JP2003079764A - ウレタンカバーを有するゴルフボール - Google Patents

ウレタンカバーを有するゴルフボール

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JP2003079764A
JP2003079764A JP2001276410A JP2001276410A JP2003079764A JP 2003079764 A JP2003079764 A JP 2003079764A JP 2001276410 A JP2001276410 A JP 2001276410A JP 2001276410 A JP2001276410 A JP 2001276410A JP 2003079764 A JP2003079764 A JP 2003079764A
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golf ball
cover
urethane prepolymer
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core
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JP2001276410A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Yokota
政利 横田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、チャンキング性、反発性、打球感、
コントロール性を満足できる熱硬化性ポリウレタンカバ
ーを有するソリッドゴルフボールを提供する。 【解決手段】 ハイシス1,4−ポリブタジエンを含む
ゴム組成物の加硫体からなるソリッドコアと;該ソリッ
ドコアを被覆する、イソシアネート基末端ウレタンプレ
ポリマーと芳香族ポリアミン化合物とを含む組成物の硬
化体で構成されるポリウレタンカバーとを含むソリッド
ゴルフボールであって、前記ソリッドコアの任意の位置
におけるショア硬度の差が5以下で、前記ソリッドコア
に初荷重98Nから終荷重1275N負荷したときの該
ソリッドコアの変形量が2.80〜3.50mmであ
り、且つ前記硬化体のショアD硬度が35〜55であ
り、前記ポリウレタンカバーの厚みが0.5〜1.5m
mである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソリッドコアを熱
硬化性ポリウレタンカバーで被覆してなるゴルフボール
に関するもので、特に反発性、打球感、コントロール性
を向上させたウレタンカバーを有するゴルフボールに関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】加硫ゴ
ム球体をソリッドコアとして用いるソリッドゴルフボー
ルのカバーには、耐久性に優れているという点から、主
に、アイオノマー樹脂製カバーが用いられている。しか
し、アイオノマー樹脂製カバーは、バラタゴム製カバー
に比べて打撃時にゴルファーが受ける衝撃が大きく打球
感が劣る傾向にある。
【0003】アイオノマーカバーの打球感を向上するた
めに、例えば、特許第2709950号では、オレフィ
ン−不飽和カルボン酸共重合体のナトリウム塩又は亜鉛
塩の硬質アイオノマーと、オレフィン−不飽和カルボン
酸−不飽和カルボン酸エステルターポリマーのナトリウ
ム塩または亜鉛塩の軟質アイオノマーを混合して用いた
混合アイオノマーカバーが提案されている。軟質アイオ
ノマーをブレンドすることにより、打球感をソフトにす
ることができるが、その反面、反発性が低下し、さらに
は打撃時の耐擦傷性(チャンキング性)が低下するな
ど、アイオノマーカバー本来の長所が損なわれる。
【0004】近年、バラタカバーに近い打球感を達成
し、バラタよりも耐久性を有する安価なカバー材料とし
て、ポリウレタンが注目されている。例えば、特許第2
662909号では、反応の遅いポリアミン硬化剤でウ
レタンプレポリマーを硬化したポリウレタンカバーが開
示されている。また、特開平9−215778号では、
熱可塑性ポリウレタンを用いたカバーが提案されてい
る。
【0005】ウレタンプレポリマーとポリアミン硬化剤
との反応が速く、急激に粘度上昇するため、カバーの成
形が困難という問題があった。特許第2662909号
では、反応の遅いポリアミン硬化剤を用いることで、ウ
レタンプレポリマーとポリアミン硬化剤の反応進行によ
る急激な粘度上昇を抑えているものの、ウレタンプレポ
リマーの種類、硬化剤の種類、これらの組み合わせ等に
よって、粘度上昇が速くて、カバー成形が困難な場合が
ある。また、成形できた場合であっても、反発性、スピ
ン性能、チャンキング性の点で十分とは言えず、更なる
向上が求められている。
【0006】一方、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
を用いる場合、成形性という点で熱硬化性ポリウレタン
カバーより優れているものの、3次元的架橋点を有して
いないため、熱硬化性ポリウレタンカバーやアイオノマ
ーカバーと比べて耐摩耗性、引き裂き強度、チャンキン
グ性が劣っている。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、成形性、チャン
キング性、反発性、打球感、コントロール性を満足でき
る熱硬化性ポリウレタンカバーを有するソリッドゴルフ
ボールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のウレタンカバー
