JP2003106365A - ダンパ - Google Patents

ダンパ

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JP2003106365A
JP2003106365A JP2001304111A JP2001304111A JP2003106365A JP 2003106365 A JP2003106365 A JP 2003106365A JP 2001304111 A JP2001304111 A JP 2001304111A JP 2001304111 A JP2001304111 A JP 2001304111A JP 2003106365 A JP2003106365 A JP 2003106365A
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成彦 金子
Yoshinori Fujita
悦則 藤田
Hiroki Yoda
浩樹 誉田
Yoshimi Enoki
芳美 榎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰性能を向上させる。 【解決手段】 ダンパ10は、ピストン12とケーシン
グ11との相対運動に伴って変形可能に配設されたコイ
ルスプリング13のほかに、ピストン12とケーシング
11との相対運動に伴って、ピストン12とケーシング
11との少なくとも一方に形成されたオリフィスを通過
する際の抵抗により減衰力を発生させる粘性液体15
と、ピストン12とケーシング11との相対運動に伴っ
て、磁気誘導作用又は電磁誘導作用による減衰力を発生
させる磁気回路部16とを具備する構成である。従っ
て、粘性液体15の粘性抵抗が大きく作用する高周波帯
に至る前にあっては、磁気回路部16における減衰力が
大きく寄与してスティックスリップ等の生じない円滑な
減衰特性が得られ、低周波帯から高周波帯までの広い振
動周波帯域において良好な減衰性能が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダンパに関し、特に
サスペンションダンパとして用いるのに適する構造を具
備したダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、洗濯槽を支持するドラムの振動
や騒音を低減するために用いられるダンパとしては、図
11に示したようなサスペンションダンパ100が用い
られている。このサスペンションダンパ100は、略筒
状のケーシング101と、周面にケーシング101の内
面に摺接可能な減衰ゴム102aを備え、ケーシング1
01内を摺動するピストン102と、該ピストン102
に連結されると共に、一端がケーシング101の一方の
端壁101aから突出するように配設されるピストンロ
ッド103と、ピストンロッド103の周囲であって、
一方の端壁101aとピストン102との間に配設され
る圧縮コイルスプリング104とを有して構成されてい
る。そして、ピストンロッド103のうち、ケーシング
101から突出する部位は、洗濯機の外枠(図示せず)
に連結される吊り棒として機能し、ケーシング101が
洗濯槽を支持するドラムに連結されて洗濯機内に設けら
れている。
【0003】洗濯槽の回転によりドラムが振動した場合
には、ケーシング101と、ピストンロッド(吊り棒)
103を介して外枠に連結されたピストン102とが相
対運動し、コイルスプリング104の弾性力によりその
動きが緩衝されると共に、減衰ゴム102aがケーシン
グ101の内面を摺接しつつ移動することにより、クー
ロン摩擦力による減衰力が発生する。これによりドラム
の振動が吸収されると共に、振動に伴う騒音も低減され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】サスペンションダンパ
100は、上記したように減衰ゴム102aとケーシン
グ101内面との間に生じるクーロン摩擦力を利用する
ものである。しかしながら、静摩擦係数と動摩擦係数と
の差から、特に作動初期において、スティックスリップ
等が発生し、安定した性能を得難いという問題がある。
また、上記のケーシング101内に粘性液体を封入し、
クーロン摩擦力のほかに粘性抵抗も利用するダンパも知
られている。この場合、高周波帯の振動の減衰に粘性抵
抗が大きく寄与してスムースな動きが得られる。しかし
ながら、低周波帯においては依然として摩擦作用の影響
が大きく、上記と同様にスティックスリップ等が発生
し、かかる帯域における減衰特性の点では問題が残る。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、低周波帯から高周波帯までの広い範囲の振動帯域に
