JP2003086943A - ケーブルを有するフレキシブルプリント基板およびその製造方法 - Google Patents

ケーブルを有するフレキシブルプリント基板およびその製造方法

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柳 邦 彦 畔
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレキシブルプリント基板にグラウンドパタ
ーンを含む回路パターンを簡便に形成すること。 【解決手段】 部品実装部と、この部品実装部に連なる
ケーブル部とを有するフレキシブルプリント基板であっ
て、前記部品実装部はそれぞれ多層導電層を有する多層
フレキシブルプリント基板を製造する方法において、前
記多層導電層を相互に接続するスルーホールTHを形成
するためのメッキ層20を形成し、このメッキ層におけ
る前記スルーホールを除く部分に回路パターンを形成す
ることによりケーブル部上面にもメッキ層からなる回路
パターンが存在することを特徴とする、ケーブルを有す
るフレキシブルプリント基板の製造方法、および部品実
装部と、この部品実装部に連なるケーブル部とを有する
フレキシブルプリント基板であって、前記部品実装部お
よびケーブル部はそれぞれ多層導電層を有する多層フレ
キシブルプリント基板において、前記多層導電層は、メ
ッキ層20を含むことを特徴とする多層導電層を有する
多層フレキシブルプリント基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部品実装部とケー
ブル部とを有するフレキシブルプリント基板およびその
製造方法に係り、とくに導電層の構造およびその形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器に汎用されるフレキシブルプリ
ント基板は、機器のコンパクト化の要請に応えて立体的
な部品実装を行う例が多く、プリント基板を折り曲げて
使用する必要があることも屡である。
【0003】このような立体的部品実装を実現するプリ
ント基板の例として、特開2001-111225号公報に示すも
のがある。このプリント基板は、厚みがある部品実装部
と薄くて折り曲げ可能なケーブル部とを持ち、機器に適
合した部品実装および配線が可能である。
【0004】ここにおいて、従来のフレキシブルプリン
ト基板のケーブル部における配線パターンは、1層構成
となっている。
【0005】このように1層構成であると、配線数を多
くすることはできず、設計上の制約が大きい。
【0006】また、回路パターンにおけるグラウンドパ
ターンを見ると、次のような問題がある。グラウンドパ
ターンは、信号ノイズを除去するために重要な役割を果
たすものであって回路パターンを取り囲むように設けら
れる必要があり、かつ面積が大きい方が有効である反
面、機器のコンパクト化の要請には反することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この点を考慮してケー
ブル部を両面2層構造として、そのうちの片面をグラウ
ンドパターンとすることが行われている。
【0008】しかしながら、ケーブル部により多くの回
路を設定し、かつグラウンドパターンを確保すると、ケ
ーブル幅を広くする必要がある。これは、例えば携帯電
話のように、プリント基板を頻繁に屈曲する電子機器を
考えると、ケーブル部の幅を広くすることには限度があ
る。
【0009】また、両面銅張り積層板は片面銅張り積層
板よりも高価であり、コストの面からも両面構造は問題
がある。
【0010】本発明は上述の点を考慮してなされたもの
で、フレキシブルプリント基板にグラウンドパターンを
含む回路パターンを簡便に形成することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では、部品実装部と、この部品実装部に連なるケー
ブル部とを有するフレキシブルプリント基板であって、
前記部品実装部はそれぞれ多層導電層を有する多層フレ
キシブルプリント基板を製造する方法において、前記多
層導電層を相互に接続するスルーホールまたはヴィアホ
ールを形成するためのメッキ層を形成し、このメッキ層
における前記スルーホールまたはヴィアホールを除く部
分に回路パターンを形成することによりケーブル部上面
にもメッキ層からなる回路パターンが存在することを特
徴とする、ケーブルを有するフレキシブルプリント基板
の製造方法、および部品実装部と、この部品実装部に連
なるケーブル部とを有するフレキシブルプリント基板で
あって、前記部品実装部およびケーブル部はそれぞれ多
層導電層を有する多層フレキシブルプリント基板におい
て、前記多層導電層は、メッキ層を含むことを特徴とす
る多層導電層を有する多層フレキシブルプリント基板、
