JP2003102279A - 栽培容器、並びに該栽培容器を用いた栽培装置、栽培設備及び栽培方法 - Google Patents

栽培容器、並びに該栽培容器を用いた栽培装置、栽培設備及び栽培方法

Info

Publication number
JP2003102279A
JP2003102279A JP2001304260A JP2001304260A JP2003102279A JP 2003102279 A JP2003102279 A JP 2003102279A JP 2001304260 A JP2001304260 A JP 2001304260A JP 2001304260 A JP2001304260 A JP 2001304260A JP 2003102279 A JP2003102279 A JP 2003102279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
cultivation
medium
fertilizer
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001304260A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Nishimura
靖 西村
Tatsuya Ide
達也 井手
Yasuo Matsunuma
保夫 松沼
Kazuo Shibuya
和男 渋谷
Satoru Kinebuchi
覚 杵渕
Kazuya Iwai
一弥 岩井
Yukari Jinzai
ゆかり 陣在
Kenzo Kano
賢三 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiwa KK
Original Assignee
Seiwa KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiwa KK filed Critical Seiwa KK
Priority to JP2001304260A priority Critical patent/JP2003102279A/ja
Publication of JP2003102279A publication Critical patent/JP2003102279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】設置作業が容易で、かつ、万遍なく均一に給液
することが可能な栽培容器並びに栽培装置を提供する。 【解決手段】栽培装置1の栽培容器2を略環状に栽植す
ることが可能に円形に形成して、排液のための傾斜を気
にすることなく、容易に設置作業を行うことができる構
成とした。また、給液手段3や層状の培地7等を用いる
ことによって、均一でムラのない給液を行うことが可能
となり、培地内の水分配分が均等となって、植物の生育
不良・生育ムラを防止するとともに、培地の温度変化を
効果的に緩和することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施設園芸に用いる
筒状栽培容器並びに筒状栽培容器を用いた栽培装置、栽
培設備及び栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】果菜類や果樹類の隔離土壌栽培には、栽
培ベッドとなる培地を充填した略直方形状の長尺の栽培
容器が利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した栽培容器は、
その長手方向に沿って苗が定植されるものであるため、
給液の偏りをなくして各苗を均等に生長させるに当たっ
ては、大きな傾きがないように設置しなければならない
一方で、通常、長手方向の一方の端部に設けられる排液
孔からの排液を円滑にするために、厳密な水平ではな
く、僅かに傾斜させて配設する必要がある。従って、上
記した栽培容器を用いる場合には、これらの条件を考慮
して正確に水平を求め、あるいは必要な傾斜角度を厳密
に求めて設置する必要があり、設置作業が面倒であっ
た。特に、上記の栽培容器を、一つ一つ独立して配置す
るのではなく、温室内に複数接続して配置する場合に
は、一方端から他方端までの全ての栽培容器の設置高さ
を正確に測定しなければならず、設置作業には非常に長
時間を要した。また、たとえ正確に測定して栽培容器を
設置したとしても、期間の経過とともに略水平にあるい
は所望の傾斜角度を維持できなくなることが多く、これ
を調整するメンテナンス作業にも多大な労力が払われて
いた。
【0004】また、果菜類や果樹類を栽培する場合に
は、栽植される植物個々に対して給液するのが一般的で
あり、従来の長尺の栽培容器を利用する場合には、栽培
容器の長手方向に沿って給液ホースを配置し、該ホース
に栽植された各植物の数及び位置に対応して細孔を設け
て給液する方法や、栽培容器の長手方向に沿って配置さ
れた給液管から細管を分岐させ、当該細管を各植物の根
元に導いて点滴式に培養液を給液(ドリップ給液)する
方法が利用されている。しかしながら、長尺の栽培容器
の長手方向に沿って上記の方法で給液する場合、給液源
に近い部分と給液源から遠い部分とでは液圧に大きな差
が生じる。従って、各植物に対し偏りなく給液を行うに
は、給液配管の適宜箇所に加圧ポンプを配置したり、場
所ごとに異なる太さの給液管を配置するなど、全体の液
圧バランスを調整するために多大な労力と費用が費やさ
れている現状にある。
【0005】また、従来の長尺の栽培容器では、幅約2
0cm〜30cmに対して、深さ10cm〜20cm程
度に形成されているものが使用されているが、当該培地
容器に充填される培地は、表面に露出する面積に対して
浅い培地層が形成されることになるため、培地内の温度
も外気温に影響を受けやすい。すなわち、外気温が急激
に変化すれば、これに伴って培地内の温度も急激に変化
することになる。かかる培地内の温度の急激な変化は、
植物に対してストレスを与え、生育不良の原因となる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、設置作業を容易化し、作業コストの低減を図ること
ができる筒状栽培容器並びに筒状栽培容器を用いた栽培
装置、栽培設備及び栽培方法を提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため本発明者は、果菜類や果樹類などの施設園芸では従
来行われたことがない複数の植物を略環状に栽植するこ
とに着目した。すなわち、栽培容器が略環状に栽植可能
な構造であれば、例えば、平面視で略円形や略多角形等
であれば、任意の端部から他方の端部までの距離が短く
なるため、従来のように一方向に長い長尺な略直方体状
のものを用いた場合のように、円滑な排液を確保するた
めに、一方端から他方端に至るまで、その長手方向に沿
った設置高さを厳密に設定する必要がなくなり、容易に
略水平にあるいは所望の傾斜角度で設置できるととも
に、植物に対する給液も均一かつ効率的にできることに
着目した。また、従来の栽培容器において培地内部の温
度の急激な変化を最小限に押さえるためには、培地を深
く積層することが効果的である。しかしながら、従来の
長尺の栽培容器において、より深い形状に形成すれば、
培地層を深くすることも可能であるが、従来の長尺の栽
培容器では、内部に培地を装填した際に壁面が受ける負
荷が均一ではないため、負荷が大きくかかる部分が破損
してしまうという欠点がある一方、栽培容器を筒状に形
成することにより、植物の生長に悪影響を与えることな
く、一株当たりの植物の植え付け面積を小さくすること
で、同量の培地であっても深く培地を積層でき、特に植
物の根圏にあたる培地の温度変化を低減することが期待
できることにも着目した。そして、さらに、本発明者
は、略環状に栽植して栽培するのに適する施肥手段、給
液手段、誘引手段等を検討し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、上記課題を解決するため、請求
項1記載の本発明では、充填される培地に、任意の間隔
で複数の植物を略環状に栽植可能な大きさで形成されて
いることを特徴とする栽培容器を提供する。請求項2記
載の本発明では、平面視で略円形又は略多角形に形成さ
れている請求項1記載の栽培容器を提供する。請求項3
記載の本発明では、植物一株当たりに必要な植え付け面
積Aを25〜2500cmの範囲で確保できると共
に、植物を2〜30株の範囲で栽植可能であり、充填さ
れる培地の上面位置における内径dが、次式: d=2√(An+a)/π [式中、aは略環状に栽植された植物によって取り囲ま
れた平面視で略中央部に位置する非栽植部の面積であっ
て、a=0〜600cmの範囲であり、nは植物の栽
植株数である。]を満たす大きさであることを特徴とす
る請求項1又は2記載の栽培容器を提供する。請求項4
記載の本発明では、果菜類又は果樹類の栽植用であっ
て、植物一株当たりに必要な植え付け面積Aを500〜
2500cmの範囲で確保できると共に、植物を2〜
12株の範囲で栽植可能であり、充填される培地の上面
位置における内径dが、次式: d=2√(An+a)/π [式中、aは略環状に栽植された植物によって取り囲ま
れた平面視で略中央部に位置する非栽植部の面積であっ
て、a=0〜600cmの範囲であり、nは植物の栽
植株数である。]を満たす大きさであることを特徴とす
る請求項3記載の栽培容器を提供する。請求項5記載の
本発明では、断熱効果に優れた素材で形成され、上面を
覆う培地保温用又は劣化防止用のカバーを装着可能に形
成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
1に記載の栽培容器を提供する。請求項6記載の本発明
では、略環状に栽植される植物の栽植位置を示す栽植位
置指示手段が、充填される培地よりも上部の周壁又は前
記カバーに設けられていることを特徴とする請求項1〜
5のいずれか1に記載の栽培容器を提供する。請求項7
記載の本発明では、栽植初期の植物を安定して支持する
ための初期誘引手段が、周壁又は前記カバーに設けられ
ていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記
載の栽培容器を提供する。請求項8記載の本発明では、
培地が充填される培地保持部と、該培地保持部から排出
される液体が貯留される液体貯留部とを有することを特
徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の栽培容器を
提供する。請求項9記載の本発明では、前記液体貯留部
が培地保持部の下部に着脱自由に設けられていることを
特徴とする請求項8記載の栽培容器を提供する。請求項
10記載の本発明では、前記培地保持部の底面に、液体
貯留部と連通する開口部が形成され、そのうちの少なく
とも一つの開口部から、根の液体貯留部内への伸長を許
容できることを特徴とする請求項8又は9記載の栽培容
器を提供する。請求項11記載の本発明では、根の伸長
を許容する前記開口部には、液体貯留部内に突出すると
共に、液体貯留部内に貯留された液体の内部への侵入を
許容する液体侵入部を備えた突出部が設けられているこ
とを特徴とする請求項10記載の栽培容器を提供する。
請求項12記載の本発明では、前記液体貯留部には、根
腐れを防止するため、該液体貯留部の内部と外部とを連
通する換気部が1箇所以上設けられていることを特徴と
する請求項8〜11のいずれか1に記載の栽培容器を提
供する。請求項13記載の本発明では、前記液体貯留部
内であって、培地保持部の底面に形成される開口部の下
方に、該開口部を通じて排出される液体の単位時間当た
りの滴下量を検出する滴下量検出手段を備えていること
を特徴とする請求項8〜12のいずれか1に記載の栽培
容器を提供する。請求項14記載の本発明では、2以上
の構成要素を組み合わせることにより、所定形状に形成
される組み立て式であることを特徴とする請求項1〜1
