JP2003096891A - 排水管路ソケットとこれを用いた大便器およびソケット部品 - Google Patents

排水管路ソケットとこれを用いた大便器およびソケット部品

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JP2003096891A
JP2003096891A JP2001289627A JP2001289627A JP2003096891A JP 2003096891 A JP2003096891 A JP 2003096891A JP 2001289627 A JP2001289627 A JP 2001289627A JP 2001289627 A JP2001289627 A JP 2001289627A JP 2003096891 A JP2003096891 A JP 2003096891A
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conduit
drainage
socket
pipe
toilet bowl
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JP2001289627A
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English (en)
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Takehiro Kosugi
建博 小杉
Koichi Ogawa
孝一 小川
Taiji Sugita
泰司 杉田
Takayuki Otani
孝幸 大谷
Yoshiaki Taguchi
義秋 田口
Hiroyuki Tokunaga
博之 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大便器に装着されることで便器洗浄能力の向
上をもたらす新たな排水管路ソケットを提供する。 【解決手段】 排水管路ソケット28は、大便器10の
排水仕様を床排水仕様とするため、連結管路部29と、
湾曲した落下管路部30と下降管路部32とを有する。
下降管路部32は、外部排水管GHに到るまでの直線管
路部分に、上流ソケット駒40と下流ソケット駒50を
上下に有する。各ソケット駒の絞り孔42と絞り孔52
とは、直線管路部分の軸心32aに対して反対側に偏心
した配置を採る。これにより、各絞り孔での洗浄水貯め
置きと、絞り孔周囲の棚部での洗浄水跳ね返りを起こ
し、管路に水柱を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便器ボール部から
の洗浄水の排水仕様が壁排水仕様と床排水仕様から選択
可能とされた大便器に装着され、その排水仕様を床排水
仕様とするための排水管路ソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】大便器を壁排水仕様と床排水仕様が選択
可能としておき、これに装着する排水管路ソケットで床
排水仕様としたり壁排水仕様とすることは、次の利点が
ある。まず第1に、大便器としては、便器ボール部側面
の開口から斜め上方に延びる上昇管路部と、便器ボール
部の溜水水位を規定する水位規定部と、上昇管路部に続
く管路を水位規定部以降に便器後方に向けて形成する後
部管路部とを有するものとすれば良く、便器製造型の共
通化を図ることができる。よって、コスト的に有利であ
る。また、便器設置地域の法規制や慣習で壁排水仕様と
床排水仕様のいずれかに限られる場合であっても、排水
管路ソケットの使い分けでこれに対応でき、好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうして大便器に装着
される既存の排水管路ソケットでは、排水仕様選択が達
成できることに主眼がおかれているに過ぎなかった。よ
って、排水管路ソケットは、上記の後部管路部から壁或
いはトイレ床面の外部排水管に到るまでの排水管路を単
純な直管管路としたり湾曲管路とすれば足り、この排水
管路ソケット自体での便器洗浄能力の向上に寄与するこ
とはなかった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、大便器に装着されることで便器洗浄能力の向上を
もたらす新たな排水管路ソケットを提供を図ること、或
いは、既存の排水管路ソケットを便器洗浄能力の向上が
可能なものに改良することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の排
水管路ソケットは、便器ボール部側面の開口から斜め上
方に延びる上昇管路部と、前記便器ボール部の溜水水位
を規定する水位規定部と、前記上昇管路部に続く管路を
前記水位規定部以降に便器後方に向けて形成する後部管
路部とを有し、前記便器ボール部からの洗浄水の排水仕
様が壁排水仕様と床排水仕様から選択可能とされた大便
器に装着され、前記床排水仕様を達成するために前記後
部管路部からトイレ床面の外部排水管に到るまでの排水
管路を形成する排水管路ソケットであって、前記外部排
水管に到る間の前記排水管路の少なくとも一部に、前記
外部排水管に向けた洗浄水落下を起こし得る直線管路部
分を備え、該直線管路部分に、開口面積が直線管路部面
積より狭くされた第1絞り部と第2絞り部とを上下に配
置して備え、該第1絞り部は前記直線管路部分の軸心に
対して偏心配置されると共に、前記第2絞り部は前記軸
心および前記第1絞り部に対して偏心配置されており、
上流側の前記第1絞り部は、該第1絞り部から洗浄水を
通過させるに当たり、絞り部周囲で洗浄水の跳ね返りを
起こした後に該洗浄水を前記第1絞り部から通過するよ
う前記偏心配置されている、ことを特徴とする。
【0006】上記構成を有する本発明の排水管路ソケッ
トを装着した大便器では、溜水への洗浄水の流し込みが
起き便器洗浄が開始されると、その洗浄水の流し込みに
よる溜水の押し込みが起きる。このため、便器ボール部
の溜水と流し込まれた洗浄水(以下、この溜水と洗浄水
を単に洗浄水と称する)は、上昇管路部から水位規定部
を越えて後部管路部に達した後に、排水管路ソケットに
流れ込み、外部排水管に排出される。こうした洗浄水の
排水管路ソケットの通過の際に、本発明の排水管路ソケ
ットでは次のような現象を引き起こす。
【0007】排水管路ソケットに到った洗浄水は、外部
排水管に向けた洗浄水落下を起こし得る直線管路部分を
通過するに当たり、上流側の第1絞り部とその下流の第
2絞り部を順に通過する。この場合、外部排水管はトイ
レ床において鉛直方向に延在しているので、この排水管
への洗浄水導出には、直線管路部分は、ほぼ鉛直方向に
そったものが好ましいが、多少の傾斜があったとしても
外部排水管に向けた洗浄水落下を起こし得る程度であれ
ばよい。
【0008】第1絞り部は、直線管路部分の軸心に対し
て偏心配置されており、しかも、第1絞り部周囲で洗浄
水の跳ね返りを起こした後に洗浄水を当該第1絞り部か
ら通過させる。このため、第1絞り部では、該絞り部の
開口を取り囲む開口周囲箇所での洗浄水の跳ね返りと、
跳ね返りに基づいて洗浄水の流れ向きを第1絞り部の開
口側に転換する流れ向き変更とを起こす。この流れ方向
の転換は洗浄水の流下速度の低下を来すと共に、第1絞
り部の開口は狭くされていることから、第1絞り部は、
洗浄水の貯め置きを起こしつつ、洗浄水をその下流の第
2絞り部に落下させる。
【0009】第2絞り部は、直線管路部分の軸心と第1
絞り部に対しても偏心配置されているので、第1絞り部
と第2絞り部とでは、その開口にズレを起こす。このた
め、第1絞り部から第2絞り部に落下した洗浄水は、こ
の第2絞り部においても、該絞り部の開口を取り囲む開
口周囲箇所での洗浄水の跳ね返りと、跳ね返りに基づい
て洗浄水の流れ向きを第2絞り部の開口側に転換する流
れ向き変更と、洗浄水の第2絞り部での貯め置きとを起
こし、その後に、外部排水管に流れて排出される。つま
