JP2003097557A - オイル軸受装置 - Google Patents

オイル軸受装置

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JP2003097557A
JP2003097557A JP2001288846A JP2001288846A JP2003097557A JP 2003097557 A JP2003097557 A JP 2003097557A JP 2001288846 A JP2001288846 A JP 2001288846A JP 2001288846 A JP2001288846 A JP 2001288846A JP 2003097557 A JP2003097557 A JP 2003097557A
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shaft
bearing
bearing device
lead
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JP2001288846A
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Masamichi Hayakawa
正通 早川
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Nidec Instruments Corp
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/12Structural composition; Use of special materials or surface treatments, e.g. for rust-proofing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2204/00Metallic materials; Alloys
    • F16C2204/10Alloys based on copper
    • F16C2204/12Alloys based on copper with tin as the next major constituent

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受材料としての銅合金に添加する鉛と錫の
分量をできるだけ少なくしながら、焼き付き防止効果を
高めることができ、軸受材料に含まれる鉛との反応を抑
制して、軸と軸受スリーブからなる軸受材料の焼き付を
防止し、信頼性の高いオイル軸受装置を得る。 【解決手段】 軸と、軸受スリーブとを有してなるオイ
ル軸受装置において、軸または軸受スリーブは、鉛を
0.003〜0.5重量%含有するとともに錫を2〜8
重量%含有し、残りを銅とした銅合金からなる。軸と軸
受スリーブとを潤滑させる潤滑オイルは、基油が、ジエ
ステルを主成分とし、その全酸価が0.02mgKOH
/g以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸と軸受スリーブ
とを有しその一方が他方に対しオイル動圧によって非接
触で回転するオイル軸受装置およびこのオイル軸受装置
に用いる潤滑オイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】軸と、軸受スリーブとを有し、軸と軸受
スリーブの一方に対して他方を回転させ、軸と軸受スリ
ーブとの間に介在する潤滑オイルに動圧力を発生させ、
この動圧力で上記軸と軸受スリーブの一方が他方を非接
触で支持するようにしたオイル軸受装置が知られてい
る。オイル軸受装置は、軸と軸受スリーブが高速で相対
回転する(一般的には軸受スリーブに対して軸が回転す
る)ため、軸と軸受の素材を焼き付き防止効果の高い素
材とし、また、潤滑オイルも焼き付き防止効果を高める
各種の工夫がなされている。
【0003】特開平8−034987号公報および特開
平10−183159号公報記載の発明は上記のような
オイル軸受装置の例である。これらの発明は、鉛を含
む、あるいは鉛と錫を含む銅合金を軸受部材として用い
ている。また、潤滑オイルとして、炭酸エステル化合物
を主成分とする基油中に、フェノール系酸化防止剤を添
加し、さらには亜鉛系極圧添加剤を添加したものを使用
している。上記公報には、従来例として、セバチン酸ジ
エチルヘキシルなどのジエステルを潤滑オイルの組成物
としたものが記載されていて、この従来例は、炭酸エス
テル化合物を主成分とする潤滑オイルと比較すると信頼
性で劣るとしている。
【0004】上記各公報記載の発明の実施例では、軸受
材料として銅合金が使用されていて、その銅合金の例と
して、鉛を9〜11%、錫を9〜11%含有するLBC
