JP2003080817A - パール調印刷物およびその印刷濃度管理方法 - Google Patents
パール調印刷物およびその印刷濃度管理方法Info
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Abstract
難しく、限度見本を定めておいても、発注者と印刷会社
とでは印刷仕上がり状態の判定を行なう際の条件が異な
り、印刷会社では明るい照明下で判定して、印刷濃度と
しては下限の限度見本の濃度と同等と判定出来るもの
が、発注者側では、下限の限度見本の濃度を下回ってい
ると見えることがある点を解消する。 【解決手段】 パールインキに、パール顔料以外に
(a)蛍光物質、(b)可視光領域に吸収を持つ色材を
微量に配合し、(a)の場合には、紫外線を照射して蛍
光発光を見ることにより、(b)の場合には、白色光下
での吸収を見ることにより、間接的にパール顔料の量を
判定し、これに基づいてパール調塗膜中のパール顔料の
量を増減して課題を解決することができた。
Description
珠のような光沢)のある印刷塗膜を有するパール調印刷
物の印刷塗膜(パール塗膜)中に、パール顔料とは光学
的特性の異なる色材を少量配合して、その色材がもたら
す光学的特性を評価することにより、濃度管理を容易に
したパール調印刷物に関するものである。また、本発明
は、そのような印刷物を、印刷物に合せた光で濃度の判
定を行なうか、もしくは判定結果に基づいて、インキの
転移量を増減することを含むパール調印刷物の印刷濃度
管理方法に関するものである。
れる黄色、赤色、青色、および黒色の4色の印刷用イン
キを用いて行なわれるか、ときには、各色のインキを適
宜な配合比で練って調色された特色インキを用いて行な
われる。
がある。金色や銀色等の金属色を表現したものや、パー
ル光沢(真珠のような色相および光沢)を表現した印刷
物である。特に、後者のパール光沢を表現したパール調
印刷物は、見た目に美しいだけでなく、見た目の色相と
カラーコピーで再現される色相とが異なるため、カラー
コピーによる偽造を防止するのに極めて有効である。
されたパール顔料が、通常の顔料とは異なり、二色性を
有していたり、あるいは干渉色を有しており、印刷され
た絵柄の輝度、色調が観察時の条件、例えば、照明の条
件や観察する角度条件等により、変化するため、印刷仕
上がり状態の判定が難しいと言う問題を抱えている。
は、どうしても仕上がり状態が若干変化するため、校正
の段階等で、印刷濃度が高い場合と低い場合等の二通り
の印刷物を、発注者と印刷会社との間で、限度見本とし
て定めておき、定めた範囲内で、印刷濃度等をコントロ
ールする場合がある。
に近い、色温度が5000°Kの蛍光灯が用いられるこ
とになっているが、発注者側で、同じ条件が確保されて
いない場合があり、元来、色の判定が難しいパール調印
刷物の色の判定をより困難にしており、上記のように、
限度見本を定めても、例えば、印刷会社では明るい照明
下で判定するために、印刷濃度としては下限の限度見本
の濃度と同等と判定出来るものが、発注者側で判定する
と、下限の限度見本の濃度を下回っていると見えること
すらある。
来、パール調印刷物を製造する際に、印刷仕上がり状態
の判定が難しく、発注者と印刷会社との間で、限度見本
を定めておいても、発注者と印刷会社とでは、印刷仕上
がり状態の判定を行なう際の条件が異なり、例えば、印
刷会社では明るい照明下で判定するために、印刷濃度と
しては下限の限度見本の濃度と同等と判定出来るもの
が、発注者側で判定すると、下限の限度見本の濃度を下
回っていると見えることがある点を解消することを課題
とする。
を製造する際に使用するパールインキ中に、パール顔料
以外に、パール顔料とは光学的特性の異なる色材を少量
含有させ、製造されたパール調印刷物中のパール顔料以
外色材に注目して、この色材が光を吸収するか、もしく
