JP2003090996A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2003090996A
JP2003090996A JP2001281795A JP2001281795A JP2003090996A JP 2003090996 A JP2003090996 A JP 2003090996A JP 2001281795 A JP2001281795 A JP 2001281795A JP 2001281795 A JP2001281795 A JP 2001281795A JP 2003090996 A JP2003090996 A JP 2003090996A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過表示モードでも反射表示モードでも共に
輝度が向上する液晶表示装置を提供すること。 【解決手段】 互いに対向する基板間に液晶が挟持され
た液晶表示素子3と、液晶表示素子の視覚側に設けられ
た上偏光板1と、液晶表示素子の背後に設けられた下偏
光板4と、下偏光板の背後に設けられたバックライト6
とを備える液晶表示装置であって、特定角度範囲で入射
した光を散乱し、それ以外の角度で入射された光を透過
する指向性拡散層を下偏光板とバックライトの間に設け
る構成とした。さらに、指向性拡散層は特定角度範囲で
入射した光を散乱させ、その散乱光を特定方向に向ける
機能を有するので、指向性拡散層の指向方向で最も効率
よく明るくすることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時計、携帯電話、
オーディオ、電子機器等に使用される液晶表示装置に関
し、液晶表示装置の輝度を向上する構成に係るものであ
る。詳しくは、使用環境の光である外光を利用する反射
型表示と、バックライト等の照明光を利用する透過型表
示との両方の表示が可能な液晶表示装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置に用いられる液晶パネル
(LCD)は、一般に、TN(ツイステッドネマティッ
ク)型またはSTN(スーパーツイステッドネマティッ
ク)型の液晶が用いられ、液晶分子がツイスト配向した
液晶層を挟んで互いに対向する2枚の基板を主要な構成
としている。そして、液晶パネルの前面側と背面側には
それぞれ偏光板が配置されている。このような構成の液
晶表示装置は、電界や電流や温度上昇によって液晶分子
の配列状態や相変化が起こり、液晶状態での光の干渉、
散乱、回折、旋光、選択散乱、吸収などの光学的性質が
変化することを表示の動作原理としているものである。
そして、それぞれの基板に画素を形成するために設けら
れた電極間に電圧を印加して液晶層を制御することによ
り、表示を実現している。また、液晶パネルは非発光性
のため、一般には反射板やバックライトが用いられてい
る。
【0003】液晶表示装置には、明所でも暗所でも表示
が観察できるように、自然光や室内光等の外光を利用す
る反射型表示と、バックライトからの照明光を利用する
透過型表示との両方の表示モードを行うものがある。こ
のような液晶表示装置の構成としては、液晶パネルの背
後に半透過板とバックライトを備えた構成が一般的に知
られており、半透過型の表示装置と称されている。
【0004】以下に、半透過型のSTN液晶表示装置の
構造について、図9、10を参照して説明する。図9は
外光を利用して表示を観察する反射型表示の場合を示
し、図10はバックライトの照射光を利用して表示を観
察する透過型表示の場合を示している。
【0005】図示するように、液晶パネル3は液晶層を
挟んで対向する基板により構成されており、この液晶パ
ネル3の上側に上偏光板1が、下側に下偏光板4がそれ
ぞれ設けられている。上偏光板1と下偏光板4は、それ
ぞれ特定方向の直線偏光のみを選択的に透過または吸収
するものである。
【0006】ここで、液晶パネル3の光学的異方性を補
償する補償板2が、上偏光板1と液晶パネル3の間に設
けられている。この補償板2はSTN型液晶装置では一
般的に使用されている。また、下偏光板4の背後には半
透過板5が設けられ、さらにその半透過板5の背後にバ
ックライト6が設けられている。
