JP2003089826A - 配合溶解方法 - Google Patents

配合溶解方法

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JP2003089826A
JP2003089826A JP2001284948A JP2001284948A JP2003089826A JP 2003089826 A JP2003089826 A JP 2003089826A JP 2001284948 A JP2001284948 A JP 2001284948A JP 2001284948 A JP2001284948 A JP 2001284948A JP 2003089826 A JP2003089826 A JP 2003089826A
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Takashi Hiraoka
隆 平岡
Masumi Sugioka
真澄 杉岡
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Asahi Tec Corp
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Asahi Tec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物除去された切り粉を、コスト低減効果
が損なわれないように、配合溶解の原料として適用し、
低コストでありながら、品質の安定した溶湯を、後段の
鋳造装置、ダイカスト装置等の成形加工装置へ供給し、
欠陥のない機械的性質に優れた、例えば鋳造製品、ダイ
カスト製品等の成形加工製品を、より低コストに生産可
能とすること。 【解決手段】 2種以上の金属材料を溶解して所望の溶
湯を得る配合溶解方法であり、2種以上の金属材料に、
少なくとも1種の金属材料として加熱乾燥処理が施され
た切り粉が含まれ、その切り粉が、加熱乾燥処理時の温
度を、概ね維持して溶解されることを特徴とする配合溶
解方法の提供による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、切り粉を含む2
種以上の金属材料から、所望の溶湯を得る配合溶解方法
に関する。より詳細には、切り粉を再利用して所望の溶
湯を得る配合溶解方法であって、切り粉を加熱乾燥した
後に、概ねそのままの温度で他の金属材料と配合溶解
し、熱エネルギーの有効利用を図った配合溶解方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】 あらゆる製品には好ましい形状があっ
て、その形状を得るために、流体を型に入れて固化する
流体成形加工、粘性体を加熱し粘度を下げた後に冷却固
化させる粘性体成形加工、粉末を型に入れて圧縮する粉
体成形加工、固体に力を加えて塑性変形させる固体成形
加工、等の加工が行われている。中でも、固体金属を溶
解して流体にして型に入れて固化する流体成形加工は多
く用いられ、鋳造法やダイカスト法等として知られてい
る。
【0003】 一般に、流体成形加工では金属材料が原
料として使用されることが多く、金属材料は溶かされて
溶湯と呼ばれる流体として型に入れられ成形される。こ
のとき、原料たる溶湯には所定の規格の組成を有するこ
とが要求されることが多い。溶湯の組成が変わることに
よって、溶湯の流動性が低下し成形加工品の形状に欠陥
が生じたり、成形加工品の機械的性質が好ましくないも
のとなる可能性を抑えるためである。
【0004】 例えば製品としてアルミニウムホイール
を、例えば鋳造法によって作製する場合に、原料たる金
属材料として、AA規格によるA356アルミニウム合
金を用いることが多い。A356アルミニウム合金と
は、Al(アルミニウム)に、Si(珪素)が6.5〜
7.5重量%、Mg(マグネシウム)が0.30〜0.
45重量%、Ti(チタン)が0.20重量%含有した
合金であり、このような組成を構成することによって、
成形加工して得られる製品に、優れた機械的性質と、良
好な耐腐食性を付与することが出来、又、美観を要求さ
れる製品であり、過酷な使用状況におかれるアルミニウ
ムホイールの原料として用いる合金材料として好適であ
る。
【0005】 このような、規格に適合した合金材料
(規格材料)の製品を原料として用いている限り、成形
された製品には所望の性質が付与され、問題は生じ難
