JP2003086352A - 発光装置及び電子機器 - Google Patents

発光装置及び電子機器

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JP2003086352A
JP2003086352A JP2001273640A JP2001273640A JP2003086352A JP 2003086352 A JP2003086352 A JP 2003086352A JP 2001273640 A JP2001273640 A JP 2001273640A JP 2001273640 A JP2001273640 A JP 2001273640A JP 2003086352 A JP2003086352 A JP 2003086352A
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舜平 山崎
Toru Takayama
徹 高山
Hideaki Kuwabara
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    • H10K2102/311Flexible OLED
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
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    • H10K59/873Encapsulations

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分や酸素やアルカリ金属やアルカリ土類金
属などの不純物の拡散による劣化を抑えることが可能な
発光装置、具体的には、プラスチック基板上に形成され
たOLEDを有するフレキシブルな発光装置の提供を課
題とする。 【解決手段】プラスチック基板上に、酸素や水分がOL
EDの有機発光層に入り込むのを防ぎ、且つアルカリ金
属およびアルカリ土類金属などの不純物がTFTの活性
層に入り込むのを防ぐことの可能なAlXYで示される
層またはAl23で示される層からなるバリア膜を2層
以上設けて、さらに該2層のバリア膜の間に樹脂を含む
応力緩和膜を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】発光装置、特に、プラスチッ
ク基板上に形成された有機発光素子(OLED:Organi
c Light Emitting Device)を有する発光装置に関す
る。また、該OLEDパネルにコントローラを含むIC
等を実装した、OLEDモジュールに関する。なお本明
細書において、OLEDパネル及びOLEDモジュール
を共に発光装置と総称する。本発明はさらに、該発光装
置を用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、絶縁表面を有する基板上に形成さ
れた半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用いて薄膜
トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されてい
る。薄膜トランジスタはICや電気光学装置のような電
子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッ
チング素子として開発が急がれている。
【0003】このような画像表示装置を利用したアプリ
ケーションは様々なものが期待されているが、特に携帯
機器への利用が注目されている。現在、ガラス基板や石
英基板が多く使用されているが、割れやすく、重いとい
う欠点がある。また、大量生産を行う上で、ガラス基板
や石英基板は大型化が困難であり、不向きである。その
ため、可撓性を有する基板、代表的にはフレキシブルな
プラスチックフィルムの上にTFT素子を形成すること
が試みられている。
【0004】しかしながら、プラスチックフィルムの耐
熱性が低いためプロセスの最高温度を低くせざるを得
ず、結果的にガラス基板上に形成する時ほど良好な電気
特性のTFTを形成できないのが現状である。そのた
め、プラスチックフィルムを用いた高性能な発光素子は
実現されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、自発光型素子と
してOLEDを有したアクティブマトリクス型発光装置
(以下、単に発光装置と呼ぶ)の研究が活発化してい
る。発光装置は有機発光装置(OELD:Organic EL D
isplay)又は有機ライトエミッティングダイオード(O
LED:Organic Light Emitting Diode)とも呼ばれて
いる。
【0006】OLEDは自ら発光するため視認性が高
く、液晶表示装置(LCD)で必要なバックライトが要
らず薄型化に最適であると共に、視野角にも制限が無
い。そのため、OLEDを用いた発光装置は、CRTや
LCDに代わる表示装置として注目されている。
【0007】もし、プラスチックフィルム等の可撓性を
有する基板の上に有機発光素子(OLED:Organic Li
ght Emitting Device)が形成された発光装置を作製す
ることができれば、厚みが薄く軽量であるということに
加えて、曲面を有するディスプレイや、ショーウィンド
ウ等などにも用いることができる。よって、その用途は
携帯機器のみに限られず、応用範囲は非常に広い。
【0008】しかし、プラスチックからなる基板は、一
般的に水分や酸素を透過しやすく、有機発光層はこれら
のものによって劣化が促進されるので、特に発光装置の
寿命が短くなりやすい。そこで従来では、プラスチック
基板とOLEDの間に窒化珪素や窒化酸化珪素などから
なる絶縁膜を設け、水分や酸素の有機発光層への混入を
防いでいた。しかしながら、窒化珪素や窒化酸化珪素な
どからなる絶縁膜では水分や酸素の有機発光層への混入
を十分防止することは困難であった。
【0009】加えて、プラスチックフィルム等の基板は
一般的に熱に弱く、窒化珪素や窒化酸化珪素などの絶縁
膜の成膜温度を高くしすぎると、基板が変形しやすくな
る。また、成膜温度が低すぎると膜質の低下につなが
り、水分や酸素の透過を十分防ぐことが難しくなる。
【0010】また、プラスチックフィルム等の基板上に
設けた素子を駆動する際、局所的に発熱が生じて基板の
一部が変形、変質してしまうことも問題になっている。
【0011】さらに、水分や酸素の透過を防ぐために、
窒化珪素や窒化酸化珪素などの絶縁膜の膜厚を厚くする
と、応力が大きくなり、クラック(亀裂)が入りやすく
なる。また、膜厚を厚くすると、基板が曲げられたとき
に膜にクラックが入りやすくなる。また、基板を剥離す
る際、被剥離層が曲げられ、被剥離層にクラックが入る
こともある。
【0012】また、TFTは、水分や酸素に加え、アル
カリ金属(Li、Cs、Na等)やアルカリ土類金属
(Ca、Mg等)や他の金属元素の不純物が活性層に拡
散すると特性が変化しやすい。
【0013】また、最終製品とした後においても、他の
不純物、例えば人の汗や接続部品からの不純物が拡散
し、有機発光層やTFTの活性層に混入すると、変質や
劣化が促進される恐れがある。
【0014】本発明は上記問題に鑑み、水分や酸素やア
ルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物の拡散によ
る劣化を抑えることが可能な発光装置、具体的には、プ
ラスチック基板上に形成されたOLEDを有する発光装
置の提供を課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
基板上に、酸素や水分がOLEDの有機発光層に入り込
むのを防ぎ、且つアルカリ金属およびアルカリ土類金属
などの不純物がTFTの活性層に入り込むのを防ぐこと
の可能なAlXYで示される層またはAl23で示され
る層(これらの層を以下、バリア膜とも呼ぶ)を設け
る。好ましくは、複数のバリア膜で挟んで酸素や水分が
OLEDの有機発光層に入り込むのを防ぐ構成とする。
また、これらのバリア膜が少なくとも1層設けられた基
板を2枚用意し、それらで挟んでもよい。
【0016】本明細書で開示する発明の構成は、陰極
と、該陰極に接する有機化合物層と、該有機化合物層に
接する陽極とを有する発光素子を第1の基板と第2の基
板との間に挟んだ発光装置であって、前記第1の基板に
は、AlXYで示される層が設けられ、前記第2の基板
には、Al23で示される層が設けられていることを特
徴とする発光装置である。
【0017】なお、上記AlXYで示される層中の不純
物である酸素を、0〜10atm%未満とすることによっ
て、水分や酸素をブロッキングすることができる効果に
加え、熱伝導性が高く放熱効果を有するという特徴を有
している。加えて、アルカリ金属やアルカリ土類金属な
どの不純物がTFTの活性層に入り込むのを防ぐことが
できる。
【0018】また、上記Al23で示される層中の不純
物である窒素を、0〜2.5atm%未満とすることによ
って、透光性が非常に高いという特徴を有している。加
えて、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物が
TFTの活性層に入り込むのを防ぐことができる。
【0019】また、プラスチック基板上に、酸素や水分
がOLEDの有機発光層に入り込むのを防ぐバリア膜
と、前記バリア膜よりも応力の小さい有機樹脂からなる
層(応力緩和膜)との積層を設けてもよく、本発明の他
の構成は、陰極と、該陰極に接する有機化合物層と、該
有機化合物層に接する陽極とを有する発光素子を第1の
基板と第2の基板との間に挟んだ発光装置であって、前
記第1の基板には、AlXYで示される層と有機樹脂か
らなる層との積層が設けられ、前記第2の基板には、A
23で示される層が設けられていることを特徴とする
発光装置である。
【0020】具体的には、AlXYで示される層または
Al23で示される層からなるバリア膜を2層以上設け
て、さらに該2層のバリア膜の間に樹脂を含む応力緩和
膜(以下、応力緩和膜と呼ぶ)を設ける。そして、該3
層以上の絶縁膜上にOLEDを形成して密封することに
より、発光装置を形成する。
【0021】上記構成、即ち、バリア膜と応力緩和膜の
積層により、よりフレキシブルになり、曲げたときのク
ラックを防ぐことができる。
【0022】本発明では、AlXYで示される層または
Al23で示される層からなる複数のバリア膜を積層す
ることで、バリア膜にクラックが生じても、他のバリア
膜で水分や酸素などの不純物が有機発光層に入り込むの
を効果的に防ぐことができ、アルカリ金属などの不純物
