JP2003098426A - 撮影レンズ、その撮影レンズを用いたカメラ及びそのカメラにおける絞り - Google Patents

撮影レンズ、その撮影レンズを用いたカメラ及びそのカメラにおける絞り

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JP2003098426A
JP2003098426A JP2001287598A JP2001287598A JP2003098426A JP 2003098426 A JP2003098426 A JP 2003098426A JP 2001287598 A JP2001287598 A JP 2001287598A JP 2001287598 A JP2001287598 A JP 2001287598A JP 2003098426 A JP2003098426 A JP 2003098426A
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lens
camera
light
light source
transmission characteristic
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Application number
JP2001287598A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Fukuda
弘之 福田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数焦点光学系を用いても画質劣化を抑え、高
密度なバーコードの読み取り機能としても充分な性能を
安価に実現すること。 【解決手段】カメラの撮影レンズ10を、所定の分光透
過特性を有する第1のレンズ部10Aと、当該所定の分
光透過特性とは実質的に異なる分光透過特性を有する第
2のレンズ部10Bとを有してなり、且つ、上記第1の
レンズ部10A及び上記第2のレンズ部10Bの何れか
一方が、照明用の光源14によって照明された被写体か
らの反射光のみを透過するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常のカメラとし
ての遠点撮影と高密度バーコード等の読み取り用の近点
撮影とを可能とする撮影レンズ、及び、そのような撮影
レンズを用いたカメラ、並びに、そのカメラにおける絞
りに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バーコードの利用範囲が飛躍的に
広がってきており、例えば、米国では、商品広告のペー
ジにバーコードを印刷した雑誌等の出版物が発行される
ようになってきている。この広告ページのバーコード
は、インターネット上の情報のアドレス即ちURLを数
値化したものであり、スキャナで当該バーコードを読み
取ることで、URLと数値の関連を記録したデータベー
スへそのバーコードより読み取った数値を送信し、その
データベースでURLを取得して、そのアドレスに接続
することでインターネット上の広告ページに簡単にアク
セスできるようになっている。
【0003】このような用途以外にも、バーコードは多
方面で利用されていることはいうまでもないが、このバ
ーコードの読取装置自体は高価であったり、操作性が良
くないといった理由から、あまり普及していないのが現
実である。
【0004】現在、製品化されているバーコードスキャ
ナにおいては、装置の構造を簡単にし、操作の繁雑さを
無くすために、光学系のピント,絞り,焦点距離等を変
えないで用いるものが主流となっている。そのため、最
低必要な遠点物点と近点物点が観察できるように、明る
さ絞りを予め絞ってかなりの被写界深度を確保し、実用
となるようにしている。しかしながら、明るさと被写界
深度とは相反する関係にあり、今以上の深度を得ようと
すると明るさが減少し、逆に明るさを増せば深度が不足
となるという問題がある。
【0005】また、従来から要求があり、近年も要望の
高い2次元バーコードや特開平6−231466号公報
に記載のドットコード等の高密度バーコードの読み取り
を実現するため、更なる近接撮像を実現する一方で、無
限遠物点にも焦点が合わせられる機能との複合等、新た
な技術的進展が望まれている。
【0006】つまり、バーコードの読み取り機能だけで
なく、カメラとしての機能も合わせたものとしても商品
開発がなされているが、そのカメラとしては無限遠にま
でピントが合わせられ、コード読み取りスキャナとして
はかなりの近点にピントを合わせて高倍率に撮像ができ
るようになっていることが必要である。
【0007】この場合、価格を上げずに被写界深度を増
大させるために複数焦点光学系の利用が考えられるが、
それにより撮像された画像にフィルタ処理を施す等の画
像処理技術を利用しても、カメラ機能としての画質の面
ではより高いレベルが望まれ、コスト的に上昇してしま
う傾向にある。
【0008】一方、バーコード撮像系の構造と似たもの
として、自己照明を用いている内視鏡がある。この分野
でも過去に複数焦点光学系の採用が検討されており、こ
こでその内容について簡単に説明する。
【0009】即ち、内視鏡においても被写体の明るさと
撮像可能範囲の問題が存在している。これを解決する手
段として、本発明と同一出願人による特公平7−119
893号公報の提案の方法が提案されている。周知のよ
うに、内視鏡は、自己照明を用いて被写体像即ち胃や腸
といった内臓の内部の画像を得ている。被写界深度とし
ては、遠点側は高々数十センチメートルであるが、内臓
の病変部を極力近接して高倍率で観察しようとすること
から近点側の被写界深度を確保するような工夫がなされ
ている。この時、自己照明下なので観察距離が近くなれ
ばなるほど被写体像が明るくなる。そこで、光源の光量
を調整するのではなく対物レンズの絞り径を入射光量に
応じて調整して適正な明るさを得ようという所謂オート
アイリス方式を用いれば、近接物体観察時には絞りが絞
られて被写界深度が増すため、オートアイリスの無いも
のに比べより近接物体に対してもピントの合った像が得
られるという利点がある。実際には、絞り径を連続的に
