JP2003100324A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2003100324A
JP2003100324A JP2001289578A JP2001289578A JP2003100324A JP 2003100324 A JP2003100324 A JP 2003100324A JP 2001289578 A JP2001289578 A JP 2001289578A JP 2001289578 A JP2001289578 A JP 2001289578A JP 2003100324 A JP2003100324 A JP 2003100324A
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JP
Japan
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flow rate
oxidant gas
temperature
fuel cell
gas addition
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JP2001289578A
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English (en)
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Takashi Ino
崇 猪野
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解質膜を温度上昇により劣化させることな
く、電極触媒を被毒状態から回復させることが可能な燃
料電池システムを提供する。 【解決手段】 被毒状態検出手段4は燃料電池本体1の
被毒状態を測定あるいは推定する。酸化剤ガス添加量決
定手段6は、被毒状態に基づいて、酸化剤ガス添加手段
5で添加する酸化剤ガスの添加量を決定する。酸化剤ガ
ス添加制御手段8は、酸化剤ガス添加量決定手段6で決
定した添加量となるように制御する。冷媒出口温度検出
手段12,燃料電池表面温度検出手段17,外気温検出
手段9の検出結果に基づいて、電解質膜温度検出手段1
0は電解質膜の温度を検出する。酸化剤ガス添加流量決
定手段7は、電解質膜温度と運転状態に基づいて酸化剤
ガス添加流量を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池システム
に係り、特に燃料極触媒の被毒状態が進行した場合に燃
料ガスに酸化剤ガスを添加して、被毒状態を解消する燃
料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】メタノールや炭化水素等の原燃料から、
燃料改質反応により生成した水素リッチな改質ガスを燃
料極に供給し、酸素を含む空気を酸化剤極に供給し、燃
料極及び酸化剤極における電気化学反応により発電する
固体電解質型燃料電池の開発が進んでいる。
【0003】この燃料改質反応により得られた改質ガス
中には、水素と共に副生成物の二酸化炭素、一酸化炭素
が含まれている。固体電解質型燃料電池は、燃料極に供
給される改質ガスに一酸化炭素等の被酸化性物質が含ま
れていると、これが電極触媒に付着することで発電性能
が低下する被毒状態となる場合があることが知られてい
る。この被毒状態を解消し発電性能を回復させる方法と
して、電極に付着した一酸化炭素を選択的に酸化して二
酸化炭素に変化させて除去することが提案されている。
【0004】例えば、特開平8−180894号公報に
記載された燃料電池装置は、燃料電池の発電出力の低下
すなわち燃料電池における被毒の進行状態を推定し、そ
の進行状態に応じて燃料電池の電気化学反応が生じる部
位すなわち燃料電極に燃料ガス中に酸素を含有する酸化
剤ガスを供給することによって被毒を解消するというも
のである。
【0005】つまり、燃料電極において被毒が進行して
必要十分な発電出力が得られなくなった場合に、酸化剤
ガスが燃料電極に導入され、燃料電極に付着してその活
性を低下させている成分を酸化して除去するというもの
である。
【0006】また、燃料電池装置が定常状態で運転され
ている場合であっても、改質反応により生成される燃料
ガスの性状、具体的には燃料ガスの量およびこの燃料ガ
スに含まれる燃料成分の量と電極触媒に被毒をもたらす
成分の量との比率が僅かに変動しているので、酸化剤ガ
スの供給により酸化された燃料成分の量に応じて、燃料
ガスへの酸化剤ガスの供給量を制御している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術では、電極触媒の被毒を除去するに際し、酸化剤
ガスを燃料極に供給すると、燃料極の燃料ガスと電極に
付着した被酸化性物質は酸化剤と反応して発熱し、この
発熱によって電解質膜が高温になると、固体高分子化合
物である電解質膜を劣化させてしまうという問題点があ
った。
【0008】上記従来の問題点に鑑み本発明の目的は、
電解質膜を温度上昇により劣化させることなく、電極触
媒を被毒状態から回復させることが可能な燃料電池シス
テムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、燃料極および酸化剤極にそ
れぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて電力を
発生する燃料電池本体と、該燃料電池本体に設けられた
冷媒流路に流す冷媒の流量を制御する冷媒流量制御手段
と、前記燃料電池本体の被毒状態の程度を測定あるいは
推定する被毒状態検出手段と、燃料極に供給する前記燃
料ガスに前記酸化剤ガスを添加する酸化剤ガス添加手段
