JP2003106112A - カムフォロワ、カムフォロワの製造方法及びカムフォロワ機構 - Google Patents

カムフォロワ、カムフォロワの製造方法及びカムフォロワ機構

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JP2003106112A
JP2003106112A JP2001301640A JP2001301640A JP2003106112A JP 2003106112 A JP2003106112 A JP 2003106112A JP 2001301640 A JP2001301640 A JP 2001301640A JP 2001301640 A JP2001301640 A JP 2001301640A JP 2003106112 A JP2003106112 A JP 2003106112A
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cam
fillet
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Nobuo Shimazaki
信夫 島崎
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L2307/00Preventing the rotation of tappets

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械強度(バウンス回転速度)を高めて、エ
ンジンの信頼性を向上させたカムフォロワを提供する。 【解決手段】 軸部7とスラスト部8との境界部に、軸
部7側に逃がすようにしてフィレットR14を設けた。
このように構成することで、作動時におけるカムフォロ
ワ4のバルブリフタ3に対する着座追従性が向上し、さ
らに、作動時にカムフォロワ4に作用する曲げ荷重によ
る応力集中部位をフィレットR14の曲面部に安定させ
ることが可能となり、同一曲率半径の逃がしのない通常
のフィレットRを有したカムフォロワ4と比較して、機
械強度(バウンス回転速度)を高めることが可能とな
り、エンジンの信頼性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カムフォロワ、カ
ムフォロワの製造方法及びカムフォロワ機構に関し、よ
り詳しくは、三次元カムのカムプロフィール面の位置変
化に基づいて吸気又は排気バルブのバルブタイミングを
所要に変化させる可変バルブタイミング機構を具備した
吸排気システムに用いられるカムフォロワ、カムフォロ
ワの製造方法及びカムフォロワ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両搭載用のエンジンでは、吸気
バルブ及び排気バルブのバルブリフト量(タイミング)
を運転状況に基づいて常時最適に変化させることによ
り、出力性能、燃料消費率等を制御する吸排気システ
ム、いわゆる可変バルブタイミングシステムが採用され
たものある。該可変バルブタイミングシステムには、カ
ムプロフィールがカムシャフト軸線方向に向けて変化す
る、三次元カムピースを具備したものがあり、このよう
な三次元カムピースを具備した可変バルブタイミングシ
ステムでは、三次元カムピースを配したカムシャフト
を、所要に応じて油圧等を用いてカムシャフト軸線方向
に駆動して、吸気バルブ及び排気バルブのバルブリフタ
が当接する、当該三次元カムピースのカムプロフィール
面の位置を移動させている。これにより、吸気バルブ及
び排気バルブのバルブリフト量(タイミング)を運転状
況に応じて常時最適となるように制御して、エンジンの
出力性能、燃料消費率等を向上させることが可能とな
る。
【0003】一般に、上記可変バルブタイミングシステ
ムにおいては、作動時のカムプロフィール面に対する吸
気バルブ及び排気バルブの追従性を向上させるため、こ
れらバルブの一端に取り付けたバルブリフタと、カムピ
ース(カムプロフィール面)との間に、カムフォロワを
介在させている。図1に示すのは、シャフト材1に組み
付けられたカムピース2とバルブリフタ3との間にカム
フォロワ4を介在させた上記機構(以下、カムフォロワ