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図6を用いて本
発明の実施例を説明する。
【0013】図1は本発明の一実施例の、また図2は対
比すべき従来例の製作途中における平面図を上部に、ま
た側断面図を下部に配して示したものである。
【0014】まず平面図に示すように、図示左右両側に
1つずつの部品実装部があり、これら2つの部品実装部
を可撓性のケーブル部が接続して回路基板を構成してい
る。そして、部品実装部およびケーブル部には、これら
全体を通して配線する回路パターン、および回路パター
ンを設けるための絶縁層、接着剤等が設けられている。
【0015】これに対し、図2に示す従来例では、ケー
ブル部の内層回路21の一つの層にしか回路パターンが
形成されていない。すなわち、従来例では内層ベース材
11の図示下面には内層回路21が設けられ、図示上面
には、積層接着剤12を間に挟んで外層ベース材13が
設けられている。
【0016】一方、図1に示す本発明の実施例では、外
層ベース材13の上に、さらに外層回路22および外層
のカバーレイ14−2が順次積層されて設けられてい
る。また、内層回路21の下方には、内層のカバーレイ
14−1および積層接着剤12が配されて外層ベース材
13が設けられ、この外層ベース材13の図示下面に外
層回路22が形成されて外層のカバーレイ14−2が順
次積層され設けられている。
【0017】そして、部品実装部にはそれぞれスルーホ
ールが形成されており、このスルーホールの内壁面は、
メッキ処理により導電層が形成される。このメッキ処理
は、その処理の際にスルーホールとともにメッキ液に露
出している回路基板の表面全体に対して行われる。この
結果、スルーホールのメッキ処理をするときに、メッキ
液に露出している外層ベース材13の表面にも導電層が
形成される。
【0018】このメッキによって形成される導電層は、
エッチングのときにマスクを施さず除去していたが、マ
スクを用いてパターン形成を行うことにより、外層回路
22が形成される。外層回路22の形成後に、外層のカ
バーレイ14−2が設けられる。
【0019】図3は、本発明に係るフレキシブルプリン
ト基板の製造工程を、また図4は対比すべき従来例の製
造工程を示したものであり、AないしEの5段階を図示
している。
【0020】まず工程Aでは、内層ベース材11の図示
下面に銅箔による内層回路21が形成され、図示上面に
は積層接着剤12を介して外層ベース材13が設けら
れ、外層ベース材13の図示上面に外層回路22が設け
られる。また、内層回路21の図示下方にはカバーレイ
14および積層接着剤12を介して外層ベース材13が
設けられ、外層ベース材13の図示下面に外層回路22
が形成される。
【0021】次いで工程Bに移り、スルーホールの穴明
け加工が行われ、図示左右両側にある部品実装部にそれ
ぞれスルーホールTHが設けられる。
【0022】続いて工程Cに移行して、スルーホールT
Hを含む回路基板の全露出面にメッキ処理が施される。
メッキ処理には、たとえば無電解銅メッキおよび硫酸銅
電気メッキの併用によるメッキ処理が適当である。
【0023】これにより、図示のように回路基板の全露
出面に銅メッキ層20が析出する。この銅メッキ層20
は、外層回路22に接続されており、外層回路22と同
等であるが、製造工程上は外層回路22と区別する必要
があるため、符号20を用いている。ここまでは、本発
明と従来例とは同じ工程を採る。
【0024】この後、工程Dにより、銅メッキ層20に
対しエッチングによりパターンを形成するが、従来例で
はケーブル部にはマスクを施さずに銅メッキ層20を除
去するのに対し、本発明ではエッチングにより除去する
部分が開放したマスク30を施して回路パターンとす
る。マスク30は、ドライフィルム型フォトレジストに
よるものが適当であるが、他のものを用いてもよい。
【0025】この場合、部品実装部とケーブル部との境
界部分には段差があるので、マスク30が良好に付着す
るように真空ラミネート法を用いる。真空ラミネート法
によれば、ケーブル部にもマスク30が正しく付着して
後のエッチング処理が良好に行われる。勿論、他の条件
つまり温度、真空度を含む圧力、および時間などを適正
に制御する必要があることは言うまでもない。
【0026】そして、フォトレジストの現像により形成
したマスクを用いてエッチング液を作用させることによ
り、銅メッキ層20のうちマスク30の開放部分に対応
する部分がエッチング処理により除去される。
【0027】最後に、工程Eによりマスク30をエッチ
ングにより除去すると、回路基板の外表面に残った銅メ
ッキ層20により形成された回路パターンが出来上が
る。銅メッキ層20は、外層回路22に接続されたもの
であり、さらにはスルーホールTHを介して内層回路2