と、前記被毒状態検出手段が検出した前記被毒状態に基
づいて、前記酸化剤ガス添加手段で添加する酸化剤ガス
の添加量を決定する酸化剤ガス添加量決定手段と、前記
酸化剤ガス添加手段が酸化剤ガスを燃料ガスに添加する
添加量を前記酸化剤ガス添加量決定手段で決定した添加
量となるように制御する酸化剤ガス添加制御手段と、燃
料電池システムの運転状態を検出する運転状態検出手段
と、前記運転状態に基づいて酸化剤ガスの添加流量を決
定する酸化剤ガス添加流量決定手段と、を備えたことを
要旨とする燃料電池システムである。
【0010】上記目的を達成するため、請求項2記載の
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記運転状態検出手段は、前記冷媒の温度を検出する冷媒
温度検出手段と、前記冷媒の流量を検出する冷媒流量検
出手段との少なくとも一方であり、前記運転状態は、前
記冷媒温度と、前記冷媒流量との少なくとも一方である
ことを要旨とする。
【0011】上記目的を達成するため、請求項3記載の
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記運転状態検出手段は、前記燃料極における水素濃度を
検出する水素濃度検出手段と、前記燃料極における酸素
濃度を検出する酸素濃度検出手段とであり、前記運転状
態は、前記水素濃度と前記酸素濃度であることを要旨と
する。
【0012】上記目的を達成するため、請求項4記載の
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記運転状態検出手段は、前記燃料電池本体の電解質膜の
温度を推定あるいは検出する電解質膜温度検出手段を備
え、前記運転状態は、前記電解質膜温度であることを要
旨とする。
【0013】上記目的を達成するため、請求項5記載の
発明は、請求項4記載の燃料電池システムにおいて、前
記燃料電池本体の冷媒出口における冷媒温度である冷媒
出口温度を検出する冷媒出口温度検出手段を備え、前記
電解質膜温度検出手段は、前記冷媒出口温度に基づいて
前記電解質膜温度を推定することを要旨とする。
【0014】上記目的を達成するため、請求項6記載の
発明は、請求項5記載の燃料電池システムにおいて、外
気の温度を検出する外気温検出手段を備え、前記電解質
膜温度検出手段は、前記冷媒出口温度と前記外気温に基
づいて前記電解質膜温度を推定することを要旨とする。
【0015】上記目的を達成するため、請求項7記載の
発明は、請求項4記載の燃料電池システムにおいて、前
記燃料電池本体の表面温度を検出する燃料電池表面温度
検出手段を備え、前記電解質膜温度検出手段は、前記燃
料電池表面温度に基づいて前記電解質膜温度を推定する
ことを要旨とする。
【0016】上記目的を達成するため、請求項8記載の
発明は、請求項7記載の燃料電池システムにおいて、外
気の温度を検出する外気温検出手段を備え、前記電解質
膜温度検出手段は、前記燃料電池表面温度と前記外気温
とに基づいて前記電解質膜温度を推定することを要旨と
する。
【0017】上記目的を達成するため、請求項9記載の
発明は、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前
記酸化剤ガス添加流量決定手段は、前記燃料電池本体の
電解質膜温度である第一の運転状態から第一の酸化剤ガ
ス添加流量を算出する第一の酸化剤ガス添加流量算出手
段と、前記冷媒の温度と前記冷媒流量からなる第二の運
転状態から第二の酸化剤ガス添加流量を算出する第二の
酸化剤ガス添加流量算出手段と、前記燃料極における水
素濃度と前記燃料極における酸素濃度からなる第三の運
転状態から第三の酸化剤ガス添加流量を算出する第三の
酸化剤ガス添加流量算出手段の少なくとも2つ以上を備
え、それぞれの酸化剤ガス添加流量の最小値を選択して
酸化剤ガス添加流量とする酸化剤ガス添加流量比較手段
を備えたことを要旨とする。
【0018】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、燃料極お
よび酸化剤極にそれぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスの供
給を受けて電力を発生する燃料電池本体と、該燃料電池
本体に設けられた冷媒流路に流す冷媒の流量を制御する
冷媒流量制御手段と、前記燃料電池本体の被毒状態の程
度を測定あるいは推定する被毒状態検出手段と、燃料極
に供給する前記燃料ガスに前記酸化剤ガスを添加する酸
化剤ガス添加手段と、前記被毒状態検出手段が検出した
前記被毒状態に基づいて、前記酸化剤ガス添加手段で添
加する酸化剤ガスの添加量を決定する酸化剤ガス添加量
決定手段と、前記酸化剤ガス添加手段が酸化剤ガスを燃
料ガスに添加する添加量を前記酸化剤ガス添加量決定手
段で決定した添加量となるように制御する酸化剤ガス添
加制御手段と、燃料電池システムの運転状態を検出する
運転状態検出手段と、前記運転状態に基づいて酸化剤ガ
スの添加流量を決定する酸化剤ガス添加流量決定手段
と、を備えたことにより、燃料電池システムの運転状態
を検出して、その運転状態から電極被毒除去用酸化剤ガ
スの添加流量を調節することができ、酸化剤の供給流量
(単位時間当たりの供給量)に依存する発熱量を制御し
て、電解質膜の温度を電解質膜が劣化しない範囲に維持
しながら、電極の被毒を除去することができるという効
果がある。
【0019】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、前記運転状態検出手段は、前
記冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、前記冷媒
の流量を検出する冷媒流量検出手段との少なくとも一方
であり、前記運転状態は、前記冷媒温度と、前記冷媒流