おいて、ピストンとケーシングとの相対運動をスムース
に行わせ、作動初期から安定した良好な減衰性能を発揮
できるダンパを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の本発明は、ケーシングと、前記ケー
シング内で摺動可能に配設されたピストンと、前記ピス
トンのケーシング内における相対運動に伴って変形可能
に配設された弾性部材と、前記ケーシング内に充填さ
れ、ピストンとケーシングとの相対運動に伴って、ピス
トンとケーシングとの少なくとも一方に形成されたオリ
フィスを通過する際の抵抗により減衰力を発生させる粘
性液体と、前記ピストン及びケーシングにおける対向部
位に設けられ、ピストンとケーシングとの相対運動に伴
って、磁気誘導作用又は電磁誘導作用による減衰力を発
生させる磁気回路部とを具備することを特徴とするダン
パを提供する。請求項2記載の本発明は、前記磁気回路
部は、ピストンとケーシングのいずれか一方に設けられ
る永久磁石と、ピストンとケーシングのいずれか他方に
設けられ、ピストンとケーシングとの相対運動時に、前
記永久磁石の磁束を横切ることができる位置に設けられ
る強磁性体又は非磁性体からなる導体とを有して構成さ
れていることを特徴とする請求項1記載のダンパを提供
する。請求項3記載の本発明は、前記磁気回路部を構成
する永久磁石が、少なくとも一対の永久磁石からなり、
ピストンの半径方向に所定間隔をおいて、かつ互いに異
極同士を対向させて前記ピストンに固定されており、前
記強磁性体又は非磁性体からなる導体が、ピストンの相
対運動時に、前記一対の永久磁石間の間隙に位置するよ
うに、前記ケーシングに固定されていることを特徴とす
る請求項2記載のダンパを提供する。請求項4記載の本
発明は、主として磁気誘導作用による減衰力を発生させ
る強磁性体が鉄であることを特徴とする請求項2又は3
記載のダンパを提供する。請求項5記載の本発明は、電
磁誘導作用による減衰力を発生させる非磁性体からなる
導体が銅であることを特徴とする請求項2又は3記載の
ダンパを提供する。請求項6記載の本発明は、前記弾性
部材がコイルスプリングからなり、前記ケーシング内に
おいて、ピストンと、該ピストンの摺動方向に対向する
ケーシング内面との間に設けられていることを特徴とす
る請求項1〜5のいずれか1に記載のダンパを提供す
る。請求項7記載の本発明は、前記ピストンに連結され
てケーシング外に突出するピストンロッドの上部が制動
対象物の支持部材に連結されると共に、前記ケーシング
が制動対象物に連結され、該制動対象物を吊り下げ支持
しつつ振動を吸収するサスペンションダンパとして用い
られる請求項1〜6のいずれか1に記載のダンパを提供
する。請求項8記載の本発明は、前記支持部材が洗濯機
の外枠であり、前記制動対象物が洗濯槽を支持するドラ
ムであって、洗濯機用のサスペンションダンパとして用
いられる請求項7記載のダンパを提供する。
【0007】(作用)図10に示した速度−荷重特性か
ら明らかなように、図11に示した従来のクーロン摩擦
力を利用したダンパ100の場合には、減衰力に速度依
存性が認められない。しかしながら、ピストンに強磁性
体を設けた本発明のダンパ10、あるいはピストンに非
磁性体からなる導体を設けた本発明のダンパ20によれ
ば、強磁性体又は導体が、磁気回路部を構成する永久磁
石の磁束を横切る方向に通過する際の磁気誘導作用又は
電磁誘導作用によって発生する減衰力に、図10に示し
たように速度依存性があり、速度に比例して減衰力が上
昇する。従って、振動周波数に応じた減衰力を発生する
ことが可能となり、特に粘性液体の粘性抵抗が大きく作
用する高周波帯に至る前にあっては、磁気回路部におけ
る減衰力が大きく寄与し、従来品に比して非接触な部品
構成が可能で、フリクションを小さくできるため、ステ
ィックスリップ等の生じない円滑な減衰特性が得られ、
粘性液体の減衰特性と相俟って、結果として低周波帯か
ら高周波帯までの広い振動周波帯域において良好な減衰
性能が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態に基
づいて本発明を更に詳しく説明する。図1〜図5は、本
発明の第1の実施形態にかかるダンパ10を示す図であ
る。これらの図に示したように、本実施形態のダンパ1
0は、略筒状に形成されたケーシング11と、このケー
シング11内を摺動可能なピストン12と、弾性部材で
あるコイルスプリング14と、粘性液体15と、磁気回
路部16とを有して構成される。
【0009】ケーシング11は、筒体111と、筒体1
