JP2003103217A - 膜体の形成方法 - Google Patents

膜体の形成方法

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JP2003103217A
JP2003103217A JP2001302506A JP2001302506A JP2003103217A JP 2003103217 A JP2003103217 A JP 2003103217A JP 2001302506 A JP2001302506 A JP 2001302506A JP 2001302506 A JP2001302506 A JP 2001302506A JP 2003103217 A JP2003103217 A JP 2003103217A
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curable resin
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polyurea
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JP2001302506A
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Shuhei Yamamoto
周平 山本
Tsutomu Harima
強 播磨
Shintaro Ishibashi
伸太良 石橋
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SUNRISE ENGINEERING KK
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SUNRISE ENGINEERING KK
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 比較的薄膜であっても、平滑性、耐衝撃
性、耐久性および耐ピーリング性に優れる膜体の形成方
法を提供する。 【解決手段】 基材1表面の複数箇所に穿孔する工程
(1)と、該穿孔した孔2に無溶剤系2液ポリウレア硬
化型樹脂(A)を充填する工程(2)と、該孔充填後の
基材表面に補強材を布設する工程(3)と、前記基材表
面から前記補強材を包埋しうるまでの厚み範囲に前記無
溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)を充填塗布する
工程(4)と、あるいはさらに工程(4)で得られた膜
体上に無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)を2液衝突混
合スプレー塗布し硬化させる工程(5)とを有する膜体
の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の壁材また
は床材等に用いられる膜体の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建造物等の室内の壁や床、特に、倉庫等
の床材に用いられる床は、一般的に、コンクリート上に
樹脂の複層膜を形成することによって得られる。例え
ば、まず、コンクリートの保護等を目的として、コンク
リート上に、エポキシ系樹脂やメチルメタクリレート系
樹脂等を塗布して樹脂膜を形成した後、さらにこの膜の
上に、美観および滑り止めの効果等を目的として、骨材
を含んだウレタン硬化系樹脂を塗布してウレタン樹脂膜
を形成することで複層膜が得られる。しかしながら、こ
のような方法は塗布する際に有機溶剤を使用するため、
環境汚染の原因となる。また、硬化の進行が遅いため、
工期に長時間を要する問題があった。
【0003】さらに、得られる複層膜は非常に固く柔軟
性に欠けるため、コンクリートの伸縮に追従できずに割
れを生じるという問題がある。さらに、床面に重量物を
置いたり、移動させたりすることで膜表面が痛んで割れ
を生じるという問題や、あるいは、刃物等の鋭利な部分
を有するものが落下衝突することによって膜が割れ、そ
れにより生じた傷がコンクリートまで達してしまうこと
で、コンクリート保護の観点から、耐久性においても問
題があった。
【0004】特開2000−225376号公報では、網状材また
は線状材を使用し、かつ、無溶剤系2液硬化型樹脂を用
いた複合有機膜体の形成方法が開示されている。この公
報には、網状材または線状材に対して、超速硬化の無溶
剤系2液硬化型樹脂を2液衝突混合スプレー塗布し、硬
化させ、網状材または線状材と一体化するものである。
この方法によって得られる複合有機膜体は、柔軟性を有
するものである。
【0005】しかしながら、このような超速硬化の無溶
剤系2液硬化型樹脂は、硬化の際の発熱が大きいため、
被塗装物の一部である網状材や線状材が変形することが
あり、得られる膜体の平滑性を充分に得ることができな
いという問題があった。また、この変形を隠蔽するため
に大量の樹脂を使用しなければならなかった。また、基
材との密着性については、膜面内に作用する外力に対す
る剥離抵抗は十分大きいが、膜端からめくって剥がそう
とする外力に対する剥離抵抗が比較的小さく、使用環境
によっては耐ピーリング性が不十分となる虞があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の問題に
鑑み、本発明は、比較的薄膜であっても、平滑性、耐衝
撃性、耐久性および耐ピーリング性に優れる膜体の形成
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、基材の複数箇所に穿孔を行ない、該穿孔した
孔に無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)を充填
後、同樹脂(A)を基材全面に塗布することにより、前
記目的を達成できることを見出し、本発明をなした。
【0008】すなわち本発明は、以下に要旨を記載され
る膜体の形成方法および該方法によって形成された膜体
である。 (1)基材表面の複数箇所に穿孔する穿孔工程と、該穿
孔した孔に無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)を
充填する孔充填工程と、該孔充填後の基材表面に前記無
溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)を塗布する第1
塗布工程とを有することを特徴とする膜体の形成方法。
【0009】(2)基材表面の複数箇所に穿孔する穿孔