い。しかしながら、廃材の排出を抑えることがより環境
に好ましいとの配慮から資源の有効利用、あるいは、例
えばアルミニウムホイール等の最終製品需要者からの更
なるコスト低減の要求によって、より低コストな切り粉
等の、通常、インゴッド等の定形材料として材料製品に
はならない不用材料を、原料として用いるようになって
きた。
【0006】 切り粉は、機械加工によって生じた切屑
であり、切削油や、加工時に機械工具から混入した不純
金属等を含有し、処理し難い材料である。又、粉状、不
規則な種々の巻物状、短冊状、等の形状が様々であっ
て、且つ、浮き易く、酸化し易いため溶解し難い材料で
ある。
【0007】 そのため、従来、切り粉は、廃棄される
か、若しくは、切り粉のみが集められ、切り粉発生場所
若しくは切り粉再利用場所とは異なる所で、鉄除去処
理、加熱乾燥処理等が施されて、例えば、小片、小塊と
して、あるいは、定形に成形されて、原料として再利用
されてきた。従って、切り粉を有効利用した場合でも、
輸送費用がかかる上に、加熱したものを冷却して輸送し
た後に溶解するという熱ロスを生じ、原料コスト低減効
果を弱め、且つ、組成によって再利用用途が限定され汎
用性に劣るという問題を抱えていた。
【0008】 一方、純金属材料製品を作製する際に
も、切り粉は生じる。このような切り粉を原料として用
い、配合溶解して所望の溶湯を得られれば、規格に適合
した合金材料製品を原料として購入する場合に比較し
て、原料費用として相当のコスト低減が図ることが期待
出来る。上記したアルミニウムホイール製品を作製する
例によれば、A356アルミニウム合金インゴッド製品
の代わりに、純金属のAlや、Si、Mg、Tiの切り
粉を、原料の少なくとも一部として用いて、配合溶解し
て所望の溶湯を得れば、より最終製品製造コストの低減
が図れ、好ましい。切り粉を再利用するために、不純物
除去処理を施しても、一般に、所定の組成を有する規格
材料製品より安価だからである。
【0009】 しかしながら、例えば、連続溶解炉にお
いては、切り粉を主原料として、あるいは、添加原料と
して用いる場合に、添加原料あるいは主原料の投入量に
合わせて適量を溶解する必要が生じ、安定して所望の組
成を有する溶湯を得られるように配合溶解を行うことは
困難であった。従って、切り粉は、配合溶解の原料とし
て用いられていなかった。
【0010】 又、直接、連続溶解炉に投入するのでは
なく、その前段で、バッチ処理の溶解炉を設け、このバ
ッチ処理溶解炉で配合溶解するという手段を取ることは
可能であるが、バッチ処理溶解炉の設備コストや処理に
かかる費用が嵩むことから、原料費を低減出来ても、ト
ータルではコスト低減効果は得られ難く、問題解決にな
らない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上記した
従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは、不純物除去された切り粉を、コスト低減効
果が損なわれないように、配合溶解の原料として適用す
ることにある。更に、このことにより、低コストであり
ながら、品質の安定した溶湯を、後段の鋳造装置、ダイ
カスト装置等の成形加工装置へ供給し得ることとし、欠
陥のない機械的性質に優れた、例えば鋳造製品、ダイカ
スト製品等の成形加工製品を、より低コストに生産可能
とすることにある。以上に基づき、切り粉の清浄化処理
や、配合溶解方法について、より詳細に深く研究が進め
られた結果、以下の手段によって、上記の目的を達成出
来ることが見出された。
【0012】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、2種以上の金属材料を溶解して、所望の溶湯を得る
配合溶解方法であって、2種以上の金属材料に、少なく
とも1種の金属材料として加熱乾燥処理が施された切り
粉が含まれ、その切り粉が、加熱乾燥処理時の温度を概
ね維持して、換言すれば、その切り粉が冷却されること
なく、溶解されることを特徴とする配合溶解方法が提供
される。
【0013】 本発明においては、切り粉の加熱乾燥処
理の速度が可変であることが好ましく、切り粉は、その
加熱乾燥処理を含む清浄化処理を施されて溶解され得る
ことが好ましい。更には、切り粉が、計量されて溶解さ
れ得ることが好ましく、切り粉が、上記した2種以上の
金属材料である他の金属材料、即ち、その切り粉以外の