量との少なくとも一方であるようにしたので、燃料電池
の運転状態を検出するために新たな検出手段を設置する
ことなく、冷媒流量制御のために設置した冷媒流量検出
手段と冷媒温度検出手段を酸化剤ガス添加流量決定に用
いることができ、燃料電池システムを小型化することが
できるという効果がある。
【0020】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、前記運転状態検出手段は、前
記燃料極における水素濃度を検出する水素濃度検出手段
と、前記燃料極における酸素濃度を検出する酸素濃度検
出手段とであり、前記運転状態は、前記水素濃度と前記
酸素濃度であるようにしたので、酸素濃度に対する水素
濃度が水素の爆発範囲に入らないように酸化剤ガス添加
流量を調節し、水素爆発による燃料電池の劣化を防止す
ることができるという効果がある。
【0021】請求項4記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、前記運転状態検出手段は、前
記燃料電池本体の電解質膜の温度を推定あるいは検出す
る電解質膜温度検出手段を備え、前記運転状態は、前記
電解質膜温度であるようにしたので、電解質膜温度が所
定の範囲内になるように酸化剤ガス添加流量を制御する
ことによって、電解質膜の劣化を未然に防ぐことができ
るという効果がある。
【0022】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の発明の効果に加えて、前記燃料電池本体の冷媒出口
における冷媒温度である冷媒出口温度を検出する冷媒出
口温度検出手段を備え、前記電解質膜温度検出手段は、
前記冷媒出口温度に基づいて前記電解質膜温度を推定す
るようにしたので、電解質膜周辺の冷媒流路を通過する
冷媒の出口温度を用いることから、電解質膜から離れた
位置で計測した温度に基づいて推定するよりも、より正
確に電解質膜温度を推定することができるという効果が
ある。
【0023】請求項6記載の発明によれば、請求項5記
載の発明の効果に加えて、外気の温度を検出する外気温
検出手段を備え、前記電解質膜温度検出手段は、前記冷
媒出口温度と前記外気温に基づいて前記電解質膜温度を
推定するようにしたので、外気による放熱の誤差が考慮
され電解質膜温度をより正確に推定することができると
いう効果がある。
【0024】請求項7記載の発明によれば、請求項4記
載の発明の効果に加えて、前記燃料電池本体の表面温度
を検出する燃料電池表面温度検出手段を備え、前記電解
質膜温度検出手段は、前記燃料電池表面温度に基づいて
前記電解質膜温度を推定するようにしたので、電解質膜
温度が推定するための温度検出手段の設置が容易に行う
ことができるという効果がある。
【0025】請求項8記載の発明によれば、請求項7記
載の発明の効果に加えて、外気の温度を検出する外気温
検出手段を備え、前記電解質膜温度検出手段は、前記燃
料電池表面温度と前記外気温とに基づいて前記電解質膜
温度を推定するようにしたので、外気温による放熱の誤
差が考慮され電解質膜温度をより正確に推定することが
できるという効果がある。
【0026】請求項9記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、前記酸化剤ガス添加流量決定
手段は、前記燃料電池本体の電解質膜温度である第一の
運転状態から第一の酸化剤ガス添加流量を算出する第一
の酸化剤ガス添加流量算出手段と、前記冷媒の温度と前
記冷媒流量からなる第二の運転状態から第二の酸化剤ガ
ス添加流量を算出する第二の酸化剤ガス添加流量算出手
段と、前記燃料極における水素濃度と前記燃料極におけ
る酸素濃度からなる第三の運転状態から第三の酸化剤ガ
ス添加流量を算出する第三の酸化剤ガス添加流量算出手
段の少なくとも2つ以上を備え、それぞれの酸化剤ガス
添加流量の最小値を選択して酸化剤ガス添加流量とする
酸化剤ガス添加流量比較手段を備えたことにより、より
確実に被毒除去による発熱で電解質膜が劣化してしまう
のを未然に防ぐことができ、もしくは同時に燃料極周辺
の酸素濃度と水素濃度が爆発範囲に入らないように、酸
化剤ガス添加流量を制御し被毒を除去することができる
という効果がある。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る燃料電池シ
ステムの第一実施形態の構成を示すブロック図である。
同図において、燃料電池本体1は、燃料極及び酸化剤極
を備え、それぞれに燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され
て発電するものである。燃料ガス供給手段2は、メタノ
ールやガソリンなどの炭化水素系原燃料から水素ガスリ
ッチな燃料ガスを生成する改質器である。燃料ガス供給
手段2は、燃料ガス供給ライン18を介して燃料電池本
体1の燃料極入口に燃料ガスを供給する。
【0028】酸化剤ガス供給手段3は、回転数制御可能
な空気コンプレッサ等により空気を任意の圧力に調節
し、酸化剤ガス供給ライン19を介して燃料電池本体1
の酸化剤極入口に空気を供給する。燃料ガス供給ライン
18には電磁弁等の流量制御が可能な酸化剤ガス添加手
段5を介して酸化剤ガス供給ライン19が接続し、酸化
剤ガス添加手段5によって流量が調節された酸化剤ガス
としての空気が燃料ガス供給ライン18中の燃料ガスに
添加される。
【0029】燃料電池本体1には、その温度を適正な動
作温度範囲に保持できるように冷媒を循環させるための
内部冷媒流路が設けられ、内部冷媒流路は外部に対して
冷媒入口及び冷媒出口が設けられている。この冷媒入口
から冷媒を流入させるとともに、冷媒出口から流出する
冷媒を再循環させるために、冷媒流路11が設けられて
いる。冷媒流路11には、冷媒出口の冷媒温度を検出し
