JP2003102324A - 漁船用鮮度維持装置及び漁船用生け簀 - Google Patents

漁船用鮮度維持装置及び漁船用生け簀

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JP2003102324A
JP2003102324A JP2002217794A JP2002217794A JP2003102324A JP 2003102324 A JP2003102324 A JP 2003102324A JP 2002217794 A JP2002217794 A JP 2002217794A JP 2002217794 A JP2002217794 A JP 2002217794A JP 2003102324 A JP2003102324 A JP 2003102324A
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Japan
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water
intake pipe
intake
pump
fishing boat
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Yoshiaki Ikeda
好明 池田
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IKEDA COMMERCIAL CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生け簀内の水温を所定の適正範囲に容易に維
持させることができ、魚介類にダメージを与えることな
く水中の溶存酸素量を効率的に増すことで魚介類を良好
に保持して市場価値に優れた魚介類を漁港に輸送できる
漁船用生け簀を提供する。 【解決手段】 取水口が水中に配置される取水管と、前
記取水管が吸引口に接続されたポンプと、前記ポンプの
前記吸引口側の前記取水管に設けられた酸素又は空気を
取り込む吸気部と、前記ポンプの吐出部に配設された分
岐管を介して又は介さないで接続された1以上の吐出管
と、前記1以上の吐出管の端部の各々に固定され漁船の
水槽内に配置される微細気泡水流発生器と、を備えて漁
船用鮮度維持装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋や河川等で捕
獲された魚やタコ、イカ、カニ、ウニ、貝等の魚介類を
生け簀に入れて漁港まで輸送し、新鮮な活き魚等として
市場等に供給する漁船用鮮度維持装置、漁船用生け簀に
関する。
【0002】
【従来の技術】漁船で捕獲された活き魚等は船内の生け
簀に入れて漁港まで運搬される。この輸送の際、狭い生
け簀内に入れられた魚介類が酸素不足等で弱るのを防ぐ
ために、生け簀内に空気を直接吹き込んで溶存酸素量を
維持させるようにしていた。また、漁船の船底や船腹に
は生け簀に連通したスカッパーと呼ばれる通水孔が設け
られ、この通水孔を介して海水等が生け簀内に取り込ま
れて、海洋の海水に近い環境が維持されるようになって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では以下の課題を有していた。 (1)漁船の船底や船腹に生け簀に連通する通水孔が設
けられ、漁船の喫水線がその走行時には停止時より下が
って変動するので、生け簀内の水位もこれに伴って変動
する。このため、通水孔から海面近くの比較的高温の表
層水が取り入れられ、生け簀内の水温を所定の適正範囲
に維持させるのが難しく、魚介類が輸送中に死んだり弱
ったりして、市場価値が下がるという課題があった。 (2)生け簀内には空気が直接的に供給されるので、こ
の空気の泡が魚介類に衝突してダメージを与える場合が
あるという課題があった。 (3)空気の泡が大きいために、実際に水中に溶け込ま
すことのできる酸素量が少ないので、これを補うために
大量の空気を生け簀内に供給する必要がありエネルギー
コストが大きく経済性に欠けるという課題があった。 (4)生け簀内が周囲のエンジンの熱で高温になった時
には、水温を下げるために冷却装置や氷等を必要としそ
の管理が必要であるという課題があった。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、生け簀内の水温を所定の適正範囲に容易に維持させ
ることができ、魚介類にダメージを与えることなく水中
の溶存酸素量を効率的に増すことで多量の魚介類を良好
に保持することができる漁船用鮮度維持装置の提供、及
び市場価値に優れた魚介類を漁港に輸送できる漁船用生
け簀を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は以下の構成を有している。請求項1に記載の
漁船用鮮度維持装置は、取水口が水中に配置される取水
管と、前記取水管が吸引口に接続されたポンプと、前記
ポンプの前記吸引口側の前記取水管に設けられた酸素又
は空気を取り込む吸気部と、前記ポンプの吐出部に配設
された分岐管を介して又は介さないで接続された1以上
の吐出管と、前記1以上の吐出管の端部の各々に固定さ
れ漁船の水槽内に配置される微細気泡水流発生器と、を
備えて構成されている。この構成によって、以下の作用
を有する。 (1)取水口が水中に配置される取水管に吸引口に接続
されたポンプを有するので、既存の船底等に開口部等を
