JP2003093158A - 口腔内衛生用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 清掃効果とマッサージ効果のいずれにも優
れ、しかも為害性の低い口腔内衛生用具を提供する。 【解決手段】 ヘッド部２に４本の螺旋状ワイヤーブラ
シ３を柄部１の長軸方向と直交する向きに固定配置し
た。螺旋状ワイヤーブラシ３の刷毛５の先端が様々な角
度で口腔内組織に進入するので、口腔内の汚れを組織隙
間まで効率よく清掃できるとともに、優れたマッサージ
効果を発揮する。また、刷毛太さや長さを変えることに
よって刷毛の固さを調節できるので、マッサージや清掃
時における口腔内組織への為害性も抑えることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、口腔内の清掃や歯
肉マッサージなどを行なうための口腔内衛生用具に関す
る。 【０００２】 【従来の技術】従来、この種の口腔内衛生用具としては
次のようなものが知られている。 へら状舌ブラシ 主に樹脂で構成された硬質なへらによって舌苔を掻き取
るタイプ。このタイプの場合、組織隙間の汚れを掻き取
ることができないため、清掃効果に劣る。また、為害性
が高く、口腔内マッサージャーとしては不適である。 【０００３】歯ブラシ状舌ブラシ・歯肉マッサージャ
ー 比較的面積の広いヘッド部に刷毛が歯ブラシ様に植毛さ
れたもの。歯ブラシ同様刷毛の方向がヘッド面に対して
鉛直方向のみのため、刷毛が組織隙間に進入しにくく、
清掃効果が低い。また、一般に毛丈が短く、為害性が高
い。 【０００４】軟質樹脂による突起成形舌ブラシ・歯肉
マッサージャー シリコンエラストマーなどの軟質樹脂による突起をヘッ
ド部に形成したもの。為害性が低く、マッサージ効果に
も優れる。しかし、突起部分が軟質のため、組織間隙へ
の進入性が著しく低く、清掃効果はかなり低い。 【０００５】ワイヤーブラシ式舌ブラシ 単一のワイヤーブラシをＹ字型ヘッドのＹ字先端間に掛
け渡して取り付けたもの。単一ワイヤーのため、刷掃効
率が悪い。また、刷掃時にワイヤーがしなりによって逃
げるため、充分な刷掃効果を得られない。 【０００６】また、上記以外にも、ループ毛を植設した
舌苔除去具（特開平１１−１１３９３４号公報）、抗菌
剤含有の軟質樹脂からなる舌掻き部を備えた舌クリーナ
（特開平９−２９４６８８号公報）、芯線の間に毛材を
織り込み、芯線にねじりを加えたねじりブラシ（特開平
７−２４６１１４号公報）、舌苔除去部の先端湾曲部の
片側を鋭角に、他の片側を鈍角にした舌クリーナー（実
用新案登録第３０６９８２９号公報）なども知られてい
る。 【０００７】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
よりこの種の口腔内衛生用具としては種々のものが知ら
れているが、いずれも一長一短があり、改良の余地があ
った。本発明は、このような事情に鑑みてなされたもの
で、清掃効果とマッサージ効果のいずれにも優れ、しか
も為害性の低い口腔内衛生用具を提供することを目的と
する。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の口腔内衛生用具は、植毛台に螺旋状ワイヤ
ーブラシを固定したものである。なお、本発明にいう螺
旋状ワイヤーブラシとは、ワイヤーの間に他数本の刷毛
を挟み込んで捩じることにより、刷毛を螺旋状に挟持し
たブラシをいう。 【０００９】このような構成とした場合、刷掃部が螺旋
状ワイヤーブラシのため、刷毛先端が様々な角度で口腔
内組織に進入し、口腔内（主に舌）の汚れを組織隙間ま
で効率よく清掃することができる。 【００１０】また、螺旋状ワイヤーブラシであるため刷
毛方向が３６０度であり、刷毛先端が様々な角度で口腔
内組織に接するので、優れたマッサージ効果を発揮でき
るとともに、口腔内組織への為害性を抑えることができ
る。 【００１１】また、刷毛太さや長さを変えることによっ
て刷毛の固さを調節できるので、マッサージ効果をより
向上できるとともに、口腔内組織への為害性をより確実
に抑えることができる。また、螺旋状ワイヤーブラシを
植毛台に固定しているため、充分な刷掃圧を得ることが
できる。 【００１２】さらに、螺旋状ワイヤーブラシは従来周知
の技術で製造でき、しかも、これを任意の方法で植毛台
（ヘッド部）に固定するだけでよいので、高機能な口腔
内衛生用具を容易に製造でき、コストダウンを図ること
ができる。 【００１３】植毛台に固定する螺旋状ワイヤーブラシの
数は単数であっても、複数であってもよい。植毛台（ヘ
ッド部）への固定方向（角度）も単一方向であっても、
複数方向であってもよく、その角度も任意である。 【００１４】螺旋状ワイヤーブラシの螺旋直径は０．２
