JP2003082456A - 真空成膜装置 - Google Patents

真空成膜装置

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JP2003082456A
JP2003082456A JP2001277134A JP2001277134A JP2003082456A JP 2003082456 A JP2003082456 A JP 2003082456A JP 2001277134 A JP2001277134 A JP 2001277134A JP 2001277134 A JP2001277134 A JP 2001277134A JP 2003082456 A JP2003082456 A JP 2003082456A
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大雄 孫
Takefumi Azuma
健文 東
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ピン ファン
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貞夫 門倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板面内での光学膜厚の均一性の高い薄膜や
多層膜の成膜を可能とする真空成膜装置を提供するこ
と。 【解決手段】 基板保持部に保持された基板表面上に成
膜をおこなう真空成膜装置において、真空成膜室内に対
向ターゲット式スパッタ装置と反応性ガス導入装置と基
板保持部とを備える構成とした。また、真空成膜装置
に、光源から射出された照射光を集光して基板上に照射
する光照射部と、基板からの反射光または透過光を受光
するための受光部と、受光部により受光した光の光量を
信号として解析処理し、基板上に成膜された膜の光学膜
厚を算出する信号処理装置とを備えることとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空成膜装置に関
し、より詳細には、光学膜厚が面内で均一な薄膜の成膜
を可能とする真空成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、真空成膜して得られる光学材料
としての薄膜や多層膜は、その面内における光学膜厚の
均一性が要求される。特に、光通信分野でのDWDM
(DenseWavelength Division Multiplexing:高密度
波長分割多重)通信方式用波長分割フィルタ(いわゆる
DWDMフィルタ)は、表面を高精度に研磨したガラス
基板上に、屈折率の異なる誘電体薄膜を交互に数十〜数
百層積層した多層膜から構成され、所定の光学特性を有
するDWDMフィルタを得るためには、各薄膜の光学膜
厚を設計値に正確に一致させる必要があり、例えば、5
0GHz対応のDWDM通信方式用狭帯域波長分割フィ
ルタの場合には、各薄膜層の厚さの設計値からの誤差を
0.01%以下に押さえることが要請される。また、D
WDMフィルタの製造歩留まり向上のためには、基板上
に成膜される多層膜の光学膜厚をその面内で均一にする
ことも求められる。
【0003】薄膜の光学膜厚は、その屈折率と物理的膜
厚との積で与えられ、このうち屈折率は、成膜を予定し
ている薄膜の構成元素の種類と組成比に依存するから、
蒸着物質の供給源としてターゲットを用いるスパッタリ
ング法や電子ビーム蒸着法により薄膜形成を行う場合に
は、ターゲットの化学組成を予め適当に選択し、これを
蒸着源として薄膜形成を行うことで薄膜の屈折率を制御
する方法が採用される。
【0004】また、薄膜の組成が同一であっても、その
屈折率は膜の結晶状態に依存し、非晶質の屈折率と結晶
性のそれとは異なる。特に、結晶性の膜の屈折率は、そ
の結晶化度に応じた微妙な差異を有するため、DWDM
フィルタとしての用途を目的とする場合には、非晶質度
の高い薄膜を積層させて多層膜とすることが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
真空成膜装置では、成膜中の基板温度が100℃以上の
