JP2003105024A - リン酸結合性ポリマー - Google Patents

リン酸結合性ポリマー

Info

Publication number
JP2003105024A
JP2003105024A JP2002256581A JP2002256581A JP2003105024A JP 2003105024 A JP2003105024 A JP 2003105024A JP 2002256581 A JP2002256581 A JP 2002256581A JP 2002256581 A JP2002256581 A JP 2002256581A JP 2003105024 A JP2003105024 A JP 2003105024A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
phosphoric acid
phosphate
tablet
binding polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002256581A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4749649B2 (ja
Inventor
Katsuya Matsuda
勝也 松田
Ryuji Kubota
隆二 窪田
則幸 ▲高▼田
Noriyuki Takada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugai Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2002256581A priority Critical patent/JP4749649B2/ja
Publication of JP2003105024A publication Critical patent/JP2003105024A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4749649B2 publication Critical patent/JP4749649B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単独で又は高配合割合で使用しても、硬度が
高く、主薬含有率が高く、リン酸結合能に優れ、酸性か
ら中性領域での攪拌強度の影響を受けにくい速やかな崩
壊性を示す錠剤を成形できるリン酸結合性ポリマーであ
って、錠剤化した場合、消化管内運動、pHによるバイ
オアベイラビリティーの変動を低くすることができる優
れた製剤を提供できるリン酸結合性ポリマーの開発が望
まれていた。 【解決手段】 式 【化1】 を有し、真比重1.18〜1.24のリン酸結合性ポリ
マー;このポリマーを単独で、又は必要に応じて結晶セ
ルロースおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセ
ルロースを含有する錠剤;及びその錠剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリン酸結合性ポリマ
ー、その製法及びそれを含有する錠剤並びにその錠剤の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リン酸結合性ポリマーはリン酸吸着能を
有した非吸収性ポリマーであり、慢性腎不全等の腎機能
の低下による高リン血症の治療薬として有用である。リ
ン酸結合性ポリマーは例えば、米国特許第549654
5号公報(特表平9−504782号公報)に記載され
ているようなポリアリルアミンをエピクロルヒドリン等
の架橋剤で架橋した架橋重合体で、一級アミンおよび二
級アミンからなるポリカチオン性高分子化合物として知
られている公知化合物である。
【0003】高リン血症の治療薬としてのリン酸結合性
ポリマー製剤は、例えば上記米国特許には結晶セルロー
スを含む種々の添加剤を加えて錠剤にすることができる
と記載されているが、当該公報には具体的に製造された
例は示されておらず、また本発明者らが実際に該公報に
記載された方法により得られたリン酸結合性ポリマーに
種々の添加剤を加えて、通常の方法で錠剤化することを
試みたが、うまく錠剤化できなかった。
【0004】さらに経口吸着剤として知られているポリ
スチレンスルホン酸カルシウム製剤[カリメート(登録
商標)、日研化学株式会社製]、ポリスチレンスルホン