変化させるような機構を内視鏡先端に組み込むのが難し
いため、二段とか三段程度の絞り径の変更を不連続に行
うことになる。
【0010】このようなオートアイリスを適用したカメ
ラは、図4の(A)に示すように、可変絞り1の後方に
結像レンズ2と固体撮像素子3を配置して成るものであ
る。また、同図の(B)は、上記可変絞り1を取り出し
て示す図であり、該可変絞り1の部分(イ)は常時黒
で、部分(ハ)は常時透明である。そして、部分(ロ)
は透明か黒の状態となり、この部分が可変絞り作用を行
う部分となる。
【0011】図4の(C)は、上記可変絞り1の開放状
態(I)と絞り込み状態(II)を示す図である。また、
図4の(D)は、オートアイリスの動作時のFナンバー
と被写界深度との関係をグラフに示した図である。オー
トアイリスの無いものでは、開放状態(I)での深度し
か得られない。これに対して、オートアイリスの有るも
のでは、物体に近接した時には被写体が明るく照明され
るので、これが適切な光量になるよう絞りが絞られて、
絞込み状態(II)になり、その結果深度が増し、遠点側
から近点側にかけての観察範囲が広がっている。
【0012】しかしながら、絞りが絞られるのは近接物
体の観察時であるので、遠点側の深度が伸びても何ら利
点は生せず、また、近点側の深度の延びΔは全く不十分
なものであるので、実用観察範囲が飛躍的に伸びたとは
言い難い。そこで、遠点側に伸びた深度を無駄にしない
ように、絞り込むと同時にピントの位置を近点に合わせ
ることにより実用観察範囲を飛躍的に広げることが考え
られた。
【0013】その場合の移動については、従来より幾つ
かの方式が考案されてきている。例えば、図4の(E)
に示したように、結像レンズ2の位置を変える方式であ
る。これは、電磁力を用いて結像レンズ2を駆動した
り、圧電素子を用いたりする方式である。或いは、固体
撮像素子3を移動したりする方式についても、同様に考
えられてきた。
【0014】しかしながら、装置の小型化が求められる
ような状態で、装置中にそれら機構を収めることは難し
く、また、駆動部を持つものは、信頼性が低いという欠
点もある。
【0015】そこで、小型筐体の中に収納するのが容易
で信頼性も高く、実用的な明るさを確保しつつも広い実
用的観察範囲を確保でき、又は従来並の実用的観察範囲
を確保しつつも従来よりも明るい像が得られるようにし
た光学系を提供するために、レンズ面内の位置に応じて
焦点距離が変化する複数焦点レンズの利用が考え出され
たのである。
【0016】開口の形状が可変である絞りとレンズとを
備えた光学系で、絞り位置近傍に配置されたレンズはそ
のレンズ面内の位置に応じて焦点距離が変化する複数焦
点レンズであり、つまり、瞳を同芯状に分割して夫々異
なる焦点距離とし、その分割領域と連動するように絞り
形状を変化させることによりピント位置を変化させ、オ
ートアイリス機構と連動しつつ、レンズ,受光面の位置
を変えることなく焦点位置が変えられるようにしたもの
である。
【0017】またここで、高密度バーコードの読み取り
に関して従来の方法について簡単に説明する。
【0018】非常に高密度のバーコードの読み取り方法
としては、高倍率の光学ユニットを利用してバーコード
と読取装置を近接させて読み取る方法が用いられてい
る。
【0019】図4の(F)は、バーコードやドットコー
ドに近接して読み取る読取装置の先端部の構造例を示す
図である。
【0020】記録媒体に印刷されたバーコードやドット
コードは、LEDで構成される光源4からの照明光を反
射し、鏡枠5により保持されたレンズ6で受光面に結像
され、同じ鏡枠5により上記受光面に保持されたエリア
センサ7で画像信号として取り込まれる。
【0021】この読取装置の場合、外装部材が完全に覆
っているために外光は影響しない。つまり、撮像される
視野内は光源4の光が直接あたっているかまたは光反射
部材8によって間接的に照明されていることになる。
【0022】電気信号として取り込まれた後の処理につ
いては説明を省略する。
【0023】このようなバーコード読取装置において、
複数焦点光学系を利用する例としては、特許第3056
590号公報記載の方法が知られている。光学系の構成
としては前述した内視鏡の例と同様なものであるが、更
に、複数焦点光学系で撮像された画像信号にハイパスフ
ィルタを作用させることで性能を改善する方法が開示さ
れている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た内視鏡の例のようにオートアイリスを利用して絞り径
を変化させることで多焦点光学系の焦点距離を変化させ
るという従来の方式の場合、機械的に絞り径を変化させ
る機構や液晶絞りの利用が必要となり、コストが上昇し
てしまうだけでなく、消費電力の増大、全体形状の大き
さの増大という欠点をも有していた。
【0025】また、特許第3056590号公報記載の
方法のように画質改善のためのハイパスフィルタ等を作
用させる場合は、画像処理部を必要とするので回路的に
大きくなるといった不具合を有していた。
【0026】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
で、複数焦点光学系を用いても画質劣化を抑え、高密度
なバーコードの読み取り機能としても充分な性能を安価
に実現することが可能な撮影レンズ、その撮影レンズを
用いたカメラ及びそのカメラにおける絞りを提供するこ
とを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明によるカメラの撮影レンズは、所定の分光
透過特性を有する第1のレンズ部と、当該所定の分光透
過特性とは実質的に異なる分光透過特性を有する第2の
レンズ部と、を有してなることを特徴とする。
【0028】即ち、本発明のカメラの撮影レンズによれ
ば、入射する光の分光特性によって異なる光学特性を1
つの光学ユニットで実現することができる。
【0029】また、本発明によるカメラは、被写体を照
明するための照明用光源と、上記照明用光源によって照
明された被写体からの反射光を所定の受光面に結像させ
る撮影レンズとを具備したカメラであって、上記撮影レ