り、本発明の排水管路ソケットは、洗浄水の跳ね返り
と、洗浄水の流れ向き変更と、洗浄水の絞り部での貯め
置きとを、第1、第2絞り部で順次起こし、第1絞り部
と第2絞り部とでは洗浄水の流れ向き変更を異なる方向
に起こす。また、第1、第2絞り部は、第1絞り部の開
口周囲箇所で跳ね返った洗浄水を第2絞り部の開口周囲
箇所で受けるように偏心していることになり、第1絞り
部と第2絞り部が直線管路部分の軸心を中心に反対側に
位置するよう偏心配置していれば、第2絞り部の開口周
囲箇所での洗浄水受けがより確実となる。
【0010】このようにして両絞り部において跳ね返っ
た洗浄水は、上記のように洗浄水の流れの向きを転換し
て更に下流側に流れ落ちる際に、周囲のエアの巻き込み
を伴う管路流下を起こし、エアの巻き込みを起こしたま
まそれぞれの絞り部を通って外部排水管から流れ出る。
こうした洗浄水の流れ出しが起きていても、第1、第2
絞り部ではそれぞれ洗浄水貯め置きを起こし、絞り部通
過に当たって上記した流下速度の低下を起こしているこ
とから、後部管路部を越えて排水管路ソケットに流れ落
ちる洗浄水の流量は、第1、第2絞り部を経て外部排水
管に流れ出る洗浄水流量より勝ることになる。よって、
洗浄開始当初において、第1、第2絞り部での洗浄水の
貯め置きと外部排水管への排出を並行して起こすことが
できる。そして、第1、第2絞り部での洗浄水の貯め置
き水量は、排水管路ソケットへの洗浄水の流れ落ちが継
続されるに連れて増加するので、排水管路ソケットの直
線管路部分では、第1、第2絞り部においてその上流側
の管路が貯め置き洗浄水でシールされる。こうしてシー
ルを起こした後は、その後の洗浄水の流れ落ちの継続に
より、第1、第2絞り部から水位規定部までに達する水
柱が形成されると共に、この洗浄水水柱により外部排水
管の側からのエアの進入が防止される。
【0011】上記のように洗浄水によるシールと水柱の
形成がなされた後の洗浄段階では、排水管路ソケットに
おける上記形成済みの水柱が外部排水管へ落下する際の
水頭により洗浄水通水が起きる。しかも、上昇管路部お
よび後部管路部を通過して排水管路ソケットに流れ込も
うとする洗浄水の流れ込みは、この水頭による洗浄水通
水の間も継続されることから、上昇管路部の側からのエ
アの吸込も起こさない。よって、便器ボール部の溜水水
面と第1、第2絞り部の高さの相違によって、便器ボー
ル部の洗浄水を吸引するいわゆるサイホン作用が発生
し、エア吸込によるサイホン消滅が起きるまで、このサ
イホン作用は継続される。このため、便器ボール部の汚
物は溜水並びに給水洗浄水と共に強制的に排水管路ソケ
ットに吸引されて排出されるので、本発明の排水管路ソ
ケットによれば、このソケット自体で起こしたサイホン
作用に基づいて便器洗浄能力を高めることができる。
【0012】ところで、便器ボール部への洗浄水の給水
を約100〜150リットル/min程度の流量で行え
ば、その大流量給水に基づいた高い水勢で、洗浄水を上
昇管路部から後部管路部を経て排水管路ソケットに流し
込むことができる。こうした高水勢の給水であれば、後
部配管部内のエアをその下流の排水管路ソケット内のエ
アと共に、洗浄水で総て排出することもできる。よっ
て、このような高水勢の給水方式であれば、排水管路ソ
ケットの内部が総て洗浄水で満たされるので、上記した
サイホン作用の発生と継続に有利である。
【0013】その一方、洗浄水給水が約50〜100リ
ットル/minという少流量である場合は、次のように
なる。こうした少流量での給水により起きる排水管路ソ
ケットへの洗浄水流れ込み水量が上記したように第1、
第2絞り部を経て外部排水管に流れ出る洗浄水流量より
勝る限りにおいては、排水管路ソケット上部にエアが残
存していても、上記した貯め置き洗浄水によるシールが
起きるので、サイホン作用の発生と継続が可能である。
つまり、少流量での給水であっても排水管路ソケット自
体で便器洗浄能力を高めることができる。しかも、こう
した少流量での給水であれば、次のような利点がある。
【0014】洗浄水給水に洗浄水タンクを用いるものに
あっては、タンクの水頭圧を低くできるので、その分だ
け、洗浄水タンク高さを低く抑えることができる。この
結果、便器のローシルエット化、延いては意匠性の向上
を図ることができる。
【0015】また、水道管等の一次側配管の洗浄水を直
接便器に給水するものにあっては、一次側給水圧が低く
ても、溜水への給水洗浄水の流し込みを少流量とでき
る。このため、水道施設状況や降水状況、或いは気候的
・地域的特性から一次側給水圧が低い地域であっても、
本発明の排水管路ソケットを大便器に装着すれば適用で
きることになり、汎用性が高まる。なお、法規制等で高
給水圧が要求されている国や地域であっても、減圧弁等
を設置することで、本発明の排水管路ソケットを大便器
と共に容易に適用設置できる。
【0016】上記の構成を有する本発明の排水管路ソケ
ットでは、以下の種々の態様を採ることもできる。例え
ば、その形状的な一例として、前記後部管路部に連結さ
れる連結部と、該連結部から下方に湾曲し、該湾曲箇所
から前記外部排水管に到るまでに亘って前記直線管路部
分を形成する直管管路形成部とを有するものとすること
ができる。
【0017】こうした形状の排水管路ソケットであれ
ば、外形形状が単純となるので製造型の単純化が可能で
あるという利点がある。また、直線管路部分を長くでき
るので、この直管管路部分に第1、第2絞り部を配置す
る際の自由度(例えば、両絞り部の間隔、直管管路部分
で両絞り部が占める上下位置等の自由度)が高まる。
【0018】また、他の形状としては、前記後部管路部
に連結される連結部と、該連結部から下方に湾曲して延
び、前記便器ボール部への洗浄水の流し込みにより前記
上昇管路部と前記後部管路部を通過した洗浄水を、前記
連結部から下方に流し落とす落下管路部と、該落下管路
部の末端から湾曲して延び、前記落下管路部から前記外
部排水管までの下部管路を、前記外部排水管に至る間に
前記直線管路部分を含ませて形成する下部管路部とを有
する排水管路ソケットとすることができる。
【0019】こうすれば、第1、第2絞り部を配置する
直線管路部分の上流側において、連結部の側から、落下
管路部とその末端から湾曲して延びた管路部分が存在す
るようにできる。よって、この落下管路部に流れ込んだ
洗浄水は、当該管路部を落下した後に落下管路部末端で
跳ね返って下流に流れ、上記した第1、第2絞り部に順
に流れ込む。このため、洗浄水が第1、第2絞り部に到
る手前においても、洗浄水の跳ね返りに基づく洗浄水の
流れの向きの転換と、この転換に伴う洗浄水の流下速度
の低下を起こす。従って、後部管路部を越えて排水管路
ソケットに流れ落ちる洗浄水流量が第1、第2絞り部を
経て外部排水管に流れ出る洗浄水流量より勝るという状
況は、第1、第2絞り部の上流側での流速低下とこれら
絞り部での既述した流速低下と洗浄水貯め置きと相まっ
て、より起きやすくなる。この結果、第1、第2絞り部
の上流側が貯め置き洗浄水でシールされ易くなり、サイ
ホン作用の発生・継続の確実化を図ることができるの
で、洗浄能力向上の上から好ましい。
【0020】落下管路部からの下部管路部の湾曲の方向
については、外部排水管センタを便器センタに揃える場
合には、落下管路部から下部管路部を便器前方或いは便
器後方に向けて湾曲させればよい。また、外部排水管が
便器に対して左右にずれているような場合には、落下管
路部から下部管路部を便器左方或いは便器右方に向けて
湾曲させればよい。
【0021】なお、上記した形状の各排水管路ソケット
のいずれであっても、ソケット下方側末端から連結部
(例えば、そのセンタ)までの長さ(ソケット長)は、
種々調整可能である。よって、便器底面と後部管路部
(例えば、そのセンタ)までの高さ(排水心高さ)に併
せて上記のソケット長を調整できるので、この排水心高
さ、即ち便器底面から便座までの便器高さが種々の大便
器にも、排水管路ソケットを装着でき、高い汎用性を発
