JP2003086387A - 高圧放電灯点灯装置 - Google Patents

高圧放電灯点灯装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電アークの”立ち消え”または”ゆらぎ”
を起こすことがなく、高圧放電灯を安定に高周波点灯で
きる高圧放電灯点灯装置を得るものである。 【解決手段】 高圧放電灯4は円筒状のセラミックから
成る発光管6、発光管6の両側に設けられる電極7、電
極7に接続される電極リード線8、電極リード線8を囲
うリード線カバー9から構成される。こうした構成を有
する高圧放電灯4において、音波の周波数fsをfs=
(m・v)/〔2・{(nl・L)+(nr・
r)1/2〕の演算式より求め、この周波数fsと
一致しないように点灯周波数を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高圧放電灯を高
周波点灯する高圧放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は、従来における高圧放電灯点灯
装置の回路構成図を示す。図15において、1は直流電
源、2は直流電源1の直流電圧を高周波電圧に変換する
第1のスイッチング素子2aと第2のスイッチング素子
2bとから成るハーフブリッジ回路、3はハーフブリッ
ジ回路2の駆動を制御するドライバ回路、4は始動回路
/負荷回路5から出力する電圧が供給されて高周波点灯
する高圧放電灯である。こうした構成を有する高圧放電
灯点灯装置は、始動回路/負荷回路5を介して高圧放電
灯4に供給される高周波電圧の周波数が1kHz以上と
なるように、ハーフブリッジ回路2の駆動をドライバ回
路4で制御するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の高圧放電灯点灯
装置は、点灯回路の小型化や低コスト化を目的とするた
めに、前述のように高圧放電灯に1kHz以上の高周波
電圧を供給して高周波点灯するものである。しかし、一
般に高圧放電灯を高周波点灯することにより放電灯内の
音波の進行波と反射波との干渉作用により放電アークが
湾曲し、これによって放電アークの”立ち消え”又は”
ゆらぎ”を起こすという課題を抱えていた。したがっ
て、放電灯の点灯を安定に保つことが出来ないという問
題点を有していた。
【0004】この発明は、前述のような問題点を解決す
るためになされたもので、放電アークを湾曲させず一直
線状にして、放電アークの”立ち消え”又は”ゆらぎ”
を起こすことがなく、高圧放電灯を安定に高周波点灯で
きるようにした高圧放電灯点灯装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる高圧放
電灯点灯装置は、高圧放電灯と、高圧放電灯にインバー
タ回路から出力する高周波電力を供給して点灯させる点
灯回路とを備えた高圧放電灯点灯装置において、高圧放
電灯を構成する円筒状の発光管内の音響共鳴周波数fr
を、fr=(正の整数×音波の速度)÷〔2×{(発光
管長方向の音波往復回数×発光管長)+(発光管半径
方向の音波往復回数×発光管半径) 1/2〕の演算
式により求め、音響共鳴周波数frと一致しない周波数
を非音響共鳴周波数として選定し、非音響共鳴周波数を
有する高周波電力をインバータ回路から出力するように
したものである。
【0006】また、非音響共鳴周波数を音響共鳴周波数
が2kHz以上にわたって存在しない周波数帯から選定
するようにしたものである。
【0007】また、非音響共鳴周波数を発光管の定格電
力35W相当において、29〜33kHz、40〜45
kHz、61〜65kHzの何れかの周波数帯の中から
一つの周波数に選定するようにしたものである。
【0008】また、非音響共鳴周波数を発光管の定格電
力70W相当において、20〜23kHz、28〜31
kHz、42〜46kHzの何れかの周波数帯の中から
一つの周波数に選定するようにしたものである。
【0009】また、少なくとも二つ以上の非音響共鳴周
波数を選定し、これらの周波数を有する高周波電力を切
り替えて出力するように構成したものである。
【0010】また、高圧放電灯の累積点灯時間が長くな
るに伴って、非音響共鳴周波数をもつ高周波電力の周波