金属材料と混合攪拌されて溶解され得ることが好まし
い。
【0014】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明の配合溶解方法
について、実施の形態を具体的に説明するが、本発明
は、これらに限定されて解釈されるものではなく、本発
明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基
づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものであ
る。例えば、本明細書中において、アルミニウム合金材
料A356を規格材料の代表例として取り上げ、切り粉
として用いる金属材料の一例として、そのA356合金
を構成するAl、Si、Mg、Tiを掲げ、主原料をA
l、添加原料をSi、Mg、Tiとして記載するが、本
発明は、切り粉を清浄化処理して得られる金属材料を少
なくとも1種用いて配合溶解し、所望の溶湯を得ること
が出来る配合溶解方法に関するものであって、規格材料
としての金属は、A356合金以外のアルミニウム合金
でもよく、あるいは、アルミニウム合金以外の他の軽量
金属、例えばチタンやマグネシウム、亜鉛等の合金であ
ってもよく、限定されるものではない。切り粉として用
いる金属材料も、その規格材料たる合金の組成に合わせ
て選定され、限定されない。更には、本発明の配合溶解
方法により得られる溶湯の供給先も限定されない。
【0015】 本発明は、2種以上の金属材料を配合溶
解して、所望の組成の溶湯を得て、後段の一般鋳造装置
やダイカスト装置等の成形加工装置に供給し得る配合溶
解方法であり、2種以上の金属材料の少なくとも1種
に、所定の清浄化処理を施し不純物を充分に除去した切
り粉を含むものである。本発明の配合溶解方法において
は、配合溶解する2種以上の金属材料のうちの1種以上
の金属材料に切り粉を用いるが、配合溶解する全ての金
属材料を切り粉で構成しても構わない。又、配合溶解す
る金属材料は、純金属材料でもよく、合金材料であって
も構わない。更には、切り粉として用いる純金属材料や
合金材料が、配合比に関わるものでなくともよい。例え
ば、所望の溶湯の組成がA356合金相当である場合
に、A356合金の切り粉を用いても構わない。尚、本
明細書中で、純金属材料とは、不純物総量が一定比率以
下の金属を指し、単に規格材料というときには、予め複
数の純金属が所定の比率で配合されたインゴッド等の合
金材料製品を指し、単に製品というときには、成形加工
後の最終製品を指す。又、切り粉の清浄化処理とは不純
物除去、加熱乾燥を含む処理である。
【0016】 本発明の配合溶解方法においては、切り
粉の清浄化処理を、配合溶解処理と近隣の場所で行い、
清浄化処理の1つである加熱乾燥後に、加熱されて上昇
した切り粉の温度を下げずに溶解炉へ投入し、配合溶解
を行うところに特徴がある。又、清浄化処理の速度が、
例えば配合溶解の処理速度に合わせられるように、可変
であるところに特徴がある。更には、切り粉を計量し
て、所定の量を配合原料として溶解炉へ投入し、配合溶
解を行うところに特徴がある。これらのような特徴を備
えることによって、切り粉の輸送コストがなくなり、切
り粉溶解にかかる必要熱量が低減され、所望の溶湯を得
るためのコストが低減される。又、切り粉原料だけが多
くストックされたり、反対に、切り粉原料の供給が間に
合わないという事態が生じ難く、より安定して配合溶解
が行え、所望の溶湯を無駄なく得ることが出来る。更に
は、切り粉以外の投入原料の量に合わせて、より正確に
適量の切り粉原料を配合出来るので、溶湯の組成が安定
し、より高い品質の溶湯を得ることが可能である。
【0017】 その結果、廃材になり得る切り粉が、よ
り有効利用され、廃材が排出され放置され得る機会低減
を図ることが出来、環境悪化を防止するだけでなく、本
発明の配合溶解方法により供給された溶湯を成形加工し
て作製される金属製品にコスト競争力を付与し得る。
【0018】 以下に、図1及び図2を参酌しながら、
本発明の配合溶解方法について、詳細に説明する。本発
明の配合溶解方法は、例えば、金属の溶解、型による成
形、トリミング及び熱処理といった仕上げ、等の工程を
成す金属製品の鋳造法による製造工程の中で、初段に位
置し、切り粉を含む金属の配合溶解に係る方法発明であ
る。
【0019】 図1は、本発明に係る配合溶解方法につ
いて、配合する金属材料の1種に含まれる切り粉の清浄