ンズは、所定の分光透過特性を有する第1のレンズ部
と、当該所定の分光透過特性とは実質的に異なる分光透
過特性を有する第2のレンズ部とを有してなり、且つ、
上記第1のレンズ部及び上記第2のレンズ部の何れか一
方が、上記照明用光源によって照明された被写体からの
反射光のみを透過するように構成されたことを特徴とす
る。
【0030】即ち、本発明のカメラによれば、透過特性
と照明の放射特性とを最適に組み合わせることで照明用
光源の制御によって異なる被写体に焦点を合わせられる
ようになる。
【0031】また、本発明によるカメラにおける絞り
は、被写体を照明するための照明用光源と、上記照明用
光源によって照明された被写体からの反射光を所定の受
光面に結像させる撮影レンズとを具備したカメラにおけ
る絞りであって、上記撮影レンズが、所定の分光透過特
性を有する第1のレンズ部と、当該所定の分光透過特性
とは実質的に異なる分光透過特性を有する第2のレンズ
部とを有してなるレンズであり、上記第1のレンズ部及
び上記第2のレンズ部の何れか一方の分光透過特性が、
上記照明用光源の分光放射特性と重なるとき、上記照明
用光源に対する照明の点灯有無によって、上記レンズを
透過する光束の量を調整することを特徴とする。
【0032】即ち、本発明のカメラにおける絞りによれ
ば、透過特性と照明の放射特性とを最適に組み合わせる
ことで照明用光源の制御によって異なる被写体に焦点を
合わせられるようなカメラが実現できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0034】[第1の実施の形態]図1の(A)は本発
明の第1の実施の形態に係る撮影レンズを用いたカメラ
の構成を示す図であり、このカメラは、通常のカメラ機
能と、自己照明を用いた高密度バーコードの読取装置の
機能とを備えるものである。
【0035】即ち、このカメラにおいては、光学部材1
1とレンズ12とから構成された撮影レンズの結像面
に、エリアセンサ13の受光面13Aが配置されてい
る。ここで、上記光学部材11は、詳細は後述するよう
に、LED等の光源14と協働して絞りを構成する。ま
た、上記光学部材11及びレンズ12と、上記エリアセ
ンサ13とは、鏡枠15により保持されている。
【0036】例えば、図1の(B)に示すように、光学
部材11の中心部11Aが赤外線のみを透過し、その外
側の部分11Bが可視光のみを透過するよう構成した場
合、光源14として赤外線の照明を用いた観察では、同
図の左側にハッチングを付して示す状態のように、該光
学部材11は絞り込まれた光学系として作用し、被写界
深度の深い画像を得ることが可能となる。一方、自然光
状態での撮像において、同図の右側にハッチングして示
すように、外側の部分11Bが可視光線のみを透過する
ので、その絞りは実質的にF値が小さい絞りとなってい
て明るい像が得られる。このように、光学部材11と光
源14とを協働させることにより、機械的に動作する部
分をまったく持たずに実質的にF値を切り替えることが
可能な光学系を実現することができる。
【0037】なお、特に図示はしていないが、上記エリ
アセンサ13の後段には処理部が設けられており、この
処理部において、上記エリアセンサ13で得られた画像
を処理して、記録媒体に記録したり不図示モニタに表示
したりすることを行うことで、通常のカメラとして機能
し、また、上記エリアセンサ13で得られた画像を処理
して、高密度バーコードのデコードを行うことでバーコ
ードの読取装置として機能することができる。ここで、
本実施の形態のカメラは、上記処理部における処理の切
り替え用に機械的なスイッチ等を有してはおらず、上記
エリアセンサ13で読み取られた画像の中からバーコー
ド信号が検出されたときに、自動的にバーコード読取装
置としての処理を実行するようなアルゴリズムを処理部
が備えるものである。勿論、機械的なスイッチ等により
カメラ機能とバーコード読取機能とを切り替えるように
しても良いことは言うまでも無い。
【0038】このような構成のカメラにおいては、一般
的な画像を撮像している時には、図1の(C)に示すよ
うに、無限遠からの光路は撮影レンズ10の周辺部を通
ってエリアセンサ13の受光面13A上に結像する。
【0039】即ち、上記レンズ12は2焦点レンズであ
って、その中心部付近は近点に焦点が合うようになって
おり、それと同芯状で外側の部分は無限遠まで撮像可能
な遠点に焦点が合わせられるように構成されている。そ
して、このレンズ12の光学的に絞りの位置に相当する
場所に配置された光学部材11と該レンズ12との関係
は、部分(ハ)を通った光はレンズの近点用の部分に入
射し、部分(ロ)を通った光はレンズの遠点用の部分に
入射するようになっている。
【0040】この図1の(C)に示す状態(I)は、通
常の遠点撮像状態対物レンズ系と同じ焦点距離とFナン
バーを有し、被写界深度も同様の値となっている。この
状態(I)は自然光下での撮影を想定しているので、被
写体は太陽光や図示しないストロボ等で照明されている
ことになる。
【0041】ここで、光学的に絞りの位置に相当する場
所に配置された上記光学部材11は、部分(ロ)は可視
光を透過し赤外光を遮蔽するように構成され、部分
(ハ)が赤外光を透過し可視光を遮蔽するように構成さ
れている。なお、部分(イ)は、遮光部であり、フレア
絞りを構成する。
【0042】従って、この状態(I)では、部分(ロ)
のみが可視光を透過する状態になっているので、この部
分を通った光線束がレンズ12の周辺部の焦点距離fの
長い部分を通ってエリアセンサ13の受光面13A上に
結像している。
【0043】一方、図1の(D)に示す状態(II)は、
バーコード撮像用の近点撮像状態対物レンズ系であり、
被写体が赤外線発光タイプのLEDである光源14によ
り照明された状態である。なお、バーコード(図示せ
ず)には、図1の(A)のような外装によって光源14
からの光以外は殆ど届いていない状態であることが好ま
しい。この時、光学部材11の部分(ハ)が照明光の赤
外光を透過するようになっており且つ上記状態(I)で
透過領域であった部分(ロ)は被写体からの反射光であ
る赤外光を透過しなくなっているので、レンズ12の近
点用の部分に入射した光、つまりバーコード(の記録さ
