JP2003084278A

JP2003084278A - 液晶パネル照明装置

Info

Publication number: JP2003084278A
Application number: JP2001272414A
Authority: JP
Inventors: Junji Matsushima; 純治松島
Original assignee: Takagi Seiko Corp
Current assignee: Takagi Seiko Corp
Priority date: 2001-09-07
Filing date: 2001-09-07
Publication date: 2003-03-19

Abstract

(57)【要約】【課題】液晶パネルに効率よく光を送ることができる
ほか、機器の小型化も実現できる液晶パネル照明装置を
開発すること。【解決手段】透明樹脂の成型などで製造されたプリズ
ム１に、光源１１を組み込んだ上で、光を拡散反射する
ための曲面部４、電子部品１０を収容するための島状部
５などを設ける。このプリズム１の放射面３を液晶パネ
ル１２の側面に隣接配置すると、光源１１からの光を放
射面３を経由して液晶パネル１２の内部に直接送られる
ため、光の損失が少なく、また液晶パネル１２の表面と
裏面ともに機器類の配置が不要であるため、小型化も実
現できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機の表示
部などに使用される液晶パネルを、暗所でも十分な視認
性を確保するための、液晶パネル照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】液晶物質を利用して文字や映像などの視
覚情報を伝達する液晶パネルは、消費電力が少なく、し
かも軽薄であるため、コンピュータディスプレイや携帯
電話機の表示部などの多彩な用途で使用されている。液
晶パネルは、従来から使用されているブラウン管とは異
なり、自らは光を放射しないため、暗所での使用が予想
される場合には、何らかの光源を設けて液晶パネルに光
を送る必要がある。この手段は多様であるが、液晶パネ
ルの裏面に面発光体（ＥＬなど）を組み込み、液晶パネ
ル内部を貫通した光を外部に放射する、バックライトと
呼ばれる方式が主流である。

【０００３】携帯電話機は、基本である通話機能に加え
てインターネット接続などの付加機能も充実するように
なり、より多くの視覚情報を伝達できるよう表示部に使
用される液晶パネルも、白黒表示からカラー表示へと切
り替わりつつある。カラー表示の場合は、液晶パネルの
内部に組み込まれたカラーフィルタが光を吸収するほ
か、色彩を鮮明に表現するため、バックライトの光量は
白黒表示の場合より増加させる必要がある。その結果、
電力消費量も増加するので、充電後の連続稼働時間が短
くなり、この問題を解決するためバックライトに代わっ
てフロントライトと呼ばれる新しい方式も開発されてい
る。

【０００４】フロントライトは、液晶パネルの表面に向
けて光を放射する方式であり、液晶パネルの裏面に金属
皮膜を備えることで、光を効率よく反射できるため、電
力消費を抑えながら従来と同様の視認性を確保できる。
この方式は、液晶パネルの表面に導光板と呼ばれる透明
な板を配置して、導光板端部に隣接する白色系発光ダイ
オード（以下白色ＬＥＤと記載）から放射される光を、
導光板内部に取り入れた後、導光板表面の微細溝で液晶
パネルに向けて反射するものである。液晶パネル内部に
到達した光は、金属皮膜で反射され、再び導光板を通過
して外部に放射される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】バックライト方式は面
発光体が液晶パネルの裏面に配置され、またフロントラ
イト方式は導光板が液晶パネルの表面に配置されるた
め、いずれの方式も液晶パネル単体に比較して厚さが増
加する問題がある。また前記のようにバックライトから
放射された光は液晶パネル内部のカラーフィルタに吸収
されるため、必ずしも効率は高くなく、一方のフロント
ライトは、光源から放射された光を液晶パネルに誘導す
るための過程が複雑で、導光板表面の微細溝の影響で画
質が低下する問題もある。

【０００６】液晶パネルの照明に使用する光源は、多様
な選択が可能であるが、消費電力が少なく、寿命が長
く、駆動用の電気回路も単純など多くの利点を持つ白色
ＬＥＤが最適である。しかし白色ＬＥＤの発光面は、液
晶パネル表面より遙かに小さく実質的に点光源であるた
め、液晶パネル全体に均一の明るさで光を送るための対
策が必要である。

