JP2003100540A - チップインダクタ及びその製造方法 - Google Patents

チップインダクタ及びその製造方法

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JP2003100540A
JP2003100540A JP2001296006A JP2001296006A JP2003100540A JP 2003100540 A JP2003100540 A JP 2003100540A JP 2001296006 A JP2001296006 A JP 2001296006A JP 2001296006 A JP2001296006 A JP 2001296006A JP 2003100540 A JP2003100540 A JP 2003100540A
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hole
flat
chip inductor
paste
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JP2001296006A
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Yoshinori Sasaki
良典 佐々木
Senichi Miyazaki
専一 宮崎
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TDK Corp
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクリーン印刷を利用して容易に外装被覆を
作製可能で、磁気特性及び磁気シールド効果に優れたチ
ップインダクタを得る。 【解決手段】 ドラム状コア2に巻線5を施したコイル
本体1が嵌合する貫通孔部14を形成してあり、貫通孔
部14の周囲が弾性材で構成された平板状パレット10
を用い、パレット10の貫通孔部14にコイル本体1を
嵌合配置するパレット入れ工程と、スクリーン印刷でパ
レット10の一方の面から巻芯部4の周囲に樹脂ペース
ト30を充填する第1のペースト充填工程と、パレット
10を反転して、スクリーン印刷でパレット10の他方
の面から巻芯部4の周囲に樹脂ペースト30を充填する
第2のペースト充填工程とを備え、樹脂ペースト30と
して、フェライトの球状粉と、フェライトの不定形粉と
を熱硬化性樹脂に混合したものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路において
インダクタンス素子として用いられるチップインダクタ
に係り、とくにドラム状コアの巻芯部に巻線を施したコ
イル本体の巻線外周を外装となる樹脂で被覆したチップ
インダクタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、チップインダクタとして、ド
ラム状フェライトコアの両端面に厚膜又は薄膜技術で電
極を形成し、このドラム状フェライトコアの小径となっ
ている巻芯部に巻線を巻回し、その巻線端を予め電極に
はんだ付けする、あるいは、はんだ付けに替えて溶接や
導電性接着剤で接続してコイル本体を構成し、さらに前
記巻芯部に巻線を巻回した外周を樹脂で封止して保護す
る構造が採用されている。ドラム状フェライトコアの鍔
の形状は、方形あるいは円形にしておき、さらに巻芯部
周囲も樹脂封止することで、全体形状を直方体状又は円
柱状として実装し易いチップ部品形状としている。
【0003】このコイル本体を樹脂で封止する方法とし
て、例えば、コイル本体を上下金型で挟んだ状態で樹脂
が注入されるキャビティを形成し、キャビティに連通す
るランナーを通じて樹脂をキャビティに注入する工法が
提案されている。トランジスタやIC等の樹脂封止電子
部品の製造に用いられるトランスファー樹脂封止方法と
同じである。前記コイル本体はドラム状フェライトコア
の両端面に形成された電極を内部電極(下地電極)とし
て備え、この内部電極に巻線の端末を接続している。後