3C、鉛を4〜6%、錫を4〜6%含有するBC6Cが
挙げられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報において、潤
滑オイルの組成物として信頼性に劣るとされるセバチン
酸ジエチルヘキシルなどのジエステルは、粘度、粘度温
度特性、蒸発特性において優れており、また、市場に出
回っている量が多く、コストの面でも有利である。一
方、上記各公報記載の発明で使用されている銅合金は、
加工性、耐食性、コストの面で優れている。したがっ
て、ジエステルを含有する潤滑オイルを使用し、軸受材
料として銅合金を使用すれば、信頼性の高い低コストの
オイル軸受装置およびオイル軸受装置用潤滑オイルを得
ることができるはずである。
【0006】従来技術として説明したオイル軸受装置で
は、長期的に見て、スラッジが生成することによりオイ
ル寿命が低下し、長期的な信頼性の面で劣っていた。本
発明は、耐焼き付き性を維持しながら、スラッジの生成
を抑制することができるように軸受材料への鉛と錫の添
加量を求め、長期的な信頼性の維持を図ったオイル軸受
装置を提供することを目的とする。本発明はまた、上記
軸受材料と潤滑オイルの基油として、特定のジエステル
を組み合わせることにより、潤滑オイルのさらなる長寿
命化を図り、長期的な信頼性の維持を図ったオイル軸受
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願にかかる第1の発明
は、軸と、軸受スリーブとを有してなるオイル軸受装置
であって、軸または軸受スリーブは、鉛を0.003〜
0.5重量%含有する銅合金からなることを特徴とする
オイル軸受装置である。
【0008】本願にかかる第2の発明は、軸と、軸受ス
リーブとを有してなるオイル軸受装置において、軸また
は軸受スリーブは、鉛を0.003〜0.5重量%含有
するとともに錫を2〜8重量%含有する銅合金からなる
ことを特徴とする。
【0009】本願にかかる第3の発明は、軸と、軸受ス
リーブとを有してなるオイル軸受装置において、対をな
す軸と軸受スリーブの一方側は、鉛を0.003〜0.
5重量%含有するステンレス鋼から構成され、他方側
は、鉛の含有量が0.003重量%以下の銅合金からな
ることを特徴とする。
【0010】本願にかかる第4の発明は、請求項1、2
または3記載のオイル軸受装置が、ハードディスクドラ
イブ用モータのオイル軸受装置であることを特徴とす
る。
【0011】本願にかかる第5の発明は、請求項1、2
または3記載のオイル軸受装置において、軸と軸受スリ
ーブとを潤滑させる潤滑オイルは、基油が、ジエステル
を主成分とし、その全酸価が0.02mgKOH/g以
下であることを特徴とする。
【0012】本願にかかる第6の発明は、請求項5記載
のオイル軸受装置において、潤滑オイル基油は、添加剤
として、アミン系またはフェノール系の酸化防止剤を
0.1〜1.0重量%、金属不活性剤を0.01〜0.
5重量%、防錆財を0.01〜0.5重量%含有し、こ
れら添加剤の全酸価が0.1〜0.2mgKOH/gで
あることを特徴とする。
【0013】オイル軸受装置を構成する軸と軸受スリー
ブの素材として加工性、耐食性、コストの面で優れた銅
合金を用いるとともに、銅合金に鉛を0.003〜0.
5重量%含有させるころにより、軸と軸受スリーブとの
摺動状態がマイルドになり、焼き付き防止効果を高める
ことができる。ただ、鉛の含有量が多くなると、潤滑オ
イルと反応して酸化しやすくなるので、鉛の含有比率
を、上記のように0.003〜0.5重量%と、最小限
度にとどめた。
【0014】本願にかかる第2の発明のように、軸と軸
受スリーブの素材である銅合金に、鉛を0.003〜
0.5重量%含有するほか、錫を2〜8重量%含有して
いてもよい。鉛を含有させることにより上記のように焼
き付き防止効果を高めることができるとともに、錫を含
有させることによっても、焼き付き防止効果を高めるこ
とができる。ここでも、錫の含有比率は、2〜8重量%
と、最小限度にとどめている。
【0015】オイル軸受装置を構成する軸と軸受スリー
ブの一方側の素材として、上記のような銅合金に代え
て、ステンレス鋼にしてもよい。この場合、ステンレス
鋼で構成する側は鉛を0.003〜0.5重量%含有さ
せ、他方の銅合金で構成する側は鉛の含有量を0.00
3重量%以下とする。素材がステンレス鋼の場合も、こ
れに鉛を含有させることにより、軸と軸受スリーブとの
摺動状態がマイルドになり、焼き付き防止効果を高める
ことができる。ここでも、鉛の含有量は0.003〜
0.5重量%と、最小限にとどめている。銅合金で構成
する側にも鉛を含有させて焼き付き防止効果を高めてお
り、鉛の含有量は0.003重量%以下と、最小限にと
どめている。
【0016】なお、銅合金には、鉛や錫のほかに、0.