揮できる。特に、連結部からの管路を直線管路としたも
のにあっては、ソケット長を短くしても第1、第2絞り
部を配設できるので、より汎用性が高まる。
【0022】また、上記の各排水管路ソケットにおい
て、連結部の長さは、種々調整可能であることから、こ
の長さの調整で、トイレ壁面から外部排水管センターま
での距離、いわゆるラフィンが異なる場合であっても対
応することができる。このため、大便器設置に際しての
ラフィン対応の汎用性も高まり、好ましい。
【0023】また、流側の前記第1絞り部が有する絞り
開口形状を、便器左右方向において管路軸心側に絞られ
た開口形状とすることができ、こうすれば次の利点があ
る。
【0024】便器周囲では、例えば綿棒やマッチといっ
た棒状物が使用されがちであり、これら棒状物が誤って
便器に入り込み、洗浄水に混ざって便器ボール部から流
されることがある。こうした棒状物は、洗浄水と共に排
水管路ソケットの管路に達し、流れ込んだ洗浄水と共に
第1絞り部の通過の際に絞り部の開口周囲で跳ね返って
第1絞り部に流れ落ち、その後は、第2絞り部でも開口
周囲で受け止められた後に外部排水管に到る。第1絞り
部の上流に落下管路部を有するものでは、第1絞り部に
到る手前の落下管路部末端において棒状物の上記した跳
ね返りを起こし、その後に更に第1絞り部の開口周囲で
の跳ね返りを起こす。
【0025】第1絞り部の開口形状は、便器左右方向に
おいて管路軸心側に絞られたものであるので、排水管路
ソケットを通過中の棒状物は、当該開口形状により通過
の姿勢が整えられる。つまり、棒状物は、第1絞り部の
開口周囲での跳ね返りにより、開口形状の長手方向(便
器前後方向)に棒の長手方向をほぼ一致した姿勢、或い
は開口形状の長手方向(便器前後方向)に対して棒の長
手方向を洗浄水の流れ方向(落下方向)から交差するよ
うな姿勢を採り易くなる。第1絞り部手前の落下管路部
末端での跳ね返りとこの第1絞り部の開口周囲での跳ね
返りを起こす場合には、より上記した姿勢を採りやすく
なる。このため、こうした姿勢で流れ落ちた棒状物は、
第1絞り部の開口周囲で跳ね返りを起こした以降では洗
浄水がその後に向かう第1絞り部下流側に向けた洗浄水
の流れ方向に棒の長手方向をほぼ一致させる。こうなっ
た棒状物は、下流の第2絞り部の開口に向かって長手方
向端部から入り込み易くなる。よって、上流側の第1絞
り部において棒状物を詰まらせてしまうような事態を有
効に回避できる。なお、第2絞り部においても上記の洗
浄水・棒状物の跳ね返りが起きるので、この第2絞り部
でも棒状物の詰まりを有効に回避でき、その後に外部排
水管に棒状物を流し込める。
【0026】また、前記後部管路部からトイレ床面の外
部排水管に到るまでの前記排水管路を、前記外部排水管
に至る間に前記直線管路部分を含ませて形成するアウタ
ー管路部材と、該アウター管路部材の前記直線管路部分
において上下に固定された筒状の第1、第2のインナー
管路部材とを有し、上流側の前記第1のインナー管路部
材は、筒状内壁面から管路内側に延びた棚部を有し、該
棚部で取り囲んだ開口を前記第1絞り部とし、下流側の
前記第2のインナー管路部材は、筒状内壁面から管路内
側に延びた棚部を有し、該棚部で取り囲んだ開口を前記
第2絞り部とする、排水管路ソケットとすることもでき
る。
【0027】こうすれば、第1、第2のインナー管路部
材をアウター管路部材の直線管路部分に組み込み固定す
ることで、既述したような効果を奏することができる。
また、各インナー部材は別体であるので、各インナー部
材製造に当たり、その開口形状や棚部形状を後加工或い
は型成形等により種々のものとでき、形状の自由度が高
まる。この場合、アウター管路部材を、直線管路部分が
外部排水管の側の末端にあるものとし、第1、第2のイ
ンナー管路部材をアウター管路部材末端から嵌合挿入す
るようにできる。こうすれば、管路末端からの嵌合挿入
といった簡単な作業で、上記の効果を奏する排水管路ソ
ケットとできる。また、アウター管路部材としては、そ
の形状から既存のものを利用できるので、既存の排水管
路ソケットを上記した効果を奏する新たな排水管路ソケ
ットに容易に改造できる。
【0028】また、第1と第2のインナー部材を直線管
路部分において上下に接合させ、こうして接合させた接
合箇所に管路軸心回りの位置決め手段を有すものとすれ
ば、第1、第2絞り部の位置関係を崩すことがないので
好ましい。
【0029】更に、第1、第2のインナー管路部材を、
その有する棚部が、筒状内壁面から椀状に湾曲して管路
内側に延びて開口を取り囲むようにすることもできる。
こうすれば、椀状に湾曲した棚部に当たった洗浄水は湾
曲形状に沿って開口部へと流れの向きを効果的に変更で
き、小流量の洗浄水給水の場合も洗浄水による管路のシ
ールと水柱の形成が可能となる。また、この棚部での上
記した棒状物の跳ね返りに当たり、棒状物端部を棚部湾
曲に倣わせて滑らせることができる。よって、開口での
棒状物の詰まりをより有効に回避でき好ましい。
【0030】また、第1、第2のインナー管路部材を上
下に一体化して形成することもでき、こうすれば、取扱
や組み付け作業が簡便となり好ましい。こうして一体化
された第1、第2のインナー管路部材を、筒形状の軸心
方向に沿って縦分割された左右パーツとして形成され、
該縦分割された左右バーツが接合された形態で記直線管
路部分に固定されるようにすることもできる。こうすれ
ば、左右の各パーツ製造に当たり、接合状態で形成され
る開口形状や棚部形状を、各パーツ製造時の後加工或い
は型成形等により種々のものとでき、形状の自由度が高
まる。
【0031】また、上記した排水管路ソケットを後部管
路部とトイレ床面の外部排水管に到るまでの間に亘って
装着した大便器として提供したり、既存の排水管路ソケ
ットに組み込むソケット部品として提供したりすること
もできる。
【0032】更に、上記した第1、第2絞りは、洗浄水
の貯め置きを起こすことから、直線管路部分の一部を洗
浄水で満管状態とするよう洗浄水滞留部として機能す
る。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る排水管路ソケ
ットの実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は実
施例の大便器10を便器前後方向の中央線に沿って断面
視して示す説明図である。
【0034】図1に示すように、大便器10は、便器ボ
ール部12を備え、その上縁をリム14とする。リム1
4は、便器ボール部12を取り囲むよう形成されてお
り、その内部に中空のリム導水路16を有する。リム導
水路16は、便器後方側にて洗浄水給水路18と繋がっ
ている。
【0035】便器ボール部12の後方側は、図示しない
洗浄水給水装置を収納する機器収納部11とされてお
り、洗浄水給水路18は、この機器収納部11に収納さ
れた洗浄水給水装置から、連結孔19を介して洗浄水の
給水を受ける。洗浄水給水路18に給水された洗浄水
は、リム導水路16に便器後方から入り込んだ後、左右
に分流して便器ボール部12の上縁周りに導かれる。こ
うして導かれた洗浄水は、リム14下面に空けられた複
数の吐出孔16aから便器ボール部12に吐出され、こ
のボール部に便器洗浄のための洗浄水を給水する。
【0036】こうしたリムからの洗浄水の給水は、種々
の態様を採ることが可能である。例えば、図1に示すよ
うに、各吐出孔からボール部の周縁周りに洗浄水を吐水
して、旋回流の状態で便器ボール部12に洗浄水を給水
する態様としたり、リム下面の各吐出孔からほぼ鉛直方
向に吐水するだけの態様としたりすることができる。な
お、本実施例では、洗浄水給水装置を、一次側の給水源
(水道管)からの洗浄水をその給水圧に基づいて給水す
るものとされている。こうした給水装置の他、洗浄水タ
ンクを有しその水頭圧で洗浄水を給水するものとするこ
ともできる。
【0037】便器ボール部12は、そのボール底部13
においてトラップ20と連結されている。トラップ20