高温となるため、成膜基板表面に付着した成膜物質が膜
中に取り込まれる際に結晶化しやすく、その結晶化の程
度も基板温度に依存して変化してしまう。膜の屈折率
は、その結晶化の程度に応じてわずかに変化するから、
基板面内で均一な屈折率分布を有する薄膜や多層膜の成
膜が困難であるといった問題があった。
【0006】また、100℃以上の温度では、基板が変
形を起こしたり、熱応力に起因する膜中の歪が大きくな
るという問題もあった。
【0007】図5は、従来の真空成膜装置を用いて成膜
した光学薄膜が抱える問題点を説明するための図で、図
5(a)は、基板51の半径方向で基板温度勾配がある
場合の、基板51上に成膜した薄膜52中に存在する結
晶化部分53の分布状態を説明するための図で、図5
(b)は、基板54上に成膜した薄膜55中での、膜厚
方向での結晶化部分56の分布を説明するための図で、
更に、図5(c)は、基板57上に成膜した薄膜58中
に結晶化部分59が存在する場合の、膜の表面状態を説
明するための図である。
【0008】一般に、スパッタリング法や電子ビーム蒸
着法で薄膜を成膜する場合、基板の中心部への蒸着物質
供給量が多くなりやすい。成膜面とこれに飛来する蒸着
物質との衝突により熱が発生するため、基板の温度は、
その中心において高く、外周部において低い分布とな
る。そのため、成膜面に付着した蒸着物質は、基板温度
の比較的高い基板中心部において結晶化しやすく、薄膜
52中の結晶化部分53は、図5(a)に示すように、
基板51中心部で多く、周辺部で少ない分布を示す。
【0009】また、一旦非晶質状態で膜中に取り込まれ
た蒸着物質も、その後の成膜中において100℃以上の
温度でアニールを受けることとなるため、徐々に結晶化
が進行し、その結果、図5(b)に示すように、基板5
4との界面に近い領域で結晶化部分56が多く存在し、
薄膜55表面において少ないという分布を有する。
【0010】更に、非晶質膜中に局所的な結晶化部分が
存在すると、非晶質と結晶との原子密度の差に起因して
膜厚が局所的に不均一となり、図5(c)に示すよう
に、基板57上に成膜された薄膜58の表面の平坦性が
低下するため、交互に組成の異なる薄膜を多層に積層さ
せる際の薄膜同士の界面急峻性が低下し、その結果、平
坦な界面を有する多層膜の積層数が制限されるという問
題もあった。
【0011】膜中に存在する結晶化部分を非晶質させる
ために、従来の真空成膜装置にはイオン照射装置が備え
られ、成膜面にイオンを照射して、そのエネルギにより
膜中の結晶化部分を非晶質化する、いわゆるイオンアシ
スト法が採用されている。
【0012】しかしながら、アシストイオンによる膜へ
のダメージや逆スパッタリング効果のため、イオンアシ
スト法により成膜されて得られる薄膜や多層膜は、屈折
率の精密な制御や膜表面の高度平坦化の観点からは不充
分であった。
【0013】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、基板面内で
の光学膜厚の均一性が高い薄膜や多層膜の成膜を可能と
する真空成膜装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、請求項1に記載の真空成膜装置
は、真空成膜室内に対向ターゲット式スパッタ手段と反
応性ガス導入手段と基板保持手段とを備え、該基板保持
手段に保持された基板上に成膜をおこなうことを特徴と
する。
【0015】また、請求項2に記載の発明は、真空成膜
室内に対向ターゲット式スパッタ手段と反応性ガス導入
手段と基板保持手段とを備え、該基板保持手段に保持さ
れた基板上に成膜をおこなう真空成膜装置において、光
源から射出された照射光を集光して前記基板上に照射す
る光照射手段と、前記基板からの反射光または透過光を
受光するための受光手段と、該受光手段により受光した
光の光量を信号として解析処理し、前記基板上に成膜さ
れた膜の光学膜厚を算出する信号処理手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0016】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の真空成膜装置において、前記対向ター