て後述する電解質膜温度検出手段10へ出力する冷媒出
口温度検出手段12、冷媒の流量を検出する冷媒流量検
出手段13、燃料電池本体1の内部冷媒流路及び冷媒流
路11を流れる冷媒の流量を制御する冷媒流量制御手段
14、ラジエータ等の冷媒熱量を外部へ放熱する熱交換
手段20が設けられている。
【0030】冷媒流量は、冷媒流量検出手段13の出
力、あるいは燃料電池1の内部の冷媒流路11を通過し
た冷媒の温度を検出する冷媒出口温度検出手段12の出
力等を用いてポンプと流量弁からなる冷媒流量制御手段
14によって制御される。
【0031】また、燃料電池本体1の電極触媒の被毒状
態の程度を測定あるいは推定する被毒状態検出手段4が
設けられている。被毒状態検出手段4は、燃料電池の被
毒状態を直接測定するものであってもよいし、例えば燃
料電池の運転状態と燃料電池の出力電圧、出力電流に基
づいて被毒状態を推定するものであってもよい。
【0032】酸化剤ガス添加量決定手段6は、被毒状態
検出手段4が検出した被毒状態の程度に応じて、燃料極
に供給される燃料ガスに酸化剤ガス添加手段5を介して
酸化剤ガスである酸素を含む空気を添加する添加量を決
定するものである。
【0033】酸化剤ガス添加流量決定手段7は、燃料電
池の運転状態、図1の例では、後述する電解質膜温度検
出手段10が検出した燃料電池本体1の電解質膜の温
度、に基づいて、酸化剤ガス添加時の添加流量を決定す
るものである。酸化剤ガス添加制御手段8は、酸化剤ガ
ス添加流量決定手段7が決定した酸化剤ガス添加流量と
なるように、酸化剤ガス添加手段5の開度を制御するも
のである。
【0034】また、外気の温度を検出する外気温検出手
段9と、燃料電池本体1の表面温度を検出する燃料電池
表面温度検出手段17とが設けられ、それぞれ外気温を
示す信号、燃料電池表面温度を示す信号を電解質膜温度
検出手段10に出力する。
【0035】電解質膜温度検出手段10は、外気温度、
燃料電池表面温度、冷媒出口温度に基づいて、電解質膜
温度を推定して、酸化剤ガス添加流量決定手段7へ出力
する。
【0036】上記構成要素のうち、被毒状態検出手段
4、酸化剤ガス添加量決定手段6、酸化剤ガス添加流量
決定手段7、酸化剤ガス添加制御手段8、及び電解質膜
温度検出手段10は、特に限定されないが、本実施形態
においては、マイクロコンピュータのプログラムとして
実現されている。
【0037】次に、上記構成の第一実施形態の動作を図
2のフローチャートに基づいて説明する。まず、ステッ
プ(以下、ステップをSと略す)110では、燃料電池
本体1の燃料極触媒の被毒状態を被毒状態検出手段4に
より検出する。たとえば、燃料電池の出力電圧を計測
し、燃料極に供給している燃料ガスと酸素極に供給して
いる酸化剤ガスから計算される理論出力電圧と、計測さ
れた出力電圧との差が所定の値を上回ったら燃料極が被
毒状態であると判断し、あらかじめ実験により算出して
おく理論出力電圧と計測出力電圧の差と被毒一酸化炭素
量の関係から被毒している一酸化炭素量、即ち被毒状態
の程度を求める。
【0038】あるいは、燃料電池の取り出し電流(出力
電流)を計測し、燃料極に供給している燃料ガスと酸素
極に供給している酸化剤ガスから計算される理論出力電
流と、計測された取り出し電流との差が所定の値を上回
ったら燃料極が被毒状態であると判断し、あらかじめ実
験により算出しておく理論出力電流と計測取り出し電流
の差と被毒一酸化炭素量の関係から被毒している一酸化
炭素量を求めてもよい。
【0039】あるいは燃料極入口の一酸化炭素濃度と水
素濃度と酸素濃度と燃料極出口の一酸化炭素濃度を検出
し、燃料極入口の一酸化炭素濃度から燃料電池に供給さ
れた一酸化炭素量を算出し、燃料極入口の一酸化炭素濃
度と水素濃度と酸素濃度から、燃料電池に供給された一
酸化炭素の酸化されて二酸化炭素に変化する量を算出
し、燃料極出口の一酸化炭素濃度から燃料電池から排出
された一酸化炭素量を算出する。燃料電池に供給した一
酸化炭素量から二酸化炭素に変化した一酸化炭素量と排
出された一酸化炭素量を減算することによって、燃料電
池内部に被毒して残った一酸化炭素量を求めてもよい。
【0040】次いでS120では、S110で算出した
被毒状態(一酸化炭素量)より、被毒除去する必要があ
る場合はS130へ進み、被毒除去する必要がない場合
は本処理から抜ける。
【0041】S130では、S110で算出した被毒し
ている一酸化炭素量から、被毒を除去するのに必要な酸
化剤ガスの添加量を酸化剤ガス決定手段6で決定する。
酸化剤ガスは燃料極周辺に存在する燃料ガスと反応する
ため、あらかじめ供給する酸化剤ガスのどのくらいの割
合が一酸化炭素と反応して被毒除去に使われるかを実験
により算出しておき、その割合を考慮して酸化剤ガスの
量を決定する。例えば供給した酸化剤ガスの50%が被
毒除去に消費され、50%が燃料ガスと反応して消費さ
れる場合は、被毒している一酸化炭素量に反応する酸化
剤ガス量の200%を酸化剤ガスの添加量とすればよ
い。
【0042】S140では、燃料電池システムの運転状
態を検出する。運転状態として電解質膜の温度を検出す
る電解質膜温度検出手段10における運転状態検出処理
Iの詳細な流れを図3を用いて説明する。
【0043】S141では、燃料電池表面温度検出手段
17で燃料電池表面温度を検出する。S142では、冷
媒出口温度検出手段12で冷媒出口温度を検出する。S
143では、S141で検出された燃料電池表面温度と
S142で検出された冷媒出口温度の少なくとも一方を
用いて電解質膜温度を推定する。
【0044】燃料電池表面温度と冷媒出口温度は、放熱
によって電解質膜の温度と異なった値が検出されるた
め、あらかじめ実験により燃料電池表面温度と電解質膜
温度の関係、あるいは冷媒出口温度と電解質膜温度の関
係を算出しておくことにより、各温度から電解質膜温度
を推定することができる。