工程と、該穿孔した孔に無溶剤系2液ポリウレア硬化型
樹脂(A)を充填する孔充填工程と、該孔充填後の基材
表面に補強材を布設する補強材布設工程と、前記基材表
面に前記補強材を包埋するように前記無溶剤系2液ポリ
ウレア硬化型樹脂(A)を塗布する第1塗布工程とを有
することを特徴とする膜体の形成方法。
【0010】(3)前記無溶剤系2液ポリウレア硬化型
樹脂(A)は、ポリアルキレン鎖またはポリオキシアル
キレン鎖を有するアミン当量400〜800の芳香族ポ
リアミン(a−1):50質量%以上と、分子内に少な
くとも2個の脂肪族アミノ基を有するアミン当量80〜
300のポリオキシアルキレンポリアミン(a−2):
15質量%以下とを含有するポリアミン成分、およびポ
リイソシアナート成分からなるものである(1)または
(2)に記載の方法。
【0011】(4)前記芳香族ポリアミン(a−1)
は、第1級芳香族ポリアミンである(3)記載の方法。 (5)前記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)
は、第1級ポリオキシアルキレンジアミンである(3)
または(4)に記載の方法。 (6)前記基材がコンクリートである(1)〜(5)の
いずれかに記載の方法。
【0012】(7)さらに、前記第1塗布工程で形成さ
れた膜体の上に無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)を2
液衝突混合スプレー塗布し硬化させる第2塗布工程を有
する(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。 (8)前記無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)は、ポリ
アミン成分および/またはポリオール成分と、ポリイソ
シアナート成分とを含んでいる、無溶剤系2液ポリウレ
タン硬化型樹脂、無溶剤系2液ポリウレタン/ポリウレ
ア硬化型樹脂または無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂
である(7)記載の方法。
【0013】(9)前記2液衝突混合スプレー塗布は、
前記無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)の2液の各成分
を40℃以上の温度に加温しながら行われる(7)また
は(8)に記載の方法。 (10)前記無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)は、指触
硬化時間が3分以下である(7)〜(9)のいずれかに
記載の方法。
【0014】(11)(1)〜(10)のいずれかに記載の
方法により基材表面に形成された膜体であって、以下の
(a)〜(d)のいずれか1種の層構造を有する膜体。 (a)無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)塗布層
の単層 (b)補強材を包埋した無溶剤系2液ポリウレア硬化型
樹脂(A)塗布層の単層 (c)無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)塗布層
とその上層の無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)塗布硬
化層との複層 (d)補強材を包埋した無溶剤系2液ポリウレア硬化型
樹脂(A)塗布層とその上層の無溶剤系2液超速硬化型
樹脂(B)塗布硬化層との複層
【0015】
【発明の実施の形態】本発明では、穿孔工程において基
材表面の複数箇所に穿孔がなされる。前記基材としては
特に限定されず、建造物等の構造部分に用いられるもの
を挙げることができるが、コンクリートまたはモルタル
が好ましい。なお、木材でもよい。また、前記基材の表
面は、プライマー膜を有してもよい。該プライマー膜と
しては特に限定されず、当業者周知のプライマーを塗布
することによって得られるものである。なお、プライマ
ー塗布は前記穿孔後に行うことが好ましい。
【0016】前記穿孔は、例えばドリル穿孔などにより
効率的に行いうる。該穿孔での孔径、孔深さ、孔ピッチ
は、とくに限定されないが、次工程(孔充填工程)の作
業性および後述のセルフアンカー効果顕現性の面から、
好ましくは、孔径=10〜30mm、孔深さ=10〜5
0mm、縦方向及び横方向の孔ピッチ=50〜500m
mである。これらの孔の形状は、特に限定されないが、
例えば図1に示すようなものが挙げられる。基材1に穿
孔された孔2には孔充填工程にて、その後の第1塗布工
程で塗布される無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂
(A)と同じものが充填され、この孔充填樹脂と後の第
1塗布樹脂とが一体化する。これにより、セルフアンカ
ー効果が生まれて、膜体の耐ピーリング性が向上する。
なお、図1(c)に示すような先端部が枝分かれした孔
形状にすると、より大きなセルフアンカー効果が得られ
て好ましい。また、基材が壁である場合は、孔充填樹脂
の流れ出しを防ぐために、図1(b)に示すような斜め
穿孔が好ましい(この場合、同図の左側が鉛直下方側に
対応する。)。
【0017】また、本発明では、孔充填工程において前
記穿孔した孔に無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂
(A)が充填される。充填方法としては、流し込み、注
入などのいずれも好ましく用いうる。また、本発明で
は、第1塗布工程において、孔充填後の基材表面に孔充
填樹脂と同じ無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)
が塗布される。塗布する方法としては特に限定されない
が、平滑性を良くする観点から、手作業、例えば、コテ
やヘラ等を用いる延伸塗布が好ましい。
【0018】また、本発明では、施工現場の状況に応じ
て、孔充填工程と第1塗布工程との間に補強材布設工程
を挿入でき、該補強材布設工程において、基材表面の一
部もしくは全部に補強材が布設される。該補強材として
は特に限定されず、例えば、網状材および線状材等が挙
げられる。これら補強材の材質としては、鉄、アルミ、
ステンレス等の金属、グラスファイバー、カーボンファ
イバー等の無機繊維、アラミドファイバー等の有機繊
維、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル等の各種
合成樹脂、植物繊維等の各種天然素材等を適宜用いう
る。
【0019】基材表面への補強材の布設方法は、特に限