は、リム14下方からほぼ一律に大きな傾斜で傾斜した
後方傾斜部15に設けられボール底部13に臨んだトラ
ップ入口22と、このトラップ入口22から便器後方側
に斜め上方に向けた管路を形成する上昇管路部24と、
上昇管路部24の上端に連結してこれに続く管路を便器
後方に向けて形成する後部管路部26とを有する。後部
管路部26は、上昇管路部24との連結部に、屈曲隆起
した頂上堰25を備え、この頂上堰25で便器ボール部
12が貯め置く溜水RSの水位を規定する。
【0038】このように、大便器10は、洗浄水を外部
排水管に流すまでの管路として途中までの管路しか有さ
ず、後部管路部26以降の管路については、適宜選択可
能としている。つまり、この後部管路部26は、後部管
路部26以降の管路が自由とされているので、排水仕様
を壁排水仕様とすることも床排水仕様とすることもでき
る。本実施例は、この床排水仕様を達成するためのもの
である。
【0039】洗浄水給水装置から便器ボール部12に新
たな洗浄水が給水されると、上記した周壁周りの吐水に
基づき溜水RSには旋回流が起きる。この旋回流は、便
器ボール部12内の洗浄水と汚物に押し込み力を及ぼす
ので、これらは、トラップ入口22からトラップ20に
入り込み(押し込まれ)、次のようにしてトラップ20
から排出される。ここで、汚物排出の様子の説明に先立
ち、このトラップ20の後部管路部26に装着される排
水管路ソケット28について詳細に説明する。図2はこ
の排水管路ソケット28に組み込まれる上流ソケット駒
40と下流ソケット駒50の概略斜視図である。
【0040】図1に示すように、排水管路ソケット28
は、いわゆるS字ソケットと称されるものと外観上同一
形状をなし、後部管路部26に連結される連結管路部2
9と、この連結管路部29から下方に湾曲して延び、上
昇管路部24と後部管路部26を通過した洗浄水を、連
結管路部29から下方に流し落とす落下管路部30と、
当該管路部の末端から湾曲して延び、落下管路部30か
らトイレ床面の外部排水管GHまでの下部管路を形成す
る下降管路部32とを有する。下降管路部32は、落下
管路部30から便器前方に向けて湾曲して延びた後さら
に下方に向けて湾曲し、外部排水管GHに到るまでの管
路を直線管路部分とする。この場合、連結管路部29に
流れ込む洗浄水が少量であっても、その洗浄水が落下管
路部30下端の下端湾曲部位31に受け止められるよ
う、落下管路部30上下の湾曲程度が調整されている。
【0041】後部管路部26と連結管路部29の連結部
および下降管路部32と外部排水管GHとの連結部に
は、シール部材34、36が配設され、両連結部の水密
化が図られている。
【0042】排水管路ソケット28は、下降管路部32
がなす直線管路部分に、図2に示す上流ソケット駒40
と下流ソケット駒50とを上下に固定して有する。図3
はこの上流ソケット駒40を説明するためにその平面図
と底面図および平面図におけるx−x線、y−y線の各
断面を示す説明図、図4は下流ソケット駒50を説明す
るためにその平面図と底面図および平面図におけるx−
x線、y−y線の各断面を示す説明図、図5は上下のソ
ケット駒の重なりの様子を説明する説明図、図6はその
他の採り得る駒の重なりの状態の一例を示す説明図であ
る。
【0043】これら図面に示すように、上流ソケット駒
40は、円筒形状をなした樹脂成型品であり、その外径
は、下降管路部32における直線管路部分に嵌合固定で
きるようにされている。上流ソケット駒40は、下端面
に長孔状に狭小形成された絞り孔42を有し、これを取
り囲む部位を棚部43としている。絞り孔42は、長手
方向の開口端部を円筒内壁に近接させて形成されてい
る。そして、上流ソケット駒40は、絞り孔42の長軸
が便器前後方向と一致するようにして、下降管路部32
に嵌合固定されている。従って、この絞り孔42は、上
流ソケット駒40の組み込み状態において、その孔中心
42a(図5参照)が上記の直線管路部分の軸心32a
に対して偏心するような位置を採ると共に、その開口形
状は便器左右方向において管路軸心側に絞られたものと
なる。
【0044】本実施例では、絞り孔42の開口面積を次
のように規定した。排水管路ソケット28の下降管路部
32では、その管路断面積を約54cm2とし、絞り孔
42は、この半分の面積の約22cm2とした。こうす
れば、後述するような絞り孔42での洗浄水貯め置きを
より確実に起こすことができる。この場合、絞り孔42
の開口面積は、下降管路部32の管路断面積との関係で
規定でき、当該管路面積の約30〜60%の程度とすれ
ばよい。後述の絞り孔52についても同様である。
【0045】棚部43は、筒状内壁面から椀状に湾曲し
て内側に延びて絞り孔42を取り囲むようにされてい
る。この場合、絞り孔42の長手方向両側の棚部43a
にあっては、x−x線断面図に示すように、上流ソケッ
ト駒40における管路断面を、上端から徐々に狭めてい
く。よって、絞り孔42に到るまでの上流ソケット駒4
0での管路は、その管路断面の面積が減少徐変するよう
になり、便器左右方向において管路軸心側に絞られたも
のとなる。この棚部43は、上端側ほどその肉厚が薄く
なるようにされており、最上端では滑らかに円筒上縁と
繋がっている。よって、上方から落下してくる洗浄水に
対して、上流ソケット駒40の上縁が抵抗となるような
ことがなく、スムースに洗浄水を上流ソケット駒40内
に導き入れることができる。
【0046】また、上流ソケット駒40は、後述の下流
ソケット駒50との位置決めを行うための切欠凹所44
を有する。この切欠凹所44は、絞り孔42の長手方向
中心線と一致するように形成されている。
【0047】下流ソケット駒50は、上流ソケット駒4
0と同様の円筒形状とされた樹脂成型品であり、下降管
路部32の直線管路部分に嵌合固定できるようにされて
いる。この下流ソケット駒50では、下端面に円形形状
とされた狭小開口の絞り孔52を有し、これを取り囲む
部位を、棚部53としている。絞り孔52は、円形開口
の外周縁を円筒内壁に近接させて形成されている。ま
た、上流ソケット駒40の切欠凹所44に入り込む上縁
突起54は、円形開口の外周縁と円筒内壁の近接箇所に
併せて形成されている。従って、下流ソケット駒50が
下降管路部32に嵌合固定され更に切欠凹所44に上縁
突起54が入り込むことで、絞り孔52は、その孔中心
52a(図5参照)が上記の直線管路部分の軸心32a
に対して偏心すると共に、絞り孔42の孔中心42aに
対しても偏心する。この場合、絞り孔42と絞り孔52
とは、切欠凹所44と上縁突起54との位置関係が反映
し、直線管路部分の軸心32aを中心に反対側に位置す
ることになる。なお、棚部53は、筒状内壁面から椀状
に湾曲して内側に延びて絞り孔52を取り囲むようにさ
れており、絞り孔52周りにおいてほぼ同じような椀状
湾曲をなしている。
【0048】絞り孔42と絞り孔52とは上記した反対
側の位置関係を採るほか、図6に示すようにすることも
できる。この位置関係では、絞り孔42は軸心32aに
対して偏心し、絞り孔52はこの軸心32aと絞り孔4
2に対して偏心することになる。そして、こうした絞り
孔の偏心位置関係は、切欠凹所44への上縁突起54の
嵌合により崩れることがない。なお、こうした位置関係
は、上縁突起54や切欠凹所44の形成位置で種々調整
できる。この調整範囲については後述する。
【0049】この上流ソケット駒40と下流ソケット駒
50は、上記した偏心位置関係を採るよう、上流ソケッ
ト駒40、下流ソケット駒50の順に排水管路ソケット
28の下端、詳しくは下降管路部32の下端から嵌合挿
入され、当該管路内に固定される。こうした嵌合に当た
っては、上流ソケット駒40は、その絞り孔42が便器
ボール部12から離れる側とされ、下流ソケット駒50
は、絞り孔52が便器ボール部12の側となるようにさ
れる。
【0050】本実施例では、上記の上流ソケット駒40
と下流ソケット駒50とを共にその高さが約40mm程
度として、絞り孔42と絞り孔52との間隔(絞り孔間