機構と称す)の一例を示す分解斜視図である。このカム
フォロワ機構では、平面状のカム摺動面5と曲面状のガ
イド面6とを略半円柱状の軸部7に配すると共に、上記
ガイド面6上にガイド面6よりも大きな曲率半径を有し
たスラスト部8を設けてカムフォロワ4を形成した。そ
して、上記ガイド面6を、バルブリフタ3上面に設けた
第1のガイド溝9に摺動可能に嵌合し、また、スラスト
部8を、第1のガイド溝9周方向に延設され、第1のガ
イド溝9よりも大きな曲率半径を有した第2のガイド溝
10に摺動可能に嵌合し、上記カム摺動面5にカムピー
ス2のカムプロフィール面11を当接させて、カムシャ
フトの回転に応じた上記のカムプロフィール面11の位
置変化に基づいてバルブリフタ3を駆動するように構成
されている。
【0004】ここで、上記カムフォロワ4の製造工程を
説明する。まず、材料としての棒材(丸棒)を軸断面で
切断し略半円柱状の部材を形成する。次に、前工程で得
られた略半円柱状の部材を鍛造して上記カムフォロワ4
の外観形状を成形し、さらに、機械加工(旋盤加工)を
施して、図4に示すように、上記カムフォロワ4の軸部
7とスラスト部8との境界部に通常のフィレットR12
を形成する。そして、カムフォロワ4は、機械加工終了
後、表面硬化熱処理(浸炭焼入れ、又は浸炭焼入れ後、
軟窒化処理或いはTiN処理)され、さらに、所要に応
じてチタンマイト処理等の表面処理が施される。
【0005】ところで、上記可変バルブタイミングシス
テムにおいては、エンジンの信頼性を向上させる目的で
カムフォロワ4の高強度化が図られており、カムフォロ
ワ4の限界バウンス回転速度(バウンス回転速度を徐々
に高めた際にカムフォロワが破壊する直前のバウンス回
転速度、以下、単にバウンス回転速度と称す)が、例え
ば、設計上等で設定された標準のバウンス回転速度(以
下、標準バウンス回転速度と称す)よりも1000rp
m速い回転速度(以下、目標バウンス回転速度と称す)
に目標が設定されている。
【0006】従来のカムフォロワ4では、軸部7とスラ
スト部8との境界部に機械加工する通常のフィレットR
12の曲率半径が、例えば0.3mmで形成されてお
り、図5に示した本出願人により測定された測定データ
によれば、通常のフィレットR12の曲率半径が0.3
mmのカムフォロワ4のバウンス回転速度は、標準バウ
ンス回転速度+200〜300rpmであり(図5中の
(a)参照)、上記目標バウンス回転速度(標準バウン
ス回転速度+1000rpm)と比較して低いレベルの
ものとなっている。そこで、この状態のカムフォロワ4
に細粒ショットピーニング加工を施すと、当該カムフォ
ロワ4のバウンス回転速度は標準バウンス回転速度+5
00〜600rpmに向上したが(図5中の(b)参
照)、目標バウンス回転速度に未達成の状態であった。
【0007】また、上記通常のフィレットR12の曲率
半径を0.5〜1.0mmと大きくしてカムフォロワ4
の高強度化を図ったが、当該カムフォロワ4のバウンス
回転速度は、標準バウンス回転速度+400〜500r
pmであった(図5中の(c)参照)。さらに、通常の
フィレットR12の曲率半径を0.5〜1.0mmと大
きくしたカムフォロワ4に細粒ショットピーニング加工
を施した結果、そのバウンス回転速度は標準バウンス回
転速度+700〜900rpmとかなりの効果が得られ
たが(図5中の(d)参照)、依然として目標バウンス
回転速度に到達することができなかった。
【0008】また、上記測定時(図5中の(a)〜
(d)の測定時)において破壊したカムフォロワ4の破
壊状態を調査したところ、図4に示すように、その破壊
起点15は、フィレットR12の軸部7上のR立上り部
や軸段差部(作動時のバルブリフタ3側のエッジ部13
(図1参照)との干渉により生じた変形陥没部)等に生
じていた。そして、カムピース2の強度(バウンス回転
速度)を向上させるには、作動時にカムフォロワ4に作
用する曲げ荷重による応力集中部位をフィレットR12
の曲面部に安定させることが望まれたが、どのような手
段を講ずれば目標バウンス回転速度をクリアできるのか
不明であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
事情に鑑みてなされたもので、所要の機械強度(バウン