は特定の光を吸収して発光することを捉えて、判定する
ことにより、仕上がりの判定の困難なパール顔料ではな
く、判定の容易な色材を用いて間接的に判定することに
より、判定をより容易に、かつ確実に行なえることが判
明し、本発明に到った。
顔料とは光学的特性の異なる色材とを含有し、前記パー
ル顔料とは光学的特性の異なる色材が、前記パール顔料
に比べて配合量が少量であるパールインキを用いて形成
されたパール調塗膜が被印刷基材上に形成されたパール
調印刷物に関するものである。第2の発明は、第1の発
明において、前記パール顔料とは光学的特性の異なる色
材が蛍光物質であることを特徴とするパール調印刷物に
関するものである。第3の発明は、第1の発明におい
て、前記パール顔料とは光学的特性の異なる色材が可視
光領域で吸収を有する着色剤であることを特徴とするパ
ール調印刷物に関するものである。第4の発明は、第1
〜第3いずれかの発明において、前記パール調塗膜が平
版印刷法もしくは凸版印刷法により形成されたものであ
ることを特徴とするパール調印刷物に関するものであ
る。第5の発明は、第1の発明のパール調印刷物の前記
パール調塗膜に対し、前記パール調塗膜中の前記パール
顔料とは光学的特性の異なる色材が吸収するか、もしく
は吸収して発光を生じる波長の光を当て、前記の光を当
てたことにより生じた前記光の吸収、もしくは前記発光
を、予め定められた限度範囲を有する標準印刷物におけ
る前記光の吸収、もしくは前記発光と比較して、前記パ
ール調塗膜中の前記パール顔料の量を判定することを特
徴とするパール調印刷物の印刷濃度管理方法に関するも
のである。第6の発明は、第5の発明において、前記パ
ール調塗膜中の前記パール顔料の量を判定した結果に基
づき、被印刷基材に対する前記パールインキの転移量を
増減させることをさらに含むことを特徴とするパール調
印刷物の印刷濃度管理方法に関するものである。第7の
発明は、第5または第6の発明において、パール調印刷
物としては第2の発明のものを用い、紫外線を照射する
ことを特徴とするパール調印刷物の印刷濃度管理方法に
関するものである。第8の発明は、第5または第6の発
明において、パール調印刷物としては第3の発明のもの
を用い、白色光を照射することを特徴とするパール調印
刷物の印刷濃度管理方法に関するものである。第9の発
明は、第5〜第8いずれかの発明において、前記パール
調印刷物の前記パール調塗膜が平版印刷法もしくは凸版
印刷法により形成されたものであることを特徴とするパ
ール調印刷物の印刷濃度管理方法に関するものである。 [発明の詳細な説明]
刷基材上に、少なくとも、パール顔料、およびパール顔
料とは光学的特性の異なる色材とを含有するパールイン
キを用いて、印刷により形成されたパール調塗膜(もし
くはパール調印刷被膜)が形成されたものである。パー
ル調塗膜は、文字、記号、図形、地紋、絵、もしくは写
真等の任意のパターン状に形成されており、これらのパ
ターンはパール調印刷物の用途やデザイン的な要請によ
り適宜に決められる。
調塗膜に加えて、パール調塗膜ではない、通常のインキ
を用いて、印刷により形成された通常の印刷塗膜(もし
くは通常の印刷被膜)が形成されたものであってもよ
く、通常の印刷塗膜は、パール調塗膜と並んでいても、
あるいはパール調塗膜の下地を形成していてもよい。通
常の印刷塗膜は、パール調塗膜の一部を覆う程度であれ
ば、パール調塗膜上にあってもよい。
は、後述する用途にもよるが、例えば、合成樹脂のカー
ドやフィルム、紙、合成紙、セラミックスボードなどを
挙げることができる。カードやフィルムに用いることが
できる合成樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリエチ
レンテレフタレート、ナイロン、酢酸セルロース、エチ
ルセルロース、硝酸セルロース、プロピルセルロース等