隔)を約40mmとした。しかし、上流ソケット駒40
の絞り孔42を通過した洗浄水の棚部53での受け止め
と跳ね返り、並びに下流ソケット駒50の絞り孔52で
の洗浄水貯め置きに支障がなければ、上記の絞り孔間隔
を広狭設定することができる。この絞り孔間隔は、下降
管路部32の管路断面積と各絞り孔の断面積の数値、並
びにこれら数値の比を考慮して、或いは、実験的手法等
により種々設定すればよい。
【0051】上記した排水管路ソケット28を装着後の
大便器10では、既述した洗浄水給水並びに洗浄水の押
し込みに伴って、後部管路部26は、頂上堰25から洗
浄水を連結管路部29に導く。この連結管路部29は、
洗浄水を落下管路部30に流し落とすので、洗浄水は、
落下管路部30の下端湾曲部位31に流れ落ち、この下
端湾曲部位31で受け止められてボール部側に跳ね返
り、その後、下降管路部32に流れ落ちる。
【0052】図7により説明する、この下降管路部32
以降における洗浄水の挙動は次のようになる。下端湾曲
部位31で跳ね返った洗浄水は、上流ソケット駒40の
絞り孔42とその下流の下流ソケット駒50の絞り孔5
2をこの順に通過する。絞り孔42は、直線管路部分の
軸心32aに対して偏心配置していることから、その手
前の棚部43で洗浄水の跳ね返りを起こし、その後に洗
浄水を絞り孔42から通過させる。このため、絞り孔4
2では、これを取り囲む棚部43での洗浄水の跳ね返り
と、跳ね返りに基づいて洗浄水の流れ向きを絞り孔42
の側(即ち、便器ボール部と逆の便器後部側)に転換す
る流れ向き変更とを起こす。この流れ方向の転換は洗浄
水の流下速度の低下を来すと共に、絞り孔42は狭くさ
れていることから、この絞り孔42は、洗浄水の貯め置
きを起こしつつ、洗浄水をその下流の下流ソケット駒5
0に落下させる。
【0053】絞り孔52は、直線管路部分の軸心32a
と絞り孔42に対しても図5に示すように、偏心配置さ
れているので、絞り孔42と絞り孔52とでは、その開
口にズレを起こす。このため、絞り孔42から絞り孔5
2に落下した洗浄水は、この絞り孔52においても、こ
れを取り囲む棚部53での洗浄水の跳ね返りと、跳ね返
りに基づいて洗浄水の流れ向きを絞り孔52の側(即
ち、便器ボール部の側)に転換する流れ向き変更と、洗
浄水の絞り孔52での貯め置きとを起こし、その後に、
外部排水管GHに流れて排出される。つまり、本実施例
の排水管路ソケット28は、洗浄水の跳ね返りと、洗浄
水の流れ向き変更と、洗浄水の絞り孔での貯め置きと
を、絞り孔42と絞り孔52で順次起こし、絞り孔42
と絞り孔52とでは洗浄水の流れ向き変更を便器前後の
異なる方向に起こす。
【0054】また、上記の両絞り孔は直線管路部分の軸
心32aを中心に反対側に位置するよう偏心配置してい
るので、棚部43で跳ね返った洗浄水を、その下流に位
置する棚部53でより確実に受け止めて、跳ね返すよう
にすることができる。しかも、本実施例では、上流ソケ
ット駒40の上流においても、下端湾曲部位31での洗
浄水の跳ね返りと、流れ方向転換、これに伴う流下速度
低下を起こしている。
【0055】こうした挙動を採りつつ外部排水管GHに
到る洗浄水は、下端湾曲部位31に受け止められて流れ
の転換を伴う跳ね返りの際、上流ソケット駒40の棚部
43に受け止められて流れの転換を伴う跳ね返りの際、
および下流ソケット駒50の棚部53に受け止められて
流れの転換を伴う跳ね返りの際に、それぞれ周囲のエア
の巻き込みを伴う管路流下を起こす。そして、このエア
の巻き込みを起こしたまま、上流ソケット駒40の絞り
孔42と下流ソケット駒50の絞り孔52を通って外部
排水管GHから流れ出る。こうした洗浄水の流れ出しが
起きていても、絞り孔42および絞り孔52ではそれぞ
れ洗浄水貯め置きを起こし、各絞り孔通過に当たって上
記した流下速度の低下を起こしていることから、後部管
路部26を越えて排水管路ソケット28に流れ落ちる洗
浄水の流量は、上記の両絞り孔を経て外部排水管GHに
流れ出る洗浄水流量より勝ることになる。特に、本実施
例では、上流ソケット駒40より上流の下端湾曲部位3
1においても、洗浄水の跳ね返りに基づく洗浄水の流れ
の向きの転換と、この転換に伴う洗浄水の流下速度の低
下を起こしている。よって、排水管路ソケット28に流
れ落ちる洗浄水流量が上記両絞り孔を経て外部排水管G
Hに流れ出る洗浄水流量より勝るという状況は、上記両
絞り孔上流側での流速低下とこれら絞り孔での既述した
流速低下と洗浄水貯め置きと相まって、より起きやすく
なる。
【0056】これらのことから、排水管路ソケット28
を装着した大便器10では、洗浄開始当初において、上
記両絞り孔での洗浄水の貯め置きと外部排水管への排出
を並行して起こすことができる。そして、両絞り孔での
洗浄水の貯め置き水量は、排水管路ソケット28への洗
浄水の流れ落ちが継続されるに連れて増加するので、排
水管路ソケット28の下降管路部32では、両絞り孔に
おいてその上流側の管路が貯め置き洗浄水でシールされ
る。こうしてシールを起こした後は、その後の洗浄水の
流れ落ちの継続により、両絞り孔から上部の下降管路部
32内に(直管部の部分満水)水柱が形成されると共
に、この洗浄水水柱により外部排水管GHの側からのエ
アの進入が防止される。
【0057】こうした洗浄水によるシールと水柱の形成
がなされた後の洗浄段階では、排水管路ソケット28に
おける上記形成済みの水柱が外部排水管GHへ落下する
際の水頭により洗浄水通水が起きる。しかも、上昇管路
部24および後部管路部26を通過して排水管路ソケッ
ト28に流れ込もうとする洗浄水の流れ込みは、この水
頭による洗浄水通水の間も継続されることから、上昇管
路部24の側からのエアの吸込も起こさない。よって、
便器ボール部12の溜水水面と上記両絞り孔の高さの相
違によって、トラップ20では、便器ボール部12の洗
浄水を吸引するいわゆるサイホン作用が発生し、エア吸
込によるサイホン消滅が起きるまで、このサイホン作用
は継続される。このため、便器ボール部12の汚物は溜
水並びに給水洗浄水と共に強制的に排水管路ソケット2
8に吸引されて排出されるので、この排水管路ソケット
28の装着を通して、ソケット自体で起こしたサイホン
作用に基づいて便器洗浄能力を高めることができる。
【0058】また、上流ソケット駒40と下流ソケット
駒50を下降管路部32の末端に位置させたので、これ
らと溜水水面との隔たりを広くできる。よって、上記し
たように形成した水柱落下の際の水頭を大きくできるの
で、その分、この水頭による洗浄水通水の誘起力も大き
くなり、サイホン作用の発生・継続に有利となる。
【0059】本実施例の排水管路ソケット28を装着す
る以前の大便器10は、既存のものと変わるところがな
いので、排水管路ソケット28によれば、便器の洗浄能
力が高いものに容易に改造できる。また、こうした改造
に当たり、上流ソケット駒40や下流ソケット駒50を
有する排水管路ソケット28を準備すれば良いので、改
造コストも低減できる。加えて、排水管路ソケット28
にあっては、上流ソケット駒40と下流ソケット駒50
が組み込み固定できるものとすればよいばかりか、便器
への装着手法も既存と同じものでよい。この結果、排水
管路ソケット28自体も流用できることになり、より一
層のコスト低減が可能なばかりか、高い作業効率を維持
できる。
【0060】本実施例では、便器ボール部12への洗浄
水給水に、一次側給水源(水道管)の給水圧に基づいく
洗浄水給水装置を用いたので、給水洗浄水量を種々調整
できる。例えば、高給水圧であれば、約100〜150
リットル/min程度の流量で給水を行うようにもでき
る。こうすれば、その大流量給水に基づいた高い水勢
で、洗浄水を上昇管路部24から後部管路部26を経て
排水管路ソケット28に流し込むことができる。こうし
た高水勢の給水であれば、後部管路部26内のエアをそ
の下流の排水管路ソケット28内のエアと共に、洗浄水
で総て排出することもできる。よって、このような高水
勢の給水方式であれば、排水管路ソケット28の内部が