ス回転速度)を得ることで、エンジンの信頼性を大幅に
向上させたカムフォロワ、カムフォロワの製造方法及び
カムフォロワ機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に記載の発明は、平面状のカ
ム摺動面と曲面状のガイド面とを略半円柱状の軸部に配
すると共に、ガイド面上にガイド面よりも大きな曲率半
径を有したスラスト部を具備し、ガイド面をバルブリフ
タ上に設けた第1のガイド溝に摺動可能に嵌合させると
共に、スラスト部を、第1のガイド溝周方向に延設さ
れ、第1のガイド溝よりも大きな曲率半径を有した第2
のガイド溝に摺動可能に嵌合させ、また、カム摺動面を
三次元カムのカムプロフィール面に当接しておいて、カ
ムシャフトの回転に応じた三次元カムのカムプロフィー
ル面の位置変化に基づいてバルブリフタを駆動するカム
フォロワであって、軸部とスラスト部との境界部に、軸
部側に逃がすようにフィレットRを設けたことを特徴と
する。
【0011】本発明は、このように構成することで、作
動時にカムフォロワに作用する曲げ荷重による応力集中
部位をフィレットRの曲面部に安定させることが可能な
カムフォロワを提供することができる。
【0012】また、上記目的を達成するために、本発明
のうち請求項2に記載の発明は、平面状のカム摺動面と
曲面状のガイド面とを略半円柱状の軸部に配すると共
に、ガイド面上にガイド面よりも大きな曲率半径を有し
たスラスト部を具備したカムフォロワの製造方法であっ
て、軸部とスラスト部との境界部に、軸部側に逃がして
フィレットRを形成することを特徴とする。
【0013】本発明は、このように構成することで、作
動時にカムフォロワに作用する曲げ荷重による応力集中
部位をフィレットRの曲面部に安定させることが可能な
カムフォロワの製造方法を提供することができる。
【0014】また、上記目的を達成するために、本発明
のうち請求項3に記載の発明は、請求項2の記載におい
て、フィレットRにショットピーニング加工を施すこと
を特徴とする。
【0015】本発明は、このように構成することで、機
械強度(バウンス回転速度)を大幅に向上させることが
可能なカムフォロワの製造方法を提供することができ
る。
【0016】また、上記目的を達成するために、本発明
のうち請求項4に記載の発明は、請求項2及び3の記載
において、フィレットRの曲率半径が0.5〜1.0m
mであることを特徴とする。
【0017】本発明は、このように構成することで、軸
部外径の減少による機械強度(バウンス回転速度)の低
下を極力抑制したカムフォロワの製造方法を提供するこ
とができる。
【0018】また、上記目的を達成するために、本発明
のうち請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいず
れかの記載において、フィレットRに投射するショット
粒の粒径が50〜150μmであることを特徴とする。
【0019】本発明は、このように構成することで、機
械強度(バウンス回転速度)を大幅に向上させることが
可能なカムフォロワの製造方法を提供することができ
る。
【0020】また、上記目的を達成するために、本発明
のうち請求項6に記載の発明は、平面状のカム摺動面と
曲面状のガイド面とを略半円柱状の軸部に配すると共
に、ガイド面上にガイド面よりも大きな曲率半径を有し
たスラスト部を具備し、ガイド面をバルブリフタ上に設
けた第1のガイド溝に摺動可能に嵌合させると共に、ス
ラスト部を、第1のガイド溝周方向に延設され、第1の
ガイド溝よりも大きな曲率半径を有した第2のガイド溝
に摺動可能に嵌合させ、また、カム摺動面を三次元カム
のカムプロフィール面に当接しておいて、カムシャフト
の回転に応じた三次元カムのカムプロフィール面の位置
変化に基づいてバルブリフタを駆動するカムフォロワ機
構であって、軸部とスラスト部とのフィレットRを軸部
側に逃がして形成し、該フィレットRと第2のガイド溝
のエッジ部とを離間させたことを特徴とする。
【0021】本発明は、このように構成することで、作
動時にカムフォロワに作用する曲げ荷重による応力集中
部位をフィレットRの曲面部に安定させることができ、
また、フィレットRと第2のガイド溝のエッジ部との干