3のいずれか1に記載の栽培容器を提供する。請求項1
5記載の本発明では、請求項1〜14のいずれか1に記
載の栽培容器と、前記栽培容器に充填される培地とを備
えた栽培装置であって、前記培地が、液体の拡散性・保
水力の高い培地層、保水力・保肥力の高い培地層、通気
性・排水性の高い材料から選ばれる二種以上の培地層が
層状に組み合わせられて充填されていることを特徴とす
る栽培装置を提供する。請求項16記載の本発明では、
液体の拡散性・保水力の高い培地層を上層に、通気性・
排水性の高い培地層を中間層に配置するとともに、保水
力・保肥力の高い培地層を下層に配置したことを特徴と
する請求項15記載の栽培装置を提供する。請求項17
記載の本発明では、前記液体貯留部内に、保肥力の高い
培地材料を使用した肥料成分保持部が設けられているこ
とを特徴とする請求項15又は16記載の栽培装置を提
供する。請求項18記載の本発明では、請求項1〜14
のいずれか1に記載の栽培容器と、平面視で、略環状に
栽植された植物によって取り囲まれる位置に、一つ以上
設けられる給液手段とを具備することを特徴とする栽培
装置を提供する。請求項19記載の本発明では、請求項
13又は14に記載の栽培容器と、平面視で、略環状に
栽植された植物によって取り囲まれる位置に、一つ以上
設けられる給液手段と、前記滴下量検出手段により、培
地保持部からの所定量の液体の滴下を検知したならば、
前記給液手段を通じての給液を停止させる制御信号を出
力する給液制御手段とを具備することを特徴とする栽培
装置を提供する。請求項20記載の本発明では、請求項
13又は14に記載の栽培容器と、平面視で、略環状に
栽植された植物によって取り囲まれる位置に、一つ以上
設けられる給液手段と、前記給液手段による給液開始時
から、前記滴下量検出手段による培地保持部からの液体
の滴下の検知開始時までの時間長を計測する時間計測手
段と、前記時間計側手段の計測結果に基づき、給液停止
後、次回の給液開始時までのインターバル時間を制御す
る給液制御手段とを具備することを特徴とする栽培装置
を提供する。請求項21記載の本発明では、 請求項8
〜14のいずれか1に記載の栽培容器と、平面視で、略
環状に栽植された植物によって取り囲まれる位置に、一
つ以上設けられる給液手段と、前記液体貯留部内の液体
の貯液量が、所定量未満の場合に前記給液手段に対して
液体を供給し、所定量以上に至ると前記給液手段に対し
ての液体の供給を停止する液体供給制御手段とを具備す
ることを特徴とする栽培装置を提供する。請求項22記
載の本発明では、前記給液手段が、位置調整可能なノズ
ルを有し、該ノズルの位置調整により液体の給液範囲を
調整可能であることを特徴とする請求項18〜21のい
ずれか1に記載の栽培装置を提供する。請求項23記載
の本発明では、前記給液手段の下方に、ノズルから吐出
される液体が衝突するキャノピーを有し、該キャノピー
の形状を変更することにより液体の給液範囲を調整可能
であることを特徴とする請求項18〜22のいずれか1
に記載の栽培装置を提供する。請求項24記載の本発明
では、前記給液手段が、液体の給液範囲を調整可能に形
成されたスプリンクラーヘッドを有するスプリンクラー
により構成されていることを特徴とする請求項18〜2
1のいずれか1に記載の栽培装置を提供する。請求項2
5記載の本発明では、 前記給液手段が、周壁に液体の
出入りを許容する液体通過部を備え、少なくとも該液体
通過部の一部が培地保持部に充填される培地に隣接する
ように配設される肥料保持容器上に配置されていること
を特徴とする請求項18〜24のいずれか1に記載の栽
培装置を提供する。請求項26記載の本発明では、請求
項8〜14のいずれか1に記載の栽培容器と、平面視
で、略環状に栽植された植物によって取り囲まれる位置
に、一つ以上設けられる給液手段と、液体貯留部内に貯
留された液体を吸い上げて培地に供給可能な液体再供給
手段とを具備することを特徴とする栽培装置を提供す
る。請求項27記載の本発明では、前記給液手段及び液
体再供給手段が、それぞれ位置調整可能なノズルを有
し、該ノズルの位置調整により液体の給液範囲を調整可
能であることを特徴とする請求項23記載の栽培装置を
提供する。請求項28記載の本発明では、前記給液手段
及び液体再供給手段の下方に、ノズルから吐出される液
体が衝突するキャノピーを有し、該キャノピーの形状を
変更することにより液体の給液範囲を調整可能であるこ
とを特徴とする請求項26又は27記載の栽培装置を提
供する。請求項29記載の本発明では、前記給液手段及
び液体再供給手段の各ノズルから吐出される液体が、共
通のキャノピーに衝突する構造であることを特徴とする
請求項28記載の栽培装置を提供する。請求項30記載
の本発明では、前記給液手段及び液体再供給手段が、い
ずれも、周壁に液体の出入りを許容する液体通過部を備
え、少なくとも該液体通過部の一部が培地保持部に充填
される培地に隣接するように配設される肥料保持容器上
に配置されていることを特徴とする請求項26〜29の
いずれか1に記載の栽培装置を提供する。請求項31記
載の本発明では、前記肥料保持容器が、少なくとも外側
と内側との二層の肥料保持部を備えて構成され、より外
側に配置された肥料保持部に充填された肥料の消費状況
に応じて、より内側に配置された肥料保持部に肥料を追
加充填可能であることを特徴とする請求項25又は30
記載の栽培装置。請求項32記載の本発明では、前記肥
料保持容器に形成される各肥料保持部が、区分された複
数の充填部を有して構成されていることを特徴とする請
求項31に記載の栽培装置を提供する。請求項33記載
の本発明では、前記各充填部の配置数を調整可能に設け
られていることを特徴とする請求項32記載の栽培装置
を提供する。請求項34記載の本発明では、前記各充填
部が、上面に開口する肥料充填口を有すると共に、肥料
充填口を開閉する蓋部材が、内外に隣接して配置された
充填部の肥料収容口を共に開閉し得るように設けられ、
隣接する一方の充填部に肥料を充填する際に、他方の充
填部の肥料充填口を閉塞可能であることを特徴とする請
求項22又は33記載の栽培装置を提供する。請求項3
5記載の本発明では、前記肥料保持容器の上面に開口形
成される肥料充填口が、該肥料保持容器の他の部位より
も大きな径で形成されていることを特徴とする請求項2
5及び30〜34のいずれか1に記載の栽培装置を提供
する。請求項36記載の本発明では、前記肥料保持容器
内において、追肥用の肥料を予め充填した状態で、供給
される液体によって該追肥用の肥料が消費されないよう
に保持できる追肥保持部を設けたことを特徴とする請求
項25、30、又は36記載の栽培装置を提供する。請
求項37記載の本発明では、前記追肥保持部が、下面開
口の筒体と、該開口部を閉塞する蓋部材とを有してな
り、充填された追肥用の肥料を使用する際には、該筒体
を引き抜くことにより使用可能に設定できる構造である
ことを特徴とする請求項36記載の栽培装置を提供す
る。請求項38記載の本発明では、請求項1〜14のい
ずれか1に記載の栽培容器と、前記栽培容器の上方に離
間して、誘引部材を支持するために配設された略直線状
の誘引部材支持具とを具備することを特徴とする栽培装
置を提供する。請求項39記載の本発明では、請求項1
〜14のいずれか1に記載の栽培容器と、前記栽培容器
の上方に離間して、誘引部材を支持するために配設され
たリング状の誘引部材支持具とを具備することを特徴と
する栽培装置を提供する。請求項40記載の本発明で
は、前記栽培容器を回転可能に支持する回転台を有する
ことを特徴とする請求項39記載の栽培装置を提供す
る。請求項41記載の本発明では、前記栽培容器に充填
される培地が、液体の拡散性・保水力の高い培地層、保
水力・保肥力の高い培地層、通気性・排水性の高い培地
層から選ばれる二種以上の培地層が層状に組み合わせら
れて充填されていることを特徴とする請求項18〜40
のいずれか1に記載の栽培装置を提供する。請求項42
記載の本発明では、液体の拡散性・保水力の高い培地層
を上層に、通気性・排水性の高い培地層を中間層に配置
するとともに、保水力・保肥力の高い培地層を下層に配
置したことを特徴とする請求項41記載の栽培装置を提
供する。請求項43記載の本発明では、前記液体貯留部
内に、保肥力の高い培地材料を使用した肥料成分保持部
が設けられていることを特徴とする請求項41又は42
記載の栽培装置を提供する。請求項44記載の本発明で
は、底面に根の伸長を許容する開口部が形成され、培地
が充填される培地保持部と、該培地保持部から排出され
る液体が貯留される液体貯留部と、培地保持部に形成さ
れた前記開口部に連接され、液体貯留部内に突出すると
共に、液体貯留部内に貯留された液体の内部への侵入を
許容する液体侵入部を備えた突出部とを有する栽培容器
と、前記栽培容器の培地保持部の少なくとも底面、及び
前記突出部の内面を被覆して配設される植物の根の貫通
を防止する不通根性シートとを具備することを特徴とす
る栽培装置を提供する。請求項45記載の本発明では、
前記不通根性シートが、略三角形で一辺開口の袋体に形
成されてなり、開口部を上向きにし、頂点部を前記突出
部内に位置させて配設することにより、一つの不通根性
シートによって、前記培地保持部の少なくとも底面、及
び前記突出部の内面を被覆可能であることを特徴とする
請求項44記載の栽培装置を提供する。請求項46記載
の本発明では、底面に根の伸長を許容する開口部が形成
され、培地が充填される培地保持部と、該培地保持部か
ら排出される液体が貯留される液体貯留部と、培地保持
部に形成された前記開口部に連接され、液体貯留部内に
突出すると共に、液体貯留部内に貯留された液体の内部
への侵入を許容する液体侵入部を備えた突出部とを有す
る栽培容器と、前記栽培容器の培地保持部の少なくとも
底面を被覆して配設される植物の根の貫通を防止する不
通根性シートと、前記突出部内に充填され、毛管作用に
より液体貯留部内の液体を吸い上げ可能な液体吸い上げ
部材とを具備することを特徴とする栽培装置を提供す
る。請求項47記載の本発明では、前記液体吸い上げ部
材が、多孔質の培地材料からなることを特徴とする請求
項46記載の栽培装置を提供する。請求項48記載の本
発明では、隣接する栽培容器用に設けられた誘引部材同
士が、隣接する栽培容器間の間隙上方に設けられた共通
の誘引部材支持具によって支持されることを特徴とする
請求項48記載の栽培設備を提供する。請求項49記載
の本発明では、栽培容器に充填された培地に、任意の間
隔で複数の植物を略環状に栽植して栽培することを特徴
とする栽培方法を提供する。請求項50記載の本発明で
は、栽培容器に充填された培地に、任意の間隔で複数の
植物を略環状に栽植すると共に、平面視で、略環状に栽
植された植物によって取り囲まれる位置に、給液手段を
一つ以上設けて栽培することを特徴とする栽培方法を提
供する。請求項51記載の本発明では、前記栽培容器の
両側に作業用通路を確保し、各作業用通路寄りに偏在さ
せて略環状に任意の間隔で複数の植物を栽植することを
特徴とする請求項49〜51のいずれか1に記載の栽培
方法を提供する。請求項52記載の本発明では、栽培容
器に充填された培地に、任意の間隔で複数の植物を略環
状に栽植して栽培する工程と、前記工程において栽培さ
れた各植物間に、次作の植物を略環状に栽植して栽培す
る工程とを具備することを特徴とする請求項49〜51
のいずれか1に記載の栽培方法を提供する。請求項53
記載の本発明では、栽培容器に充填された培地に、任意
の間隔で複数の植物を略環状に栽植して栽培する工程
と、前記工程において栽培された各植物の内側又は外側
に、次作の植物を略環状に栽植して栽培する工程とを具
備することを特徴とする請求項49又は50記載の栽培
方法を提供する。請求項54記載の本発明では、複数の
植物を略環状に栽植する工程が、育苗用培地に苗を着根
させた状態で、前記栽培容器に充填された培地に、任意
の間隔で複数略環状に配置することにより実施されるこ
とを特徴とする請求項49〜53のいずれか1に記載の
栽培方法を提供する。請求項55記載の本発明では、前