定されないが、次工程以降でその構造を維持できる方法
であることが好ましく、例えば、補強材仮止め用の支持
部材を予め基材に設けていてもよい。前記基材と前記補
強材とは、第1塗布工程における無溶剤系2液ポリウレ
ア硬化型樹脂(A)の塗布厚さを無駄に厚くしない観点
から、密着させることが好ましい。また、基材表面から
補強材の反基材側表面までの高さが20mm以下である
ことが好ましい。この高さが20mmを超える場合も同
様に、第1塗布工程での所要塗布厚さが必要以上に厚く
なり不経済となる。
【0020】補強材布設工程後に行う第1塗布工程にお
いては、前記無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)
は、基材表面に布設された補強材を包埋するように塗布
される必要がある。補強材が包埋されないままでは、得
られる膜体の平滑性が充分でない。この塗布膜厚は、用
途に応じて設定しうるが、通常2〜20mmである。2
mm未満では補強材を充分に包埋することが難しく、一
方、20mm超では無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂
(A)の使用量が多くなり不経済となる。
【0021】第1塗布工程で塗布された無溶剤系2液ポ
リウレア硬化型樹脂(A)は所定時間で指触硬化し、膜
体を得ることができる。この指触硬化時間(塗布後の樹
脂がこれに指を押しつけても指紋が付かない程度に硬化
するに要する時間)は、特に限定されないが、充分な塗
布作業時間と工期の短縮との観点から、30分〜3時間
であることが好ましい。この指触硬化時間が30分未満
では得られる膜体の平滑性が不十分となり、一方、3時
間を超えると工期が長くなる虞がある。
【0022】このようにして得られる膜体は、基材表面
と密着しており、その膜厚は特に限定されず、例えば、
2〜20mmである。前記無溶剤系2液ポリウレア硬化
型樹脂(A)は、ポリアミン成分とポリイソシアナート
成分とからなるものが好適である。前記ポリアミン成分
は、例えば、ポリアルキレン鎖またはポリオキシアルキ
レン鎖を有するアミン当量400〜800の芳香族ポリ
アミン(a−1)と、分子内に少なくとも2個の脂肪族
アミノ基を有するアミン当量80〜300のポリオキシ
アルキレンポリアミン(a−2)とを含んでいることが
好ましい。前記芳香族ポリアミン(a−1)は硬化速度
を遅延させる成分であり、前記ポリオキシアルキレンポ
リアミン(a−2)は硬化速度を速くする成分である。
【0023】前記芳香族ポリアミン(a−1)のアミン
当量が400未満であると、樹脂組成物の硬化速度が速
すぎて、充分な作業時間を確保することが困難であり、
一方、800超であると、硬化速度が遅すぎて、硬化時
間を調節することが困難である。なお、より好ましく
は、500〜700である。前記芳香族ポリアミン(a
−1)としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン
グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリエチ
レングリコールビス(2−アミノベンゾエート)、ポリ
エチレングリコールビス(3−アミノベンゾエート)、
ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベンゾ
エート)、ポリテトラメチレングリコールビス(2−ア
ミノベンゾエート)、ポリプロピレングリコールビス
(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレングリコー
ルビス(2−アミノベンゾエート)、ポリ(オキシエチ
レン−オキシプロピレン)グリコールビス(4−アミノ
ベンゾエート)、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエ
ーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、
ポリオキシブチレングリコールビス(4−アミノベンゾ
エート)、ポリテトラメチレングリコールビス(3,5
−ジアミノベンゾエート)、ポリプロピレンエーテルグ
リセロールトリス(4−アミノベンゾエート)、ポリプ
ロピレンエーテルペンタエリスリトールテトラキス(4
−アミノベンゾエート)、ポリオキシエチレンビス(4
−アミノベンズアミド)、ポリオキシプロピレンビス
(4−アミノベンズアミド)、ポリオキシブチレングリ
コールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリオキシプ
ロピレンビス(3,5−アミノベンズアミド)等の1種
または2種以上を適宜用いうる。前記芳香族ポリアミン
(a−1)は、反応性および得られる膜体の物理特性の
観点から、芳香環に結合した第1級アミノ基を分子内に
2個以上有するものが好ましい。なお、前記芳香族ポリ
アミン(a−1)は、反応性の観点から、ポリテトラメ
チレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポ
リプロピレングリコールビス(4−アミノベンゾエー
ト)、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)グ
リコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリオキシ
ブチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)が
好ましい。この類の市販品としては、例えば、エラスマ
ー1000(アミン当量約620)、エラスマー100
0P(アミン当量約550)、ポレアSL−100A
(アミン当量約590、以上いずれもイハラケミカル社
製)等が挙げられる。
【0024】また、前記無溶剤系2液ポリウレア硬化型
樹脂(A)のポリアミン成分に含まれるポリオキシアル
キレンポリアミン(a−2)のアミン当量は、80未満
であると、硬化速度が速すぎて膜内の不均一反応が生じ
ることにより膜体の物理特性が極端に低下し、一方、3
00超えであると、高分子量化に伴う増粘、ゲル化が著
しく、充分な作業時間の確保が困難になるから、80〜
300が好ましい。なお、より好ましくは、100〜2
00である。
【0025】前記ポリオキシアルキレンポリアミン(a
−2)としては特に限定されないが、例えば、ポリオキ
シアルキレンポリオールの末端水酸基を、水素化−脱水
素化触媒を用いて、高温高圧下にアンモニアと反応させ
て得られるものを挙げることができる。前記ポリオキシ