【0007】このような構成の液晶表示装置において、
外光を利用して液晶パネル3を表示させる場合には、図
9に示したように、上偏光板1に入射した入射光は、補
償板2、液晶パネル3、下偏光板4を通過し、そのうち
の一部の光は半透過板5で反射される。半透過板5で反
射された光は、再度、下偏光板4、液晶パネル3、補償
板2、上偏光板1を通って観察者に届く。これにより、
液晶パネル3に表示された情報を見ることができる。
【0008】次に、バックライトの光を利用して液晶パ
ネル3を表示させる場合を図10に基づいて説明する。
バックライト6が照射する照明光の一部は半透過板5を
通過する。この通過した光はさらに下偏光板4を透過し
て液晶パネル3にその背面から入射され、表示パネルの
前方に出射される。出射された光は、補償板2、上偏光
板1を通過して観察者に届く。これにより、液晶パネル
3に表示された情報を見ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】外光とバックライト光
の両方を利用できるように、反射と透過を行う半透過板
を使用した液晶表示装置では、以下のような問題点があ
った。すなわち、半透過板の反射の割合を高めると透過
の割合が低くなるため、外光を利用するときは明るくな
るが、バックライトを使用するときは暗くなる。逆に、
半透過板の透過の割合を高めると反射の割合が低くなる
ため、バックライトを利用するときは明るくなるが、外
光を使用するときは暗くなる。このように、上述の構成
の液晶表示装置では、外光とバックライトの双方に対し
て、共に明るくすることができないという問題点があっ
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、互いに対向する基板間に液晶が挟持され
た液晶表示素子と、液晶表示素子の視覚側と背後にそれ
ぞれ設けられた上偏光板および下偏光板と、下偏光板の
背後に設けられたバックライトと、光を等方的に散乱透
過させる無指向拡散層と、特定角度範囲で入射した光を
散乱し、それ以外の角度で入射した光を透過する指向性
拡散層を備えることとした。
【0011】このように、指向性拡散層と無指向拡散層
とを用いることにより、液晶表示素子の正面方向からの
入射光については効率良く正面に反射し、指向性拡散層
の特定角度範囲内で入射した光は指向性拡散層と無指向
拡散層で拡散され、そのため正面方向にも反射光成分を
振り分けることができる。一方、指向性拡散層の特定角
度範囲外の入射光では、指向性拡散層を透過するものの
無指向拡散層で拡散するため、特定角度範囲外の入射光
も正面方向にも反射光成分を振り分けることができる。
従って、光源の位置がどこにあっても、反射光を効率良
く液晶表示素子正面に集めることができた。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による液晶表示装置は、互
いに対向する基板間に液晶が挟持された液晶表示素子
と、液晶表示素子の視覚側に設けられた上偏光板と、液
晶表示素子の背後に設けられた下偏光板と、下偏光板の
背後に設けられたバックライトと、特定角度範囲で入射
した光を散乱し、それ以外の角度で入射した光を透過す
る指向性拡散層と、光を等方的に散乱透過させる無指向
拡散層を備える構成とした。ここで、指向性拡散層と無
指向性拡散層は近接して配置される。無指向性拡散層と
しては、等方散乱特性を有する拡散粘着層や拡散フィル
ムを用いることができる。
【0013】以下には、指向性拡散層と無指向性拡散層
が積層して構成された積層拡散層を用いて説明するが、
並んで配置されていれば良く、必ずしも接着させて積層
する必要はない。
【0014】図1に、指向性拡散層と無指向性拡散層が
積層して構成された積層拡散層を下偏光板とバックライ
トの間に設けた構成の液晶表示装置を示す。このような
構成によれば、液晶表示素子の正面方向からの入射光に
ついては効率良く正面に反射し、指向性拡散層の特定角
度範囲内で入射した光は指向性拡散層と無指向拡散層で
拡散され、正面方向にも反射光成分を振り分けることが
できる。一方、指向性拡散層の特定角度範囲外の入射光
では、指向性拡散層を透過するものの無指向拡散層で拡
散するため、特定角度範囲外の入射光も正面方向にも反
射光成分を振り分けることができる。従って、光源の位