化処理の一例を中心に描いたブロックフロー図である。
図2は、配合溶解を行う溶解炉の一例を示す水平断面図
である。図1に示されるように、例えば純金属材料であ
る切り粉4は、鉄除去(粗除去)、破砕、水分除去、油
分除去、乾燥、鉄除去、等の清浄化処理が施された後に
計量され、所定の量が溶解炉11に投入されて、他の金
属と配合溶解される。切り粉4が計量され、切り粉以外
の投入原料の量に合わせた量が投入可能であるため、配
合されて得られる溶湯3の組成が、より安定する。2種
以上の金属材料が配合溶解されて得られる溶湯3は、成
形・仕上げ加工処理を経て金属製品7となり出荷され
る。
【0020】 切り粉4は、例えば、純金属材料インゴ
ッド製品を作製する工場等から排出される屑材であり、
有効に配合原料として用いられる。一般に、切り粉は、
研削、切削等の機械加工時に発生する切屑であるから、
粉状、短冊状、種々の方向のカールを有する巻物状、等
の様々な大きさ、形状を有し、切削油にまみれ、機械工
具から鉄等の不純金属が混入し、あるいは、水分が付着
していることが多い。従って、切り粉4、及び、後述す
る切り粉5においては、上記したような清浄化処理を施
すことが好ましい。溶解して得られる溶湯の品質を高め
られ、高温下の溶解炉において予期せぬ暴発事故が生じ
ることを防止することが可能である。
【0021】 成形・仕上げ加工処理においても、切り
粉の発生があり得る。成形・仕上げ加工処理から排出さ
れる切り粉5は、例えば、配合溶解され所定の組成の溶
湯3が成形された後に生じるものである。従って、その
組成は溶湯3に概ね等しく、切り粉5が、破砕、水分除
去、油分除去、乾燥、鉄除去、等の清浄化処理が施され
た後に、再び溶湯原料となるときには、配合とは関係な
く計量せずに、溶解炉11へ投入し溶解することも可能
である。尚、切り粉5の清浄化処理では鉄の粗除去は省
略している。
【0022】 切り粉4及び切り粉5は、清浄化処理の
後、他の工場の溶解炉12において溶解することも可能
である(切り粉5の清浄化処理においては図示しな
い)。しかしながら、移送が必要になると、切り粉4,
5を一度冷却しなければならず、溶解時に要する熱量が
増えて好ましくない。切り粉4,5は加熱乾燥した後
に、冷やさず、なるべくそのままの温度を保って、溶解
炉11へ投入することが熱ロスを防止するために好まし
い。配合溶解に要する熱量が、より低減出来れば、溶解
炉11において、例えば溶解バーナの火力発生に要する
燃料量が少なくて済み、溶湯3を得るためにかかるコス
ト低減に寄与するからである。
【0023】 加熱乾燥した後に、切り粉4,5の温度
をほぼ保って、溶解炉11へ投入するためには、切り粉
4,5の加熱乾燥処理を行う場所と同一若しくは近隣の
所で配合溶解を行うことが好ましい。又、切り粉4,5
の加熱乾燥処理の速度を可変として、配合溶解の処理に
合わせて調節することが好ましい。切り粉4,5の加熱
乾燥処理を行う場所と同一若しくは近隣の所で配合溶解
を行っても、加熱乾燥した切り粉4,5を、直ぐに溶解
出来なければ、待機するうちに自然冷却され温度低下を
招き、加熱乾燥にかかる熱エネルギーが溶解に有効利用
されず、好ましくない。例えば、溶解炉11から出湯す
る溶湯3の量を計測する等により、配合溶解の処理速度
を監視し、それを基に、加熱乾燥処理に供給される切り
粉4,5の量を、切り粉を運ぶ例えばスクリューコンベ
ア等をインバータ制御して、そのインバータの回転数を
変えることにより、切り粉4,5の加熱乾燥処理の速度
を可変とすることが出来る。
【0024】 以下、図1及び図2の参酌を継続しなが
ら、配合溶解、及び、切り粉の清浄化処理について、そ
の一例を個別に説明する。配合溶解は、通常、バッチ式
の溶解炉を用いて行われる。連続式の溶解炉では、安定
した成分管理が実施し難いからである。図1及び図2に
示す溶解炉11は、例えば、連続式であって主原料の溶
解を受け持つ溶解室51と、溶解した主原料の温度保持
と添加原料の溶解及び混合を受け持つ保持室52とから
なる。尚、主原料、添加原料の区分は、配合量によるも
のであり、ともに1種に限定されるわけではなく、何れ
かが0であることもあり得る。本発明においては、2種
以上の金属材料を溶解して、所望の溶湯3を得る配合溶
解であればよい。主原料は、所望の組成の溶湯3を得る
ための配合原料であり、純金属材料1、合金材料8とも
に採用され得る。切り粉4,5も主原料たり得るが、本
