JP2003082684A - 摩擦増大ゴムマット及びその取付け構造 - Google Patents

摩擦増大ゴムマット及びその取付け構造

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JP2003082684A
JP2003082684A JP2001268681A JP2001268681A JP2003082684A JP 2003082684 A JP2003082684 A JP 2003082684A JP 2001268681 A JP2001268681 A JP 2001268681A JP 2001268681 A JP2001268681 A JP 2001268681A JP 2003082684 A JP2003082684 A JP 2003082684A
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mat
rubber mat
friction
locking
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JP2001268681A
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Yoshikazu Morioka
義和 森岡
Sadao Inoue
貞夫 井上
Tetsuo Baba
鉄雄 馬場
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特に捨石マウンドの均し精度を±5cmより荒
くしても、捨石の食い込みに追従変形し、かつ強度的に
耐え、しかも取付け作業が簡単かつ安全にできる摩擦増
大ゴムマット及びその取付け構造を提供する。 【解決手段】海洋構造物の底面にマットを取付ける凸部
材を螺止する係止凹部材を、所定間隔で取付け面に内径
を開口してマットに埋設してなるゴムマットであって、
ゴム部が、均し精度が±5cmより荒い捨石マウンドの
凹凸に変形追従して耐える特性を有する加硫ゴムからな
り、係止凹部材が、均し精度が±10cm、面圧588
KPaの場合の静止摩擦係数が0.8以上になる配置に
されていることを特徴とする海洋構造物の摩擦増大ゴム
マット。ゴム部は、天然ゴム主体で、硬度60〜70、
引張強度11〜30MPaでかつ破断時伸び400〜1
200%の加硫ゴム、係止凹部材は、内径10〜25m
mのフランジ付き袋ナットが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ケーソン等海洋構
造物と捨石マウンドの間に介装し、波浪や地震等による
海洋構造物の滑り移動を防止するゴムマットおよび海洋
構造物底面への取付け構造に関し、特に設置する捨石マ
ウンドの均し精度が荒くなっても有効に海洋構造物の滑
動を防止しうるゴムマットおよび取付け構造に関する。
なお本願では、海洋構造物の滑動抵抗係数を、運輸省の
「港湾施設の技術上の基準」の記載に準じ、静止摩擦係
数、捨石マウンドの均し程度を均し精度と記載してい
る。
【0002】
【従来の技術】防波堤や岸壁、埋立地の仕切り護岸等の
構築においては、海底の地盤上に所定の高さに捨石マウ
ンドを設け、その上にケーソン等の構造物を設置するの
が一般的である。ケーソン等の構造物は、コンクリート
製や鋼製もしくは鋼製の表面部をコンクリートで覆った
ハイブリッド製のものが用いられている。
【0003】これらの構造物の底部(コンクリートまた
は鋼)と捨石マウンドの均し面との静止摩擦係数は小さ
いため、波浪等により横圧を受けた場合滑りを生じやす
く、それを防止するため従来、構造物の底面にアスファ
ルトやゴム製のマットを取付け、このマット中に捨石を
食い込ませて滑り抵抗を増大させることが行われてい
る。
【0004】しかし、構造物の底面にマットを取付ける
ことにより捨石マウンドの凹凸がマットに食い込み、静
止摩擦係数は上がり構造物は安定するが、構造物底面と
マットの静止摩擦係数が不足し、横圧に耐えきれなくな