設けることなく漁船用鮮度維持装置を設定して、船外の
新鮮な海水を適宜取り入れるこができる。 (2)ポンプの吸引口側の取水管に設けられた酸素又は
空気を取り込む吸気部を介して、海水中の酸素をさらに
高濃度にして、水槽内に入れられた魚介類に対する鮮度
保持性をさらに増大させることができる。 (3)ポンプの吐出部に配設された分岐管を介して又は
介さないで接続された1以上の吐出管を有するので、一
つのポンプだけで各吐出管に接続された水槽内に酸素付
加された海水を効率的に供給でき、省エネルギー性に優
れている。 (4)水槽内に配置された微細気泡水流発生器を用いる
ので、その平均粒径が数ミクロンm単位に微細に分散さ
れた気泡が水槽内に噴出され、魚介類にダメージを与え
ることなく水中の溶存酸素量を効率的に増大させること
ができる。 (5)水中の溶存酸素量が極めて高いので、従来よりも
多量(2倍以上)の魚介類を水槽内に入れることができ
る。
【0006】ここで、水槽は、漁船の船体内を区画した
り又は壁部を組み上げたりして形成された水を溜めてお
く容器部であり、餌として用いられるイワシ等を漁場ま
で生かしたまま運んだり、漁場で取れた魚介類を漁港ま
で送るのに適用される。船底には生け簀内に連通した通
水部が設けられ、生け簀内が自然換水されるようになっ
たものや、ポンプを使って強制換水するようなもの等が
水槽に含まれる。ポンプとしては吸込管と吐出管をもつ
容器内で羽根車(インペラ)を回転させる形式の遠心ポ
ンプ等が適用できる。微細気泡水流発生器の形状として
は、その水流噴出孔に向かって集束した砲弾状、円錐台
状、半球状、楕円球状、球状等が用いられる。
【0007】請求項2に記載の漁船用生け簀は、漁船の
船底に配設された水槽と、前記漁船の船底に開口して形
成され外部の海水や淡水を前記水槽に流出入させる通水
部と、前記水槽内側の前記通水部に一端側が連結された
取水管と、前記取水管の他端側が接続されるポンプと、
前記取水管に設けられた酸素又は周囲の空気を取り入れ
る吸気部と、前記ポンプの吐出部に分岐管を介して又は
介さないで吐出管に接続され空気を含む混気水を前記水
槽内に噴出させる1以上の微細気泡水流発生器とを有し
て構成されている。この構成によって、以下の作用を有
する。 (1)船底に形成された通水部から船底部の比較的低温
の海水を取り入れて、この海水を取水する取水管に設け
られた吸気部を介して空気と混合して、この混気水を水
槽内に噴出させる微細気泡水流発生器を有するので、生
け簀内の水温や溶存酸素量を所定の適正範囲に容易に維
持させることができ、魚介類の鮮度の保持性に優れてい
る。 (2)微細気泡水流発生器により微細気泡を遠方まで噴
出することができるので、水槽内の溶存酸素量を均一に
高めることができ、市場価値を落とすことなく新鮮な活
き魚等を漁港に輸送することでき、経済性に優れる。 (3)空気がその平均粒径が数ミクロンm単位に微細に
分散された状態で生け簀内に噴出されるので、魚介類に
ダメージを与えることなく水中の溶存酸素量を効率的に
増大させることができる。 (4)取水管に吸気部が設けられているので、取水管内
の水流によるエジェクタ効果を利用して、吸気孔等の吸
気部を介して必要な空気を取り込むことができ装置構成
を単純にして、ポンプだけで漁船用生け簀が運用されメ
ンテナンス性にも優れている。 (5)微細気泡水流発生器の極微小の気泡の発生率が高
いので、ポンプの出力が小さくてもよく省エネルギー性
に優れる。 (6)ポンプの吐出部に分岐管を付け、分岐管を介して
1以上の吐出管に各々微細気泡水流発生器を設けて各水
槽に配置することにより1つのポンプで効率よく各水槽
の溶存酸素量を高めることができる。
【0008】請求項3に記載の漁船用生け簀は、請求項
2に記載の発明において、前記微細気泡水流発生器が水
流噴出孔に向かって収束した器体と前記器体周壁の接線
方向に混気水を供給する前記吐出管が接続される水流導
入部とを備えて構成されている。この構成によって、請
求項2の作用の他、以下の作用が得られる。 (1)ポンプを介して水流導入部から器体内に気泡を含
む海水や湖沼等の淡水等を流入させると、器体周壁の接
線方向から流入した水流は、器体の内壁に沿って旋回し
て、この旋回運動によって、微細気泡を含む混気水が旋
回水流発生部の水流噴出孔から吐出され、微細気泡中の
酸素がその気液界面で水中に溶け込んで溶存酸素量を高
めて、水槽内の活き魚を活性化させることができる。 (2)ポンプを介して混気水が水流導入部に供給される
ので、送り込む水等の液体の輸送効率を高めることがで
き、より微細な気泡を多量に発生させることができる。 (3)微細気泡を含む水流を多量かつ強力に噴出させる
ことができるので、処理する水中の固体物質や溶存物質
と十分に接触させることができ、その反応効率等を高め
ることができる。 (4)水流噴出孔の周縁部の角度を所定角度に調整する
ことで、気泡を含む液体を所定方向に吐出させ、水流の
吐出状態を制御できる。 (5)ポンプの取水管に設けられた吸気部から直接周囲
の水を取り込めるので、このための配管を必要とせず、
部品点数が少なくなり生産性に優れる。
【0009】ここで、吐出管の一端が接続される器体の
水流導入部は、器体の周壁に穿設されて配置され、しか
もその周壁の接線方向に混気水や液体が導入されるよう
に配置されている。水流導入部にポンプの吐出管を接続
して加圧された混気水を流ことにより、器体内に旋回流
を発生させることができる。なお、器体に水流導入部を
