JP2003092868A - 動圧軸受スピンドルモータ - Google Patents

動圧軸受スピンドルモータ

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JP2003092868A
JP2003092868A JP2001286296A JP2001286296A JP2003092868A JP 2003092868 A JP2003092868 A JP 2003092868A JP 2001286296 A JP2001286296 A JP 2001286296A JP 2001286296 A JP2001286296 A JP 2001286296A JP 2003092868 A JP2003092868 A JP 2003092868A
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cup
dynamic pressure
shaped hub
spindle motor
pressure bearing
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JP2001286296A
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Toru Kumagai
徹 熊谷
Shinji Kinoshita
伸治 木下
Kazuhiro Tazawa
千浩 田澤
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動圧軸受スピンドルモータにおいて、スラス
トギャップの測定やハブの接着強度保証を容易に、正確
に、安定的に行えるようにすること。 【解決手段】 流体動圧軸受によって、カップ状ハブ6
に取り付けられたロータマグネット7を含むロータがス
テータコイル8を含むステータに回転自在に支持された
動圧軸受スピンドルモータにおいて、カップ状ハブ6の
外周面に環状突起6cを形成した。環状突起6cは、カ
ップ状ハブ6の外周面に対して直角な下面と、且つカッ
プ状ハブ6の外周面に対してテーパー面を形成する上面
とを有するものである。フランジ付シャフト1、段付ス
リーブ4、及び環状蓋部材5は、上記流体動圧軸受を構
成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジアル動圧軸受
部とスラスト動圧軸受部を含む流体動圧軸受によって、
カップ状ハブに取り付けられたロータマグネットを含む
ロータがステータコイルを含むステータに回転自在に支
持された動圧軸受スピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術】図6に示す従来の動圧軸受スピンドルモ
ータにおいて、ロータは円筒部6aとボス部6bを有す
るカップ状ハブ6と、円筒部6aの内周面に取りつけら
れたロータマグネット7を含む。また、ステータはベー
ス基板9とステータコイル8を含む。ステータコイル8
は、ベース基板9に立設された流体動圧軸受のスリーブ
4の外周面に取りつけられている。
【0003】前記ロータを前記ステータに回転自在に支
持する流体動圧軸受は、スラストリング3とシャフト部
材2を有するフランジ付シャフト1と、円筒状開放端部
を有する片袋状段付スリーブ4と、片袋状段付スリーブ
4の円筒状開放端部に圧入固定されるスラスト押え部材
としても機能する環状蓋部材5とを主要構成部材とする
ものである。
【0004】片袋状段付スリーブ4は、その閉塞端部側
に小径円筒部が形成され、且つ円筒状開放端部と前記小
径円筒部との間には大径円筒部が形成されている。片袋
状段付スリーブ4にフランジ付シャフト1を挿入する
と、小径円筒部の内周面にはフランジ付シャフト1のシ
ャフト部材2の下側の外周面が対向し、これらの面によ
ってラジアル隙間が形成される。ヘリングボーン溝の如
きラジアル動圧発生溝G1は、フランジ付シャフト1の
シャフト部材2の下側の外周面に設けられている。
【0005】片袋状段付スリーブ4にフランジ付シャフ
ト1を挿入し、更に片袋状段付スリーブ4の円筒状開放
端部に環状蓋部材5を圧入固定すると、フランジ付シャ
フト1のスラストリング3の上面と環状蓋部材5の下面
が対向し、これらの面によって第1スラスト隙間が形成
される。また、スラストリングの下面と前記大径円筒部
と前記小径円筒部の境界面である段部、即ち大径円筒部
の環状底面の表面は対向し、これらの面によって第2ス
ラスト隙間を形成している。図8に示す如きスラスト動
圧発生溝G2は、回転面であるスラストリング3の上下