例では添加原料として用いた場合を示す。
【0025】 主原料は、溶解室51に投入され、図示
しない溶解バーナで溶解され、隣接する保持室52に流
れ込む。溶解された主原料は保持室52において保持バ
ーナ72で温度保持されるとともに、主原料に配合され
る添加原料を溶解し混合する。添加原料として切り粉
4,5を用いるとき、その溶解は、例えばモータ駆動の
攪拌機74を備えた攪拌室54を設け、既に溶解した主
原料と混合攪拌して行うことが好ましい。切り粉4,5
は、酸化し易く、浮き易いため、難溶解性を呈するから
である。攪拌によって、投入された切り粉4,5は溶湯
内に巻き込まれ、溶解速度が上がり、溶湯3の組成の早
期安定を図ることが出来る。又、攪拌によって、溶解し
難い切り粉4、5の溶解を促進させ、溶解不良を防止
し、出湯される溶湯3の組成の一層の安定化を図ること
が可能である。尚、混合攪拌は、攪拌機74によらず不
活性ガスによる散気攪拌等により行われてもよく、その
手段は限定されない。
【0026】 切り粉4,5の鉄除去は、切り粉4,5
が生じる際に機械工具などから混入した鉄を除去する処
理であり、主に、鉄を磁力を用いて吸着分別する磁選機
61が用いられて行われる。切り粉4,5の破砕とは、
切り粉4,5の清浄化処理を、より容易に実施するため
に、様々な大きさ、形状を有する切り粉4,5を細かく
砕く処理であり、カッター式による破砕機62が多く用
いられ行われる。その他の手段としては、ハンマーロー
タリー式等が挙げられる。カッター式とは、2軸上に複
数備わるカッター刃を噛み込み方向に廻しながら切り粉
を剪断する方式であり、ハンマーロータリー式は回転軸
の円周上に付いた星形ハンマーと固定刃で切り粉を破砕
する方式である。尚、例えば、破砕する前にスノコ等で
分別し、一定の大きさを有する切り粉4,5のみを破砕
することも、破砕機62の負荷軽減が図られ好ましい。
【0027】 切り粉4,5の水分除去、油分除去は、
主に高温下における溶解時の暴発防止、及び、ガス、介
在物も除去するために行われる。主に、遠心分離機63
が多く用いられ、水分除去、油分除去は同時に行われる
ことが多い。
【0028】 水分除去、油分除去された切り粉4,5
は、例えば貯留ホッパに預けられ、次の乾燥を待つ。乾
燥は、残留した水分を完全に除去するとともに、微粉を
分離し得る処理である。従って、例えば加熱し乾燥する
ことにより、溶解時の水蒸気による暴発を回避すること
が出来る。加熱乾燥は、主に、ロータリーキルン等の乾
燥機64を用いて行われる。金属材料の種類によって
は、切り粉4,5を加熱乾燥することによって生じる排
煙及び粉塵に有害物質が混じることがあり得るので、例
えば、再燃焼炉66、集塵機67等による排煙処理を施
すことが好ましい。
【0029】 配合溶解される切り粉4の計量手段は限
定されないが、例えば、切り粉4の一定量をホッパに待
機させておき、計量供給機65によって、主原料に応じ
た必要量を計り、溶解炉11の攪拌室54に投入するこ
とが好ましい。ホッパや計量供給機65の方式等も限定
されない。例えば、すり鉢底状の倒立円錐体であり底部
に備わる開口部がスライドゲートや弁で開閉するホッパ
や、あるいは、ロードセルでホッパ全体の重量を計量
し、ホッパ下部設置のスクリューコンベアで減算計量値
を監視しながら供給する計量供給機65を採用すること
が出来る。
【0030】 以下に、本発明の配合溶解方法につい
て、より具体的な例を挙げて、説明を続ける。図1に示
すブロックフローからなる切り粉の清浄化を含む配合溶
解処理において、例えば製品としてアルミニウムホイー
ルを、その組成が、Siが6.5〜7.5重量%、Mg
が0.30〜0.45重量%、Tiが0.20重量%含
有したAl合金(A356合金相当)となるように作製
する。
【0031】 このとき、溶解炉11における配合溶解
において、対象となり得る原料として、例えば、次を挙
げることが出来る。主原料として、純金属材料1である
純Al金属インゴッドを、合金材料8であるA356合
金インゴッドを、用いることが出来る。又、配合溶解の
後の工程である成形・仕上げ加工処理において生じたア
ルミニウムホイール不良品(スクラップ材料)を、合金
材料8として取り扱うことも可能である。当然ながらイ
ンゴッドでないA356合金、純Al金属も対象であ
り、切り粉のA356合金、純Al金属も含まれる。添
加原料として、純金属材料1である純Si金属小塊、純