介して流入させる混気水の流速や吐出管の径、器体の容
積等は、必要とする旋回流の流速、水流に発生させる微
細気泡の量や気泡径等の形態によって適宜選択される。
器体は略回転対称に形成された中空部を有し、円錐状、
円錐の底面どうしを連通させた形状、球状、半球状、楕
円球状等が用いられる。円錐状又は円錐の底面どうしを
連通させた形状の中空部を用いた場合、中空部がその回
転対称軸から水流噴出孔に向かって収束する形状を有し
ているので、器体内を旋回する混気水に急激な剪断力が
働き、粘度が高い流体でも十分に攪拌させることができ
る。また、器体形状は砲弾状、円錐台状、半球状、後壁
を膨出させた形状(例えば、球状)等が用いられる。後
壁を膨出させた形状を用いた場合は、吐出管から器体内
に流入した液体の一部は、後壁側に移動してから反転
し、気体軸の周囲を旋回しながら水流噴出孔側へ移動す
るので、直進性を持った噴出流にすることができ、大き
な吸引力を必要としない場合等に用いられる。また、後
壁を前記膨出させた場合とは逆に中空部内に凹んだ形状
に形成させることもでき、これによって、中空部内にお
ける水流の動きを変化させることができる。
【0010】水流噴出孔は、中空部の回転対称軸の方向
に開口して配置されている。水流噴出孔は、後部側から
前部側に向かって収束する器体が狭まった絞り部分であ
り、器体の大きさや器体に供給される液体の流量、圧力
等によっても変動するが、その最小径dは中空部の最大
内径Dに対して1/50〜1/3倍、好ましくは1/3
0〜1/5倍程度に形成することが好ましい。これは水
流噴出孔の最小径dが器体の最大内径Dの1/30倍よ
り小さくするにつれ、必要な混気水の吐出流量を確保す
るのが困難となる傾向が表われ、逆に1/5倍を越える
につれ、混気水の旋回流を器体内に形成させることがで
きず噴出水流の中心部における吸引力が不足する傾向が
現われるからであり、これらの傾向は1/50倍より小
さくなるか、又は1/3倍を越えるとさらに顕著になる
ので好ましくない。
【0011】請求項4に記載の漁船用生け簀は、請求項
2又は3に記載の発明において、前記通水部の水槽内側
に、前記水槽内を流出入する海水や淡水の流れを遮断す
る蓋部が着脱自在に取り付けられる掛止部が備えられて
構成されている。この構成によって、請求項2又は3の
作用の他、以下の作用が得られる。 (1)通水部の水槽内側に設けられた掛止部を介して蓋
部を取り付けることができるので、水槽内を必要に応じ
て外部の海水から遮断して、油の流出事故による油を含
んだ海水等の流入を防ぎ、また、水槽内の温度コントロ
ール等の管理を容易に行うことができる。 (2)また、船底に複数設けられた通水部に連接された
取水管を介して外部の海水をポンプを介して水槽内に取
り入れることができるので、船底近くの比較的低温の海
水を用いて、水槽内の水温を高めることなく、所定温度
に維持させることができる。ここで掛止部は蓋部に係合
される螺子や嵌合溝等を有して形成されている。棒状の
治具の先部に蓋部を取り付けて、水槽の上部から水槽内
に治具の先端を挿入して、通水孔に位置付け、治具の基
端側を回転させることにより、蓋部を通水孔の掛止部に
嵌合もしくは螺合させて取り付けることができる。蓋部
は金属や合成樹脂等からなるキャップ状の部材であり、
船底に開口した通水部を必要に応じて船体内側から覆っ
て閉止し海水や水槽内の水の移動を阻止するようにした
ものであり、通水部に設けられた螺子部や嵌合溝等の掛
止部を介して着脱されるようになっている。
【0012】請求項5に記載の漁船用生け簀は、請求項
2乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記取
水管の取水口を前記通水部から前記船底の外部に向けて
配置して構成されている。この構成によって、請求項2
乃至4の内いずれか1項の作用の他、以下の作用が得ら
れる。 (1)取水管の取水口が船底の外部に向けて配置されて
いるので、喫水線より深い位置から海水や淡水を取り込
むことができ、低温の海水を取水できると共に、漁港内
の海面等に浮かんだ油や浮遊物の影響を受けることな
く、清浄な海水を利用できる。ここで、船底からの突出
させる取水管の長さは、0.5m〜10m、好ましくは
1m〜3mとする。これは、漁港内や漁場の環境条件に
より変動するが、取水管の突出長さが1mより短くなる
につれ海面近くの海水が取り込まれて、水温が高温にな
り、浮遊物等を吸込み易くなる傾向にあり、逆に3mを
超えるにつれ、船内で行う取水管の取り付け作業が困難
になると共に、取水管が海底等に接触する傾向が現わ
れ、これらの傾向は0.5mより短くなるか、20mを
超えるとさらに顕著になるからである。
【0013】請求項6に記載の漁船用生け簀は、請求項
5に記載の発明において、前記通水部に挿入された前記
取水管を上下に移動させ、前記取水管の取水口を前記船
底下の所定位置に固定して支持する取水管支持部を有し
て構成されている。この構成によって、請求項5の作用
の他、以下の作用が得られる。 (1)取水管の先端位置を自在に設定できる取水管支持
部を有するので、環境条件に応じて、所定の水深にある
海水等を取り込め、これを用いて水槽内を適正条件に維
持させることができ、漁船用生け簀の制御性に優れてい
る。 (2)浅い海底の漁港や漁場等では容易に取水管を取水
管支持部を介して船内に収容でき、安全性や利便性に優
れている。ここで、取水管支持部は、取水管の所定位置
に取り付けられた線条等を引き上げる手動やモータで駆
