JP2003103357A - 鍛造材鋳造装置、及び鍛造材鋳造方法 - Google Patents

鍛造材鋳造装置、及び鍛造材鋳造方法

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JP2003103357A
JP2003103357A JP2001297387A JP2001297387A JP2003103357A JP 2003103357 A JP2003103357 A JP 2003103357A JP 2001297387 A JP2001297387 A JP 2001297387A JP 2001297387 A JP2001297387 A JP 2001297387A JP 2003103357 A JP2003103357 A JP 2003103357A
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forging
forged
preform
molten metal
mold
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JP2001297387A
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Seiji Matsumoto
政治 松本
Masatoshi Watabe
正利 渡部
Daisuke Machino
大輔 町野
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Asahi Tec Corp
Hoei Kogyo KK
Hoei Industries Co Ltd
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Asahi Tec Corp
Hoei Kogyo KK
Hoei Industries Co Ltd
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Publication date
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鍛造処理により優れた機械的性質を付与され
る金属製品について、その製造工程等の見直しを行い、
より生産効率向上を図り、より低コストで生産可能とす
ること。 【解決手段】 鍛造材を溶解して溶湯を得た後に鋳造し
プリフォーム鍛造材を得て、そのプリフォーム鍛造材を
鍛造するという工程を経て製造を行う。その際、様々な
大きさ及び形状を有する金属製品を作製する場合にも、
プリフォーム鍛造材を成形する鋳造用金型を交換するこ
となく同一の金型を使用し、金型に充填する溶湯の量を
変えて、その金属製品に応じた長さのプリフォーム鍛造
材を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、溶解した鍛造材
を鋳造してプリフォーム鍛造材を得るとき、金型を交換
せずに、長さの異なる種々のプリフォーム鍛造材を得る
ことを可能とした鍛造材鋳造装置、及び鍛造材鋳造方法
に関する。より詳細には、鍛造処理を経て作製される金
属製品、例えば、自動車等の車両用足まわり部品、の製
造工程において、生産する部品の大きさ、形状が様々
で、大きく異なる場合に応じて長さを変えたプリフォー
ム鍛造材を作製するときに、金型を交換することなく同
一の鋳造用金型で、金属製品に合わせた異なる長さのプ
リフォーム鍛造材を鋳造可能とすることによって、生産
効率向上を図った鍛造材鋳造装置、及び鍛造材鋳造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】 環境問題の1つである地球温暖化を防
止するために、自動車の燃料消費量低減が、世界的に強
く求められている。そして、そのためには、自動車をよ
り軽くする軽量化技術が最も重要であるといわれる。自
動車そのものを軽量化すれば動力源への負荷が減り、ガ