数を所定分だけ変化させるようにしたものである。
【0011】また、高圧放電灯と、高圧放電灯にインバ
ータ回路から出力する高周波電力を供給して点灯させる
点灯回路とを備えた高圧放電灯点灯装置において、高圧
放電灯を構成する円筒状の発光管内の音響共鳴周波数f
rを、fr=(正の整数×音波の速度)÷〔2×{(発
光管長方向の音波往復回数×発光管長)+(発光管半
径方向の音波往復回数×発光管半径)1/2〕の演
算式により求め、演算式に基づいて発光管の長さがその
半径に対して整数倍或いは整数分の1の大きさとなるよ
うにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1について、図1は高圧放電灯における発光管の構
成を示す斜視図、図2は同じく発光管の構成を示す正面
断面図である。図1と図2において、高圧放電灯4は円
筒状のセラミックから成る発光管6、発光管6の両側に
設けられる電極7、電極7に接続される電極リード線
8、電極リード線8を囲うリード線カバー9から構成さ
れる。こうした構成を有する高圧放電灯4において、電
極7から出た音波が発光管6内で入射と反射とを繰り返
して再び電極7に戻ってくる過程で、その進行波と反射
波とが干渉し合って定在波を形成する。そして、その定
在波が発光管6内の放電アークを湾曲させることで、放
電アークの”立ち消え”又は”ゆらぎ”を起こす。つま
り、音波が電極7から出て再び戻ってくるまでの伝搬距
離の値と音波の波長の整数倍に相当する値とが等しくな
ったときに、定在波が形成されて放電アークを湾曲させ
るという音響共鳴現象を発生する。ここで、発光管6内
の音波の伝搬距離をx、その波長をλとすると、下記の
(1)式の条件が成立した場合に定在波を形成して音響
共鳴現象が発生する。 x=m・λ・・・・・・(1) 但し、mは0以上の整数である。
【0013】次に、発光管6内の音波の速度をv、音波
の周波数をfsとすると、その波長λは下記の(2)式
より求まる。 λ=v/fs ・・・・・・(2) また、前述の(1)式と(2)式より音波の周波数fs
は下記の(3)式で表すことができる。 fs=(m・v)/x ・・・・・・(3) そして、前述の(3)式で表された音波の周波数fsと
高周波点灯回路から発光管6に供給される電圧の周波数
即ち点灯周波数とが一致したときに、音響共鳴現象が発
生することを確認した。
【0014】次に、音響共鳴現象が発生する時点の音響
共鳴周波数frを発光管6の形状寸法、音波の伝播距離
から求める方法ついて説明する。発光管6の長さをL、
半径をrとし、かつ音波が管長方向を往復する回数をn
l、管半径方向を往復する回数をnrとすると、発光管
6内での音波の伝播距離xは下記の(4)式で表すこと
ができる。 x=2・{(nl・L)+(nr・r)1/2・・(4) ここで、発光管6内の管長方向や管半径方向に対しての
音波の進行波および反射波の伝搬経路の一例を、図3の
(a)と(b)に示す。図3の(a)は、nl=1,n
r=2即ち管長方向1回、管半径方向2回の場合におけ
る音波の伝播経路であり、図3の(b)はnl=3,n
r=1即ち管長方向3回、管半径方向1回の場合におけ
る音波の伝播経路である。
【0015】そして、前述の(3)式と(4)式より音
波の周波数fsを下記の(5)式で表すことができ、こ
の周波数fsと一致する周波数が音響共鳴現象を発生す
る音響共鳴周波数frである。 fs=fr=(m・v)/〔2・{(nl・L)+ (nr・r)1/2〕・・・・・(5) なお、前述の(5)式で用いたmはその値が大きくなれ
ば定在波の圧力が減衰して音響共鳴現象の影響度が小さ
い。また、nlとnrが大きくなれば発光管6内での音
波の反射回数や伝播距離が増えることで、その圧力が弱
まって定在波の圧力は減衰する関係上、音響共鳴現象の
影響度が小さくなる。したがって、m,nl,nrのそ
れぞれの上限値を決めて音響共鳴周波数frを求める必
要がある。ここでは、例えばnlとnrの反射回数の合
計を5回以下、mを10以下とした。
【0016】ここで、発光管6の長さ方向の反射回数を
(2・nl−1)で表し、半径方向の反射回数をnrで
表した。こうした前提条件に基づき、長さ方向と半径方
向に対する音波の反射組み合わせ即ちnlとnrの反射