Mg金属小塊、純Ti金属小塊、あるいは、純Si切り
粉、純Mg切り粉、純Ti切り粉を用いることが出来
る。
【0032】(ケース1)主原料として純Al金属イン
ゴッドを用い、添加原料として純Al切り粉、純Si金
属小塊、純Mg金属小塊、純Ti金属小塊を用いる。そ
の他の原料は用いない。溶解炉11の保持室52におい
て、例えば湯面面積と湯面変化量から、出湯量を管理
し、出湯量分を、新規の溶解量とすること等で、より正
確に配合することが出来、又、連続的に溶解しながら、
出湯、即ち、例えば成形・仕上げ加工処理への溶湯供給
を継続することが出来る。
【0033】 溶湯3が一定量出湯し、溶解炉11の保
持室52の湯面レベルが下がったら、先ず、純Al金属
インゴッドの溶解を開始する。次いで、例えば溶解炉1
1に備わる攪拌室54に、出湯量に対して所定の含有比
となるように計量された純Al切り粉を投入する。純A
l切り粉は、保持バーナ72により高温に維持された既
に保持室52にある溶湯と混合攪拌され溶解される。計
量された純Al切り粉の投入は、純Al金属インゴッド
の溶解に伴う湯面レベルの上昇に合わせて、複数回に分
けて行うことが好ましい。
【0034】 純Al切り粉は、受入ホッパ等に貯留し
ておき、予め、不純物除去等の清浄化処理を施してお
く。例えば、鉄分を磁選機61によって粗除去した後、
スノコで分別し、大きな純Al切り粉を破砕機62で細
かく砕き、純Al切り粉の大きさを揃えてから、遠心分
離機63で水分及び油分を分離除去する。ここで、一
旦、貯留ホッパ等に貯めてから、順次、乾燥機64で加
熱乾燥させる。純Al切り粉の場合、乾燥温度は300
〜350℃が好ましい。切り粉が溶解せず、且つ、効率
よく清浄化処理出来るからである。そして、再度、磁選
機61によって鉄分を除去する。純Al切り粉の清浄化
処理は、溶解炉11で配合溶解に要する純Al切り粉の
量に合わせて行うことが好ましい。特に、加熱乾燥以降
の処理において、昇温した純Al切り粉が長時間放置さ
れないように、加熱乾燥の処理速度を制御することが好
ましい。
【0035】 純Al切り粉の投入と並行して、純Si
金属小塊、純Mg金属小塊、純Ti金属小塊を、それぞ
れ出湯量に対して所定の含有比となるように計量して、
溶解炉11に投入し溶解する。小塊も切り粉と同様に混
合攪拌することも好ましい。純Si金属小塊、純Mg金
属小塊、純Ti金属小塊は、保持バーナ72により高温
に維持された既に保持室52にある溶湯と混合され溶解
される。純Si金属小塊、純Mg金属小塊、純Ti金属
小塊の投入は、純Al金属インゴッドの溶解に伴う湯面
レベルの上昇に合わせて、複数回に分けて行うことが好
ましい。以上のように、配合溶解を進め、溶解炉11の
保持室52の湯面レベルが一定以上上昇したら、全ての
原料投入を止める。
【0036】(ケース2)主原料として純Al金属イン
ゴッド、及び、A356合金切り粉を用い、添加原料と
して純Si金属小塊、純Mg金属小塊、純Ti金属小塊
を用いる。その他の原料は用いない。ケース1と同じ
く、溶解炉11の保持室52において、例えば湯面面積
と湯面変化量から、出湯量を管理し、出湯量分を、新規
の溶解量とすること等で、より正確に配合することが出
来、又、連続的に溶解しながら、出湯、即ち、例えば成
形・仕上げ加工処理への溶湯供給を継続することが出来
る。
【0037】 溶湯3が一定量出湯し、溶解炉11の保
持室52の湯面レベルが下がったら、先ず、純Al金属
インゴッドの溶解を開始する。次いで、純Si金属小
塊、純Mg金属小塊、純Ti金属小塊を、それぞれ出湯
量から後述するA356合金切り粉の量を差し引いた量
に対して、所定の含有比となるように計量して、溶解炉
11に投入し溶解する。小塊は切り粉と同様に混合攪拌
することも好ましい。純Si金属小塊、純Mg金属小
塊、純Ti金属小塊は、保持バーナ72により高温に維
持された既に保持室52にある溶湯と混合され溶解され
る。純Si金属小塊、純Mg金属小塊、純Ti金属小塊
の投入は、純Al金属インゴッドの溶解に伴う湯面レベ
ルの上昇に合わせて、複数回に分けて行うことが好まし
い。
【0038】 上記した種々の純金属材料1の投入とは
関係なく、例えば溶解炉11に備わる攪拌室54に、A
356合金切り粉を計量して投入する。A356合金切
り粉は、保持バーナ72により高温に維持された既に保
持室52にある溶湯と混合攪拌され溶解される。A35
6合金切り粉は溶湯3の組成と同一であるから、溶解炉