ソリンエンジンによらず何れの動力源であっても燃料使
用量を減らすことが可能となるからである。
【0003】 最もアプローチし易い自動車軽量化技術
の1つは、自動車を形作る材料を軽量化材料に変更する
ことである。既に、軽量化材料の代表例であるアルミニ
ウム合金材料が、エンジンシリンダヘッド、エンジンシ
リンダブロック等の自動車用部品に使用され、それら部
品が製造されている。
【0004】 しかし、これらの殆どは所謂鋳造品とし
て製造されている。鋳造品は、作り易い利点があるが、
機械的強度の向上には限界があり、同じ自動車用部品で
あっても、腐食性が小さく強度や伸びの特性に優れ欠陥
の少ないことが要求され、安全性に強く関わる部品、例
えば足まわり部品等においては、適用が困難であり、代
わりに鍛造品やスクィズ鋳造品(低速射出成形体)等が
製造され使用されるようになってきている。
【0005】 ところが、鍛造品やスクィズ鋳造品には
高コストという解決すべき課題があって、高価な自動車
等に極限られて採用されているのが現状である。サスペ
ンション等の自動車足まわりに係る部品に好適に用いら
れる、従来の、例えばA6061合金等を用いたアルミ
ニウム鍛造品が高コストである理由は、製造工程数が多
いことも挙げられるが、鍛造用材料そのものが高コスト
であることが主である。又、例えばAC4CH合金等を
用いたスクィズ鋳造品も、製造工程数が多い上に射出ス
ピードが遅いため、生産性が上がらない等で低コスト化
出来ていない。
【0006】 一方、一般の鋳造品では、溶湯の清浄化
等で欠陥発生の低減に努めても機械的性質の向上に限界
があり、使用環境の厳しい足まわり部品に適用すること
は到底困難であることは明らかであった。
【0007】 そこで、より機械的強度の高い鍛造品に
おいて、製造工程の見直し等を行い、コスト低減を望む
要求が高まってきた。通常、アルミニウム鍛造品を製造
する場合に、展伸材からなる鍛造材を丸棒で購入し、作
製する金属製品に応じた長さに切断した後に、この鍛造
材を鍛造型打ちし、製品とバリを分離し、製品を得る。
一般に、バリは回収業者へ引き取られ、雑鋳造製品に利
用される。製品にならないバリは、型打ち前の原料の概
ね30%にも達しており、換言すれば、鍛造材は約70
%しか製品に使用されず、原料の利用率という点で大き
な無駄が生じている。従って、これを是正することによ
って、コスト低減が図れると考えられる。
【0008】 即ち、鍛造時に生じる不用なバリを、展
伸材等の新しい鍛造材と合わせて溶解し、得られた溶湯
を鋳造して成形した後に、鍛造して鍛造品を得て、更に
熱処理等の後処理を施して金属製品を作製すれば、バリ
が再利用され原料の利用率は概ね100%になる。こう
すれば、鍛造による金属製品においては、その総コスト
における原料費の占める割合が大きいために、従来の鍛
造品に比べて、より低コスト化することが可能となる。
従って、望ましい機械的性質を有する鍛造による金属製
品を、より安価で供給することが出来、市場ニーズに応
え得る。
【0009】 しかし、鍛造材を溶解し鋳造して成形す
る製造工程を経ているため、原料費は削減されるもの
の、溶解炉、鋳造装置等に新たな設備投資が必要とな
り、初期コストの償却負担等が生じる。従って、従来の
鍛造品と比べては低コスト化がなされても、鋳造品やス
クィズ鋳造品と比較すると低コストであるとはいえず、
更なるコスト削減に向けて検討を続ける必要があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】 従って、例えば、厳
しい条件下で使用される自動車等の車両用足まわり部品
のように、強度、伸び等の機械的特性に高いレベルが求
められる鍛造による金属製品において、より低コストな
ものが求められているが、適切な金属製品が提案されて
いなかった。
【0011】 本発明は、上記した従来の課題に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、鍛造処