がTFTの活性層に入り込むのを効果的に防ぐことがで
きる。
【0023】また、バリア膜に比べて応力が小さい応力
緩和膜を、応力緩和膜の間に挟むことで、全体の応力を
緩和することができる。よって、トータルのバリア膜の
厚さは同じであっても、1層のみのバリア膜に比べて、
応力緩和膜を間に挟んだバリア膜は、応力によるクラッ
クが入りにくい。
【0024】また、本発明において、バリア膜と応力緩
和膜の積層の組み合わせは、AlXYで示される層(第
1バリア膜)と、該層に接して有機樹脂からなる層と、
該層に接してAlXYで示される層(第2バリア膜)と
の積層でもよいし、有機樹脂からなる層(第1応力緩和
膜)と、該層に接してAlXYで示される層と、該層に
接して有機樹脂からなる層(第2応力緩和膜)との積層
でもよいし、AlXYで示される層(第1バリア膜)
と、該層に接して有機樹脂からなる層と、該層に接して
Al23で示される層(第2バリア膜)との積層でもよ
い。
【0025】また、熱伝導性が高く放熱効果を有するA
XYで示される層を前記発光素子との距離ができるだ
け近い構成とすることが好ましく、本発明の他の構成
は、陰極と、該陰極に接する有機化合物層と、該有機化
合物層に接する陽極とを有する発光素子を第1の基板と
第2の基板との間に挟んだ発光装置であって、前記第2
の基板には、前記発光素子との距離が近い順にAlXY
で示される層と、該層に接して有機樹脂からなる層と、
該層に接してAl23で示される層とが設けられている
ことを特徴とする発光装置である。
【0026】また、上記バリア膜は、AlXYで示され
る層とAl23で示される層との積層であってもよく、
その場合、透光性がAlXYで示される層よりも高いA
23で示される層の膜厚を厚くすることが好ましく、
本発明の他の構成は、陰極と、該陰極に接する有機化合
物層と、該有機化合物層に接する陽極とを有する発光素
子を第1の基板と第2の基板との間に挟んだ発光装置で
あって、前記第2の基板には、前記発光素子との距離が
近い順にAlXYで示される層と、該層に接し、且つ該
層よりも膜厚の厚いAl23で示される層との積層が設
けられていることを特徴とする発光装置である。このよ
うにバリア膜をAlXYで示される層と、該層に接する
Al23で示される層との積層とした場合、トータルの
膜厚を薄くすることができ、水分、酸素、アルカリ金属
やアルカリ土類金属などの不純物をブロッキングするこ
とができる効果に加え、熱伝導性が高く放熱効果を有
し、さらには透光性が非常に高いという特徴を有してい
る。
【0027】また、基板に設けるAlXYで示される層
として前記発光素子との距離が近い側に窒素を多く含ま
せ、遠ざかるにつれて窒素が少なくなるような濃度勾配
を持たせてもよい。このようにバリア膜をAlXYで示
される層に窒素の濃度勾配を持たせた場合、トータルの
膜厚を薄くすることができ、トータルの透光性を向上さ
せることができる。
【0028】また、本発明において、前記発光素子から
の発光をどちらか一方に通過させて出射させる場合に
は、透光性の高いAl23で示される層が設けられてい
る基板を通過させて使用者に認識させることが好まし
い。
【0029】また、2枚の基板で挟む際には接着層で基
板同士を接着することになるが、両基板にバリア膜を設
けても、接着層を通過して水分や酸素などの不純物が侵
入してくる恐れがある。そこで、上記発光素子を覆うパ
ッシベーション膜(保護膜とも呼ぶ)としてAlXY
示される層を用い、上記発光素子をバリア膜とパッシベ
ーション膜とで包む構造とすることが好ましい。加え
て、上記発光素子を覆って、AlXYで示される層から
なるパッシベーション膜を2層以上設けて、さらに該2
層のパッシベーション膜の間に樹脂を含む応力緩和膜
(以下、応力緩和膜と呼ぶ)を設けてもよい。パッシベ
ーション膜に比べて応力が小さい応力緩和膜を、応力緩
和膜の間に挟むことで、全体の応力を緩和することがで
きる。
【0030】また、上記各構成において、前記有機樹脂
からなる層は、AlXYで示される層よりも応力が小さ
い材料、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、
ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン、またはエポキ
シ樹脂から選ばれた単層、またはそれらの積層からなる
ことを特徴としている。また、上記各構成において、前
記有機樹脂からなる層は、前記基板を接着する接着層を
含むことを特徴としている。
【0031】また、上記各構成において、前記基板は、
可撓性を有するプラスチック基板であれば特に限定され
ないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレン
ナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、
ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、
ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PE
I)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、ポリイミドから選ばれた1種また
は複数種からなるプラスチック基板である。
【0032】また、本発明の他の構成は、発光装置と外
部との間にAlXYで示される層、Al23で示される
層、または有機樹脂からなる層を単層または多層有して
いることを特徴とする電子機器である。
【0033】また、上記各構成において、前記AlXY
で示される層は、周期律13族元素または周期律15族
元素の不純物を0.1atm%〜5atm%含むことを特徴と
している。
【0034】また、上記各構成において、前記AlXY
で示される層は、リン元素またはボロン元素を0.1at
m%〜5atm%含むことを特徴とする発光装置。
【0035】また、上記各構成における上記AlXY
示される層により、素子の発熱を拡散させて素子の劣化
を抑える効果とともに、プラスチック基板の変形や変質
を保護する効果を有する。
【0036】なお、本明細書では、OLEDの陽極と陰
極の間に形成された全ての層を有機発光層と定義する。
有機発光層には具体的に、発光層、正孔注入層、電子注
入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。基本的に
OLEDは、陽極/発光層/陰極が順に積層された構造
を有しており、この構造に加えて、陽極/正孔注入層/
発光層/陰極や、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送
層/陰極等の順に積層した構造を有していることもあ
る。
【0037】また、OLEDは、電場を加えることで発
生するルミネッセンス(Electroluminescence)が得ら
れる有機化合物(有機発光材料)を含む層(以下、有機
発光層と記す)と、陽極と、陰極とを有している。有機
化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態か
ら基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態か
ら基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発
明の発光装置は、上述した発光のうちの、いずれか一方
の発光を用いていても良いし、または両方の発光を用い
ていても良い。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、以下
に説明する。
【0039】図1(A)は、ELモジュールを示す上面
図、図1(B)は図1(A)をA−A’で切断した断面
図である。図1(B)において、表面にバリア膜として
機能するAlXYで示される層(AlXY膜とも呼ぶ)
10bと、応力緩和膜(有機樹脂)10cと、AlXY
膜10dとの積層が設けられた可撓性を有するフィルム
基板10a(例えば、プラスチック基板等)が接着層3
3で絶縁膜11と接着されている。なお、接着層33も
バリア膜よりも応力の小さい材料を用いて応力緩和膜と
して機能させてもよい。このように、複数のバリア膜1
0b、10dを積層することで、バリア膜にクラックが
生じても、他のバリア膜で水分や酸素などの不純物が有
機発光層に入り込むのを効果的に防ぐことができる。加
えて、複数のバリア膜の間に応力緩和膜を設けることに
よって、よりフレキシブルな発光装置になり、曲げたと
きのクラックを防ぐことができる。
【0040】また、膜厚100nmにおけるAlXY
の透過率を図12に示す。図12に示すように、AlX
Y膜は透光性が高く(可視光領域で透過率80%〜9
1.3%)、発光素子からの発光の妨げにならない。な
お、AlXY膜はAl23で示される層よりは透光性が
低い。従って、ここでは、Al23で示される層を発光
が通過するカバー材30aに設けている。
【0041】本発明において、AlXY膜は、スパッタ
法を用い、例えば、窒化アルミニウム(AlN)ターゲ
ットを用い、アルゴンガスと窒素ガスを混合した雰囲気
下にて成膜する。AlXY膜に含まれる不純物、特に酸
素は0〜10atm%未満であればよく、スパッタ条件
(基板温度、原料ガスおよびその流量、成膜圧力など)
を適宜調節することによって酸素濃度を調節することが
できる。なお、得られたAlXY膜のESCA(Electr
on Spectroscopy for Analysis)での分析による組成を
図13に示す。また、アルミニウム(Al)ターゲット
を用い、窒素ガスを含む雰囲気下にて成膜してもよい。
なお、スパッタ法に限定されず、蒸着法やその他の公知
技術を用いてもよい。
【0042】また、本発明において、バリア膜としてA
23で示される層を形成する場合、スパッタ法を用
い、例えば、酸化アルミニウム(Al23)ターゲット
を用い、アルゴン雰囲気下にて成膜する。非常に高い透
光性を得るためには、Al23に含まれる不純物、特に
窒素は、0〜2.5atm%未満であればよく、スパッタ
条件(基板温度、原料ガスおよびその流量、成膜圧力な
ど)を適宜調節することによって窒素濃度を調節するこ
とができる。また、アルミニウム(Al)ターゲットを
用い、酸素ガスを含む雰囲気下にて成膜してもよい。な
お、スパッタ法に限定されず、蒸着法やその他の公知技
術を用いてもよい。
【0043】また、AlXYで示される層またはAl2
3で示される層でプラスチック基板の片面または両面
のみを覆う構成としてもよい。
【0044】なお、ここでは耐熱性を有する基板上に絶
縁膜11、絶縁膜20を設け、その上に画素部22、ソ