ゲット式スパッタ手段に配置されるターゲットが、金属
であることを特徴とする。
【0017】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
乃至3いずれかに記載の真空成膜装置において、前記基
板保持手段は回転可能に構成され、該基板保持手段に保
持された基板を回転させながら成膜することを特徴とす
る。
【0018】また、請求項5に記載の薄膜または多層膜
は、請求項1乃至4いずれかに記載の真空成膜装置によ
り成膜されたことを特徴とする。
【0019】更に、請求項6に記載された非晶質薄膜ま
たはその多層膜は、請求項1乃至4いずれかに記載の真
空成膜装置により成膜されたことを特徴とする。
【0020】 [発明の詳細な説明]
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照しながら本発
明の真空成膜装置について詳述する。
【0021】図1は、本発明の真空成膜装置の構成例を
説明するための図で、真空成膜室101内には、磁界発
生用磁石102A〜102Dと金属のターゲット103
A、Bとから構成される対向ターゲットスパッタ装置1
04Aと、磁界発生用磁石102E〜102Hと金属の
ターゲット103C、Dとから構成される他の対向ター
ゲットスパッタ装置104Bと、基板保持部105とが
備えられ、真空成膜室101内は、真空成膜室外に設け
られた真空ポンプ107によって高真空に維持すること
が可能である。
【0022】基板保持部105には基板106が保持さ
れ、対向ターゲットスパッタ装置104Aおよび対向タ
ーゲットスパッタ装置104Bから成膜物質である金属
が供給される。
【0023】真空成膜室101の上部中央の外側にはモ
ータ108が設置されており、このモータの回転軸10
9が真空成膜室101内に貫通して延長され、その先端
部に基板保持部105が取り付けられている。従って、
基板保持部105に保持される基板106は、モータ1
08が回転することにより回転可能となっている。
【0024】対向ターゲットスパッタ装置104A、1
04Bのスパッタレート(成膜速度)は安定しており、
これらは制御装置110により制御されて、交互にスパ
ッタが行われる。
【0025】スパッタされた金属原子(若しくはイオ
ン)が基板106の成膜面に飛来すると、図示しない反
応性ガス導入装置により真空成膜室101内に導入され
た酸素や窒素等の反応性ガスと反応し、その結果、基板
106上にターゲット103A、103Bの金属の種類
に依存する屈折率を有する誘電体の薄膜が積層された多
層膜が得られる。
【0026】DWDM用フィルタは、例えば、厚さ10
mm程度の石英ガラス等の特殊ガラス基板上に厚さ17
0〜190nmのTaの薄膜と、厚さ240〜2
70nmのSiOの薄膜とを交互に重ねて80〜26
0層程度形成したものであり、例えば、直径40mm程
度の円板状の特殊ガラス基板上に上記多層膜を形成した
後、このガラス基板をカットして1.4×1.4mm
の四角形状の多数のチップにするという方法で製造され
る。
【0027】DWDMフィルタ用多層膜の形成は、先
ず、真空成膜室101内の対向ターゲットスパッタ装置
104A、104Bに、Ta薄膜蒸着用の蒸発源
たるTaのターゲット103A、B、及びSiO薄膜
蒸着用の蒸着源たるSiのターゲット103C、Dを設
置する。
【0028】次に、基板保持部105に特殊ガラスの基
板106を保持し、真空ポンプ107により真空成膜室
101内を1×10−5Pa以下の真空にまで排気した
後、モータ108によって基板106を800〜120
0rpmの速度で回転させながら、対向ターゲットスパ
ッタ装置104A、104Bを作動させて成膜物質であ
る金属を基板106に向けて飛翔させる。これらの金属
は、基板106の成膜面において酸素や窒素等の反応性
ガスと反応し、誘電体膜が成膜される。
【0029】図2は、本発明の真空成膜装置に備える対
向ターゲットスパッタ装置の構成例を説明するための図
で、対向ターゲットスパッタ装置200には、ターゲッ
トホルダ201Aにより保持されたターゲット202A