るという問題が出てきた。重量の大きな構造物が載るの
であるから、マットと構造物底面は十分な摩擦係数が確
保できると思われたが、捨石マウンド面とマットの食込
みによる滑動抵抗が上がると、その滑動抵抗とのバラン
スが取れず、マットと構造物底面の間で横滑りするとい
う問題が生じてきた。具体的には、捨石マウンド面とマ
ットとの静止摩擦(滑動抵抗ともいう)係数が0.8〜
0.95になるのに、マットと構造物底面間のそれは
0.7〜0.75にしかならない状況であった。
【0005】特に、海洋構造物の建設コストを下げるた
め、捨石マウンドの均し精度を従来の±5cmから±1
0cmさらにはそれ以上に荒くした上にケーソン等の海
洋構造物を設置しようとする要求が出てきている。この
ような荒い均し面で用いるマットは、捨石がマット内部
に食い込んでもそれに耐える変形追従性と物性を有する
必要があること、更には、それに対応できるマットの取
付け構造が必要であることが言われてきた。アスファル
トマットは、捨石マウンドの凹凸への変形追従性には優
れるものの、内部に鉄筋や繊維等の補強体を設ける必要
があり、重くなるとともに、海洋構造物底部への取付け
施工が複雑になり、しかも、凹凸への変形追従性が優れ
るあまり据え付け直し、仮置きや移設ができにくいとい
った問題があり、それに代わるマットとしてゴムマット
への期待が強くなってきた。
【0006】滑動防止用にゴム部材を用いることは、例
えば実公平59−035642号公報には図6に示すよ
うな、内部に補強部材23及びそれと一体の取付部材2
2を埋設し、下面に溝を有する構成のゴム製単位摩擦部
材21及び取付部材22に基礎ボルト24を螺合固定す
る取付構造が開示されている。しかし、このゴム製単位
摩擦部材21は、取付部材を補強部材に一体化したもの
を、成形時に内部に埋設するため、金型構造が複雑にな
り、作業性も悪くなり、コスト高となる問題があった。
【0007】また、特公平05−019617号公報に
は図7(a)に示すように、使用済み自動車タイヤ等を
粉砕し分別した再生ゴム粉末に加硫剤等を加え、上下両
面に凹凸を設けたゴムマット31、その製法及び下面か
ら貫通孔を通してボルト34を林立させ、コンクリート
を打設して固定することが開示されている。しかし、マ
ットの下面から貫通孔を通してボルトを林立させるのに
多くの手間を要するほか、捨石マウンドの石材とボルト
が直接接触するので固定部が破損し易すく、特に捨石マ
ウンドの均しが荒くなると表面に溝を有するためゴムマ
ットが破損し易くなることが懸念されてきた。
【0008】この問題に対して、特開平10−1528
23号公報には図7(b)に示すように、上下の凹凸に
沿って厚さ数ミリを練りゴム層32とし、中間部を粉末
ゴム層31とした構成のゴムマットが、ケーソンの大型
化に伴う荷重増大条件での滑動抵抗と耐久力確保に有効
であることが示されている。しかし、このゴムマット
は、形状、構造が複雑で成形、加硫に時間を要し、コス
トダウン効果が小さい上に、変形が大きくなると表層3
2と中間層31の剥離が生じ易いという問題を有してい
る。さらに、図7(a)、図7(b)とも、ボルトが海
水と直接接触するため錆を生じ易いという問題を有して
いる。
【0009】さらに、本出願人の出願に係わる特開9−
132918号公報には図8に示すように、ゴムマット
41の片面に、頭付きボルト等の係止凸部材43をマッ
ト上面から上方に突出させて螺係する袋ナット等の係止
凹部材42を埋設した滑動防止用ゴムマット及びその取
付構造が開示されているが、ゴムマットが再生ゴム粉末
を加硫して形成したものであるため、上記したような均
し精度の荒い捨石マウンド上に設置した場合、捨石の突
起への食い込み変形やその状態での横圧変形に耐え切れ
ず破損したり、係止凹部材42の周辺のゴムマットが係
止凹部材42にかかる横圧に耐え切れないため、取付個
所を多くせねばならず作業性が悪くなるという問題を有
していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、従来技術