理により優れた機械的性質を付与される金属製品の製造
工程等の見直しを行い、より生産効率向上を図り、より
低コストで生産可能とすることにある。そして、金属と
して例えばアルミニウム合金を用い、軽量で丈夫な自動
車等の車両用足まわり部品を、より安価で供給し、自動
車等の燃費低減を図り、排出二酸化炭素を削減し、地球
温暖化防止等の環境対策に貢献することにある。
【0012】 本発明者らは、上記の課題を解決するた
めに、鍛造製造工程について種々検討し研究した結果、
鍛造処理によって金属製品を製造する場合に、鍛造材を
一度溶解して溶湯を得た後に鋳造しプリフォーム鍛造材
を得て、そのプリフォーム鍛造材を鍛造するという工程
を経て製造を行うものとした。そして、様々な大きさ及
び形状を有する金属製品を作製するときに、プリフォー
ム鍛造材を成形する鋳造用金型を交換することなく同一
の金型を使用し、金型に充填する溶湯の量を変えて、金
属製品に応じた長さのプリフォーム鍛造材を作製するこ
とによって、上記の目的を達成出来ることを見出した。
【0013】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、鍛造材を溶解した溶湯を、金型に充填し凝固させて
プリフォーム鍛造材を得る鋳造装置であって、金型へ充
填する溶湯の量を所望の量に変更し得る注湯量調節手段
を備え、同一の金型で、異なる長さを有するプリフォー
ム鍛造材を作製可能とすることを特徴とする鍛造材鋳造
装置が提供される。本発明においては、注湯量調節手段
は、異なる容量を有する複数の計量槽を備え、その計量
槽によって溶湯を計量するものであることが好ましい。
【0014】 又、本発明の鍛造材鋳造装置には、指向
性凝固手段を備えることが好ましく、本発明の鍛造材鋳
造装置で作製するプリフォーム鍛造材の形状は、概ね円
柱形であることが好ましい。更に、そのプリフォーム鍛
造材を鍛造して得られる金属製品として、車両用足まわ
り部品を好適に製造することが出来る。本発明において
は、鍛造材としてアルミニウム合金を好適に用いること
が可能である。
【0015】 本発明によれば、鍛造材から様々な大き
さ及び形状を有する鍛造品を作製する鍛造品製造方法に
用いられ、鍛造材を溶解した溶湯を金型に充填し凝固さ
せて、鍛造品の大きさ及び形状に応じて、異なる長さを
有するプリフォーム鍛造材を得る鋳造方法であって、金
型へ充填する溶湯の量を調節して、同一の金型で、異な
る長さを有するプリフォーム鍛造材を作製可能とするこ
とを特徴とする鍛造材鋳造方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明の鍛造材鋳造装
置、及び鍛造材鋳造方法について、実施の形態を具体的
に説明するが、本発明は、これらに限定されて解釈され
るものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良
を加え得るものである。
【0017】 例えば、詳細の説明中において、鍛造材
の代表例としてアルミニウム合金を取り上げて記載する
ことがあるが、本発明は、鍛造材である原料を一度溶解
して鋳造しプリフォーム鍛造材を得る鍛造材鋳造装置、
及び鍛造材鋳造方法において、そのプリフォーム鍛造材
を鍛造して得られる機械的性質に優れた金属製品の、大
きさ及び形状が様々で大きく異なるものであるときで
も、製造途中で金型を交換することなく、その金属製品
に応じた長さのプリフォーム鍛造材を作製可能とするこ
とによって、生産効率の向上を実現した発明であって、
鍛造材としての金属は、塑性が大きく鍛造に向いてい
て、実質的に鍛造処理を経て成形され金属製品となり得
る鍛造用材料を指し、特に限定されるものではない。例
えば、アルミニウム合金(A6061等)の他、鉄基合
金として炭素鋼(S40C等)や特殊鋼(クロムモリブ
デン鋼等)、あるいは、マグネシウム合金等が挙げられ
る。
【0018】 尚、プリフォーム鍛造材とは、後に例え
ば鍛造型打ちするために、鍛造材が鋳造装置によって鋳