記育苗用培地は、根が貫通する素材から形成されてお
り、前記各苗を、栽培容器の周壁に略対向させて配置し
て栽培することを特徴とする請求項54記載の栽培方法
を提供する。請求項56記載の本発明では、前記育苗用
培地は、各苗が周壁に向かうとともに、略水平の姿勢と
なるように配置して栽培することを特徴とする請求項5
5の栽培方法を提供する。請求項57記載の本発明で
は、栽培初期において、前記各苗が栽培容器の周壁に向
かって生長するように初期誘引を行う工程を有すること
を特徴とする請求項55の栽培方法を提供する。請求項
58記載の本発明では、前記初期誘によって栽培容器の
周壁に向かって生長した植物を、上方に向かって生長す
るように誘引する工程と、前記工程により所定の高さま
で植物が生長したならば、当該位置から略水平方向に植
物を誘引する工程を有することを特徴とする請求項55
又は57記載の栽培方法を提供する。請求項59記載の
本発明では、前記植物が果菜類又は果樹類であることを
特徴とする請求項49〜58のいずれか1に記載の栽培
方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に
基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1〜図16
は、本発明の一の実施の形態にかかる栽培装置1を示す
図である。この図に示したように、栽培装置1は、栽培
容器2、給液手段3、誘引手段4、肥料保持容器5によ
り構成されている。
【0010】本実施形態においては、栽培容器2は、平
面視で略円形に形成されている。但し、この栽培容器2
の形状は、充填された培地に任意の間隔で複数の植物を
略環状に栽植できる大きさである限り、図面に示したも
のに限定されるものではなく、平面視で、略円形(円形
や楕円形等)のほか、略多角形のもの、例えば八角形、
六角形、四角形等の形状を採用することができる。但
し、栽培容器2は、植物一株当たりに必要な植え付け面
積Aを25〜2500cmの範囲で確保できると共
に、植物を2〜30株の範囲で栽植可能であり、充填さ
れる培地の上面位置における内径dである場合に、 d=2√(An+a)/π の計算式を満たす大きさに形成することが好ましい。か
かる計算式によれば、所望の植物を何株栽植したかを決
定するだけで、容易に栽培容器2の大きさを決定するこ
とができ、設計上の作業効率の向上に資する。なお、式
中、aは略環状に栽植された植物によって取り囲まれた
平面視で略中央部に位置する非栽植部の面積であって、
a=0〜600cmの範囲であり、nは植物の栽植株
数である。例えば、ほうれん草、サラダ菜等の葉菜類を
略環状に栽植する場合には、植え付け面積を62.8c
とすることが好ましいが、栽植株数を30株とし、
非栽植部面積を78.5cm とした場合、上記計算
式から、栽培容器2の内径dは、50cmとなる。以上
の例の円形栽培容器の培地面積(An+a)を従来の直
方形の長尺栽培容で形成する場合、例えば、幅25cm
の場合では、長さ78.5cm、幅30cmの場合で
は、長さ約65cm必要となり、いずれも円形栽培容器
に比べて長く形成せざるを得ない。即ち、上記計算式を
満たすように円形栽培容器を形成すれば、同一栽培面積
を確保する場合に、一方端から他方端に至るまでの長さ
が、従来の直方形状の長尺栽培容器の長手方向の長さよ
りも短く形成でき、略水平にあるいは所望の傾斜角度で
設置することも容易である。また、上記の例において、
30株のほうれん草を上記円形栽培容器の場合と同じよ
うに略環状に栽植する場合、少なくとも一辺が50cm
の正方形でなければならず、当然に円形容器に比して大
きな培地面積を要することは明らかである。以上の円形
栽培容器と従来の略直方形状の長尺の栽培容器との差
は、一つ栽培容器の比較であれば大きな差はないとも言
えるが、複数の栽培容器を使用する比較的大きな規模の
栽培施設においては、トータルとして大きな差となって
表れ、これに伴って、設置作業に要する時間及び労力、
培地量、給液量等の資材費用において大きな無駄が生じ
るほか、収穫できる果実等の量も少なくなり、収益面に
おいても大きな差が生じうる。なお、栽植される植物が
キュウリ、トマト等の果菜類又はぶどう等の果樹類であ
る場合には、上記計算式における植物一株当たりに必要
な植え付け面積Aの値は、500〜2500cmの範
囲とすることが好ましい。
【0011】栽培容器2は、培地が充填される培地保持
部21と、該培地保持部21の下部に着脱自由に装着さ
れ、培地保持部21から排出される液体が貯留される液
体貯留部22とを備えて構成されている。培地保持部2
1及び液体貯留部22は、いずれも各上端から各下端ま
での直径が同じであってもよいが、下端に向かうに従っ
て直径が徐々に小さくなる形状であってもよい。培地保
持部21及び液体貯留部22を形成する素材は耐候性、
耐薬品性等に優れている限り限定されるものではなく、
合成樹脂、陶磁器類、金属、木材等を用いることができ
る。なお、軽量性の点を考慮すると、発泡合成樹脂を用
いることが好ましい。但し、この場合には、培地保持部
21の上端面に断熱性に優れた材料から形成される培地
保温用又は劣化防止用のカバー2aを装着することが好
ましい。装着手段は任意であるが、例えば、培地保持部
21の上端面に溝(図示せず)を形成すると共に、カバ
ー2aの裏面に、この溝に嵌合可能な突条部を形成して
おき、両者を嵌合することによって装着することができ
る。また、断熱性に優れた素材としては発泡合成樹脂等
を用いることができる。本実施形態の栽培容器2は、上
記のように培地保持部21と液体貯留部22とに分割可
能に形成されているが、両者を分割できない一体的な構
造とすることもできる。さらに、培地保持部21及び液
体貯留部22を、予め縦方向に分割された状態のピース
(構成要素)を2以上組み合わせることによって形成で
きる組み立て式とすることもできる。この場合には、各
ピースごとにまとめた状態で運搬できるため、運搬時の
嵩張りを小さくでき、製造工場から販売店へ運搬する場
合等、多数の栽培容器2を搬送する際の便宜に資する。
【0012】図2に示したとおり、培地保持部21の底
面には、液体貯留部22と連通する開口部211が形成
され、また、その下方には、液体貯留部22内に突出す
る突出部212が設けられている。この突出部212の
底面及び周面には、スリット212aが形成され、この
スリット212aを通じて、液体貯留部22内に貯留さ
れた液体が内部へ侵入することを許容する液体侵入部と
なる。但し、この突出部212は、液体の侵入を許容す
る液体侵入部を周壁に有する構造であればよく、周壁に
液体侵入部となる複数の孔を形成したり、網目構造のプ
ラスチックや金属等で形成することもできる。開口部2
11を含む培地保持部の底面及び突出部212の内面に
は、不通根性シート213を設置することが好ましい
(図4,5参照)。かかる不通根性シート213を設置
することにより、植物の根が排液貯留部22内に貯留さ
れた排液に浸るのを防止することができることは勿論の
こと、細かな培地材料が排液貯留部21内に流れ込むこ
とを防止できる。不通根性シート213としては、略三
角形で一辺開口の袋体に形成されたものを用いることが
好ましい。このように形成しておけば、袋体底部の底部
にあたる頂点部213aを突出部212内に位置させ、
この状態で培地保持部21の底面を覆うように袋を開く
だけで配置することができ、しかも一つの不通根性シー
ト213を用いるだけで培地保持部21の底面及び突出
部212を被覆することができる。なお、比較的多くの
水分の吸収を好む植物を栽植する場合には、液体貯留部
22内に排液として貯留された液体も植物の根による利
用に供することができるように不通根性シート213を
配置しない構成とすることができるのは勿論である。こ
のように、不通根性シート213を配置する場合と配置
しない場合のいずれでも使用できるように、開口部21
1と突出部212のスリット212aは、開口部211
及び突出部212のスリット212aを通過して、植物
の根が液体貯留部内3に伸長できるように形成すること
が好ましい。但し、比較的多くの水分の吸収を好む植物
であっても、液体貯留部22内が密閉状態におかれてい
ると、酸素不足ため、根腐れの原因ともなり得る。従っ
て、かかる根腐れを防止するため、液体貯留部22の内
部と外部とを連通する換気部221を設けることが好ま
しい。本実施の形態においては、液体貯留部2の上端面
に設けられた溝によって換気部221とする構成である
(図3参照)。
【0013】培地保持部21には、充填される培地より
も上部の周壁に略環状に栽植される植物の栽植位置を示
す栽植位置指示手段214を設けることが好ましい。栽
植位置指示手段としては、充填される培地よりも上部の
周壁において、栽植すべき位置を指示する着色線を描く
等の手段を用いることが可能であるが、本実施の形態で
は、培地保持部21の上部周縁に凹部214を設けるこ
とによって、栽植位置を支持する構成である。かかる栽
植位置指示手段を設けることにより、指し示された位置
に植物を栽植するだけで、栽培容器2の大きさや植物の
種類によって異なる一株当たりに必要な植え付け面積を
容易に確保することができる。なお、栽植位置指示手段
は、カバー2aに形成することも可能である。また、植
物を略環状に栽植するに場合、隣接する植物同士が生長
に伴って接触することや、隣接する植物による採光の遮
りをできるだけ防止する等のため、植物を栽植した位置
から一旦外方に生長させた後、上方に向けて生長させる
ことが好ましく、一旦外方に生長させる初期誘引手段
を、上記カバー2aあるいは充填される培地よりも上部
の周壁の任意位置に設けておくことが好ましい。初期誘
引手段としては、特に限定されないが、本実施の形態で
は栽植位置指示手段214として設けられた凹部を利用
して初期誘引手段215とする構成である。
【0014】培地保持部21に充填される培地7は、特
に限定されるものではなく、栽培される植物の種類など
によって種々選択されるが、液体の拡散性、保水力や保
肥力の乏しい培地構成では、液体を供給した際に培地内
に水道(みずみち:培地内を供給した液体がいつも通る
部分で、この部分のみを液体が通過して排出され、他の
部分へ液体が拡散しない)が形成され易い。このため、
培地内の水分配分にばらつきが生じて、供給される液体
の利用効率が悪くなる結果、植物の生育不良や生育ムラ
の原因となる。また、液体の拡散性・保水力の乏しい培
地材料では、培地自体の温度変化が激しく、この点も植
物の生育不良の一因となっている。従って、培地保持部
21には、液体の拡散性・保水力の高い培地層、保水力
・保肥力の高い培地層、通気性・排水性の高い材料から
選ばれる二種以上の培地層が層状に組み合わせられて充
填することが好ましく、特に、液体の拡散性・保水力の
高い培地層を上層71に、通気性・排水性の高い培地層
を中間層72に配置するとともに、保水力・保肥力の高
い培地層を下層73に配置することが好ましい(図5参
照)。なお、上層71として配置される液体の拡散性・
保水力の高い培地層を形成する材料(培地材料)として
は、例えば、バーミキュライト、不織布、水ごけ、ピー
トモスを用いることができる。また、中間層72として
配置される通気性・排水性の高い培地層を形成する材料
(培地材料)としては、バーク堆肥、バーク、やし殻、
軽石、砂、れき、パーライト、籾殻、籾殻くん炭、赤玉
土、鹿沼土、オスマンダから選ばれる1種又は任意の2
種以上の組み合わせを挙げることができる。また、下層
73として配置される保水力・保肥力の高い培地層を形
成する材料(培地材料)としては、例えば、バーミキュ
ライト、黒ぼく土、ベントナイト、泥炭、ゼオライトか
ら選ばれる1種又は任意の2種以上の組み合わせを挙げ
ることができる。この下層73を構成する培地材料は、
保水力・保肥力の高い材料、すなわち、CECが高い材
料であるため、肥料成分を引き寄せて保持する。従っ
て、不織布等を用いた場合と比較して、肥料成分が下層
73に留まりやすく、肥料の利用効率を高めることがで