れた不図示媒体)からの反射光だけがエリアセンサ13
の受光面13A上に結像することになる。
【0044】而して、上記状態(I)を示す図1の
(C)において、図中網点を付して示す部分が遠点状態
からの光線が撮影レンズ10を透過する部分を示してお
り、この部分が本発明でいう第1のレンズ部10Aに相
当する。一方、上記状態(II)を示す図1の(D)にお
いて、図中網点を付して示す部分が近点からの光線が撮
影レンズ10を通過する部分であり、これが第2のレン
ズ部10Bを構成する。
【0045】一般的に、近点にピントを合わせた場合被
写界深度は狭くなる方向であるので、上記部分(ロ)の
面積に比べて上記部分(ハ)の面積の方を十分小さく設
定できるように上記状態(II)における光量を十分なも
のにするように光源14を設定している。つまり、近接
による照明効率の向上を考慮して、結果として絞り込ん
だ状態となっているのでFナンバーが大きくなり、焦点
位置が近点になると同時にFナンバーが大きくなって深
度が深くなり、近接物体をより深い深度で観察できる。
【0046】ここで、上記光学部材11の分光透過率特
性を図2の(A)で説明する。
【0047】上記部分(ロ)の分光透過率特性は(a)
のようになっている。即ち、実質的に可視光のみを透過
するものである。これに対して、上記部分(ハ)の分光
透過率特性は(b)のようになっている。即ち、実質的
に赤外光のみを透過するものである。このとき、光源1
4の放射する光の波長を分光透過率特性(b)が含んで
いることになる(分光透過率特性(b)は光源14の分
光放射特性と重なっている)。
【0048】なお、上記光学部材11は、図1の(A)
(及び図1の(C),(D))では、厚みを持った透明
の平行平面板に上記のような分光透過率特性を持つよう
にコーティングを施して構成されている。この場合、コ
ーティング面はレンズ12の焦点距離の変化する部分と
対応を付けるため、できるだけレンズ12に近いことが
好ましい。
【0049】更に望ましい例としては、図2の(B)に
示すように、レンズに直接コーティングすることで撮影
レンズ10を構成しても良い。即ち、撮影レンズ10の
中心側で短い焦点距離に対応する曲率部には、図2の
(A)における(b)の分光透過率特性で赤外光を透過
するようなフィルタ16Bをコーティングにより形成
し、周辺部の焦点距離が長い曲率部では、図2の(A)
における(a)のように可視光を透過する分光透過率特
性を持ったフィルタ16Aをコーティングにより形成す
るものである。
【0050】即ち、図2の(B)は、単玉の撮影レンズ
10による対物レンズの例であるが、周辺部を構成する
第1のレンズ部10Aと中心の近点撮影用の第2のレン
ズ部10Bにおいて、これらが夫々開口がほぼ瞳面に相
当するということから、両者の瞳も概ね一致するという
ことになる。従って、夫々が瞳面によって図2の(A)
における(a)と(b)で表されるような分光透過率特
性に分けられていることになる。
【0051】次に、光源14とバーコードの記録されて
いる記録媒体との組み合わせの例について各ユニットで
の分光的状態を図2の(C)を用いて説明する。
【0052】光源14から放射される光が4種類の波長
λ1、λ2、λ3、λ4から構成されているとする。こ
のときの波長は、λ1<λ2<λ3<λ4となってい
て、波長λ1及びλ2が可視光であり、波長λ3及びλ
4が赤外光であると仮定する。
【0053】このような光源14からの光がバーコード
の記録された媒体17に照射され、バーコードの黒線部
(画線部)で全てが吸収され、非画線部(媒体17の地
の部分)では波長λ1の光のみが吸収されたとする。こ
れにより、非画線部からの波長λ2、λ3、λ4の反射
光が光学部材11に入射し、可視光である波長λ2以外
の光が透過する。この結果、エリアセンサ13に入射し
た光は波長λ3及びλ4になる。エリアセンサ13は、
分光感度的にλ3以下の波長の光にだけ感度があるとす
ると、結果として波長λ3の光だけで結像したのと同様
な信号出力が得られる。
【0054】この波長λ3のように最終的にエリアセン
サ13の出力として利用される光の波長が一般被写体の
撮像に殆ど影響の無い波長であれば良い。
【0055】また、上記波長λ3が仮に可視光であって
も、その帯域(含まれる波長の幅)が非常に狭い場合で
あれば、ほぼ同様な効果が得られる。
【0056】例えば、図2の(B)に示すようなレンズ
面にフィルタのコーティングされた撮影レンズ10を例
にして説明する。この場合、近点用のフィルタ16Bの
フィルタ透過特性が、赤色の660nmの波長で半値幅
が10nm未満の光だけを透過するような特性であると
すると、光源14のLEDにも660nmの波長のデバ
イスを利用することで、LED照明下で観察する近点撮
像ではフィルタ16Bの部分を通った光に関しては問題
がない。ここで、遠点用フィルタ16Aのフィルタ透過
特性が可視光をほとんど透過し660nmの波長だけを
通さないようになっていれば、近点撮像時にはシャープ
な像が得られることになる。一方、遠点撮像時は、一般
被写体からの可視光全体にわたる帯域の光に対してフィ
ルタ16B部を透過してきた660nm近傍の波長の光
だけがノイズとして画質を劣化させることになる。今、
近点用の開口の比率が開口全体の10%程度だとする
と、瞳に入射する可視光の全ての波長の90%がフィル
タ16A部を通ってエリアセンサ13に結像する。この
時、フィルタ16A部を通って結像に寄与しなかった1
0%の光のうち、660nm近辺の光を除いた殆どの成
分に対しては吸収または反射されエリアセンサ13に入
射しないが、660nm近傍の光だけがエリアセンサ1
3に非結像光として入射し、これが例えばフレア等の要
因となる。だが、このエネルギー量は全体からみると僅
かであり、画質への影響は無視できるレベルの軽微なも
のとなる。
【0057】更に、フィルタ16A部の分光透過特性と
して、図2の(D)に(a)で示すように、完全に可視
光を透過するようなものとした場合は、遠点側の撮像に
関しては上述したように良好な画像が得られ、近点撮像
時には、660nmの光が図2の(D)に(b)で示す
ようなフィルタ特性を持つフィルタ16B部を通って結