の表面に設けられている。
【0006】そして、フランジ付シャフト1、片袋状段
付スリーブ4、環状蓋部材5の主要な軸受構成部材間に
形成されたラジアル隙間と第1スラスト隙間と第2スラ
スト隙間を含む微小隙間、及び押えリングの内周面とカ
ップ状ハブ6のボス部6bの外周面の間に形成された微
小隙間には潤滑油が封入されている。
【0007】ところで、図1に示す如き従来の動圧軸受
スピンドルモータのカップ状ハブ6の外周側面は、軸方
向と平行なストレートな面になっている。このため、流
体動圧軸受を備えた動圧軸受スピンドルモータの出荷前
の検査工程等において、いくつかの問題が生じていた。
【0008】即ち、従来の動圧軸受スピンドルモータの
スラストギャップの測定は、図7に示す如く、ベース基
板9を下側の固定治具11に固定し、且つカップ状ハブ
6の円筒部6aの外周面を上側の把持治具13で把持
し、把持治具13を上下方向に移動させ、移動量をメー
タ14で測定して行っていた。このため、カップ状ハブ
6を適切な把持力で把持することが容易ではなく、測定
前後の手間もかかっていた。しかも、強い把持力ではカ
ップ状ハブを変形させる恐れがあり、弱い把持力ではス
ラストギャップの安定な測定ができないということもあ
った。要するに、治具の把持力の強弱によって測定にバ
ラツキが生じ、安定した測定ができないという問題があ
った。
【0009】また、カップ状ハブ6はシャフト1に接着
剤によって接着されるが、接着強度が十分であることを
保証するための接着強度試験も、容易ではなかった。即
ち、接着強度試験は、カップ状ハブ6の円筒部6aの外
周面を図7に示す如き把持治具13で把持して固定し、
シャフト1の上端面に下方向の圧力を加え、この圧力を
メータで測定して行っていた。このため、カップ状ハブ
6を適切な把持力で把持することが容易ではなく、測定
前後の手間もかかっていた。しかも、強い把持力ではカ
ップ状ハブを変形させる恐れがあり、弱い把持力では接
着強度の正確な検査ができないということもあった。要
するに、治具の把持力の強弱によって検査にバラツキが
生じ、安定した検査ができないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、ラジアル動圧軸受部とスラスト動圧軸受部を含む流
体動圧軸受によって、カップ状ハブに取り付けられたロ
ータマグネットを含むロータがステータコイルを含むス
テータに回転自在に支持された動圧軸受スピンドルモー
タにおいて、スラストギャップの測定やハブの接着強度
保証を容易に、正確に、安定的に行えるようにすること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、ラジアル動圧軸受部とスラスト動圧軸受部を含む流
体動圧軸受によって、カップ状ハブに取り付けられたロ
ータマグネットを含むロータがステータコイルを含むス
テータに回転自在に支持された動圧軸受スピンドルモー
タにおいて、前記カップ状ハブの外周面に環状突起を形
成した。
【0012】より具体的に記述すれば、上記課題を解決
するために、フランジ部とシャフト部とを有するフラン
ジ付シャフトと、小径円筒部と大径円筒部を有する段付
スリーブと、環状蓋部材と、ラジアル隙間を形成する前
記フランジ付シャフトの外周面と段付スリーブのいずれ
か一方に設けられたラジアル動圧発生溝と、第1スラス
ト隙間を形成する前記フランジ付シャフトのフランジ部
の上面と前記環状蓋部材の下面のいずれか一方に設けら
れた第1スラスト動圧発生溝と、第2スラスト隙間を形
成する前記フランジ付シャフトのフランジ部の下面と前
記段付スリーブの大径円筒部の環状底面のいずれか一方
に設けられた第2スラスト動圧発生溝と、前記ラジアル
隙間と第1スラスト隙間と第2スラスト隙間を含む微小
隙間に充填された潤滑油とから構成された流体動圧軸受
によって、カップ状ハブに取り付けられたロータマグネ
ットを含むロータがステータコイルを含むステータに回
転自在に支持された動圧軸受スピンドルモータにおい
て、前記カップ状ハブの外周面に環状突起を形成した。
【0013】そして、前記環状突起は、カップ状ハブの
外周面に対して直角な下面を有するものとした。
【0014】更に、前記環状突起は、カップ状ハブの外
周面に対して直角な下面と、且つカップ状ハブの外周面
に対してテーパー面を形成する上面とを有するものとし
た。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、軸受隙間を含む微小隙間
を誇張して示した本発明の第1実施形態の縦断面図であ