きる。この下層73を構成する培地材料は、排液貯留部
22内にも充填し、肥料成分保持部75として用いるこ
とができる。このような培地材料を充填することによ
り、培地材料を充填しない場合と比較して、排液貯留部
3内に貯留された排液を効率よく再利用できる等の利点
がある。
【0015】なお、培地保持部21の突出部212内に
は、毛管作用により液体貯留部22内に貯留された液体
を吸い上げて下層73に供給できるように、液体吸い上
げ部材74を充填することが好ましい。液体吸い上げ部
材74としては、活性炭、セラミック、ゼオライト、イ
ソライト等の、多孔質の培地材料を用いることが好まし
い。これらの材料は水の吸い上げ効果が大きいことは勿
論、排液中の不要成分を除去し、栽培の安定化を高める
こともできる。
【0016】次に、給液手段3について説明する。給液
手段3は、スプリンクラー31、給液チューブ32、連
結部材33により構成される。連結部材33は、液路3
31aを有する管状本体331と、該本体331の上部
にクリップ状の係合部332を備えて構成される。ま
た、本体331の上部付近に、液路331aと連通する
連結孔331b、下端にスプリンクラー31と連結する
散水具連結部331cが形成されている(図7参照)。
かかる構成の連結部材33は、給液チューブ32の先端
を嵌入孔331bに嵌入して連結し、散水具連結部33
1cには、スプリンクラー31を連結する。なお、連結
部材33の係合部332は、培地保持部21の上部に架
け渡されたアーチ状の支持部材2bに摺動可能に係合さ
れる。従って、スプリンクラー31は、支持部材2bを
軌道として、自在に配置位置を調整することができ、こ
れにより、培地及び植物への給液範囲を調整することが
できる。
【0017】スプリンクラー31は、スプリンクラーヘ
ッド311、支持部材312並びに軸材313により構
成されている(図8(a)参照)。スプリンクラーヘッ
ド311には、軸孔311cを中心に、平面視で略ヘ字
状に形成された液路溝311bが略90°の間隔をおい
て放射状に形成されている。また、上部には、各流路溝
311aに液体を導く液路として機能する切り込みが設
けられた筒状の突出部311cが形成されている(図8
(b)参照)。支持部材312は、液路312aを備
え、また、液路312aの下部には、スプリンクラーヘ
ッド311の突出部311aが回動可能に収容できるき
るような大きさに形成された空部312bを有してい
る。なお、312cは、軸材313を固定するための嵌
入孔である。スプリンクラー31は、スプリンクラーヘ
ッド311の突出部311aを支持部材312の空部3
12bに挿入して配置した後、軸材313を軸孔311
dから挿入し、一端を支持部材312に設けられた軸嵌
入孔312cに嵌入して固定することにより組み立てら
れる。このように構成されるスプリンクラー31は、支
持部材312の上方から供給される液体が、流路312
aを通じて、スプリンクラーヘッド311の突出部31
1aの各切り込みを流下し、更には各液路溝311bに
導かれる。各液路溝311bは、ヘ字状に緩やかにカー
ブして形成されているため、該液路溝311bを流下す
る液体の圧力によって、スプリンクラーヘッド311が
軸材313を中心軸として回転し、液体は、放射状に外
部に放出されることになる。ここで、従来のこの種のス
プリンクラーヘッドは、各液路溝の勾配角度がすべて同
一に形成されているため、給液される液体の範囲が図8
(d)にあるように環状の給液範囲を形成して、給液さ
れない部分が生じてしまう。そこで、本実施の形態にお
けるスプリンクラーヘッド311の液路溝311bで
は、図8(a)に示したように、液路溝の勾配角度が小
さいものと、勾配角度の大きなものを交互に設ける構成
とした。従って、勾配角度の小さな液路溝311bを通
過する液体は比較的遠くの培地に飛散し、勾配角度の大
きな液路溝311bを通過する液体は、下方近辺に飛散
することとなり、スプリンクラー31によって給液され
る範囲は、図8(c)に示す通り、広範囲となり、従来
品のような給液されない部分を生じることがない。ま
た、液路溝311bには、勾配角度を変更できる充填部
材(図示せず)を複数準備しておき、これを様々に組み
合わせて各液路溝311aに充填することで、給液範囲
を調整できる構成とすることができる。なお、スプリン
クラー31は、上記の例に限定されるものではなく、そ
の他公知のものを用いることができる。また、それぞれ
散水範囲等の異なる性能を有するスプリンクラーヘッド
を準備しておき、必要な際に種々選択して使用する構成
としてもよい。
【0018】また、給液手段3は、連結部材33の散水
具連結部331cに、ノズル31’を連結して構成する
こともできる。なお、ノズル31’を用いる場合には、
該ノズル31’から吐出される液体が衝突するキャノピ
ー34を下方に配置して、適宜液体の給液範囲を調整可
能に構成することが好ましい。キャノピー34として
は、図9(a)に示したような平面視で円形の板状体に
形成したもののほか、同図(b)に示したような円形基
台上に回動自在に連結した複数の三角形の板状体から形
成されたものを用いることができる。なお、図9(b)
示したキャノピー34は、各板状体を起立させて頂点を
合わせると角錐が形成され、各板状体を倒して展開させ
ると円形基台表面が露出するように形状が変化する。即
ち、ノズル31’から吐出する液体が、角錐に衝突する
場合には、キャノピー34の周辺付近に飛散するのに対
して、円形基台表面の水平面に衝突する場合には、より
遠くに飛散することになるので、板状体を起立させた
り、倒したりすることで、簡単に給液範囲を調整でき
る。なお、キャノピー34は、培地に埋設するなどして
固定してもよいし、後述する肥料保持容器5に支持され
るように構成(図9参照)することができる。また、肥
料保持容器5の上部に一体的に構成してもよい。
【0019】給液チューブ32の他端は、給液源から配
管される給液配管9(図6参照)に連結されて、スプリ
ンクラー31やノズル31’等の散液部材に液体が供給
されるが、これとは別に、排液貯留部22内に貯留され
た排液を吸い上げて、培地7に供給する液体再供給手段
3’を設けることが好ましい。液体再供給手段3’とし
ては、排液貯留部22内に水中ポンプ3’aを配置し、
これに給液チューブ32を連結し、連結部材33を介し
て、スプリンクラー31やノズル31’に給液する構成
とすることができる(図10参照)。このように、排液
貯留部22に貯留された排液も利用できるように構成す
ることで、排液の効率的な利用を図ることができる。
【0020】以上のように構成される給液手段3に供給
される液体は、例えば滴下量検出手段35、時間計測手
段36並びに制御部37により構成される給液制御手段
を用いて制御することによって自動化を図ることができ
る。滴下量検出手段35は、液体貯留部22内に、培地
保持部21の底面に形成される開口部211の下方に配
置して、該開口部を通じて排出される液体の単位時間当
たりの滴下量を検出する。なお、検出された信号は、制
御部37に出力される。滴下量検出手段35としては、
公知の種々の流量計を用いることができるが、流量とと
共に、液体の滴下を検知しうる機能を有するものである
ことが好ましい。時間計測手段36は、給液手段3によ
る給液開始時(電磁弁の開時)から、滴下量検出手段3
5により取得した培地保持部21からの液体の滴下の検
知開始時までの時間長tを計測する。例えば、給液チュ
ーブ32の中途に設けられた電磁弁321の開信号と、
滴下量検出手段35による滴下の検知信号との受信時間
差を37に内蔵されたマイクロコンピュータより算出し
て計測する手段を用いることができる。以上の、滴下量
検出手段35と、時間計測手段36を用いた具体的な給
液制御手段の一例としては、滴下量検出手段35から液
体の滴下を検知したならば、給液を停止させる制御信号
(電磁弁321閉信号)を制御部37により出力させ、
給液手段3を通じての給液を停止させるように制御する
方法を用いることができる。この給液制御手段では、排
液貯留部22内に排液が滴下すれば直ちに給液を停止す
る構成であるので、比較的水分過多を好まない植物の栽
培に適する。また、他の給液制御手段では、単位時間当
たりの液体の排出量や、時間長tの計測結果に基づい
て、予め設定された給液停止条件及び次回の給液開始時
までのインターバル時間の条件を制御部37によって算
出し、該条件を満たすために必要な電磁弁321の開閉
時刻を決定して、電磁弁321を制御するように構成す
ることができる。この給液制御手段は、培地水分の増減
に敏感な植物を栽植する場合等、精密な給液管理を必要
とする場合に適する。
【0021】なお、本発明の栽培容器2を複数設置して
使用する場合(図16参照)には、基準となる栽培容器
を一つ選択し、該栽培容器に設けられた、滴下量検出手
段35、時間計測手段36並びに制御部37によって、
給液本管に設けられた電磁弁8の開閉を制御する構成と
する液体供給制御手段を用いることができる。なお、貯
液量を検出する手段は、特に限定されるものではなく、
例えば、公知の水位計等を用いることができる。各栽培
容器の給液バランスが良好である場合、かかる液体供給
制御手段を用いることで、各栽培容器に滴下量検出手段
35、時間計測手段36並びに制御部37を配置する構
成に比べ、コスト面で有利となる。
【0022】肥料保持容器5は、図11に示したとお
り、網目構造のプラスチックや金属等からかご状に形成
した容器本体5aと、同じく網目構造のプラスチックや
金属等から形成され、容器本体5aの上面開口部を覆う
蓋部材5bとを有して構成されている。容器本体5a及
び蓋部材5bは、いずれも周壁を形成する部材が網目構
造であるため、この網目5cを通じて、液体の出入りが
許容され、この網目5cが液体通過部となる。保持容器
5aは、液体の出入りを許容する液体通過部を周壁に有
する構造であればよく、網目構造でなくてもよいことは
もちろんである。例えば、周壁に液体通過部となる複数
の孔やスリットを形成したものであってもよい。肥料保
持容器5は、培地に対して少なくとも液体通過部の一部
が隣接するように設置される。液体通過部を培地に隣接
させることにより、保持容器5内に充填される肥料の肥
料成分が培地にしみ出ることになる。本実施形態では、
容器本体5aを培地内に埋設すると共に、蓋部材11b
を培地30上から突出させて配置し、容器本体5aの網
目5cを培地に隣接させている(図1参照)。また、容
器本体5aは、下方部位になるほど径が細くなるテーパ
状に形成されている。上記したように容器本体5aは、
培地に埋設して使用されるが、このようなテーパ状に形
成することにより、容器本体5aを引き抜く作業が容易
となる。なお、肥料保持容器5は、上記の実施の形態に
限定されるものではなく、図12に示した各種のものを
用いることができる。同図(a)の肥料保持容器510
は、外側と内側との二層の肥料保持部を備える構成であ
る。具体的には、肥料保持容器510は、網目構造の液
体通過部(図示せず)を有する外側容器511と、非透
水性の素材により構成された内側容器512により構成
される。なお、内側容器512は、外側容器511の内
側底部に形成された円形嵌合溝511aに、底部周縁部
を嵌合させて配置する。符号512aは、内側容器51
2aの蓋部材であり、これによって内側容器512の上
部開口を閉塞するとことにより、供給される液体によっ
て内部の肥料が消費されないように保持することができ
る。この肥料保持容器510は、例えば、基肥となる肥
料を外側容器511と内側容器512によって形成され
る肥料保持部510aに充填し、内側部材512の上部
の蓋部材512aを取り外し内部に追肥用の肥料を充填
して蓋部材512aにより密閉して培地に配置する。こ
れにより、内側容器512の外側に充填された肥料は、
給液によって肥料成分が網目(図示せず)を通過して培
地にしみ出すが、内側容器512に充填された追肥用の
肥料が消費されることはない。そして、内側容器外側に
配置された肥料保持部に充填された肥料の消費状況に応