の有する上記した問題に鑑みてなされたもので、特に海
洋構造物を建設する捨石マウンドの均し精度を従来の±
5cmより荒くしても横圧による海洋構造物の滑動を有
効に防止でき、海洋構造物への取付け作業が簡単かつ安
全にできる摩擦増大ゴムマット及びその取付け構造を提
供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のゴムマットは、
海洋構造物の底面にマットを取付ける係止凸部材を螺止
する凹部材を、所定間隔で取付け面に内径を開口してマ
ットに埋設してなるゴムマットであって、ゴム部が、均
し精度が±5cmより大きい捨石マウンドの凹凸に変形
追従して耐える特性を有する加硫ゴムからなり、係止凹
部材が、均し精度が±10cm、面圧588KPaでの
静止摩擦係数が0.8以上になる配置にされていること
を特徴とする海洋構造物の摩擦増大ゴムマットである。
ゴムマットがこの構成をとることにより、捨石マウンド
の均し精度が従来の±5cmより大きくなっても、捨石
凸部の食い込みによる変形に追従し、かつ強度的にも耐
え、しかも、係止凹部材の埋設強度も上がるので、捨石
マウンド側と構造物底面の静止摩擦係数を捨石マウンド
側のレベルに上げることができる。ここで静止摩擦係数
とは、海洋構造物に横圧がかかっても、捨石マウンドと
ゴムマット間および海洋構造物とゴムマット間が摩擦力
で滑らない時の摩擦係数である。土木学会の平成9年9
月年次報告論文によると、構造物の荷重785KPaで
横圧変位40mmまでが静止摩擦の領域と示唆されてい
る。
【0012】そして、本発明のゴムマットは、加硫ゴム
が、新ゴム又は新ゴムと再生ゴムとの混合物をベースと
するゴム配合物を加硫したものである。これにより、均
し精度に応じた捨石凸部の食い込みに対応して、変形追
従しかつ強度的に破損せず耐える特性とコストを調整し
たゴムが得られる。
【0013】また、本発明のゴムマットは、新ゴムとし
て天然ゴムを用い、新ゴム単独又は新ゴムと再生ゴムの
混合をベースに配合したゴム組成物を加硫した後のゴム
が、JIS−A硬度60〜70、切断時伸び300%以
上好ましくは400〜1200%で引張強度11〜30
MPaの特性を有するようにすることにより、構造物荷
重支持性、捨石凸部の食い込みに対する変形追従および
強度の耐久性を兼ね備え、しかも係止凹部材の埋設強度
も上がるので、均し精度が従来の±5cmより大きくな
っても、捨石マウンド、ゴムマット、構造物底面間の静
止摩擦係数を0.8〜1.6にするのにより好ましいゴ
ム部を有するものになる。
【0014】本発明のゴムマットは、係止凹部材を鋼製
ナットにし、内径ねじ部の呼び径を10〜25mmにす
ることにより、マット面における係止凹部材の配置間隔
すなわち取付け箇所数を、長さ2mで幅1mのゴムマッ
ト単体当たり15個程度にでき、取付け個数が多いこと
による作業性を損なうことなく、構造物底面とマットの
静止摩擦係数(通常0.70〜0.75)を補強でき、
全体として海洋構造物の静止摩擦係数を0.8以上にア
ップできるので好ましい。前記静止摩擦係数は、0.8
以上大きいほど好ましいが、物性等を考慮すると現状で
は2.0程度が達成できる上限であると考えられる。
【0015】さらに本発明のゴムマットは、係止凹部材
の外側に、係止凹部材の外周より外側に延出するフラン
ジを係止凹部材と一体に設けることにより、個別の係止
凹部材のゴムマットとの埋設接着強度をアップでき、係
止凹部材の内径ねじ径を大きくすることと組合せ、マッ
ト面で係止凹部材の配置を上記したようにゴムマット単
体(長さ2mで幅1m)当たり15個程度に調整できる
ので、マット製造上および取付け施工上、作業性を改善
でき好ましい。
【0016】上記ゴムマットの海洋構造物底面への取付
けは、「係止凸部材が、マット面からの突出長さ(H)と
外径(d)とがH/d<5.5でかつd=10〜25mm
である鋼製ボルトであり、突出部により海洋構造物に固
定し、ねじ部を係止凹部材に螺止してなる」ような構造
にすることにより、海洋構造物の底部がコンクリートで