から内部電極に覆い被せて電気的に導通する外部電極を
形成し、このコイル本体が含まれるインダクタ部品をプ
リント基板等に実装すると、この外部電極が回路パター
ンと電気的に接続し導通する電極となる。従って、コイ
ル本体を上下金型で挟んだ状態で樹脂が注入されるキャ
ビティは、内部電極が外部電極と導通する部分を除いて
樹脂が注入されることになり、樹脂が注入されない部分
はコイル本体を収容するだけの空間にする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コイル本体
はフェライト粉を成形し焼成するドラム状フェライトコ
ア等が主体であり、上下金型のキャビティが高精度の機
械加工で製作されることに比べると、寸法精度が悪く形
状はばらついている。キャビティにコイル本体を収容す
るだけの空間は、コイル本体の寸法精度や形状が許容で
きる範囲で余裕を備えることになり、キャビティとコイ
ル本体の間に間隙が生じ易く、樹脂が注入されるキャビ
ティの部分から樹脂が注入されない部分に樹脂が押し出
されることになる。
【0005】このような従来の製造方法では、フェライ
トコア自体の寸法ばらつきにより内部電極で樹脂封止し
ない部分と、上下金型を含め樹脂封止に用いる成形金型
のキャビティとの間の間隙により、コイル本体において
樹脂封止した端部にバリが発生する。このバリを取る後
処理が必要になるが、バリは内部電極面にも貼り付く形
で発生するため除去が困難である。
【0006】上記の問題点に鑑み、本発明者等によりス
クリーン印刷で樹脂ペーストをコイル本体の巻芯部周囲
に充填して外装被覆とする方法の開発が考慮されている
が、樹脂ペーストに磁性体粉を混入した場合、磁性体粉
が外装表面に粒々となって浮き上がったりする問題があ
った。
【0007】そこで、本発明の第1の目的は、金型を用
いたコイル本体の樹脂封止では電極面等への不必要な樹
脂付着を避けることが困難であると考え、スクリーン印
刷を利用して容易に外装被覆を作製可能で、しかも磁気
特性及び磁気シールド効果に優れたチップインダクタを
提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、スクリーン印刷に
よりコイル本体の必要個所のみ樹脂ペースト(硬化後外
装被覆となる)の充填を可能にしたチップインダクタの
製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の第3の目的は、周囲が弾性材で構
成された貫通孔部を有する平板状パレットを用い、該貫
通孔部にコイル本体を嵌合させて保持することで、スク
リーン印刷の際に樹脂ペーストが不必要な領域に漏れな
いようにして、樹脂硬化による外装被覆形成後の不要樹
脂除去作業を無くす、もしくは軽減可能なチップインダ
クタの製造方法を提供することにある。
【0010】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明は、ドラム状コアの巻芯部に巻
線を施したコイル本体の前記巻芯部の周囲に外装被覆を
設けてなるチップインダクタにおいて、前記外装被覆
が、フェライトの球状粉と、フェライトの不定形粉と、
熱硬化性樹脂との混合体からなることを特徴としてい
る。
【0012】本願請求項2の発明に係るチップインダク
タは、請求項1において、前記ドラム状コアの両端部が
方形鍔であり、前記両端部の方形鍔間の巻芯部が前記外
装被覆により角柱状に覆われ、前記ドラム状コア及び前
記外装被覆により直方体状外形をなしていることを特徴
としている。
【0013】本願請求項3の発明に係るチップインダク
タの製造方法は、ドラム状コアの巻芯部に巻線を施した
コイル本体が嵌合する貫通孔部を形成してあり、かつ該
貫通孔部の少なくとも周囲が弾性材で構成された平板状
パレットを用い、該平板状パレットの前記貫通孔部に前
記コイル本体を嵌合配置するパレット入れ工程と、スク
リーン印刷で前記平板状パレットの一方の面から前記巻
芯部の周囲に樹脂ペーストを充填する第1のペースト充