る。この動圧軸受スピンドルモータは、流体動圧軸受に
よって、ロータマグネット7を含むロータがステータコ
イル8を含むステータに回転自在に支持されたものであ
る。ロータマグネット7は、カップ状ハブ6の円筒部6
aの内周面に取り付けられている。カップ状ハブ6の円
筒部6aは、回転軸に対して平行な外周面を有するスト
レートな円筒部である。カップ状ハブ6はボス部6bを
有し、そのボス穴をフランジ付シャフト1のシャフト部
材2の上端部に外嵌し、回転軸に固定されている。ステ
ータコイル8は、ベース基板9に立設された段付スリー
ブ4の外周面に取りつけられている。
【0016】前記流体動圧軸受は、シャフト部材2にリ
ング状フランジ部材3が圧入されて形成されたフランジ
付シャフト1と、このフランジ付シャフト1が回転自在
にして嵌合する段付スリーブ4と、スラスト押え部材と
しても機能する環状蓋部材5とから構成されている。こ
れらの軸受構成部材間に形成された微小隙間には潤滑油
が充填されている。シャフト部材2の上側の外周面とカ
ップ状ハブ6のボス部6bの内周面との間に形成された
テーパー状微小隙間は、毛細管現象と表面張力を利用し
て潤滑油が外部に漏出しないように機能するキャピラリ
ーシールである。
【0017】ラジアル軸受隙間を形成するシャフト部材
2の下側の外周面にはヘリングボーン溝の如きラジアル
動圧発生溝G1のパターンが形成され、また段付スリー
ブ4の小径円筒部の内周面は平坦面とされている。
【0018】スラスト軸受隙間は、リング状フランジ部
3の上面とスラスト押え部材としても機能する環状蓋部
材5の下面とで形成する第1のスラスト軸受隙間と、リ
ング状フランジ部3の下面と段付スリーブ4の大径円筒
部の環状底面とで形成する第2のスラスト軸受隙間の2
つである。リング状フランジ部3の上面と下面には、図
8に示す如きスラスト動圧発生溝G2が形成されてい
る。
【0019】なお、第1実施形態の動圧軸受スピンドル
モータにおいて、ラジアル動圧発生溝G1はスリーブ4
の内周面に設けられてもよい。また、第1スラスト動圧
発生溝G2はスラスト押え部材としても機能する環状蓋
部材5の下面に設けてもよい。更に、第2スラスト動圧
発生溝G2はスリーブ4の大径円筒部の環状底面に設け
てもよい。
【0020】上述の如く構成された流体動圧軸受を備え
た本発明の第1実施形態の動圧軸受スピンドルモータに
おいて、カップ状ハブ6には環状突起6cが形成されて
いる。即ち、カップ状ハブ6の円筒部6aの外周面に
は、カップ状ハブ6の外周面に対して直角な下面と、且
つカップ状ハブ6の外周面に対してテーパー面となる上
面とを有する環状突起6cが形成されている。
【0021】次に、図2は軸受隙間を含む微小隙間を誇
張して示した本発明の第2実施形態の動圧軸受スピンド
ルモータの縦断面図である。この動圧軸受スピンドルモ
ータは、流体動圧軸受によって、ロータマグネット7を
含むロータがステータコイル8を含むステータに回転自
在に支持されたものである。ロータマグネット7は、カ
ップ状ハブ6の円筒部6aの大径円筒部の内周面に取り
付けられている。カップ状ハブ6の円筒部6aは、上部
の小径円筒部と下部の大径円筒部とから成る2段構造の
円筒部である。カップ状ハブ6はボス部6bを有し、そ
のボス穴をフランジ付シャフト1のシャフト部材2の上
端部に外嵌し、回転軸に固定されている。ステータコイ
ル8は、ベース基板9に立設された段付スリーブ4の外
周面に取りつけられている。
【0022】前記流体動圧軸受は、シャフト部材2にリ
ング状フランジ部材3が圧入されて形成されたフランジ
付シャフト1と、このフランジ付シャフト1が回転自在
にして嵌合する段付スリーブ4と、環状蓋部材5とから
構成されたもので、その構造は図1の第1実施形態の動
圧軸受スピンドルモータに採用されている流体動圧軸受
と同じである。
【0023】上述の如く構成された流体動圧軸受を備え
た本発明の第2実施形態の動圧軸受スピンドルモータに
おいて、カップ状ハブ6には環状突起6cが形成されて
いる。即ち、カップ状ハブ6の円筒部6aの上部の小径
円筒部の外周面には、カップ状ハブ6の外周面に対して
直角な下面と、且つカップ状ハブ6の外周面に対してテ
ーパー面となる上面とを有する環状突起6cが形成され
ている。
【0024】更に、図3は軸受隙間を含む微小隙間を誇
張して示した本発明の第3実施形態の動圧軸受スピンド
ルモータの縦断面図である。この動圧軸受スピンドルモ
ータは、流体動圧軸受によって、ロータマグネット7を
含むロータがステータコイル8を含むステータに回転自
在に支持されたものである。ロータマグネット7は、カ
ップ状ハブ6の円筒部6aの外周面に取り付けられてい