あれ鋼材であれ、海洋構造物の建造に際し、ゴムマット
を先に敷き並べるのみでゴムマットと海洋構造物を一体
化できるので、施工が単純かつ安全になり好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明を実施する場合の態様を図
面を参照して説明する。図1は本発明のゴムマットの構
成例を示す一部断面斜視図、図2は図1のゴムマットに
おける係止凹部材の配置例を、そして図3は海洋構造物
への取付け例を示し(a)はコンクリート製構造物の場
合、(b)は鋼製構造物の場合を示す。図中、1はゴム
マット本体、2は係止凹部材、3は係止凹部材に一体の
フランジ、4は係止凸部材、5はコンクリート製海洋構
造物、6は鋼製海洋構造物を示す。
【0018】図1において、ゴムマットは、ゴム部が、
均し精度が±5cmより大きい捨石マウンドの凹凸に変
形追従して耐える特性を有する加硫ゴムからなってい
る。加硫ゴムは、新ゴム又は新ゴムと再生ゴムの混合物
をゴムベースとし、通常用いる補強剤、加硫剤、加硫促
進剤、老化防止剤、充填剤等を混練り配合したものを加
熱加圧加硫したものである。新ゴム又は新ゴムと再生ゴ
ムの混合物をゴムベースとするのは、再生ゴムのみで
は、海洋構造物の荷重支持、±5cm越えの均し精度で
の石の食い込みへの変形追従と強度対応ができず、破損
を生ずるためである。新ゴムと再生ゴムの混合比は、均
し精度に対応する石の食い込みやゴムマットのコストを
考慮して適宜決めればよいが、通常新ゴム/再生ゴム=
11/100〜100/0の間で用いる。再生ゴムと
は、使用済みタイヤ等のゴム製品を粉砕し、選別した粉
末ゴムを示す。
【0019】新ゴムとしては、通常ゴム製品の製造に用
いる天然ゴム、合成ゴムを用いることができるが、ゴム
硬度が適切で、伸びが大きく、引張硬度に富んだものが
得られやすい点で天然ゴムが好ましく用いられる。加硫
ゴムの物性としては、JIS−A硬度60〜70度、引
張強度11〜30MPaでかつ破断時伸び300%以上
好ましくは400〜1200%を併せもつものが、海洋
構造物の荷重支持、±5cm越えの均し精度での石の食
い込みへの変形追従と強度対応の点で好ましく用いられ
る。これらのゴム物性は、兼ね備えることが重要であ
り、硬度、引張強度が下限より小さくなると、高圧、高
変形での滑動防止が困難になり、耐久性が劣るものとな
る。逆に硬度、引張強度が上限を超えると変形しにくく
なり、滑動抵抗が低く不安定になる。
【0020】本発明のゴムマットに、所定間隔で、マッ
ト片面(取付け面)に内径を開口してマットに埋設され
る係止凹部材としては、炭素鋼、ステンレス鋼、黄銅鋼
等の金属からなり、内径面に呼び径10〜25mmのね
じ切りしたものなら制約はないが、市販の袋ナットや六
角ナットがコスト的にも好ましい。また、ゴムマットに
おける係止凹部材の配置としては、構造物をクレーンで
吊り下げて設置する際、ゴムマットがはずれたり変形し
ないよう取付けできれば特に制約されないが、図2に示
すように、一枚のマット全体に略等間隔にするのが好ま
しく、滑動抵抗を満足する条件で取付け箇所を少なくす
るように配するのが好ましい。
【0021】埋設強度を大きくし安定化させるため係止
凹部材に設けるフランジは、上記係止凹部材と同様金属
製で、係止凹部材と一体に成形した物や、溶接、接着、
ねじ等で接合一体化したものを用いればよい。厚み1〜
5mm、係止凹部材からの延出が3〜20mmの寸法の
ものが好ましく用いられる。係止凹部材を上記のように
フランジ付きにし、ゴムマットを引張強度および伸び特
性の優れたゴムで形成することにより、係止凹部材の埋
設強度は大幅に向上する。
【0022】本発明のゴムマットを製造するには、天然
ゴムや合成ゴム等の新ゴムにカーボンブラックおよび亜
鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤
等の薬品および再生ゴム粉末を混練りしたゴム組成物を
シート状に成形し、図4に示すように、底板7に設けた
突起8に外周接着処理をしたフランジ3付き係止凹部材