置がどこにあっても、反射光を効率良く液晶表示素子正
面に観察することができた。
【0015】また、積層拡散層を上偏光板と液晶パネル
の間に設ける構成にしても同様であり、光源の位置がど
こにあっても、反射光を液晶表示素子の正面に観察する
ことができる。
【0016】液晶にSTN液晶を用いた場合には、通
常、補償板が用いられる。その場合には、補償板は、上
偏光板と積層拡散層または液晶表示素子との間に、液晶
表示素子3の光学異方性を補償する角度で配置させれば
よい。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明にかかる液晶表
示装置の実施例を説明する。
【0018】(実施例1)図3及び図4は、本実施例に
おける液晶表示装置の断面構造を示す模式図である。本
実施例では、積層拡散層を下偏光板とバックライトの間
に設けた構成の一例であり、特定角度範囲で入射した光
を散乱し、それ以外の角度で入射した光を透過する層で
ある指向性拡散層がバックライト側に、光を等方的に散
乱透過させる層である無指向拡散層が液晶表示素子側に
設けられている。特に、図3は外光を利用した状態を示
し、また、図4はバックライトによる照明光を利用した
状態を示す。
【0019】図示するように、液晶が封入された液晶パ
ネルの上側に上偏光板が、下側に下偏光板がそれぞれ設
けられている。ここで、液晶パネルは液晶を透明基板に
挟持させた構造で液晶分子をツイストさせたツイストネ
マティック型の液晶表示素子である。また、STN型の
液晶層を液晶パネルに用いた場合には、液晶パネルの光
学的異方性を補償する補償板が上偏光板と液晶パネルの
間に設けられる。下偏光板の背後に指向性拡散層と無指
向拡散層を積層した積層拡散層が配置される。さらに、
積層拡散層の背後にバックライトを配置する。TN型の
液晶表示素子を用いた場合でも補償板の作用を除いて基
本的に同一である。
【0020】本実施例では、下偏光板側に無指向性拡散
層が、バックライト側に指向性拡散層が設けられた構成
である。
【0021】液晶表示素子は、ほぼ正面が最適な視角と
なるように設定され、最適視角の前後15度くらいの視
角範囲で観察できるように設計されている。そのため、
指向性拡散層には、厚み方向(法線方向)からの入射光
に対してはほぼ透過し、入射角5〜15度の光に対して
は効率よく厚み方向すなわち指向性拡散層の正面に拡散
光を集め、臨界角度である約20度以上の入射光に対し
てはほぼ透過する特性を持つものを利用する。指向性拡
散層はフィルム母材中に母材とは異なる屈折率の部位を
設けた構成であり、例えば、フォトポリマーにマスクを
用いて部分的に感光させることによって作製される。こ
のような構成のポリマーフィルムは、感光部と非感光部
で屈折率が異なるため指向性拡散層としての機能を備え
るようになる。
【0022】一方、本実施例では、この指向性拡散層と
ともに設けられる無指向性拡散層として、拡散粘着層を
用いている。拡散粘着層は、粘着剤の中に粘着材とは異
なる屈折率のフィラーを分散させた構成で、図12に示
すような透過特性を持っている。拡散粘着層は、入射光
の光路が大きいほど、フィラーによって方向を変えられ
る成分が多くなる。光路の長さは拡散粘着層の厚みに対
して余弦の逆数で増加する。すなわち最も光路が短くな
る厚み方向(法線方向)からの入射光が最も拡散が小さ
いため、そのまま出射される成分が大きくなる。入射角
が大きくなればなるほど光路が長くなるため、無指向拡
散層内の拡散が大きくなり、入射角の延長方向への透過
率が小さくなり、反対に入射角の延長方向以外の光成分
が多くなるという特性をもっている。従って法線の延長
方向からも出射される。
【0023】指向性拡散層と無指向拡散層とを積層した
積層拡散層の透過特性を図12に示す。積層拡散層の法
線方向(厚み方向)の入射角においては、指向性拡散
層、無指向拡散層とも拡散が小さく透過率が高いため、
積層拡散層としての透過率も高くなる。また入射角度を
大きくしていくと、法線方向からの角度が5度付近まで
は透過率は減少するが、更に入射角度を大きくしてもほ
ぼ透過率大きくは変化しなかった。従って、入射角度に
かかわらず、法線の延長方向からも出射される光成分が
ある。
【0024】ここで、液晶パネルの背後に設けられたバ