【0045】電解質膜温度の推定は、より精度よく推定
するためにS141で検出された燃料電池表面温度とS
142で読み込まれた冷媒出口温度の両方を用いて推定
してもよい。その際、あらかじめ実験により燃料電池表
面温度と冷媒出口温度と電解質膜温度の関係を算出して
おく。
【0046】なお電解質膜温度の推定は、放熱による温
度の誤差を考慮するために、冷媒出口温度と燃料電池表
面温度の少なくとも一方と、外気温を検出する外気温検
出手段9の出力とから推定することより精度よく推定が
行える。その際、あらかじめ実験により燃料電池表面温
度、冷媒出口温度、外気温と電解質膜温度の関係を算出
しておく。
【0047】図2に戻り、S150では、S130で算
出された酸化剤ガス添加量を燃料供給ライン18に添加
するにあたり、S140で検出された運転状態により、
酸化剤ガスと燃料電池内の一酸化炭素との反応熱で燃料
電池の固体電解質膜を劣化させて発電性能を低下させな
いように、酸化剤ガス添加量決定手段7で酸化剤ガスの
添加流量を決定する。
【0048】酸化剤ガス添加流量を決定する流れを図4
のフローチャートを用いて説明する。酸化剤ガス添加流
量は、まず最初に、被毒除去をより短い時間で行うため
に、最大添加流量が設定される。このとき、S130に
おいて決定された酸化剤ガス添加量に応じて最大添加流
量は設定される。すなわち、酸化剤ガス添加量が0[m
ol]の場合は、酸化剤ガス添加流量も0[mol/s
ec]となる。その後運転状態に応じて酸化剤ガス添加
流量を調節する。
【0049】S154では、S143で検出した電解質
膜温度が所定の値以下の場合はS155に進み、所定の
値以上の場合はS156に進む。S155では、あらか
じめ実験により、電解質膜温度と酸化剤ガス添加流量の
関係を算出しておき、S143で検出した電解質膜温度
から酸化剤ガス添加流量を決定する。S156では、電
解質膜温度が上昇し電解質膜が劣化する可能性があるた
め、酸化剤ガス添加流量を最小値に設定する。
【0050】S155で用いる電解質膜温度と酸化剤ガ
ス添加流量の関係は、電解質膜温度の上昇に応じて酸化
剤ガス添加流量が減少するような関係を予め設定してお
く。またS154の条件は電解質膜温度を時系列で監視
し、電解質膜温度が電解質膜が劣化する範囲に到達する
と推定される場合にS156に進むとしてもよい。
【0051】図2に戻り、S160では、酸化剤ガス添
加制御手段8により、S130で算出された酸化剤ガス
添加量をS150で算出された酸化剤ガス添加流量で、
添加するために、酸化剤ガス供給ライン19に設けられ
た流量弁である酸化剤ガス添加手段5を制御する。この
際に目標弁開度を算出し、実弁開度を検出して、PID
制御を用いて弁開度を制御する。あるいは、H∞制御や
弁開度が制御可能な他の制御手段を用いてもよい。
【0052】このとき、酸化剤ガス供給手段3は、酸化
剤ガスが燃料ガス供給ラインに逆流せずに添加されるべ
く、酸化剤ガス供給ラインの圧力を適宜調節する。
【0053】以上説明したように第一実施形態によれ
ば、燃料電池システムの運転状態として電解質膜温度を
検出して、これから電極被毒除去用酸化剤ガスの添加流
量を調節することができ、酸化剤の供給流量(単位時間
当たりの供給量)に依存する発熱量を制御して、電解質
膜の温度を電解質膜が劣化しない範囲に維持しながら、
電極の被毒を除去することができるという効果がある。
【0054】次に、図面を参照して本発明の第二実施形
態を説明する。図5は、本発明に係る燃料電池システム
の第二実施形態の構成を示すブロック図である。図1に
示した第一実施形態と図5の第二実施形態との構成上の
相違は、第一実施形態の外気温検出手段9,電解質膜温
度検出手段10、及び燃料電池表面温度検出手段17が
削除され、酸化剤ガス添加量と電解質膜温度とに基づい
て酸化剤ガス添加流量を決定する第一実施形態の酸化剤
ガス添加流量決定手段7に代えて、酸化剤ガス添加量と
冷媒出口温度と冷媒流量とに基づいて酸化剤ガス添加流
量を決定する酸化剤ガス添加流量決定手段72が設けら
れていることである。その他の構成要素は、第一実施形
態と同様であるので、同じ構成要素には、同じ符号を付
与して、重複する説明を省略する。
【0055】酸化剤ガス添加流量決定手段72は、冷媒
出口温度検出手段12が検出した燃料電池本体1の冷媒
出口温度と、冷媒流量検出手段13が検出した冷媒流量
と、酸化剤ガス添加量決定手段6が決定した酸化剤ガス
添加量とに基づいて酸化剤ガス添加流量を決定する。
【0056】酸化剤ガス添加制御手段8は、流量弁であ
る酸化剤ガス添加手段5の酸化剤ガス添加流量が酸化剤
ガス添加流量決定手段72の出力に一致するよう、酸化
剤ガス添加手段5を制御する。
【0057】次に、第二実施形態の制御の流れを図2,
図6,図7のフローチャートに基づいて説明する。図2
のS110,S120,S130,S160は第一実施
形態と同様である。
【0058】図2のフローチャートを実施する際には、
並行して図6のフローチャートで表される冷媒温度制御
処理が実行されている。図6のフローチャートを用いて
冷媒温度制御処理の内容を詳細に説明する。
【0059】S210では、冷媒出口温度検出手段12
で燃料電池本体1の冷媒出口から出てくる冷媒の温度で
ある冷媒出口温度を検出する。S220では、冷媒流量
検出手段13で冷媒の流量を検出する。
【0060】S230では、目標冷媒出口温度を設定す
る。燃料電池が最も効率よく発電し、電解質膜が劣化し
ない電解質膜の運転温度を目標冷媒出口温度とする。S
240では、目標冷媒出口温度と、S210で検出した
冷媒出口温度の差を算出する。
【0061】S250では、S240で算出した温度差
に基づいて目標冷媒出口温度になるような目標冷媒流量
を算出する。あらかじめ実験により温度差と冷媒流量の