2を固定した箱状金型に充填した後、蓋金型9を組み加
圧、加熱して加硫すればよい。上記新ゴム組成物混練り
時、再生粉末ゴムや発泡剤を添加し、変形しやすさをと
変形耐久性を調整してもよい。また、捨石マウンド側を
低硬度、海洋構造物側を高硬度にして、捨石マウンドの
凹凸への変形追従性と係止凹部剤の埋設強度アップを計
るようにゴムマットを2層構造もしくは傾斜構造にして
もよい。
【0023】本発明のゴムマットを、ケーソン等の海洋
構造物の底部への取付けは、海洋構造物の底部に略等し
い面積に、係止凹部材の開口を上にして敷き詰め、係止
凸部材を係止凹部材にねじ締め固定して林立させ、その
上部に補強鉄筋を組んだ後、コンクリートを流し込んで
硬化させ一体化する(海洋構造物がコンクリートの場
合)か、敷き詰めたゴムマットの上に、係止凹部材の配
置に合わせ底板に孔あけした海洋構造物を載置し、構造
物内部から六角頭付きボルトなどの係止凸部材を係止凹
部材にシール材やワッシャー等を介在させて締め込み
(海洋構造物が鋼製とかハイブリッド製の場合)一体化
すればよい。
【0024】静止摩擦係数の評価は、均し精度が±5c
mより荒くした上に所定荷重をかけられ、水平方向の変
形を与えられるものならよく、本発明においては、均し
精度が±10cmを基準として行った。
【0025】
【実施例】本発明を実施例により、詳細に説明するが、
本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0026】(実施例1)天然ゴム100重量部(以下
部と表す)に対し、HAFカーボン48部、亜鉛華5
部、ステアリン酸1部、加硫剤1部および老化防止剤
(6種)6部、その他薬剤1.3部をロールで混練りし
シート出しし、2m×1m、厚み3.1mmのゴムシー
トをえた。別途、マット成形用金型に図4に示すよう
に、底板7に設けた突起9に内径ねじ呼び径16mmで
開口部に外径40mm×2mm厚のフランジ3を溶接付
けした袋ナット2(係止凹部材)を固定しておき、上記
ゴムシートを10枚重ねて充填し、蓋型9を組み、油圧
プレスで加圧しながら153℃で45分加硫して長さ×
幅が2m×1m、厚みが30mmの本発明のゴムマット
を得た。
【0027】得られたゴムマットのゴム特性をJISK
5301に準じて測定したところ、JIS−A硬度が6
5度、引張強度が14.7MPa、切断時伸びが550
%であった。また、係止凹部材に呼び径16mm、総長
さ85mmの六角頭付きボルトを突出長さが65mmに
なるようにねじ締めし、引抜き強度を引張試験機で測定
したところ、2940N/箇所であった。
【0028】このゴムマットの角部より、長さ1m×幅
1mのゴムマット1を切り出し、呼び径16mm、総長
さ85mmの六角頭付きボルトを、突出長さが65mm
になるように袋ナットにねじ締めして固定した。ボルト
突出側を下にし、上部を鋼枠で保持して、ゴムマット1
の下部に厚さ75mm、幅1.4m、長さ1.4mのコ
ンクリートブロック5(コンクリートケーソンに相当)
を形成し、ゴムマット付きケーソン試験体を得た。
【0029】図5に示すように、この試験体のゴムマッ
ト1からコンクリート5にかけて1本の標線を引き、ゴ
ムマットを保持する鋼枠中央部に縦置き油圧ジャッキ1
1で垂直荷重Pを、コンクリートブロック側面に水平荷
重を与え、標線14がゴムマット1とコンクリート5間
でずれ始める時のゴムマット1の水平応力Fを、ゴムマ
ットを保持する鋼枠側面に取付けたロードセル13で検
出し、μ=F/Pにより静止摩擦係数μを求めた。結果
は、垂直荷重P=294kPaの時μ=1.60であ
り、P=588kPaの時μ=0.85であった。
【0030】(実施例2)実施例1の練りゴム作製時
に、再生ゴム粉末を天然ゴム100重量部に対し、30
重量部加え、他の配合剤や係止凹部材の種類、配置を実
施例1と同様にして厚み30mmの本発明のゴムマット
を得、ゴム特性の評価、係止凹部材の引抜き強度測定、
静止摩擦係数測定を実施例1と同様に行ったところ、ゴ
ム特性が、JIS−A硬度が64度、引張強度が11.