ックライトには白色光を発光するLEDを光源とするバ
ックライトを使用した。一般に、バックライトは図8に
示すように、光源11からの照射光をその前面に導く導
光板12と、導光板の背後に設けられた反射層13と、
導光板から出る光を拡散して輝度ムラを抑えるために設
けられた拡散板14を備えている。導光板にはその上側
あるいは反射層側に光を均一に照射するための処理を施
しても良い。バックライトには液晶表示素子の照明機能
だけでなく、反射板の機能も持たせている。
【0025】このような構成の液晶表示装置を、液晶表
示装置のほぼ正面から(すなわち、法線方向から)外光
を利用した反射モード表示で観察する場合について図3
を用いて説明する。外部から入射した光は上偏光板1に
よって偏光分離、楕円偏光変換が行われ、液晶表示素子
3によって直線偏光に戻され、入射した角度をほぼ維持
しつつ下偏光板4から出射される。出射された光は積層
拡散層に入射され、この入射光は積層拡散層を通過し、
バックライト6の表面または反射層で反射され、入射と
同様の経路をとおり液晶表示装置から出射される。
【0026】ここで、積層拡散層に入射される光(入射
光)の入射角度が0度付近の場合には、入射光は無指向
拡散層にも垂直に近く入るため無指向拡散層内を通過す
る距離が短く、そのため、多少の拡散はあるものの、透
過成分は多い。この透過成分が指向性拡散層をそのまま
通過して、バックライト側に出射され、バックライト6
の表面または反射層で反射されて、再度積層拡散層に入
射する。積層拡散層に再度入射された光は、指向性拡散
層により液晶表示装置正面に散乱しつつ集光され、無指
向拡散層でさらに拡散があるが、0度成分が多い。した
がって、観察される表示は明るく、視野角も確保でき
た。
【0027】また、積層拡散層に入射される光(入射
光)の入射角が5〜15度付近の場合には、入射光は無
指向拡散層で拡散するものの入射角度が浅いため為散乱
は大きくない。その後、指向性拡散層で更に散乱しつつ
集光され、積層拡散層からバックライト側に出射する。
出射された光は、バックライト6の表面または反射層で
反射されて、再度積層拡散層に入射する。この再入射光
は液晶パネル正面側に散乱しつつ集光され、無指向拡散
層でさらに拡散され、液晶パネルを通過して観察者に観
測される。そこで観察される表示は明るく、そこそこに
視野角がある。
【0028】また、積層拡散層に入射される光(入射
光)の入射角度が20度以上の場合には、入射角度があ
るので、入射光は無指向拡散層で大きく拡散し、指向性
拡散層に入射する。無指向拡散層で等方的に拡散されて
いるため、この拡散光にはいろいろな入射角で指向性拡
散層に入射される光が存在することになる。従って、前
述のように、無指向拡散層で拡散された光が0〜15度
付近の場合には指向性拡散層によって液晶パネル正面側
に散乱しつつ集光されて出射する。それ以外の角度の散
乱光は、指向性拡散層をそのまま通過する。指向性拡散
層を通った光はバックライト6の表面または反射層で反
射されて、再度積層拡散層に入射する。この再入射光
は、指向性拡散層で集光液晶パネル正面側に散乱しつつ
集光され、無指向拡散層でさらに拡散され、液晶パネル
を通過して観察者に観測される。
【0029】すなわち、指向性拡散層を通過してしまう
入射角度の大きい光でも、無指向性拡散層で等方に拡散
されて、一部は入射角の小さな散乱光になるので、この
光が表示素子の正面側に集光されることとなる。そのた
め、表示パネル正面側に従来より多くの光を集光するこ
とができる。従って、観察者は、明るく、適切な視野角
がある表示を観察できる。
【0030】このように、どのような角度からの入射光
も、効率良く液晶表示装置の法線方向に集められるの
で、外光を利用した反射モードで明るい表示が実現で
き、良好な表示特性を得ることができる。
【0031】また、本実施例のように、無指向性拡散層
を表示パネル側に設ける構成は、特に、無指向性拡散層
として拡散粘着層を用いる場合に好適である。なぜな
ら、拡散粘着層を表示パネル(下偏光板)と指向性拡散
層を接着させる接着剤として用いることができるので、
表示パネルに積層拡散層(指向性拡散層に拡散粘着層が
設けられた構成の積層拡散層)を貼り付けるだけで本実
施例の構成が容易に実現できる。