填工程と、前記平板状パレットを反転して、スクリーン
印刷で前記平板状パレットの他方の面から前記巻芯部の
周囲に樹脂ペーストを充填する第2のペースト充填工程
とを備え、前記樹脂ペーストが、フェライトの球状粉
と、フェライトの不定形粉とを熱硬化性樹脂に混合した
ものであることを特徴としている。
【0014】本願請求項4の発明に係るチップインダク
タの製造方法は、請求項3において、前記平板状パレッ
トの両方の面からのスクリーン印刷終了後、前記コイル
本体が嵌合している前記平板状パレットの上下面に平板
を重ねた状態で前記樹脂ペーストを硬化させるペースト
硬化工程をさらに備えることを特徴としている。
【0015】本願請求項5の発明に係るチップインダク
タの製造方法は、請求項3又は4において、前記平板状
パレットは前記貫通孔部より大きな抜き孔を有する金属
板の上下面及び前記抜き孔の内側部分に弾性材を設けた
ものであることを特徴としている。
【0016】本願請求項6の発明に係るチップインダク
タの製造方法は、請求項4において、前記平板状パレッ
トは前記貫通孔部より大きな抜き孔を有する金属板の上
下面及び前記抜き孔の内側部分に弾性材を設けたもので
あり、前記平板は前記貫通孔部より大きな抜き孔を有す
る金属板の上下面に弾性材を設けたものであって、かつ
前記平板状パレットの金属板と抜き孔の位置が一致して
いることを特徴としている。
【0017】本願請求項7の発明に係るチップインダク
タの製造方法は、請求項5において、前記平板状パレッ
トの前記金属板が磁性体であり、磁石を一体化したベー
ス上に前記平板状パレットを磁気吸着して前記第1及び
第2のペースト充填工程を実行することを特徴としてい
る。
【0018】本願請求項8の発明は、請求項3,4,
5,6又は7において、前記第1及び第2のペースト充
填工程では、前記平板状パレットにスクリーン版を重
ね、該スクリーン版上を転動する充填用ローラーで前記
樹脂ペーストを充填することを特徴としている。
【0019】本願請求項9の発明は、請求項8におい
て、前記スクリーン版上の樹脂ペーストの設けられない
領域でかつ前記平板状パレットに対向する位置を走行す
る自走用ローラーを、前記充填用ローラーに一体化して
設けたことを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るチップインダ
クタの製造方法の実施の形態を図面に従って説明する。
【0021】図1及び図2は本発明の実施の形態におけ
るチップインダクタの製造手順、図3は樹脂による外装
被覆を形成する前後のコイル本体、図4はコイル本体を
保持する平板状パレット、図5及び図6はスクリーン印
刷によるペースト充填工程をそれぞれ示す。
【0022】本実施の形態において、図3(A)のよう
に、外装被覆を設けてチップインダクタとする前のチッ
プ状のコイル本体1は、磁気コアとして両側の方形鍔3
間に巻芯部4を有するドラム状フェライトコア2を用
い、その巻芯部4(好ましくは円形断面)の周囲に巻線
5が巻かれたものである。巻線5の両端部は方形鍔3の
端面及び外周面の一部に形成された電極6にはんだ付け
等で接続固定される。
【0023】また、図3(A)のコイル本体1を複数個
保持する平板状パレットの全体構成は図4に、また部分
断面は図1及び図2に示される。これらの図からわかる
ように平板状パレット10は抜き孔12を有する金属板
11の上下面及び抜き孔12の内側部分にシリコンゴム
等の弾性材13をインサート成形等で一体に設けたもの
であり、抜き孔12の内側部分の弾性材にて貫通孔部1
4が形成されている。つまり、貫通孔部14の周囲が弾
性材で囲まれている。また、金属板11は永久磁石又は
電磁石による磁気吸着可能なように磁性体金属(例えば
ステンレス鋼)である。平板状パレット10の4隅には
位置決め用孔15が形成されている。該位置決め用孔1
5は金属板11に形成され、弾性材13はそれより大き
い孔径で除去されているものである。ここで、平板状パ
レット10において、弾性材13の内部に金属板11を
設けるのは、熱膨張の小さな金属板11を設けること