組み合わせは、下記の(6)式で表すことができる。 nx=(2・nl−1)+nr≦5 ・・・・・・(6) そして、前述の(6)式よりnlとnrの反射組み合わ
せを求め、それをテーブル化したものを表1に示す。表
1において、例えばnl=1の場合はnr=0〜4即ち
管長方向1回に対して管半径方向0〜4回であり、nl
=2の場合はnr=0〜2即ち管長方向2回に対して管
半径方向0〜2回の反射組み合わせとなる。
【0017】
【表1】
【0018】次に、m,nl,nrの値を前述のように
限定し、かつ放電灯4の定格容量を35w、発光管6の
長さをL=5.6mm、半径をr=3.1mmとした場
合における音響共鳴周波数frの分布を前述の(5)式
より求め、それを図化したものを図4に示す。なお、こ
こでは発光管6内の音波の速度vを620(m/s)に
設定した。図4において、音響共鳴周波数frは周波数
15kHz〜100kHzの範囲において、複数の周波
数(図中の○印)で確認された。したがって、発光管6
の点灯周波数を音響共鳴周波数frに一致しない周波数
を非音響共鳴周波数として、予め図4に示す音響共鳴周
波数の分布図より抽出しておく。
【0019】この場合に、図15に示す従来の高圧放電
灯点灯装置の回路構成図において、例えば2kHz以上
にわたって音響共鳴周波数frを有しない周波数帯であ
る29kHz〜33kHz(図中のaゾーン)、40k
Hz〜45kHz(図中のbゾーン)、60〜66kH
z(図中のcゾーン)の範囲内から一つの非音響共鳴周
波数を選定し、選定された周波数をもった高周波電圧を
放電灯4へ供給するように、インバータ回路を構成する
複数のスイッチング素子から成るハーフブリッジ回路2
をドライバ回路3によって駆動制御する。こうした点灯
周波数の設定方法により、音響共鳴現象の発生を未然に
防止して発光管6内の放電アークの”ゆらき”又は”立
ち消え”を解消することができる。
【0020】また、図5は音波の速度vの誤差即ちバラ
ツキを考慮し、例えば620±2%(m/s)とした場
合の音響共鳴周波数frの分布を前述の(5)式より求
め、それを図化したものである。図5において、図4の
説明と同様に15kHz〜100kHzの範囲内で、音
響共鳴周波数frは複数確認された(図中の○印)。し
たがって、前述と同様に点灯周波数を音響共鳴周波数f
rと一致しないように、周波数を非音響共鳴周波数とし
て予め図5に示す音響共鳴周波数frの分布図より抽出
しておく。
【0021】また、図6はm,nl,nrの値を前述の
ように限定し、かつ放電灯4の定格容量を35w、発光
管4の長さをL=5.9mm、半径をr=3.1mmと
した場合における音響共鳴周波数frの分布を前述の
(5)式より求め、それを図化したものである。なお、
音波の速度vを620(m/s)に設定した。図6にお
いて、周波数が15kHz〜100kHzの範囲内で、
幾つかの音響共鳴周波数fr(図6中の○印)が確認さ
れた。したがって、これらの音響共鳴周波数frと一致
しない周波数を非音響共鳴周波数として、予め図6に示
す分布図から抽出しておく。この場合、例えば2kHz
以上にわたって音響共鳴周波数frを有しない周波数帯
である20kHz〜22kHz(dゾーン)、28kH
z〜33kHz(eゾーン)、40kHz〜45kHz
(fゾーン)の範囲内から一つの非音響共鳴周波数を選
定し、この周波数で放電灯4を点灯制御することによ
り、発光管6内の放電アークの”ゆらき”又は”立ち消
え”を解消することができる。
【0022】また、図7は音波の速度vのバラツキを考
慮し、例えば620±2%(m/s)とした場合の音響
共鳴周波数frを図化したものである。前述と同様に、
点灯周波数を非音響共鳴周波数として音響共鳴周波数f
r(図中の○印)と一致させないように、予め図7に示
す音響共鳴周波数frの分布図より抽出しておく。これ
によって、発光管6内の放電アークの”ゆらき”又は”
立ち消え”を解消することができる。
【0023】また、図8はm,nl,nrの値を前述の
ように限定し、かつ放電灯4の定格容量を70W、発光
管6の長さをL=7.5mm、半径をr=4.2mmとし
た場合における音響共鳴周波数frの分布を前述の
(5)式より求め、それを図化したものである。なお、
音波の速度vを585(m/s)に設定した。図8にお