動するウインチ等を適用できる。取水管はフィルター等
を取り除いた通水部の通水孔に所定の間隔を有し又は、
オーリング等を介して摺動自在に挿通され、その先端部
位置を所定範囲内で調節できる。また、取水管先端の取
水口には海草やその他のゴミ等の固形分を除くためのス
トレーナが取り付けられていて、清浄な海水がポンプに
送られるようになっている。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1の
漁船用鮮度維持装置について図面を参照しながら説明す
る。図1は実施の形態1における漁船用鮮度維持装置を
備えた漁船の要部断面図である。図1において、1は漁
船に装設された実施の形態1の漁船用鮮度維持装置、2
は漁船用鮮度維持装置1を備えた漁船、3は漁船2の船
底に配置され捕獲した魚を保持させるための水槽、4は
取水口4aが水中に配置される取水管、5は取水管4が
吸引口5aに接続されたポンプ、6はポンプ5の吸引口
5a側の取水管4に設けられた酸素又は空気を取り込む
吸気部、7はポンプ5の吐出部に配設された分岐管、8
は分岐管7を介して接続され水槽3内に配設された吐出
管、9は吐出管8の端部の各々に固定され水槽3内に配
置された微細気泡水流発生器である。
【0015】実施の形態1の漁船用鮮度維持装置1は以
上のように構成されているので、以下のような作用が得
られる。 (1)取水口4aが水中に配置された取水管4に接続さ
れたポンプ5を有するので、既存の船底等に開口部等を
設けることなく漁船用鮮度維持装置1を設定して、船外
の新鮮な海水を適宜取り入れるこができる。 (2)ポンプ5の吸引口5a側の取水管4に設けられた
酸素又は空気の気体を取り込む吸気部6を介しポンプ5
で気体を拡散しながら微細気泡水流発生器8で数μmの
微細気泡にして水槽3内に供給するので、海水中の溶存
酸素量を高濃度にして、水槽3内に供給するので、多量
の魚介類を水槽3内に収容できるとともに、魚介類に対
する鮮度保持性をさらに増大させることができる。 (3)ポンプ5の吐出部に配設された分岐管7を介して
接続された1以上の吐出管8を有するので、一つのポン
プ5だけで吐出管8に接続された水槽3内に酸素富化さ
れた海水を効率的に供給でき、省エネルギー性に優れて
いる。 (4)水槽3内に配置された微細気泡水流発生器9を用
いるので、その平均粒径が数ミクロンm単位に微細に分
散された気泡が水槽3内に噴出され、魚介類にダメージ
を与えることなく水中の溶存酸素量を効率的に増大させ
ることができる。
【0016】(実施の形態2)実施の形態1の漁船用生
け簀について図面を参照しながら説明する。図2(a)
は実施の形態2における漁船用生け簀が搭載された漁船
の要部断面図であり、図2(b)はその要部側面断面図
である。図2において、10は漁船に装設された実施の
形態2における漁船用生け簀、11は漁船用生け簀10
を備えた漁船、12は漁船11の船底に配置され捕獲し
た魚を保持させる水槽、13は漁船11の船底に開口し
て形成され外部の海水や淡水を水槽12に流出入させる
複数の通水部、14は水槽12内側の通水部13の1つ
に一端側が連結された取水管、15は取水管14の他端
側が接続されたポンプ、16は取水管14に分岐して設
けられポンプ15の運転時に周囲の空気がポンプ15の
ケーシング内に吸引される吸気部、17はポンプ15の
吐出管15aに接続され空気を含む混気水流を水槽12
内に噴出させる数nm〜数100μmの微細気泡を含む
水流を発生させる微細気泡水流発生器、18は船底に立
設されポンプ15を支持するポンプ支持台である。通水
部13は、漁船の喫水線より下部の船腹又は船底に外部
の海水に向けて開口して形成され、海水中のごみ等の浮
遊物が入り込んだり、水槽内の魚介類が逃げ出したりし
ないように網状又は格子状のフィルタが取り付けられて
いる。なお、通水部13の水槽内側に蓋部を取り付け治
具等を用いて着脱自在に配置し、必要に応じて水槽12
内を船体外と遮断したり、通水状態に維持させたりする
こともできる。ポンプ15はポンプ支持台18に支持す
る代わりに、船底内の水槽12の上部のデッキ又はその
近傍に配置してもよい。取水管14の先部は通水部13
に嵌合部又は螺子部等を介して接続され、棒状に形成さ
れた治具の先端を係止する係止部を有し、水槽12の水
面の上部から治具挿入して、必要に応じて通水部13か
ら取り外すことができるようになっている。また、通水
部13の水槽12内側には、掛止部13aが必要に応じ
て設けられ、水槽12内を流出入する海水や淡水の流れ
を遮断するための蓋部13bが掛止部13aに着脱自在
に取り付けられるようになっている。
【0017】図3(a)は微細気泡水流発生器の要部正
面断面図であり、図3(b)はその側面断面図である。
図3において、21は微細気泡水流発生器17を構成す
る略長楕円球体状に形成された中空部を有する器体、2
2は器体21の周囲壁の接線方向に開口された吐出管1
5aが接続される気液導入管、22aは器体21の周壁
に設けられた気液導入孔、23、24は器体21の気液
導入孔22aから器体21の中心に向けた中心と略直交
する直径方向の両端部にそれぞれ穿設された水流噴出孔
である。器体21内にポンプ15から吐出された混気水
は、その旋回運動によって水流噴出孔23、24間に空
気層の負圧部が形成され、負圧部に対向した水流噴出孔
23、24から急激に水槽12内に噴出され、水槽12
内に微細気泡を最大限に発生させることができる。即