で、熱膨張により弾性材13の寸法が変動するのを金属
板11で防止するためである。
【0024】前記貫通孔部14はコイル本体1を弾性材
13の弾性により容易に脱落しないように保持する形状
であり、図1(A)及び図4の拡大部分からわかるよう
に、貫通孔部14の長手方向両端部の幅W1が中間部を
含むその他の部分の幅W0よりも狭くなっている。例え
ば、コイル本体1の幅及び高さが0.8mm、長さが1.5
mmのとき、貫通孔部14の幅W1は0.75mm、W0は
0.8mm、長さLは1.45mmであり、深さは0.8mmで
ある。従って、コイル本体1は貫通孔部14に挿入され
たとき、貫通孔部14の4隅にて嵌合保持されることに
なる(主として方形鍔3の両側で保持される)。
【0025】図1、図2及び図4に示した平板状パレッ
ト10(コイル本体1を保持したもの)の貫通孔部14
内に樹脂ペーストを充填するスクリーン印刷のための構
成を図5及び図6に示す。スクリーン枠20にはスクリ
ーン版21が張られており、スクリーン版21の下側に
は前記平板状パレット10(コイル本体1を保持したも
の)を図1(B),(C)のようにベース40上に位置
決め配置しておく。また、樹脂ペースト30を塗布、充
填するための充填用ローラー22がスクリーン版上を回
転しながら移動(転動)するようになっている。但し、
樹脂ペースト30の粘度が低いと、充填用ローラー22
は自転しないでスリップし単なる横移動となる現象が発
生し、スクリーン版21のペースト透過部を通しての樹
脂ペースト充填量が不足する。このため、スクリーン版
21上の樹脂ペースト30の塗布領域以外でかつ平板状
パレット10に対向する位置を走行する自走用ローラー
23を、充填用ローラー22に一体化して設けている。
つまり、充填用ローラー22が固着された中心軸24に
自走用ローラー23を固着している。自走用ローラー2
3は樹脂ペースト30の塗布されていない領域を走行す
るため、スリップすることなく確実に自転しながら移動
し、これと一体に充填用ローラー22も自転しながら移
動することになり、スクリーン版21のペースト透過部
を通しての樹脂ペースト充填が確実に行われる。詳細は
省略するが、図5のように充填用ローラー22及び自走
用ローラー23の中心軸24はローラー保持手段25に
て支持され、前後方向に駆動されるようになっている。
【0026】なお、図1(B),(C)のように、スク
リーン版21のペースト透過部21a(孔部又はメッシ
ュとなっている部分)はベース40上に位置決め載置さ
れた平板状パレット10の貫通孔部14に対応して設け
られるが、とくに貫通孔部14内に保持されているコイ
ル本体1の巻芯部4(巻線5)に対向する部分のみに形
成することが好ましい。
【0027】前記樹脂ペースト30は、エポキシ系樹脂
等の熱硬化性樹脂に、磁性体粉としてのフェライトの球
状粉(粒径10μm〜34μm)を50重量%、フェラ
イトの不定形粉(粒径1μm〜150μm)を50重量
%の割合で混入したものを用いる。また、熱硬化性樹脂
に対する磁性体粉(球状粉+不定形粉)の混合割合は、
熱硬化性樹脂が20〜50重量%、残りを磁性体粉とす
る。磁性体粉の混合割合が50%未満であると、磁性体
粉を混入した効果が少なく、80%を超えると流動性が
悪くなり、充填不良が発生しやすくなる。また、球状粉
と不定形粉相互の割合は、50重量%ずつが最も好まし
いと考えられるが、混合割合を多少変化させてもよい。
球状粉と不定形粉の両者を樹脂に混入することで、球状
粉の隙間に微細の不定形粉が入り込み樹脂ペーストとし
て塗布、充填しやすい粘度となり、樹脂とフェライト粉
とが混じり合わないで分離する不都合も生じない。
【0028】次に、図1及び図2を用いてチップインダ
クタの製造手順を説明する。まず、図1(A)のように
パレット入れ工程にて、平板状パレット10の貫通孔部
14内にコイル本体1をそれぞれ挿入し、嵌合保持させ
る。
【0029】それから、図1(B)のように各々の貫通
孔部14にコイル本体1を設けた後の平板状パレット1
0をベース40上に載置する。このとき、ベース40の