アルキレンポリアミン(a−2)は、アンモニアと反応
しなかったポリオキシアルキレンポリオールを不純物と
して含んでいても構わない。前記ポリオキシアルキレン
ポリアミン(a−2)としては、イソシアネート基との
反応速度を考慮して、分子内に第1級アミノ基を有する
ものが好ましい。また、得られる膜体の硬度を考慮し
て、前記第1級アミノ基を分子内に2個以上有するポリ
オキシアルキレンポリアミンがさらに好ましい。この類
の市販品としては、例えば、ジェファーミンD−230
(アミン当量約120)、ジェファーミンD−400
(アミン当量約200、いずれもハインツマン・スペシ
ャリティー・ケミカルズ社製)等を挙げることができ
る。
【0026】前記無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂
(A)に含まれるポリアミン成分は、例えば、前記芳香
族ポリアミン(a−1)の含有量が50質量%以上であ
り、かつ、前記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−
2)の含有量が15質量%以下であるものが好ましい。
前記芳香族ポリアミン(a−1)の含有量が50質量%
未満では、靱性が低下する。より好ましくは、70質量
%以上である。また、前記ポリオキシアルキレンポリア
ミン(a−2)の含有量が15質量%を超えると硬化速
度が速くなり、充分な塗布作業時間を確保することが難
しくなる。
【0027】また、前記ポリアミン成分は、前記芳香族
ポリアミン(a−1)および前記ポリオキシアルキレン
ポリアミン(a−2)以外のポリアミンを含んでもよ
い。このようなポリアミンとしては特に限定されず、例
えば、ジエチルトルエンジアミン、トルエンジアミン、
キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミンまたは脂肪族
ポリアミン等を挙げることができる。
【0028】一方、前記無溶剤系2液ポリウレア硬化型
樹脂(A)に含まれるポリイソシアナート成分としては
特に限定されず、公知のポリイソシアネート化合物等を
使用することができ、例えば、芳香族ポリイソシアネー
ト化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポ
リイソシアネート化合物、イソシアナートプレポリマー
等を挙げることができる。
【0029】前記芳香族ポリイソシアネート化合物とし
ては特に限定されず、例えば、カルボジイミド変性する
ことにより得られる液状ジフェニルメタンジイソシアネ
ートまたはジフェニルメタンジイソシアネートの部分プ
レポリマー;2,4−トリレンジイソシアネート(2,
4−TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシ
アネート(MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、粗製トリレンジイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルイソシアネートおよびこれらのカルボジイミ
イド化変性物;ビュレット化変性物;プレポリマー化変
性物等を挙げることができる。
【0030】また、前記脂肪族ポリイソシアネート化合
物および脂環族ポリイソシアネート化合物としては特に
限定されず、例えば、ジシクロヘキシルメタン−4,
4’ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、これらのイソシアヌ
レート化変性物、カルボジイミド化変性物、プレポリマ
ー化変性物等を挙げることができる。
【0031】また、前記イソシアナートプレポリマーと
しては、有機ポリイソシアネートとポリオールを窒素気
流中、70〜80℃で数時間加熱し、含有するイソシア
ネート基をポリオールと反応させたものを挙げることが
できる。前記有機ポリイソシアネートとしては、例えば
カルボジイミド変性することにより得られる液状ジフェ
ニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジ
イソシアネートの部分プレポリマー、2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、これらの混合物(TDI)、ジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ポリメチレン
ポリフェニルポリイソシアネート、これらのカルボジイ
ミド化変性物、ビュレット化変性物等の芳香族ポリイソ
シアネート類や、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソ
シアネート、これらのイソシアヌレート化変性物、カル
ボジイミド化変性物等の脂肪族ポリイソシアネート類
等、公知のポリイソシアネート等を挙げることができ
る。また、前記ポリオールとしては、例えば、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール、1, 3−ブタンジオー
ル、1, 4−ブタンジオール、1, 5−ペンタンジオー
ル、1, 2−ヘキシルグリコール、1, 10−デカンジ
オール、1, 2−シクロヘキサンジオール、グリセリ
ン、1, 2, 6−ヘキサントリオール、1, 1, 1−ト
リメチロールエタン、1, 1, 1−トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールにエチ
レノキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド、テトラヒドロフラン等のエポキシドの1種または
2種以上を付加重合して得たポリエーテルポリオール等
を挙げることができる。本発明においては、前記ポリオ
ールは、分子量200〜8000のものが好ましく, 5
00〜5000のものがより好ましい。これらのポリオ
ールは、2種以上であってもよい。
【0032】なお、前記無溶剤系2液ポリウレア硬化型
樹脂(A)に含まれるポリイソシアナート成分として
は、硬化性および付着性の観点から、ジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−
2,4’−ジイソシアネートまたはこれらのプレポリマ
ーまたは変性品等の芳香族ポリイソシアネート化合物が
好ましい。
【0033】このようなポリイソシアナート成分に類す
る市販品としては、例えば、ミリオネートMLT(日本
ポリウレタン工業社製)、ミリオネートMTL−S(日