ース側駆動回路14、及びゲート側駆動回路13を設け
た後、カバー材を接着して固定し、耐熱性を有する基板
を剥離した後、上記フィルム基板を貼りつけているが、
特に限定されず、画素部22、ソース側駆動回路14、
及びゲート側駆動回路13の形成温度に耐え得るフィル
ム基板であれば、フィルム基板上に画素部22、ソース
側駆動回路14、及びゲート側駆動回路13を形成すれ
ばよく、その場合、接着層を設ける必要はない。
【0045】耐熱性を有する基板(ガラス基板や石英基
板)を剥離する技術は特に限定されず、ここでは、膜の
内部応力を利用して剥離を行う剥離方法、具体的には、
耐熱性を有する基板上に熱処理によって膜剥がれ(ピー
リング)などのプロセス上の異常は生じない第1の材料
層と第2の材料層との積層を設け、該積層上に素子(T
FTや発光素子)を形成した後、物理的手段、代表的に
は機械的な力を加えること、例えば人間の手で引き剥が
すことで容易に第2の材料層の層内または界面におい
て、きれいに分離できる方法を用いる。第1の材料層と
第2の材料層との結合力は、熱エネルギーには耐え得る
強さを有している一方、剥離する直前において、引張応
力を有する第1の材料層と圧縮応力を有する第2の材料
層との間には応力歪みを有しているため、力学的エネル
ギーに弱く、剥離する。ここでは、第1の材料層として
タングステン膜を用い、第2の材料層としてスパッタ法
による酸化珪素膜を用いて剥離させたため、絶縁膜11
が第2の材料層に相当している。
【0046】また、耐熱性を有する基板を剥離する他の
技術として、分離層を介して存在する被剥離層を前記基
板から剥離する剥離方法(特開平10−125929号
公報、特開平10−125931号公報)を用いてもよ
い。上記公報に記載の技術は、非晶質シリコン(または
ポリシリコン)からなる分離層を設け、基板を通過させ
てレーザー光を照射して非晶質シリコンに含まれる水素
を放出させることにより、空隙を生じさせて基板を分離
させるというものである。
【0047】図1(B)において、絶縁膜20上には画
素部12、ゲート側駆動回路13が形成されており、画
素部12は電流制御用TFT21とそのドレインに電気
的に接続された画素電極(陰極)22を含む複数の画素
により形成される。電流制御用TFT21としてはpチ
ャネル型TFTを用いることも可能であるが、nチャネ
ル型TFTを用いることが好ましい。また、ゲート側駆
動回路13はnチャネル型TFT23とpチャネル型T
FT24とを組み合わせたCMOS回路を用いて形成さ
れる。各TFTの活性層としては、結晶構造を有する半
導体膜(ポリシリコン膜)や非晶質構造を有する半導体
膜(アモルファスシリコン膜など)を用いる。
【0048】また、画素電極22は発光素子(OLE
D)の陰極として機能する。また、画素電極22の両端
にはバンク25が形成され、画素電極22上には有機化
合物層26および発光素子の陽極27が形成される。
【0049】有機化合物層26としては、発光層、電荷
輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせて有機化合
物層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるた
めの層)を形成すれば良い。例えば、低分子系有機化合
物材料や高分子系有機化合物材料を用いればよい。ま
た、有機化合物層26として一重項励起により発光(蛍
光)する発光材料(シングレット化合物)からなる薄
膜、または三重項励起により発光(リン光)する発光材
料(トリプレット化合物)からなる薄膜を用いることが
できる。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素
等の無機材料を用いることも可能である。これらの有機
材料や無機材料は公知の材料を用いることができる。
【0050】陽極27は全画素に共通の配線としても機
能し、接続配線18を経由してFPC19に電気的に接
続されている。さらに、画素部12及びゲート側駆動回
路13に含まれる素子は全て陽極27、有機樹脂28、
及び保護膜29で覆われている。
【0051】また、図1(A)において、28は有機樹
脂、29は保護膜であり、画素部12および駆動回路1
3、14は有機樹脂28で覆われ、その有機樹脂は保護
膜(AlXY膜)29で覆われている。なお、有機樹脂
28としては、できるだけ可視光に対して透明もしくは
半透明な材料を用いるのが好ましい。また、有機樹脂2
8はできるだけ水分や酸素などの不純物を透過しない材
料であることが望ましい。
【0052】さらに、画素部12および駆動回路13、
14は、接着剤を用いてカバー材30aで封止されてい
る。カバー材30aは、支持体として剥離前に接着され
る。なお、支持体となるカバー材30aを接着した後、
剥離する際には配線引き出し端子の部分(接続部分)が
絶縁膜20、11のみとなり機械強度が弱くなるため、
剥離前にFPC19を貼りつけ、さらに有機樹脂32で
固定している。
【0053】ここで、熱や外力などによる変形に耐える
ためカバー材30aはフィルム基板10aと同じ材質の
もの、例えばプラスチック基板を用いることが望まし
い。なお、水分や酸素などの不純物の侵入を防ぐため、
カバー材30aには予めバリア膜30bを形成する。こ
こではカバー材中を通して発光を通過させるため、単層
のバリア層(Al23膜30b)としたが、フィルム基
板10aと同様に、複数のバリア膜と、該バリア膜どう
しの間に前記バリア膜よりも応力の小さい層(応力緩和
膜)を設けてもよい。その場合、バリア膜及び応力緩和
膜としては透光性の高いものを用いる。
【0054】なお、18はソース側駆動回路14及びゲ
ート側駆動回路13に入力される信号を伝送するための
配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブル
プリントサーキット)19からビデオ信号やクロック信
号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されてい
ないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が
取り付けられていても良い。本明細書におけるELモジ
ュールには、発光素子が設けられた基板本体だけでな
く、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態
をも含むものとする。
【0055】以上のような構造で発光素子をAlXY
示されるバリア膜10b、10d及びAlXYで示され
る保護膜29、Al23膜30bで封入することによ
り、発光素子を外気から完全に遮断することができ、装
置外から水分や酸素等による有機化合物層の酸化が主原
因である劣化を促す物質が侵入することを防ぐことがで
きる。加えて、発光素子との距離が近い箇所に設けられ
たAlXY膜により発熱を発散することができる。従っ
て、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
【0056】加えて、複数のバリア膜の間に応力緩和膜
を設けることによって、外力が与えられても破壊するこ
となく、フレキシブルな発光装置になる。
【0057】また、図2には、外力が与えられたフレキ
シブルな発光装置45の外観図を示した。図2中、40
は画素部、41はFPC、42a、42bは集積回路、
43a、43bはゲート側駆動回路、44はソース側駆
動回路、45a、45bはフィルム基板である。フィル
ム基板45a及びフィルム基板45bには、AlXY
示される層(またはAl23で示される層)と有機樹脂
からなる層との積層が片面または両面に設けられてお
り、外からの水分、酸素、アルカリ金属などの不純物が
侵入してくるのを防ぎ、OLED及びTFTを保護して
いる。
【0058】また、AlXYで示される層(或いはAl
23で示される層)と有機樹脂からなる層との積層を基
板の外側表面に設けた場合、発光装置と外部との間にA
XYで示される層(或いはAl23で示される層)ま
たは有機樹脂からなる層を単層または多層有している構
成となり、外部からの不純物拡散を防止することができ
る。本明細書中、外部とは、ELモジュールに外部接続
される素子やICチップ、ELモジュールに接触するパ
ッケージやその他の部材を含めた総称を指すこととす
る。
【0059】なお、フィルム基板45a上に画素部40
や駆動回路や発光素子が設けられており、フィルム基板
45bとでこれらの素子を挟みこんでいる。これらの画
素部や駆動回路と同一基板上に複雑な集積回路(メモ
リ、CPU、コントローラ、D/Aコンバータ等)42
a、42bを形成しても可能であるが、少ないマスク数
での作製は困難である。従って、メモリ、CPU、コン
トローラ、D/Aコンバータ等を備えたICチップを、
COG(chip on glass)方式やTAB(tape automate
d bonding)方式やワイヤボンディング方法で実装する
ことが好ましい。フィルム基板45aとフィルム基板4
5bとを接着した後、ICチップを装着してもよいし、
フィルム基板45aにICチップを装着した後でフィル
ム基板45bで封止してもよい。
【0060】なお、ここではFPCしか図示されていな
いが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取
り付けられていても良い。
【0061】また、画素電極を陽極とし、有機化合物層
と陰極を積層して図1とは逆方向に発光する構成として
もよい。その場合には電流制御用TFTとしてpチャネ
ル型TFTを用いることが好ましい。
【0062】以上の構成でなる本発明について、以下に
示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととす
る。
【0063】(実施例) [実施例1]本発明の実施例を図3及び図4を用いて説
明する。ここでは、まず、同一基板上にnチャネル型T
FTとpチャネル型TFTとを相補的に組み合わせたC
MOS回路を同時に作製する方法について詳細に説明す
る。
【0064】まず、基板100上に第1の材料層10
1、第2の材料層102、下地絶縁膜103を形成し、
結晶構造を有する半導体膜を得た後、所望の形状にエッ
チング処理して島状に分離された半導体層104、10
5を形成する。
【0065】基板100としては、ガラス基板(#17
37)を用いる。
【0066】また、第1の材料層101としては、成膜
後或いは剥離直前において、1〜1×1010(Dyne/c
m2)の範囲で引張応力を有することを特徴としている。
前記第1の材料層としては、上記範囲の引張応力を有す
る材料であれば、特に限定されず、金属材料(Ti、A