所定位置に立設されたテーパーピン(図示せず)に図4
の平板状パレット10の位置決め用孔15を嵌合するこ
とで、平板状パレット10はベース40に対して位置決
めされる。また、図示しないが、ベース40には永久磁
石又は電磁石が例えば等間隔で複数個所に埋設一体化さ
れており、平板状パレット10内の磁性体の金属板11
を磁気吸着する。
【0030】図1(B)の第1のペースト充填工程で
は、ベース40上に位置決め固定された平板状パレット
10の一面(上面)に対して図5及び図6のスクリーン
印刷機構を用いて樹脂ペースト30を貫通孔部14内に
充填する。すなわち、貫通孔部14内に保持されている
コイル本体1の巻芯部4(巻線5)に対向する部分のみ
に形成されたペースト透過部21aを持つスクリーン版
21を平板状パレット10上に位置合わせして配置し、
スクリーン版上で充填用ローラー22を自転させながら
走行させることで、ペースト透過部21aを通してコイ
ル本体1の巻芯部4、つまり巻線5の外周に樹脂ペース
ト30を充填する。このとき、充填用ローラー22に自
走用ローラー23が一体化されていて、スクリーン版2
1のペーストの無い領域を走行するため、スリップを防
止して確実に自走用ローラー23及びこれと一体的に連
結した充填用ローラー22を回転させることができ、充
填不良の発生を防止できる。
【0031】また、ベース40の貫通孔部14に対応し
た位置には、空気抜き孔42が形成されていて、充填部
の空気を排出する役目をしている。
【0032】この第1のペースト充填工程だけでは、平
板状パレット10の裏側にまで樹脂ペースト30を回り
込ませるのは困難である。このため、第1のペースト充
填工程を終了した平板状パレット10を、第2のペース
ト充填工程において、図1(C)のように反転し、スク
リーン印刷で前記平板状パレット10の他方の面から巻
芯部4(巻線5)の外周に樹脂ペースト30を第1のペ
ースト充填工程と同様にして充填する。これにより、貫
通孔部14内の空間、つまりコイル本体1の巻芯部4外
周は完全に樹脂ペースト30で満たされ、コイル本体1
及び充填樹脂による直方体が形成される。
【0033】第1及び第2のペースト充填工程を終了し
たら、換言すれば、平板状パレット10の両方の面から
のスクリーン印刷終了後、図2(A)のように、コイル
本体1が嵌合している平板状パレット10の上下面に平
板50を重ねた状態で貫通孔部14内の樹脂ペースト3
0を所定温度に加熱して硬化させるペースト硬化工程を
実行する。ここで用いる平板50は、平板状パレット1
0の金属板11と同材質の金属板51の上下に平板状パ
レット10の弾性材13と同材質の弾性材53を設けた
ものであり、金属板51は金属板11の抜き孔12と同
じ位置に同一形状の抜き孔52を有している。但し、平
板状パレット10の貫通孔部14に対応する部分は弾性
材53で平坦面に形成されている。このような平板状パ
レット10と同材質の平板50を用いるのは樹脂ペース
ト30を加熱硬化させる際に、平板状パレット10と平
板50の熱膨張を揃えることで平板状パレット10に歪
みが発生しないようにするためである。
【0034】なお、平板50を用いないと、コイル本体
1の巻芯部4に充填された樹脂ペースト表面が表面張力
で丸みを帯びた形状となり好ましくない。
【0035】図2(A)のペースト硬化工程により、コ
イル本体1の巻芯部4(巻線5)の周囲の樹脂ペースト
は硬化して巻線5の外周を覆う外装被覆7が形成された
直方体状のチップインダクタが各貫通孔部14内にて作
製される。なお、樹脂ペーストにフェライトの球状粉と
フェライトの不定形粉の両者を混入してあるため、硬化
後の外装被覆7の表面にフェライト粒子の粒々が浮き出
てしまう問題は発生しない。
【0036】前記平板状パレット10の各貫通孔部14
からのチップインダクタ1Aの取り出しは、図2(B)
のように、平板状パレット10の上下を孔あき金属板6
0で挟み、押し下げピン65で各貫通孔部14内のチッ
プインダクタ1Aを同時に押し下げることで実行する。
金属板60はチップインダクタ1Aの縦横寸法よりも僅