【0032】次に、本発明の構成の液晶表示装置におい
て、バックライトの照射光を使用した透過モードの表示
の場合を図4に基づき説明する。
【0033】バックライト6からの照明光のうち、法線
方向に出射された成分はほぼそのまま指向性拡散層を通
過する。法線方向以外の成分のうち0度〜20度で入射
した照明光は、指向性拡散層によって拡散光に変換され
ると共に、法線方向に集められる。バックライトからの
光は基本的に0度成分が多いので、殆どの光が指向性拡
散層により法線方向に集められて無指向性拡散層に入射
される。無指向拡散層で若干の散乱があるが、前述の通
り無指向性拡散層に入射する光はほぼ法線方向に集めら
れているので、無指向拡散層で大きく散乱することなく
通過して表示パネルに届く。
【0034】すなわち、バックライトを使用する場合に
は、積層拡散層の透過率は大なのでバックライトからの
照明光は明るいまま、観測者に届く。
【0035】このように、本願発明の構成、すなわち、
液晶表示素子の背後に設けられた下偏光板とバックライ
トとの間に、光を等方に拡散する無指向性拡散層と、特
定角度範囲で入射した光を散乱し、それ以外の角度で入
射された光を透過する指向性拡散層を設ける構成によれ
ば、反射表示でも透過表示でもともに明るい表示が可能
になる。
【0036】以下に、本実施例に用いた指向性拡散層を
簡単に説明する。図5は、本発明に係る積層拡散層の構
造を示すものである。図6は積層拡散層に入射した光の
光路を模式的に表している。積層拡散層7は、フォトポ
リマーの材質を元に、感光されていない非感光部60と
感光により生じた感光部50とが隣接するように構成さ
れる。感光部50は、厚み方向に筒上に延びた形状であ
る。感光部50と非感光部60とは互いに屈折率が異な
っている。そのため、図6に示すように、感光部50に
臨界角以内から入射した光80は非感光部60との界面
で反射を繰り返して、光80は法線方向に寄せ集められ
た散乱光となる。また、厚み方向に対して垂直に入射し
た光70は、感光部50で屈折されることなく感光部5
0を透過する。一方、臨界角度を越えて入射された光9
0は、その入射された角度のまま感光部50と非感光部
60を透過する。このように、図5及び図6の構成の積
層拡散層によれば、臨界角以内の入射光を効率よく法線
方向に集められる。
【0037】ここで、感光部と非感光部の屈折率の差を
変えることにより、臨界角を変えることができる。ま
た、感光部50の分布密度、レイアウト、あるいは、径
や長さ等の寸法を調整することで、散乱度や指向方向を
任意に設定することが可能である。
【0038】次に、指向性拡散層の光学的特性について
説明する。図7は、光の入射角度に対するフィルムの透
過性を表しており、光の入射角度を横軸、透過率を縦軸
としている。ここで、積層拡散層7に対して垂直に入射
する光を入射角度の0度の光とする。また、0度からあ
る方向をプラス、反対の方向をマイナスとする。図示す
るように、積層拡散層は入射角ゼロ度の光に対して高い
透過率を示し、入射角が大きくなるにしたがって透過率
が低下し、散乱性が大きくなる。そして、入射角度が1
0度付近で透過率は最小になり、散乱性が最大となる。
さらに入射角度が大きくなると、徐々に透過率は上昇
し、入射角度が20度を超えると透過率は急激に上昇
し、それに連れて散乱性が失われていく。この角度が臨
界角度である。したがって、臨界角度の20度から90
度の入射角度で積層拡散層に入射した光は、殆ど散乱さ
れずに透過する。マイナス側もプラス側と対称的な特性
を示す。
【0039】すなわち、本実施例で用いた指向性拡散層
は、入射角0度近傍から入射する光に対してはほぼ透過
し、入射角5〜15度の光に対しては効率よく散乱・集
光し、臨界角度である約20度以上の入射光に対しては
ほぼ透過する特性を持っている。このように、透過率が
低く散乱性が高い入射角範囲が液晶表示素子の視角範囲
に合うように指向性拡散層を設定する。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による液晶
表示装置によれば、液晶表示素子の正面方向からの入射
光については効率良く正面に反射し、指向性拡散層の特
定角度範囲内で入射した光は指向性拡散層と無指向拡散
層で拡散され、正面方向にも反射光成分を振り分けるこ