いて、同じようにこれらの音響共鳴周波数fr(図中の
○印)と一致しない周波数を非音響共鳴周波数として抽
出しておく。この場合に、例えば2kHz以上にわたっ
て音響共鳴周波数frを有しない周波数帯である20k
Hz〜23kHz(gゾーン)、28kHz〜31kH
z(hゾーン)、42kHz〜46kHz(iゾーン)
の範囲内から一つの非音響共鳴周波数を選定し、前述と
同様に高圧放電灯4を点灯制御することで放電アーク
の”ゆらき”又は”立ち消え”を解消することができ
る。
【0024】さらに、図9は音波の速度vのバラツキを
考慮し、例えば585±3%(m/s)とした場合の音
響共鳴周波数frの分布を図化したものである。前述と
同様に、点灯周波数を非音響共鳴周波数として音響共鳴
周波数fr(図中の○印)と一致させないように、予め
図9に示す音響共鳴周波数frの分布図より抽出してお
く。これによって、発光管6内の放電アークの”ゆら
き”又は”立ち消え”を解消することができる。
【0025】以上、この発明の高圧放電灯点灯装置は発
光管6の長さL、半径r、音波の速度v、音波の反射回
数nlとnrのそれぞれの値を、前述の(5)式に代入
して音響共鳴周波数frを求め、その音響共鳴周波数f
rと一致させないように非音響共鳴周波数を選定して、
高圧放電灯4の点灯周波数を決定する。そして、この点
灯周波数の設定をインバータ回路の駆動を制御するドラ
イバ回路で行うことで、発光管6内の放電アークの”ゆ
らぎ”又は”立ち消え”を解消して高圧放電灯4を安定
状態に点灯することができる。
【0026】実施の形態2.図10は、この発明の実施
の形態1に係る放電灯の音響共鳴現象の発生を未然に防
止する手段を付加した二段調光式高圧放電灯装置の回路
構成図を示す。ここでは、従来例と同様の高圧放電灯点
灯装置を構成するドライバ回路3に、高圧放電灯4の点
灯周波数を切り換える周波数切換え回路10を付加した
ものである。周波数切換え回路10は、調光回路(図示
なし)からの出力信号に応じてドライバ回路3の動作を
制御するものであり、例えば放電灯4の定格容量が35
W、発光管6の管長L=5.6mm、管半径r=3.1
mmの場合に、第1の非音響共鳴周波数を31kHz
(図4中のαポイント)、第2の非音響共鳴周波数を4
4kHz(図4中のβポイント)にそれぞれ選定し、こ
の二つの非音響共鳴周波数を切り換えるようにしたもの
である。これにより、図11の高圧放電灯4の消費電力
特性に示すように、第1の非音響共鳴周波数fh1にお
いて消費電力の割合を100%とした場合に、第2の非
音響共鳴周波数fh2では消費電力の割合が75%とな
り、減光点灯することができる。
【0027】以上のように、高圧放電灯4の点灯周波数
を二つの非音響共鳴周波数に選定し、その周波数を切り
換える段調光方式の高圧放電灯点灯装置において、発光
管6内の放電アークの”ゆらぎ”又は”立ち消え”を解
消して高圧放電灯4を点灯すると共に、必要に応じて減
光による省電力化を図ることができる。
【0028】実施の形態3.図12は、この発明の実施
の形態3に係る高圧放電灯点灯装置の回路構成図を示
す。図12において、従来例と同一の符号は同一または
相当部分を示す。ここでは、高圧放電灯点灯装置を構成
するドライバー回路3に、高圧放電灯4の累積点灯時間
が長くなるに伴ってハーフブリッジ回路2のスイッチン
グ素子2a,2bの駆動周波数を所定分だけ上昇変化さ
せ、放電灯4に供給する電圧の周波数を補正する周波数
補正回路11を付加したものである。一般的に、累積点
灯時間に応じて発光管6内の音波の速度vは下記の
(7)式に基づいて上昇変化するので、実施の形態1で
述べた音響共鳴周波数fr及び非音響共鳴周波数も同様
に上昇変化する。 v=(γ・Po/ρ)1/2・・・・・・(7) 但し、γ:定数、Po:管内の圧力、ρ:管内の気体密
【0029】ここで、一般的に高圧放電灯4の累積点灯
時間が増えるに伴ってρが小さくなり、これによってv
が大きくなる現象を示す。したがって、周波数補正回路
11に格納するタイマー回路12により放電灯4の累積
点灯時間をカウント処理し、そのタイマー回路4から出
力される累積点灯時間が長くなるに伴って高圧放電灯4
の点灯周波数を所定分だけ上昇変化させる。ここで、発
光管6内の音波の速度vのバラツキ又は発光管6の形状