11の保持室52の湯面レベルが一定以下であれば、A
356合金切り粉は、何時でも投入することが出来る。
投入方法は、全投入量が計量されていれば、一回でも複
数回に分けてでも構わない。
【0039】 A356合金切り粉は、受入ホッパ等に
貯留しておき、予め、不純物除去等の清浄化処理を施し
ておく。例えば、A356合金切り粉を破砕機62で細
かく砕いてから、遠心分離機63で水分及び油分を分離
除去する。ここで、一旦、貯留ホッパ等に貯めてから、
順次、乾燥機64で加熱乾燥させる。A356合金切り
粉の場合、乾燥温度は300〜350℃が好ましい。切
り粉が溶解せず、且つ、効率よく清浄化処理出来るから
である。そして、磁選機61によって鉄分を除去する。
A356合金切り粉の清浄化処理は、溶解炉11への投
入タイミングに合わせて行うことが好ましい。特に、加
熱乾燥以降の処理において、昇温したA356合金切り
粉が長時間放置されないように、加熱乾燥の処理速度を
制御することが好ましい。以上のように、配合溶解を進
め、溶解炉11の保持室52の湯面レベルが一定以上上
昇したら、全ての原料投入を止める。
【0040】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の配合溶
解方法によれば、機械加工等により生じた廃材である切
り粉を、清浄化処理し、又、充分なコスト低減効果を発
揮しつつ、配合溶解の原料として適用可能である。そし
て、このことにより、低コストでありながら、品質の安
定した溶湯を、後段の鋳造装置、ダイカスト装置等の成
形加工装置へ供給し得るので、欠陥のない機械的性質に
優れた、例えば鋳造製品、ダイカスト製品等の成形加工
製品を、より低コストに生産出来るという優れた効果を
発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る切り粉の清浄化処理を含む金属
製品製造工程の一例を示すブロックフロー図である。
【図2】 本発明に係る配合溶解を行う溶解炉の一実施
例を示す水平断面図である。
【符号の説明】
1…純金属材料、3…溶湯、4…切り粉、5…切り粉
(合金材料)、6…排煙、7…金属製品、8…合金材料
(規格材料)、11…溶解炉、12…溶解炉(他工
場)、51…溶解室、52…保持室、54…攪拌室、5
6…出湯口、61…磁選機、62…破砕機、63…遠心
分離機、64…乾燥機、65…計量供給機、66…再燃
焼炉、67…集塵機、72…保持バーナ、74…攪拌
機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L113 AC01 BA01 CB01 DA03 4K001 AA02 AA27 AA30 AA38 BA22 CA09 FA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の金属材料を溶解して、所望の
    溶湯を得る配合溶解方法であって、 前記2種以上の金属材料に、少なくとも1種の金属材料
    として加熱乾燥処理が施された切り粉が含まれ、前記切
    り粉が、前記加熱乾燥処理時の温度を、略、維持して溶
    解されることを特徴とする配合溶解方法。
  2. 【請求項2】 前記切り粉の加熱乾燥処理の速度が、可
    変である請求項1に記載の配合溶解方法。
  3. 【請求項3】 前記切り粉が、前記加熱乾燥処理を含む
    清浄化処理を施されて溶解され得る請求項1又は2に記
    載の配合溶解方法。
  4. 【請求項4】 前記切り粉が、計量されて溶解され得る
    請求項1〜3の何れか一項に記載の配合溶解方法。
  5. 【請求項5】 前記切り粉が、前記2種以上の金属材料
    である他の金属材料と混合攪拌されて溶解され得る請求
    項1〜4の何れか一項に記載の配合溶解方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007224349A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Aisin Seiki Co Ltd マグネシウム合金切削屑の処理方法
JP7011862B1 (ja) * 2020-11-13 2022-02-10 株式会社トウネツ 溶湯混合システム

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