1とも接続されたものであり、図1では外層回路22と
して示されている。
【0028】この結果、回路基板には、銅箔による内層
回路21と別個に、銅メッキ層20による外層回路が形
成される。この外層回路は、グラウンドパターンとし
て、あるいは信号回路として利用することができる。
【0029】図5(a),(b)および図6(a),(b)は、本発明
の他の実施例を示したものである。これらの図における
符号は、図1ないし図4と共通に付されている。
【0030】まず図5(a)は、外層回路22を図1、図
3におけるように内層ベース材11の図示上面ではな
く、カバーレイ14の側に設けた例である。また図5
(b)は、2層構造のケーブルに2つの外層回路22を形
成したものである。
【0031】そして、図6(a)は、それぞれ1つの外層
回路22が設けられた2枚の片面ケーブルを、隙間を空
けて重ねて配したものであり、図6(b)は、内層のカバ
ーレイ14−1に明けられた穴を介して、内層回路21
と外層回路22との接続を行うようにした例を示してい
る。
【0032】
【発明の効果】本発明は上述のように、部品実装部とケ
ーブル部とを有する多層フレキシブルプリント基板にお
いてスルーホールを形成する際に得られるメッキ層を利
用して回路パターンを形成したため、グラウンドパター
ンを含む回路パターンであってもフレキシブルプリント
基板上に簡便に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリント基板の一実施例の構成を
示す平面図および側断面図。
【図2】従来のプリント基板の構成を示す平面図および
側断面図。
【図3】本発明に係る方法の一実施例を示す工程図。
【図4】従来の方法を示す工程図。
【図5】本発明に係るプリント基板の他の例を示す断面
図。
【図6】本発明に係るプリント基板の更に他の例を示す
断面図。
【符号の説明】
11 内層ベース材 12 積層接着剤またはプリプレグ 13 外層ベース材 14 カバーレイ 20 銅メッキ層 21 内層回路 22 外層回路 30 マスク TH スルーホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/42 620 H05K 3/42 620A Fターム(参考) 5E317 AA11 AA24 BB12 CC31 CD32 GG16 5E339 AA02 AB02 AC01 AD05 AE01 BD02 BD08 BE11 BE13 CD01 CE16 CF15 DD02 5E346 AA12 AA15 AA32 AA42 AA43 AA51 BB16 CC02 CC08 CC32 DD02 DD22 DD32 DD44 FF04 FF07 FF12 FF45 GG15 GG17 GG22 HH03 HH31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部品実装部と、この部品実装部に連なるケ
    ーブル部とを有するフレキシブルプリント基板であっ
    て、前記部品実装部はそれぞれ多層導電層を有する多層
    フレキシブルプリント基板を製造する方法において、 前記多層導電層を相互に接続するスルーホールまたはヴ
    ィアホールを形成するためのメッキ層を形成し、 このメッキ層における前記スルーホールまたはヴィアホ
    ールを除く部分に回路パターンを形成することによりケ
    ーブル部上面にもメッキ層からなる回路パターンが存在
    することを特徴とする、ケーブルを有するフレキシブル
    プリント基板の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のケーブルを有するフレキシ
    ブルプリント基板の製造方法において、 マスクを用いエッチングにより前記メッキ層に回路パタ
    ーンを形成するようにした、ケーブルを有するフレキシ
    ブルプリント基板の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のケーブルを有するフレキシ
    ブルプリント基板の製造方法において、 前記マスクとして、ドライフィルム型フォトレジストを
    真空ラミネートにより設ける、ケーブルを有するフレキ
    シブルプリント基板の製造方法。
  4. 【請求項4】部品実装部と、この部品実装部に連なるケ
    ーブル部とを有するフレキシブルプリント基板であっ
    て、前記部品実装部およびケーブル部はそれぞれ多層導
    電層を有する多層フレキシブルプリント基板において、 前記多層導電層は、メッキ層を含むことを特徴とする多
    層導電層を有する多層フレキシブルプリント基板。
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