を有するゴルフボールは、ハイシス1,4−ポリブタジ
エンを含むゴム組成物の加硫体からなるソリッドコア
と、該ソリッドコアを被覆する、イソシアネート基末端
ウレタンプレポリマーと芳香族ポリアミン化合物とを含
む組成物の硬化体で構成されるポリウレタンカバーとを
含むソリッドゴルフボールであって、前記ソリッドコア
の任意の位置におけるショア硬度の差が5以下で、前記
ソリッドコアに初荷重98Nから終荷重1275N負荷
したときの該ソリッドコアの変形量が2.80〜3.5
0mmであり、且つ前記硬化体のショアD硬度が35〜
55であり、前記ポリウレタンカバーの厚みが0.5〜
1.5mmである。
【0009】前記イソシアネート基末端ウレタンプレポ
リマーにおける残存ポリイソシアネート単量体の含有率
が0.5質量%以下であることが好ましく、前記イソシ
アネート基末端ウレタンプレポリマーは、TDI系ウレ
タンプレポリマー、MDI系ウレタンプレポリマー及び
水素添加MDI系ウレタンプレポリマーからなる群より
選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0010】前記芳香族ポリアミン化合物は、下記一般
式で表わされる4,4'−ジアミノジフェニルメタン及
びその誘導体であることが好ましい。
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R1からR8は、それぞれ炭素数が
1〜9のアルキル基、ハロゲン原子又は水素原子のいず
れかを表わす。) 前記ゴム組成物には、下記構造式を有するジフェニルジ
スルフィド類が含有されていることが好ましい。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、X1〜X10は、水素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子、及びシアノ基よりなる郡か
ら選択される少なくとも1種であり、それぞれ同一であ
っても異なっていてもよい。)
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のソリッドゴルフボール
は、ほぼ均質な加硫ゴム体で構成されるソリッドコア
を、特定のポリウレタンカバーで被覆したことに特徴を
有している。
【0016】はじめに、本発明で用いられるポリウレタ
ンカバーについて説明する。本発明で用いられるポリウ
レタンカバーは、イソシアネート基末端ウレタンプレポ
リマーと芳香族ポリアミン化合物とを含む組成物(以
下、「ウレタンカバー用組成物」という)の硬化体で構
成されている。
【0017】本発明で使用されるイソシアネート基末端
ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基をウレタン
プレポリマー分子鎖中に少なくとも2以上有するもので
ある。ウレタンプレポリマー分子鎖中のイソシアネート
基の位置は限定されず、ウレタンプレポリマー分子鎖主
鎖末端にあってもよいし、側鎖末端にあってもよい。前
記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは、ポリ
オールのヒドロキシル基に対するポリイソシアネート化
合物のイソシアネート基のモル比を過剰にした状態で、
両者を反応させて得られる。
【0018】イソシアネート基末端ウレタンプレポリマ
ーの原料として用いられるポリイソシアネート化合物は
特に限定しないが、2,4−トルエンジイソシアネー
ト、2,6−トルエンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート(具体的には2,4−トリレンジイソシアネ
ートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物(TD
I))、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、MDIとMDIより多核化及び多官能化し
たMDIオリゴマーとの混合物(ポリメリックMD
I)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(ND
I)、3,3'−ビトリレン−4,4'−ジイソシアネー
ト(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等
の芳香族ジイソシアネート;4,4'−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、ヘキサ
メチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソ
シアネート(IPDI)等の脂環式ジイソシアネート又は脂
肪族ジイソシアネート等のうちの1種または2種以上の
混合物が挙げられる。これらのうち、得られるポリウレ
タンカバーの機械的特性及びゴルフボールの反発性や耐
候性・耐水性が良好であるという点から、TDI若しく
はMDIが好ましく用いられる。
【0019】イソシアネート基末端ウレタンプレポリマ
ーの原料として用いられるポリオールとしては、水酸基
を複数有するものであれば、低分子量化合物、高分子量
化合物の如何を問わない。低分子量のポリオールとして
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール等のジオール;グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなど
のトリオールが挙げられる。高分子量のポリオールとし
ては、活性水素を持つ開始剤とアルキレンオキサイドと