像することは変わりが無いが、上記フィルタ16A部も
透過してしまうためにその光がエリアセンサ13に入射
することになる。但し、撮影レンズ10のフィルタ16
A部とフィルタ16B部の焦点距離が十分に離れている
場合には、近点からの反射光のうちフィルタ16A部を
透過した光は殆ど結像せずにフレアとなる。これは一般
的に画質は悪くなるのだが、近点撮像の目的であるバー
コードの読み取りに関しては、その画像を2値化閾値に
よって2値化することで読み取るので、その2値化閾値
を変えるだけで性能への影響は殆ど発生しないのであ
る。
【0058】つまり、フィルタ16A部のフィルタ特性
としては特殊な波長カット特性を持たせなくても良いの
でコストを抑えられるという利点があり、バーコードの
画像がフィルタ16A部からの光によってコントラスト
が低下した状態で読み取られることになるが、そもそも
バーコードは2値化することが前提であるため影響は殆
ど無い。
【0059】[第2の実施の形態]上記第1の実施の形
態は、複数焦点レンズ系が光軸に対して対称な焦点距離
が段階的に変化する領域を有する多段焦点レンズであ
り、その多段焦点レンズの中心側の領域が周辺側の領域
より収束作用が強くなっている場合について説明した
が、その逆、つまり、レンズの周辺部を短い焦点距離と
することでも同様の効果が得られる。
【0060】レンズは、設計的には周辺部を通る光線ほ
ど収差が大きくなる傾向であり、従ってレンズの結像性
能として焦点距離の長いタイプのレンズと短いタイプの
レンズから得られる画像のどちらの画質を重視するかで
中心部に配置するレンズのタイプを決定することにな
る。
【0061】即ち、図3の(A)に示すように、中心部
18がC18の位置を中心とするような曲率で、焦点距離
の長いレンズとなっていて、周辺部19がC19の位置を
中心とする曲率の焦点距離が短いレンズとなっている場
合、長焦点側の画質を重視した設計ということになる。
また、図からも分かるように、曲率の変化する点での変
化が少ないので、加工がし易くできるという利点もあ
る。
【0062】また、このようなレンズの場合も、図3の
(B)に示すように、レンズ面にフィルタを直接コーテ
ィングすることで、撮影レンズ10を構成することがよ
り好ましい。
【0063】[第3の実施の形態]上記第1の実施の形
態では、照明用の光源14の分光放射特性に対するバー
コードの吸収のみを扱ってきたが、バーコードの画線部
に利用するインキの特性が蛍光を発するものの場合でも
同様の効果が得られる。
【0064】即ち、図3の(C)に示すように、光源1
4の波長はλ1、λ2で構成され、バーコードに照射さ
れた上記波長のうち、画線部のインキが波長λ1の光を
吸収して赤外光(波長λ3、λ4)を発するような特性
を持っていた場合、媒体17からの反射光及び放射光
は、画線部は波長λ2、λ3、λ4となり、非画線部は
波長λ2だけとなる。これらは、光学部材11で波長λ
3、λ4だけが透過されて画線部からだけの光がエリア
センサ13に到達し、前述したエリアセンサ13の分光
感度特性によって波長λ3の光に関する信号が出力され
る。
【0065】バーコードに外光が当たらないように外装
を構成することで、エリアセンサ13に到達する光は画
線部からだけのものとすることができ、光学設計的には
軸外光の収差の影響を少なく出来たり、視野外光による
フレアの影響を少なく出来るなどのメリットがある。
【0066】[第4の実施の形態]本第4の実施の形態
は、複数の光学系によりレンズ倍率の異なる光学系の画
像取り込みを一つのセンサで実現できるようにしたもの
である。
【0067】これを、図3の(D)に示すような、バー
コード読み取り機能付きカメラを例にして説明する。
【0068】二眼式で、遠点のカメラ撮像用のレンズ1
0A’と近点のバーコード撮像用のレンズ10B’を持
つ場合、夫々にエリアセンサを別に用いるのではなく、
一つのエリアセンサを利用するものである。
【0069】図3の(D)では、レンズ10A’は遠点
撮像用の長焦点距離レンズであり、可視光を透過し且つ
赤外光をカットするようなコーティングがなされたレン
ズである。また、レンズ10B’はバーコード読み取り
用の短焦点距離であり、バーコード読み取り面17Aに
ピントが合うようになっており、赤外放射LEDでなる
光源14によってバーコードを照明した場合に、その反
射光の赤外線を透過し且つ可視光を透過しないようなコ
ーティングがなされている。
【0070】これら二つのレンズ10A’,10B’
は、一つの鏡枠15に取り付けられており、エリアセン
サを共有している。つまり、何れも受光面13Aで図示
しない同一のエリアセンサで画像信号に変換されるよう
に構成してある。即ち、上記レンズ10A’の結像面に
おける光軸とレンズ10B’の結像面における光軸とを
略一致させている。
【0071】このバーコード読み取り機能付きカメラの
場合、一つのハウジングに上記機能を組み込むことで、
遠方撮像時には上側の光学系(レンズ10A’)を用
い、コード読み取り時には下向きの光学系(レンズ10
B’)が用いられる。この時、下向きの被写体面(バー
コード読み取り面17A)とレンズ面と受光面13Aは
アオリ撮影の原理を用いている。即ち、上記3つの面が
1点20で交差するように配置してある。こうすること
で、被写体面の何れの場所にもピントが合った画像を得
ることができる。
【0072】[第5の実施の形態]次に、光源の無い場
合でも、前述の第1の実施の形態と同様な効果が得られ
る例について、図3の(E)を用いて説明する。
【0073】本実施の形態においては、撮影レンズ10
は、中心部の近点用領域に、可視光の一部である赤色光
のみを通すフィルタ20Rがコーティングされており、
周辺部の遠点用領域に、青色光を透過するようなフィル
タ20Bがコーティングされているものとする。
【0074】このとき、物点21には青色の光を発する
物体が配置されており、物点22には赤色光を発するバ
ーコードが配置されているものとする。
【0075】この場合は、物点21の画像は撮影レンズ
10の遠点用領域で受光面13Aに結像する。また、近
点の物点22の画像はレンズ10の中心よりの近点用領
域によって受光面13Aに結像される。