【０００７】液晶パネルを搭載する機器は、携帯電話機
を始めとして軽量小型化の要望が厳しく、液晶パネル照
明装置も可能な限り占有体積を小さくする必要がある。
したがって光源を駆動する電子部品も、限られた空間の
中に効率的に配置した上、組み立て作業の障害にならな
いことが望ましい。

【０００８】本発明はこうした実情を基に開発されたも
ので、従来のバックライトやフロントライトに変わり、
小型で電力消費も少なく電気回路も簡単な、液晶パネル
照明装置を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明のうち請求項１記載の発明は、プリズムに光
源を埋め込むための溝を備え、光源からの光をプリズム
の外周に設けた放射面から、液晶パネルの側面に放射す
るものである。プリズムは、ガラスまたは透明な硬質樹
脂製の板形状で、埋め込まれた光源からの光をプリズム
内部で拡散した後、放射面から光を外部に放射する。放
射面はプリズム外周であれば位置や形状は限定されない
が、光が送られる液晶パネルの形状を考慮すると平面状
であるのが望ましい。また放射面以外から光が漏れない
よう、プリズム外周に金属皮膜などを形成して光の損失
を防止するほか、放射面に光の透過効率を高めるためコ
ーティングを行ったり、放射面に微細な凹凸などを設け
て光を散乱させチラツキを抑えるなど、様々な対策が必
要である。

【００１０】プリズムに設けた溝の内部に埋め込むこと
のできる光源は、小型電球など多様であるが、エネルギ
ー消費と発熱量が少なく直流電源で作動する、白色ＬＥ
Ｄが最適である。白色ＬＥＤは面光源であるが実質的に
は点光源のため、一個だけの使用では、放射面に到達し
た段階で明るさが均一にならない恐れがあり、複数使用
すべきだが、消費電力の増加を招くため、普通は二個使
用となる。光源はプリズムに設けた溝の内部に埋め込ま
れ、突出部などは存在せず、また溝と光源は同一寸法で
あり、光源から放射された光は直ちにプリズム内部に透
過する。この際に、プリズム内部への透過率を高めるた
め、溝の周囲に放射面と同様にコーティングを行う。

【００１１】本発明を利用して液晶パネルに光を送る場
合、プリズム外周の放射面を液晶パネルの側面に接触さ
せると、従来のバックライトやフロントライトとは異な
る照明方式が実現できる。なおこの方式では、液晶パネ
ルを構成するガラス側面の面荒さを小さくして、放射面
から液晶パネルに透過する際の光の吸収や反射を低減さ
せ、また液晶パネル内部に透過した光の損失を減らすた
めの対策を講じるのが望ましい。このような液晶パネル
の側面から光を送る「サイドライト」方式の場合、液晶
パネル内に透過した光が、外部との境界面に到達する際
の入射角が直角に近く、屈折率の関係から全反射するた
め光を閉じこめることが可能で、また液晶パネルの側面
を斜めに切り欠いた傾斜部を設けると（ただし光の透過
する位置を除く）、光の反射方向を液晶物質に変えて、
一層の効率改善も期待できる。

【００１２】光源から放射された光が放射面に到達する
時点で、確実に放射面全体が均一の明るさになるには、
請求項２記載の発明のように、プリズムの放射面以外の
外周に、曲面部を設けるべきである。この曲面部は、放
射面以外の任意の位置に形成可能だが、プリズムが板形
状であることや光の軌跡などを考慮すると、放射面の反
対側が最適である。光源である白色ＬＥＤの形状は直方
体だが、実際の発光面はその中の一面であり、発光面を
放射面とは反対向きに取り付けると、発光面から放射面
へは光が直行できない。したがって発光面から放射され
た光は、最初に放射面とは反対側の曲面部に到達して、
扇形に拡散するように反射されて放射面に到達する。さ
らに将来的には、溝に白色ＬＥＤを構成する半導体を直
接埋め込み、この周辺に反射層を配置して光の進路を調
整することで、一層の性能向上も期待できる。

