【0062】
【実施例】本発明の効果を確認するために以下の実験を
行なった。まず、新品オイルとして出光興産(株)製の
CF−4 10W−30を用意した。また、3000c
cの4気筒ディーゼルエンジンに上記新品オイルを適用
し、1シリンダあたりの1ストローク分の燃料噴射量が
83mmとなるようにスロットル開き量を調整し、エ
ンジン回転数3600rpmにて定速で300時間連続
運転した後(平均油温:約105℃)、取り出して劣化
オイルとした。
【0063】そして、上記の新品オイル及び劣化オイル
に対し、図14(a)に示す円筒状の電極51,52
(内電極52内径:14mm、外電極51内径:16m
m、いずれもステンレス鋼製、電極高さ:30mm、電
極間隔約1mm)を配置してセンシングコンデンサを作
り、デジタルLCRメータにて種々の周波数の正弦波測
定信号(peak to peak電圧:5V)を供給して、オイル
温度が室温と80℃との2水準にてそれぞれインピーダ
ンス測定を行なった。そして、その解析結果から、前記
した容量通過電流Icに対する抵抗通過電流成分Ipの
相対値D≡Ip/Icの値と、Ipの影響を組み入れた
センシングコンデンサ全体の見かけの静電容量Cとを、
周波数毎に算出した。
【0064】図20は、新品オイルの静電容量CNと劣
化オイルの静電容量CUとを、室温と80℃とのそれぞ
れについて求め、それぞれ正弦波測定信号の周波数に対
してプロットしたものである。これによると、周波数が
10kHz以上でΔC80℃のΔCRTに対する比率が
小さくなり、オイル温度変化による影響を受けにくくな
っていることがわかる。また、図21は、室温と80℃
とのそれぞれについて求めたDの値の周波数依存性を示
すものである。この結果によると、80℃まで温度上昇
した場合でも、周波数を10kHz以上にすればDの値
を十分小さくでき、温度依存性の大きい抵抗通過電流成
分Ipの影響を軽減できていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオイル劣化検知装置の一例の全体
構成を示す回路図。
【図2】図1の装置の、波形生成部の一例を示す回路
図。
【図3】図1の装置にて使用するアナログスイッチ回路
の一例を示す説明図。
【図4】図2の発振回路部分及び分周回路部分を拡大し
て示す回路図。
【図5】図4の分周回路に使用するバイナリカウンタの
一例を示す説明図。
【図6】図4の分周回路からの波形出力例を示すタイミ
ング図。
【図7】図2の波形生成部の作用説明図。
【図8】図2の波形生成部の作用説明図。
【図9】図1の装置の、検知信号出力回路の一例を示す
回路図。
【図10】図9の検知信号出力回路の温度補償処理回路
において、その切り替え回路に使用するアナログスイッ
チ回路の一例を示す説明図。
【図11】温度補償処理回路の作用説明図。
【図12】図9の検知信号出力回路の、ピークホールド
回路の構成例を、その作用とともに示す回路図。
【図13】図9の検知信号出力回路の、各部の動作を示
す波形図。
【図14】センシングコンデンサの構成例と、その等価
回路を示す模式図。
【図15】図9の温度補償処理回路からの出力を用いて
センシングコンデンサの静電容量情報を温度補償処理す
る回路を、マイクロプロセッサを用いて構成した例を示
すブロック図。
【図16】図15の回路の動作制御を行なうプログラム
の流れを示すフローチャート。
【図17】図9の温度補償処理回路からの出力を用いて
センシングコンデンサの静電容量情報を温度補償処理す
る回路を、アナログハードウェアにて構成した例を示す
ブロック図。
【図18】基準コンデンサの静電容量の、温度依存性の
一例を示すグラフ。
【図19】オイルの絶縁抵抗値が温度により変化する例
を示すグラフ。
【図20】新品オイルと劣化オイルとの静電容量差を、
室温及び80℃において周波数毎に測定した結果を示す
グラフ。
【図21】D値を室温及び80℃において周波数毎に測