ち、気液導入管22から気液導入孔22aを経て器体2
1の周壁の接線方向から微細気泡水流発生器17内に流
入した混気水は、中空部内で旋回することにより激しく
気液混合されながら、水流噴出孔23、24側へ移動す
ると共に、気泡が中心軸部に収束して負圧軸が形成され
る。微細気泡水流発生器17内の混気水は、旋回しなが
ら水流噴出孔23、24に近づくにつれて、旋回速度が
速くなると共に圧力が高くなり、水流噴出孔23、24
付近でその旋回速度及び圧力は最大となり、外部側の水
と水流噴出孔23、24の出口で押し合う状態になる。
負圧軸に集まった気体は、この外部の水と旋回状態の混
気水との境界面や境界域で圧縮、剪断され、多量の微細
気泡を含有した流体として水流噴出孔23、24から外
部の水中へ噴出される。なお、このような微細気泡の平
均径は約数nm〜数百μmであり、この平均径が小さく
なる程、気液界面の面積が増大して、海水等に溶け込ま
れる溶存酸素量を飛躍的に向上させることができる。こ
こで、水流噴出孔23、24のそれぞれの開口角度や、
開口径を異ならせることにより、水槽12内に噴出され
る微細気泡を含む混気水の水流の方向等の吐出状態を変
化させることができ、これによって漁船用生け簀10の
形状や大きさに合わせて保持管理を精密かつ効率的に行
うこともできる。
【0018】実施の形態2の漁船用生け簀は以上のよう
に構成されているので、以下のような作用が得られる。 (1)漁船11の船底に開口して形成された通水部13
から外部の海水を取り入れて空気を混合し、この混気水
流を水槽12内に噴出させる微細気泡水流発生器17を
有するので、水槽12内の水温を下げ溶存酸素量を所定
の適正範囲に容易に維持させることができ、漁船用生け
簀10における魚介類等の保持条件を良好に維持させる
のに必要な制御性に優れている。 (2)通水部13の船体内側に設けられた掛止部13a
を介して蓋部13bを取り付けることができるので、必
要に応じて水槽12内を外部の海水を一部遮断して、水
槽12内の温度コントロール等を容易に行うことができ
る。 (3)船底に複数設けられた通水部13に連接された取
水管14から外部の海水をポンプ15を介して水槽12
内に取り入れることができ、船底近くの比較的低温の海
水を用いて、水温を所定温度に維持させることができ
る。 (4)空気が微細気泡水流発生器17で微細に分散され
た状態で水槽12内に噴出されるので、水槽12内に保
持される魚介類にダメージを与えることなく水中の溶存
酸素量を効率的に増大させることができる。 (5)取水管14に分岐して吸気部16が設けられてい
るので、取水管14内の水流によるエジェクタ効果を利
用して、必要な空気を取り込むことができる。 (6)船外からの海水に空気を混入させた混気水を水槽
12内にポンプ15を介して強制的に供給するので、水
槽12内に滞留した水を新鮮な水に置換し汚物を船外へ
排出することができ、しかも微細な気泡を多量に発生さ
せて溶存酸素量を高め多量の魚介類を弱らせることなく
良好に維持させることができる。 (7)微細気泡を多量に含む水流を多量かつ強力に噴出
させることができるので、処理する水中の固体物質や溶
存物質と十分に接触させることができ、その反応効率等
を高めることができる。 (8)水流噴出孔の周縁部の角度を所定角度に調整する
ことで、微細気泡を含む液体を所定方向に吐出させ、水
流の吐出状態を制御しながら水槽に効率的に空気を供給
できる。 (9)取水管14に設けられた吸気部16から直接周囲
の水を取り込めるので、このための配管を必要とせず、
部品点数が少なく経済性や生産性に優れる。
【0019】(実施の形態3)実施の形態3の漁船用生
け簀について図面を参照しながら説明する。図4は実施
の形態3における漁船用生け簀が搭載された漁船の要部
断面図である。図4において、30は実施の形態3にお
ける漁船用生け簀、31は漁船用生け簀30を備えた漁
船、32は漁船31の船底に配置され捕獲した魚を保持
させる水槽、33は漁船31の船底に開口して形成され
外部の海水や淡水を水槽32に流出入させる複数の通水
部、34は水槽32内側の通水部33に先端側から挿入
され、その先端の取水口が船底から突出して配置された
硬質合成樹脂管や金属管等からなる取水管、34aは取
水管の先端に設けられたストレーナ、35は取水管34
の他端側がホース等を介して接続され船上等に固定され
たポンプ、36は取水管34に設けられた周囲の空気を
取り入れるための吸気部、37はポンプ35の吐出管3
5aに接続され空気を含む混気水を水槽32内に噴出さ
せる微細気泡水流発生器、38は通水部33に脱着自在
又は固定して配設され取水管34を挿通し所定の位置で
取水管34を保持する取水管支持部である。なお、取水
管34は船底面に対して取水口の位置が上下動できるよ
うに配置するか、所定突出長さで固定配置することがで
きる。なお、実施の形態3の漁船用生け簀30は、取水
管34の構成が実施の形態2のものと異なっているが、
その他の構成は略同じであるのでその他の詳しい説明を
省略する。
【0020】実施の形態3の漁船用生け簀30は以上の
ように構成されているので、実施の形態2の作用に加え
て、以下のような作用が得られる。 (1)取水管34の取水口が船底の外部に向けて突出さ
せて配置されているので、船体の喫水線より深い位置か
ら低温の海水や淡水を取水できると共に、漁港内の海面
等に浮かんだ油や浮遊物が水槽32内に入るのを防ぎ、