5重量%以下の燐が含有されていてもよく、40重量%
以下の亜鉛が含まれていてもよい。亜鉛を含有すること
によって耐磨耗性を高めることができる。
【0017】これまで説明してきたような本発明にかか
るオイル軸受装置は、ハードディスクドライブ用モータ
のオイル軸受装置として好適である。もっとも、ハード
ディスクドライブの用途に限らず、高速回転体の軸受装
置として用いることができる。
【0018】上記のように、軸と軸受スリーブの素材と
しての銅合金、あるいはステンレス鋼に鉛を含有させる
場合、潤滑オイルの組成を工夫して軸と軸受スリーブの
酸化を抑制するようにする必要がある。そこで、以上説
明したとおりの、鉛を0.003〜0.5重量%含有
し、残りを銅とした銅合金、あるいは、鉛を0.003
〜0.5重量%含有するとともに錫を2〜8重量%含有
し、残りを銅とした銅合金を軸または軸受スリーブの素
材とするオイル軸受装置、または、対をなす軸と軸受ス
リーブの一方側は、鉛を0.003〜0.5重量%含有
するステンレス鋼から構成され、他方側は、鉛の含有量
が0.003重量%以下の銅合金からなるオイル軸受装
置において、上記軸と軸受スリーブとを潤滑させる潤滑
オイルの基油は、ジエステルを主成分とし、その全酸価
が0.02mgKOH/g以下となるように構成した。
ジエステルとしてセバシン酸−2−エチルヘキシルがあ
る。その構造式は次のとおりである
【0019】軸または軸受スリーブの素材である銅合金
またはステンレス鋼に鉛と錫を含有させることにより、
軸と軸受スリーブとの摺動を円滑にして焼き付き防止を
図ることができ、かつ、鉛と錫の量を上記のように限定
することにより、潤滑オイルとの酸化反応を最小限にと
どめている。これとあいまって、軸と軸受スリーブとを
潤滑させる潤滑オイルは、ジエステルを主成分とする基
油とし、その全酸価を0.02mgKOH/g以下とす
ることによって、鉛と錫(特に鉛)を含む軸受素材の酸
化を抑制することができ、オイル軸受装置の信頼性の向
上と、長寿命化を図ることができる。
【0020】本願第6の発明のように、基油は、添加剤
として、アミン系またはフェノール系の酸化防止剤を
0.1〜1.0重量%、金属不活性剤を0.01〜0.