定した結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 オイル劣化検知装置 2 発振回路 3 分周回路(切り替え制御機構) 4 波形生成回路 IC4 アナログスイッチ回路 X0〜X7 電圧入力ポート X 電圧出力ポート 10 測定信号生成回路 30 検知信号出力回路 31 温度補償処理回路 C3 基準コンデンサ CS センシングコンデンサ IC6 切り替え回路(アナログスイッチ回路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G060 AA05 AE30 AF10 EA08 HA03 HC02 HC13 3G015 EA29 FC09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 劣化検知対象となるオイル中に浸漬され
    る電極対によりセンシングコンデンサを形成し、そのセ
    ンシングコンデンサの静電容量変化に基づいて、該オイ
    ルの劣化検知を行なうオイル劣化検知方法であって、 前記センシングコンデンサの静電容量を測定するため
    に、該センシングコンデンサに正弦波測定信号を入力
    し、該正弦波測定信号の入力に対する前記センシングコ
    ンデンサの応答波形に基づいて該センシングコンデンサ
    の静電容量を反映した検知信号を得るとともに、前記正
    弦波測定信号の周波数を10kHz以上100MHz未
    満に設定することを特徴とするオイル劣化検知方法。
  2. 【請求項2】 劣化検知対象となるオイル中に浸漬され
    る電極対によりセンシングコンデンサを形成し、そのセ
    ンシングコンデンサの静電容量変化に基づいて、該オイ
    ルの劣化検知を行なうオイル劣化検知装置であって、 前記センシングコンデンサの静電容量を測定するため
    に、該センシングコンデンサに入力するべき測定信号と
    して、周波数が10kHz以上100MHz未満の正弦
    波測定信号を生成する測定信号生成回路と、 前記測定信号の入力に対する前記センシングコンデンサ
    の応答波形に基づいて、該センシングコンデンサの静電
    容量を反映した検知信号を出力する検知信号出力回路
    と、 を備えたことを特徴とするオイル劣化検知装置。
  3. 【請求項3】 前記検知信号の、前記検知信号出力回路
    の温度特性に由来した出力レベル変化を補償するための
    温度補償機構を備えた請求項2記載のオイル劣化検知装
    置。
  4. 【請求項4】 前記温度補償機構は、静電容量の温度変
    化率が前記センシングコンデンサよりも小さい基準コン
    デンサと、その基準コンデンサの静電容量測定に基づ
    き、前記静電容量検知信号を温度補償するための処理を
    行なう温度補償処理回路とを有する請求項3記載のオイ
    ル劣化検知装置。
  5. 【請求項5】 前記温度補償処理回路は、前記基準コン
    デンサに入力するべき測定信号を生成する測定信号生成
    回路と、前記測定信号の入力に対する前記基準コンデン
    サの応答波形に基づいて、該基準コンデンサの静電容量
    を反映した検知信号を出力する検知信号出力回路とを有
    し、 前記センシングコンデンサの静電容量を反映した検知信
    号に基づく前記センシングコンデンサの静電容量測定情
    報と、センシングコンデンサの静電容量を反映した同じ
    く基準コンデンサの静電容量測定情報との比較に基づい
    て前記温度補償を行なうようにした請求項4記載のオイ
    ル劣化検知装置。
  6. 【請求項6】 前記温度補償処理回路において、前記測
    定信号生成回路と前記検知信号出力回路とが前記センシ
    ングコンデンサと前記基準コンデンサとの間で共用化さ
    れており、それら回路の接続を、前記センシングコンデ
    ンサと前記基準コンデンサとの間で切り替える切り替え
    回路が設けられている請求項5記載のオイル劣化検知装
    置。
  7. 【請求項7】 前記基準コンデンサとして、20℃での
    値を基準としたときの、−30℃〜120℃における静
    電容量の温度変化率が±1%以内のものが使用される請
    求項4ないし6のいずれか1項に記載のオイル劣化検知
    装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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