清浄な海水を利用できる。 (2)取水管34の先端位置を自在に設定できる取水管
支持部38を設けた場合には、夏期や事故による油の流
出など環境条件に応じて、所定の水深にある海水等を取
り込め、これを用いて水槽32内を適正条件に維持させ
ることができ、漁船用生け簀30の制御性に優れてい
る。 (3)浅い海底の漁港や漁場等では取水管34を取水管
支持部を介して船体内に収容でき、安全性や利便性に優
れている。
【0021】図5は漁船用鮮度維持装置や漁船用生け簀
に配設される微細気泡水流発生器の構成図である。図5
は微細気泡水流発生器の要部斜視図である。図5におい
て、100は実施の形態4における半球部とその半球部
の後部に連設された円筒部とを有する微細気泡水流発生
器、100aは中空部が半球状に形成された半球部、1
00a'は有底の円筒部、100bは円筒部100a'に
接線方向に配設固定された気液導入管、100cは円筒
部100a'に接線方向に開口された気液導入管100
bの気液導入孔、100dは半球部100aの頂部に穿
設された気液噴出孔である。以上のように構成された微
細気泡水流発生器によれば、噴出される気液を一方向に
噴射でき、しかもコンパクトに構成できるという作用を
有する。
【0022】図6は他の微細気泡水流発生器の要部側面
断面図である。図6において、110は微細気泡水流発
生器、111は略回転対称に形成された中空部を有する
器体、112は器体111の周壁部に接線方向に開口さ
れた気液導入孔、113は気液導入孔112に接続され
る気液導入管、114、115は器体111の回転対称
軸の左右両側にそれぞれ開口した気液噴出孔、116は
気液噴出孔114、115の流体噴出方向に拡径して形
成された傾斜部である。微細気泡水流発生器110は、
器体111の左右に開口して形成された気液噴出孔11
4、115の傾斜部116の角度θ2、θ1を互いに異な
らせている点で図5の微細気泡水流発生器と相違してい
る。ここでは、傾斜部の角度θ1を40〜75度の範囲
として、角度θ2を100〜160度の範囲としてい
る。これによって、微細気泡水流発生器110の左右両
側に噴出される微細気泡を含む気液混合流体の流れは全
体として、角度の小さい方の気液噴出孔115側の流れ
が角度の大きい方の気液噴出孔114側より優勢にな
る。このため、全体として気液噴出孔114から吐出さ
れる気液混合流体の流れが気液噴出孔115側に吸引さ
れて全体として、気液噴出孔115側に方向性を持たせ
て気液混合流体を吐出させることができる。また、前記
傾斜部116における角度の調整に加えて、各気液噴出
孔114、115の最小径d2、d1と中空部の最大径D
との比(d1/D又はd2/D)を左右で異ならせること
により、各流量をバランスさせることも可能であり、こ
れらの設定によって、水槽内における槽内の水の流動状
態や撹拌状態を適正にコントロールすることもできイカ
等の魚介類に合った水流を得ることができる。
【0023】図6の微細気泡水流発生器110は以上の
ように構成されているので、以下の作用が得られる。 (1)気液噴出孔114、115の内周壁に噴出側に向
かって所定角度で拡径する傾斜部116を有しているの
で、微細気泡を含む水流が拡散する範囲を所定角度内に
限定して水流内の圧力を変動させることができ、この部
分的な圧力の変動により微細気泡を流体内に効果的に発
生させることができる。 (2)傾斜部116における角度や噴出方向の長さを、
供給する水の水質や圧力、流量、温度等に応じて、それ
ぞれ調整することで、水流に拡散させる微細気泡の大き
さや気泡の集合形態等を微妙に変化させることもでき
る。 (3)回転対称軸の両側に気液噴出孔114、115を
配置しているので、それぞれの傾斜部116における傾
斜角度を異ならせることにより、微細気泡水流発生器1
10から全体的に噴出される水流に特定の方向性を付与
することができる。 (4)傾斜部116における角度の調整に加えて、各気
液噴出孔114、115の最小径dと中空部の最大径D
との比(d/D)を左右で異ならせることにより、左右
の流量をそれぞれ調整して、水槽の水流の状態や撹拌状
態を適正にコントロールすることができる。
【0024】図7は他の微細気泡水流発生器の斜視図で
あり、図8は微細気泡水流発生器の流体の状態を示す要
部断面状態図である。図7及び図8において、120は
微細気泡水流発生器の外周面に立設されたキャップ支持
部、121はキャップ部、121aは隆起部、121b
は延設部、122は水槽内に配置される微細気泡水流発
生器、123は中間部から両端部に向かって収束する卵
形状の中空部を有する器体、124は器体123の中間
部に接線方向に配設固定された気液導入管、125は器
体123の中間部に接線方向に開口された気液導入管1
24の気液導入孔、126は器体123の両端部に穿設
された気液噴出孔、126aは隆起部121aの曲面と
気液噴出孔126の縁部との間隙である。尚、微細気泡
水流発生器122が図5、図6の微細気泡水流発生器と
異なる点は器体123の中空部が卵形状に形成され、器
体123の両端部の気液噴出孔126にキャップ部12
1が付いている点にある。以上のように構成された微細
気泡水流発生器について、以下図面を参照しながらその
動作を説明する。
【0025】Wは微細気泡水流発生器122内を旋回す
る気液混合流体の気体に働く向心力により形成される負
圧軸(減圧軸)である。気液導入孔125から(接線方
向から)器体123内に高圧の気液混合流体を流入させ