と、ターゲットホルダ201Bにより保持されたターゲ
ット202Bとが、所定の間隔dを隔てて対向して配置
されている。
【0030】ターゲットホルダ201Aの外側には、磁
界発生用の永久磁石203A、203Bが設けられてお
り、ターゲットホルダ201Bの外側には、磁界発生用
の永久磁石203C、203Dが設けられている。
【0031】このようなターゲットの対向空間内には、
図示しないガス導入部からアルゴンガス等のスパッタガ
スが導入される。
【0032】ターゲット202Aとターゲット202B
の各々を陰極とし、シールド板204A、204Bおよ
びシールド板204C、204Dをこれらのターゲット
202A、202Bに対する陽極としてスパッタ電力を
供給すると、ターゲットの対向空間内にスパッタプラズ
マが発生し、これによりターゲット202A、202B
がスパッタリングされる。
【0033】また、スパッタ現象によって発生する大量
の高エネルギ電子は、発生している磁場の効果によって
ターゲットの対向空間内に閉じ込められ、このような高
エネルギ電子がスパッタガスのイオン化を促進するよう
に作用し、スパッタ速度が大きくなり高速成膜が可能と
なる。
【0034】表1は、本発明の対向ターゲット式スパッ
タ装置により成膜したDWDMフィルタ用多層膜の特性
を、従来のイオンアシストスパッタリング装置およびイ
オンアシスト電子ビーム蒸着装置により成膜した多層膜
の特性と比較した結果を纏めたものである。なお、これ
らの多層膜は、半径40mmの基板上に、厚さ180n
mのTaの薄膜と、厚さ250nmのSiO
薄膜とを交互に200層(100ペア)重ねて積層させ
たものである。
【0035】
【表1】
【0036】イオンアシストスパッタリング法およびイ
オンアシスト電子ビーム蒸着法ともに、基板温度が10
0℃以上と高く、そのため、成膜される多層膜の膜質は
非晶質性の低い膜となっている。特に、イオンアシスト
電子ビーム蒸着法で成膜した多層膜の膜中には結晶化部
分の存在が明瞭に認められており、面内で均一な屈折率
を有する多層膜を得ることが困難である。
【0037】これに対して、対向ターゲット式スパッタ
リング法を用いた本発明の真空成膜装置で成膜した多層
膜は、その基板温度が100℃以下であることに起因し
て、非晶質度の高い膜が得られており、屈折率が面内で
均一な多層膜の成膜が可能である。
【0038】対向ターゲット式スパッタリング法を用い
た本発明の真空成膜装置で成膜した多層膜の物理的膜厚
の面内均一性は良好であり、その結果、各薄膜界面での
急峻性が高いため、100ペア以上の積層を行った多層
膜でも充分にDWDMフィルタとしての機能が担保され
ている。
【0039】更に、対向ターゲット式スパッタリング法
は、イオンアシストスパッタリング法およびイオンアシ
スト電子ビーム蒸着法に比較して成膜速度が大きいか
ら、成膜工程での高いスループットが得られ、DWDM
フィルタ製造のコスト低減を可能とすることが理解でき
る。
【0040】このように、対向ターゲット式スパッタリ
ング装置を備える本発明の真空成膜装置によれば、イオ
ンアシストなしで非晶質度の高い多層膜を面内均一に成
膜することが可能であると共に、基板温度が100℃以
下と低温であることから、従来は基板温度の制約から使
用が困難であった安価な有機材料基板の上に多層膜を成
膜することも可能となる。
【0041】上述した真空成膜装置の例では、成膜され
る薄膜の屈折率として予め設定された値を用い、成膜後
の薄膜の物理的膜厚を計測して、これらの値を基に薄膜
の光学膜厚を算出することとしている。
【0042】しかし、そのような間接的な光学膜厚の測
定により求められる値の精度が不充分な場合には、成膜
中の薄膜の光学膜厚を直接的に測定可能な真空成膜装置
の構成とすることにより、光学膜厚の測定精度を上げる
ことが有効である。
【0043】成膜中の薄膜を透過してくる信号光の位相
差は、照射光が薄膜を透過する際に薄膜の表裏面で生じ
る反射光同士の干渉作用により、薄膜の光学膜厚に伴っ
て周期的に変化し、光学膜厚がλ/4の整数倍に相当す
る場合において最大値又は最小値(信号ピーク)をと
る。この現象は、光学薄膜設計において最も重要な基本