かに大きな(例えば縦横共に0.1mm(片側0.05mm)
ずつ大きな抜き孔61が形成してあり、押し下げピン6
5でチップインダクタ1Aを平板状パレット10から取
り出すときに、外装被覆7にバリがあっても金属板60
の抜き孔61のエッジで切除される。
【0037】前記平板状パレット10から取り出した図
3(B),(C)のチップインダクタ1Aの電極6上に
覆い被せて電気的に導通する外部電極をメッキ等で所定
膜厚に形成してチップインダクタの完成品とする。
【0038】なお、外部電極の被着形成前に外装被覆7
のバリ取りのためにバレル研磨を行うと良い。
【0039】この実施の形態によれば、次の通りの効果
を得ることができる。
【0040】(1) 平板状パレット10の弾性材13で
囲まれた貫通孔部14内にコイル本体1を嵌合保持し、
スクリーン印刷により樹脂ペースト30を充填するた
め、コイル本体1のドラム状フェライトコア2に寸法の
ばらつきがあっても弾性材13にて吸収でき、樹脂ペー
スト30がコイル本体1の電極6側に回り込むことなく
巻芯部4の周囲に外装被覆7を形成可能であり、余分な
樹脂のバリ取り作業も容易となる。しかも、樹脂ペース
ト30はフェライトの球状粉とフェライトの不定形粉の
両者を混入したものであり、外装被覆7を複合磁性体と
して、巻線5の保護効果に加えて磁気特性の向上(イン
ダクタンス増大)を図り、磁気シールド効果を発揮させ
ることが可能である。
【0041】(2) 平板状パレット10に多数個の貫通
孔部14を形成可能であり、スクリーン印刷で一度に各
貫通孔部14内に樹脂ペースト30を充填でき、量産性
が良好であり、また高価な金型を用いないため、射出成
形若しくはトランスファ成形に比較して生産設備が安価
であり、製造コストも低くすることが可能である。
【0042】(3) 射出成形若しくはトランスファ成形
では製品以外にもランナ部分にて樹脂が消費され、材料
効率が悪いが、本実施の形態では、スクリーン印刷によ
り必要個所のみに樹脂ペースト30を充填でき、材料効
率は極めて高い。
【0043】(4) 平板状パレット10の貫通孔部14
にコイル本体1を設けてから、スクリーン印刷で平板状
パレット10の一方の面、次に反転して他方の面に樹脂
ペースト30を巻芯部4の周囲に充填するが、貫通孔部
14であるため、充填される樹脂ペースト内に空気泡が
発生せず、かつ平板状パレット両面から樹脂ペースト充
填を行うため、貫通孔部14内への樹脂ペースト充填が
確実に行われる。
【0044】(5) 平板状パレット10は貫通孔部14
より大きな抜き孔12を有する金属板11の上下面及び
前記抜き孔12の内側部分に弾性材13を設けた構成で
あり、金属板11を内側に設けることで平板状パレット
10の熱膨張を抑制でき、高精度の樹脂ペースト充填が
可能である。
【0045】(6) 平板状パレット10の両方の面から
のスクリーン印刷終了後、コイル本体1が嵌合している
平板状パレット10の上下面に平板50を重ねた状態で
樹脂ペースト30を硬化させるようにしており、樹脂ペ
ーストの表面を平坦面に形成でき、図3(B),(C)
の如く直方体状のチップインダクタ1Aを得ることがで
きる。また、平板50が平板状パレット10と同様に孔
あき金属板51(金属板11と抜き孔の位置が一致)両
側に弾性材53を設けた構成であるため、平板状パレッ
ト10と平板50の熱膨張を揃えることで、平板状パレ
ット10の歪み発生を防止できる。
【0046】(7) 平板状パレット10の金属板11が
磁性体であり、永久磁石又は電磁石を一体化したベース
40上に平板状パレット10を磁気吸着して前記第1及
び第2のペースト充填工程を実行するため、スクリーン
印刷時に平板状パレット10に位置ずれが発生すること
がなく、高精度のスクリーン印刷が可能である。
【0047】(8) 第1及び第2のペースト充填工程で
は、平板状パレット10にスクリーン版21を重ね、該
スクリーン版上を転動する充填用ローラー22で樹脂ペ
ースト30を貫通孔部14に充填するようにしており、
スキージを用いる場合よりも一度に多量の樹脂ペースト