酸ナトリウム製剤[ケイキサレート(登録商標)、鳥居
薬品株式会社製]、吸着炭製剤[クレメジン(登録商
標)、呉羽化学株式会社製]、コレスチラミン製剤[ク
エストラン(登録商標)、ブリストール・マイヤーズ・
スクイブ社製]、沈降炭酸カルシウム製剤(恵美須薬品
株式会社製)等の剤型は原末、散剤または粉末を充填し
たカプセル剤であり、錠剤化された例は見当たらない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】リン酸結合性ポリマー
は経口投与により食物中のリンを吸着し、体外に糞便と
ともに排泄されることでリンの消化管からの吸収を低下
させて血中リン濃度を抑制する作用を有し、1回の服用
量が1〜2gと比較的多い。さらにリン酸結合性ポリマ
ーは水と反応して速やかに膨潤する性質を有するため、
そのままでは服用しがたい。また、これまでのリン酸結
合性ポリマーは添加剤を使用することなく錠剤を成形し
た場合、錠剤の硬度が不十分であるため、相当量の結晶
セルロース及び/又は低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロースを配合することが必須の要件であった。
【0006】高リン血症治療薬であるリン酸結合性ポリ
マーの投与対象である透析患者は水分摂取量が制限され
ることが多く、その製剤については少量の水で服用可能
な剤型が望まれている。有望な剤型としては加圧圧縮に
より小型化がはかれる錠剤、好ましくは口中での崩壊防
止がはかれ、服用性に優れたコーティング錠剤が挙げら
れる。しかしながら、リン酸結合性ポリマーは単独での
加圧圧縮による錠剤硬度が低く、そのままでは錠剤での
製剤化はできなかった。さらにリン酸結合性ポリマーは
吸湿・膨潤性の高い物性を有することから製剤化に際し
ては、水あるいはアルコールなどを含む結合剤溶液を加
えて湿式造粒、乾燥を行う製法を用いることはできなか
った。
【0007】これらの課題を解決するためには、粉末状
のリン酸結合性ポリマーに成形性の優れた粉末状の添加
剤を配合して加圧圧縮を行う製法が望まれ、加圧圧縮に
伴う崩壊性、分散性の変化に留意して設計する必要があ
り、さらに1回服用量が多いことから主薬含有率の高い
製剤として設計する必要があった。
【0008】本発明者らは米国特許第5496545号
公報に記載されている種々の添加剤を用いてリン酸結合
性ポリマーの錠剤化について検討したが、十分な硬度と
速やかな崩壊分散性およびリン酸結合性を示す優れたリ
ン酸結合性ポリマー含有錠剤を製造することはできなか
った。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らはこ
れらの課題を解消すべく、鋭意研究を重ねた結果、リン
酸結合性ポリマー自体が特定の性質をもつ場合であっ
て、添加剤を加えることなく、実質上リン酸結合性ポリ
マーのみから成る、十分な硬度を有し、酸性〜中性領域
で速やかな崩壊分散性およびリン酸結合性を示すリン酸
結合性ポリマー錠剤ができることを見出し、本発明を完
成した。
【0010】本発明のリン酸結合性ポリマーは、好まし
くは、式
【0011】
【化2】 [式中、(a+b):cのモル比が45:1〜2:1で
あり、mは整数を表す]で表わされ、かつ1.18〜
1.24の真比重を有するものである。
【0012】本発明の錠剤は、真比重が1.18〜1.
24、好ましくは1.20〜1.22であるリン酸結合
性ポリマーを粉砕して得られる、平均粒径が400μm
以下であり、粒径500μm以下の割合が90%以上で
あり、かつ水分含有量が1〜14%であるリン酸結合性
ポリマーと、必要に応じて結晶セルロースおよび/また
は低置換度ヒキシプロピルセルロースとを含有する錠剤
であり、十分な錠剤硬度と速やかな崩壊分散性およびリ
ン酸結合性を示すリン酸結合性ポリマー含有錠剤であ
る。
【0013】さらに、本発明は、上記リン酸結合性ポリ
マーに、必要に応じて結晶セルロースおよび/または低
置換度ヒキシプロピルセルロースを配合して、圧縮成形
することから成るリン酸結合性ポリマー含有錠剤の製造
方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】発明者等は、真比重が1.18〜
1.24、好ましくは、1.20〜1.22であり、平
均粒径が400μm以下、好ましくは250μm以下で
あり、かつ粒径500μm以下の割合が90%以上、好
ましくは粒径300μm以下の割合が90%以上であ
り、さらに水分含有量が1〜14%であるリン酸結合性