原理であり、いわゆる「λ/4則」として広く知られて
いるものである。例えば、各々の薄膜がλ/4の光学膜
厚を有する多層膜を形成する場合には、信号強度ピーク
はλ/4に相当する光学膜厚毎に出現するから、このよ
うな信号光強度の変化を利用して光学膜厚を算出するこ
とができ、その結果に基づいてスパッタターゲットの切
り替えを行えば、多層膜を構成する各薄膜の光学膜厚を
設計値に正確に一致させる成膜条件の設定が可能となる
のである。
【0044】図3は、本発明の真空成膜装置の他の構成
例を説明するための図で、真空成膜室301内には、磁
界発生用磁石302A〜302Dと金属のターゲット3
03A、Bとから構成される対向ターゲットスパッタ装
置304Aと、磁界発生用磁石302E〜302Hと金
属のターゲット303C、Dとから構成される他の対向
ターゲットスパッタ装置304Bと、基板保持部305
とが備えられ、真空成膜室301内は、真空成膜室外に
設けられた真空ポンプ307によって高真空に維持する
ことが可能である。
【0045】基板保持部305には基板306が保持さ
れ、対向ターゲットスパッタ装置304Aおよび対向タ
ーゲットスパッタ装置304Bから成膜物質の金属が供
給され、図示しない反応性ガス導入装置からは、これら
の金属と反応する酸素または窒素等の反応性ガスが供給
される。なお、基板保持部305には、後述する理由に
より、所定の波長の光に対して透明な材質が用いられ
る。
【0046】真空成膜室301の上部中央の外側にはモ
ータ308が設置されており、このモータの回転軸30
9が真空成膜室301内に貫通して延長され、その先端
部に基板保持部305が取り付けられている。従って、
基板保持部305に保持される基板306は、モータ3
08が回転することにより回転可能となっている。
【0047】真空成膜室301の内部底面の一部の領域
には透明窓310が設けられており、真空成膜室301
外に設けられた、例えばハロゲンランプ等の光源からの
光が、光照射部311に光ファイバ312で導光され基
板の測定点に照射されるようになっている。この場合、
光照射部311は、移動軸313に固定され、移動軸3
13は、駆動機構314によって水平方向に移動自在に
なっている。これにより、基板306への照射光の照射
点(測定点)を、基板306の半径方向の任意の位置に
設定できるようになっている。
【0048】また、基板306の成膜面の裏面側には、
基板306を透過してきた透過光を受光するための受光
部315が配置され、この受光部315は、基板306
と平行に駆動機構316によって水平方向に移動自在な
移動軸317に取り付けられている。従って、受光部3
15は、基板306の上方で、基板306の半径方向の
照射光の照射点に一致するように受光位置を自在に選定
できるようになっている。
【0049】DWDMフィルタ用多層膜の形成は、先
ず、真空成膜室301内の対向ターゲットスパッタ装置
304A、304Bに、Ta薄膜蒸着用の蒸発源
たるTaのターゲット303A、B、及びSiO薄膜
蒸着用の蒸着源たるSiのターゲット303C、Dを設
置する。
【0050】次に、基板保持部305に特殊ガラスの基
板306を保持し、真空ポンプ307により真空成膜室
301内を1×10−5Pa以下の真空にまで排気した
後、モータ308によって基板306を800〜120
0rpmの速度で回転させながら、対向ターゲットスパ
ッタ装置304A、304Bを作動させて成膜物質であ
る金属を基板306に向けて飛翔させる。これらの金属
は、基板306の成膜面において酸素や窒素等の反応性
ガスと反応し誘電体膜が成膜される。
【0051】このような成膜と併せて、光照射部311
から射出された照射光Lが、多層膜が成膜されている
ガラスの基板306に照射され、その透過光は受光部3
15によって受光される。受光された透過光は、光ファ
イバ318によって信号処理装置319へと導かれ、信
号処理装置319は、透過光に含まれる光の波長領域の
光のうち解析対象である波長の光を信号光としてその信
号光Lを信号処理し、成膜中の膜の光学膜厚に相当する
物理量が算出され、この値をスパッタ装置制御部320
にフィードバックすることにより、成膜中の薄膜の光学