〜１０ｍｍがよく、好ましくは０．４〜５ｍｍがよい。
螺旋直径が大き過ぎると刷掃効率、マッサージ効果が低
下し、小さ過ぎると組織隙間への刷毛の進入性の悪化、
為害性の増加の問題が発生する。 【００１５】植毛台（ヘッド部）に複数の螺旋状ワイヤ
ーブラシを固定する場合、その螺旋直径は単一でもよい
が、好ましくは直径０．４〜５ｍｍの螺旋状ワイヤーブ
ラシを複数組み合わせる方が使用感、機能が向上し、よ
り優れたものとなる。このように螺旋直径を複数組み合
わせることで、口腔内の複雑な形状にさらにフィットさ
せることできる。 【００１６】螺旋状ワイヤーブラシの刷毛（用毛）の素
材としては、歯ブラシ用に適しているものであればよ
く、例えば、６−１０ナイロンやポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン
などや、それらを組み合わせた複合糸を用いることがで
きる。また、天然毛を用いるのよい。 【００１７】また、螺旋状ワイヤーブラシのワイヤーの
素材としては、フェライト系ステンレス鋼、オーステナ
イト系ステンレス鋼、オーステナイト・フェライト系ス
テンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化
系ステンレス鋼、ニッケル基合金、コバルト基合金、チ
タン・ニッケル合金のいずれかを用いることができる。 【００１８】螺旋状ワイヤーブラシを構成する刷毛（用
毛）の径は０．０２〜０．２５ｍｍがよく、好ましくは
０．０４〜０．１３ｍｍがよい。これよりも刷毛径が大
きいと為害性が高くなり、小さ過ぎると毛腰が弱くな
り、組織隙間への刷毛進入性の悪化が起こり、刷掃効
果、マッサージ効果が低下する。 【００１９】螺旋状ワイヤーブラシの刷毛径は単一でも
よいが、好ましくは直径０．０４〜０．１３ｍｍの範囲
のものを組み合わせることにより、適度な毛腰とするこ
とができ、使用感、機能を向上することができる。 【００２０】螺旋状ワイヤーブラシの刷毛毛先はカット
したままでもよいが、好ましくは毛先丸めを行なうのが
よい。 【００２１】螺旋状ワイヤーブラシ単体では適度な刷掃
圧が得られないので、これを植毛台（ヘッド部）に固定
するが、植毛台（ヘッド部）への固定方法は、ブラシの
一端もしくはその両端を打ち込む方法、接着あるいはイ
ンサート成形などを利用することができる。 【００２２】螺旋状ワイヤーブラシは取り換えのきかな
い固定式でもよいが、刷毛は使用につれて劣化するた
め、首部やヘッド部などの特定の部位から螺旋状ワイヤ
ーブラシ部分を取り替えることができる交換式としても
よい。 【００２３】植毛台を含むハンドルの素材としては、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレ
ートなどを使用できる。また、２色成形ハンドルの場合
には、ポリオレフィン系ＴＰＥ（ＴＰＥ：熱可塑性エラ
ストマー）、ポリスチレン系ＴＰＥ、ポリウレタン系Ｔ
ＰＥ、ポリエステル系ＴＰＡ、天然ゴム系ＴＰＥ、フッ
素系ＴＰＥなど、様々なＴＰＥを用いることができる。 【００２４】ハンドルとして求められる物性、価格など
を考慮すると、１色成形ハンドルであるならばポリプロ
ピレン、２色成形ハンドルであるならば第１の合成樹脂
（硬質樹脂）はポリプロピレン、第２の合成樹脂（軟質
樹脂）はポリオレフィン系ＴＰＥを用いることが好まし
い。 【００２５】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図１に第１の実施の形態を
示す。（ａ）は第１の実施の形態に係る口腔内衛生用具
の正面図、（ｂ）はその側面図、（ｃ）は（ａ）中のＩ
−Ｉ線断面図、（ｄ）は（ａ）中のII−II線断面図、
（ｅ）は螺旋状ワイヤーブラシの形状例を示す略示斜視
図である。 【００２６】この第１の実施の形態に係る口腔内衛生用
具は、図１（ａ）（ｂ）に示すように、細長い柄部１
と、この柄部１の先端に一体に形成された植毛台として
のヘッド部２を備えており、このヘッド部２の上面に４
本の螺旋状ワイヤーブラシ３が柄部長軸方向と直交する
向きに固定配置されている。 【００２７】螺旋状ワイヤーブラシ３は、図１（ｅ）に
例示するように、金属製のワイヤー４の間に多数本の刷
毛５を挟み込んで捩じることにより、刷毛５を螺旋状に
挟持したものであって、図（ｃ）（ｄ）に示すように、
この螺旋状ワイヤーブラシ３の下半部をヘッド部２の上
面にインサート成形によって埋め込んだものである。 【００２８】上記構成の口腔内衛生用具の場合、螺旋状
ワイヤーブラシ３の刷毛５の先端が様々な角度で口腔内
組織に進入するので、口腔内（主に舌）の汚れを組織隙
間まで効率よく清掃することができる。 【００２９】また、螺旋状ワイヤーブラシ３の刷毛方向