造され予め成形された(Preformed)鍛造材の
ことを指し、鋳造済鍛造材を意味する。又、詳細の説明
中において単に金型というときには、鍛造材鋳造装置の
鋳造用金型を指す。更に、型割面とは金型の分割面をい
うが、型割面側というときには、キャビティ及び押湯キ
ャビティの形成されていない上型と下型が完全に密着す
る部分の側、即ち、キャビティからみて湯口若しくは押
湯キャビティとは反対側をいう。
【0019】 本発明は、鍛造材を溶解した溶湯を金型
に充填し凝固させてプリフォーム鍛造材を得る鍛造材鋳
造装置であり、本発明においては、金型へ充填する溶湯
の量を変えて、長さの異なる色々なプリフォーム鍛造材
を作製する手段を有し、金型そのものは交換しないこと
に特徴がある。
【0020】 鍛造して金属製品を作製する際に、鍛造
材である原料を一度溶解して鋳造しプリフォーム鍛造材
を得て、それを鍛造するという製造工程を経て作製すれ
ば、バリ等の屑材を再利用することが出来、原料費の低
減が図れる。しかしながら、従来の鍛造の前処理におい
て鍛造材たる丸棒を金属製品の大きさ及び形状に合わせ
て切断する如く、この製造工程においても、作製する最
終の金属製品の大きさや形状に合わせて、プリフォーム
鍛造材の大きさや形状を変更しようとして、個別の金属
製品に対応した多くの鋳造用金型を用意し、製造する金
属製品が変更になる度に金型を交換すれば、設備コスト
はより高くなり、生産効率は低下してしまう。
【0021】 本発明では、プリフォーム鍛造材を長さ
のみを変更することによって鍛造材体積を調節するもの
とし、同一の金型で、異なる長さを有するプリフォーム
鍛造材を作製可能としているので、設備コストはより低
減出来、又、鋳造用金型に係るメンテナンス及び管理マ
ンパワーも少なくて済む。当然ながら製造工程稼動途中
での鋳造用金型の交換が発生せず、生産速度が上がりス
ループットが向上する。
【0022】 本発明の鍛造材鋳造装置及び鍛造材鋳造
方法により得られるプリフォーム鍛造材は、様々な大き
さ及び形状の金属製品を作製するため鍛造するに適正な
大きさにすることが可能であり、鍛造前に切断すること
なく、そのまま、例えば鍛造型打ち出来る。鍛造の前処
理として、従来行われているような、流通する展伸材等
の丸棒を金属製品の大きさに合わせて切断して、更に面
取りする工程は必要としない。
【0023】 以下、本発明の鍛造材鋳造装置、及び鍛
造材鋳造方法について、図面に基づいて具体的に説明す
る。先ず、鍛造材鋳造装置について説明する。図1は、
本発明の鍛造材鋳造装置の一実施例を示す断面図であ
る。鍛造材鋳造装置93は、上型85と下型86からな
る鋳造用金型84を主な構成要素とし、上型85と下型
86によってプリフォーム鍛造材の型をなすキャビティ
98が形成され、キャビティ98に溶湯を注湯する湯口
88と、それに続く押湯キャビティ97を備える。キャ
ビティ98が形成するプリフォーム鍛造材の型は、概ね
同一径の柱状であることが好ましい。
【0024】 溶湯のキャビティ98への注湯は加圧又
は吸引による自動注湯であってもよいが、本例では、基
本的な汲み上げ方式として示す。保持炉等から溶湯を汲
み上げる湯溜90は、下型86に備わる受部91から分
離可能である。又、下型86には傾倒軸92も備わり、
この傾倒軸92を中心として、鋳造用金型84は、図1
に示す概ね水平状態から、型割面87を下に、湯口88
を上にして、約90°回転することが可能である。
【0025】 続いて、鍛造材鋳造装置93を用いて、
異なる長さを有するプリフォーム鍛造材を作製する方法
を説明する。同一の鋳造用金型84によって異なる長さ
のプリフォーム鍛造材を作製するための一方法は、金型
へ充填する溶かした鍛造材たる溶湯の量を任意に変更す
ることである。キャビティ98に注湯する溶湯の量を調
節することで、同一径で所望の長さを有するプリフォー
ム鍛造材を作製出来る。
【0026】 キャビティ98への注湯量調節手段とし
ては、例えば、次のような手段が挙げられる。 a)異なる容量を有する複数の計量槽を用意し、その計