ポリマーを単独で、又は必要に応じて、特定の添加剤で
ある結晶セルロースおよび/または低置換度ヒドロキシ
プロピルセルロースを含有する錠剤が優れた特性を有す
ることを見出し、本発明を完成した。尚、ここでいう真
比重とは、真比重測定装置(アキュピック1330型、
島津製作所)で測定して得られる値である。
【0015】本発明で使用されるリン酸結合性ポリマー
は、例えば米国特許第5496545号公報(特表平9
−504782号公報)に記載された方法に準じた方法
により製造できる。すなわち、同公報記載のポリマーを
所定の架橋剤で架橋する際の溶媒として、同公報記載の
水に代えて、水とアセトニトリルとの混合溶媒を使用す
ることにより、所定の真比重を有するリン酸結合性ポリ
マーを得ることができる。上記混合媒体における水とア
セトニトリルとの容量混合比は通常、10:90〜9
0:10、好ましくは40:60〜60:40である。
【0016】得られた乾燥リン酸結合性ポリマーを平均
粒径が400μm以下、好ましくは250μm以下で、
かつ粒径500μm以下の割合が90%以上、好ましく
は粒径300μm以下の割合が90%以上となるように
粉砕し、さらに水分を調節して、水分含有量が1〜14
%となるように調整する。リン酸結合性ポリマーの中で
も、ポリアリルアミンにエピクロルヒドリンを作用さ
せ、架橋して得られるポリマーは特に好適に本発明に使
用できる。このポリマーは下記の式
【0017】
【化3】 [式中、(a+b):cのモル比が45:1〜2:1、
好ましくは20:1〜4:1、更に好ましくは約10:
1〜8:1、最も好ましくは約9:1であり、mは整数
を表す]で表される。
【0018】本発明のリン酸結合性ポリマーは架橋され
たポリマーであるから、上記mは架橋され延長している
ポリマーの網目状構造を示す大きな整数であり、理論上
の最大数は1×1017である。このポリマーは網目状に
架橋されているから、ポリマーを粉砕した粒子は実質上
1つの分子であり、したがって、分子量は個々のポリマ
ー粒子の重量に相当する。
【0019】ここでリン酸結合性ポリマーの真比重が
1.24を越える場合、単独で圧縮成形しても十分な硬
度が得られない。また、真比重が1.18未満のものは
工業化に適さない。平均粒径が400μmより大きくな
ると錠剤化に必要な十分な硬度が得られず好ましくな
い。さらに水分含有量が1%未満の場合は、錠剤化に必
要な十分な硬度が得られず、錠剤表面が摩損し易くな
り、また水分含有量が14%以上になると硬度は十分に
得られるものの錠剤化した場合、塑性変形性を示すよう
になり製剤として適さなくなる。服用性のより優れた錠
剤にするためには錠剤硬度計で6KP以上を示す硬度及
び摩損度試験(100回転)での重量減少率が1%以下
を示す表面強度を錠剤に付与する必要があり、かつ塑性
変形性を示さない錠剤にするためには水分含有量が1〜
14%の範囲のものが挙げられる。ここでいう水分含有
量1〜14%とは、105℃、16時間の乾燥減量値と
して1〜14%であることを意味し、好ましくは乾燥減
量値として2〜14%がよい。なお、粉砕の過程でリン
酸結合性ポリマー自体が吸湿し、水分含有量が1〜14
%になる場合は特に水分調節を行う必要はなく、そのま
ま本発明の錠剤に使用できる。
【0020】ここで、リン酸結合性ポリマーの粉砕に用
いられる装置は500μm以下の粒径および上記のよう
な平均粒径が得られる機種、例えば衝撃式粉砕機であれ
ば特に制限はない。
【0021】また水分調整は、塩化ナトリウム飽和塩水
溶液(25℃、相対湿度75.3%)塩化カルシウム飽
和塩水溶液(25℃、相対湿度84.3%)、硝酸マグ
ネシウム飽和塩水溶液(25℃、相対湿度52.8%)
等の調湿剤を用いたり、空気中で自然吸湿させることに
より行える。またリン酸結合性ポリマー製造の際の乾燥
工程を水分含有量が1〜14%の範囲となるように行う
ことにより所望の水分含有量のリン酸結合性ポリマーを
得ることもできる。
【0022】本発明で用いることができる結晶セルロー
スは、特に限定されるものではないが、105℃、3時
間の乾燥減量値として7%以下のものが使用でき、好ま
しくは旭化成工業株式会社製のアビセル(登録商標)P
H101、PH102、PH301、PH302、セオ
ラス(登録商標)KG−801等の市販品を単独または
混合して用いることができる。
【0023】また本発明で用いることができる低置換度
ヒドロキシプロピルセルロースの低置換度とは、ヒドロ
キシプロポキシル基(−OC3H6OH)置換度が5.0