11の一方の開口部を閉塞するように装着される底壁部
材112と、筒体111の他方の開口部を閉塞するよう
に装着されるキャップ部材113とを有している。底壁
部材112は、外径が筒体111の内径とほぼ同じで、
シール部材112cを介して液密に装着される所定の厚
みの円柱部112aを有していると共に、該円柱部11
2aの上面であって、外周縁よりも内方に位置する部位
に、略環状に突出するように形成された環状突出部11
2bを有しいる。この環状突出部112bは、磁気回路
部16を構成する強磁性体又は非磁性体からなる導体を
支持する部位であり、この第1の実施形態では、強磁性
体である略環状の鉄161を固定している。キャップ部
材113は、略中央部に、ピストン12に連結されたピ
ストンロッド13を外部に突出させるための孔部113
aを有している。
【0010】ピストン12は、ケーシング11内を摺動
し得る外径で形成され、その略中央部には上記したキャ
ップ部材113に形成された孔部113aを経て外部に
突出されるピストンロッド13が連結されて配設されて
いる。ピストン12は、より具体的には、図3〜図5に
示したように、先端側(ケーシング11の底壁部材11
2に対向する側)において二重筒構造になっており、外
筒部121の外面が、ケーシング11の筒体111の内
面に摺接し、ケーシング11とピストン12との相対運
動時に、外筒部121と内筒部122との間に形成され
た環状ギャップ123内を、上記した底壁部材112の
環状突出部112bに支持された鉄161が移動し得る
ように設けられている。
【0011】外筒部121と内筒部122の各先端付近
には、それぞれ略環状で、異極同士を対向させた環状の
永久磁石162,163が配設されている。この一対の
永久磁石162,163は、上記した鉄161と共に磁
気回路部16を構成する。本実施形態では、略環状の永
久磁石162,163を異極同士を対向させて配設して
いるが、永久磁石162,163は、本実施形態におい
ては鉄161を磁気誘導することができればよく(後述
の第2の実施形態のように非磁性体からなる導体を用い
る場合には、該導体を電磁誘導することができればよ
く)、必ずしもこのような配置形態に限定されるもので
はない。また、2つの永久磁石の間には、これらの間の
磁束を鉄161が横切ることができる通路として機能す
るギャップを有すればよく、環状のものに限定されるも
のでもない。
【0012】また、ピストン12には、外筒部121及
び内筒部122をそれぞれ貫通するオリフィス121
a,122aが形成されていると共に、環状ギャップ1
23とピストン12の上端面との間を貫通するオリフィ
ス124が形成されている。本実施形態においては、ケ
ーシング11内にシリコーンオイル等の粘性液体15が
充填されるが、ケーシング11とピストン12との相対
運動が生じると、該粘性液体15が各オリフィス121
a,122a,124を通過することにより粘性抵抗を
生じるものである。
【0013】ピストン12に連結されたピストンロッド
13のうち、ケーシング11内に位置する部位の中途に
は、スプリング受け板13aが固定されており、このス
プリング受け板13aと、ケーシング11のキャップ部
材113の内側に設けられたスプリング受け溝113a
との間には、コイルスプリング14が配設されている。
従って、ケーシング11とピストン12との相対運動に
伴って、このコイルスプリング14が伸縮を繰り返すこ
とにより、振動の緩衝作用が発揮される。なお、ケーシ
ング11内には、粘性液体15が充填されているため、
その流動を妨げないように、ピストンロッド13に固定
されたスプリング受け板13aには流体流通溝13bが
複数形成されている。コイルスプリング14は、本実施
形態では、ケーシング11内におけるピストンロッド1
3の周囲に配設しており、これにより、ダンパのコンパ
クト化とコイルスプリング14の保護を図れるという利
点を有するが、ケーシング11とピストン12の相対運
動として現れる振動を吸収できる限り、図に示した配設
位置に限定されるものではなく、また、ゴム等の他の弾
性部材を配設することも可能である。
【0014】本実施形態にかかるダンパ10は、例え
ば、図6に示したようにケーシング11を、洗濯槽を支
持するドラムに支持させ、吊り棒として機能するピスト
ンロッド13の上端部を、洗濯機の外枠に支持させて洗
濯機用のサスペンションダンパとして使用される。な
お、ここでいうピストンロッド13には、それ自身が所
定の長さを有して吊り棒として機能するものを含むほ
か、吊り棒として機能させるために1本以上の他の棒部
材を連結してドラムを吊り下げるものも含む意味であ
る。