量層によって溶湯を所望の量に計量し、注湯する。 b)耐熱耐食性配管及び弁を用いて自動注湯するか、若
しくは大きな槽で注湯するものとし、注湯する量を注湯
時間で換算し、調節する。 c)例えば超音波による非接触の湯面計を設けて、注湯
量を監視し、調節する。
【0027】 ここでは、最も簡素なa)を例に、図1
に加え、図2、図3を参照しながら注湯量調節手段の一
例を説明する。図2は、本発明の鍛造材鋳造装置93に
おける注湯量調節手段の一実施例を示す説明図であり、
図3は、注湯量を調節して得られる、例えば3つの異な
る長さのプリフォーム鍛造材の例を示す斜視図である。
尚、好ましくは柱状をなすプリフォーム鍛造材の断面形
状は、限定されるものではないが、打痕が付き難く、エ
ッジによる捲れ込みや、かぶり疵等の鍛造欠陥を発生し
難い形状であるから、概ね円形であることが好ましく、
本例でもプリフォーム鍛造材の断面形状を円形とした。
【0028】 異なる容量を有する3つの湯溜90a、
90b、90cを用意し、これらを溶湯の量を調節する
計量槽として用いる。何れかの湯溜を用いて保持炉等か
ら汲み上げることによって溶湯89を計量し、鋳造用金
型84が水平の時(図1に示すような状態)に、湯溜を
受部91にセットする。そして、湯溜を備えたまま鋳造
用金型84を傾倒軸92中心として、概ね水平状態から
概ね垂直状態へ好ましくは連続的に傾倒させれば、湯溜
内の溶湯89は、湯口88から押湯キャビティ97へ、
更には奥のキャビティ98へと進入して、型割面87側
から充填される。
【0029】 湯溜90cを用いれば、溶湯89は鋳造
用金型84のキャビティ98の半分程の容量であり、溶
湯89が冷却され凝固して得られるプリフォーム鍛造材
51の長さLは最も短い。湯溜90bを用いれば、溶湯
89はキャビティ98の2/3程の容量である。湯溜9
0aを用いれば、キャビティ98及び押湯キャビティ9
7まで溶湯89で満たされ、溶湯89が冷却され凝固し
て得られるプリフォーム鍛造材53の長さLは最も長
く、鍛造部11の他に押湯部12も成形される。
【0030】 このようにして作製されたプリフォーム
鍛造材51〜53の直径Dは等しいが、長さが異なるた
め、当然ながら体積は異なる。従って、プリフォーム鍛
造材を鍛造して得られる最終の金属製品の大きさに合わ
せて、同一の鋳造用金型84を用いて、より好ましい体
積のプリフォーム鍛造材を選択することが可能となる。
【0031】 次に、本発明の鍛造材鋳造装置における
溶湯充填後の凝固手段について説明する。本発明におい
ては、指向性凝固を施すことが好ましい。指向性凝固と
は、収縮孔や気孔等の内部欠陥が最終凝固位置に発生す
ることを利用して、押湯部等の端部を最終凝固位置とし
て特定の方向から冷却し凝固させることによって、その
端部に内部欠陥を集める方法である。
【0032】 鋳造原料たる鍛造材は、塑性及び強靭性
に優れているが、鋳造性に関わる溶湯時の流動性や凝固
収縮性には劣り、鋳造して成形した際に引け巣等の鋳造
欠陥を生じ易く、その後に鍛造して得る金属製品におい
て機械的性質の低下を引き起こし易い。従って、指向性
凝固を施し、仮に欠陥が生じても、鍛造され製品となる
鍛造部には欠陥が残らないようにすることが好ましい。
【0033】 指向性凝固を実現する手段を備える鍛造
材鋳造装置とは、例えば、図1に示す鍛造材鋳造装置9
3であって、上記したように、傾倒可能な鋳造用金型8
4が、概ね水平状態のときに湯口88から充填を開始
し、鋳造用金型84が、湯口88を上にして概ね垂直状
態になるときに充填が完了するように、所定の時間をか
けて、好ましくは連続して鋳造用金型84を起こすこと
によって実現される。
【0034】 更に、図1に示す鍛造材鋳造装置93に
おいては、鋳造用金型84の一端から他端にかけて内部
に中空通路94を有し、例えば、鋳造用金型84の一端
である湯口88とは反対方向の型割面87側の中空通路
94(F)から、鋳造用金型84の他端である湯口88
側の端の中空通路94(A)に向けて、時間をずらしな