l、Ta、W、Mo、Cu、Cr、Nd、Fe、Ni、
Co、Zr、Zn、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、P
tなど)、半導体材料(例えばSi、Geなど)、絶縁
体材料、有機材料のいずれか一層、またはこれらの積層
を用いることができる。なかでも、タングステン膜、窒
化タングステン膜、窒化チタン膜が好ましい。なお、1
〜1×1010(Dyne/cm2)よりも大きな引張応力を有す
る膜は、熱処理を加えた場合、ピーリングを起しやす
い。ここではスパッタ法で膜厚100nmの窒化チタン
膜を用いる。なお、基板100と密着性が悪い場合には
バッファ層を設ければよい。
【0067】また、第2の材料層102としては、−1
〜−1×1010(Dyne/cm2)の範囲で圧縮応力を有する
ことを特徴としている。前記第2の材料層としては、上
記範囲の圧縮応力を有する材料であれば、特に限定され
ず、金属材料(Ti、Al、Ta、W、Mo、Cu、C
r、Nd、Fe、Ni、Co、Zr、Zn、Ru、R
h、Pd、Os、Ir、Ptなど)、半導体材料(例え
ばSi、Geなど)、絶縁体材料、有機材料のいずれか
一層、またはこれらの積層を用いることができる。な
お、−1×1010(Dyne/cm2)よりも大きな圧縮応力を
有する膜は、熱処理を加えた場合、ピーリングを起しや
すい。中でも、酸化シリコン材料または酸化金属材料か
らなる単層、またはこれらの積層が好ましい。ここでは
スパッタ法で膜厚200nmの酸化シリコン膜を用い
る。この第1の材料層101と第2の材料層102の結
合力は熱処理には強く、膜剥がれ(ピーリングとも呼ば
れる)などが生じないが、物理的手段で簡単に第2の材
料層の層内、あるいは界面において剥離することができ
る。
【0068】また、下地絶縁膜103としては、プラズ
マCVD法で成膜温度400℃、原料ガスSiH4、N
3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜(組成比
Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)
を50nm(好ましくは10〜200nm)形成する。次い
で、表面をオゾン水で洗浄した後、表面の酸化膜を希フ
ッ酸(1/100希釈)で除去する。次いでプラズマC
VD法で成膜温度400℃、原料ガスSiH4、N2Oか
ら作製される酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32
%、O=59%、N=7%、H=2%)を100nm
(好ましくは50〜200nm)の厚さに積層形成し、さ
らに大気解放せずにプラズマCVD法で成膜温度300
℃、成膜ガスSiH4で非晶質構造を有する半導体膜
(ここではアモルファスシリコン膜)を54nmの厚さ
(好ましくは25〜80nm)で形成する。
【0069】本実施例では下地膜103を2層構造とし
て示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層さ
せた構造として形成しても良い。また、半導体膜の材料
に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲ
ルマニウム(SiXGe1-X(X=0.0001〜0.0
2))合金などを用い、公知の手段(スパッタ法、LP
CVD法、またはプラズマCVD法等)により形成すれ
ばよい。また、プラズマCVD装置は、枚葉式の装置で
もよいし、バッチ式の装置でもよい。また、同一の成膜
室で大気に触れることなく下地絶縁膜と半導体膜とを連
続成膜してもよい。
【0070】次いで、非晶質構造を有する半導体膜の表
面を洗浄した後、オゾン水で表面に約2nmの極薄い酸
化膜を形成する。
【0071】次いで、重量換算で10ppmのニッケルを
含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布する。塗布に
代えてスパッタ法でニッケル元素を全面に散布する方法
を用いてもよい。
【0072】次いで、加熱処理を行い結晶化させて結晶
構造を有する半導体膜を形成する。この加熱処理は、電
気炉の熱処理または強光の照射を用いればよい。電気炉
の熱処理で行う場合は、500℃〜650℃で4〜24
時間で行えばよい。ここでは脱水素化のための熱処理
(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(5
50℃、4時間)を行って結晶構造を有するシリコン膜
を得る。なお、ここでは炉を用いた熱処理を用いて結晶
化を行ったが、ランプアニール装置で結晶化を行っても
よい。なお、ここではシリコンの結晶化を助長する金属
元素としてニッケルを用いた結晶化技術を用いたが、他
の公知の結晶化技術、例えば固相成長法やレーザー結晶
化法を用いてもよい。
【0073】次いで、結晶構造を有するシリコン膜表面
の酸化膜を希フッ酸等で除去した後、結晶化率を高め、
結晶粒内に残される欠陥を補修するための第1のレーザ
ー光(XeCl:波長308nm)の照射を大気中、ま
たは酸素雰囲気中で行う。レーザー光には波長400nm
以下のエキシマレーザ光や、YAGレーザやYVO4
ーザの第2高調波、第3高調波を用いる。第1のレーザ
ー光は、パルス発振であってもよいし、連続発振でもよ
い。パルス発振の場合、繰り返し周波数10〜1000
Hz程度のパルスレーザー光を用い、当該レーザー光を光
学系にて100〜500mJ/cm2に集光し、90〜95%
のオーバーラップ率をもって照射し、シリコン膜表面を
走査させればよい。ここでは、繰り返し周波数30H
z、エネルギー密度393mJ/cm2で第1のレーザー光の
照射を大気中で行なう。なお、大気中、または酸素雰囲
気中で行うため、第1のレーザー光の照射により表面に
酸化膜が形成される。
【0074】次いで、第1のレーザー光の照射により形
成された酸化膜を希フッ酸で除去した後、第2のレーザ
ー光の照射を窒素雰囲気、或いは真空中で行い、半導体
膜表面を平坦化する。このレーザー光(第2のレーザー
光)には波長400nm以下のエキシマレーザー光や、Y
AGレーザーの第2高調波、第3高調波を用いる。第2
のレーザー光のエネルギー密度は、第1のレーザー光の
エネルギー密度より大きくし、好ましくは30〜60m
J/cm2大きくする。ここでは、繰り返し周波数30
Hz、エネルギー密度453mJ/cm2で第2のレーザー光
の照射を行ない、半導体膜表面における凹凸のP―V値
(Peak to Valley、高さの最大値と最小値の差分)が5
0nm以下となる。このP−V値は、AFM(原子間力
顕微鏡)により得られる。
【0075】また、本実施例では第2のレーザー光の照
射を全面に行ったが、オフ電流の低減は、画素部のTF
Tに特に効果があるため、少なくとも画素部のみに選択
的に照射する工程としてもよい。
【0076】次いで、オゾン水で表面を120秒処理し
て合計1〜5nmの酸化膜からなるバリア層を形成す
る。
【0077】次いで、バリア層上にスパッタ法にてゲッ
タリングサイトとなるアルゴン元素を含む非晶質シリコ
ン膜を膜厚150nmで形成する。本実施例のスパッタ
法による成膜条件は、成膜圧力を0.3Paとし、ガス
(Ar)流量を50(sccm)とし、成膜パワーを3kW
とし、基板温度を150℃とする。なお、上記条件での
非晶質シリコン膜に含まれるアルゴン元素の原子濃度
は、3×1020/cm3〜6×1020/cm3、酸素の原
子濃度は1×1019/cm3〜3×1019/cm 3であ
る。その後、ランプアニール装置を用いて650℃、3
分の熱処理を行いゲッタリングする。
【0078】次いで、バリア層をエッチングストッパー
として、ゲッタリングサイトであるアルゴン元素を含む
非晶質シリコン膜を選択的に除去した後、バリア層を希
フッ酸で選択的に除去する。なお、ゲッタリングの際、
ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があ
るため、酸化膜からなるバリア層をゲッタリング後に除
去することが望ましい。ここではゲッタリングを行った
例を示したが、特に限定されず、他のゲッタリング方法
でもよい。
【0079】次いで、得られた結晶構造を有するシリコ
ン膜(ポリシリコン膜とも呼ばれる)の表面にオゾン水
で薄い酸化膜を形成した後、レジストからなるマスクを
形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離さ
れた半導体層104、105を形成する。半導体層を形
成した後、レジストからなるマスクを除去する。
【0080】次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化
膜を除去すると同時にシリコン膜の表面を洗浄した後、
ゲート絶縁膜106となる珪素を主成分とする絶縁膜を
形成する。本実施例では、プラズマCVD法により11
5nmの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32
%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。
【0081】次いで、図3(B)に示すように、ゲート
絶縁膜106上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜
107と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜10
8とを積層形成する。本実施例では、ゲート絶縁膜10
6上に膜厚50nmの窒化タンタル膜、膜厚370nm
のタングステン膜を順次積層する。
【0082】第1の導電膜及び第2の導電膜を形成する
導電性材料としてはTa、W、Ti、Mo、Al、Cu
から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金
材料もしくは化合物材料で形成する。また、第1の導電
膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピ
ングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、、
AgPdCu合金を用いてもよい。また、2層構造に限
定されず、例えば、膜厚50nmのタングステン膜、膜
厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−
Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した
3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、第