を挙げることができる。
級印刷紙、OCR紙、MICR紙、コート紙、軽量コー
ト紙、キャストコート紙(ミラーコート紙)、エンボス
紙、アートポスト紙、アート紙、薄葉印刷紙、微塗工印
刷用紙、増白剤含有紙、パラフィン紙、樹脂含浸紙、合
成紙、ファンシーコーテッドペーパー、純白ロールコー
ト紙、色上質紙、蛍光紙、官製ハガキなどの特殊印刷用
紙等を挙げることができる。基材は、透明、半透明、不
透明のいずれであっても構わない。また、基材の色、形
状、層構造、製法、物理的性質も特に限定されない。た
だし、インキに配合されるパール顔料の配向性が良好で
あるのが好ましいため、基材に直接インキを印刷する場
合にはある程度の平滑性を有していることが好ましい。
料、およびパール顔料とは光学的特性の異なる色材とを
含有するパールインキを用いて形成される。パールイン
キのインキタイプは、印刷方式によって決まるが、オフ
セット印刷用インキ、凸版印刷用インキ、グラビア印刷
用インキ、もしくはシルクスクリーン印刷インキ等であ
り得る。いずれの印刷方式において使用するインキも基
本的には、色材(顔料、染料等)、ビヒクル(油脂、樹
脂、溶剤等)、および補助剤(コンパウンド、ドライヤ
ー、分散剤、消泡剤、可塑剤等)からなっているが、特
徴的な部分はパール顔料、およびパール顔料とは光学的
特性の異なる色材である。
りの真珠粉や貝殻の内側部分の粉等を使用したが、現在
では、微細なフレーク(薄片)の外側を、金属酸化物も
しくは金属酸化物の混合物により被覆したものを使用す
る。微細なフレークとしては、雲母、タルク、カオリ
ン、オキシ塩化ビスマス、あるいは、ガラスフレーク、
SiO2フレーク、Al2O3フレーク、もしくは合成セ
ラミックのフレーク等があり、これらの微細なフレーク
の外側を被覆する金属酸化物の例としては、TiO2、
Fe2O3、SnO2、Cr2O3、もしくはZnOがあ
る。これらの組合わせの中でも、雲母、ガラスフレー
ク、もしくはSiO2フレークを、TiO2被覆および/
またはFe2O3被覆されたものが好ましい。パール顔料
の個々のフレークの大きさは、1〜100μmである。
記のものを自製してもよいが、メルク・ジャパン(株)
製の商品名「Iriodin」、または資生堂(株)製
の商品名「インフィニットカラー」等の市販品を使用す
ることができる。
る、パール顔料とは光学的特性の異なる色材とは、具体
的には、(1)蛍光顔料、より好ましくは、紫外光を吸
収して可視光を発光するタイプの蛍光物質、および
(2)可視光領域で吸収を有する着色剤である。
光体として、例えば、Y2O3:Eu、YVO4:Eu、
Y202S:Eu、3.5MgO、0.5MgF2Ge
O2:Mn、(Y,Gd)BO3:Eu、Y(P,V)O
4:Euなどを挙げることができる。また、緑発光無機
蛍光体として、例えばZnO:Zn、Zn3SiO2:M
n、Zn3S:Cu,Al、(Zn,Cd)S:Cu,
Al、ZnS:Cu,Au,Al、Zn2SiO4:M
n、ZnS:Ag,Cu、(Zn,Cd)S:Cu、Z
nS:Cu、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、Y
2SiO5:Ce,Tb、Zn2GeO4:Mn、CeMg
Al11O13:Tb、SrGa2S4:Eu2+、ZnS:C
u,CO、MgO・nB2O3:Ce,Tb、LaOB
r:Tb,Tm、La2O2S:Tb、ZnS:Cu(M
n)などを挙げることができる。さらに、青発光無機蛍
光体として、例えばZnS:Ag、CaWO4 、Y2S
iO5:Ce、ZnS:Ag,Ga,Cl、Ca2B5O3
Cl:Eu2+、BaMgAl14O23:Eu2+、Sr
3(PO4)3Cl:Euなどを挙げることができる。
ベンジスルホン酸、イミダゾール、クマリン、トリアゾ
ール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾ
ロンなどの誘導体、フルオレセイン、エオシンなどの色
素、アントラセンなどのベンゼン環を有する化合物など
を挙げることができる。
としては、染料、または無機顔料もしくは有機顔料から
なる顔料が使用できるが、耐久性の点で、顔料を使用す
ることがより好ましい。使用できる無機顔料としては、
二酸化チタン、黄色酸化鉄、弁柄(Fe2O3)、紺青、
群青、もしくはカーボンブラック等を挙げることがで
き、有機顔料としては、ファストイエロー、ジスアゾイ
エロー、パーマネントイエロー、ノバパームオレンジ、
ピラゾロンレッド、レーキレッドC、フタロシアニンブ
ルー、もしくはフタロシニングリーン等を挙げることが
できる。顔料の種類は非常に多いので、ここにはよく用
いられるもののみを例示する。
は、パールインキ中に配合して分散させるか、もしく
は、パール顔料を含まず、パール顔料とは光学的特性の
異なる色材を配合して得られたインキを、パールインキ
に加えて混合することにより、パール顔料と、パール顔
料とは光学的特性の異なる色材とを含有するパールイン
キを調製することができる。
吸収を有する着色剤は、パール調塗膜において、パール
顔料の配合量を100とするとき、1以上とすることが
好ましく、下限値未満では濃度の確認が困難である。た
だし、作用する蛍光剤の蛍光強度、および着色剤の色調
に応じて適宜調節が必要である。
料とは光学的特性の異なる色材とを含有するパールイン
キを用いての印刷は、それぞれのインキタイプに応じた
印刷方法にて行なう。印刷法として、平版印刷法、もし
くは凸版印刷法を利用すると、汎用性の高い印刷法であ
るので、通常の印刷塗膜を設ける際の印刷法以外に、特
別の印刷手段を講じる必要がなく、むしろ、インライン
で、通常の印刷塗膜、およびパール調塗膜を同時に形成
し得る利点もあるので、好ましい。得られた印刷物の評
価は、蛍光物質を含有するパールインキを用いたとき
は、好ましくは、紫外線を照射して、分光光度計を用い
て、発光する蛍光の強度を測定することにより行ない、
可視光領域で吸収を有する着色剤を含有するパールイン
キを用いたときは、白色光を照射し、分光光度計を用い
て、光の吸収を測定することにより行なう。もしくは肉
眼判定も有効である。
パール顔料とは光学的特性の異なる色材とを含有するパ
ールインキを用いてパール調塗膜を有するパール調印刷
物を形成し、予め定めた限度見本を参照用もしくは較正
用として用い、測定結果を限度見本の測定結果と比較す
る。ここで、限度見本とは、従来技術の説明において述
べたように、デザイン的、もしくはその他の理由により
許容し得る印刷濃度が高い方の限界と低い方の限界とし
て定められた印刷物である。
調印刷物の方が、パール調塗膜におけるパール顔料とは
光学的特性の異なる色材の量が多いと判定されたとき
は、印刷条件を変更して、パール調塗膜におけるパール
顔料とは光学的特性の異なる色材の量を限度内に納まる
よう減らし、また、得られたパール調印刷物の方が、パ
ール調塗膜におけるパール顔料とは光学的特性の異なる
色材の量が少ないと判定されたときは、印刷条件を変更
して、パール調塗膜におけるパール顔料とは光学的特性
の異なる色材の量を限度内に納まるよう増やす。
的特性の異なる色材の量を減らす、もしくは増やすに
は、印刷条件の変更によりパールインキの転移量を減ら
す、もしくは増やす。具体的にパールインキの転移量を
減らすには、版ローラへのインキ供給量を減らして、イ
ンキの付着量を減らす、もしくは版ローラとバックアッ
プローラとの間の圧力を下げて印圧を低くする等により
行ない、パールインキの転移量を増やすには、これとは
逆に、版ローラへのインキ供給量を増やして、インキの
付着量を増やす、もしくは版ローラとバックアップロー
ラとの間の圧力を増して印圧を増加させる等により行な
うことができる。
パスポート、キャッシュカード、クレジットカード、キ