がら、好ましくは連続して冷水又は冷却ガス等の冷媒を
通して、強制的且つ急な冷却を行い、指向性凝固をより
容易に確実に施すことも好ましい。
【0035】 鋳造用金型84を構成する材料には、高
熱伝導性金属を適用することが好ましい。熱放散が速い
ほうが凝固が早く完了し、よりスループットが向上し、
且つ、溶湯の指向性凝固の制御がより確実に且つ容易に
なるからである。高熱伝導性金属としては、例えばアル
ミニウム合金、銅合金等を用いることが好ましい。
【0036】 次に、本発明の鍛造材鋳造装置を用いた
鍛造品製造工程の一実施例を、図4に示すブロックフロ
ー図を参照しながら説明する。鍛造材を鍛造装置63
で、例えば鍛造型打ちし鍛造品9を得た後に、後処理装
置64において、好ましくは熱処理を施し、機械的性質
をより好ましいものとした金属製品7を得る。鍛造装置
63における、例えば鍛造型打ち後に発生するバリ材5
は、有効に原料として再利用され系外に出されることが
ない。バリ材5は、溶解炉61で新材8と混合して溶解
され溶湯になり、鍛造材鋳造装置62でプリフォーム鍛
造材6に成形される。そして、このプリフォーム鍛造材
6は、直ぐに鍛造装置63で鍛造される。
【0037】 本発明で提案する同一の金型で異なる長
さのプリフォーム鍛造材を作製する鍛造材鋳造装置にお
いては、最終の金属製品の色々な大きさ及び形状を考慮
し、鍛造効果が充分に得られる鍛造比になるように、鋳
造用金型のキャビティの内径、即ちプリフォーム鍛造材
の外径を決定することが好ましい。鍛造効果により望ま
しい機械的性質が付与されることが肝要であって、その
結果、例えば鍛造型打ち後に製品から分離され生じるバ
リの量が多少増えても、上記したように、このバリは溶
解し再利用可能なので、無駄になることはない。
【0038】 次に、本発明の鍛造材鋳造装置により作
製されるプリフォーム鍛造材を鍛造して得られる金属製
品について説明する。本発明により作製されるプリフォ
ーム鍛造材を鍛造し、その後、例えば熱処理することに
よって、一般に使用されている自動車等の車両用足まわ
り部品を好適に製造することが出来る。より詳細には、
デリバリーパイプ、ロアアーム、ナックルステアリング
等の自動車等の車両用足まわり部品である。
【0039】 従来は、鍛造を経て製造される金属製品
は、機械的性質に優れていて、より強度が求められる車
両用足まわり部品には適していることは理解されても、
コストが高く普及し難かった。しかし、本発明によっ
て、より生産効率が向上し、より低コスト化が実現さ
れ、高性能な鍛造品の普及が促進される。
【0040】 又、自動車等の車両用足まわり部品とし
ては、より軽いことが好ましいが、本発明においては、
原料である溶解される鍛造材としてアルミニウム合金を
好適に用いることが出来るので、軽量化の要望に充分に
応えられる。図5は、本発明により作製されるプリフォ
ーム鍛造材を鍛造した後、熱処理等を施して得られる金
属製品の形状の一例であり、デリバリーパイプ2を示す
斜視図である。このようなデリバリーパイプ2は、例え
ば、図3に示すプリフォーム鍛造材53を用いて鍛造す
ることが出来る。このとき、鍛造比は概ね5:1〜2:
1であって充分な鍛造効果が得られる。分離されるバリ
の量は概ね30%であり、全量が再利用される。
【0041】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の鍛造材
鋳造装置、及び鍛造材鋳造方法によれば、鍛造処理によ
り優れた機械的性質が付与された金属製品の生産工程に
おいて、より効率向上を実現し、低コスト化を図ること
が可能となる。そして、金属として例えばアルミニウム
合金を用いて、軽量の車両用足まわり部品をより安価で
供給すれば、自動車等の燃費低減が図られ、地球規模の
課題である排出二酸化炭素の削減に寄与し地球温暖化防
止等の環境対策に貢献することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鍛造材鋳造装置の一実施例を示す断