【0015】洗濯槽が回転することにより、ドラムに振
動が生じると、ドラムに連結されたケーシング11が、
軸方向にスライドし、相対的にピストン12がその内部
を軸方向に摺動する。例えば、ピストン12のケーシン
グ11内における相対位置が、図4に示した状態から図
5に示した状態に変化する。この結果、ピストン12
は、コイルスプリング14の弾性力により緩衝されると
共に、粘性液体15がオリフィス121a,122a,
124を通じて、ピストン12の上部側の室からピスト
ン12の先端側の室へ移動する。これにより、粘性液体
15の粘性抵抗が発生し、ピストン12を制動させる減
衰力が生じる。
【0016】また、ピストン12がケーシング11内に
おいて相対的に底壁部材112から離間する方向に摺動
するため、底壁部材112に固定された略環状の強磁性
体である鉄161を取り囲むように、ピストン12の先
端に固定された一対の略環状の永久磁石162,163
が接近する。この結果、永久磁石162,163によっ
て鉄161が磁気誘導作用により磁化され、永久磁石1
62,163に連結されたピストン12の動きを制動す
る減衰力が作用する。
【0017】本実施形態によれば、上記のように、コイ
ルスプリング13による緩衝機能のほかに、粘性液体1
5の粘性抵抗による減衰力と磁気回路部16における磁
気誘導作用による減衰力の2つの減衰力が作用する。そ
して、この2つの減衰力が主に機能する振動周波数帯を
異にするため、広い範囲の振動周波数帯における振動を
吸収する。すなわち、低周波帯においては、主として磁
気回路部16の磁気誘導作用による減衰力が機能して、
ケーシング11とピストン12との相対運動を減衰し、
高周波帯においては、主として粘性液体15の粘性抵抗
が作用して両者の相対運動を減衰する。
【0018】図7及び図8は、本発明の第2の実施形態
にかかるダンパ20を示す断面図である。これらの図に
示したように、本実施形態のダンパ20も、上記した第
1の実施形態と同様に、略筒状に形成されたケーシング
21と、このケーシング21内を摺動可能なピストン2
2と、弾性部材であるコイルスプリング24と、粘性液
体25と、磁気回路部26とを有して構成される。ケー
シング21、ピストン22、コイルスプリング24、粘
性液体25は、上記した第1の実施形態と全く同様であ
るが、磁気回路部26の構成が異なる。
【0019】すなわち、この第2の実施形態において
は、ケーシング21の底壁部材212に形成された環状
突出部212bには、非磁性体の導体である銅261が
固定されており、磁気回路部26は、この銅261と、
ピストン22の外筒部221と内筒部222の各先端付
近に固定された一対の永久磁石262,263とにより
構成されている。
【0020】従って、本実施形態によれば、ピストン2
2とケーシング21との相対運動により、一対の永久磁
石262,263間における銅261の位置が、図7及
び図8に示したように変化することから、電磁誘導作用
が生じて銅261上に渦電流が励起される。この結果、
両者の相対運動を妨げる向きに抵抗力が発生し、これが
減衰力となる。本実施形態においても、磁気回路部26
において生じる減衰力と粘性液体25がオリフィス22
1a,222a,224を通過する際に生じる粘性抵抗
による減衰力とを発生させることができるため、広い範
囲の振動周波数帯において、振動を吸収することができ
る。
【0021】なお、上記した説明では、磁気誘導作用を
生じさせる強磁性体として鉄161を用い、電磁誘導作
用を生じさせる非磁性体からなる導体として銅261を
用いているが、いずれも、他の材料を用いることはもち
ろん可能である。但し、コスト的な面を考慮すると、鉄
161や銅261を用いることが好ましい。また、鉄1
61と銅261とでは、鉄を用いることがより好まし
い。鉄の方がさらにコスト的に有利であると共に、図1
0の速度−荷重特性に示したように、導電率が銅より低
くても、透磁率が銅より高いため、磁気誘導作用によっ
て銅とほぼ同等以上の高い減衰特性が得られるからであ
る。
【0022】また、上記した説明では、磁気回路部1
6,26を構成する強磁性体(鉄161)及び導体(銅
261)をケーシング11,21側に固定し、第1の実
施形態における永久磁石162,163及び第2の実施
形態における永久磁石262,263はいずれもピスト
ン12,22側に固定している。しかしながら、両者は
相対運動によって磁気誘導作用又は電磁誘導作用を生じ
させることができればよく、強磁性体又は導体をピスト
ン12,22側に配置し、永久磁石をケーシング11,
21側に配置することも可能である。
【0023】さらに、上記した説明では、ダンパ10,