ると、この気液混合流体は、器体123の内壁面に沿っ
て旋回し激しく気液混合されながら、器体123の両端
部に穿設された気液噴出孔126側へ各々移動してい
く。この際、液体と気体との比重の差によって、液体に
は遠心力が働き、気体には向心力が働き、負圧軸Wが形
成される。負圧軸Wにより両端のキャップ部121の隆
起部121aを器体123内に吸引しようとする力が働
き、また、キャップ部121の延設部121bは可撓性
材料で形成されているので、隆起部121aが気液噴出
孔126を覆うように移動し間隙126aが狭まる。一
方、器体123内の気液混合流体は、器体123の内壁
面に沿って旋回し気液噴出孔126に近づくにつれて、
旋回速度が速くなり、気液噴出孔126付近で旋回速度
は最大となり、キャップ部121の隆起部121aと押
し合う状態になる。よって、負圧軸Wに集まった気体
は、隆起部121aの気液噴出孔126側の曲面と旋回
しながら噴出する気液混合流体との間を圧縮・剪断され
ながら通過し、多量の微細気泡として器体123の両端
に穿設された気液噴出孔126から液相中へ噴出され
る。以上のように構成された微細気泡水流発生器によれ
ば、以下のような作用が得られる。 (1)微細気泡水流発生器122の器体123には、気
液導入孔125を中心として器体123の両側に気液噴
出孔126が穿設されているので、多量の微細気泡を微
細気泡水流発生器122の両側から広範囲に噴出させる
ことができる。
【0026】
【発明の効果】請求項1に記載の漁船用鮮度維持装置に
よれば、以下の効果を有する。 (1)取水口が水中に配置される取水管に吸引口に接続
されたポンプを有するので、既存の船底等に開口部等を
設けることなく漁船用鮮度維持装置を設定して、船外の
新鮮な海水を適宜取り入れるこができる。 (2)ポンプの吸引口側の取水管に設けられた酸素又は
空気を取り込む吸気部を介して、海水中の酸素をさらに
高濃度にして、水槽内に入れられた魚介類に対する鮮度
保持性をさらに増大させることができる。 (3)ポンプの吐出部に配設された分岐管を介して又は
介さないで接続された1以上の吐出管を有するので、一
つのポンプだけで各吐出管に接続された水槽内に酸素付
加された海水を効率的に供給でき、省エネルギー性に優
れている。 (4)水槽内に配置された微細気泡水流発生器を用いる
ので、その平均粒径が数ミクロンm単位に微細に分散さ
れた気泡が水槽内に噴出され、魚介類にダメージを与え
ることなく水中の溶存酸素量を効率的に増大させること
ができる。
【0027】請求項2に記載の漁船用生け簀によれば、
以下の効果を有する。 (1)船底に形成された通水部から船底部の比較的低温
の海水を取り入れて、この海水を取水する取水管に設け
られた吸気部を介して空気と混合して、この混気水を水
槽内に噴出させる微細気泡水流発生器を有するので、生
け簀内の水温や溶存酸素量を所定の適正範囲に容易に維
持させることができ、魚介類の鮮度の保持性に優れてい
る。 (2)微細気泡水流発生器により微細気泡を遠方まで運
ぶことができるので、水槽内の溶存酸素量を均一に高め
ることができ、市場価値を落とすことなく新鮮な活き魚
等を漁港に輸送することでき、経済性に優れる。 (3)空気がその平均粒径が数ミクロンm単位に微細に
分散された状態で生け簀内に噴出されるので、魚介類に
ダメージを与えることなく水中の溶存酸素量を効率的に
増大させることができる。 (4)取水管に吸気部が設けられているので、取水管内
の水流によるエジェクタ効果を利用して、吸気孔等の吸
気部を介して必要な空気を取り込むことができ装置構成
を単純にして、ポンプだけで漁船用生け簀が運用されメ
ンテナンス性にも優れている。 (5)微細気泡水流発生器の極微小の気泡の発生率が高
いので、ポンプの出力が小さくてもよく省エネルギー性
に優れる。 (6)ポンプの吐出部に分岐管を付け、分岐管を介して
1以上の吐出管に各々微細気泡水流発生器を設けて各水
槽に配置することにより1つのポンプで効率よく各水槽
の溶存酸素量を高めることができる。
【0028】請求項3に記載の漁船用生け簀によれば、
請求項2の効果の他、以下の効果が得られる。 (1)ポンプを介して水流導入部から器体内に気泡を含
む海水等を流入させると、器体周壁の接線方向から流入
した水流は、器体の内壁に沿って旋回して、この旋回運
動によって、微細気泡を含む混気水が旋回水流発生部の
水流噴出孔から吐出され、微細気泡中の酸素がその気液
界面で水中に溶け込んで溶存酸素量を高めて、水槽内の
活き魚を活性化させることができる。 (2)ポンプを介して混気水が水流導入部に供給される
ので、送り込む水等の液体の輸送効率を高めることがで
き、より微細な気泡を多量に発生させることができる。 (3)微細気泡を含む水流を多量かつ強力に噴出させる
ことができるので、処理する水中の固体物質や溶存物質
と十分に接触させることができ、その反応効率等を高め
ることができる。 (4)水流噴出孔の周縁部の角度を所定角度に調整する
ことで、気泡を含む液体を所定方向に吐出させ、水流の
吐出状態を制御できる。 (5)ポンプの取水管に設けられた吸気部から直接周囲
の水を取り込めるので、このための配管を必要とせず、
部品点数が少なくなり生産性に優れる。
【0029】請求項4に記載の漁船用生け簀によれば、
請求項2又は3の効果の他、以下の効果が得られる。 (1)通水部の水槽内側に設けられた掛止部を介して蓋
部を取り付けることができるので、水槽内を必要に応じ
て外部の海水から遮断して、水槽内の温度コントロール