を充填可能である。
【0048】(9) 充填用ローラー22のみであると、
樹脂ペースト30の粘度が小さい場合に自転せずにスリ
ップしてしまう恐れがあるが、充填用ローラー22に自
走用ローラー23を一体化し、自走用ローラー23がス
クリーン版21上の樹脂ペーストの設けられない領域で
かつ平板状パレット10に対向する位置を走行するよう
に設定することで、自走用ローラー23及びこれと共に
回転する充填用ローラー22を自転させながら移動させ
ることが可能である。このため、充填用ローラー22に
よる安定したスクリーン印刷動作が可能で、貫通孔部1
4への樹脂ペースト充填量を十分なものとすることがで
きる。
【0049】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るチッ
プインダクタは、ドラム状コアの巻芯部に巻線を施した
コイル本体の前記巻芯部の周囲に外装被覆を設けてなる
構成において、前記外装被覆が、フェライトの粒径10
μm〜34μmの球状粉と、フェライトの粒径1μm〜
150μmの不定形粉と、熱硬化性樹脂との混合体から
なるため、磁気特性の改善を図るとともに、磁気シール
ド効果を前記外装被覆に持たせることができ、しかもス
クリーン印刷技術により前記外装被覆を好適に形成可能
である。
【0051】また、従来の金型を用いたコイル本体の樹
脂封止では、ドラム状コアの寸法ばらつきに起因して金
型キャビティとコイル本体間に隙間が発生して電極面等
への不必要な樹脂付着を避けることが困難であるが、本
発明に係るチップインダクタの製造方法によれば、スク
リーン印刷を利用することでコイル本体の必要個所のみ
樹脂ペースト(硬化後外装被覆となる)の充填が可能で
ある。そして、弾性材で構成された貫通孔部を有する平
板状パレットを用い、該貫通孔部にコイル本体を嵌合さ
せて保持することで、スクリーン印刷の際に樹脂ペース
トが不必要な領域に漏れないようにして、樹脂硬化によ
る外装被覆形成後の不要樹脂除去作業を無くしたり軽減
することが可能である。さらに、スクリーン印刷法によ
るので射出成形やトランスファ成形に比較して製造設備
が安価で、樹脂ペーストの消費にも無駄がなく、材料効
率が高い利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチップインダクタ及びその製造方
法の実施の形態において、パレット入れ工程、第1及び
第2のペースト充填工程を示す説明図である。
【図2】実施の形態において、第2のペースト充填工程
より後の工程を示す説明図である。
【図3】実施の形態におけるコイル本体及びこれに外装
被覆を設けたチップインダクタの1例を示す斜視図であ
る。
【図4】実施の形態で用いる平板状パレットの平面図で
ある。
【図5】実施の形態で用いるスクリーン印刷のための機
構を示す正面図である。
【図6】同じくスクリーン印刷のための機構を示す概略
斜視図である。
【符号の説明】
1 コイル本体 1A チップインダクタ 2 ドラム状フェライトコア 3 方形鍔 4 巻芯部 5 巻線 6 電極 7 外装被覆 10 平板状パレット 11,51 金属板 12,52 抜き孔 13,53 弾性材 14 貫通孔部 15 位置決め用孔 20 スクリーン枠 21 スクリーン版 21a ペースト透過部 22 充填用ローラー 23 自走用ローラー 24 中心軸 30 樹脂ペースト 40 ベース 42 空気抜き孔 50 平板 60 孔あき金属板 61 抜き孔 65 押し下げピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E044 AA05 AC01 BB08 CA03 CA04 5E070 AA01 AB02 BA03 BB02 BB03 DA13 DA17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドラム状コアの巻芯部に巻線を施したコ
    イル本体の前記巻芯部の周囲に外装被覆を設けてなるチ