とができる。一方、指向性拡散層の特定角度範囲外の入
射光では、指向性拡散層を透過するものの無指向拡散層
で拡散するため、特定角度範囲外の入射光も正面方向に
も反射光成分を振り分けることができる。従って、光源
の位置がどこにあっても、反射光を効率良く液晶表示素
子正面に集めることができた。また、バックライトを用
いた透過表示においても、バックライトからの光には0
度成分が多いので明るいまま表示が観察できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る液晶表示装置の断面
構成を模式的に示す図である。特に、外光を利用した反
射表示の場合の光路を模式的に表す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る液晶表示装置の断面
構成を模式的に示す図である。特に、バックライトを利
用した透過表示の場合の光路を模式的に表す図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る液晶表示装置の断面
構成を模式的に示す図である。特に、外光を利用した反
射表示の場合の光路を模式的に表す図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る液晶表示装置の断面
構成を模式的に示す図である。特に、バックライトを利
用した透過表示の場合の光路を模式的に表す図である。
【図5】積層拡散層の構造を模式的に示した図である。
【図6】積層拡散層の作用を模式的に示した図である。
【図7】積層拡散層の可視角度と透過率の関係を示した
図である。
【図8】バックライトの断面構成を模式的に表す図であ
る。
【図9】従来の液晶表示装置の構成を示す模式的断面図
である。外光を利用したときの状態を模式的に示した図
である。
【図10】従来の液晶表示装置の構成を示す模式的断面
図である。特に、バックライトを利用したときの模式的
に示した図である。
【図11】無指向拡散層を模式的に示した図である。
【図12】透過率特性を示した図である。
【符号の説明】
1 上偏光板 2 補償板 3 液晶パネル 4 下偏光板 5 半透過反射板 6 バックライト 7 積層拡散層 8 反射偏光子 10 液晶表示装置からの出射光 50 感光層 60 非感光層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する基板間に液晶が挟持され
    た液晶表示素子と、 前記液晶表示素子の視覚側に設けられた上偏光板と、 前記液晶表示素子の背後に設けられた下偏光板と、 前記下偏光板の背後に設けられたバックライトと、 特定角度範囲で入射した光を散乱し、それ以外の角度で
    入射された光を透過する指向性拡散層と、 光を等方的に散乱透過させる無指向拡散層を備えること
    を特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記指向性拡散層と前記無指向拡散層が
    前記下偏光板と前記バックライトとの間に設けられたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記指向性拡散層と前記無指向拡散層が
    前記上偏光板と前記液晶表示素子との間に設けられたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記指向性拡散層と前記無指向拡散層が
    積層されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示
    装置。
  5. 【請求項5】 前記無指向拡散層が拡散粘着層であるこ
    とを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の
    液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記拡散粘着層が、前記液晶表示素子側
    に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の液晶表
    示装置。
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