バラツキなどによる音響共鳴周波数frの上下変動を考
慮する意味合いで、点灯周波数を非音響共鳴周波数帯の
中心付近に設定して安定な状態で点灯させる。
【0030】以上のように、高圧放電灯4の累積点灯時
間が長くなるに伴って、点灯周波数を所定分だけ上昇変
化するようにドライバ回路3に周波数補正回路11を付
加する構成を採用したことにより、長期使用による音波
の速度vの上昇変化に伴う音響共鳴周波数frの変化が
有った場合でも、常に発光管6内の放電アークの“ゆら
ぎ”又は”立ち消え”を解消して安定に高圧放電灯4を
点灯させることができる。
【0031】実施の形態4.この発明の実施の形態4
は、実施の形態1〜実施の形態3で述べた音響共鳴周波
数の数を減少させる方法であり、図13と図14に示す
発光管6の正面断面図を併用して説明する。図13は、
発光管6の長さLと半径rとをそれぞれ等しくなるよう
にした場合の発光管6の形状を示す。実施の形態1で述
べた音響共鳴周波数frを求める下記の(8)式より、
例えば管長方向の音波の反射回数nl=0,管半径方向
の音波の反射回数nr=1の反射条件の場合とnl=
1,nr=0の反射条件の場合とで、それぞれの音響共
鳴周波数frの値は等しくなる。
【0032】また、nl=0,nr=2の反射条件の場
合とnl=2,nr=0の反射条件の場合とで、それぞ
れの音響共鳴周波数frの値は等しくなる。また、nl
=0,nr=3の反射条件の場合とnl=3,nr=0
の反射条件の場合とで、それぞれの音響共鳴周波数fr
の値は等しくなる。さらに、nl=1,nr=2の反射
条件の場合とnl=2,nr=1の反射条件の場合と
で、それぞれの音響共鳴周波数frの値は等しくなる。
したがって、実施の形態1で開示した表1に示すnlと
nrの組み合わせにおいて、15通りの反射の組合わせ
に対して音響共鳴現象が発生する周波数の数は11通り
となり、実質上その数を減少させることができる。 fr=(m・v)/〔2・{(nl・L)+ (nr・r)1/2〕・・・・・(8)
【0033】次に、図14は発光管6の長さLを半径r
の2倍となるようにした場合の発光管6の形状を示す。
この場合でも、音響共鳴周波数frを求める上記の
(8)式より、例えば管長方向の音波の反射回数nl=
1,管半径方向の音波の反射回数nr=0の反射条件の
場合とnl=0,nr=2の反射条件の場合とで、それ
ぞれの音響共鳴周波数frの値は等しくなる。また、n
l=2,nr=0の場合とnl=0,nr=4の反射条
件の場合とでそれぞれの音響共鳴周波数frの値は等し
くなる。これにより、表1に示すnlとnrの15通り
の反射組み合わせにおいて、音響共鳴現象が発生する周
波数の数は13通りとなり、実質上その数を減少させる
ことができる。したがって、音響共鳴現象が発生しない
周波数帯即ち非音響共鳴周波数帯の幅が大きくなるため
に、点灯周波数として非音響共鳴周波数の選定範囲が広
がり、確実に音響共鳴現象の発生を防止する高圧放電灯
点灯装置の回路設計が非常に容易となる。なお、前述の
ように発光管6の長さLを半径rの2倍となるように構
成する他に、発光管6の長さLを半径rの1/2となる
ように構成しても良い。
【0034】以上のように、発光管6の長さLと半径r
とを所定の倍数関係となるようにした場合は、所定の反
射回数nlとnrの組合わせに対して音響共鳴現象が発
生する周波数の数を減少させることができる。したがっ
て、点灯周波数の設定範囲を広くした状態で音響共鳴現
象の発生を防止することで、放電アークの”ゆらぎ”又
は”立ち消え”を解消して放電灯4を安定な状態で点灯
させることができる。
【0035】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0036】この発明に係る高圧放電灯点灯装置は、高
圧放電灯と、高圧放電灯にインバータ回路から出力する
高周波電力を供給して点灯させる点灯回路とを備えた高
圧放電灯点灯装置において、高圧放電灯を構成する円筒
状の発光管内の音響共鳴周波数frを、fr=(正の整
数×音波の速度)÷〔2×{(発光管長方向の音波往復
回数×発光管長)+(発光管半径方向の音波往復回数
×発光管半径) /2〕の演算式により求め、音響
共鳴周波数frと一致しない周波数を非音響共鳴周波数