ーカード、紙幣、有価証券、権利書、機密文書、切符、
宝くじ、抽選券、乗車券、入場券といった盗用・偽造を
防ぐ必要があるものものや、ポスター、カレンダー、手
帳、ノート、便箋、はがき、包装紙、紙袋といった意匠
性が重視されるもの等の各用途に幅広く利用することが
できる。
し、パールインキに蛍光物質として有機系蛍光染料を配
合したタイプ、および(b)同じパールインキに黒色顔
料を配合したタイプの二タイプのインキを、配合比を変
えて作成し、オフセット印刷により絵柄を印刷した。印
刷の際には、一タイプ一配合比のインキについて、イン
キキーの開度を。パールインキのみでは印刷濃度差が確
認困難な範囲で二点、設定して、インキの転移量を増減
した二種類の印刷物を作成した。インキキーの開度の設
定は、ネジの回転によって行ない、インキキーを完全に
閉めた状態からのネジの回転数により、同じ開度が再現
できるようにした。「表1」に(a)のタイプのインキ
を用いた場合、「表2」に(b)のタイプのインキを用
いた場合につき、各々の配合比における二種類の印刷物
が濃度差があると判定できるかどうかを評価した評価結
果を示す。ただし、(a)のタイプのインキを用いた場
合については、印刷物にブラックライトにより紫外線を
照射し、(b)のタイプのインキを用いた場合について
は、白色光下で判定した。評価結果の△は、目視で二種
類の印刷物の濃度差の判定がつかないことを、○は、目
視で二種類の印刷物の濃度差の判定がつくことを意味す
る。また、「表1」および「表2」中、*の配合量は、
パールインキ100部に対する配合部数(質量基準)で
ある。
ンキ中のパール顔料100に対して蛍光物質を0.5配
合した場合、および黒色顔料を0.5配合した場合に
は、配合量が少ないため、蛍光発光、もしくは光の吸収
が少なく、蛍光や光の吸収の差の判定は困難であるが、
蛍光物質を1以上配合した場合、および黒色顔料を1以
上配合した場合には、蛍光発光、もしくは光の吸収の度
合いが異なるため、パール調塗膜を形成するのに要した
パールインキの転移量の多少が判定でき、判定した結果
に基づき、パール顔料の量を適切な範囲になうよう増減
することが可能になる。
物を構成するためのパールインキに、パール顔料以外
に、パール顔料とは光学的特性の異なる色材を少量配合
することにより、パール顔料以外に配合した色材の光学
特性を利用して、間接的にパール顔料の量を知ることが
でき、印刷濃度の判定が容易になるパール調印刷物を提
供することができる。請求項2の発明によれば、請求項
1の発明の効果に加え、パール顔料以外に配合した色材
が蛍光物質であるので、紫外線を照射することにより蛍
光発光するので、蛍光発光の程度を利用して、間接的に
パール顔料の量を知ることができ、印刷濃度の判定が容
易になるパール調印刷物を提供することができる。請求
項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、パ
ール顔料以外に配合した色材が可視光領域で吸収を有す
る着色剤であるので、白色光照明時の光の吸収の程度に
より紫外線を照射することにより蛍光発光するので、蛍
光発光を利用して、間接的にパール顔料の量を知ること
ができ、印刷濃度の判定が容易になるパール調印刷物を
提供することができる。請求項4の発明によれば、請求
項1〜請求項3いずれかの発明の効果に加え、汎用性の
高い印刷法を利用でき、通常の印刷とパール調塗膜とを
インラインで印刷することが可能となる利点をも有す
る、印刷濃度の判定が容易になるパール調印刷物を提供
することができる。請求項5の発明によれば、請求項1
の発明のパール調印刷物の塗膜が、パール顔料以外に含
有する色材が吸収する光を当てたときの吸収、もしくは
吸収して発光する波長の光を当てたときの発光を、予め
定められた限度範囲を有する標準印刷物の場合と比較す