本ポリウレタン工業社製)、コロネートMX(日本ポリ
ウレタン工業社製)等を挙げることができる。なお、前
記無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)は、前記成
分の他にそれぞれ必要に応じて、例えば、界面活性剤、
発泡剤、フォーム安定剤、難燃剤、可塑剤、染料、充填
剤、殺菌剤、殺バクテリア剤、各種補強剤、内部離型
剤、酸化防止剤、耐候性安定剤等の添加剤を含むもので
あってもよい。また、これらの添加剤は、前記ポリアミ
ン成分および前記ポリイソシアナート成分を混合した後
に添加してもよいし、先に各成分に混合させておいても
よい。
【0034】このような無溶剤系2液ポリウレア硬化型
樹脂(A)の前記ポリアミン成分と前記ポリイソシアナ
ート成分との混合比は、後者内のイソシアネート基に対
する前者内のアミノ基の当量比で、0.7〜1.5が好
ましい。当量比がこの範囲を逸脱すると、得られる膜体
の諸特性が不充分になったり、粘着性を有したままにな
る虞がある。なお、前記当量比は、より好ましくは、
0.95〜1.25であり、さらに好ましくは、1.0
1〜1.10である。また、前記ポリアミン成分中の前
記芳香族ポリアミン(a−1)の含有量を調整すること
によって、指触硬化時間を調節することができ、例え
ば、30分〜3時間とすることができる。
【0035】なお、前記無溶剤系2液ポリウレア硬化型
樹脂(A)は、ポットライフの観点から、塗布直前に前
記ポリアミン成分および前記ポリイソシアナート成分
を、例えば、2液混合装置、ディスパー、手攪拌等によ
り混合することによって得ることが好ましい。また、本
発明ではさらに、必要に応じて、第1塗布工程の後に第
2塗布工程を付加することができ、該第2塗布工程にお
いて、第1塗布工程で得られた前記無溶剤系2液ポリウ
レア硬化型樹脂(A)からなる膜体層の上に、無溶剤系
2液超速硬化型樹脂(B)が2液衝突混合スプレー塗布
され硬化せしめられる。
【0036】ここで、2液衝突混合スプレー塗布は、前
記無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)の2液の成分を衝
突混合させて噴霧し、飛散中にある程度硬化反応が進行
した状態で行うものである。この2液衝突混合スプレー
塗布では、高圧2液衝突混合型吹付装置を使用すること
が好ましい。この高圧2液衝突混合型吹付装置としては
特に限定されず、例えば、プロポーションユニットとし
て、H−2000、H−3500、FF‐1600(い
ずれも米国ガスマー社製)、2成分高圧吐出混合マシン
MODEL HF−100(東邦機械工業社製)等を挙
げることができる。また、機械的セルフクリーニング機
構をそなえた高圧2液衝突混合型吹付装置用混合塗工ガ
ンとしては、例えば、GX−7ガン、GX−7−400
ガン(米国ガスマー社製)等を、また、エアークリーニ
ング機構を備えたものとしては、プロブラーガン(米国
グラスクラフト社製)等を挙げることができる。ここ
で、前記2液の成分は、塗布作業性の観点から、例え
ば、スプレー霧化が可能な粘度を充分に保つことができ
る温度、例えば、40℃以上に加温されていることが好
ましい。塗布膜厚は特に限定されず、用途に応じて適宜
設定することができるが、通常、2〜20mmである。
【0037】前記無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)
は、硬化が極めて速いため、上述した2液衝突混合スプ
レー塗布等の塗布に混合されて得られることが好まし
い。このような無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)の指
触硬化時間は、上記ポリオール成分の種類や量、およ
び、その他の成分である可塑剤等の種類や量によって調
節することができ、例えば、3分以下であることが好ま
しく、20秒以下であることがさらに好ましい。
【0038】前記第2塗布工程により得られる複層構造
の膜体の膜厚としては特に限定されないが、4〜40m
mが好ましい。前記第2塗布工程で用いられる無溶剤系
2液超速硬化型樹脂(B)は、例えば、ポリアミン成分
および/またはポリオール成分と、ポリイソシアナート
成分とを含んでいる、無溶剤系の2液ポリウレタン硬化
型、2液ポリウレタン/ポリウレア硬化または2液ポリ
ウレア硬化型のものである。
【0039】ここで、ポリアミン成分としては、例え
ば、ポリオキシアルキレンポリミアン(a−3)と、ト
ルエンジアミンを除く、芳香核に電子吸引性基を有さ
ず、かつ、アミノ基の隣接位置に炭素数5以下のアルキ
ル置換基を有する活性芳香族ジアミン(a−4)とを含
むものであることが好ましい。前記ポリオキシアルキレ
ンポリアミン(a−3)としては、具体的には、前記無
溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)のところで述べ
たポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)のうち、
アミン当量80〜300であるものを挙げることができ
る。
【0040】このようなポリオキシアルキレンポリアミ
ン(a−3)に類する市販品としては、例えば、ポリオ
キシプロピレンジアミンとして、ジェファーミンD−2
000(ハンツマン・スペシャリティー・ケミカルズ社
製、アミン当量約1000);ポリオキシプロピレント
リアミンとして、テックスリムTR−5050(ハンツ
マン・スペシャリティー・ケミカルズ社製、アミン当量
約1930)、ジェファーミンT−403(ハンツマン
・スペシャリティー・ケミカルズ社製、アミン当量約1
60)を挙げることができる。
【0041】また、前記ポリオキシアルキレンポリアミ
ン(a−3)の中の少なくとも一部の第1級アミノ基
が、一般式CH2 =C(R)−Y(式中、Rは、水素ま
たはメチル基を表す。Yは、電子吸引性基を表す。)で
表される不飽和炭化水素化合物とのマイケル付加反応に
よって第二級化された、変性ポリオキシアルキレンポリ
アミンも使用することができる。前記Yで表される電子
吸引性基としては特に限定されず、例えば、エステル残
基、ケトン残基、シアノ残基、置換または無置換のアミ
ド残基、スルホン酸残基、スルホン酸エステル残基等を
挙げることができる。また、前記不飽和炭化水素化合物
としては特に限定されず、例えば、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アク
リル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸プ
ロピル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸プロピル等のメタクリル酸エステル
類;アクリロニトリル;アクリルアミド;N,N’−ジ
メチルアクリルアミド;エチルビニルスルホン;メチル
ビニルスルホネート、エチルビニルスルホネート等を挙
げることができる。
【0042】前記活性芳香族ジアミン(a−4)として
は、具体的には、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノ
ベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼ
ン、1,3−ジメチル−2,6ージアミノベンゼン、
1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4
−ジイソプロピル−2,5ージアミノベンゼン、1,4
−ジブチル−2,5ージアミノベンゼン、1,3,5−
トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−
トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−
トリプロピル−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル
−3,5ージエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−
メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン
等を挙げることができる。これらは、2種以上であって
もよい。このようなものに類する市販品としては、例え
ば、エタキュア−100(アルベマール・コーポレーシ
ョン社製)を挙げることができる。なお、前記活性芳香
族ジアミン(a−4)中の少なくとも一部の第一級アミ
ノ基が、上記不飽和炭化水素化合物とのマイケル付加反
応によって第二級化された変性ポリアミンも好ましく用
いうる。
【0043】前記無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)に
含まれるポリアミン成分における、前記ポリオキシアル
キレンポリアミン(a−3)と、トルエンジアミンを除
く、芳香核に電子吸引性基を有さず、かつ、アミノ基の
隣接位置に炭素数5以下のアルキル置換基を有する活性
芳香族ジアミン(aー4)との質量比は、20/3〜1
/1であることが好ましい。該質量比が20/3を超え
ると、得られる膜体が極めて柔らかくなりすぎるととも
に半粘着性を呈するようになり、また、1/1未満であ
る場合、得られる膜体が硬くなりすぎるとともに脆くな
る虞がある。より好ましくは5/1〜5/2である。
【0044】前記ポリオール成分としては特に限定され
るものではなく、例えば、得られる膜体の硬度と物性の
調整のために、平均分子量1000未満の低分子量のも
のと、1000〜約10000の高分子量のものとを含
むものが好ましい。前記平均分子量1000未満の低分
子量のポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリ
オールやポリエステルポリオールを挙げることができ
る。ここで、ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,2−ヘキシルグリコール、1,10
−デカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、
グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,
1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパン等のポリオール;ペンタエリスリトール
等の多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン
等のエポキシドの1種または2種以上を付加重合して得
たものを挙げることができる。また、前記ポリエステル
ポリオールとしては、脂肪族二塩基酸と脂肪族グリコー
ルとの反応によって製造される種々のポリエステルポリ
オールおよびポリカプロラクトンポリオール等を挙げる
ことができる。このようなポリエステルポリオールとし
ては、前記ポリエーテルポリオールまたはそれらの混合
物と、ポリカルボン酸、特にジカルボン酸またはそれら
のエステル生成誘導体、例えば、コハク酸、グルタル酸
およびアジピン酸またはそれらのジメチルエステル、セ
バシン酸、無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸ま
たはテレフタル酸ジメチルとを反応させたもの等を挙げ
ることができる。また、環状エステルであるラクトン、
例えば、カプロラクトンをポリオールに開環付加重合さ
せることによって得られるものを挙げることができる。
【0045】また、前記平均分子量1000〜約100
00の高分子量のポリオールとしては、例えば、前記イ
ソシアナートプレポリマーの製造に関して例示したポリ
オールのうち、上記数平均分子量範囲内のポリエーテル
ポリオール、または、コハク酸、アジピン酸およびこれ
らの無水物等の脂肪族二塩基酸とエチレングリコール、
ポリエーテルポリオール、トリメチロールプロパンおよ
びペンタエリスリトール等の脂肪族グリコールから得ら
れるポリエステルポリオールおよびラクトン等の環状エ
ステルとポリオールから得られるポリカプロラクトンポ
リオール等のポリエステルポリオールを挙げることがで
きる。
【0046】一方、前記無溶剤系2液超速硬化型樹脂
(B)に含まれるポリイソシアナート成分としては特に
限定されず、具体的には、前記無溶剤系2液ポリウレア
硬化型樹脂(A)で述べたものを挙げることができる。
さらに、前記無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)は、前
記成分の他にそれぞれ必要に応じて、例えば、界面活性
剤、発泡剤、フォーム安定剤、難燃剤、可塑剤、染料、
充填剤、殺菌剤、殺バクテリア剤、各種補強剤、内部離
型剤、酸化防止剤、耐候性安定剤等の添加剤を含むこと
ができる。これらの添加剤は、上記ポリアミン成分およ
び/またはポリオール成分、または、ポリイソシアナー
ト成分に添加することができる。
【0047】本発明の膜体、すなわち、本発明に係る形
成方法により得られた前記(a)〜(d)のいずれか1
種の層構造を有する膜体は、高い防食性、平滑性、耐衝
撃性、および耐ピーリング性を有し、建造物の壁材や床