が３６０度であり、口腔内組織に刷毛先端が様々な角度
で接するので、口腔内の複雑な形状に無理なくフィット
させることができ、口腔内組織への為害性を抑えること
ができる。 【００３０】さらに、螺旋状ワイヤーブラシ３の刷毛５
が適度な弾力を持つとともに、刷毛先端が様々な角度で
口腔内組織に接するので、優れたマッサージ効果を発揮
することができる。さらに、螺旋状ワイヤーブラシ３を
ヘッド部２に固定しているため、充分な刷掃圧を得るこ
とができる。 【００３１】一方、螺旋状ワイヤーブラシ３は従来周知
の方法で簡単に製造することができ、しかも、これをヘ
ッド部２に打ち込むだけでよいので、特別な設備が不要
であり、コストダウンも図ることができる。 【００３２】図２に第２の実施の形態を示す。（ａ）は
第２の実施の形態に係る口腔内衛生用具の正面図、
（ｂ）はその左側面図、（ｃ）は（ａ）中のIII −III
線断面図、（ｄ）は（ａ）中のIV−IV線断面図である。 【００３３】この第２の実施の形態に係る口腔内衛生用
具は、螺旋直径の大きな螺旋状ワイヤーブラシ３を柄部
長軸方向に沿って平行に１本だけ固定配置し、前記第１
の実施の形態と同じように螺旋状ワイヤーブラシ３の下
半部をヘッド部２の上面にインサート成形によって埋め
込んだものである。なお、その作用ならびに効果は前述
した第１の実施の形態と同様であるので、その詳細は省
略する。 【００３４】図３に第３の実施の形態を示す。（ａ）は
柄部長手方向に沿ったヘッド部の断面図、（ｂ）は柄部
長手方向と直交する向きに沿ったヘッド部の断面図であ
る。 【００３５】この第３の実施の形態に係る口腔内衛生用
具は、前記第１の実施の形態（図１）と同様な構造にお
いて、螺旋状ワイヤーブラシ３の下半部を切断して除去
し、この切断面部分をヘッド部２の上面に接着固定した
ものである。なお、その作用ならびに効果は前述した第
１の実施の形態と同様であるので、その詳細は省略す
る。 【００３６】図４に第４の実施の形態を示す。（ａ）は
柄部長手方向に沿ったヘッド部の断面図、（ｂ）は柄部
長手方向と直交する向きに沿ったヘッド部の断面図であ
る。 【００３７】この第４の実施の形態に係る口腔内衛生用
具は、前記第２の実施の形態（図２）と同様な構造にお
いて、螺旋状ワイヤーブラシ３の下半部を切断して除去
し、この切断面部分をヘッド部２の上面に接着固定した
ものである。なお、その作用ならびに効果は前述した第
１の実施の形態と同様であるので、その詳細は省略す
る。 【００３８】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の口腔内衛
生用具によれば、以下のような優れた効果を奏すること
ができる。 （１）口腔内の清掃効果が高く、マッサージ効果にも優
れた口腔内衛生用具を得ることができる。 （２）使用感がよく、為害性の低い口腔内衛生用具を得
ることができる。 （３）従来のものに比べ、安価な設備投資、製造コスト
で製造することができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明に係る口腔内衛生用具の第１の実施の形
態を示すもので、（ａ）は口腔内衛生用具の正面図、
（ｂ）はその側面図、（ｃ）は（ａ）中のＩ−Ｉ線断面
図、（ｄ）は（ａ）中のII−II線断面図、（ｅ）は螺旋
状ワイヤーブラシの形状例を示す略示斜視図である。 【図２】本発明に係る口腔内衛生用具の第２の実施の形
態を示すもので、（ａ）は口腔内衛生用具の正面図、
（ｂ）はその左側面図、（ｃ）は（ａ）中のIII −III
線断面図、（ｄ）は（ａ）中のIV−IV線断面図である。 【図３】本発明に係る口腔内衛生用具の第３の実施の形
態を示すもので、（ａ）は柄部長手方向に沿ったヘッド
部の断面図、（ｂ）は柄部長手方向と直交する向きに沿
ったヘッド部の断面図である。 【図４】本発明に係る口腔内衛生用具の第４の実施の形
態を示すもので、（ａ）は柄部長手方向に沿ったヘッド
部の断面図、（ｂ）は柄部長手方向と直交する向きに沿
ったヘッド部の断面図である。 【符号の説明】 １ 柄部 ２ ヘッド部（植毛台） ３ 螺旋状ワイヤーブラシ ４ 捩じりワイヤー ５ 刷毛（用毛）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 利彰 東京都墨田区本所一丁目３番７号 ライオ ン株式会社内 Ｆターム(参考） 3B202 AA06 AB02 AB15 BA02 EA01 EA04 EE06 EG16 4C060 MM03 4C100 AF03 BB01 CA01 DA20

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 植毛台に螺旋状ワイヤーブラシを固定し
   たことを特徴とする口腔内衛生用具。