じて、追肥が必要となった場合には、内側容器512を
取り去って、密閉されていた追肥用肥料を開放する。こ
れにより追肥用肥料の成分が培地にしみ出すことが可能
となる構成である。図12(b)の肥料保持容器520
は、網目構造の肥料容器本体の内部を仕切板521によ
って仕切ることにより、内部に複数の充填部520aを
形成する構成である。なお、仕切板521は、仕切板の
構成枚数を増減させることにより、充填部520aの配
置数を調整することが可能である。この肥料保持容器5
20は、例えば、基肥となる肥料を形成された複数の充
填部520aのうちの半数に充填しておき、追肥の際に
は残る半数の充填部520aに肥料を充填して使用され
る。図12(c)の肥料保持容器530は、網目構造の
肥料本体の内部を縦方向に仕切りることにより二つの充
填部を備える構成である。また、本体上部には、二つの
充填部のいずれか一方のみの開口部を閉塞することが可
能に形成された半円形状の蓋部材530aが回動自在に
連結されている。かかる構成の肥料保持容器530は、
一方の充填部に肥料を充填するに際しては、他方の充填
部の開口部を閉塞しておくことが可能である。例えば、
二つの充填部を基肥用、追肥用に区分して使用する場
合、それぞれ厳密に計算された量の肥料が充填されなけ
れば、植物に肥料障害が発生するおそれがある。しかし
ながら、基肥を充填する際に、追肥用の充填部の開口部
が開放されていると、一部が追肥用の充填部に入り込ん
でいることに気がつかず、結果として過分な量の基肥が
充填されてしまう場合があるが、肥料保持容器530に
よれば、かかる事態を未然に防止できる。図12(d)
の肥料保持容器540は、上面に開口形成される肥料充
填口540aが、該肥料保持容器の他の部位よりも大き
な径で形成されている。このように構成することで、肥
料充填作業を確実かつ容易に実施できる。なお、肥料充
填口540aは、他の肥料保持容器510,520,5
30の上部に形成することも可能である。
【0023】次に、誘引手段4について説明する。誘引
手段4は、誘引部材41、誘引部材支持具42により構
成される。誘引手段4は、トマトやキュウリ等の蔓性の
植物を栽培する場合に用いることができる。誘引部材4
1には、ビニール製ひも、麻ひも等のひも状部材を用い
ることができる。但し、植物を傷つけることなく支持で
き、所望の方向に誘引できるものであれば、針金等の金
属線や、棒状体等、特に限定されるものではない。誘引
部材支持具42は、誘引部材41を支持するために配設
されるものであり、金属製、プラスチック製等の線材を
用いることができ、例えば、栽培容器2が設置される温
室の骨材に支持されて、栽培容器2の上方に任意の間隔
ごとに略直線状に配置される線状部材42aと、線状部
材42aに支持されて、栽培容器2の上方離間して配置
されるリング状に形成されたリング部材42bにより構
成することができ、誘引部材41は、一端がリング部材
42bに固定されて支持される。但し、誘引部材支持具
42は、上記構成に限定されるものではなく、リング部
材42bに代えて、楕円形、直方形、三角形状に形成し
た部材を使用できるし、場合によっては、線状部材42
aのみで構成すこととができる。
【0024】符号6は、栽培容器2を回転可能に支持す
る回転台である。回転台6は、前記の機能を達成できる
ものであれば特に限定されるものではないが、例えば、
ベアリングを用いて二枚の円形板状体を摺同可能に連結
した公知のターンテーブルを用いることができる。
【0025】次に、栽培装置1の使用方法について以下
に説明する。なお、本栽培装置1によって栽培される植
物は、特に限定されるものではなく、ほうれん草、サラ
ダ菜等の葉菜類、キュウリ、トマト等の果菜類ほか、ぶ
どう等の果樹類であってもよく、特に限定されるもので
はないが、説明の便宜のため、トマトを栽培する場合に
ついて以下に説明する。
【0026】栽培装置1は、温室などの栽培施設内に例
えば図16に示すように数列に所定間隔ごとに複数配置
して使用される。栽培装置1は一つで使用することも勿
論可能であるが、図16に示したような栽培施設の栽培
設備として使用することにより、より大きな効果をもた
らすことができる。即ち、設置作業の容易な円形等の栽
培容器2を用いることによって、従来の直方形状の長尺
の栽培容器を設置する場合に要していた水平あるいは必
要な傾斜角度を厳密に求めて設置するという面倒な作業
が軽減されるが、特に、本実施の形態にあるように、複
数の栽培装置1を用いた栽培設備と同等の規模を、従来
の直方形状の長尺の栽培容器栽培容器で実施する場合、
複数の容器を接続して配置するのが通常であった。従っ
て、従来は、一方端から他方端までの全ての栽培容器の
設置高さを正確に測定しなければならず、設置作業には
非常に長時間を要したが、本発明の栽培装置1によれ
ば、目視できる範囲で略水平に設置すればよく、設置作
業に要する時間を大幅に軽減することが可能となる。
【0027】栽培装置1は、それぞれ回転台6及び培地
保持部211、排液貯留部22からなる栽培容器2を所
定位置に配置するともに、培地保持部21の上部に支持
部材2bを架け渡して取り付け、該支持部材2bに給液
手段3を構成するスプリンクラ−31、給液チューブ3
2、連結部材33等を連結して配置し、給液チューブ3
2の他端を給液配管9に連結する。また、栽培容器2の
上方の適宜箇所に、誘引手段4を配設する。具体的に
は、各栽培装置の上方に離間し、一列の栽培設備に沿っ
て線状部材42aを温室の骨材等に固定して配置する。
また、栽培装置1リング部材42bは、線状部材42a
の適宜位置から吊り下げるように支持されて、各栽培装
置1の上方に離間して配置する。このとき、リング部材
42bは、その中心と、各栽培容器2の中心とが平面視
で一致するように配置することが好ましいが、やや斜め
上方に誘引できるように、中心をずらして配置できるこ
とは勿論である。また、線状部材42aのみを配置して
リング部材42bを使用しないこともできる。なお、こ
の場合、隣接する栽培容器2用に設けられた誘引部材4
1同士が、隣接する栽培容器2間の間隙上方に設けられ
た共通の誘引部材支持具42によって支持される構成と
することができる。これにより、誘引部材支持部材42
の配設数を減らすことができ、コスト面で有利である。
【0028】以上の栽培装置1の配置が完了したなら
ば、培地保持部21に、まず、不通根シート23を培地
保持部21の底面、及び突出部32の内面を被覆するよ
うに配置し、その上から液体吸い上げ部材74を充填す
る。また、液体吸い上げ部材74の上部には、保水力・
保肥力の高い培地材料(下層73)、通気性・排水性の
高い培地材料(中間層72)、液体の拡散性・保水力の
高い培地材を(上層71)の順に、層状に培地を充填し
ていく。上層71、中間層72及び下層73を充填した
際の厚みはそれらの機能を効果的に発揮し得る限り限定
されるものではなく、また、栽培対象となる植物の種類
や供給する液体の肥料濃度等によっても異なるが、例え
ば、トマトであれば、上層71は、1〜20cmの範囲
とし、中間層72は、10〜50cmの範囲とし、下層
73は、1〜20cmの範囲とすることが好ましい。な
お、下層73を通過した液体は、不通根性シート213
を介して、排液貯留部22内に排出されるが、この排液
貯留部22内に排出され、貯留された排液は、液体吸い
上げ部材74を構成する培地材料を介して、毛管現象に
より吸い上げられ、再度植物により利用される。この場
合、液体吸い上げ部材74の上部であって、下層73の
底面に培地支持部材として不通根性シート213を配置
しておけば、植物の根は、該液体吸い上げ部材74内に
は侵入しない。従って、排液貯留部22内に貯留された
排液は、あくまで、液体吸い上げ部材74を構成する培
地材料の毛管現象によって下層73まで吸い上げられて
から吸収されることになるため、比較的水分過多を好ま
ないトマトの場合には、不通根性シート213をこのよ
うに用いることが好ましい。
【0029】培地7の充填が完了したならば、平面視で
略中央位置の培地に対して、肥料保持容器5を培地に対
して少なくとも液体通過部5cの一部が隣接するように
設置する。液体通過部5cを培地に隣接させることによ
り、肥料保持容器5内に充填される肥料の肥料成分が培
地にしみ出ることになる。なお、肥料保持容器5内に充
填される肥料としては、従来公知の種々のタイプのもの
を利用できるが、被覆肥料、化学合成緩効性肥料、ク溶
性成分を主体とする肥料又はそれらの混合物である緩効
性肥料を使用することが好ましい。
【0030】トマトの苗8は、培地7に、任意の間隔で
複数の植物を略環状に栽植する。本発明の最大の特徴
は、果菜類や果樹類などの施設園芸では従来行われたこ
とがない複数の植物を略環状に栽植することにあるから
である。トマトの苗8は、立方体形状に形成された育苗
用培地81に着根させた状態のものを用いることが好ま
しい。種を直接培地に播種する場合に比べ、安定した植
物の栽培が可能であり、また、取り扱い上も便利だから
である。なお、育苗用培地81には、公知の紙製ポッ
ト、生分解性ポット等の根が貫通する素材を用いること
が好ましい。このような、素材を用いることにより、育
苗用培地81を培地7表面に配置するのみで、苗8の根
は育苗用培地81を貫通し、培地7に着根することがで
きる。育苗用培地81は、栽培容器2の周壁から所定の
間隔をあけ、周壁に沿って培地7に配置していくが、こ
のとき、栽培容器2又はカバー2aに設けられた栽植位
置指示手段にしたがって栽植することにより、栽植位置
を決定するための時間を省くことができ、また、あまり
栽培知識のない者によっても容易に栽植作業ができる。
なお、育苗用培地81は、培地7の略中央に配された肥
料保持容器5を中心として、その周辺に略環状に配置す
ることが通常であるが、栽培容器2の両側に作業用通路
を確保する場合、各作業用通路よりに偏在させて略環状
に栽植しておけば、管理作業や収穫作業を行う際に都合
がよい。また、育苗用培地81を略環状に配置するにあ
たっては、育苗用培地81を栽培容器2の周壁に略対向
させて配置することが好ましい。また、育苗用培地81
は、苗8が周壁に向かうように、苗8が略水平の姿勢と
なるように配置することが好ましい。このように育苗用
培地81を配置することにより、風を受けて苗8が倒伏
し配置位置が移動してしまうことがない。従って、苗8
の培地7への活着が安定する。また、当初から苗8が栽
培容器2の周壁に向かうように略水平の姿勢となるよう
に配置して初期誘引することにより、隣接する苗8同士
が生長に伴って接触することや、隣接する植物による採
光の遮りをできるだけ防止できると共に、苗8が周壁に
向かって水平に生長することになり、トマトの第1の着
果位置を低く抑えることが可能となり、さらに上方へ誘
引するにあたって温室内の上方空間を効率的に利用する
ことができる。なお、同様の理由から、苗8がある程度
生長しており、先端が栽培容器2の上部周縁を越える位
置に至ったいる場合には、栽培容器2に設けられた初期
誘引手段215により苗8の先端部付近を保持して、水
平方向に生長するように初期誘引をしておくことが好ま
しい(図13参照)。このように、初期誘引は、栽植時
に行うことが可能であるが、栽植後に植物の生長を待っ
て行うことができるのは勿論である。また、上記の手順
で略環状に栽植された苗8を本作用とし、次作用の苗を
該本作用の苗8の間に栽植したり、あるいは、本作用の
苗8の内側又は外側に略環状に栽植することができる。
本作の終了前に次作の定植可能であり、効率的な果実の
収穫が可能となる。
【0031】栽植が完了したならば、平面視で、略環状
に栽植された苗8によって取り囲まれる位置になるよう
にスプリンクラー31の位置を調整する。なお、本発明
のスプリンクラーヘッド311を用いれば、従来のもの
に比べて給液範囲が広く(図8参照)、このスプリンク
ラー31一つで培地7及び肥料保持容器5上に満遍なく
均一に給液することができる。即ち、従来の直方位形状
の長尺栽培容器を用いる方法では充填される培地に万遍
なく均一に給液することは極めて困難であり、これを解