総て洗浄水で満たされるので、上記したサイホン作用の
発生と継続に有利である。
【0061】その一方、低給水圧或いは高給水圧の減圧
により、洗浄水給水が約50〜100リットル/min
という少流量である場合は、次のようになる。こうした
少流量での給水により起きる排水管路ソケット28への
洗浄水流れ込み水量が上記したように絞り孔42と絞り
孔52を経て外部排水管GHに流れ出る洗浄水流量より
勝る限りにおいては、排水管路ソケット上部にエアが残
存していても、上記した貯め置き洗浄水によるシールが
起きるので、サイホン作用の発生と継続が可能である。
つまり、少流量での給水であっても排水管路ソケット自
体で便器洗浄能力を高めることができる。しかも、こう
した少流量での給水であれば、次のような利点がある。
【0062】本実施例のように、一次側配管の洗浄水を
直接便器に給水する給水装置を組み込んだ大便器10に
あっては、一次側給水圧が低くても、溜水RSへの給水
洗浄水の流し込みを少流量とできる。このため、水道施
設状況や降水状況、或いは気候的・地域的特性から一次
側給水圧が低い地域であっても、排水管路ソケット28
を大便器10に装着すれば適用できることになり、汎用
性が高まる。なお、法規制等で高給水圧が要求されてい
る国や地域であっても、減圧弁等を設置することで、排
水管路ソケット28を大便器と共に容易に適用設置でき
る。
【0063】また、洗浄水給水に洗浄水タンクを用いる
ものにあっては、タンクの水頭圧を低くできるので、そ
の分だけ、洗浄水タンク高さを低く抑えることができ
る。この結果、便器のローシルエット化、延いては意匠
性の向上を図ることができる。
【0064】ここで、図6に示した絞り孔42と絞り孔
52の偏心の程度について説明する。既述したように、
下流ソケット駒50では、その棚部53において、洗浄
水の跳ね返りと洗浄水の流れ向き転換を起こして、洗浄
水を絞り孔52に導けばよい。よって、こうした棚部5
3での跳ね返り現象・向き転換現象が実質的に起きるま
での範囲においては、図6のように、絞り孔42と絞り
孔52との偏心関係をずらすことができる。
【0065】また、上記した排水管路ソケット28を用
いることで、次のような利点がある。
【0066】(1)図5に示すように、上流ソケット駒
40における絞り孔42の開口形状を便器左右方向にお
いて管路軸心側に絞られたものとすると共に、この絞り
孔上部の管路断面を絞り孔左右周囲の棚部43aにより
その管路面積が減少徐変するようにした。これにより、
この絞り孔上部の管路断面を便器左右方向において絞ら
れたものとした。更には、落下する洗浄水を受け止める
棚部43を椀状に湾曲させた。これらの結果、洗浄水の
通過挙動を以下のようにすることで、綿棒等の棒状物の
詰まりを有効に回避できる。
【0067】綿棒やマッチ等の棒状物を混入したまま洗
浄水は、上流ソケット駒40の手前の下端湾曲部位31
での跳ね返りと、上流ソケット駒40の棚部43での跳
ね返りを起こす。前者の跳ね返りは便器前方側へのもの
であり、後者の跳ね返りは便器後方側へのものである。
しかも、棚部43の上部での管路形状は、棚部43aに
より上記のように絞られていることから、洗浄水は棚部
43に受け止められる前にその流れが整えられる。上記
した洗浄水の跳ね返りも管路内のものであることから流
れの整えに関与するので、この洗浄水に混ざった棒状物
は、洗浄水流れの整えと共にその姿勢が整えられ、絞り
孔42の通過時においては、その開口形状によってもそ
の姿勢が整えられる。従って、棒状物は、上記した各部
位での洗浄水の跳ね返りを経ることで、絞り孔42の長
手方向(便器前後方向)に棒の長手方向をほぼ一致した
姿勢、或いは絞り孔42の長手方向(便器前後方向)に
対して棒の長手方向を洗浄水の流れ方向(落下方向)か
ら交差するような姿勢を採り易くなる。このため、こう
した姿勢で流れ落ちた棒状物は、棚部43で跳ね返りを
起こした以降では洗浄水がその後に向かう下流ソケット
駒50に向けた洗浄水の流れ方向に棒の長手方向をほぼ
一致させる。こうなった棒状物は、下流の絞り孔52に
向かって長手方向端部から入り込み易くなる。よって、
上流側の絞り孔42において棒状物を詰まらせてしまう
ような事態を有効に回避できる。なお、絞り孔52にお
いても上記の洗浄水・棒状物の跳ね返りが起きるので、
この絞り孔52でも棒状物の詰まりを有効に回避でき、
その後に外部排水管GHに棒状物を流し込める。
【0068】(2)また、棚部43および棚部53を、
図3および図4に示すように、筒状内壁面から椀状に湾
曲して管路内側に延びたものとした。よって、このよう
に椀状湾曲した各棚部に洗浄水が当たるに際しては、湾
曲形状に沿ってそれぞれの絞り孔へと洗浄水の流れ向き
を効果的に変更できる。このため、小流量の洗浄水給水
の場合であっても、洗浄水による上記した管路シールと
水柱の形成が可能となり、サイホン作用に基づいた洗浄
能力の向上を信頼性を高めることができる。また、これ
ら棚部での上記した棒状物の跳ね返りに当たり、棒状物
端部を棚部湾曲に倣わせて滑らせることもできるので、
各絞り孔での棒状物の詰まりをより有効に回避でき好ま
しい。
【0069】本実施例では、排水管路ソケット28の外
形寸法調整により、次のような効果を奏することができ
る。図8は排水管路ソケット28の外形寸法調整により
得られる効果を説明するための説明図である。
【0070】図示するように、排水管路ソケット28で
は、落下管路部30の後端壁から連結管路部29の前端
までの寸法RLを、連結管路部29前端の切断により種
々調整できる。よって、この寸法RLの調整で、トイレ
壁面から外部排水管GHのセンターまでの距離、いわゆ
るラフィンが異なる場合であっても対応することができ
る。このため、大便器設置に際してのラフィン対応の汎
用性も高まり、好ましい。
【0071】また、下降管路部32の下端から連結管路
部29のセンタまでの寸法HLは、下降管路部32下端
の切断により種々調整できる。よって、便器底面と後部
管路部26のセンタまでの高さ(排水心高さ)に併せて
寸法HL(ソケット長)を調整できるので、この排水心
高さ、即ち便器底面から便座までの便器高さが種々の大
便器にも、排水管路ソケット28を支障なく装着でき、
高い汎用性を発揮できる。
【0072】また、排水管路ソケット28における下降
管路部32の湾曲向きを規定することで、次のような効
果を奏することができる。図9は下降管路部32の湾曲
向きを変更した変形例の排水管路ソケット28により得
られる効果を説明するための説明図である。
【0073】図示するように、変形例の排水管路ソケッ
ト28は、便器平面視において、下降管路部32を落下
管路部30から左方に湾曲して備える。この変形例にあ
っても、下降管路部32は、落下管路部30から湾曲し
た下方に直線管路部分を有し、当該箇所に上流ソケット
駒40と下流ソケット駒50を備える。
【0074】トイレ内の外部排水管GHの設置状況によ
り、外部排水管GHが設置所望の大便器10に対して左
方にずれていることがある。こうした場合であっても、
上記の変形例の排水管路ソケット28を装着すること
で、支障なく大便器10を設置できる。しかも、図にお
ける下降管路部32の左方湾曲寸法SLを調整すること
で、外部排水管GHと便器前後方向センタのズレに対応
して便器設置を図ることができる。
【0075】次に、変形例について説明する。上記した
実施例では、上流ソケット駒40と下流ソケット駒50
を別体としたが、次のように変形することもできる。図
10は変形例のソケット駒140を説明するための説明
図、図11はこのソケット駒140の製造形態の一例を
説明する説明図である。
【0076】変形例のソケット駒140は、上記した上
流ソケット駒40と下流ソケット駒50とを一体化した
構成を有する。つまり、ソケット駒140は、上流ソケ
ット駒40と下流ソケット駒50とを上下に接合したも
のと同一の円筒形状をなし、上から、絞り孔42と絞り