5重量%、防錆剤を0.01〜0.5重量%含有し、こ
れら添加剤の全酸価が0.1〜0.2mgKOH/gと
なるように構成しておけば、酸化防止剤、金属不活性
剤、防錆剤の機能によって潤滑オイルによる軸受材料の
酸化防止効果を高めることができ、さらに、上記添加剤
の全酸価を0.1〜0.2mgKOH/gに調製するこ
とによっても、軸受材料の酸化防止効果を高めることが
できる。
【0021】鉛や錫、特に鉛は、軸と軸受との摺動状態
をマイルドにし、軸と軸受の焼き付を防ぐのに有用であ
る。しかし、潤滑オイルとの反応性が高いため、鉛や
錫、特に鉛が多いと潤滑オイルを劣化させ、かえって軸
受の損傷を促進してしまうことになる。特に、オイル動
圧軸受では、軸と軸受スリーブとの隙間に潤滑オイルが
介在しているだけであり、かつ、この隙間は非常に小さ
いため、潤滑オイルの量が非常に少なく、加えて、潤滑
オイルの全体量に対して軸受面に触れている潤滑オイル
量の比率(面積/体積)が非常に大きく、極端に言え
ば、潤滑オイルのほとんどが軸受面に存在しており、よ
って、鉛と錫の含有量のコントロールが重要になる。こ
れに対して、焼結含油軸受の場合は、潤滑オイル量が多
く、潤滑オイルの全体量に対する軸受面に存在する潤滑
オイル量の比率は小さいため、鉛と錫の含有量のコント
ロールは問題にされなかった。
【0022】本発明にかかるオイル軸受装置およびオイ
ル軸受装置用潤滑オイルによれば、上記のように、軸受
材料の合金組成をコントロールすることによって、軸受
材料の焼き付き防止および磨耗防止と、オイル劣化との
バランスがよくなり、信頼性が高く、寿命の長いオイル
動圧軸受装置およびオイル動圧軸受装置用潤滑オイルを
得ることができる。一方、軸受素材に含まれる鉛と潤滑
オイルとの反応には、有機酸その他の全酸価が著しく影
響するため、本発明では潤滑オイルの全酸価を前述のよ
うに所定の範囲内に限定し、潤滑オイル側から見ても軸
受素材が酸化されないように考慮した。
【0023】このようにして、軸および軸受スリーブの
素材と、潤滑オイルの両面から組成をコントロールする
ことにより、軸と軸受の焼き付を効果的に防止すること
ができる。特に、潤滑オイルの量が非常に少なく、潤滑
オイルのほとんどが軸受面に存在しているオイル動圧軸
受装置およびオイル動圧軸受装置用潤滑オイルとして、
より顕著な効果を得ることができる。
【0024】
【実施例および比較例】軸と軸受材に含まれる鉛の比率
と、潤滑油基油の全酸価および添加剤を含む潤滑油基油
の全酸価をさまざまに変えてモータ寿命試験を行った。
その結果を表1に示す。
【0025】表1
【0026】試験はA法とB法の二つの方法で行った。
A方法は、80℃環境で起動停止を繰り返し行い、オイ
ル劣化とそれに伴う軸受磨耗により回転振れ精度の悪化
が認められれば不良と判定する方法である。B方法は、
軸受隙間に異物を意図的に適量入れ、80℃環境で連続
回転試験を実施し、焼き付き、停止が発生すれば不良と
判定する方法である。上記の異物としては、粒径が5μ
m以下のアルミナ粉を用いた。いずれの方法も、評価台
数は10台とした。
【0027】表1に示す試験結果から、軸と軸受部材
は、鉛の含有量が0.003〜0.5重量%の範囲にあ
り、添加剤を含む潤滑オイルの全酸価が0.1〜0.2
mgKOH/gの範囲にあるNO.2、NO.5が総合
判定で合格と判定されている。これが本発明の実施例で
あり、その他は比較例である。
【0028】なお、各請求項において規定した軸受材に
含まれる鉛および/または錫の含有量は、軸または軸受
スリーブのいずれか一方の含有量であればよく、軸と軸
受の両方ともに鉛および/または錫を含有する場合は、
両者を含めて各請求項において規定した含有量になって
いればよい。
【0029】図1はオイル軸受装置を有するハードディ
スク駆動用モータの例を示している。図1において、モ
ータフレーム10の中心部には円筒形をなすボス部9が
形成され、ボス部9の内周側にはオイル動圧軸受の軸受
スリーブ3が圧入によって固定されている。軸受スリー
ブ3の外周側には積層コアからなるステータコア5が圧
入され、ボス部9の上端に当たることによってステータ
コア5の軸方向の位置決めがなされている。ステータコ
ア5は適宜数の突極を放射状に有し、各突極には駆動コ
イル4が巻き回されている。