決することが重要な課題の一つであったがったが、本発
明の円形の栽培容器2と、本発明の給液手段3とを組み
合わせることにより、容易に本課題を解決することが可
能となり、培地7内の水分配分が均等となって、植物の
生育不良・生育ムラを防止するとともに、培地の温度変
化を効果的に緩和することができる。
【0032】給液手段3により肥料保持容器5に給液さ
れた液体は、肥料保持容器5の液体通過部5cから内部
に侵入し、これにより溶出した肥料成分が液体通過部5
cを通じて培地7にしみ出していく。培地7に給液され
た液体は、まず、液体の拡散性・保水力の高い上層71
で一旦抱えられ、毛管現象により液体が広範囲に万遍な
く広がって、中間層72にむらなく均等にしみ渡るよう
に小さなフラックスで流下していく。中間層72は、保
水力・保肥力が低く、通気性・排水性が高いため、保水
力・保肥力の高い上層71が設けられていない場合に
は、液体の流れに偏りが生じ易いが、本実施形態によれ
ば、上層71により液体が小さなフラックスでむらなく
ゆっくり流下していくため、液体の流れの偏りが少な
く、培地の水分配分を均等にすることができる。このた
め、供給された液体は、植物に利用され易くなるととも
に、培地の温度変化を効果的に緩和することができる。
仮に、中間層72を、下層73と同様に保水力・保肥力
の高い材料から構成した場合には、根による酸素の吸収
が不十分となって根腐れを生じやすい。中間層72を通
過した液体は、保水力・保肥力の高い下層73で再び保
たれるため、この下層73に張りやすい吸水能力の高い
根によって有効に利用される。なお、これらの作用、効
果は、一度に大量に液体を供給するよりも、多数回に亘
って少量ずつ供給することにより、より一層顕著に発揮
される。従って、上記した滴下量検出手段35と、時間
計測手段36を用いた給液制御手段や、液体供給制御手
段を用いることにより、給液停止条件や次回の給液開始
時までのインターバル時間の条件を設定して、多数回に
亘って少量ずつ供給する給液管理を行うことが好まし
い。
【0033】下層73を通過した液体は、不通根性シー
ト213を介して、排液貯留部22内に排出されるが、
この排液貯留部22内に排出され、貯留された排液は、
液体吸い上げ部材74を構成する培地材料を介して、毛
管現象により吸い上げられ、再度植物により利用され
る。なお、不通根性シート213を用いない場合、液体
吸い上げ部材74を構成する培地材料内に根が侵入する
ことを許容する態様とした場合には、さらに、突出部2
3を経て排液貯留部22内にまで伸びて行く。従って、
比較的多くの水分量を好む植物の場合には、不通根性シ
ート213を配設しない構成とすることが好ましい。な
お、培地7は、低温の外気に長期間さらされると、培地
7内部の温度が低下し、植物の生育不良の原因ともな
る。従って、外気の温度が低下した場合などには、カバ
ー2aを培地保持部21に装着することが好ましい。
【0034】栽植したトマトの苗8の生長に伴って、茎
部93が栽培容器2の周辺に垂れ下がるような状態とな
ったならば、誘引部材41によって、上方に延びるよう
に誘引する。具体的には、図14に示したように誘引部
材41の一端を、栽培容器2の上方に配置された誘引部
材支持具42のリング部材42bに支持されるように取
り付け、生長したトマトの茎部93を巻き付けるように
して支持し、上方に誘引する。このように誘引すること
でトマトは誘引部材41に沿って柱状を形成するように
さらに上方に伸びていくことになる。このとき、栽培容
器2を支持する回転台6を回転させてすべてのトマトの
茎が斜め上方に向かうような姿勢とすることで、直線的
に誘引する場合に比して上方への距離を短くすることが
でき、より多くの果実を、低位置に着果することができ
作業性が向上すると共に、温室内の上方空間を効率的に
利用することが可能となる。また、トマトが、さらに生
長し、誘引支持具61の線部材61aの位置に至ったな
らば、図15に示したように、線状部材42aに直交し
て略水平方向に誘引する。つまり、所定間隔をおいて平
行に配設された線状部材42aを利用して、下方から茎
部93を支持させるように、隣接する他の線状部材42
aに架け渡すように誘引していく。このように、いわゆ
る棚状にトマトを誘引していくことで、採光を確保でき
ると共に、果実の収穫作業を容易に行うことができ、か
かる作業労力を軽減できる。
【0035】以上、本発明の1の実施の形態にかかる栽
培装置1の使用例について説明したが、これに限定され
ないことは勿論であり、例えば、ほうれん草などの葉菜
類を栽培する場合には、誘引手段4を設けずに栽培する
ことが可能である。また、供給される液体を植物に合わ
せて調製した培養液とすることで、肥料保持容器5を用
いず栽培することも可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明の栽培装置は、略環状に栽植可能
することが可能な円形の栽培容器を用いる構成である。
かかる構成とすることにより、排液のための傾斜を気に
することなく、容易に設置作業を行うことができるとと
もに、均一でムラのない給液を行うことが可能となり、
また、培地内の水分配分が均等となって、植物の生育不
良・生育ムラを防止するとともに、培地の温度変化を効
果的に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施形態にかかる栽培装
置の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の一の実施形態にかかる培地保
持部の側面図及び平面図である。
【図3】図3は、本発明の一の実施の形態にかかる排液
貯留部の側面図及び平面図である。
【図4】図4は、本発明の一の実施の形態にかかる不通
根シートを示す図である。
【図5】図5は、本発明の一の実施の形態にかかる培地
の構成を示した模式図である。
【図6】図6は、本発明の一の実施の形態にかかる給液
手段の構成を示した模式図である。
【図7】図7は、本発明の一の実施の形態にかかる給液
手段を構成する連結部材の構成を示した模式図である。
【図8】図8(a)は、本発明の一の実施の形態にかか
る給液手段を構成するスプリンクラーの構成を示す図で
あり、同(b)は、スプリンクラーヘッドの平面図であ
る。同(c)は、スプリンクラーヘッドの断面図および
給液範囲を説明する模式図である。同(d)は、従来の
スプリンクラーヘッドの断面図及び給液範囲を説明する
模式図である。
【図9】図9は、本発明の一の実施の形態にかかるキャ
ノピーを示す模式図である。
【図10】図10は、本発明の一の実施の形態にかかる
液体再供給手段の構成を示す模式図である。
【図11】図11は、本発明の一の実施の形態にかかる
肥料保持容器を示す正面図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施の形態にかかる
肥料保持容器を示す正面図である。
【図13】図13は、本発明の一の実施の形態にかかる
植物の初期誘引手段を説明するための模式図である。
【図14】図14は、本発明の一の実施の形態にかかる
植物の誘引手段を説明するための模式図である
【図15】図15は、本発明の一の実施の形態にかかる
植物の誘引手段を説明するための模式図である
【図16】図16は、本発明の一の実施の形態にかかる
栽培装置を用いた栽培設備を示した模式図である。
【符号の説明】
1 栽培装置 2 栽培容器 21 培地保持部 22 排液貯留部 3 給液手段 4 誘引手段 5 肥料保持容器 6 回転台 7 培地 8 苗 9 給液配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 17/00 A01G 17/00 25/02 601 25/02 601A 601E 602 602C (72)発明者 松沼 保夫 栃木県下都賀郡国分寺町柴262−10 株式 会社誠和小金井工場内 (72)発明者 渋谷 和男 栃木県下都賀郡国分寺町柴262−10 株式 会社誠和小金井工場内 (72)発明者 杵渕 覚 栃木県下都賀郡国分寺町柴262−10 株式 会社誠和小金井工場内 (72)発明者 岩井 一弥 栃木県下都賀郡国分寺町柴262−10 株式 会社誠和小金井工場内 (72)発明者 陣在 ゆかり 栃木県下都賀郡国分寺町柴262−10 株式 会社誠和小金井工場内 (72)発明者 加納 賢三 栃木県下都賀郡国分寺町柴262−10 株式 会社誠和小金井工場内 Fターム(参考) 2B022 AA01 AB15 AB20 FA11 2B027 NA10 NC05 NC13 NC14 NC15 NC26 NC27 NC32 NC40 NC56 ND01 NE01 NE02 QB04 QB24 RA22 RA28 TA28 UA04 UA14 UA16 UA22 UA26 VA02

Claims (59)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填される培地に、任意の間隔で複数の
    植物を略環状に栽植可能な大きさで形成されていること
    を特徴とする栽培容器。
  2. 【請求項2】 平面視で略円形又は略多角形に形成され
    ている請求項1記載の栽培容器。
  3. 【請求項3】 植物一株当たりに必要な植え付け面積A
    を25〜2500cmの範囲で確保できると共に、植
    物を2〜30株の範囲で栽植可能であり、 充填される培地の上面位置における内径dが、次式: d=2√(An+a)/π [式中、aは略環状に栽植された植物によって取り囲ま
    れた平面視で略中央部に位置する非栽植部の面積であっ
    て、a=0〜600cmの範囲であり、nは植物の栽
    植株数である。]を満たす大きさであることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の栽培容器。
  4. 【請求項4】 果菜類又は果樹類の栽植用であって、 植物一株当たりに必要な植え付け面積Aを500〜25
    00cmの範囲で確保できると共に、植物を2〜12
    株の範囲で栽植可能であり、 充填される培地の上面位置における内径dが、次式: d=2√(An+a)/π [式中、aは略環状に栽植された植物によって取り囲ま
    れた平面視で略中央部に位置する非栽植部の面積であっ
    て、a=0〜600cmの範囲であり、nは植物の栽
    植株数である。]を満たす大きさであることを特徴とす
    る請求項3記載の栽培容器。
  5. 【請求項5】 断熱効果に優れた素材で形成され、上面
    を覆う培地保温用又は劣化防止用のカバーを装着可能に
    形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか
    1に記載の栽培容器。
  6. 【請求項6】 略環状に栽植される植物の栽植位置を示
    す栽植位置指示手段が、充填される培地よりも上部の周
    壁又は前記カバーに設けられていることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1に記載の栽培容器。
  7. 【請求項7】 栽植初期の植物を安定して支持するため
    の初期誘引手段が、周壁又は前記カバーに設けられてい
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の
    栽培容器。
  8. 【請求項8】 培地が充填される培地保持部と、該培地
    保持部から排出される液体が貯留される液体貯留部とを
    有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記
    載の栽培容器。
  9. 【請求項9】 前記液体貯留部が培地保持部の下部に着
    脱自由に設けられていることを特徴とする請求項8記載
    の栽培容器。
  10. 【請求項10】 前記培地保持部の底面に、液体貯留部
    と連通する開口部が形成され、そのうちの少なくとも一