関係を算出しておき、S240で算出した温度差から目
標冷媒流量を算出する。
【0062】S260では、S220で検出する冷媒流
量が、S250で算出した目標冷媒流量と一致するよう
に、PID制御やH∞制御を用いて流量を制御する。
【0063】図2のフローチャートのS140で表され
る運転状態検出は、S220で冷媒流量を検出し、S2
10で冷媒出口温度を検出することである。
【0064】次いでS220で検出した冷媒流量と、S
210で検出した冷媒出口温度とを用いて、図2のフロ
ーチャートのS150で表される酸化剤ガス添加流量を
決定する処理の流れを図7のフローチャートを用いて説
明する。
【0065】S151では、S210で検出した冷媒出
口温度が所定の範囲内か否かを判定し、範囲内であれば
S152へ、範囲外であればS153へ進む。S152
では、あらかじめ実験により求めておいた図8の冷媒流
量と酸化剤ガス添加流量の関係を用いて酸化剤ガス添加
流量を決定する。
【0066】S153では、冷媒温度が所定の範囲内に
入っていないため、冷媒流量から酸化剤ガス添加流量を
決定せず、あらかじめ実験により求めておいた図9の冷
媒流量と冷媒出口温度と酸化剤ガス添加流量の関係を用
いて酸化剤ガス添加流量を決定する。
【0067】例えば冷媒出口温度が所定の範囲よりも大
きい場合、S250で算出された目標冷媒流量が冷媒流
量制御手段14が実現できる最大冷媒流量を越えてしま
っているため、冷却効果が十分に得られず冷媒温度が上
昇したと考えられるので、あらかじめ算出しておく冷媒
出口温度と冷媒流量と酸化剤ガス添加流量の関係と、そ
のときの冷媒出口温度と冷媒流量から酸化剤ガス添加流
量を調整(この場合は減少)する。
【0068】本実施形態では冷媒出口温度が所定の範囲
となるように冷媒流量を制御し、冷媒流量から酸化剤ガ
ス添加流量を調整したが、冷媒流量が所定の範囲となる
ように冷媒流量を制御し、冷媒出口温度から酸化剤ガス
添加流量を調整してもよい。
【0069】以上説明したように第二実施形態によれ
ば、燃料電池システムの運転状態として冷媒出口温度及
び冷媒流量を検出して、これから電極被毒除去用酸化剤
ガスの添加流量を調節することができ、酸化剤の供給流
量(単位時間当たりの供給量)に依存する発熱量を制御
して、電解質膜の温度を電解質膜が劣化しない範囲に維
持しながら、電極の被毒を除去することができるという
効果がある。
【0070】次に、図面を参照して本発明の第三実施形
態を説明する。図10は、本発明に係る燃料電池システ
ムの第三実施形態の構成を示すブロック図である。図1
に示した第一実施形態と図10の第三実施形態との構成
上の相違は、第一実施形態の外気温検出手段9,電解質
膜温度検出手段10、及び燃料電池表面温度検出手段1
7が削除され、燃料電池本体1に燃料極の水素濃度を検
出する水素濃度検出手段15,同燃料極の酸素濃度を検
出する酸素濃度検出手段(O2 センサ)16が追加さ
れ、また酸化剤ガス添加量と電解質膜温度とに基づいて
酸化剤ガス添加流量を決定する第一実施形態の酸化剤ガ
ス添加流量決定手段7に代えて、酸化剤ガス添加量と水
素濃度と酸素濃度とに基づいて酸化剤ガス添加流量を決
定する酸化剤ガス添加流量決定手段73が設けられてい
ることである。その他の構成要素は、第一実施形態と同
様であるので、同じ構成要素には、同じ符号を付与し
て、重複する説明を省略する。
【0071】酸化剤ガス添加流量決定手段73は、燃料
極の水素濃度を推定する水素濃度検出手段15の出力
と、燃料極の酸素濃度を推定する酸素濃度検出手段16
の出力と酸化剤ガス添加量決定手段6の出力に応じて酸
化剤ガス添加流量を決定する。
【0072】酸化剤ガス添加制御手段8は流量弁である
酸化剤ガス添加手段5の酸化剤ガス添加流量が酸化剤ガ
ス添加流量決定手段73の出力に一致するよう、酸化剤
ガス添加手段5を制御する。
【0073】次に、第三実施形態の制御の流れを図2、
図11のフローチャートに基づいて説明する。図2のS
110,S120,S130,S160は第一実施形態
と同様である。
【0074】図11は、図2のフローチャートのS14
0における運転状態検出処理の詳細な流れを示したフロ
ーチャートである。S144では、燃料極の水素濃度を
以下の手順で検出する。燃料ガス供給手段(改質器)2
の運転状態より、燃料ガス供給手段2から供給される供
給水素量を検出し、燃料ガス供給ライン18に添加した
被毒除去用酸化剤ガスが水素と反応する量から、酸化剤
ガスによって消費された酸化剤消費水素量を算出し、取
り出し電流と燃料電池出力電圧から、電力を発生するた
めに消費された発電水素量を算出し、供給水素量から酸
化剤消費水素量と発電水素量を減算することによって燃
料極の水素量を算出し、燃料極の水素濃度を推定するこ
とができる。
【0075】S145では、燃料極の酸素濃度を以下の
手順で検出する。酸素濃度検出手段16で検出する燃料
電池入口酸素濃度と酸素濃度検出手段16で検出する被
毒除去用酸化剤ガスに含まれる被毒除去用酸素量から供
給酸素量を算出し、S144で検出した燃料ガス供給手
段2から供給される水素量から水素と反応する水素反応
酸素量を算出し、被毒状態検出手段4によって検出され
る電極を被毒している一酸化炭素量の変化量から被毒除
去に消費された被毒除去用消費酸素量を算出し、供給酸
素量から水素反応酸素量と被毒除去用消費酸素量を減算
することによって燃料極の酸素量を算出し、燃料極の酸
素濃度を推定することができる。
【0076】次にS144で検出した水素濃度とS14
5で検出した酸素濃度を用いて、図2のフローチャート
のS150で表される酸化剤ガス添加流量を決定する流
れを図12のフローチャートを用いて説明する。
【0077】水素リッチなガスが存在する燃料極周辺に
酸化剤である酸素を供給するにあたって、酸素濃度に対
する水素濃度が爆発下限値と爆発上限値の間の爆発範囲