として選定し、非音響共鳴周波数を有する高周波電力を
インバータ回路から出力するようにしたので、発光管内
の放電アークの”ゆらぎ”又は”立ち消え”を起こすこ
とがなく、高圧放電灯を安定状態に点灯することができ
る。
【0037】また、非音響共鳴周波数を音響共鳴周波数
が2kHz以上にわたって存在しない周波数帯から選定
するようにしたので、点灯周波数を非音響共鳴周波数帯
に収まるように点灯装置の設計を容易に行うことが可能
であり、発光管内の放電アークの”ゆらぎ”又は”立ち
消え”を解消し、高圧放電灯を安定状態に点灯すること
ができる。
【0038】また、非音響共鳴周波数を発光管の定格電
力35W相当において、29〜33kHz、40〜45
kHz、61〜65kHzの何れかの周波数帯の中から
一つの周波数に選定するようにしたので、例えば音波の
速度に誤差即ちバラツキを生じたり或いは発光管の形状
にバラツキを生じた場合でも、点灯周波数を確実に非音
響共鳴周波数帯に収めることが可能である点灯装置の設
計を容易に行うことができる。したがって、発光管内の
放電アークの”ゆらぎ”又は”立ち消え”を解消し、高
圧放電灯を安定状態に点灯することができる。
【0039】また、非音響共鳴周波数を発光管の定格電
力70W相当において、20〜23kHz、28〜31
kHz、42〜46kHzの何れかの周波数帯の中から
一つの周波数に選定するようにしたので、例えば音波の
速度にバラツキを生じたり或いは発光管の形状にバラツ
キを生じた場合でも、点灯周波数を確実に非音響共鳴周
波数帯に収めて、発光管内の放電アークの”ゆらぎ”又
は”立ち消え”を解消し、高圧放電灯を安定状態に点灯
することができる。
【0040】また、少なくとも二つ以上の非音響共鳴周
波数を選定し、これらの周波数を有する高周波電力を切
り替えて出力するように構成したので、放電灯の2段調
光を行う共に発光管内の放電アークの”ゆらぎ”又は”
立ち消え”を解消して高圧放電灯を安定状態で点灯する
と共に省電力化を図ることができる。
【0041】また、高圧放電灯の累積点灯時間が長くな
るに伴って、非音響共鳴周波数をもつ高周波電力の周波
数を所定分だけ変化するようにしたので、長期使用で音
波の速度の上昇変化に伴う音響共鳴周波数の変化が有っ
た場合でも、常に点灯周波数を非音響共鳴周数波帯の中
心付近に設定して放電灯を点灯することができる。した
がって、発光管内の放電アークの“ゆらぎ”又は”立ち
消え”を解消して安定な状態で高圧放電灯を点灯させる
ことができる。
【0042】また、高圧放電灯と、高圧放電灯にインバ
ータ回路から出力する高周波電力を供給して点灯させる
点灯回路とを備えた高圧放電灯点灯装置において、高圧
放電灯を構成する円筒状の発光管内の音響共鳴周波数f
rを、fr=(正の整数×音波の速度)÷〔2×{(発
光管長方向の音波往復回数×発光管長)+(発光管半
径方向の音波往復回数×発光管半径)1/2〕の演
算式により求め、演算式に基づいて発光管の長さがその
半径に対して整数倍或いは整数分の1の大きさとなるよ
うにしたので、音響共鳴周波数の数を少なくして点灯周
波数の設定範囲を広くすることができる。したがって、
発光管内の放電アークの”ゆらぎ”又は”立ち消え”を
解消して確実に音響共鳴現象の発生を防止する高圧放電
灯点灯装置の回路設計が非常に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の発光管を示す斜視図である。
【図2】 実施の形態1の発光管を示す正面断面図であ
る。
【図3】 発光管内の音波の伝播経路を示す正面断面図
である。
【図4】 発光管の音響共鳴周波数の分布図を示す。
【図5】 発光管の他の音響共鳴周波数の分布図を示
す。
【図6】 発光管の他の音響共鳴周波数の分布図を示
す。
【図7】 発光管の他の音響共鳴周波数の分布図を示
す。
【図8】 発光管の他の音響共鳴周波数の分布図を示
す。
【図9】 発光管のさらに他の音響共鳴周波数の分布図
を示す。
【図10】 実施の形態2の高圧放電灯点灯装置に係る
回路構成図を示す。
【図11】 実施の形態2に係る高圧放電灯の消費電力
特性図を示す。
【図12】 実施の形態3に係る高圧放電灯点灯装置の
回路構成図を示す。
【図13】 実施の形態4の発光管を示す正面断面図で
ある。