    つの開口部から、根の液体貯留部内への伸長を許容でき
    ることを特徴とする請求項8又は9記載の栽培容器。
  11. 【請求項11】 根の伸長を許容する前記開口部には、
    液体貯留部内に突出すると共に、液体貯留部内に貯留さ
    れた液体の内部への侵入を許容する液体侵入部を備えた
    突出部が設けられていることを特徴とする請求項10記
    載の栽培容器。
  12. 【請求項12】 前記液体貯留部には、根腐れを防止す
    るため、該液体貯留部の内部と外部とを連通する換気部
    が1箇所以上設けられていることを特徴とする請求項8
    〜11のいずれか1に記載の栽培容器。
  13. 【請求項13】 前記液体貯留部内であって、培地保持
    部の底面に形成される開口部の下方に、該開口部を通じ
    て排出される液体の単位時間当たりの滴下量を検出する
    滴下量検出手段を備えていることを特徴とする請求項8
    〜12のいずれか1に記載の栽培容器。
  14. 【請求項14】 2以上の構成要素を組み合わせること
    により、所定形状に形成される組み立て式であることを
    特徴とする請求項1〜13のいずれか1に記載の栽培容
    器。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1に記載の
    栽培容器と、 前記栽培容器に充填される培地とを備えた栽培装置であ
    って、 前記培地が、液体の拡散性・保水力の高い培地層、保水
    力・保肥力の高い培地層、通気性・排水性の高い材料か
    ら選ばれる二種以上の培地層が層状に組み合わせられて
    充填されていることを特徴とする栽培装置。
  16. 【請求項16】 液体の拡散性・保水力の高い培地層を
    上層に、通気性・排水性の高い培地層を中間層に配置す
    るとともに、保水力・保肥力の高い培地層を下層に配置
    したことを特徴とする請求項15記載の栽培装置。
  17. 【請求項17】 前記液体貯留部内に、保肥力の高い培
    地材料を使用した肥料成分保持部が設けられていること
    を特徴とする請求項15又は16記載の栽培装置。
  18. 【請求項18】 請求項1〜14のいずれか1に記載の
    栽培容器と、 平面視で、略環状に栽植された植物によって取り囲まれ
    る位置に、一つ以上設けられる給液手段とを具備するこ
    とを特徴とする栽培装置。
  19. 【請求項19】 請求項13又は14に記載の栽培容器
    と、 平面視で、略環状に栽植された植物によって取り囲まれ
    る位置に、一つ以上設けられる給液手段と、 前記滴下量検出手段により、培地保持部からの所定量の
    液体の滴下を検知したならば、前記給液手段を通じての
    給液を停止させる制御信号を出力する給液制御手段とを
    具備することを特徴とする栽培装置。
  20. 【請求項20】 請求項13又は14に記載の栽培容器
    と、 平面視で、略環状に栽植された植物によって取り囲まれ
    る位置に、一つ以上設けられる給液手段と、 前記給液手段による給液開始時から、前記滴下量検出手
    段による培地保持部からの液体の滴下の検知開始時まで
    の時間長を計測する時間計測手段と、 前記時間計側手段の計測結果に基づき、給液停止後、次
    回の給液開始時までのインターバル時間を制御する給液
    制御手段とを具備することを特徴とする栽培装置。
  21. 【請求項21】 請求項8〜14のいずれか1に記載の
    栽培容器と、 平面視で、略環状に栽植された植物によって取り囲まれ
    る位置に、一つ以上設けられる給液手段と、 前記液体貯留部内の液体の貯液量が、所定量未満の場合
    に前記給液手段に対して液体を供給し、所定量以上に至
    ると前記給液手段に対しての液体の供給を停止する液体
    供給制御手段とを具備することを特徴とする栽培装置。
  22. 【請求項22】 前記給液手段が、位置調整可能なノズ
    ルを有し、該ノズルの位置調整により液体の給液範囲を
    調整可能であることを特徴とする請求項18〜21のい
    ずれか1に記載の栽培装置。
  23. 【請求項23】 前記給液手段の下方に、ノズルから吐
    出される液体が衝突するキャノピーを有し、該キャノピ
    ーの形状を変更することにより液体の給液範囲を調整可
    能であることを特徴とする請求項18〜22のいずれか
    1に記載の栽培装置。
  24. 【請求項24】 前記給液手段が、液体の給液範囲を調
    整可能に形成されたスプリンクラーヘッドを有するスプ
    リンクラーであることを特徴とする請求項18〜21の
    いずれか1に記載の栽培装置。
  25. 【請求項25】 前記給液手段が、周壁に液体の出入り
    を許容する液体通過部を備え、少なくとも該液体通過部
    の一部が培地保持部に充填される培地に隣接するように
    配設される肥料保持容器上に配置されていることを特徴
    とする請求項18〜24のいずれか1に記載の栽培装
    置。
  26. 【請求項26】 請求項8〜14のいずれか1に記載の
    栽培容器と、 平面視で、略環状に栽植された植物によって取り囲まれ
    る位置に、一つ以上設けられる給液手段と、 液体貯留部内に貯留された液体を吸い上げて培地に供給
    可能な液体再供給手段とを具備することを特徴とする栽
    培装置。
  27. 【請求項27】 前記給液手段及び液体再供給手段が、
    それぞれ位置調整可能なノズルを有し、該ノズルの位置
    調整により液体の給液範囲を調整可能であることを特徴
    とする請求項23記載の栽培装置。
  28. 【請求項28】 前記給液手段及び液体再供給手段の下
    方に、ノズルから吐出される液体が衝突するキャノピー
    を有し、該キャノピーの形状を変更することにより液体
    の給液範囲を調整可能であることを特徴とする請求項2
    6又は27記載の栽培装置。
  29. 【請求項29】 前記給液手段及び液体再供給手段の各
    ノズルから吐出される液体が、共通のキャノピーに衝突
    する構造であることを特徴とする請求項28記載の栽培
    装置。
  30. 【請求項30】 前記給液手段及び液体再供給手段が、
    いずれも、周壁に液体の出入りを許容する液体通過部を
    備え、少なくとも該液体通過部の一部が培地保持部に充
    填される培地に隣接するように配設される肥料保持容器
    上に配置されていることを特徴とする請求項26〜29
    のいずれか1に記載の栽培装置。
  31. 【請求項31】 前記肥料保持容器が、少なくとも外側
    と内側との二層の肥料保持部を備えて構成され、より外
    側に配置された肥料保持部に充填された肥料の消費状況
    に応じて、より内側に配置された肥料保持部に肥料を追
    加充填可能であることを特徴とする請求項25又は30
    記載の栽培装置。
  32. 【請求項32】 前記肥料保持容器に形成される各肥料
    保持部が、区分された複数の充填部を有して構成されて
    いることを特徴とする請求項31に記載の栽培装置。
  33. 【請求項33】 前記各充填部の配置数を調整可能に設
    けられていることを特徴とする請求項32記載の栽培装
    置。
  34. 【請求項34】 前記各充填部が、上面に開口する肥料
    充填口を有すると共に、肥料充填口を開閉する蓋部材
    が、内外に隣接して配置された充填部の肥料収容口を共
    に開閉し得るように設けられ、隣接する一方の充填部に
    肥料を充填する際に、他方の充填部の肥料充填口を閉塞
    可能であることを特徴とする請求項22又は33記載の
    栽培装置。
  35. 【請求項35】 前記肥料保持容器の上面に開口形成さ
    れる肥料充填口が、該肥料保持容器の他の部位よりも大
    きな径で形成されていることを特徴とする請求項25及
    び30〜34のいずれか1に記載の栽培装置。
  36. 【請求項36】 前記肥料保持容器内において、追肥用
    の肥料を予め充填した状態で、供給される液体によって
    該追肥用の肥料が消費されないように保持できる追肥保
    持部を設けたことを特徴とする請求項25、30、又は
    35記載の栽培装置。
  37. 【請求項37】 前記追肥保持部が、下面開口の筒体
    と、該開口部を閉塞する蓋部材とを有してなり、充填さ
    れた追肥用の肥料を使用する際には、該筒体を引き抜く
    ことにより使用可能に設定できる構造であることを特徴
    とする請求項36記載の栽培装置。
  38. 【請求項38】 請求項1〜14のいずれか1に記載の
    栽培容器と、 前記栽培容器の上方に離間して、誘引部材を支持するた
    めに配設された略直線状の誘引部材支持具とを具備する
    ことを特徴とする栽培装置。
  39. 【請求項39】 請求項1〜14のいずれか1に記載の
    栽培容器と、 前記栽培容器の上方に離間して、誘引部材を支持するた
    めに配設されたリング状の誘引部材支持具とを具備する
    ことを特徴とする栽培装置。
  40. 【請求項40】 前記栽培容器を回転可能に支持する回
    転台を有することを特徴とする請求項39記載の栽培装
    置。
  41. 【請求項41】 前記栽培容器に充填される培地が、液
    体の拡散性・保水力の高い培地層、保水力・保肥力の高
    い培地層、通気性・排水性の高い培地層から選ばれる二
    種以上の培地層が層状に組み合わせられて充填されてい
    ることを特徴とする請求項18〜40のいずれか1に記
    載の栽培装置。
  42. 【請求項42】 液体の拡散性・保水力の高い培地層を
    上層に、通気性・排水性の高い培地層を中間層に配置す
    るとともに、保水力・保肥力の高い培地層を下層に配置
    したことを特徴とする請求項41記載の栽培装置。
  43. 【請求項43】 前記液体貯留部内に、保肥力の高い培
    地材料を使用した肥料成分保持部が設けられていること
    を特徴とする請求項41又は42記載の栽培装置。
  44. 【請求項44】 底面に根の伸長を許容する開口部が形
    成され、培地が充填される培地保持部と、該培地保持部
    から排出される液体が貯留される液体貯留部と、培地保
    持部に形成された前記開口部に連接され、液体貯留部内
    に突出すると共に、液体貯留部内に貯留された液体の内
    部への侵入を許容する液体侵入部を備えた突出部とを有
    する栽培容器と、 前記栽培容器の培地保持部の少なくとも底面、及び前記
    突出部の内面を被覆して配設される植物の根の貫通を防
    止する不通根性シートとを具備することを特徴とする栽
    培装置。
  45. 【請求項45】 前記不通根性シートが、略三角形で一
    辺開口の袋体に形成されてなり、開口部を上向きにし、
    頂点部を前記突出部内に位置させて配設することによ
    り、一つの不通根性シートによって、前記培地保持部の
    少なくとも底面、及び前記突出部の内面を被覆可能であ
    ることを特徴とする請求項44記載の栽培装置。
  46. 【請求項46】 底面に根の伸長を許容する開口部が形
    成され、培地が充填される培地保持部と、該培地保持部
    から排出される液体が貯留される液体貯留部と、培地保
    持部に形成された前記開口部に連接され、液体貯留部内
    に突出すると共に、液体貯留部内に貯留された液体の内
    部への侵入を許容する液体侵入部を備えた突出部とを有
    する栽培容器と、 前記栽培容器の培地保持部の少なくとも底面を被覆して
    配設される植物の根の貫通を防止する不通根性シート
    と、 前記突出部内に充填され、毛管作用により液体貯留部内
    の液体を吸い上げ可能な液体吸い上げ部材とを具備する