【００１３】プリズムに設けた溝に埋め込まれた光源
は、接着材などで固定され、光源に接続する電気配線
は、プリズム表面に金属板の貼り付けなどで形成される
ほか、電力の供給を受けるための端子部も設けると、機
器組立の際のハンダ付け作業を省略できる。なお白色Ｌ
ＥＤは直流電源で作動するが、電圧を安定させるなどの
目的で抵抗器などの電子部品を近傍に組み込む場合があ
る。これらの電子部品をプリズムの外部に取り付ける
と、組み立て時の破損などが予想されるため、プリズム
の中に埋め込むのが理想的だが、プリズム内の光の進路
を妨げる恐れがある。

【００１４】そのため請求項３記載の発明のように、プ
リズムの外側に島状部を設け、プリズムと島状部を海峡
部で接続して、島状部に電子部品を埋め込む構造とす
る。島状部とプリズムの間は、海峡部を介して接続され
ており、できるだけ空間の無駄を省くため、請求項２記
載の曲面部によって発生する湾曲部に、島状部を配置す
る。なお海峡部は、組み立て作業時の破損を防止するた
め、一定の強度は必要であるが、プリズム内部の光の透
過量を減らすため、できるだけ断面積は小さくすべきで
ある。端子部より受けた電力は、島状部に埋め込まれた
電子部品を通過して、光源に送られる。

【００１５】液晶パネルは、二枚のガラス板の間に液晶
物質を閉じこめた構造であり、液晶物質と接触している
面には、液晶物質を制御するための透明な電気配線が形
成されている。これらガラス板において、裏面側のガラ
スの一辺だけを延長して段差を設け、この位置に本発明
の液晶パネル照明装置を積載した上で、表面側のガラス
の側面に放射面を接触させると、照明を一体化した液晶
パネルが完成する。さらに裏面側のガラスに、光源に電
力を送るための電気回路を設けて、これを液晶物質を制
御するための電極群に接続すると、電気回路の集約化も
可能である。もし液晶パネルがガラス製ではなく、樹脂
製であれば液晶パネルに直接本発明を組み込むことも不
可能ではない。

【００１６】本発明は、発光面が小さく実質的に点光源
である白色ＬＥＤからの光を、放射面全体に拡散する機
能を持つため、汎用の光源としての利用も可能で、タッ
チパネルなど各種のスイッチの照明のほか、フロントラ
イト方式の液晶パネルにおいても光源として使用できる
など、多様な用途が期待できる。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の液晶パネル照明
装置の形状を、表面側と裏面側から見た斜視図で、図２
は、図１のＡ−Ａ断面とＢ−Ｂ断面を示している。プリ
ズム１は、矩形状の薄い板状で、透明な樹脂を金型で成
型したものである。この表面には成型時に二カ所の溝２
が設けられ、白色ＬＥＤの光源１１が埋め込まれてい
る。溝２と光源１１は、ほぼ同じ大きさであり、組み込
みの際は、光源１１を圧入した後に接着材で固定され、
プリズム１上の電気配線９とはハンダ付けで接続されて
いる。光源１１から放射された光は、溝２からプリズム
１内部に透過するが、溝２の周囲に反射防止のためのコ
ーティングが塗布されており、光の損失を抑えている。
プリズム１内部の光は、放射面３から外部に放射される
が、それ以外の面には金属皮膜７を設けて光の損失を防
止している。

【００１８】プリズム１には、電力を受け取る端子部８
があり、この端子部８と光源１１を結ぶ電気配線９の途
中には、抵抗器などの電子部品１０が装備されている。
これらの電子部品１０は、曲面部４外側の島状部５に埋
め込まれている。この島状部５とプリズム１の間は、海
峡部６だけで結ばれているため、プリズム１内の光が島
状部５に透過する割合を減らしている。なお島状部５
は、曲面部４によって発生する湾曲部に収容され、空間
的な制約を減らしている。

【００１９】プリズム１内の光は、放射面３から外部に
放射されるが、放射面３全体から均一の明るさで光を送
ることが望ましい。そこでプリズム１内部で光をできる
だけ拡散させるため、曲面部４を設けている。曲面部４
は、放射面３の反対面に設けられており、光源１１から
到達した光を扇状に分散して反射する機能がある。この
曲面部４に入射した光の反射形態を示すのが図３であ
り、広域に拡散していることが示されている。光源１１
と放射面３の間の、本来ならば陰になる領域にも光が到
達しており、曲面部４の効果は大きい。