渉を阻止して、カムフォロワの軸部に軸段差部が形成さ
れるのを防ぐことが可能なカムフォロワ機構を提供する
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のカムフォロワ、カムフォ
ロワの製造方法及びカムフォロワ機構の一実施の形態を
図1乃至図5に基づいて説明する。なお、前述した従来
のカムフォロワ及びカムフォロワ機構と同一部分につい
ては、同一符号及び同一名称を用いる。
【0023】まず、図1乃至図3に示した本発明のカム
フォロワ4及びカムフォロワ機構の詳細を説明する。本
発明のカムフォロワ4は、平面状のカム摺動面5と曲面
状のガイド面6とを略半円柱状の軸部7に配し、上記ガ
イド面6上のカムフォロワ4の軸心(以下、単に軸心と
称す)方向の略中央部に、当該ガイド面6よりも大きな
曲率半径を有したスラスト部8を具備している。そし
て、図1に示すように、上記カムフォロワ4のガイド面
6を、バルブリフタ3上面に設けた第1のガイド溝9に
摺動可能に嵌合させると共に、スラスト部8を、上記第
1のガイド溝9の延出方向略中央部に第1のガイド溝9
周方向に延びるように設けられ、且つ当該第1のガイド
溝9よりも大きな曲率半径を有した第2のガイド溝10
に摺動可能に嵌合させ、この状態のカムフォロワ4のカ
ム摺動面5に、カムピース2のカムプロフィール面11
を当接させてカムフォロワ機構が構成されている。
【0024】また、図3に示すように、上記カムフォロ
ワ4には、軸部7とスラスト部8との境界部(図2の
(b)に示すB部分)に、所要の曲率半径で形成した曲
面、即ちフィレットR14が軸部7側に逃がすようにし
て形成されている。そして、本発明のカムフォロワ機構
では、上記フィレットR14とバルブリフタ3のエッジ
部13(図1及び図3参照)との干渉を回避するため
に、互いに離間して配置されている。なお、該フィレッ
トR14の曲率半径は、過大であると軸部7の強度低下
となるので、0.5〜1.0mmであることが望まし
い。また、上記フィレットR14に加えて、当該フィレ
ットR14と軸部7との境界部を、所要の曲率半径で形
成したり、或いは面取り等して形成してもよい。
【0025】次に、このようなカムフォロワ4の製造方
法の詳細を説明する。まず、カムフォロワ4の材料とし
ての棒材(丸棒)を軸断面で切断し、略半円柱状の部材
を形成する。次に、切断して得られた略半円柱状の部材
を鍛造し、上記カムフォロワ4の外観形状を成形する。
次に、所要の外観形状に成形した部材に機械加工(旋盤
加工)を施して、図3に示すように、軸部7とスラスト
部8との境界部に、軸部7側に逃がすように形成した、
曲率半径が0.5〜1.0mmのフィレットR14を形
成する。そして、機械加工によるフィレットR14の形
成後、カムフォロワ4には、表面硬化熱処理(浸炭焼入
れ、又は浸炭焼入れ後、軟窒化処理或いはTiN処理)
が施される。
【0026】そして、上記表面硬化熱処理後、カムフォ
ロワ4には、軸部7側に逃がすように形成したフィレッ
トR14にエアノズルを用いた細粒ショットピーニング
加工が施される。この細粒ショットピーニング加工にお
いては、ショット粒径が50〜150μm、ショット粒
硬度がHv700〜900で、カバレージ100%以上
狙いで数十秒フィレットR14に投射する。本発明のカ
ムフォロワ4の製造方法は、これらの工程が順次なされ
ることで所要形状及び強度のカムフォロワ4が得られる
構造になっている。
【0027】なお、上記した本発明のカムフォロワ4の
製造方法では、フィレットR14の加工は表面硬化熱処
理以前にのみ行われるが、鍛造して所要の外観形状に成
形した部材の軸部7とスラスト部8との境界部に、曲率
半径が0.3〜0.8mmのフィレットR14を軸部7
側に逃げるように形成しておいて、表面硬化熱処理後、
フィレットR14を曲率半径が0.5〜1.0mmとな
るように仕上げてもよい。この場合、フィレットR14
に細粒ショットピーニング加工を施したのと同等の機械
強度(バウンス回転速度)を有したカムフォロワ4を得
ることができ、細粒ショットピーニング加工を省くこと
が可能となる。
【0028】このように構成された本発明のカムフォロ
ワ4、カムフォロワ4の製造方法及びカムフォロワ機構
の作用を説明する。図5中の(e)に示したのは、軸部