〜16.0重量%のもののことであり、このような低置
換度ヒドロキシプロピルセルロースとしては、例えば信
越化学株式会社製のLH−11、LH−21またはLH
−31等の市販品を単独または混合して用いることが好
ましい。
【0024】本発明では、必要に応じてリン酸結合性ポ
リマー錠剤に添加する結晶セルロースおよび/または低
置換度ヒドロキシプロピルセルロースの量は経口剤とし
てのリン酸結合性ポリマー服用量と製剤の服用性を加味
して任意に設定することができるが、例えば、好ましい
態様としては、平均粒径が250μm以下であり、かつ
粒径300μm以下の割合が90%以上であり、さらに
水分含有量が1〜14%であるリン酸結合性ポリマーの
重量に対して、結晶セルロースまたは低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロースが10重量%以上、好ましくは3
0重量%以上がよい。結晶セルロースおよび低置換度ヒ
ドロキシプロピルセルロースの両方を添加する場合は、
両方の合計の添加量が、10重量%以上、好ましくは3
0重量%以上がよい。また製剤の服用性等を考えた場
合、結晶セルロースおよび/または低置換度ヒドロキシ
プロピルセルロースの添加量の上限は50重量%〜20
0重量%の範囲内がよい。
【0025】さらにリン酸結合性ポリマー、結晶セルロ
ースまたは低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは摩
擦性の高い性質を有するため連続的に打錠を行う場合に
は、杵のきしみによる打錠機への負荷を軽減するために
硬化油を添加するとよく、そのような硬化油としては例
えばフロイント産業株式会社製ラブリワックス(登録商
標)等の市販品を用いることができる。
【0026】本発明のリン酸結合性ポリマー錠剤の製造
は、結晶セルロースおよび/または低置換度ヒドロキシ
プロピルセルロースに加えて、乳糖、白糖、マンニトー
ル等の賦形剤、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレ
ングリコール等の滑沢剤、その他の慣用の添加剤、香
料、着色料等を適宜添加して、リン酸結合性ポリマーと
共に混合、打錠して行うことができる。
【0027】また本発明のリン酸結合性ポリマー錠剤は
さらに、その表面にフィルムコーティングを施したフィ
ルム錠とすることができる。フィルムコーティングに
は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸
共重合ポリマー等の水溶性フィルム基剤を用いることが
できる。特にヒドロキシプロピルメチルセルロースを好
ましく使用することができる。
【0028】
【実施例】以下に製造例及び実施例を挙げて、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定さ
れるものではない。
【0029】[製造例1]水/アセトニトリル(約5
0:50w/w)混合溶媒中でポリアリルアミンに架橋
剤としてエピクロルヒドリンを加えて架橋重合反応を行
い、一級アミン(81.2mol%)及び二級アミン
(18.8mol%)の約40%において塩酸塩を形成
しているポリカチオン性リン酸結合性ポリマーを真空乾
燥し、乾燥末を得た。リン酸結合性ポリマー乾燥末を衝
撃式粉砕機を用いて粉砕し、水分を含有したリン酸結合
性ポリマー(真比重1.209〜1.211、水分2.
1〜2.5%、粒径300μm以下の割合99.0〜9
9.6%)を得た。
【0030】[製造例2]水中でポリアリルアミンに架
橋剤としてエピクロルヒドリンを加えて架橋重合反応を
行い、一級アミン(81.2mol%)及び二級アミン
(18.8mol%)の約40%において塩酸塩を形成
しているポリカチオン性リン酸結合性ポリマーを通気乾
燥し、乾燥末を得た。リン酸結合性ポリマー乾燥末を衝
撃式粉砕機を用いて粉砕し、水分を含有したリン酸結合
性ポリマー(真比重1.253、水分3.6〜3.8
%、粒径300μm以下の割合99.3〜99.7%)
を得た。
【0031】[実施例1]製造例1(真比重1.209
〜1.211)及び製造例2(真比重1.253)のそ
れぞれの水分を含有したリン酸結合性ポリマーを錠剤径
φ10mm、錠剤重量300mg/錠、成型圧500k
g〜1750kgの条件で静圧成型して錠剤を得た。得
られた錠剤の硬度を硬度計(ファーマテスト)で測定し
た結果を表1に示す。
【0032】
【表1】 表1から真比重1.253のリン酸結合性ポリマーを単