材として好適である。なかでも補強材を包埋した
(b)、(d)の層構造のものはさらに高い耐衝撃性を
有するので、コンクリート、モルタル等の建造物の床材
として好適である。
【0048】
【実施例】以下の実施例ないし比較例で用いた無溶剤系
2液ポリウレア硬化型樹脂(A)(以下適宜「樹脂A」
と略記する。)は、エラスマー1000P(イハラケミ
カル社製芳香族ポリアミン)167質量部、ジェファー
ミンD−230(ハインツマン・スペシャリティー・ケ
ミカルズ社製ポリオキシアルキレンポリアミン)14質
量部、MDIプレポリマー(ポリイソシアナート、イソ
シアネート当量約270)190質量部、および、エタ
キュアー100(アルベマール・コーポレーション社製
活性芳香族ジアミン)3質量部をスタティックミキサー
にて撹拌混合する製法1により調製された。これは、実
質的に溶剤を含まないものであり、指触硬化時間は90
分であった。
【0049】(実施例1)300×300×70(m
m)のコンクリート板を基材としその表面を縦横に3×
3等分した各区域の中心位置に孔径10mm、孔深さ3
0mmの孔(図1(c)のような先端が枝分かれした
孔)をドリル穿孔した。次いでドリル穿孔屑を除去して
清浄にした基材表面にタフガードR−Mプライマー(日
本ペイント社製1液湿気硬化型プライマー)を0.15
kg/m2 の塗布量で塗布した。次いで各孔に前記製法
1にて調整した樹脂Aを流し込み充填した。次いで第1
塗布工程として、基材表面に同樹脂Aを膜厚約5mm程
度に調整しながら延伸塗布して樹脂A塗布層を形成し
た。その後16時間放置し、基材上に膜体層を有する試
験板を得た。
【0050】(実施例2)実施例1において孔への樹脂
A流し込み充填後、基材表面に網状材(標準厚さ0. 2
4mm、標準幅1100mm、標準長さ100m、密
度:縦19本/25mm, 横18本/25mmのグラス
ファイバークロス)を所定の大きさにカットし密着させ
る恰好で布設した。該グラスファイバークロスは前記プ
ライマーにより基材表面に容易に粘着した。次いで基材
表面に網状材を包埋するように同樹脂Aを膜厚約5mm
程度に調整しながら延伸塗布して樹脂A塗布層を形成し
た。その後16時間放置し、基材上に膜体層を有する試
験板を得た。
【0051】(実施例3)実施例1において樹脂Aの塗
布膜厚を約5mm程度に代えて約2mm程度とした形成
方法により樹脂A塗布層を形成した。次いで第2塗布工
程として、前記樹脂A塗布層の上に、ポリアミン成分:
ジェファーミンD−2000(ハイツマン・スペシャリ
ティー・ケミカルズ社製ポリエーテルポリアミン)70
質量部とエタキュアー100 30質量部とを混合した
ものと、ポリイソシアナート成分:ミリオネートMTL
(日本ポリウレタン工業社製MDI)57質量部とニュ
ーポールPP−3000(三洋化成工業社製ポリプロピ
レンオキサイド)55質量部とを混合して反応させて得
られたイソシアネートプレポリマーとからなる無溶剤系
2液超速硬化型樹脂(B)(以下適宜「樹脂B」と略記
する。)を、各液それぞれ約55℃に加温し、H−35
00スプレー装置およびGX−7ガン(いずれも米国ガ
スマー社製2液衝突混合スプレー装置)にて膜厚約3m
mとなるように塗布し、樹脂B塗布硬化層を形成した。
その後14時間放置し、基材上に膜体を有する試験板を
得た。
【0052】(実施例4)実施例2において樹脂Aの塗
布膜厚を約5mm程度に代えて約2mm程度とした形成
方法により樹脂A塗布層を形成した。次いで実施例3と
同様の第2塗布工程により樹脂B塗布硬化層を形成し
た。その後14時間放置し、基材上に膜体を有する試験
板を得た。
【0053】(比較例1)実施例3において穿孔及び孔
充填を省略した形成方法により、基材上に膜体を有する
試験板を得た。 (比較例2)実施例4において樹脂Aに代えて溶剤系2
液エポキシ硬化樹脂としかつ第1塗布工程後の放置期間
を16時間に代えて14日間とした形成方法により、基
材上に膜体を有する試験板を得た。
【0054】(比較例3)実施例3において樹脂Aを用
いた孔充填及び第1塗布工程を省略した形成方法によ
り、基材上に膜体を有する試験板を得た。前記実施例及
び比較例の試験板について、以下の評価試験を行った。
評価結果を表1に示す。同表には前記実施例及び比較例
の個々に要した工期も示した。
【0055】<平滑性>試験板の平滑性を目視観察し、
その結果を、「○:凹凸がなく平滑である」、「△:大
きな凹凸がある」、「×:網状体を完全に包埋できな
い」の3段階に分級評価した。 <耐衝撃性>デュポン式落下試験(試験条件:2kg荷
重、高さ2mからの垂直落下、1/2インチ半球衝撃
子)を行った後の試験板の状態を目視観察し、その結果
を、「○:膜体がへこむ」、「△:膜体が割れる」、
「×:膜体が割れ、基板にひびが入る」の3段階に分級
評価した。
【0056】<耐貫通性(耐久性)>SUS420J2
製のステンレス包丁(総重量330g)を高さ2mから
刃先(包丁先端)を下に向けて膜体に垂直落下衝突させ
た後の試験板の状態を目視観察し、その結果を、「○:
膜体の表層のみに傷がついている」、「△:膜体を貫通
して割れが生じている」、「×:膜体を貫通して割れが
生じ、さらに、基板にまで傷が付いている」の3段階に
分級評価した。
【0057】<耐ピーリング性>試験板の端から膜体を
手でめくるようにして剥がしていく試験を行ない、その
結果を、「○:剥がれにくく千切れにくい」、「△:剥
がれにくいが千切れやすい」、「×:剥がれやすい」の
3段階に分級評価した。
【0058】
【表1】
【0059】表1から明らかなように、実施例1〜4で
は平滑性、耐衝撃性、および耐ピーリング性に優れた膜
体が得られた。実施例の工期は極めて短いものであっ
た。なお、耐貫通性は実施例、比較例とも補強材の使用
により向上した。これに対し、穿孔・孔充填なしの比較
例1では耐ピーリング性が低下した。また、有機溶剤を
含んだ樹脂を用いた比較例2では耐衝撃性、耐ピーリン
グ性が低下し、かつ有機溶剤の揮発によって硬化が進む
ため工期が長くなった。また、樹脂Aによる孔充填と第
1塗布を行わず樹脂Bによる第2塗布を行った比較例3
では平滑性、耐衝撃性、耐ピーリング性のいずれも低下
した。
【0060】
【発明の効果】本発明の膜体の形成方法は、基板に穿孔
する工程、該穿孔した孔を特定の無溶剤系2液硬化型樹
脂(A)で充填する工程、同樹脂(A)で膜体を形成す
る工程を有するので、得られる膜体は、比較的薄膜であ
っても平滑性、耐衝撃性、および耐ピーリング性に優れ
ている。また、塗布作業時間を充分確保することができ
るとともに、溶剤の揮発がないため工期を短縮すること