面図である。
【図2】 本発明の鍛造材鋳造装置における注湯量調節
手段の一実施例を示す説明図である。
【図3】 本発明の鍛造材鋳造装置により作製されるプ
リフォーム鍛造材の一実施例を示す斜視図である。
【図4】 本発明の鍛造材鋳造装置を用いた鍛造品製造
工程の一実施例を示す概略ブロックフロー図である。
【図5】 本発明の鍛造材鋳造装置により作製されるプ
リフォーム鍛造材を鍛造して得られる金属製品の一実施
例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2…デリバリーパイプ、5…バリ材、6…プリフォーム
鍛造材、7…金属製品、8…新材、9…鍛造品、11…
鍛造部、12…押湯部、51〜53…プリフォーム鍛造
材、61…溶解炉、62…鍛造材鋳造装置、63…鍛造
装置、64…後処理装置、84…鋳造用金型、85…上
型、86…下型、87…型割面、88…湯口、89…溶
湯、90…湯溜、91…受部、92…傾倒軸、93…鍛
造材鋳造装置、94…中空通路、97…押湯キャビテ
ィ、98…キャビティ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 23/00 B22D 23/00 A 25/02 25/02 B 27/04 27/04 A F 33/02 33/02 (72)発明者 渡部 正利 三重県員弁郡員弁町笠田新田8−2 (72)発明者 町野 大輔 三重県員弁郡員弁町畑新田399 Fターム(参考) 4E014 LA04 LA18 4E087 AA10 BA04 BA20 BA24 CA11 HA82 4E093 NA04 NB05 VA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍛造材を溶解した溶湯を、金型に充填し
    凝固させてプリフォーム鍛造材を得る鋳造装置であっ
    て、 前記金型へ充填する溶湯の量を、所望の量に変更し得る
    注湯量調節手段を備え、同一の前記金型で、異なる長さ
    を有する前記プリフォーム鍛造材を作製可能とすること
    を特徴とする鍛造材鋳造装置。
  2. 【請求項2】 前記注湯量調節手段が、異なる容量を有
    する複数の計量槽によって溶湯を計量する手段である請
    求項1に記載の鍛造材鋳造装置。
  3. 【請求項3】 指向性凝固手段を備える請求項1又は2
    に記載の鍛造材鋳造装置。
  4. 【請求項4】 前記プリフォーム鍛造材の形状が、略円
    柱形である請求項1〜3の何れか一項に記載の鍛造材鋳
    造装置。
  5. 【請求項5】 前記プリフォーム鍛造材を鍛造して得ら
    れる金属製品が、車両用足まわり部品である請求項1〜
    4の何れか一項に記載の鍛造材鋳造装置。
  6. 【請求項6】 前記鍛造材が、アルミニウム合金である
    請求項1〜5の何れか一項に記載の鍛造材鋳造装置。
  7. 【請求項7】 鍛造材から様々な大きさ及び形状を有す
    る鍛造品を作製する鍛造品製造方法に用いられ、前記鍛
    造材を溶解した溶湯を金型に充填し凝固させて、前記鍛
    造品の大きさ及び形状に応じて、異なる長さを有するプ
    リフォーム鍛造材を得る鋳造方法であって、 前記金型へ充填する前記溶湯の量を調節して、 同一の前記金型で、前記異なる長さを有するプリフォー
    ム鍛造材を作製可能とすることを特徴とする鍛造材鋳造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006218530A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The 重力鋳造装置の溶湯供給ホッパー
CN108655346A (zh) * 2018-05-21 2018-10-16 洛阳古城机械有限公司 一种汽车转向节的浇铸方法

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