【００２０】図４は、液晶パネル１２に本発明品を組み
込んだ状態を示すものである。液晶パネル１２は二枚の
ガラスの間に液晶物質１３を封入した形態だが、本発明
品と組み合わせる場合、二枚のガラスの大きさを変え
て、大きい方のガラスの表面にプリズム１の表面を接触
させ、かつ小さい方のガラスの側面に放射面３を接触さ
せる。放射面３から液晶パネル１２の内部に透過した光
を、効率よく液晶物質１３に送るため、液晶パネル１２
の側面に金属皮膜７を形成するほか、傾斜部１６を設け
て反射方向を変化させている。また液晶パネル１２の制
御信号を受け取る電極群１４で、光源１１に使用する電
力も一括して受け取り、透明配線１５を経由して送られ
ている。この際プリズム１側の電気配線９と、液晶パネ
ル１２側の透明配線１５の短絡を避けるため、絶縁処置
を行う必要がある。なお従来の液晶パネルのように、二
枚のガラスの大きさが等しい場合も、ガラスの側面に放
射面３を隣接させて光を送ることも可能である。

【００２１】図５は、従来から液晶パネルの照明に使用
されているフロントライトに、本発明品を流用した場合
を示している。液晶パネル１２の表面には導光板１７が
配置されており、導光板１７の側面にはプリズム１が隣
接している。光源１１から放射された光は放射面３から
導光板１７の内部に透過した後、微細溝１８の作用で液
晶パネル１２に送られ、液晶パネル１２で反射した光は
再び導光板１７を通過して外部に放射される。

【００２２】

【発明の効果】請求項１記載の発明により、プリズムに
設けた放射面から、液晶パネルの側面を入り口として、
光を内部に透過させることで、液晶パネルの表面や裏面
に、光源などを配置する必要がないため小型化を実現で
きるほか、光の通過経路も単純で損失が少なく、画質の
劣化も抑えることができる。

【００２３】請求項２記載の発明により、発光面が小さ
く実質的に点光源である白色ＬＥＤから放射される光
を、曲面部の作用で広範囲に拡散できるため、放射面に
到達した段階では、光量のばらつきが抑えられているた
め、画質を極めて高い水準に維持することが可能であ
る。

【００２４】請求項３記載の発明により、光源を駆動す
るための電子部品を島状部に埋め込むことで、組み立て
作業時の支障にならず、また曲面部により発生する湾曲
部に島状部を設けることで、占有体積の増大も防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）（ロ）本発明の液晶パネル照明装置の形
状および構成を示す斜視図で、（イ）は表面側から見た
状態、（ロ）は裏面側から見た状態である。

【図２】（イ）（ロ）本発明の液晶パネル照明装置の断
面図で、（イ）は図１のＡ−Ａ断面、（ロ）は図１のＢ
−Ｂ断面である。

【図３】本発明の液晶パネル照明装置において、光源か
ら放射された光が放射面に到達するまでの軌跡を示した
図である。

【図４】（イ）（ロ）本発明の液晶パネル照明装置を、
液晶パネルに組み込む場合の一例を示しており、（イ）
は液晶パネルの表面側から見た斜視図、（ロ）は液晶パ
ネルの側面から見た図である。

【図５】本発明の液晶パネル照明装置を、フロントライ
トの光源として利用した場合を示す斜視図である。

【符号の説明】

１プリズム２溝３放射面４曲面部５島状部６海峡部７金属皮膜８端子部９電気配線１０電子部品１１光源（白色ＬＥＤ）１２液晶パネル１３液晶物質１４電極群１５透明配線１６傾斜部１７導光板１８微細溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考） // Ｆ２１Ｙ 101:02 Ｆ２１Ｙ 101:02

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プリズム（１）に、光源（１１）を埋め
込むための溝（２）を備え、光源（１１）からの光をプ
リズム（１）の外周に設けた放射面（３）から、液晶パ
ネル（１２）の側面に放射する、液晶パネル照明装置。
【請求項２】プリズム（１）の放射面（３）を除く外
周に、曲面部（４）を設けた、請求項１記載の液晶パネ
ル照明装置。
【請求項３】プリズム（１）の外側に島状部（５）を
設け、プリズム（１）と島状部（５）は、海峡部（６）
で接続されている、請求項１または２記載の液晶パネル
照明装置。