1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを
用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコ
ンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタ
ンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導
電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。
また、単層構造であってもよい。
【0083】次に、図3(C)に示すように光露光工程
によりレジストからなるマスク109を形成し、ゲート
電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を
行う。エッチングにはICP(Inductively Coupled Pl
asma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いると良
い。ICPエッチング法を用い、エッチング条件(コイ
ル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加さ
れる電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節すること
によって所望のテーパー形状に膜をエッチングすること
ができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl2
BCl3、SiCl4、CCl4などを代表とする塩素系
ガスまたはCF4、SF6、NF3などを代表とするフッ
素系ガス、またはO2を適宜用いることができる。
【0084】第1のエッチング処理では、レジストによ
るマスクの形状と、基板側に印加するバイアス電圧の効
果により端部をテーパー形状とすることができる。テー
パー部の角度は15〜45°となるようにする。また、
ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするた
めには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増
加させると良い。W膜に対する酸化窒化シリコン膜の選
択比は2〜4(代表的には3)であるので、オーバーエ
ッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面
は20〜50nm程度エッチングされる。こうして、第
1のエッチング処理により第1導電膜と第2導電膜から
成る第1形状の導電層110、111(第1の導電層1
10a、111aと第2導電層110b、111b)を
形成する。112はゲート絶縁膜であり、第1の形状の
導電層で覆われない領域は20〜50nm程度エッチン
グされ薄くなる。
【0085】そして、第1のドーピング処理を行いn型
の不純物(ドナー)をドーピングする。(図3(D))
その方法はイオンドープ法若しくはイオン注入法で行
う。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5
×1014/cm2として行う。n型を付与する不純物元
素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)ま
たは砒素(As)を用いる。この場合、第1形状の導電
層110、111はドーピングする元素に対してマスク
となり、加速電圧を適宣調節(例えば、20〜60ke
V)して、ゲート絶縁膜112を通過した不純物元素に
より不純物領域(n+領域)113、114を形成す
る。例えば、不純物領域(n+領域)におけるリン
(P)濃度は1×1020〜1×1021/cm3の範囲と
なるようにする。
【0086】次いで、図4(A)に示すように第2のド
ーピング処理を行う。第1のドーピング処理よりもドー
ズ量を下げ高加速電圧の条件でn型の不純物(ドナー)
をドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120k
eVとし、1×1013/cm2のドーズ量で行い、図3
(D)で半導体層に形成された第1の不純物領域の内側
に不純物領域を形成する。ドーピングは、第2の導電膜
110b、111bを不純物元素に対するマスクとして
用い、第1の導電膜110a、111aの下側の領域に
不純物元素が添加されるようにドーピングする。こうし
て、第1の導電膜110a、111aと重なる不純物領
域(n−領域)115、116が形成される。この不純
物領域は、第2の導電層110a、111aがほぼ同じ
膜厚で残存していることから、第2の導電層に沿った方
向における濃度差は小さく、1×1017〜1×1019
cm3の濃度で形成する。
【0087】次いで、図4(B)に示すように第2のエ
ッチング処理を行う。エッチングはICPエッチング法
を用い、エッチングガスにCF4とCl2とO2を混合し
て、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF電
力(13.56MHz)を供給してプラズマを生成する。
基板側(試料ステージ)には50WのRF(13.56
MHz)電力を投入し、第1のエッチング処理に比べ低
い自己バイアス電圧を印加する。このような条件により
タングステン膜を異方性エッチングし、第1の導電層で
ある窒化タンタル膜またはチタン膜を残存させるように
する。こうして、第2形状の導電層117、118(第
1の導電膜117a、118aと第2の導電膜117
b、118b)を形成する。119はゲート絶縁膜であ
り、第2の形状の導電層117、118で覆われない領
域はさらに20〜50nm程度エッチングされて膜厚が
薄くなる。
【0088】そして、図4(C)に示すように、レジス
トによるマスク120を形成し、pチャネル型TFTを
形成する半導体層にp型の不純物(アクセプタ)をドー
ピングする。典型的にはボロン(B)を用いる。不純物
領域(p+領域)121、122の不純物濃度は2×1
20〜2×1021/cm3となるようにし、含有するリ
ン濃度の1.5〜3倍のボロンを添加して導電型を反転
させる。
【0089】以上までの工程でそれぞれの半導体層に不
純物領域が形成される。第2形状の導電層117、11
8はゲート電極となる。その後、図4(D)に示すよう
に、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜から成る
保護絶縁膜123をプラズマCVD法で形成する。そし
て導電型の制御を目的としてそれぞれの半導体層に添加
された不純物元素を活性化する工程を行う。
【0090】さらに、窒化シリコン膜124を形成し、
水素化処理を行う。その結果、窒化シリコン膜124中
の水素が半導体層中に拡散させることで水素化を達成す
ることができる。
【0091】次いで、層間絶縁膜125を形成する。層
間絶縁膜125は、ポリイミド、アクリルなどの有機絶
縁物材料で形成する。勿論、プラズマCVD法でTEO
S(Tetraethyl Ortho silicate)を用いて形成される
酸化シリコン膜を適用しても良いが、平坦性を高める観
点からは前記有機物材料を用いることが望ましい。
【0092】次いで、コンタクトホールを形成し、アル
ミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)
などを用いて、ソース配線またはドレイン配線126〜
128を形成する。
【0093】以上の工程で、nチャネル型TFTとpチ
ャネル型TFTとを相補的に組み合わせたCMOS回路
を得ることができる。
【0094】pチャネル型TFTにはチャネル形成領域
130、ソース領域またはドレイン領域として機能する
不純物領域121、122を有している。
【0095】nチャネル型TFTにはチャネル形成領域
131、第2形状の導電層から成るゲート電極118と
重なる不純物領域116a(Gate Overlapped Drain:
GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される不純物
領域116b(LDD領域)とソース領域またはドレイ
ン領域として機能する不純物領域119を有している。
【0096】このようなCMOS回路は、アクティブマ
トリクス型の発光装置やアクティブマトリクス型の液晶
表示装置における駆動回路の一部を形成することを可能
とする。それ以外にも、このようなnチャネル型TFT
またはpチャネル型TFTは、画素部のトランジスタに
応用することができる。
【0097】このようなCMOS回路を組み合わせるこ
とで基本論理回路を構成したり、さらに複雑なロジック
回路(信号分割回路、D/Aコンバータ、オペアンプ、
γ補正回路など)をも構成することができ、さらにはメ
モリやマイクロプロセッサをも形成することが可能であ
る。
【0098】[実施例2]ここでは、上記実施例1で得
られるTFTを用いてOLEDを有する発光装置を作製
した例について図5を用い、以下に説明する。
【0099】同一の絶縁体上に画素部とそれを駆動する
駆動回路を有した発光装置の例(但し封止前の状態)を
図5に示す。なお、駆動回路には基本単位となるCMO
S回路を示し、画素部には一つの画素を示す。このCM
OS回路は実施例1に従えば得ることができる。
【0100】図5において、200は基板、201は第
1の材料層、202は第2の材料層であり、その素子形
成基板上に設けられた下地絶縁層203上にはnチャネ
ル型TFTとpチャネル型TFTからなる駆動回路20
4、pチャネル型TFTからなるスイッチングTFTお
よびnチャネル型TFTからなる電流制御TFTとが形
成されている。また、本実施例では、TFTはすべてト
ップゲート型TFTで形成されている。
【0101】nチャネル型TFTおよびpチャネル型T
FTの説明は実施例1を参照すれば良いので省略する。
また、スイッチングTFTはソース領域およびドレイン
領域の間に二つのチャネル形成領域を有した構造(ダブ
ルゲート構造)となっているpチャネル型TFTであ
る。なお、本実施例はダブルゲート構造に限定されるこ
となく、チャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲ
ート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造で
あっても良い。
【0102】また、電流制御TFTのドレイン領域20
6の上には第2層間絶縁膜208が設けられる前に、第
1層間絶縁膜207にコンタクトホールが設けられてい