【図14】 実施の形態4の他の発光管を示す正面断面
図である。
【図15】 従来の高圧放電灯点灯装置の回路構成図を
示す。
【符号の説明】
1 直流電源、2 ハーフブリッジ回路、3 ドライバ
回路、4 高圧放電灯、5 始動回路/負荷回路、6
発光管、7 電極、8 電極リード線、9 リード線カ
バー、10 周波数切換え回路、11 周波数補正回
路、12 タイマー回路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧放電灯と、この高圧放電灯にインバ
    ータ回路から出力する高周波電力を供給して点灯させる
    点灯回路とを備えた高圧放電灯点灯装置において、前記
    高圧放電灯を構成する円筒状の発光管内の音響共鳴周波
    数frを、 fr=(正の整数×音波の速度)÷〔2×{(発光管長
    方向の音波往復回数×発光管長)+(発光管半径方向
    の音波往復回数×発光管半径)1/2〕の演算式に
    より求め、この音響共鳴周波数frと一致しない周波数
    を非音響共鳴周波数として選定し、この非音響共鳴周波
    数を有する高周波電力を前記インバータ回路から出力す
    るようにしたことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 前記非音響共鳴周波数を音響共鳴周波数
    が2kHz以上にわたって存在しない周波数帯から選定
    したことを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装
    置。
  3. 【請求項3】 前記非音響共鳴周波数を前記発光管の定
    格電力35W相当において、29〜33kHz、40〜
    45kHz、61〜65kHzの何れかの周波数帯の中
    から一つの周波数に選定したことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の高圧放電灯点灯装置。
  4. 【請求項4】 前記非音響共鳴周波数を前記発光管の定
    格電力70W相当において、20〜23kHz、28〜
    31kHz、42〜46kHzの何れかの周波数帯の中
    から一つの周波数に選定したことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の高圧放電灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも二つ以上の非音響共鳴周波数
    を選定し、これらの周波数を有する高周波電力を切り替
    えて出力するように構成したことを特徴とする請求項1
    〜請求項4の何れかに記載の高圧放電灯点灯装置。
  6. 【請求項6】 前記高圧放電灯の累積点灯時間が長くな
    るに伴って、前記非音響共鳴周波数をもつ高周波電圧の
    周波数を所定分だけ変化させるようにしたことを特徴と
    する請求項1〜請求項5の何れかに記載の高圧放電灯点
    灯装置。
  7. 【請求項7】 高圧放電灯と、この高圧放電灯にインバ
    ータ回路から出力する高周波電力を供給して点灯させる
    点灯回路とを備えた高圧放電灯点灯装置において、前記
    高圧放電灯を構成する円筒状の発光管内の音響共鳴周波
    数frを、 fr=(正の整数×音波の速度)÷〔2×{(発光管長
    方向の音波往復回数×発光管長)+(発光管半径方向
    の音波往復回数×発光管半径)1/2〕の演算式に
    より求め、この演算式に基づいて前記発光管の長さがそ
    の半径に対して整数倍或いは整数分の1の大きさとなる
    ようにしたことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
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WO2008078484A1 (ja) * 2006-12-25 2008-07-03 Panasonic Electric Works Co., Ltd. 放電灯点灯装置および画像表示装置

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