る。カップ状ハブ6はボス部6bを有し、そのボス穴を
フランジ付シャフト1のシャフト部材2の上端部に外嵌
し、回転軸に固定されている。ステータコイル8は、ベ
ース基板9に立設された段付スリーブ4の外周面に取り
つけられている。
【0025】前記流体動圧軸受は、シャフト部材2にリ
ング状フランジ部材3が圧入されて形成されたフランジ
付シャフト1と、このフランジ付シャフト1が回転自在
にして嵌合する段付スリーブ4と、スラスト押え部材と
しても機能する環状蓋部材とから構成されたもので、そ
の構造は図1の第1実施形態の動圧軸受スピンドルモー
タに採用されている流体動圧軸受と同じである。
【0026】上述の如く構成された流体動圧軸受を備え
た本発明の第3実施形態の動圧軸受スピンドルモータに
おいて、カップ状ハブ6には環状突起6cが形成されて
いる。即ち、カップ状ハブ6の円筒部6aの外周面に
は、カップ状ハブ6の外周面に対して直角な下面と、且
つカップ状ハブ6の外周面に対してテーパー面となる上
面とを有する環状突起6cが形成されている。
【0027】図1から図3に示した通り、本発明に係る
動圧軸受スピンドルモータは、そのカップ状ハブ6の外
周面に環状突起6cが形成されたことを特徴とするもの
である。このような特徴的構造の本発明に係る動圧軸受
スピンドルモータのスラストギャップの測定は、以下に
説明する如く容易に、正確に、安定的に行える。
【0028】即ち、本発明に係る動圧軸受スピンドルモ
ータのスラストギャップの測定は、図4に示す如く、ベ
ース基板9を下側の固定治具11に固定し、カップ状ハ
ブ6の外周面に形成された環状突起6cの下面を上側吊
下げ治具12で支え持ち上げた時の高さと、カップ状ハ
ブ6を押し下げた時の高さの差をメータ14で測定す
る。上側吊下げ治具12で支え持ち上げた時の高さは、
リング状フランジ部材3の上面が環状蓋部材5の下面に
当接した時のフランジ付シャフト1の高さである。ま
た、カップ状ハブ6を押し下げた時の高さは、リング状
フランジ部材3の下面が段付スリーブ4の大径円筒部の
環状底面に当接した時のフランジ付シャフト1の高さで
ある。
【0029】図4から明らかな如く、本発明に係る動圧
軸受スピンドルモータのスラストギャップの測定におい
て、カップ状ハブ6を支え持ち上げるには、上側吊下げ
治具12を環状突起6cの水平面の下面に単に引っ掛け
て、持ち上げるだけである。従って、作業は容易である
だけでなく、カップ状ハブ6を変形させる恐れがない。
また、上側吊下げ治具12で支え持ち上げた時の高さ測
定は正確である。
【0030】上述の本発明に係る動圧軸受スピンドルモ
ータのスラストギャップの測定によれば、スラストギャ
ップが10〜20μmの場合、その誤差は2μm以下な
る。因みに、従来の動圧軸受スピンドルモータのスラス
トギャップの測定によれば、スラストギャップが10〜
20μmの場合、その誤差は3〜5μmであり、率にし
て20%以上である。
【0031】また、そのカップ状ハブ6の外周面に環状
突起6cが形成されたことを特徴とする本発明に係る動
圧軸受スピンドルモータはハブの接着強度保証も容易
に、正確に、安定的に行える。即ち、本発明に係る動圧
軸受スピンドルモータにおいて、そのハブの接着強度保
証は、カップ状ハブ6の環状突起6cの下面に当接して
動圧軸受スピンドルモータを支える下支え治具を用い
る。このようにして、下支え治具に本発明に係る動圧軸
受スピンドルモータをセットし、フランジ付シャフト1
の上端部に下方の圧力を印加し、カップ状ハブ6とフラ
ンジ付シャフト1との接着強度を測定する。
【0032】本発明に係る動圧軸受スピンドルモータの
ハブの接着強度保証において、カップ状ハブ6を下支え
するには、下支え治具を環状突起6cの水平面の下面に
単に当接させるだけである。従って、作業は容易である
だけでなく、カップ状ハブ6を変形させる恐れがない。
また、このような状態で行われるカップ状ハブ6とフラ
ンジ付シャフト1との接着強度の測定は正確である。作
業が簡単に行えるので、全数の接着強度保証が行えるよ
うになった。
【0033】更に、カップ状ハブ6の外周面に対して直
角な下面と、且つカップ状ハブ6の外周面に対してテー
パー面となる上面とを有する環状突起6cがカップ状ハ
ブ6の外周面に形成されていることを特徴とする本発明
に係る動圧軸受スピンドルモータにおいては、機械的ス
トッパーを簡単な構成で設けることができる。この機械
的ストッパーは、カップ状ハブ6がこのスピンドルモー
タを使用したドライブ装置に加わる衝撃等でフランジ付
シャフト1から外れることがないように、規制するもの
である。