7とスラスト部8との境界部(図2の(b)に示すB部
分)に、軸部7側に逃がすように形成した曲率半径が
0.5〜1.0mmのフィレットR14(図3参照)を
有したカムフォロワ4におけるバウンス回転速度であ
る。この軸部7側に逃がすように形成した曲率半径が
0.5〜1.0mmのフィレットR14を有したカムフ
ォロワ4のバウンス回転速度と、図5中の(c)に示し
た曲率半径が0.5〜1.0mmで逃がしのない通常の
フィレットR12(図4参照)を有したカムフォロワ4
のバウンス回転速度と、を比較すると、フィレットR1
4を軸部7側に逃がすように形成したことにより、バウ
ンス回転速度が約200rpm増加したが、この200
rpmのバウンス回転速度の増加では、依然として目標
バウンス回転速度(標準バウンス回転速度+1000r
pm)に到達しておらず、また、図5中の(d)に示し
た曲率半径が0.5〜1.0mmの通常のフィレットR
12に細粒ショットピーニング加工を施したカムフォロ
ワ4のバウンス回転速度(標準バウンス回転速度+70
0〜900rpm)にも達していない。
【0029】そして、曲率半径が0.5〜1.0mmの
軸部7側に逃がすように形成したフィレットR14に細
粒ショットピーニング加工を施したカムフォロワ4で
は、図5中の(f)に示すように、標準バウンス回転速
度+1300〜1600rpmのバウンス回転速度が得
られ、図5中の(e)に示した、同一形状のフィレット
R14に細粒ショットピーニング加工を施していないも
のと比較して、2倍以上のバウンス回転速度を得ること
ができ、目標バウンス回転速度を大きく上回ることがで
きた。これは、フィレットR14を軸部7側に逃がすよ
うに形成したことで、作動時におけるカムフォロワ4の
バルブリフタ3に対する着座追従性が向上し、さらに、
該フィレットR14に細粒ショットピーニング加工を施
したことで、フィレットR14表面に、曲げ疲労強度の
強化に有効な−1000MPaを越える圧縮残留応力と
3〜5μmの極表面層に形成されたメタルフロー(繊維
状金属組織)との相乗効果が得られたことによるもので
ある。
【0030】また、本発明のカムフォロワ機構は、図3
に示すように、軸部7側に逃がすように形成したカムフ
ォロワ4のフィレットR14と、バルブリフタ3の第2
のガイド溝10のエッジ部13と、を離間させたことに
より、軸部7とスラスト部8との境界に通常のフィレッ
トR12(図4参照)を形成したカムフォロワ4を具備
した従来のカムフォロワ機構のように、作動時にフィレ
ットR14と上記エッジ部13とが干渉して、カムフォ
ロワ4の軸部7側の干渉部分に軸段差部(変形陥没部)
が形成されるようなことがない。これにより、作動時に
カムフォロワ4に作用する曲げ荷重による応力が、図4
に示すように、上記軸段差部近傍や軸部7のフィレット
R14立上り部分に集中するようなことがなく、この応
力集中部位をフィレットR14の曲面部に安定させるこ
とが可能となる。したがって、図3に示すように、カム
フォロワ4の強度試験片における破壊起点15は、フィ
レットR14の曲面に沿うようにして生じることとな
る。
【0031】
【発明の効果】本発明のうち請求項1に記載の発明によ
れば、軸部とスラスト部との境界部に、軸部側に逃がす
ようにフィレットRを設けたので、作動時におけるカム
フォロワのバルブリフタに対する着座追従性が向上し、
さらに、作動時にカムフォロワに作用する曲げ荷重によ
る応力集中部位をフィレットRの曲面部に安定させるこ
とが可能となり、同一曲率半径の逃がしのない通常のフ
ィレットRを有した従来のカムフォロワと比較して、機
械強度(バウンス回転速度)を高めることでき、エンジ
ンの信頼性を向上させることが可能となる。
【0032】また、本発明のうち請求項2に記載の発明
によれば、軸部とスラスト部との境界部に、軸部側に逃
がしてフィレットRを形成するので、作動時におけるカ
ムフォロワのバルブリフタに対する着座追従性が向上
し、さらに、作動時にカムフォロワに作用する曲げ荷重
による応力集中部位をフィレットRの曲面部に安定させ
たカムフォロワを得ることができ、同一曲率半径の逃が
しのない通常のフィレットRを有したカムフォロワと比
較して機械強度(バウンス回転速度)を高めることで