【0076】上記2物点以外からの光が無いとすると、
何れの場合も物点からの光のみを結像するのでボケやフ
レアの影響が無い。これは発光タイプの物点だけでなく
ても構わない。
【0077】例えば、黒色の紙に青、赤の反射特性を持
ったペンで書かれた画像であっても同様である。
【0078】これは、特定の距離に存在する物体の分光
反射率特性が既知である場合、レンズの移動等のフォー
カシング機能が無くてもその両者にピントを合わせるこ
とができるようになるのである。
【0079】以上実施の形態に基づいて本発明を説明し
たが、本発明は上述した実施の形態に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可
能なことは勿論である。
【0080】撮影レンズ10は、非球面レンズである
と、収差的にさらに有利である。
【0081】また、レンズ作用のある凹面鏡やその他屈
折率分布型素材(例えば、セルフォックレンズ(商品
名))、回折を利用するような所謂フレネルレンズでも
構わない。
【0082】更に、鏡の場合には、「レンズの分光透過
特性」ではなく、「鏡の分光反射特性」と置き換えても
まったく同様である。
【0083】ここで、本発明の要旨をまとめると以下の
ようになる。
【0084】(1) カメラの撮影レンズにおいて、所
定の分光透過特性を有する第1のレンズ部と、当該所定
の分光透過特性とは実質的に異なる分光透過特性を有す
る第2のレンズ部と、を有してなることを特徴とするカ
メラの撮影レンズ。
【0085】即ち、入射する光の分光特性によって異な
る光学特性を1つの光学ユニットで実現することができ
る。
【0086】(2) 上記第1のレンズ部と上記第2の
レンズ部とを同芯状に配置したことを特徴とする(1)
に記載のカメラの撮影レンズ。
【0087】即ち、レンズの上記異なる特性の領域毎に
光線の入射光の方向や角度によってその性能が大きく異
なることがなく安定した性能を示すようにできる。例え
ば、レンズの上下で半分づつの領域で結像性能が異なる
ような非同芯状の2重焦点レンズの場合だと、レンズの
絞りの前側で特性を異ならせた場合には上半分の領域の
特性は光軸より上側から入射した光に対して比較的良好
な結像性能となり、下側から入射した光の一部はケラレ
るといったことになり不具合を生じ易い。従って、画角
の広いレンズで2重焦点を実現する場合の領域の分割は
同芯状であることが望ましい。
【0088】(3) 上記第1のレンズ部と上記第2の
レンズ部との焦点距離を互いに異ならせたことを特徴と
する(1)又は(2)に記載のカメラの撮影レンズ。
【0089】即ち、透過する光線の分光特性によって焦
点位置を変化させられるような光学系が実現できる。例
えば、ある特定の距離に存在する物体の分光反射率特性
が既知である場合、その物体のみを鮮明に結像させるこ
とができるようになる。
【0090】(4) 上記第1のレンズ部と上記第2の
レンズ部とを実質的に同一の瞳面を有する位置に配置し
たことを特徴とする(1)、(2)又は(3)に記載の
カメラの撮影レンズ。
【0091】即ち、実質的に同一な位置に明るさ絞りを
配置することが可能となり、その絞り面に分光透過特性
の異なる領域及び焦点距離の異なる面を配置させること
ができる。
【0092】例えば、図1の(C)及び(D)の構成の
ようにレンズ12が単玉の場合、レンズの開口が瞳に相
当するので実質的にレンズの瞳に相当する位置まで近接
させた光学部材11において分光透過率特性を異ならせ
ることで所謂瞳分割が行え、コンパクトな構成とするこ
とが可能となる。
【0093】(5) 上記第1のレンズ部と上記第2の
レンズ部との結像面における光軸を略一致させたことを
特徴とする(1)、(2)、(3)又は(4)に記載の
カメラの撮影レンズ。
【0094】即ち、複数の光学系によりレンズ倍率の異
なる光学系の画像取り込みを一つのセンサで実現させる
ことができるようになる。
【0095】(6) 上記カメラが所定の被写体を照明
するための照明用光源を具備するとき、上記第1のレン
ズ部及び上記第2のレンズ部の何れか一方の分光透過特
性を上記照明用光源の分光放射特性に応じて決定したこ
とを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)又は
(5)に記載のカメラの撮影レンズ。
【0096】即ち、透過特性と照明の放射特性とを最適
に組み合わせることで照明用光源の制御によって焦点位
置を変化させられるような光学系が実現できる。
【0097】(7) 被写体を照明するための照明用光
源と、上記照明用光源によって照明された被写体からの
反射光を所定の受光面に結像させる撮影レンズとを具備
したカメラにおいて、上記撮影レンズは、所定の分光透
過特性を有する第1のレンズ部と、当該所定の分光透過
特性とは実質的に異なる分光透過特性を有する第2のレ
ンズ部とを有してなり、且つ、上記第1のレンズ部及び
上記第2のレンズ部の何れか一方が、上記照明用光源に
よって照明された被写体からの反射光のみを透過するよ
うに構成されたことを特徴とするカメラ。
【0098】即ち、透過特性と照明の放射特性とを最適
に組み合わせることで照明用光源の制御によって異なる
被写体に焦点を合わせられるようなカメラが実現でき
る。
【0099】(8) 上記第1のレンズ部と上記第2の
レンズ部とを同芯状に配置したことを特徴とする(7)
に記載のカメラ。
【0100】即ち、レンズの上記異なる特性の領域毎に
光線の入射光の方向や角度によってその性能が大きく異
なることがなく安定した性能を示すようにできる。例え
ば、レンズの上下で半分づつの領域で結像性能が異なる
ような非同芯状の2重焦点レンズの場合だと、レンズの
絞りの前側で特性を異ならせた場合には上半分の領域の
特性は光軸より上側から入射した光に対して比較的良好
な結像性能となり、下側から入射した光の一部はケラレ
るといったことになり不具合を生じ易い。従って、画角
の広いレンズで2重焦点を実現する場合の領域の分割は
同芯状であることが望ましい。
【0101】(9) 上記第1のレンズ部と上記第2の
レンズ部との焦点距離を互いに異ならせたことを特徴と
する(7)又は(8)に記載のカメラ。