る。これは第2層間絶縁膜208にコンタクトホールを
形成する際に、エッチング工程を簡単にするためであ
る。第2層間絶縁膜208にはドレイン領域206に到
達するようにコンタクトホールが形成され、ドレイン領
域206に接続された画素電極209が設けられてい
る。画素電極209はOLEDの陰極として機能する電
極であり、周期表の1族もしくは2族に属する元素を含
む導電膜を用いて形成されている。本実施例では、リチ
ウムとアルミニウムとの化合物からなる導電膜を用い
る。
【0103】次に、213は画素電極209の端部を覆
うように設けられた絶縁膜であり、本明細書中ではバン
クと呼ぶ。バンク213は珪素を含む絶縁膜もしくは樹
脂膜で形成すれば良い。樹脂膜を用いる場合、樹脂膜の
比抵抗が1×106〜1×1012Ωm(好ましくは1×
108〜1×1010Ωm)となるようにカーボン粒子も
しくは金属粒子を添加すると、成膜時の絶縁破壊を抑え
ることができる。
【0104】また、OLED210は画素電極(陰極)
209、有機化合物層211および陽極212からな
る。陽極212は、仕事関数の大きい導電膜、代表的に
は酸化物導電膜が用いられる。酸化物導電膜としては、
酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛もしくはそれらの
化合物を用いれば良い。
【0105】なお、本明細書中では発光層に対して正孔
注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注
入層もしくは電子阻止層を組み合わせた積層した層の総
称を有機化合物層と定義する。但し、有機化合物層には
有機化合物膜を単層で用いた場合も含むものとする。
【0106】また、発光層としては、有機化合物材料で
あれば特に限定されないが、高分子材料や低分子材料を
用いてもよく、例えばニ重項励起により発光する発光材
料からなる薄膜、あるいは三重項励起により発光する発
光材料からなる薄膜を用いることができる。
【0107】なお、ここでは図示しないが陽極212を
形成した後、OLED210を完全に覆うようにしてパ
ッシベーション膜を設けることは有効である。パッシベ
ーション膜としては、熱伝導性を有する膜、例えば、A
XYで示される層が適している。また、他のパッシベ
ーション膜としては、さらにDLC膜、窒化珪素膜もし
くは窒化酸化珪素膜を含む絶縁膜を積層してもよく、こ
れらを組み合わせた積層を用いてもよい。
【0108】次いで、OLED210を保護するため、
実施の形態に示したように支持体となるカバー材を貼り
つけて封止(または封入)工程まで行った後、第1の材
料層201が設けられた基板200を引き剥がす。そし
て第2の材料層にフィルム基板を接着層で貼り合わせ
る。貼り合わせるフィルム基板上には複数のバリア膜
と、前記バリア膜どうしの間に前記バリア膜よりも応力
の小さい層(応力緩和膜)とが設けられており、貼り合
わせた後の状態が、実施の形態1に示した図1(A)、
図1(B)である。第2の材料層202が絶縁膜11に
対応している。
【0109】[実施例3]ここでは、実施例2に示した
工程とは異なる例を示し、具体的には剥離工程及び貼り
合わせ工程についてさらに詳細な説明を図6、図7を用
いて説明する。
【0110】図6(A)中、300は基板、301は窒
化物層、302は酸化物層、303は下地絶縁層、30
4a〜304cは素子、305はOLED、306は層
間絶縁膜である。
【0111】図6(A)において、基板300はガラス
基板、石英基板、セラミック基板などを用いることがで
きる。また、シリコン基板、金属基板またはステンレス
基板を用いても良い。
【0112】まず、図6(A)に示すように、実施の形
態に従って、基板300上に第1の材料層301と第2
の材料層302とを形成する。この第1の材料層301
の膜応力と、第2の材料層302の膜応力とを異ならせ
ることが重要である。各々の膜厚は、1nm〜1000
nmの範囲で適宜設定し、各々の膜応力を調節すればよ
い。
【0113】次いで、第2の材料層302上に被剥離層
を形成する。被剥離層は、TFTを代表とする様々な素
子(薄膜ダイオード、シリコンのPIN接合からなる光
電変換素子やシリコン抵抗素子)を含む層とすればよ
い。また、基板300の耐え得る範囲の熱処理を行うこ
とができる。なお、本発明において、第2の材料層30
2の膜応力と、第1の材料層301の膜応力が異なって
いても、被剥離層の作製工程における熱処理によって膜
剥がれなどが生じない。ここでは、被剥離層として、下
地絶縁層303上に、駆動回路23の素子304a、3
04b、および画素部304の素子304cを形成し、
画素部304の素子304cと電気的に接続するOLE
D15を形成し、OLEDを覆うように膜厚10nm〜
1000nmである層間絶縁膜(透光性を有する有機樹
脂)306を形成する。(図1(A))
【0114】また、第1の材料層301や第2の材料層
302によって表面に凹凸が形成された場合、下地絶縁
層を形成する前後に表面を平坦化してもよい。平坦化を
行った方が、被剥離層においてカバレッジが良好とな
り、素子を含む被剥離層を形成する場合、素子特性が安
定しやすいため好ましい。なお、この平坦化処理とし
て、塗布膜(レジスト膜等)を形成した後エッチングな
どを行って平坦化するエッチバック法や機械的化学的研
磨法(CMP法)等を用いればよい。
【0115】次いで、層間絶縁膜306上に膜厚10n
m〜1000nmであるAlXYで示されるアルミニウ
ムを含む窒化膜307を形成する。(図6(B))な
お、発光素子からの光を通過させる場合には、透光性を
重視して膜厚を200nm以下とすることが望ましい。
このAlXY膜307は保護膜として機能する。ここで
は、窒化アルミニウム(AlN)ターゲットを用い、ア
ルゴンガス(20sccm)と窒素ガス(20scc
m)とを混合した雰囲気下にて成膜する。また、アルミ
ニウム(Al)ターゲットを用い、窒素ガスを含む雰囲
気下にて成膜してもよい。また、AlXY膜307は、
装置外から水分や酸素などの不純物といったOLED1
5の劣化を促す物質が侵入することを防ぐ効果も有して
いる。
【0116】次いで、FPC310やICチップ(図示
しない)をCOG(chip on glass)方式やTAB(tap
e automated bonding)方式やワイヤボンディング方法
で貼り付ける。また、各TFT素子の各配線と入出力端
子311は、配線(接続配線)で繋がれており、入出力
端子311にはFPC310を異方性導電材で接着す
る。異方性導電材は樹脂と表面にAuなどがメッキされ
た数十〜数百μm径の導電性粒子から成り、導電性粒子
により入出力端子とFPCに形成された配線とが電気的
に接続される。メモリ、CPU、コントローラ、D/A
コンバータ等を備えたICチップも同様に異方性導電材
で基板に接着し、樹脂中に混入された導電性粒子によ
り、ICチップに設けられた入出力端子と引出線または
接続配線及び入出力端子と電気的に接続する。
【0117】次いで、基板300を物理的手段により引
き剥がすために被剥離層を固定する支持体(プラスチッ
ク基板からなるカバー材)309をエポキシ樹脂などの
接着層308で貼りつける。(図6(C))ここでは、
被剥離層の機械的強度が不十分であると仮定した例を示
しているが、被剥離層の機械的強度が十分である場合に
は、被剥離層を固定する支持体なしで剥離することもで
きる。FPC310やICチップを覆って支持体309
を貼り付けるため、支持体309の接着により、入出力
端子311とFPCとの接続をさらに固定することがで
きる。また、ここではFPCやICチップを接着した後
に支持体を接着した例を示したが、支持体を接着した
後、FPCやICチップを装着してもよい。
【0118】次いで、第1の材料層301が設けられて
いる基板300を物理的手段により引き剥がす。第2の
材料層302の膜応力と、第1の材料層301の膜応力
が異なっているため、比較的小さな力で引き剥がすこと
ができる。第1の材料層301と第2の材料層302と
の結合力は、熱エネルギーには耐え得る強さを有してい
る一方、互いの膜応力は異なり、第1の材料層301と
第2の材料層302との間には応力歪みを有しているた
め、力学的エネルギーに弱く、剥離するには最適であ
る。こうして、第2の材料層302上に形成された被剥
離層を基板300から分離することができる。剥離後の
状態を図7(A)に示す。なお、この剥離方法は、小さ
な面積を有する被剥離層の剥離だけでなく、大きな面積
を有する被剥離層を全面に渡って歩留まりよく剥離する
ことが可能である。
【0119】次いで、第2の材料層302をエポキシ樹
脂などの接着層308により転写体312aに貼り付け
る。実施の形態では、カバー材と保護膜との間に空隙を
有する例を示したが、本実施例では保護膜307に接着
層を接着した例を示す。
【0120】また、ここでは、転写体312aをプラス
チックフィルム基板とすることで、軽量化を図ってい
る。また、転写体312a上にバリア膜として機能する
AlXYで示される層(AlXY膜とも呼ぶ)312b
と、応力緩和膜(有機樹脂)312cと、AlXY膜3
12dとの積層を設けて、バリア膜で水分や酸素などの
不純物が有機発光層に入り込むのを効果的に防ぐととも
に、複数のバリア膜の間に応力緩和膜を設けることによ
って、よりフレキシブルな発光装置になり、曲げたとき
のクラックを防ぐことができる。
【0121】このようにしてフレキシブルなプラスチッ
ク基板上に形成されたOLEDを有する発光装置が完成
する。
【0122】なお、本明細書中において、転写体とは、
剥離された後、被剥離層と接着させるものであり、特に
限定されず、プラスチック、ガラス、金属、セラミック
ス等、いかなる組成の基材でもよい。また、本明細書中
において、支持体とは、物理的手段により剥離する際に
被剥離層と接着するためのものであり、特に限定され
ず、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス等、い
かなる組成の基材でもよい。また、転写体の形状および
支持体の形状も特に限定されず、平面を有するもの、曲
面を有するもの、可曲性を有するもの、フィルム状のも
のであってもよい。また、軽量化を最優先するのであれ
ば、フィルム状のプラスチック基板、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン
(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポ
リカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエー
テルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポ
リエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PA
R)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのプ
ラスチック基板が好ましい。
【0123】[実施例4]本実施例では、画素電極を陽
極とし、有機化合物層と陰極を積層して実施の形態(図
1)とは逆方向に発光する構成の一例を図8に示す。な
お、上面図は図1と同一であるので省略する。
【0124】図8に示した断面構造について以下に説明
する。AlXY膜1000bと応力緩和膜1000c
と、Al23膜1000dとの積層が設けられたフィル
ム基板1000aが絶縁膜1001と接着層1023で
貼り合わせられている。
【0125】本実施例では、発光素子に距離が近い側に
AlXY膜1000bを設け、発光素子の発熱を発散す
るとともに、発光素子からの光を効率よく通過させるた
め、バリア膜としてAlXY膜よりも透光性の高いAl
23膜1000dを用いる。このようにバリア膜をAl
XYで示される層と、応力緩和膜1000cと、Al 2
3で示される層との積層とした場合、フレキシブルな
発光装置とすることができ、水分、酸素、アルカリ金属
やアルカリ土類金属などの不純物をブロッキングするこ
とができる効果に加え、熱伝導性が高く放熱効果を有
し、さらには透光性が非常に高いという特徴を有してい
る。
【0126】絶縁膜1001上には絶縁膜1010が設
けられ、絶縁膜1010の上方には画素部1002、ゲ
ート側駆動回路1003が形成されており、画素部10
02は電流制御用TFT1011とそのドレインに電気
的に接続された画素電極1012を含む複数の画素によ
り形成される。電流制御用TFT1011は、nチャネ
ル型TFTを用いることも可能であるが、pチャネル型
TFTを用いることが好ましい。また、ゲート側駆動回
路1003はnチャネル型TFT1013とpチャネル
型TFT1014とを組み合わせたCMOS回路を用い
て形成される。
【0127】これらのTFT(1011、1013、1
014を含む)は、上記実施例1のnチャネル型TFT
201、上記実施例1のpチャネル型TFT202に従
って作製すればよい。
【0128】画素電極1012は発光素子(OLED)
の陽極として機能する。また、画素電極1012の両端
にはバンク1015が形成され、画素電極1012上に
は有機化合物層1016および発光素子の陰極1017
が形成される。
【0129】陰極1017は全画素に共通の配線として
も機能し、接続配線1008を経由してFPC1009
に電気的に接続されている。さらに、画素部1002及
びゲート側駆動回路1003に含まれる素子は全て陰極
1017、有機樹脂1018、及び保護膜1019で覆
われている。保護膜1019として、1000bと同じ
AlXY膜を用いてもよい。また、カバー材1020と
接着層で貼り合わせている。また、カバー材には凹部を
設け、乾燥剤1021を設置する。
【0130】また、カバー材1020を図8に示す凹部
形状とした場合、支持体となるカバー材1020を接着
した後、剥離する際には配線引き出し端子の部分が絶縁
膜1010のみとなり機械強度が弱くなるため、剥離前
にFPC1009を貼りつけ、さらに有機樹脂1022
で固定することが望ましい。
【0131】また、図8では、画素電極を陽極とし、有
機化合物層と陰極を積層したため、発光方向は図8に示
す矢印の方向となっている。
【0132】また、ここではトップゲート型TFTを例
として説明したが、TFT構造に関係なく本発明を適用
することが可能であり、例えばボトムゲート型(逆スタ
ガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能
である。
【0133】[実施例5]また、実施の形態ではトップ
ゲート型TFTを用いた例を示したが、ボトムゲート型
TFTを用いることも可能である。ここではボトムゲー
ト型TFTを用いた例を図9に示す。
【0134】図9中に示したようにnチャネル型TFT
1113、pチャネル型TFT1114、nチャネル型
TFT1111を全てボトムゲート構造とする。これら
のボトムゲート構造は、公知の技術を用いて作製すれば
よい。なお、これらのTFTの活性層は、結晶構造を有
する半導体膜(ポリシリコン等)であってもよいし、非
晶質構造を有する半導体膜(アモルファスシリコン等)
であってもよい。
【0135】また、図9中、1100aは、可撓性を有
するフィルム基板(例えば、プラスチック基板等)、1
100b、1100dはAlXY膜、1100cは、応
力緩和膜(有機樹脂)、1101は、第2の材料層(例
えば、酸化シリコン膜)である絶縁膜、1102は画素
部、1103はゲート側駆動回路、1110は絶縁膜、
1112は画素電極(陰極)、1115はバンク、11
16は有機化合物層、1117は陽極、1118は有機
樹脂、1119は保護膜(AlXY膜)、1120はカ
バー材、1121は乾燥剤、1122は有機樹脂、11
23は接着層である。
【0136】また、nチャネル型TFT1113、pチ
ャネル型TFT1114、nチャネル型TFT1111
以外の構成は、実施の形態と同一であるのでここでは説
明を省略する。
【0137】[実施例6]本実施例では、実施例3とバ
リア膜と応力緩和膜との組み合わせなどが異なる一例を
図14に示す。
【0138】図14に示した断面構造について以下に説
明する。OLED1205で示す発光素子から距離が近
い順にAlXY膜1212eと、Al23膜1212d
と、応力緩和膜1212cと、Al23膜1212dと
の積層が設けられたフィルム基板1212aが絶縁膜と
接着層1208で貼り合わせられている。
【0139】本実施例では、バリア膜を2層とすること
を特徴としており、発光素子に距離が近い側にAlXY
膜1212eを設け、発光素子の発熱を発散するととも
に、発光素子からの光を効率よく通過させるため、バリ
ア膜の2層目としてAlXY膜よりも成膜速度の速いA
23膜1212dを用いる。
【0140】このようにバリア膜をAlXYで示される
層と、該層に接するAl23で示される層との積層とし
た場合、トータルの膜厚を薄くすることができ、水分、
酸素、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物を
ブロッキングすることができる効果に加え、熱伝導性が
高く放熱効果を有し、さらには透光性が非常に高いとい
う特徴を有している。
【0141】絶縁膜の上方には画素部1214と、駆動
回路1213の一部であるゲート側駆動回路とが形成さ
れており、画素部1214は電流制御用TFTとそのド
レインに電気的に接続された画素電極を含む複数の画素
により形成される。電流制御用TFTは、nチャネル型
TFTを用いることも可能であるが、pチャネル型TF
Tを用いることが好ましい。また、ゲート側駆動回路は
nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを組み合わ
せたCMOS回路を用いて形成される。
【0142】これらのTFTは、上記実施例1のnチャ
ネル型TFT201、上記実施例1のpチャネル型TF
T202に従って作製すればよい。
【0143】画素電極は発光素子(OLED1205)
の陽極として機能する。また、画素電極の両端にはバン
クが形成され、画素電極上には有機化合物層および発光
素子の陰極が形成される。
【0144】陰極は全画素に共通の配線としても機能
し、接続配線を経由してFPC1210に電気的に接続
されている。さらに、画素部1214及びゲート側駆動
回路に含まれる素子は全て陰極、有機樹脂からなる層間
絶縁膜1206、及び保護膜1207で覆われている。
保護膜1207として、1212eと同じAlXY膜を
用いてもよい。ここまでの工程は、上記実施例3及び実
施例4に従って作製すればよい。
【0145】また、カバー材1209aと接着層120
8で貼り合わせている。また、カバー材1209aに
は、有機樹脂からなる応力緩和膜1209b、AlXY
膜1209cが設けられている。また、本実施例では、
OLED1205とカバー材1209aとの間に、発光
素子に距離が近い順に、有機樹脂からなる層間絶縁膜1
206と、AlXY膜1207と、有機樹脂からなる接
着層1208と、AlXY膜1209cと、有機樹脂か
らなる応力緩和膜1209bとが設けられている。有機
樹脂からなる層間絶縁膜や接着層も応力緩和膜としての
機能を果たすことができる。即ち、AlXYで示される
層またはAl23で示される層からなるバリア膜を2層
以上設けて、さらに該2層のバリア膜の間に樹脂を含む
応力緩和膜が設けられる構成となる。従って、バリア膜
と応力緩和膜の積層により、発光装置全体としてフレキ
シブルとなる。
【0146】また、図14では、画素電極を陽極とし、
有機化合物層と陰極を積層したため、発光方向は転写体
(フィルム基板)1212aを通過する方向となってい
る。本実施例では、OLEDからの発光が通過する基板
には透光性の高いAl23で示される層をバリア膜とし
て主に使用している。
【0147】また、本実施例は、実施例1乃至5のいず
れか一と自由に組み合わせることができる。
【0148】[実施例7]本発明を実施して形成された
ELモジュールは様々な電子機器の表示部に用いること
ができる。即ち、ELモジュールを表示部に組み込んだ
電子機器全てに本発明を実施できる。
【0149】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴ
ーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジ
ェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯
情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子
書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図10、図
11に示す。
【0150】図10(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示部20
03、キーボード2004等を含む。本発明を表示部2
003に適用することができる。
【0151】図10(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示部2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6等を含む。本発明を表示部2102に適用することが