孔52とを上記した偏心位置関係を持って有する。こう
すれば、このソケット駒140を下降管路部32に組み
込む際の作業性を高めることができると共に、その取扱
も簡便となる。しかも、絞り孔42と絞り孔52の偏心
位置関係を全く崩すことがないので、好ましい。
【0077】こうしたソケット駒140を製造するに当
たっては、図11に示すように、このソケット駒140
を筒形状の軸心方向に沿って縦分割されたいわゆるヒン
ジ状の左右パーツとして形成することができる。こうす
れば、下降管路部32への組み付け時に左右パーツを接
合させれば、絞り孔42と絞り孔52を上記の偏心位置
関係を持ったソケット駒140として組み付けできる。
また、左右パーツであるために、絞り孔や棚部を各パー
ツにて露出させるので、これら部位成型用の金型形状の
型抜きに支障を来さない。よって、金型形状の自由度が
高くなり、絞り孔・棚部の形状の自由度も高まる。な
お、型成形後の切削等の機械加工によっても、これら部
位の形状を種々調整できる。
【0078】図12はソケット駒140の他の形態を説
明するための説明図、図13はこの他の形態のソケット
駒140の製造時の型構造を説明するための説明図であ
る。
【0079】図12に示すように、このソケット駒14
0は、下端に位置する絞り孔52の上部において、周壁
の一部分を弧状パーツ141とし、これを、嵌合切欠1
42に接合して有する。従って、弧状パーツ141を有
しない状態であれば、図13に示すように、嵌合切欠1
42に該当する周壁部分から、絞り孔52周囲の棚部5
3を形成するための金型K1をセットできる。そして、
この金型に対して、絞り孔42形成用の金型K3、絞り
孔52形成用の金型K4、弧状パーツ141を除く円筒
外形部分の形成用の金型K2をセットして、各金型にお
いてキャビティを形成し、ここに樹脂を注入する。樹脂
硬化後に型外しを行えば、弧状パーツ141を有しない
ソケット駒140ができあがるので、これに弧状パーツ
141を嵌合固定すればよい。こうして製造したソケッ
ト駒140であっても、上記した効果を奏することがで
きる。
【0080】また、上記した落下管路部30と下降管路
部32を有するソケットに替え、次のようなものとする
こともできる。図14は変形例の排水管路ソケット12
8を説明する説明図である。
【0081】図示するように、この変形例の排水管路ソ
ケット128は、連結管路部29に連結した以降の管路
部を、当該連結管路部29から下方に湾曲して外部排水
管GHに到るまでに亘って直線管路部131とする。そ
して、この直線管路部131に、上流ソケット駒40と
下流ソケット駒50とを上下に固定して有する。なお、
既述したソケット駒140を組み込むようにすることも
できる。
【0082】このソケット駒140によれば、直線管路
の範囲を広くできるので、上記のソケット駒の組み込み
高さを種々調整できるほか、ソケット長が短くてもソケ
ット駒の支障なく組み込み配置できる。また、各ソケッ
ト駒個々の高さを高くしても、組み込み可能である。よ
って、便器高さに対しての汎用性を高めることができ
る。
【0083】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、図
15に示すように、上流ソケット駒40をソケット駒1
40と同様にヒンジ式の左右パーツで構成することもで
きる。また、各ソケット駒における棚部を平板状のもの
とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の大便器10を便器前後方向の中央線に
沿って断面視して示す説明図である。
【図2】この排水管路ソケット28に組み込まれる上流
ソケット駒40と下流ソケット駒50の概略斜視図であ
る。
【図3】この上流ソケット駒40を説明するためにその
平面図と底面図および平面図におけるx−x線、y−y
線の各断面を示す説明図である。
【図4】下流ソケット駒50を説明するためにその平面
図と底面図および平面図におけるx−x線、y−y線の
各断面を示す説明図である。
【図5】上下のソケット駒の重なりの様子を説明する説
明図である。
【図6】その他の採り得る駒の重なりの状態の一例を示
す説明図である。
【図7】この下降管路部32以降における洗浄水の挙動
を説明するための説明図である。
【図8】排水管路ソケット28の外形寸法調整により得
られる効果を説明するための説明図である。
【図9】下降管路部32の湾曲向きを変更した変形例の
排水管路ソケット28により得られる効果を説明するた
めの説明図である。
【図10】変形例のソケット駒140を説明するための
説明図である。
【図11】このソケット駒140の製造形態の一例を説
明する説明図である。
【図12】ソケット駒140の他の形態を説明するため
の説明図である。
【図13】この他の形態のソケット駒140の製造時の
型構造を説明するための説明図である。
【図14】変形例の排水管路ソケット128を説明する
説明図である。
【図15】変形例の上流ソケット駒40を説明するため
の説明図である。
【符号の説明】
10…大便器 11…機器収納部 12…便器ボール部 13…ボール底部 14…リム 15…後方傾斜部 16…リム導水路 16a…吐出孔 18…洗浄水給水路 19…連結孔 20…トラップ 22…トラップ入口 24…上昇管路部 25…頂上堰 26…後部管路部 28…排水管路ソケット 29…連結管路部 30…落下管路部 31…下端湾曲部位 32…下降管路部 32a…軸心 34…シール部材 36…シール部材 40…上流ソケット駒 42…絞り孔 42a…孔中心 43…棚部 43a…棚部 44…切欠凹所 50…下流ソケット駒 52…絞り孔 52a…孔中心 53…棚部 54…上縁突起 128…排水管路ソケット 131…直線管路部 140…ソケット駒 141…弧状パーツ 142…嵌合切欠 GH…外部排水管 K1〜K4…金型 RS…溜水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 泰司 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 大谷 孝幸 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 田口 義秋 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 徳永 博之 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D039 AA02 CB02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器ボール部側面の開口から斜め上方に
    延びる上昇管路部と、前記便器ボール部の溜水水位を規
    定する水位規定部と、前記上昇管路部に続く管路を前記
    水位規定部以降に便器後方に向けて形成する後部管路部
    とを有し、前記便器ボール部からの洗浄水の排水仕様が
    壁排水仕様と床排水仕様から選択可能とされた大便器に
    装着され、前記床排水仕様を達成するために前記後部管
    路部からトイレ床面の外部排水管に到るまでの排水管路
    を形成する排水管路ソケットであって、 前記外部排水管に到る間の前記排水管路の少なくとも一
    部に、前記外部排水管に向けた洗浄水落下を起こし得る
    直線管路部分を備え、 該直線管路部分に、開口面積が直線管路部面積より狭く
    された第1絞り部と第2絞り部とを上下に配置して備
    え、 該第1絞り部は前記直線管路部分の軸心に対して偏心配
    置されると共に、前記第2絞り部は前記軸心および前記
    第1絞り部に対して偏心配置されており、 上流側の前記第1絞り部は、該第1絞り部から洗浄水を
    通過させるに当たり、絞り部周囲で洗浄水の跳ね返りを
    起こした後に該洗浄水を前記第1絞り部から通過するよ