20を洗濯機に適用した場合を例に挙げ説明している
が、自動車等の他の機構に用いることももちろん可能で
ある。
【0024】(試験例)磁気回路部に鉄を備えた上記第
1の実施形態にかかるダンパ10(図9中、「Fe+S
PG(N)」(破線)で示す)、磁気回路部に銅を備え
た上記第2の実施形態にかかるダンパ20(図9中、
「Cu+SPG(N)」(太い実線)で示す)、及び図
11に示したケーシング内に配設されたコイルスプリン
グにより緩衝する構造の従来のサスペンションダンパ1
00(図9中、「MP−GREEN(N)」(細い実
線)で示す)について、加振実験を行った。加振により
生じる各ダンパの変位及び発生力(減衰力)の関係を図
9にリサージュ図形で示す。なお、加振振幅はいずれも
2mmp−p(ピーク間距離)であり、加振周波数は、
図9(a)〜(f)の各図の欄外に示したとおりであ
る。なお、図9(a)〜(f)の欄外において「Fe」
は第1の実施形態にかかるダンパ10の加振周波数を、
「Cu」は第2の実施形態にかかるダンパ20の加振周
波数を、「MP」は従来のサスペンションダンパ100
の加振周波数を示す。
【0025】図9から明らかなように、従来のサスペン
ションダンパ100のリサージュ図形は、いずれの加振
周波数においても、縦軸に略平行な直線部を有する平行
四辺形に近い形である。これは、静摩擦のため、ある程
度力が大きくならないとケーシングとピストンとが相対
運動を始めないことを示しており、スムースな減衰特性
が得られていない。
【0026】これに対し、第1の実施形態にかかるダン
パ10及び第2の実施形態にかかるダンパ20は、いず
れの周波数帯においても略楕円ないしは円に近い形を描
いており、直線部を有していない。従って、低周波帯か
ら高周波帯までスムースな動きにより減衰力が機能して
いることがわかる。また、ダンパの減衰特性としては変
位0mmの際に減衰力が大きく、スムースな動きを実現
するためにリサージュ図形は円に近いほど理想的である
が、第1及び第2の実施形態のダンパ10,20は、い
ずれの周波数帯においても、変位0mmにおける減衰力
が最大となっており、より理想に近い形となっているこ
とがわかる。
【0027】また、低周波帯においては、銅を使用した
第2の実施形態のダンパ20よりも、鉄を使用した第1
の実施形態のダンパ10の減衰力が大きく、コスト的な
メリットのほかに、性能面でも鉄を使用した方が有利な
ことがわかる。なお、主として低周波帯における作用の
大きい磁気回路部16,26による減衰力は、永久磁石
の材質、大きさ、配置数等、あるいは強磁性体や導体の
材質、大きさ、配置数等によって種々に調整可能であ
り、各ダンパ10,20を適用する機器等に応じて、い
ずれの周波数帯においても、試験例の場合より減衰力を
大きくしたり、逆に小さくしたりすることも容易に行う
ことができる。但し、より小型で大きな減衰力を発生さ
せるためには、永久磁石としては、磁気エネルギーの大
きい、ネオジム−鉄−ボロン磁石等の希土類磁石を用い
ることが好ましい。
【0028】
【発明の効果】本発明のダンパは、ピストンとケーシン
グとの相対運動に伴って変形可能に配設された弾性部材
のほかに、ピストンとケーシングとの相対運動に伴っ
て、ピストンとケーシングとの少なくとも一方に形成さ
れたオリフィスを通過する際の抵抗により減衰力を発生
させる粘性液体と、ピストンとケーシングとの相対運動
に伴って、磁気誘導作用又は電磁誘導作用による減衰力
を発生させる磁気回路部とを具備する構成である。従っ
て、特に粘性液体の粘性抵抗が大きく作用する高周波帯
に至る前にあっては、磁気回路部における減衰力が大き
く寄与してスティックスリップ等の生じない円滑な減衰
特性が得られ、粘性液体の減衰特性と相俟って、低周波
帯から高周波帯までの広い振動周波帯域において良好な
減衰性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態にかかるダン
パを示す斜視図である。
【図2】図2は、上記第1の実施形態にかかるダンパの
分解斜視図である。
【図3】図3は、上記第1の実施形態にかかるダンパを
構成する一部の分解斜視図である。
【図4】図4は、上記第1の実施形態にかかるダンパの
断面図であって、鉄と永久磁石との相対位置が離間して
いる状態を示す図である。
【図5】図5は、上記第1の実施形態にかかるダンパの
断面図であって、鉄と永久磁石との相対位置が接近して
いる状態を示す図である。
【図6】図6は、上記第1の実施形態にかかるダンパを
洗濯機のサスペンションダンパとして用いる場合の配置
構成を示す模式図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態にかかるダン