【0102】即ち、透過する光線の分光特性によって焦
点位置を変化させられるような光学系が実現できる。例
えば、ある特定の距離に存在する物体の分光反射率特性
が既知である場合、その物体のみを鮮明に結像させるこ
とができるようになる。
【0103】(10) 上記第1のレンズ部と上記第2
のレンズ部とを実質的に同一の瞳面を有する位置に配置
したことを特徴とする(7)、(8)又は(9)に記載
のカメラ。
【0104】即ち、実質的に同一な位置に明るさ絞りを
配置することが可能となり、その絞り面に分光透過特性
の異なる領域及び焦点距離の異なる面を配置させること
ができる。
【0105】例えば、図1の(C)及び(D)の構成の
ようにレンズ12が単玉の場合、レンズの開口が瞳に相
当するので実質的にレンズの瞳に相当する位置まで近接
させた光学部材11において分光透過率特性を異ならせ
ることで所謂瞳分割が行え、コンパクトな構成とするこ
とが可能となる。
【0106】(11) 上記第1のレンズ部と前記第2
のレンズ部との結像面における光軸を略一致させたこと
を特徴とする(7)、(8)、(9)又は(10)に記
載のカメラ。
【0107】即ち、複数の光学系によりレンズ倍率の異
なる光学系の画像取り込みを一つのセンサで実現させる
ことができるようになる。
【0108】(12) 被写体を照明するための照明用
光源と、上記照明用光源によって照明された被写体から
の反射光を所定の受光面に結像させる撮影レンズとを具
備したカメラにおける絞りであって、上記撮影レンズ
が、所定の分光透過特性を有する第1のレンズ部と、当
該所定の分光透過特性とは実質的に異なる分光透過特性
を有する第2のレンズ部とを有してなるレンズであり、
上記第1のレンズ部及び上記第2のレンズ部の何れか一
方の分光透過特性が、上記照明用光源の分光放射特性と
重なるとき、上記照明用光源に対する照明の点灯有無に
よって、上記レンズを透過する光束の量を調整すること
を特徴とするカメラにおける絞り。
【0109】即ち、透過特性と照明の放射特性とを最適
に組み合わせることで照明用光源の制御によって異なる
被写体に焦点を合わせられるようなカメラが実現でき
る。
【0110】(13) 瞳の開口を分割して夫々異なる
焦点距離を持たせた複数焦点レンズと、照明用光源と、
被写体からの反射光を画像信号化するセンサとを備えた
コード読取装置において、上記複数焦点レンズは、絞り
の位置若しくはそれと光学的に共役な位置又は夫々の近
傍に配置され、第1の領域と第2の領域の少なくとも二
つ以上の異なった焦点距離を持つレンズ面を有してお
り、上記第2の領域は、上記第1の領域の第1の分光透
過特性とは異なる第2の分光透過特性を有し、上記照明
用光源からの放射光が被写体であるコードに照射され、
そこからの反射光が上記複数焦点レンズの上記第2の領
域を通過して上記センサに結像するとき、上記照明用光
源の分光放射特性と、コードの分光反射特性と、上記分
光透過特性の間に、所定の関係が成り立つようになって
いることを特徴とするコード読取装置。
【0111】即ち、コードを照射した光の吸収や蛍光等
による異なる波長の放射光がレンズ面に反射光として入
射され、そのうち第1の領域では反射光が透過せず、第
2の領域では透過してセンサ面に結像するように構成さ
れている。
【0112】この場合、コードから反射されてくる光は
上記第1の分光透過特性の波長の光を含まず、第2の分
光特性の波長の光を含むような関係であるので、結果と
してセンサにはコードからの光だけが結像することにな
り、フレアの無い解像度の高い画像が得られる。
【0113】(14) 上記第1の分光透過特性は可視
光を通すような特性であり、カメラとして撮影した光は
第1の焦点距離を有するレンズで結像されることを特徴
とする(13)に記載のコード読取装置。
【0114】即ち、第1の焦点距離はカメラ撮影用の焦
点距離となっている。
【0115】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
複数焦点光学系を用いても画質劣化を抑え、高密度なバ
ーコードの読み取り機能としても充分な性能を安価に実
現することが可能な撮影レンズ、その撮影レンズを用い
たカメラ及びそのカメラにおける絞りを提供することが
できる。
【0116】また、その撮影レンズを用いたカメラは安
価で小型のシステムとしてバーコード読み取り機とカメ
ラの両方の機能を兼ね備えることが可能となる。
【0117】また、そのカメラにおける絞りに関して機
械的、電気的なエネルギーを使わずに実質的なF値の変
更を行うことができるものであり、特に、絞り面に入射
する光線の分光特性に応じて受動的にF値が変動するよ
うなデバイスとして機能する。この絞りを用いることで
低消費電力で小型の可変絞りが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る撮影
レンズを用いたカメラの構成を示す図、(B)は光学部
材の構成を説明するための図、(C)は遠点撮影時の光
路を説明するための図であり、(D)は近点撮影時の光
路を説明するための図である。
【図2】(A)は光学部材の分光透過率特性を示す図、
(B)はレンズにフィルタを直接コーティングした撮影
レンズを示す図、(C)は光源とバーコードの記録され
ている記録媒体との組み合わせの例について各ユニット
での分光的状態を説明するための図であり、(D)は分
光透過率特性の別の例を示す図である。
【図3】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る撮影
レンズに用いられるレンズを示す図、(B)はフィルタ
を直接コーティングした第2の実施の形態に係る撮影レ
ンズを示す図、(C)は本発明の第3の実施の形態にお
ける光源とバーコードの記録されている記録媒体との組
み合わせの例について各ユニットでの分光的状態を説明
するための図、(D)は本発明の第4の実施の形態に係
る撮影レンズを用いたカメラの光学部材の構成を説明す
るための図であり、(E)は本発明の第5の実施の形態
に係る撮影レンズを用いたカメラの光学部材の構成を説
明するための図である。
【図4】(A)は従来のオートアイリスを適用したカメ