き、エンジンの信頼性を向上させることが可能となる。
【0033】また、本発明のうち請求項3に記載の発明
によれば、フィレットRにショットピーニング加工を施
したので、上記した請求項2の効果に加えて、フィレッ
トR表面に、曲げ疲労強度の強化に有効な−1000M
Paを越える圧縮残留応力と3〜5μmの極表面層に形
成されたメタルフロー(繊維状金属組織)とを得ること
ができ、カムフォロワの機械強度(バウンス回転速度)
を大幅に高めて、エンジンの信頼性を最大限に向上させ
ることができる。
【0034】また、本発明のうち請求項4に記載の発明
によれば、フィレットRの曲率半径が0.5〜1.0m
mであるので、カムフォロワの機械強度(バウンス回転
速度)を維持してフィレットRを軸部側に逃がすことが
できる。
【0035】また、本発明のうち請求項5に記載の発明
によれば、フィレットRに投射するショット粒の粒径が
50〜150μmであるので、フィレットR表面に、曲
げ疲労強度の強化に有効な−1000MPaを越える圧
縮残留応力と3〜5μmの極表面層に形成されたメタル
フロー(繊維状金属組織)とを得ることができ、カムフ
ォロワの機械強度(バウンス回転速度)を大幅に高め
て、エンジンの信頼性を最大限に向上させることができ
る。
【0036】また、本発明のうち請求項6に記載の発明
によれば、軸部とスラスト部とのフィレットRを軸部側
に逃がして形成し、該フィレットRと第2のガイド溝の
エッジ部とを離間させたので、軸部とスラスト部との境
界に通常のフィレットRを形成したカムフォロワを具備
した従来のカムフォロワ機構のように、作動時にフィレ
ットRとエッジ部とが干渉し、カムフォロワの軸部側の
干渉部分に軸段差部(変形陥没部)が形成されるような
ことがなく、これにより、作動時にカムフォロワに作用
する曲げ荷重による応力が、軸段差部近傍や軸部のフィ
レットR立上り部分に集中するようなことがなく、この
応力集中部位をフィレットRの曲面部に安定させること
が可能となり、同一曲率半径の逃がしのない通常のフィ
レットRを有したカムフォロワと比較して機械強度(バ
ウンス回転速度)を高めて、エンジンの信頼性を向上さ
せることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カムフォロワ機構の概略構成を示すための分解
斜視図である。
【図2】カムフォロワを示す説明図で、(a)は平面
図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【図3】本発明のカムフォロワ及びカムフォロワ機構の
説明図で、図2の(b)におけるB部詳細図である。
【図4】従来のカムフォロワ及びカムフォロワ機構の説
明図で、図2の(b)におけるB部詳細図である。
【図5】カムフォロワのバウンス回転速度を各条件で比
較した図で、(a)は曲率半径が0.3mmの通常のフ
ィレットRを具備したカムフォロワの限界バウンス回転
速度を示し、(b)は曲率半径が0.3mmの通常のフ
ィレットRに細粒ショットピーニング加工を施したカム
フォロワの限界バウンス回転速度を示し、(c)は曲率
半径が0.5〜1.0mmの通常のフィレットRを具備
したカムフォロワの限界バウンス回転速度を示し、
(d)は曲率半径が0.5〜1.0mmの通常のフィレ
ットRに細粒ショットピーニング加工を施したカムフォ
ロワの限界バウンス回転速度を示し、(e)は曲率半径
が0.5〜1.0mmの軸部側に逃がすように形成した
フィレットRを具備したカムフォロワの限界バウンス回
転速度を示し、(f)は曲率半径が0.5〜1.0mm
の軸部側に逃がすように形成したフィレットRに細粒シ
ョットピーニング加工を施したカムフォロワの限界バウ
ンス回転速度を示す。
【符号の説明】
3 バルブリフタ 4 カムフォロワ 5 カム摺動面 6 ガイド面 7 軸部 8 スラスト部 9 第1のガイド溝 10 第2のガイド溝 13 エッジ部 14 フィレットR