パの断面図であって、銅と永久磁石との相対位置が離間
している状態を示す図である。
【図8】図8は、上記第2の実施形態にかかるダンパの
断面図であって、銅と永久磁石との相対位置が接近して
いる状態を示す図である。
【図9】図9(a)〜(f)は、上記第1及び第2の実
施形態のダンパ、従来のサスペンションダンパの加振実
験の結果を示すリサージュ図形である。
【図10】図10は、上記リサージュ図形の変位0mm
における第1及び第2の実施形態のダンパ、従来のサス
ペンションダンパの速度−荷重特性を示す図である。
【図11】図11は、従来のサスペンションダンパの一
例を示す図である。
【符号の説明】
10,20 ダンパ 11,21 ケーシング 12,22 ピストン 14,24 コイルスプリング 15,25 粘性液体 16,26 磁気回路部 161 鉄 162,163 永久磁石 261 銅 262,263 永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 誉田 浩樹 広島県広島市安芸区矢野新町一丁目2番10 号 株式会社デルタツーリング内 (72)発明者 榎 芳美 広島県広島市安芸区矢野新町一丁目2番10 号 株式会社デルタツーリング内 Fターム(参考) 3B155 AA06 BA04 CA06 CB06 DD01 MA01 MA02 3J069 AA50 CC09 CC13 DD25

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、 前記ケーシング内で摺動可能に配設されたピストンと、 前記ピストンのケーシング内における相対運動に伴って
    変形可能に配設された弾性部材と、 前記ケーシング内に充填され、ピストンとケーシングと
    の相対運動に伴って、ピストンとケーシングとの少なく
    とも一方に形成されたオリフィスを通過する際の抵抗に
    より減衰力を発生させる粘性液体と、 前記ピストン及びケーシングにおける対向部位に設けら
    れ、ピストンとケーシングとの相対運動に伴って、磁気
    誘導作用又は電磁誘導作用による減衰力を発生させる磁
    気回路部とを具備することを特徴とするダンパ。
  2. 【請求項2】 前記磁気回路部は、ピストンとケーシン
    グのいずれか一方に設けられる永久磁石と、 ピストンとケーシングのいずれか他方に設けられ、ピス
    トンとケーシングとの相対運動時に、前記永久磁石の磁
    束を横切ることができる位置に設けられる強磁性体又は
    非磁性体からなる導体とを有して構成されていることを
    特徴とする請求項1記載のダンパ。
  3. 【請求項3】 前記磁気回路部を構成する永久磁石が、
    少なくとも一対の永久磁石からなり、ピストンの半径方
    向に所定間隔をおいて、かつ互いに異極同士を対向させ
    て前記ピストンに固定されており、 前記強磁性体又は非磁性体からなる導体が、ピストンの
    相対運動時に、前記一対の永久磁石間の間隙に位置する
    ように、前記ケーシングに固定されていることを特徴と
    する請求項2記載のダンパ。
  4. 【請求項4】 主として磁気誘導作用による減衰力を発
    生させる強磁性体が鉄であることを特徴とする請求項2
    又は3記載のダンパ。
  5. 【請求項5】 電磁誘導作用による減衰力を発生させる
    非磁性体からなる導体が銅であることを特徴とする請求
    項2又は3記載のダンパ。
  6. 【請求項6】 前記弾性部材がコイルスプリングからな
    り、前記ケーシング内において、ピストンと、該ピスト
    ンの摺動方向に対向するケーシング内面との間に設けら
    れていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に
    記載のダンパ。
  7. 【請求項7】 前記ピストンに連結されてケーシング外
    に突出するピストンロッドの上部が制動対象物の支持部
    材に連結されると共に、前記ケーシングが制動対象物に
    連結され、該制動対象物を吊り下げ支持しつつ振動を吸
    収するサスペンションダンパとして用いられる請求項1
    〜6のいずれか1に記載のダンパ。
  8. 【請求項8】 前記支持部材が洗濯機の外枠であり、前
    記制動対象物が洗濯槽を支持するドラムであって、洗濯
    機用のサスペンションダンパとして用いられる請求項7
    記載のダンパ。
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