ラの光学系を示す図、(B)はその可変絞りを示す図、
(C)は上記可変絞りの開放状態(I)と絞り込み状態
(II)を示す図、(D)はオートアイリスの動作時のF
ナンバーと被写界深度との関係をグラフに示した図、
(E)はピントの位置を近点に合わせるため結像レンズ
の位置を変える方式を説明する図であり、(F)はバー
コードに近接して読み取る従来の読取装置の先端部の構
造例を示す図である。
【符号の説明】
10 撮影レンズ 10A 第1のレンズ部 10B 第2のレンズ部 10A’10B’ レンズ 11 光学部材 11A 中心部 11B 外側の部分 12 レンズ 13 エリアセンサ 13A 受光面 14 光源 15 鏡枠 16A,16B,20B,20R フィルタ 17 媒体 17A バーコード読み取り面 18 中心部 19 周辺部 21,22 物点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/04 G02B 7/105 2H087 7/105 G03B 7/08 5C022 G03B 7/08 7/18 7/18 9/02 D 9/02 11/00 11/00 15/00 U 15/00 15/02 F 15/02 H04N 5/225 D H04N 5/225 G02B 7/04 Z Fターム(参考) 2H002 CC21 FB01 FB81 GA35 HA21 JA01 JA07 JA08 JA09 2H044 AE01 AG01 AJ04 AJ06 AJ07 BF01 DA01 DC00 GB00 2H048 CA05 CA12 CA14 CA20 CA22 CA23 CA24 2H080 BB51 CC02 2H083 AA01 AA02 AA03 AA10 AA11 AA17 AA21 AA26 AA31 AA32 AA41 AA51 2H087 KA00 KA02 LA01 PA01 PA17 PB01 QA11 QA31 RA01 RA28 RA31 RA42 RA43 RA44 RA45 RA47 5C022 AA00 AB12 AB15 AC54

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カメラの撮影レンズにおいて、 所定の分光透過特性を有する第1のレンズ部と、 当該所定の分光透過特性とは実質的に異なる分光透過特
    性を有する第2のレンズ部と、 を有してなることを特徴とするカメラの撮影レンズ。
  2. 【請求項2】 前記第1のレンズ部と前記第2のレンズ
    部とを同芯状に配置したことを特徴とする請求項1に記
    載のカメラの撮影レンズ。
  3. 【請求項3】 前記第1のレンズ部と前記第2のレンズ
    部との焦点距離を互いに異ならせたことを特徴とする請
    求項1又は2に記載のカメラの撮影レンズ。
  4. 【請求項4】 前記第1のレンズ部と前記第2のレンズ
    部とを実質的に同一の瞳面を有する位置に配置したこと
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラの
    撮影レンズ。
  5. 【請求項5】 前記第1のレンズ部と前記第2のレンズ
    部との結像面における光軸を略一致させたことを特徴と
    する請求項1乃至4の何れかに記載のカメラの撮影レン
    ズ。
  6. 【請求項6】 上記カメラが所定の被写体を照明するた
    めの照明用光源を具備するとき、上記第1のレンズ部及
    び上記第2のレンズ部の何れか一方の分光透過特性を上
    記照明用光源の分光放射特性に応じて決定したことを特
    徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のカメラの撮影
    レンズ。
  7. 【請求項7】 被写体を照明するための照明用光源と、
    前記照明用光源によって照明された被写体からの反射光
    を所定の受光面に結像させる撮影レンズとを具備したカ
    メラにおいて、 前記撮影レンズは、所定の分光透過特性を有する第1の
    レンズ部と、当該所定の分光透過特性とは実質的に異な
    る分光透過特性を有する第2のレンズ部とを有してな
    り、且つ、 前記第1のレンズ部及び前記第2のレンズ部の何れか一
    方が、前記照明用光源によって照明された被写体からの
    反射光のみを透過するように構成されたことを特徴とす
    るカメラ。
  8. 【請求項8】 前記第1のレンズ部と前記第2のレンズ
    部とを同芯状に配置したことを特徴とする請求項7に記
    載のカメラ。
  9. 【請求項9】 前記第1のレンズ部と前記第2のレンズ
    部との焦点距離を互いに異ならせたことを特徴とする請
    求項7又は8に記載のカメラ。
  10. 【請求項10】 前記第1のレンズ部と前記第2のレン
    ズ部とを実質的に同一の瞳面を有する位置に配置したこ
    とを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載のカメ
    ラ。
  11. 【請求項11】 前記第1のレンズ部と前記第2のレン
    ズ部との結像面における光軸を略一致させたことを特徴
    とする請求項7乃至10の何れかに記載のカメラ。
  12. 【請求項12】 被写体を照明するための照明用光源
    と、前記照明用光源によって照明された被写体からの反
    射光を所定の受光面に結像させる撮影レンズとを具備し
    たカメラにおける絞りであって、 前記撮影レンズが、所定の分光透過特性を有する第1の
    レンズ部と、当該所定の分光透過特性とは実質的に異な
    る分光透過特性を有する第2のレンズ部とを有してなる
    レンズであり、前記第1のレンズ部及び前記第2のレン
    ズ部の何れか一方の分光透過特性が、前記照明用光源の
    分光放射特性と重なるとき、前記照明用光源に対する照
    明の点灯有無によって、前記レンズを透過する光束の量
    を調整することを特徴とするカメラにおける絞り。
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