【0030】軸受スリーブ3の内周側には軸1が回転可
能に嵌められている。軸1の下端部外周にはスラスト板
7が圧入によって固定され、スラスト板7は軸受スリー
ブ3の底部に形成された段部に微小間隙の介在のもとに
嵌まっている。軸受スリーブ3の底部にはまたスラスト
受け8が嵌められて固定され、スラスト板7の底面とス
ラスト受け8の上面との間に微小な間隙が生じている。
軸1にはその上端に連続してディスクハブ2が一体に形
成されている。ディスクハブ2はカップ状に形成されて
上記ステータコア5を囲む周壁22を有し、周壁22の
内周側には円筒形のロータマグネット6が嵌められて一
体化されている。ロータマグネット6の内周面はステー
タコア5の突極外周面と適宜の間隙をおいて対向してい
る。ディスクハブ2の周壁22の外周には図示されない
ハードディスクが少なくとも1枚嵌められ、周壁22の
下端部外周に形成されたフランジ21によってハードデ
ィスクが位置決めされるようになっている。
【0031】相対向する軸受スリーブ3の内周面と軸1
の外周面との間には微小間隙が形成されるとともに、軸
受スリーブ3の内周面と軸1の外周面の少なくとも一方
にはラジアル動圧溝が形成されている。また、スラスト
板7の上面とこれに対向する軸受スリーブの面との間に
も微小間隙が形成されるとともに上記対向面の少なくと
も一方にはスラスト動圧溝が形成され、さらに、スラス
ト板7の下面とこれに対向するスラスト受け8の上面と
の間にも微小間隙が形成されるとともに上記対向面の少
なくとも一方にはスラスト動圧溝が形成されている。こ
れらの微小間隙には潤滑オイルが充填され、ラジアル動
圧軸受とスラスト動圧軸受が構成されている。
【0032】ロータマグネット6の回転位置に応じて各
駆動コイル4への通電を切り替えることにより、ロータ
マグネット6が回転付勢され、ロータマグネット6と一
体のディスクハブ2、ディスクは部2に搭載されている
ハードディスク、軸1が回転駆動される。軸1およびス
ラスト板7が回転することにより、上記ラジアル動圧軸
受とスラスト動圧軸受の潤滑オイルに動圧力が発生し、
軸1が軸受スリーブ3に非接触で回転する。上記軸1お
よび/または軸受スリーブ3の組成を前述のとおりと
し、また、上記潤滑オイルの組成を前述のとおりとする
ことにより、長寿命で、長期的な信頼性の維持を図るこ
とができるオイル軸受装置を得ることができる。なお、
本発明は、オイル動圧軸受に限らず、潤滑オイルを使用
する軸受装置に適用することができる。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、軸または
軸受スリーブを、鉛を0.003〜0.5重量%含有
し、残りを銅とした銅合金で構成することにより、軸と
軸受スリーブとの摺動状態がマイルドになり、焼き付き
防止効果を高めることができる。また、鉛の含有量が多
くなると、潤滑オイルと反応して酸化しやすくなるが、
鉛の含有量を上記のように規定することにより、潤滑オ
イルとの酸化を抑制することができる。
【0034】請求項2記載の発明によれば、軸または軸
受スリーブを、鉛を0.003〜0.5重量%含有する
とともに錫を2〜8重量%含有し、残りを銅とした銅合
金で構成することにより、請求項1記載の発明と同様の
効果を得ることができるとともに、錫を含有させること
によっても、焼き付き防止効果を高めることができる。
ここでも、錫の含有比率は、2〜8重量%と、最小限度
にとどめて、潤滑オイルとの酸化を抑制している。
【0035】請求項3記載の発明によれば、軸と軸受ス
リーブの一方側の素材として、銅合金に代えてステンレ
ス鋼にし、ステンレス鋼で構成する側は鉛を0.003
〜0.5重量%含有させ、他方の銅合金で構成する側は
鉛の含有量を0.003重量%以下とすることにより、
軸と軸受スリーブとの摺動状態がマイルドになり、焼き
付き防止効果を高めることができる。ここでも、鉛の含
有量は最小限にとどめることにより、潤滑油との酸化を
抑制することができる。
【0036】本発明にかかるオイル軸受装置は、請求項
4記載の発明のように、ハードディスクドライブ用モー
タのオイル軸受装置として好適である。すなわち、オイ
ル動圧軸受では、軸と軸受スリーブとの隙間に潤滑オイ
ルが介在しているだけであり、かつ、この隙間は非常に