【0034】即ち、図5に部分的に示す如く、端部の下
面にテーパー面が形成されたストッパー部材15を、そ
のテーパー面がカップ状ハブ6の環状突起6cのテーパ
ー面に逆向きとなるように対向させ、且つ左右の移動を
調節できるように配置する。テーパー面を持たせること
で、個々のモータのハブ高さを吸収させることができ、
ハブの高さがばらついても、ストッパーでぴたりとハブ
を固定することができる。このような構成によって、本
発明に係る動圧軸受スピンドルモータを使用したドライ
ブ装置は、その耐衝撃性がカップ状ハブ6のフランジ付
シャフト1への接合強度にかかわらず、常に高い値を保
証することが可能となる。
【0035】この耐衝撃性、即ちモータ部品の抜け強度
は、ドライブ装置が小型化し薄型化するほど、高い値を
確保することが難しくなる。一方、ドライブ装置の小型
化の目的は、これを採用した製品のモバイル化に適切に
対応することである。モバイル化した製品に採用される
ドライブ装置は必然的に持ち歩くものであるから、耐衝
撃性の要求は、小型化したドライブ装置に対するものと
同程度に厳しいものである。従って、モータの外部スト
ッパーによってモータ固定を行う本発明に係る動圧軸受
スピンドルモータは、その耐衝撃性の保証を確保でき、
特に小型のドライブ装置に有効である。
【0036】更にまた、そのカップ状ハブ6の外周面に
環状突起6cが形成されたことを特徴とする本発明に係
る動圧軸受スピンドルモータは、ハブの分解を容易に行
える。即ち、本発明に係る動圧軸受スピンドルモータに
おいて、そのハブの分解は、カップ状ハブ6の環状突起
6cの下面に当接して動圧軸受スピンドルモータを支え
る下支え治具を用いる。このようにして、下支え治具に
本発明に係る動圧軸受スピンドルモータをセットし、フ
ランジ付シャフト1の上端部に下方の衝撃力を印加する
だけである。
【0037】本発明を、フランジ付シャフトとこれを受
ける段付スリーブとからなる流体動圧軸受を備えた動圧
軸受モータの実施形態について、詳細に説明した。しか
しながら、本発明が適用される動圧軸受モータは、その
動圧軸受はラジアル動圧軸受部とスラスト動圧軸受部を
含む流体動圧軸受であればよく、フランジ付シャフトと
段付スリーブとからなる流体動圧軸受に限定されるもの
ではないことは勿論である。
【0038】なお、ラジアル動圧軸受部とスラスト動圧
軸受部を含む流体動圧軸受によって、カップ状ハブに取
り付けられたロータマグネットを含むロータがステータ
コイルを含むステータに回転自在に支持された動圧軸受
スピンドルモータにおいて、前記カップ状ハブの外周面
に形成される環状突起は、その下面はカップ状ハブに対
して直角であるとしたが、上側吊下げ治具12で引っ掛
けて吊下げることができれば、鋭角でもよいことは勿論
である。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る動圧軸受スピンドルモータ
は、ラジアル動圧軸受部とスラスト動圧軸受部を含む流
体動圧軸受によって、カップ状ハブに取り付けられたロ
ータマグネットを含むロータがステータコイルを含むス
テータに回転自在に支持された動圧軸受スピンドルモー
タにおいて、前記カップ状ハブの外周面に環状突起を形
成したことを特徴とするものである。従って、カップ状
ハブを把持する把持治具を用いる必要がなくなったの
で、流体動圧軸受のスラスト隙間の測定を安定且つ容易
に行えるようになった。また、ハブの接着強度の全数保
証を容易に行えるようになった。更に、ハブを流体動圧
軸受のシャフトから取り外す分解作業も簡単に行えるよ
うになった。更にまた、上記環状突起の上面をテーパー
面とし、このテーパー面を機械的ハブストッパーとして
利用することができるようになり、動圧軸受スピンドル
モータの耐衝撃性の向上を図ることもできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】微小隙間を誇張して示した本発明の第1実施形
態の動圧軸受スピンドルモータの断面図である。
【図2】微小隙間を誇張して示した本発明の第2実施形
態の動圧軸受スピンドルモータの断面図である。
【図3】微小隙間を誇張して示した本発明の第3実施形
態の動圧軸受スピンドルモータの断面図である。
【図4】本発明の動圧軸受スピンドルモータにおける流
体動圧軸受のスラスト隙間の測定方法の説明図である。
【図5】本発明の動圧軸受スピンドルモータにおける機
械的ハブストッパーの構成の概要の説明図である。
【図6】微小隙間を誇張して示した従来の動圧軸受スピ
ンドルモータの断面図である。
【図7】従来の動圧軸受スピンドルモータにおける流体