に入り、圧力と温度が反応する条件を満たし、点火エネ
ルギーが存在すると、多量の熱を発し水素と酸素が化合
して水となるので爆発範囲に入らないようにする必要が
ある。
【0078】S157では、S144で検出した水素濃
度とS145で検出した酸素濃度から、酸素濃度に対す
る水素濃度が水素の爆発上限値を上回っている場合はS
158に進み、上回っていない場合はS159に進む。
S158では、酸素濃度に対する水素濃度が水素の爆発
上限値を下回らない範囲の酸化剤ガス添加流量を決定す
る。S159では、酸素濃度に対する水素濃度が水素の
爆発上限値を下回り爆発範囲に入っているので、酸化剤
ガス添加流量を最小値に決定する。
【0079】以上説明したように本発明の第三実施形態
によれば、燃料電池システムの運転状態として燃料極に
おける水素濃度及び酸素濃度を検出して、酸素濃度に対
する水素濃度が水素の爆発範囲に入らないように酸化剤
ガス添加流量を調節し、水素爆発による燃料電池の劣化
を防止することができるという効果がある。
【0080】次に、図面を参照して本発明の第四実施形
態を説明する。図13は、本発明に係る燃料電池システ
ムの第四実施形態の構成を示すブロック図である。図1
に示した第一実施形態と図13の第四実施形態との構成
上の相違は、第一実施形態の酸化剤ガス添加流量決定手
段7に代えて、酸化剤ガス流量を決定する酸化剤ガス添
加流量決定手段7’が設けられていることである。その
他の構成要素は、第一実施形態と同様であるので、同じ
構成要素には、同じ符号を付与して、重複する説明を省
略する。
【0081】酸化剤ガス添加流量決定手段7’は、電解
質膜温度である第一の運転状態から第一の酸化剤ガス添
加流量を算出する第一の酸化剤ガス添加流量算出手段7
aと、冷媒温度と冷媒流量からなる第二の運転状態から
第二の酸化剤ガス添加流量を算出する第二の酸化剤ガス
添加流量算出手段7bと、燃料極の水素濃度と酸素濃度
からなる第三の運転状態から第三の酸化剤ガス添加流量
を算出する第三の酸化剤ガス添加流量算出手段7cと、
それぞれの酸化剤ガス添加流量の最小値を選択して酸化
剤ガス添加流量とする酸化剤ガス添加流量比較手段7d
とを備えている。
【0082】酸化剤ガス添加流量比較手段7dは、電解
質膜温度検出手段10の出力と酸化剤ガス添加量決定手
段6の出力から第一の酸化剤ガス添加流量を決定する第
一の酸化剤ガス添加流量決定手段7aの出力と、冷媒出
口温度検出手段12の出力と冷媒流量検出手段13の出
力の少なくとも1つ以上と酸化剤ガス添加量決定手段6
の出力から第二の酸化剤ガス添加流量を決定する第二の
酸化剤ガス添加流量決定手段7bの出力と、燃料極の水
素濃度を推定する水素濃度検出手段15の出力と、燃料
極の酸素濃度を推定する酸素濃度検出手段16の出力と
酸化剤ガス添加量決定手段6の出力から第三の酸化剤ガ
ス添加流量を決定する第三の酸化剤ガス添加流量決定手
段7cの出力のいずれか2つ以上の出力を比較し、最小
値を酸化剤ガス添加流量とする。
【0083】図13では第一の酸化剤ガス添加流量決定
手段7a、第二の酸化剤ガス添加流量決定手段7b、第
三の酸化剤ガス流量決定手段7cを用いた場合を説明し
ているが、少なくとも2つ以上の酸化剤ガス添加流量決
定手段を用いればよい。
【0084】次に第四実施形態の制御の流れを図2,
3,6,11,14のフローチャートに基づいて説明す
る。図2のS110,S120,S130,S160は
第一実施形態と同様である。
【0085】図6(図2と並列に処理される冷媒温度制
御処理),図3,図11は、図2のフローチャートのS
140における運転状態検出処理の詳細な流れを示して
おり、電解質膜温度、冷媒出口温度、冷媒流量、燃料極
周辺水素濃度、燃料極周辺酸素濃度を検出する。
【0086】図14は、図2のフローチャートのS15
0における酸化剤ガス添加流量決定処理の詳細な流れを
示したフローチャートである。S154〜156は第一
実施形態と同様である。S151〜153は第二実施形
態と同様である。S157〜S159は第三実施形態と
同様である。
【0087】S1510では、S151〜S159で決
定された第一の酸化剤ガス添加流量と、第二の酸化剤ガ
ス添加流量と、第三の酸化剤ガス添加流量とから最小値
を求め、この最小値を酸化剤ガス添加流量に決定する。
【0088】以上説明したように本第四実施形態によれ
ば、電解質膜温度からなる第一の運転状態から第一の酸
化剤ガス添加流量を算出し、冷媒温度と冷媒流量からな
る第二の運転状態から第二の酸化剤ガス添加流量を算出
し、水素濃度と酸素濃度からなる第三の運転状態から第
三の酸化剤ガス添加流量を算出し、それぞれの酸化剤ガ
ス添加流量の最小値を選択して酸化剤ガス添加流量とす
ることにより、より確実に被毒除去による発熱で電解質
膜が劣化してしまうのを未然に防ぐことができ、あるい
は、もしくは同時に燃料極周辺の酸素濃度と水素濃度が
爆発範囲に入らないように、酸化剤ガス添加流量を制御
し被毒を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの第一実施形態
の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態共通のフローチャートであ
る。
【図3】電解質膜温度推定処理を説明するフローチャー
トである。
【図4】第一実施形態における酸化剤ガス添加流量決定
処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明に係る燃料電池システムの第二実施形態
の構成を示すブロック図である。
【図6】冷媒温度制御を説明するフローチャートであ
る。
【図7】第二実施形態における酸化剤ガス添加流量決定
処理を説明するフローチャートである。
【図8】第二実施形態における冷媒流量と酸化剤ガス添