等の管理を容易に行うことができる。 (2)また、船底に複数設けられた通水部に連接された
取水管を介して外部の海水をポンプを介して水槽内に取
り入れることができるので、船底近くの比較的低温の海
水を用いて、水槽内の水温を高めることなく、所定温度
に維持させることができる。
【0030】請求項5に記載の漁船用生け簀によれば、
請求項2乃至4の内いずれか1項の効果の他、以下の効
果が得られる。 (1)取水管の取水口が船底の外部に向けて配置されて
いるので、喫水線より深い位置から海水や淡水を取り込
むことができ、低温の海水を取水できると共に、漁港内
の海面等に浮かんだ油や浮遊物の影響を受けることな
く、清浄な海水を利用できる。
【0031】請求項6に記載の漁船用生け簀によれば、
請求項5の効果の他、以下の効果が得られる。 (1)取水管の先端位置を自在に設定できる取水管支持
部を有するので、環境条件に応じて、所定の水深にある
海水等を取り込め、これを用いて水槽内を適正条件に維
持させることができ、漁船用生け簀の制御性に優れてい
る。 (2)浅い海底の漁港や漁場等では容易に取水管を取水
管支持部を介して船内に収容でき、安全性や利便性に優
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の漁船用鮮度維持装置を備えた漁
船の要部断面図
【図2】(a)実施の形態2の漁船用生け簀を備えた漁
船の要部断面図 (b)その要部側面断面図
【図3】(a)微細気泡水流発生器の要部正面断面図 (b)その側面断面図
【図4】実施の形態3の漁船用生け簀を備えた漁船の要
部断面図
【図5】微細気泡水流発生器の要部斜視図
【図6】他の微細気泡水流発生器の要部側面断面図
【図7】他の微細気泡水流発生器の斜視図
【図8】図7の微細気泡水流発生器の流体の状態を示す
要部断面状態図
【符号の説明】
1 漁船用鮮度維持装置 2 漁船 3 水槽 4 取水管 4a 取水口 5 ポンプ 5a 吸引口 6 吸気部 7 分岐管 8 吐出管 9 微細気泡水流発生器 10 漁船用生け簀 11 漁船 12 水槽 13 通水部 13a 掛止部 13b 蓋部 14 取水管 15 ポンプ 15a 吐出管 16 吸気部 17 微細気泡水流発生器 18 ポンプ支持台 21 器体 22 気液導入管 22a 気液導入孔 23、24 水流噴出孔 30 漁船用生け簀 31 漁船 32 水槽 33 通水部 34 取水管 34a ストレーナ 35 ポンプ 35a 吐出管 36 吸気部 37 微細気泡水流発生器 38 取水管支持部 100 微細気泡水流発生器 100a 半球部 100a' 円筒部 100b 気液導入管 100c 気液導入孔 100d 気液噴出孔 110 微細気泡水流発生器 111 器体 112 気液導入孔 113 気液導入管 114、115 気液噴出孔 116 傾斜部 120 キャップ支持部 121 キャップ部 121a 隆起部 121b 延設部 122 微細気泡水流発生器 123 器体 124 気液導入管 125 気液導入孔 126 気液噴出孔 126a 間隙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取水口が水中に配置される取水管と、前
    記取水管が吸引口に接続されたポンプと、前記ポンプの
    前記吸引口側の前記取水管に設けられた酸素又は空気を
    取り込む吸気部と、前記ポンプの吐出部に配設された分
    岐管を介して又は介さないで接続された1以上の吐出管
    と、前記1以上の吐出管の端部の各々に固定され漁船の
    水槽内に配置される微細気泡水流発生器と、を備えたこ
    とを特徴とする漁船用鮮度維持装置。
  2. 【請求項2】 漁船の船底に配設された水槽と、前記漁
    船の船底に開口して形成され外部の海水や淡水を前記水
    槽に流出入させる通水部と、前記水槽内側の前記通水部
    に一端側が連結された取水管と、前記取水管の他端側が
    接続されるポンプと、前記取水管に設けられた酸素又は
    周囲の空気を取り入れる吸気部と、前記ポンプの吐出部
    に分岐管を介して又は介さないで吐出管に接続され空気
    を含む混気水を前記水槽内に噴出させる1以上の微細気
    泡水流発生器とを有することを特徴とする漁船用生け
    簀。
  3. 【請求項3】 前記微細気泡水流発生器が水流噴出孔に
    向かって収束した器体と前記器体周壁の接線方向に混気
    水を供給する前記吐出管が接続される水流導入部とを備
    えていることを特徴とする請求項2に記載の漁船用生け
    簀。
  4. 【請求項4】 前記通水部の水槽内側に、前記水槽内を
    流出入する海水や淡水の流れを遮断する蓋部が着脱自在
    に取り付けられる掛止部が備えられていることを特徴と
    する請求項2又は3に記載の漁船用生け簀。
  5. 【請求項5】 前記取水管の取水口を前記通水部から前
    記船底の外部に向けて配置したことを特徴とする請求項
    2乃至4のいずれか1項に記載の漁船用生け簀。
  6. 【請求項6】 前記通水部に挿入された前記取水管を上
    下に移動させ、前記取水管の取水口を前記船底下の所定
    位置に固定して支持する取水管支持部を有することを特
    徴とする請求項5に記載の漁船用生け簀。
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