小さいため、潤滑オイルのほとんどが軸受面に存在して
おり、よって、鉛と錫の含有量のコントロールが重要に
なる。かかるハードディスクドライブ用モータのオイル
軸受装置において、軸受素材に添加する鉛および/また
は錫の量を請求項1、2または3記載の発明のように規
定することにより、軸受素材の酸化を効果的に抑制する
ことができる。
【0037】請求項5記載の発明によれば、軸または軸
受スリーブの素材である銅合金またはステンレス鋼に鉛
と錫を含有させることにより、軸と軸受スリーブとの摺
動を円滑にして焼き付き防止を図ることができ、かつ、
鉛と錫の量を限定することにより、潤滑オイルとの酸化
反応を最小限にとどめることができる。これとあいまっ
て、軸と軸受スリーブとを潤滑させる潤滑オイルは、ジ
エステルを主成分とする基油とし、その全酸価を0.0
2mgKOH/g以下とすることによって、鉛と錫を含
む軸受素材の酸化を抑制することができ、オイル軸受装
置の信頼性の向上と、長寿命化を図ることができる。
【0038】請求項6記載の発明によれば、潤滑油の基
油に、アミン系またはフェノール系の酸化防止剤を0.
1〜1.0重量%、金属不活性剤を0.01〜0.5重
量%、防錆財を0.01〜0.5重量%添加し、これら
添加剤の全酸価が0.1〜0.2mgKOH/gとなる
ように構成したことにより、酸化防止剤。金属不活性
剤、防錆財の機能によって潤滑オイルによる軸受材料の
酸化防止効果を高めることができ、さらに、上記添加剤
の全酸価を0.1〜0.2mgKOH/gに調整するこ
とによっても、軸受材料の酸化防止効果を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるオイル軸受装置を有するモータ
の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 軸 3 軸受スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C10M 105/36 C10M 105/36 C10N 40:02 C10N 40:02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸と、軸受スリーブとを有してなるオイ
    ル軸受装置において、上記軸または軸受スリーブは、鉛
    を0.003〜0.5重量%含有する銅合金からなるこ
    とを特徴とするオイル軸受装置。
  2. 【請求項2】 軸と、軸受スリーブとを有してなるオイ
    ル軸受装置において、上記軸または軸受スリーブは、鉛
    を0.003〜0.5重量%含有するとともに錫を2〜
    8重量%含有する銅合金からなることを特徴とするオイ
    ル軸受装置。
  3. 【請求項3】 軸と、軸受スリーブとを有してなるオイ
    ル軸受装置において、対をなす上記軸と軸受スリーブの
    一方側は、鉛を0.003〜0.5重量%含有するステ
    ンレス鋼から構成され、他方側は、鉛の含有量が0.0
    03重量%以下の銅合金からなることを特徴とするオイ
    ル軸受装置。
  4. 【請求項4】 ハードディスクドライブ用モータのオイ
    ル軸受装置である請求項1、2または3記載のオイル軸
    受装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3記載のオイル軸受
    装置において、軸と軸受スリーブとを潤滑させる潤滑オ
    イルは、基油が、ジエステルを主成分とし、その全酸価
    が0.02mgKOH/g以下であることを特徴とする
    オイル軸受装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のオイル軸受装置におい
    て、潤滑オイルの基油は、添加剤として、アミン系また
    はフェノール系の酸化防止剤を0.1〜1.0重量%、
    金属不活性剤を0.01〜0.5重量%、防錆財を0.
    01〜0.5重量%含有し、これら添加剤の全酸価が
    0.1〜0.2mgKOH/gであることを特徴とする
    オイル軸受装置。
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