ることにより、パール顔料の量を容易に判定し得るパー
ル調印刷物の印刷濃度管理方法を提供することができ
る。請求項6の発明によれば、請求項5の発明の効果に
加え、さらに、パール顔料の量の判定結果に基づき、被
印刷基材に対する前記パールインキの転移量を増減させ
ることにより、パール調印刷物の塗膜中のパール顔料の
量を、予め定めた範囲内とすることが容易なパール調印
刷物の印刷濃度管理方法を提供することができる。請求
項7の発明によれば、請求項5または請求項6の発明の
効果に加え、請求項2の発明の蛍光顔料を配合したパー
ル調印刷物を用い、紫外線を照射して蛍光発光を起こさ
せることにより、通常の状態では見えにくいが、紫外線
照射の手段を用いることにより、パール顔料の量を容易
に判定し得るパール調印刷物の印刷濃度管理方法を提供
することができる。請求項8の発明によれば、請求項5
または請求項6の発明の効果に加え、請求項3の発明の
可視光領域で吸収を有する着色剤を配合したパール調印
刷物を用い、白色光を照明として用いて、その吸収を見
ることにより、パール顔料の量を容易に判定し得るパー
ル調印刷物の印刷濃度管理方法を提供することができ
る。請求項9の発明によれば、請求項5〜請求項8いず
れかの発明の効果に加え、汎用性の高い印刷法を利用し
て行なう場合にも、あるいは、通常の印刷とパール調塗
膜とをインラインで印刷する場合にも、適用可能となる
利点をも有する、パール調印刷物の印刷濃度管理方法を
提供することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 パール顔料と、前記パール顔料とは光学
的特性の異なる色材とを含有し、前記パール顔料とは光
学的特性の異なる色材が、前記パール顔料に比べて配合
量が少量であるパールインキを用いて形成されたパール
調塗膜が被印刷基材上に形成されたパール調印刷物。 - 【請求項2】 前記パール顔料とは光学的特性の異なる
色材が蛍光物質であることを特徴とする請求項1記載の
パール調印刷物。 - 【請求項3】 前記パール顔料とは光学的特性の異なる
色材が可視光領域で吸収を有する着色剤であることを特
徴とする請求項1記載のパール調印刷物。 - 【請求項4】 前記パール調塗膜が平版印刷法もしくは
凸版印刷法により形成されたものであることを特徴とす
る請求項1〜請求項3いずれか記載のパール調印刷物。 - 【請求項5】 請求項1記載のパール調印刷物の前記パ
ール調塗膜に対し、前記パール調塗膜中の前記パール顔
料とは光学的特性の異なる色材が吸収するか、もしくは
吸収して発光を生じる波長の光を当て、前記の光を当て
たことにより生じた前記光の吸収、もしくは前記発光
を、予め定められた限度範囲を有する標準印刷物におけ
る前記光の吸収、もしくは前記発光と比較して、前記パ
ール調塗膜中の前記パール顔料の量を判定することを特
徴とするパール調印刷物の印刷濃度管理方法。 - 【請求項6】 前記パール調塗膜中の前記パール顔料の
量を判定した結果に基づき、被印刷基材に対する前記パ
ールインキの転移量を増減させることをさらに含むこと
を特徴とする請求項5記載のパール調印刷物の印刷濃度
管理方法。 - 【請求項7】 パール調印刷物としては請求項2記載の
ものを用い、紫外線を照射することを特徴とする請求項
5または請求項6載のパール調印刷物の印刷濃度管理方
法。 - 【請求項8】 パール調印刷物としては請求項3記載の
ものを用い、白色光を照射することを特徴とする請求項
5または請求項6記載のパール調印刷物の印刷濃度管理
方法。 - 【請求項9】 前記パール調印刷物の前記パール調塗膜
が平版印刷法もしくは凸版印刷法により形成されたもの
であることを特徴とする請求項5〜請求項8いずれか記
載のパール調印刷物の印刷濃度管理方法。
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