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G016 AA02 AA06 AA19 BA34 BB01 BB02 BB04 BB06 CA01 CA04 CA06 CA08 CA09 CA10 CA11 CA31 CA42 CA43 DA01 EA24 FA12 GA05 3G018 AB02 AB17 BA01 BA03 BA04 BA21 DA01 DA03 DA17 DA82 DA85 FA01 FA06 FA07 GA02 GA14 GA27 3J030 EA21 EB07 EB09 EC04 EC07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状のカム摺動面と曲面状のガイド面
    とを略半円柱状の軸部に配すると共に、前記ガイド面上
    に前記ガイド面よりも大きな曲率半径を有したスラスト
    部を具備し、前記ガイド面をバルブリフタ上に設けた第
    1のガイド溝に摺動可能に嵌合させると共に、前記スラ
    スト部を、前記第1のガイド溝周方向に延設され、前記
    第1のガイド溝よりも大きな曲率半径を有した第2のガ
    イド溝に摺動可能に嵌合させ、また、前記カム摺動面を
    三次元カムのカムプロフィール面に当接しておいて、カ
    ムシャフトの回転に応じた前記三次元カムのカムプロフ
    ィール面の位置変化に基づいて前記バルブリフタを駆動
    するカムフォロワであって、 前記軸部と前記スラスト部との境界部に、前記軸部側に
    逃がすようにフィレットRを設けたことを特徴とするカ
    ムフォロワ。
  2. 【請求項2】 平面状のカム摺動面と曲面状のガイド面
    とを略半円柱状の軸部に配すると共に、前記ガイド面上
    に前記ガイド面よりも大きな曲率半径を有したスラスト
    部を具備したカムフォロワの製造方法であって、 前記軸部と前記スラスト部との境界部に、前記軸部側に
    逃がしてフィレットRを形成することを特徴とするカム
    フォロワの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フィレットRにショットピーニング
    加工を施すことを特徴とする請求項2に記載のカムフォ
    ロワの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記フィレットRの曲率半径が0.5〜
    1.0mmであることを特徴とする請求項2又は3に記
    載のカムフォロワの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フィレットRに投射するショット粒
    の粒径が50〜150μmであることを特徴とする請求
    項3に記載のカムフォロワの製造方法。
  6. 【請求項6】 平面状のカム摺動面と曲面状のガイド面
    とを略半円柱状の軸部に配すると共に、前記ガイド面上
    に前記ガイド面よりも大きな曲率半径を有したスラスト
    部を具備し、前記ガイド面をバルブリフタ上に設けた第
    1のガイド溝に摺動可能に嵌合させると共に、前記スラ
    スト部を、前記第1のガイド溝周方向に延設され、前記
    第1のガイド溝よりも大きな曲率半径を有した第2のガ
    イド溝に摺動可能に嵌合させ、また、前記カム摺動面を
    三次元カムのカムプロフィール面に当接しておいて、カ
    ムシャフトの回転に応じた前記三次元カムのカムプロフ
    ィール面の位置変化に基づいて前記バルブリフタを駆動
    するカムフォロワ機構であって、 前記軸部と前記スラスト部とのフィレットRを前記軸部
    側に逃がして形成し、該フィレットRと前記第2のガイ
    ド溝のエッジ部とを離間させたことを特徴とするカムフ
    ォロワ機構。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228732A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Honda Motor Co Ltd ドッグクラッチ
KR101491679B1 (ko) * 2012-11-01 2015-02-09 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 유성기어 감속장치 및 그 제조방법

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