    ップインダクタにおいて、 前記外装被覆が、フェライトの球状粉と、フェライトの
    不定形粉と、熱硬化性樹脂との混合体からなることを特
    徴とするチップインダクタ。
  2. 【請求項2】 前記ドラム状コアの両端部が方形鍔であ
    り、前記両端部の方形鍔間の巻芯部が前記外装被覆によ
    り角柱状に覆われ、前記ドラム状コア及び前記外装被覆
    により直方体状外形をなしている請求項1記載のチップ
    インダクタ。
  3. 【請求項3】 ドラム状コアの巻芯部に巻線を施したコ
    イル本体が嵌合する貫通孔部を形成してあり、かつ該貫
    通孔部の少なくとも周囲が弾性材で構成された平板状パ
    レットを用い、該平板状パレットの前記貫通孔部に前記
    コイル本体を嵌合配置するパレット入れ工程と、 スクリーン印刷で前記平板状パレットの一方の面から前
    記巻芯部の周囲に樹脂ペーストを充填する第1のペース
    ト充填工程と、 前記平板状パレットを反転して、スクリーン印刷で前記
    平板状パレットの他方の面から前記巻芯部の周囲に樹脂
    ペーストを充填する第2のペースト充填工程とを備え、 前記樹脂ペーストが、フェライトの球状粉と、フェライ
    トの不定形粉とを熱硬化性樹脂に混合したものであるこ
    とを特徴とするチップインダクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記平板状パレットの両方の面からのス
    クリーン印刷終了後、前記コイル本体が嵌合している前
    記平板状パレットの上下面に平板を重ねた状態で前記樹
    脂ペーストを硬化させるペースト硬化工程をさらに備え
    る請求項3記載のチップインダクタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記平板状パレットは前記貫通孔部より
    大きな抜き孔を有する金属板の上下面及び前記抜き孔の
    内側部分に弾性材を設けたものである請求項3又は4記
    載のチップインダクタの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記平板状パレットは前記貫通孔部より
    大きな抜き孔を有する金属板の上下面及び前記抜き孔の
    内側部分に弾性材を設けたものであり、前記平板は前記
    貫通孔部より大きな抜き孔を有する金属板の上下面に弾
    性材を設けたものであって、かつ前記平板状パレットの
    金属板と抜き孔の位置が一致している請求項4記載のチ
    ップインダクタの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記平板状パレットの前記金属板が磁性
    体であり、磁石を一体化したベース上に前記平板状パレ
    ットを磁気吸着して前記第1及び第2のペースト充填工
    程を実行する請求項5記載のチップインダクタの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2のペースト充填工程で
    は、前記平板状パレットにスクリーン版を重ね、該スク
    リーン版上を転動する充填用ローラーで前記樹脂ペース
    トを充填する請求項3,4,5,6又は7記載のチップ
    インダクタの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記スクリーン版上の樹脂ペーストの設
    けられない領域でかつ前記平板状パレットに対向する位
    置を走行する自走用ローラーを、前記充填用ローラーに
    一体化して設けた請求項8記載のチップインダクタの製
    造方法。
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JP2022064942A (ja) * 2018-07-25 2022-04-26 味の素株式会社 磁性ペースト

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