    ことを特徴とする栽培装置。
  47. 【請求項47】 前記液体吸い上げ部材が、多孔質の培
    地材料からなることを特徴とする請求項46記載の栽培
    装置。
  48. 【請求項48】 隣接する栽培容器用に設けられた誘引
    部材同士が、隣接する栽培容器間の間隙上方に設けられ
    た共通の誘引部材支持具によって支持されることを特徴
    とする請求項48記載の栽培設備。
  49. 【請求項49】 栽培容器に充填された培地に、任意の
    間隔で複数の植物を略環状に栽植して栽培することを特
    徴とする栽培方法。
  50. 【請求項50】 栽培容器に充填された培地に、任意の
    間隔で複数の植物を略環状に栽植すると共に、平面視
    で、略環状に栽植された植物によって取り囲まれる位置
    に、給液手段を一つ以上設けて栽培することを特徴とす
    る栽培方法。
  51. 【請求項51】 前記栽培容器の両側に作業用通路を確
    保し、各作業用通路寄りに偏在させて略環状に任意の間
    隔で複数の植物を栽植することを特徴とする請求項49
    〜51のいずれか1に記載の栽培方法。
  52. 【請求項52】 栽培容器に充填された培地に、任意の
    間隔で複数の植物を略環状に栽植して栽培する工程と、 前記工程において栽培された各植物間に、次作の植物を
    略環状に栽植して栽培する工程とを具備することを特徴
    とする請求項49〜51のいずれか1に記載の栽培方
    法。
  53. 【請求項53】 栽培容器に充填された培地に、任意の
    間隔で複数の植物を略環状に栽植して栽培する工程と、 前記工程において栽培された各植物の内側又は外側に、
    次作の植物を略環状に栽植して栽培する工程とを具備す
    ることを特徴とする請求項49又は50記載の栽培方
    法。
  54. 【請求項54】 複数の植物を略環状に栽植する工程
    が、育苗用培地に苗を着根させた状態で、前記栽培容器
    に充填された培地に、任意の間隔で複数略環状に配置す
    ることにより実施されることを特徴とする請求項49〜
    53のいずれか1に記載の栽培方法。
  55. 【請求項55】 前記育苗用培地は、根が貫通する素材
    から形成されており、前記各苗を、栽培容器の周壁に略
    対向させて配置して栽培することを特徴とする請求項5
    4記載の栽培方法。
  56. 【請求項56】 前記育苗用培地は、各苗が周壁に向か
    うとともに、略水平の姿勢となるように配置して栽培す
    ることを特徴とする請求項55の栽培方法。
  57. 【請求項57】 栽培初期において、前記各苗が栽培容
    器の周壁に向かって生長するように初期誘引を行う工程
    を有することを特徴とする請求項55記載の栽培方法
  58. 【請求項58】 前記初期誘によって栽培容器の周壁に
    向かって生長した植物を、上方に向かって生長するよう
    に誘引する工程と、 前記工程により所定の高さまで植物が生長したならば、
    当該位置から略水平方向に植物を誘引する工程とを有す
    ることを特徴とする請求項55又は57記載の栽培方
    法。
  59. 【請求項59】 前記植物が果菜類又は果樹類であるこ
    とを特徴とする請求項49〜58のいずれか1に記載の
    栽培方法。
JP2001304260A 2001-09-28 2001-09-28 栽培容器、並びに該栽培容器を用いた栽培装置、栽培設備及び栽培方法 Pending JP2003102279A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001304260A JP2003102279A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 栽培容器、並びに該栽培容器を用いた栽培装置、栽培設備及び栽培方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001304260A JP2003102279A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 栽培容器、並びに該栽培容器を用いた栽培装置、栽培設備及び栽培方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003102279A true JP2003102279A (ja) 2003-04-08

Family

ID=19124206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001304260A Pending JP2003102279A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 栽培容器、並びに該栽培容器を用いた栽培装置、栽培設備及び栽培方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003102279A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005099439A1 (ja) * 2004-03-30 2005-10-27 Seiwa Company, Limited 栽培用給液装置、植物栽培設備及び植物栽培ベッド
JP2006304741A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Watanabe Pipe 栽培容器
CN103270924A (zh) * 2013-05-31 2013-09-04 河北省农林科学院农业信息与经济研究所 农田小定额灌溉装置
KR101408180B1 (ko) 2012-08-16 2014-06-16 순천향대학교 산학협력단 콩나물 재배 장치 및 방법
JP2016010375A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 井関農機株式会社 養液供給装置
CN114041385A (zh) * 2021-11-15 2022-02-15 宁波市农业科学研究院 一种蔬果类作物根部生长发育的研究方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000245262A (ja) * 1999-02-25 2000-09-12 Kiyoshi Jinno 植物栽培容器
JP2001258397A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Yoriji Abe 植木鉢、植木鉢ユニット及び植木鉢ユニットに使用される植木鉢本体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000245262A (ja) * 1999-02-25 2000-09-12 Kiyoshi Jinno 植物栽培容器
JP2001258397A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Yoriji Abe 植木鉢、植木鉢ユニット及び植木鉢ユニットに使用される植木鉢本体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005099439A1 (ja) * 2004-03-30 2005-10-27 Seiwa Company, Limited 栽培用給液装置、植物栽培設備及び植物栽培ベッド
JP2006304741A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Watanabe Pipe 栽培容器
KR101408180B1 (ko) 2012-08-16 2014-06-16 순천향대학교 산학협력단 콩나물 재배 장치 및 방법
CN103270924A (zh) * 2013-05-31 2013-09-04 河北省农林科学院农业信息与经济研究所 农田小定额灌溉装置
JP2016010375A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 井関農機株式会社 養液供給装置
CN114041385A (zh) * 2021-11-15 2022-02-15 宁波市农业科学研究院 一种蔬果类作物根部生长发育的研究方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080222949A1 (en) Devices and methods for growing plants
US20070271841A1 (en) Devices and methods for growing plants
US20050246954A1 (en) Devices and methods for growing plants
US20050241231A1 (en) Methods and devices for promoting the growth of plant air roots
US20140202077A1 (en) Plant cultivation method, and cultivation container and cultivation device used therefor
US20120073195A1 (en) Plant growth and garden bags and method of cultivating plants therein
KR200440909Y1 (ko) 조립식화분
JP2003102279A (ja) 栽培容器、並びに該栽培容器を用いた栽培装置、栽培設備及び栽培方法
US11864509B2 (en) Modular grow boxes and associated systems and methods
KR100788273B1 (ko) 자동 저면 관수가 이루어지는 육묘 재배장치
US20060016126A1 (en) Peripheral planting system
US8112936B1 (en) Container-based plant husbandry apparatus and controlled horticultural environment for using same
JP5685688B2 (ja) 水耕栽培装置
JP6704024B2 (ja) 植物栽培器、植物栽培方法及び植物栽培容器
KR101685568B1 (ko) 스크린컵이 구성된 수경재배용 베드 세트
US20140059929A1 (en) Self contained planter for growing seeds
JP6535663B2 (ja) 植物栽培装置および植物栽培方法
KR102045705B1 (ko) 생육활성화가 가능한 이식용 식물재배관리기
KR100518814B1 (ko) 화분
JPH0410757Y2 (ja)
KR200271930Y1 (ko) 배지셀을 이용한 셀성목 재배관리기
KR200290527Y1 (ko) 실내외 장식용 초화 양액재배관리기
KR200273611Y1 (ko) 배지셀을 이용한 셀성목 재배관리기
JP2005095143A (ja) 水耕栽培装置
JPH1175564A (ja) 栽培容器

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070306

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110805

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120120

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120919