ができ、かつ、環境汚染を抑制することができる。ま
た、孔充填後に補強材を布いて前記樹脂(A)で包埋す
る形態によれば、耐久性が大いに向上する。
【0061】さらに、前記得られた膜体の上に、特定の
無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)で膜体を形成するこ
とによって得られる複層の膜体は、耐衝撃性や耐久性が
さらに向上したものとなる。かかる膜体は、優れた平滑
性、耐衝撃性および耐久性を、薄膜においても実現する
ことが可能となるため、原材料の使用量を低減すること
ができ非常に経済的である。なお、本発明の膜体は建築
物の床材として好適である。また、工期が非常に短いた
め、その塗り替え、補修等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で穿孔される孔の形状の例を示す断面図
である。
【符号の説明】 1 基材 2 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/42 B32B 27/42 (72)発明者 播磨 強 大阪府吹田市江の木町26番20号 日本ペイ ント江坂ビル1階 サンライズ・エンジニ アリング株式会社大阪営業所内 (72)発明者 石橋 伸太良 東京都品川区南品川4−1−15 サンライ ズ・エンジニアリング株式会社東京事業所 内 Fターム(参考) 4D075 AA01 BB24Z CA04 CA13 CA48 DA07 DB12 DC03 EA07 EA27 EA35 EB38 EB55 EB56 4F100 AE00A AG00 AK36D AK51B AT00A BA02 BA03 BA10A BA10B DC11A DD01A DG11 DH00C EH46B EH462 EJ331 GB07 JK06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面の複数箇所に穿孔する穿孔工程
    と、該穿孔した孔に無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂
    (A)を充填する孔充填工程と、該孔充填後の基材表面
    に前記無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)を塗布
    する第1塗布工程とを有することを特徴とする膜体の形
    成方法。
  2. 【請求項2】 基材表面の複数箇所に穿孔する穿孔工程
    と、該穿孔した孔に無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂
    (A)を充填する孔充填工程と、該孔充填後の基材表面
    に補強材を布設する補強材布設工程と、前記基材表面に
    前記補強材を包埋するように前記無溶剤系2液ポリウレ
    ア硬化型樹脂(A)を塗布する第1塗布工程とを有する
    ことを特徴とする膜体の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂
    (A)は、ポリアルキレン鎖またはポリオキシアルキレ
    ン鎖を有するアミン当量400〜800の芳香族ポリア
    ミン(a−1):50質量%以上と、分子内に少なくと
    も2個の脂肪族アミノ基を有するアミン当量80〜30
    0のポリオキシアルキレンポリアミン(a−2):15
    質量%以下とを含有するポリアミン成分、およびポリイ
    ソシアナート成分からなるものである請求項1または2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記芳香族ポリアミン(a−1)は、第
    1級芳香族ポリアミンである請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリオキシアルキレンポリアミン
    (a−2)は、第1級ポリオキシアルキレンジアミンで
    ある請求項3または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記基材がコンクリートである請求項1
    〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 さらに、前記第1塗布工程で形成された
    膜体の上に無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)を2液衝
    突混合スプレー塗布し硬化させる第2塗布工程を有する
    請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)
    は、ポリアミン成分および/またはポリオール成分と、
    ポリイソシアナート成分とを含んでいる、無溶剤系2液
    ポリウレタン硬化型樹脂、無溶剤系2液ポリウレタン/
    ポリウレア硬化型樹脂または無溶剤系2液ポリウレア硬
    化型樹脂である請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記2液衝突混合スプレー塗布は、前記
    無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)の2液の各成分を4
    0℃以上の温度に加温しながら行われる請求項7または
    8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)
    は、指触硬化時間が3分以下である請求項7〜9のいず
    れかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の方法に
    より基材表面に形成された膜体であって、以下の(a)
    〜(d)のいずれか1種の層構造を有する膜体。 (a)無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)塗布層
    の単層 (b)補強材を包埋した無溶剤系2液ポリウレア硬化型
    樹脂(A)塗布層の単層 (c)無溶剤系2液ポリウレア硬化型樹脂(A)塗布層
    とその上層の無溶剤系2液超速硬化型樹脂(B)塗布硬
    化層との複層 (d)補強材を包埋した無溶剤系2液ポリウレア硬化型
    樹脂(A)塗布層とその上層の無溶剤系2液超速硬化型
    樹脂(B)塗布硬化層との複層
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