加流量の関係を表す図である。
【図9】第二実施形態における冷媒流量と冷媒温度と酸
化剤ガス添加流量の関係を表す図である。
【図10】本発明に係る燃料電池システムの第三実施形
態の構成を示すブロック図である。
【図11】水素濃度、酸素濃度検出処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図12】第三実施形態における酸化剤ガス添加流量決
定処理を説明するフローチャートである。
【図13】本発明に係る燃料電池システムの第四実施形
態の構成を示すブロック図である。
【図14】第四実施形態における酸化剤ガス添加量決定
処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…燃料電池本体 2…燃料ガス供給手段 3…酸化剤ガス供給手段 4…被毒状態検出手段 5…酸化剤ガス添加手段 6…酸化剤ガス添加量決定手段 7…酸化剤ガス添加流量決定手段 8…酸化剤ガス添加制御手段 9…外気温検出手段 10…電解質膜温度検出手段 11…冷媒流路 12…冷媒出口温度検出手段 13…冷媒流量検出手段 14…冷媒流量制御手段 17…燃料電池表面温度検出手段 18…燃料ガス供給ライン 19…酸化剤ガス供給ライン 20…熱交換手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料極および酸化剤極にそれぞれ燃料ガ
    スおよび酸化剤ガスの供給を受けて電力を発生する燃料
    電池本体と、 該燃料電池本体に設けられた冷媒流路に流す冷媒の流量
    を制御する冷媒流量制御手段と、 前記燃料電池本体の被毒状態の程度を測定あるいは推定
    する被毒状態検出手段と、 燃料極に供給する前記燃料ガスに前記酸化剤ガスを添加
    する酸化剤ガス添加手段と、 前記被毒状態検出手段が検出した前記被毒状態に基づい
    て、前記酸化剤ガス添加手段で添加する酸化剤ガスの添
    加量を決定する酸化剤ガス添加量決定手段と、 前記酸化剤ガス添加手段が酸化剤ガスを燃料ガスに添加
    する添加量を前記酸化剤ガス添加量決定手段で決定した
    添加量となるように制御する酸化剤ガス添加制御手段
    と、 燃料電池システムの運転状態を検出する運転状態検出手
    段と、 前記運転状態に基づいて酸化剤ガスの添加流量を決定す
    る酸化剤ガス添加流量決定手段と、 を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 前記運転状態検出手段は、前記冷媒の温
    度を検出する冷媒温度検出手段と、前記冷媒の流量を検
    出する冷媒流量検出手段との少なくとも一方であり、 前記運転状態は、前記冷媒温度と、前記冷媒流量との少
    なくとも一方であることを特徴とする請求項1記載の燃
    料電池システム。
  3. 【請求項3】 前記運転状態検出手段は、前記燃料極に
    おける水素濃度を検出する水素濃度検出手段と、前記燃
    料極における酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段とで
    あり、 前記運転状態は、前記水素濃度と前記酸素濃度であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 前記運転状態検出手段は、前記燃料電池
    本体の電解質膜の温度を推定あるいは検出する電解質膜
    温度検出手段を備え、 前記運転状態は、前記電解質膜温度であることを特徴と
    する請求項1記載の燃料電池システム。
  5. 【請求項5】 前記燃料電池本体の冷媒出口における冷
    媒温度である冷媒出口温度を検出する冷媒出口温度検出
    手段を備え、 前記電解質膜温度検出手段は、前記冷媒出口温度に基づ
    いて前記電解質膜温度を推定することを特徴とする請求
    項4記載の燃料電池システム。
  6. 【請求項6】 外気の温度を検出する外気温検出手段を
    備え、 前記電解質膜温度検出手段は、前記冷媒出口温度と前記
    外気温に基づいて前記電解質膜温度を推定することを特
    徴とする請求項5記載の燃料電池システム。
  7. 【請求項7】 前記燃料電池本体の表面温度を検出する
    燃料電池表面温度検出手段を備え、 前記電解質膜温度検出手段は、前記燃料電池表面温度に
    基づいて前記電解質膜温度を推定することを特徴とする
    請求項4記載の燃料電池システム。
  8. 【請求項8】 外気の温度を検出する外気温検出手段を
    備え、 前記電解質膜温度検出手段は、前記燃料電池表面温度と
    前記外気温とに基づいて前記電解質膜温度を推定するこ
    とを特徴とする請求項7記載の燃料電池システム。
  9. 【請求項9】 前記酸化剤ガス添加流量決定手段は、 前記燃料電池本体の電解質膜温度である第一の運転状態
    から第一の酸化剤ガス添加流量を算出する第一の酸化剤
    ガス添加流量算出手段と、 前記冷媒の温度と前記冷媒流量からなる第二の運転状態
    から第二の酸化剤ガス添加流量を算出する第二の酸化剤
    ガス添加流量算出手段と、 前記燃料極における水素濃度と前記燃料極における酸素
    濃度からなる第三の運転状態から第三の酸化剤ガス添加
    流量を算出する第三の酸化剤ガス添加流量算出手段の少
    なくとも2つ以上を備え、 それぞれの酸化剤ガス添加流量の最小値を選択して酸化
    剤ガス添加流量とする酸化剤ガス添加流量比較手段を備
    えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システ
    ム。
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