膜厚をモニタリングしながら多層膜の成膜が行われる。
【0052】図4は、本発明の真空成膜装置に備える信
号処理装置での信号光の解析処理を説明するための図
で、光照射部402から射出された光は、ガラス基板4
01を透過して受光部403により受光され、この信号
光は、光ファイバ404によって信号処理装置405を
構成するモノクロメータ406に入射する。
【0053】モノクロメータ406は、ガラス基板40
1を透過してきた透過光の波長領域(例えば、ハロゲン
ランプを光源とする場合には、λ=500〜2000n
m)から選択された所望の波長の光、例えば、光通信に
用いられる光の波長に対応するλ=1550nm近傍の
信号光のみを分光し、その波長の信号光のみを光検出器
407に導くためのものである。モノクロメータ406
の分光条件は、信号光として選択される光の波長及びガ
ラス基板401への照射光の照射角度の双方に依存する
から、これらの条件を基に予め適正な分光条件となるべ
く回折格子の設定等がなされている。
【0054】モノクロメータ406により分光された波
長1550nmの信号光は、これに接続された、例えば
光電子増倍管等の光検出器407へと導かれて光量を電
気信号へと変換した後、ロックインアンプ408で信号
増幅され、更にA/D変換器409で変換された後、光
学膜厚の算出等を行う為のコンピュータ(PC)410
に入力される。
【0055】PC410は、ランタイム毎の信号強度を
その記憶手段に記憶して、表示手段たるCRT411に
表示等するとともに、多層膜の設計に応じて、蒸着ター
ゲットを切り替えて次の薄膜形成を行わせたり、成膜を
停止させたりする信号を対向ターゲット式スパッタ装置
の制御装置へと送信する。
【0056】このように、対向ターゲット式スパッタ装
置を備える真空成膜装置に、上述の光学的手法による光
学膜厚測定装置を備えて薄膜の成膜を行うことにより、
より高精度の光学膜厚を有し、かつ、面内での光学膜厚
均一性の高い薄膜を得ることが可能となる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
成膜中の基板温度を100℃以下の低温とすることが可
能となり、その結果、基板の変形を抑制し、成膜された
膜の歪が低減されるとともに、イオンアシストなしで
も、成膜される膜の非晶質度が高く、屈折率が面内で均
一な多層膜の成膜が可能となる。
【0058】また、基板温度が100℃以下と低温であ
ることから、従来は基板温度の制約から使用が困難であ
った安価な有機材料基板の上に多層膜を成膜することも
可能となる。
【0059】また、成膜した多層膜の物理的膜厚の面内
均一性が向上し、その結果、各薄膜界面での急峻性が高
くなり、100ペア以上の積層を行っても充分にDWD
Mフィルタとしての機能を有する多層膜の成膜が可能と
なる。
【0060】また、成膜速度が大きいことから、成膜工
程での高いスループットが得られ、DWDMフィルタ製
造のコストの低減が可能となる。
【0061】更に、真空成膜装置に、光源から射出され
た照射光を集光して基板上に照射する光照射部と、基板
からの反射光または透過光を受光するための受光部と、
受光部により受光した光の光量を信号として解析処理
し、基板上に成膜された膜の光学膜厚を算出する信号処
理装置とを備える構成としたから、より高精度の光学膜
厚を有し、かつ、面内での光学膜厚均一性の高い薄膜を
得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空成膜装置の構成例を説明するため
の図である。
【図2】本発明の真空成膜装置に備える対向ターゲット
式スパッタ装置の構成例を説明するための図である。
【図3】本発明の真空成膜装置の他の構成例を説明する
ための図である。
【図4】本発明の真空成膜装置に備える信号処理装置で
の信号光の解析処理を説明するための図である。
【図5】従来の真空成膜装置を用いて成膜した光学薄膜
がかかえる問題点を説明するための図で、(a)は、基
板の半径方向で基板温度勾配がある場合の、基板上に成
膜した薄膜中に存在する結晶化部分の分布状態を説明す
るための図で、(b)は、基板上に成膜した薄膜中で