独で成型した錠剤はいずれの成型圧でも十分な硬度(6
KP以上)が得られなかったが、真比重1.209〜
1.211のリン酸結合性ポリマーを用いた場合には成
形圧1000kg以上で十分な硬度が得られた。
【0033】[実施例2]製造例1の水分を含有したリ
ン酸結合性ポリマー(真比重1.209)200mgに
対して添加剤として結晶セルロース(アビセルPH10
1 旭化成)を100mgの割合で混合し、錠剤径φ1
0mm、錠剤重量300mg/錠、成型圧500kg、
750kg、1000kgの条件で静圧成型して錠剤を
得た。
【0034】得られた錠剤の硬度を硬度計で測定した結
果及び成形圧750kgの錠剤について崩壊試験器(富山
産業)で測定した結果(試験液:水)を表2に示す。
【0035】
【表2】 表2からリン酸結合性ポリマーに結晶セルロースを添加
した場合は、成型圧750kg以上の条件で、錠剤硬度
が6KP以上であり速やかな崩壊性を示す製剤が得られ
た。
【0036】[実施例3]製造例1の水分を含有したリ
ン酸結合性ポリマー(真比重1.209)767.7g
に対して、結晶セルロース349.5g、硬化油(ラブ
リワックス101フロイント)5.6g、滑沢剤として
ステアリン酸マグネシウム(日東化成)2.2gの割合
で配合した。得られた配合末を単発打錠機(N−30型
岡田精工)を用いて錠剤径φ10.5mm、錠剤重量
375mg/錠、成型圧1750kgの条件で打錠し、
リン酸結合性ポリマー乾燥物として約250mgを含有
する錠剤(素錠)を得た。
【0037】得られた錠剤を硬度計(コンテスター)で
測定した結果、10.9KPの錠剤硬度を示し、崩壊時
間(試験液:水)は67秒であった。さらにリン酸結合
性ポリマー250mg含有製剤(素錠)に対して、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース2910(HPMC
TC−5−RW、信越化学)8.25mg、ポリエチレ
ングリコール6000(日本油脂)1.26mg、酸化
チタン(A−100 石原産業)1.8mg、タルク
0.69mgの組成からなるフィルム処方でコーティン
グ機(ドリアコーターDRC−500型 パウレック)
を用いて製剤(フィルム錠)を得た。
【0038】得られたフィルム錠について崩壊試験器を
用いて毎分1〜30ストローク、試験液2種(pH1.
2:日本薬局方第1液、水)について試験を実施した。
測定結果を図1に示す。
【0039】図1からリン酸結合性ポリマー製剤は酸性
〜中性領域で攪拌強度(ストローク)の影響を受けずに
速やかな崩壊性を示した。 [実施例4]実施例3で製造したリン酸結合性ポリマー
250mgを含有する製剤(フィルム錠)4錠につい
て、薬効を想定した評価法として塩化ナトリウム4.7
g、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミ
ノエタンスルホン酸21.3g、リン酸二水素カリウム
0.544gを水に溶解し、pHを7に合わせて37℃
に加温した試験液200mlを用いて、パドル回転数1
00rpmの条件でリン酸結合能を測定した。リン酸結
合能は錠剤が崩壊し、リン酸結合性ポリマーの分散、リ
ン酸吸着による経時的な試験液中のリン酸残存濃度につ
いて試験液の初期値を1、吸着終了時を0とした測定結
果を図2に示す。
【0040】図2からリン酸結合性ポリマー製剤は速や
かなリン酸結合能を示した。
【0041】
【発明の効果】本発明のリン酸結合性ポリマー錠剤は単
独で製剤可能であるか、または添加剤を配合した場合で
あっても、錠剤の硬度が高く、主薬含有率が高く、リン
酸結合能に優れ、酸性から中性領域での攪拌強度の影響
を受けにくい速やかな崩壊性を示すものであり、消化管
内運動、pHによるバイオアベイラビリティーの変動を
低くすることができる優れた製剤である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3におけるリン酸結合性ポリマー製剤の
崩壊特性(崩壊試験器のストローク数と錠剤硬度との関
係)を示したグラフである。
【図2】実施例4におけるリン酸結合性ポリマー製剤の
リン酸結合プロファイルを示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼田 則幸 静岡県御殿場市駒門1丁目135番地 中外 製薬株式会社内 Fターム(参考) 4J100 AN03P BA03H CA01 CA31 HA03 HC04 HC40 JA53