8MPa、切断時伸びが450%であり、引抜き強度が
2350N/箇所であった。さらに実施例1と同様、静
止摩擦係数測定を行ったところ、垂直荷重P=294k
Paの時μ=1.55であり、P=588kPaの時μ
=0.83であった。
【0031】(比較例1)ゴムマットを、使用済みゴム
タイヤを粉砕した再生ゴム粉末を用いて形成した以外は
実施例と同様にしてゴムマットを得、ゴムマットの特性
を評価したところ、JIS−A硬度が65度、引張強度
が7.6MPa、切断時伸びが200%であった。ま
た、係止凹部材に呼び径16mm、総長さ85mmの六
角頭付きボルトを突出長さが65mmになるようにねじ
締めし、引抜き強度を引張試験機で測定したところ、1
960N/箇所であった。実施例1と同様にゴムマット
とコンクリートからなる試験体を形成し、静止摩擦係数
を求めたところ、垂直荷重P=294kPaの時、μ=
1.52であり、P=588kPaの時、μ=0.79
であった。さらに、鋼枠を外してみたところ、袋ナット
の周囲に亀裂発生が認められ、使用上問題があることが
分かった。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によりゴム
マットの物性と海洋構造物底面への取付けが強固にさ
れ、静止摩擦係数が0.8〜1.6にされたので、海洋
構造物が、均し精度が±5cmより大きな捨石マウンド
上に建設され、波浪や地震による横圧を受けても滑動す
るのが防止できる。結果として、均し施工コストが低下
でき、設計の自由度も広くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴムマットの構成を示す一部断面斜視
図である。
【図2】本発明のゴムマットにおける係止凹部材の配置
を示す平面図である。
【図3】本発明のゴムマットの海洋構造物の底部への取
付け例を示す断面図である。
【図4】本発明のゴムマットの製造方法を示す図であ
る。
【図5】本発明のゴムマットの静止摩擦係数の測定方法
を示す図である。
【図6】従来の補強部材を埋設したゴム製単位摩擦部材
の取付構造を示す断面図である。
【図7】従来の上下に凹凸を形成したゴムマットの取付
構造を示す図である。(a)は粉末ゴムのみ、(b)は
表面に練りゴム層を設けたもの。
【図8】本願出願人の出願による特開平9−13291
8号公報のゴムマットおよびその取付け構造を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ゴムマット本体 2 係止凹部材(袋ナット) 3 フランジ 4 係止凸部材(六角頭付ボルト) 5 コンクリートケーソン底部 6 鋼製ケーソン底部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海洋構造物の底面にマットを取付ける係
    止凸部材を螺止する係止凹部材を、所定間隔で取付け面
    に内径を開口してマットに埋設してなるゴムマットであ
    って、ゴム部が、均し精度が±5cmより荒い捨石マウ
    ンドの凹凸に変形追従して耐える特性を有する加硫ゴム
    からなり、係止凹部材が、均し精度が±10cm、面圧
    588KPaの場合の静止摩擦係数が0.8以上になる
    ように配置されていることを特徴とする海洋構造物の摩
    擦増大ゴムマット。
  2. 【請求項2】 加硫ゴムが、新ゴム又は新ゴムと再生ゴ
    ムとの混合物をベースとするゴム配合物を加硫したもの
    である請求項1記載の海洋構造物の摩擦増大ゴムマッ
    ト。
  3. 【請求項3】 新ゴムが天然ゴムであり、加硫ゴムが、
    JIS−A硬度60〜70、切断時伸び300%以上好
    ましくは400〜1200%で引張強度11〜30MP
    aの特性を有することを特徴とする請求項1および2に
    記載の海洋構造物の摩擦増大ゴムマット。
  4. 【請求項4】 係止凹部材が鋼製ナットであり、内径ね
    じの呼び径が10〜25mmである請求項1〜3に記載
    の海洋構造物の摩擦増大ゴムマット。
  5. 【請求項5】 鋼製ナットが外周より外側に延出するフ
    ランジを一体に有することを特徴とする請求項1〜4記
    載の海洋構造物の摩擦増大ゴムマット。
  6. 【請求項6】 係止凸部材が、マット面からの突出長さ
    (H)と外径(d)とがH/d<5.5でかつd=10〜2
    5mmである鋼製ボルトであり、突出部により海洋構造
    物に固定し、ねじ部を係止凹部材に螺止してなることを
    特徴とする請求項1〜4の摩擦増大ゴムマットの海洋構
    造物底部への取付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101408348B1 (ko) 2012-08-03 2014-06-17 대우조선해양 주식회사 해양 원자력 플랜트의 시공 방법
JP2014224407A (ja) * 2013-05-16 2014-12-04 三省水工株式会社 多段積みコンクリートブロックの耐震機能を向上させた堤体構造
KR101476166B1 (ko) * 2014-05-12 2014-12-24 대우조선해양 주식회사 해양 원자력 플랜트
KR101838451B1 (ko) 2017-10-23 2018-03-13 김배용 소방 교육용 체험복

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