動圧軸受のスラスト隙間の測定方法の説明図である。
【図8】スラスト動圧発生溝G2の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 フランジ付シャフト 2 シャフト部材 3 リング状フランジ部材 4 スリーブ 5 環状蓋部材 6 ロータフレーム 7 ロータマグネット 8 ステータコイル 9 ベース基板 10 チャッキングマグネット 11 下側固定治具 12 上側吊下げ治具 13 上側把持治具 14 メータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田澤 千浩 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 3J011 AA20 BA02 BA08 CA02 KA02 KA03 5H019 CC04 CC09 DD01 FF01 GG01 5H605 BB05 BB19 CC04 EB02 EB06 EB15 5H607 AA08 BB01 BB07 BB09 BB14 BB17 CC01 DD02 DD16 DD17 GG01 GG02 GG09 GG12 GG15 5H615 AA01 BB01 BB07 BB14 PP02 PP07 PP25 SS01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジアル動圧軸受部とスラスト動圧軸受
    部を含む流体動圧軸受によって、カップ状ハブに取り付
    けられたロータマグネットを含むロータがステータコイ
    ルを含むステータに回転自在に支持された動圧軸受スピ
    ンドルモータにおいて、前記カップ状ハブの外周面に環
    状突起を形成したことを特徴とする動圧軸受スピンドル
    モータ。
  2. 【請求項2】 フランジ部とシャフト部とを有するフラ
    ンジ付シャフトと、小径円筒部と大径円筒部を有する段
    付スリーブと、環状蓋部材と、ラジアル隙間を形成する
    前記フランジ付シャフトの外周面と段付スリーブのいず
    れか一方に設けられたラジアル動圧発生溝と、第1スラ
    スト隙間を形成する前記フランジ付シャフトのフランジ
    部の上面と前記環状蓋部材の下面のいずれか一方に設け
    られた第1スラスト動圧発生溝と、第2スラスト隙間を
    形成する前記フランジ付シャフトのフランジ部の下面と
    前記段付スリーブの小径円筒部の環状底面のいずれか一
    方に設けられた第2スラスト動圧発生溝と、前記ラジア
    ル隙間と第1スラスト隙間と第2スラスト隙間を含む微
    小隙間に充填された潤滑油とから構成された流体動圧軸
    受によって、カップ状ハブに取り付けられたロータマグ
    ネットを含むロータがステータコイルを含むステータに
    回転自在に支持された動圧軸受スピンドルモータにおい
    て、前記カップ状ハブの外周面に環状突起を形成したこ
    とを特徴とする動圧軸受スピンドルモータ。
  3. 【請求項3】 前記環状突起は、カップ状ハブの外周面
    に対して直角な下面を有するものであることを特徴とす
    る請求項1又は2の動圧軸受スピンドルモータ。
  4. 【請求項4】 前記環状突起は、カップ状ハブ6の外周
    面に対して直角な下面と、且つカップ状ハブ6の外周面
    に対してテーパー面を形成する上面とを有するものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2の動圧軸受スピンド
    ルモータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7345392B2 (en) * 2004-04-08 2008-03-18 Minebea Co., Ltd. Spindle motor having a hydrodynamic bearing system
KR101054416B1 (ko) 2004-06-24 2011-08-04 엘지전자 주식회사 세탁기의 모터

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US7345392B2 (en) * 2004-04-08 2008-03-18 Minebea Co., Ltd. Spindle motor having a hydrodynamic bearing system
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