    う前記偏心配置されている、 ことを特徴とする排水管路ソケット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排水管路ソケットであっ
    て、 前記第1絞り部と前記第2絞り部は前記直線管路部分の
    軸心を中心に反対側に位置するよう偏心配置されてい
    る、排水管路ソケット。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の排水管路
    ソケットであって、 前記後部管路部に連結される連結部と、 該連結部から下方に湾曲し、該湾曲箇所から前記外部排
    水管に到るまでに亘って前記直線管路部分を形成する直
    管管路形成部とを有する、排水管路ソケット。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の排水管路
    ソケットであって、 前記後部管路部に連結される連結部と、 該連結部から下方に湾曲して延び、前記便器ボール部へ
    の洗浄水の流し込みにより前記上昇管路部と前記後部管
    路部を通過した洗浄水を、前記連結部から下方に流し落
    とす落下管路部と、 該落下管路部の末端から湾曲して延び、前記落下管路部
    から前記外部排水管までの下部管路を、前記外部排水管
    に至る間に前記直線管路部分を含ませて形成する下部管
    路部とを有する、排水管路ソケット。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4いずれか記載の
    排水管路ソケットであって、 前記上流側の前記第1絞り部が有する絞り開口形状は、
    便器左右方向において管路軸心側に絞られた開口形状と
    されている、排水管路ソケット。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5いずれか記載の
    排水管路ソケットであって、 前記後部管路部からトイレ床面の外部排水管に到るまで
    の前記排水管路を、前記外部排水管に至る間に前記直線
    管路部分を含ませて形成するアウター管路部材と、 該アウター管路部材の前記直線管路部分において上下に
    固定された筒状の第1、第2のインナー管路部材とを有
    し、 上流側の前記第1のインナー管路部材は、筒状内壁面か
    ら管路内側に延びた棚部を有し、該棚部で取り囲んだ開
    口を前記第1絞り部とし、 下流側の前記第2のインナー管路部材は、筒状内壁面か
    ら管路内側に延びた棚部を有し、該棚部で取り囲んだ開
    口を前記第2絞り部とする、排水管路ソケット。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の排水管路ソケットであっ
    て、 前記アウター管路部材は、前記直線管路部分を前記外部
    排水管の側の末端に有し、 前記第1、第2のインナー管路部材は、前記アウター管
    路部材に前記末端から嵌合挿入されている、排水管路ソ
    ケット。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7記載の排水管路
    ソケットであって、 前記第1と第2のインナー部材は、前記直線管路部分に
    おいて上下に接合し、該接合箇所に管路軸心回りの位置
    決め手段を有する、排水管路ソケット。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし請求項8いずれか記載の
    排水管路ソケットであって、 前記第1のインナー管路部材が有する前記棚部は、前記
    筒状内壁面から椀状に湾曲して管路内側に延びて前記開
    口を取り囲み、 前記第2のインナー管路部材が有する前記棚部は、前記
    筒状内壁面から椀状に湾曲して管路内側に延びて前記開
    口を取り囲む、排水管路ソケット。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし請求項9いずれか記載
    の排水管路ソケットであって、 前記第1と第2のインナー部材は、上下に一体化して形
    成されている、排水管路ソケット。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の排水管路ソケットで
    あって、 前記上下に一体化された前記第1、第2のインナー管路
    部材は、筒形状の軸心方向に沿って縦分割された左右パ
    ーツとして形成され、該縦分割された左右バーツが接合
    された形態で前記直線管路部分に固定されている、排水
    管路ソケット。
  12. 【請求項12】 便器ボール部からの洗浄水の排水仕様
    が壁排水仕様と床排水仕様から選択可能とされた大便器
    であって、 前記便器ボール部側面の開口から斜め上方に延びる上昇
    管路部と、 前記便器ボール部の溜水水位を規定する水位規定部と、 前記上昇管路部に続く管路を前記水位規定部以降に便器
    後方に向けて形成する後部管路部と、 前記床排水仕様を達成するために、請求項1ないし請求
    項12記載の排水管路ソケットを前記後部管路部とトイ
    レ床面の外部排水管に到るまでの間に亘って装着した、 ことを特徴とする大便器。
  13. 【請求項13】 便器ボール部からの洗浄水の排水仕様
    が壁排水仕様と床排水仕様から選択可能とされた大便器
    に装着されて、前記床排水仕様を達成するために前記後
    部管路部からトイレ床面の外部排水管に到るまでの排水
    管路を形成する排水管路ソケットに組み込むソケット部
    品であって、 前記排水管路ソケットが前記外部排水管に到る間の前記
    排水管路に形成した直線管路部分に上下に組み込に固定
    される筒状の第1部材と第2部材とを有し、 前記直線管路部分において上流側に組み込まれる前記第
    1部材は、筒状内壁面から管路内側に延びた棚部と、該
    棚部で取り囲んで前記直線管路部面積より狭くされた開
    口とを有し、 前記直線管路部分において下流側に組み込まれる前記第
    2部材は、筒状内壁面から管路内側に延びた棚部と、該
    棚部で取り囲んで前記直線管路部面積より狭くされた開
    口とを有し、 前記第1部材の前記開口は前記直線管路部分の軸心に対
    して偏心した位置を採るようにされると共に、前記第2
    部材の前記開口は前記軸心および前記第1部材の前記開
    口に対して偏心した位置を採るようにされており、 前記第1部材は、前記開口から洗浄水を通過させるに当
    たり、開口周囲の前記棚部で洗浄水の跳ね返りを起こし
    た後に該洗浄水を前記開口から通過するよう前記直線管
    路部分に組み込まれている、 ことを特徴とするソケット部品。
  14. 【請求項14】 便器ボール部側面の開口から斜め上方
    に延びる上昇管路部と、前記便器ボール部の溜水水位を
    規定する水位規定部と、前記上昇管路部に続く管路を前
    記水位規定部以降に便器後方に向けて形成する後部管路
    部とを有し、前記便器ボール部からの洗浄水の排水仕様
    が壁排水仕様と床排水仕様から選択可能とされた大便器
    に装着され、前記床排水仕様を達成するために前記後部
    管路部からトイレ床面の外部排水管に到るまでの排水管
    路を形成し、前記外部排水管に到る間の前記排水管路の
    少なくとも一部に略鉛直な直線管路部分を備える排水管
    路ソケットであって、 便器洗浄の際に前記ボール部への洗浄水給水に伴って、
    前記直線管路部分の一部が洗浄水で満管状態になるよう
    洗浄水滞留部を前記直線管路部分に有することを特徴と
    する排水管路ソケット。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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