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式 【化1】 [式中、(a+b):cのモル比が45:1〜2:1で
    あり、mは整数を表す]で表わされ、かつ1.18〜
    1.24の真比重を有するリン酸結合性ポリマー。
  2. 【請求項2】 前記真比重が1.20〜1.22である
    請求項1記載のリン酸結合性ポリマー。
  3. 【請求項3】 上記(a+b):cのモル比が20:1
    〜4:1である請求項1または2に記載のリン酸結合性
    ポリマー。
  4. 【請求項4】 ポリアリルアミンにエピクロルヒドリン
    を、水とアセトニトリルとの混合溶媒中で作用させ、架
    橋して得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    一項に記載のリン酸結合性ポリマーの製造方法。
JP2002256581A 1998-10-12 2002-09-02 リン酸結合性ポリマー Expired - Lifetime JP4749649B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002256581A JP4749649B2 (ja) 1998-10-12 2002-09-02 リン酸結合性ポリマー

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28903198 1998-10-12
JP10-289031 1998-10-12
JP1998289031 1998-10-12
JP2002256581A JP4749649B2 (ja) 1998-10-12 2002-09-02 リン酸結合性ポリマー

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002018372A Division JP3363143B2 (ja) 1998-10-12 2002-01-28 リン酸結合性ポリマー粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003105024A true JP2003105024A (ja) 2003-04-09
JP4749649B2 JP4749649B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=26557431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002256581A Expired - Lifetime JP4749649B2 (ja) 1998-10-12 2002-09-02 リン酸結合性ポリマー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4749649B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017048398A (ja) * 2010-02-24 2017-03-09 レリプサ, インコーポレイテッド 胆汁酸捕捉剤として使用するための架橋されたポリビニルアミン、ポリアリルアミンおよびポリエチレンイミン

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09504782A (ja) * 1993-08-11 1997-05-13 ジェルテックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド 経口投与用のリン酸塩結合性ポリマー
JPH10501842A (ja) * 1994-06-10 1998-02-17 ジェルテックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド 患者から胆汁酸塩を除去する方法およびそのためのアルキル化組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09504782A (ja) * 1993-08-11 1997-05-13 ジェルテックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド 経口投与用のリン酸塩結合性ポリマー
JPH10501842A (ja) * 1994-06-10 1998-02-17 ジェルテックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド 患者から胆汁酸塩を除去する方法およびそのためのアルキル化組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017048398A (ja) * 2010-02-24 2017-03-09 レリプサ, インコーポレイテッド 胆汁酸捕捉剤として使用するための架橋されたポリビニルアミン、ポリアリルアミンおよびポリエチレンイミン

Also Published As

Publication number Publication date
JP4749649B2 (ja) 2011-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3302682B2 (ja) リン酸結合性ポリマーを使用した錠剤
JP5681156B2 (ja) リン酸結合性ポリマー製剤
US9931358B2 (en) Direct compression polymer tablet core
AU778262B2 (en) Direct compression polymer tablet core
US20060088594A1 (en) Highly compressible controlled delivery compositions of metformin
JP3389493B2 (ja) リン酸結合性ポリマー製剤
JP3363143B2 (ja) リン酸結合性ポリマー粒子
JP4749649B2 (ja) リン酸結合性ポリマー
JP2003183168A (ja) リン酸結合性ポリマー含有製剤
JP2002265371A (ja) リン酸結合性ポリマー製剤
CA2576135C (en) Direct compression polymer tablet core

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4749649

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term