できる。
【0152】図10(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示部2205等を含む。本発明は表示部2205に適用
できる。
【0153】図10(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示部2302、アーム部230
3等を含む。本発明は表示部2302に適用することが
できる。
【0154】図10(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示部2402、スピーカ部240
3、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含
む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(D
igtial Versatile Disc)、CD
等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネッ
トを行うことができる。本発明は表示部2402に適用
することができる。
【0155】図10(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示部2502、接眼部2503、操作ス
イッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。本発
明を表示部2502に適用することができる。
【0156】図11(A)は携帯電話であり、本体29
01、音声出力部2902、音声入力部2903、表示
部2904、操作スイッチ2905、アンテナ290
6、画像入力部(CCD、イメージセンサ等)2907
等を含む。本発明を表示部2904に適用することがで
きる。
【0157】図11(B)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体3001、表示部3002、3003、記憶媒
体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006
等を含む。本発明は表示部3002、3003に適用す
ることができる。
【0158】図11(C)はディスプレイであり、本体
3101、支持台3102、表示部3103等を含む。
本発明は表示部3103に適用することができる。
【0159】ちなみに図11(C)に示すディスプレイ
は中小型または大型のもの、例えば5〜20インチの画
面サイズのものである。また、このようなサイズの表示
部を形成するためには、基板の一辺が1mのものを用
い、多面取りを行って量産することが好ましい。
【0160】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器の作製方法に適用すること
が可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜
6のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現
することができる。
【0161】
【発明の効果】本発明のバリア膜(AlXYで示される
層またはAl23で示される層)を複数積層すること
で、バリア膜にクラックが生じても、他のバリア膜で水
分や酸素などの不純物の有機発光層への混入を効果的に
防ぐことができる。また、本発明のバリア膜(AlXY
で示される層)により、素子の発熱を拡散させて素子の
劣化を抑える効果とともに、プラスチック基板の変形や
変質を保護する効果を有する。
【0162】また、本発明において、発光素子からの発
光が通過するバリア膜の一層としてAl23で示される
層を用いた場合、透光性が高く、発光素子からの発光の
妨げにならない。
【0163】加えて、本発明のバリア膜(AlXYで示
される層またはAl23で示される層)は、アルカリ金
属やアルカリ土類金属などの不純物のTFTの活性層及
び有機発光層への混入を効果的に防ぐことができる。
【0164】また、本発明のバリア膜(AlXYで示さ
れる層またはAl23で示される層)に比べて応力が小
さい応力緩和膜を、複数のバリア膜の間に挟むことで、
絶縁膜全体の応力を緩和することができる。よって、外
力が与えられても破壊することなく、フレキシブルな発
光装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ELモジュールの上面図および断面図。
【図2】 外力が加わったときのELモジュールの外
観図。
【図3】 TFTの作製工程を示す図。
【図4】 TFTの作製工程を示す図。
【図5】 OLEDが設けられたアクティブマトリク
ス基板の断面図。
【図6】 実施例3を説明する工程断面図。
【図7】 実施例3を説明する工程断面図。
【図8】 実施例4を説明するELモジュールの断面
図。
【図9】 実施例5を説明するELモジュールの断面
図。
【図10】 電子機器の一例を示す図。
【図11】 電子機器の一例を示す図。
【図12】 本発明のAlXY膜の透過率を示すグラフ
である。
【図13】 本発明のAlXY膜のESCA分析結果で
ある。
【図14】 実施例6を説明するELモジュールの断面
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB13 AB14 BA06 BA07 CA00 CA05 CA06 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 FA02 FA03 5C094 AA31 AA36 BA27 DA13 DA15 FB01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極と、該陰極に接する有機化合物層と、
    該有機化合物層に接する陽極とを有する発光素子を第1
    の基板と第2の基板との間に挟んだ発光装置であって、
    前記第1の基板には、AlXYで示される層が設けら
    れ、前記第2の基板には、Al23で示される層が設け
    られていることを特徴とする発光装置。
  2. 【請求項2】陰極と、該陰極に接する有機化合物層と、
    該有機化合物層に接する陽極とを有する発光素子を第1
    の基板と第2の基板との間に挟んだ発光装置であって、
    前記第1の基板には、AlXYで示される層と有機樹脂
    からなる層との積層が設けられ、前記第2の基板には、
    Al23で示される層が設けられていることを特徴とす
    る発光装置。
  3. 【請求項3】陰極と、該陰極に接する有機化合物層と、
    該有機化合物層に接する陽極とを有する発光素子を第1
    の基板と第2の基板との間に挟んだ発光装置であって、 前記第2の基板には、前記発光素子との距離が近い順に
    AlXYで示される層と、該層に接して有機樹脂からな
    る層と、該層に接してAl23で示される層とが設けら
    れていることを特徴とする発光装置。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3において、前記有
    機樹脂からなる層は、AlXYで示される層よりも応力
    が小さいことを特徴とする発光装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか一において、前
    記有機樹脂からなる層は、前記基板を接着する接着層を
    含むことを特徴とする発光装置。
  6. 【請求項6】陰極と、該陰極に接する有機化合物層と、
    該有機化合物層に接する陽極とを有する発光素子を第1
    の基板と第2の基板との間に挟んだ発光装置であって、
    前記第2の基板には、前記発光素子との距離が近い順に
    AlXYで示される層と、該層に接し、且つ該層よりも
    膜厚の厚いAl23で示される層との積層が設けられて
    いることを特徴とする発光装置。
  7. 【請求項7】陰極と、該陰極に接する有機化合物層と、
    該有機化合物層に接する陽極とを有する発光素子を第1
    の基板と第2の基板との間に挟んだ発光装置であって、
    前記第2の基板には、AlXYで示される層が設けら
    れ、該層は、前記発光素子との距離が遠ざかるにつれて
    窒素濃度が低減する濃度勾配を有することを特徴とする
    発光装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか一において、前
    記発光素子は、AlXYで示される層で包まれているこ
    とを特徴とする発光装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれか一において、前
    記AlXYで示される層中の不純物である酸素は、0〜
    10atm%未満であることを特徴とする発光装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれか一において、
    前記Al23で示される層中の不純物である窒素は、0
    〜2.5atm%未満であることを特徴とする発光装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれか一におい
    て、前記AlXYで示される層は、周期律13族元素ま
    たは周期律15族元素の不純物を0.1atm%〜5atm%
    含むことを特徴とする発光装置。
  12. 【請求項12】請求項1乃至10のいずれか一におい
    て、前記AlXYで示される層は、リン元素またはボロ
    ン元素を0.1atm%〜5atm%含むことを特徴とする発
    光装置。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12のいずれか一におい
    て、前記発光素子からの発光は、前記第2の基板を通過
    させて使用者に認識させることを特徴とする発光装置。
  14. 【請求項14】請求項1乃至13のいずれか一におい
    て、前記発光装置をビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴ
    ーグル型ディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナ
    ルコンピュータまたは携帯情報端末に備えたことを特徴
    とする電子機器。
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