の、膜厚方向での結晶化部分の分布を説明するための図
で、更に、(c)は、基板上に成膜した薄膜中に結晶化
部分が存在する場合の、膜の表面状態を説明するための
図である。
【符号の説明】
51、54、57 基板 52、55、58 薄膜 53、56、59 結晶化部分 101 真空成膜室 102A〜H 磁界発生用磁石 103A〜D ターゲット 104A、B 対向ターゲット式スパッタ装置 105 基板保持部 106 基板 107 真空ポンプ 108 モータ 109 回転軸 110 制御装置 200 対向ターゲット式スパッタ装置 201A、B ターゲットホルダ 202A、B ターゲット 203A〜D 永久磁石 204A〜D シールド板 301 真空成膜室 302A〜H 磁界発生用磁石 303A〜D ターゲット 304A、B 対向ターゲット式スパッタ装置 305 基板保持部 306 基板 307 真空ポンプ 308 モータ 309 回転軸 310 透明窓 311 光照射部 312 光ファイバ 313 移動軸 314 駆動機構 315 受光部 316 駆動機構 317 移動軸 318 光ファイバ 319 信号処理装置 320 スパッタ装置制御部 401 ガラス基板 402 光照射部 403 受光部 404 光ファイバ 405 信号処理装置 406 モノクロメータ 407 光検出器 408 ロックインアンプ 409 A/D変換器 410 PC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 健文 埼玉県川越市竹野10番地1 株式会社オプ トラン内 (72)発明者 ファン ピン 埼玉県川越市竹野10番地1 株式会社オプ トラン内 (72)発明者 門倉 貞夫 東京都八王子市宇津木町940番地の165 株 式会社エフ・テイ・エスコーポレーション 内 Fターム(参考) 2H048 GA04 GA09 GA13 GA33 GA51 GA60 GA62 4K029 AA09 AA24 BA43 BA46 BB02 BC07 BD00 CA06 DC32 EA00 EA01 JA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空成膜室内に対向ターゲット式スパッ
    タ手段と反応性ガス導入手段と基板保持手段とを備え、 該基板保持手段に保持された基板上に成膜をおこなうこ
    とを特徴とする真空成膜装置。
  2. 【請求項2】 真空成膜室内に対向ターゲット式スパッ
    タ手段と反応性ガス導入手段と基板保持手段とを備え、
    該基板保持手段に保持された基板上に成膜をおこなう真
    空成膜装置において、 光源から射出された照射光を集光して前記基板上に照射
    する光照射手段と、 前記基板からの反射光または透過光を受光するための受
    光手段と、 該受光手段により受光した光の光量を信号として解析処
    理し、前記基板上に成膜された膜の光学膜厚を算出する
    信号処理手段とを備えることを特徴とする真空成膜装
    置。
  3. 【請求項3】 前記対向ターゲット式スパッタ手段に配
    置されるターゲットが、金属であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の真空成膜装置。
  4. 【請求項4】 前記基板保持手段は回転可能に構成さ
    れ、該基板保持手段に保持された基板を回転させながら
    成膜することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記
    載の真空成膜装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれかに記載の真空成
    膜装置により成膜されたことを特徴とする薄膜または多
    層膜。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4いずれかに記載の真空成
    膜装置により成膜されたことを特徴とする非晶質薄膜ま
    たはその多層膜。
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