の反応によって得ることができるポリエーテルポリオー
ル;アジピン酸等の2塩基酸とグリコール又はトリオー
ルとの脱水縮合によって得られる縮合系ポリエステルポ
リオール;ε−カプロラクタム等のラクタムの開環重合
によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;
環状ジオールを用いて合成されるポリカーボネートジオ
ール;アクリル系共重合体に適宜水酸基を導入してなる
アクリルポリオールなどのポリマーポリオールが挙げら
れる。前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキ
シエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール
(PTMG)等が挙げられ、縮合系ポリエステルポリオ
ールとしてはポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリ
ブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンア
ジペート(PHMA)などが挙げられ、ラクトン系ポリ
エステルポリオールとしてはポリ−ε−カプロラクトン
(PCL)などが挙げられる。反発性及び耐水性に優れ
ているという点からは、好ましくはポリエーテルポリオ
ール、さらに好ましくはポリオキシテトラメチレングリ
コールが使用される。これらのうち、ポリオキシテトラ
メチレングリコールが好ましく用いられる。
【0020】従って、イソシアネート基末端ウレタンプ
レポリマーとしては、TDI系ウレタンプレポリマー、
MDI系ウレタンプレポリマー及び水素添加MDI系ウ
レタンプレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも
1種が好ましく用いられ、より好ましくは、TDI系ウ
レタンプレポリマー、MDI系ウレタンプレポリマー又
はこれらの混合物が用いられる。
【0021】ここで、前記TDI系ウレタンプレポリマ
ーとは、TDI又はTDIを主成分とするポリイソシア
ネート化合物とポリオール(好ましくはポリテトラメチ
レングリコール)とを反応することにより得られるイソ
シアネート基末端ウレタンプレポリマーのことをいい、
前記MDI系ウレタンプレポリマーとは、MDI又はは
MDIを主成分とするポリイソシアネート化合物とポリ
オール(好ましくはポリテトラメチレングリコール)と
を反応することにより得られるイソシアネート基末端ウ
レタンプレポリマーのことをいい、水素添加MDI系ウ
レタンプレポリマーとは、水素添加MDI又はこれを主
成分とするポリイソシアネート化合物とポリオール(好
ましくはポリテトラメチレングリコール)とを反応する
ことにより得られるイソシアネート基末端ウレタンプレ
ポリマーのことをいう。
【0022】イソシアネート基末端ウレタンプレポリマ
ーにおける残存するポリイソシアネート単量体の含有量
は0.5質量%以下のものであることが好ましく、より
好ましくは0.3質量%以下、特に0.1質量%以下が
好ましい。残存ポリイソシアネート単量体とは、イソシ
アネート基末端ウレタンプレポリマー中に残存している
未反応のポリイソシアネート化合物のことをいう。イソ
シアネート基末端ウレタンプレポリマー中の残存ポリイ
ソシアネート単量体の含有率は、(イソシアネート基末
端ウレタンプレポリマー中に残存しているポリイソシア
ネート単量体の質量/イソシアネート基末端ウレタンプ
レポリマーの全質量)×100で定義され、ガスクロマ
トグラフィーによって定量することができる。前記ポリ
イソシアネート単量体の含有率が0.5質量%を超える
と、ポリウレタンカバー用組成物中に析出物が発生しや
すくなる。前記析出物が発生する機構は明確でないが、
残存ポリイソシアネート単量体とポリアミン硬化剤との
反応生成物が析出するものと推定される。このような析
出物の発生は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリ
マーとポリアミン硬化剤との反応を不均一にする原因と
なり、その結果、均質なポリウレタンカバーの作製が困
難となる。不均質なポリウレタンカバーは、カバーの耐
久性に影響を及ぼし、特にチャンキング性が低下する。
またウェット時のスピン量が減少する傾向にある。
【0023】前記残存ポリイソシアネート単量体の含有
率が0.5質量%以下であるイソシアネート基末端ウレ
タンプレポリマーの具体例としては、ユニロイヤル社か
ら市販されているアジプレンLF900A、LF950
A、LF800A、LF600D等が挙げられる。
【0024】本発明で使用される芳香族ポリアミン化合
物とは、少なくとも2以上のアミノ基が芳香環に結合し
ている化合物をいい、1つの芳香環に2以上のアミノ基
が結合しているフェニレンジアミンタイプでもよいし、
1つのアミノ基が1つの芳香環に結合しているアミノフ
ェニル基を2個以上含むポリアミノベンゼンタイプでも
よい。アミノ基同士の影響、立体障害による影響が少な
くて済むという点から、ポリアミノベンゼンタイプが好
ましく用いられる。ポリアミノベンゼンタイプは、2つ
のアミノフェニル基が直接結合しているジアミノベンゼ
ンでもよいし、2つのアミノフェニル基が低級アルキレ
ン基やアルキレンオキシド基を介在して結合していても
よい。これらのうち、低級アルキレン基を介して2つの
アミノフェニル基が結合しているジアミノジフェニルア
ルカンが好ましく、特に下記一般式で示される4,4'
−ジアミノジフェニルメタン及びその誘導体が好まし
い。p体でしかもアミノフェニル基間に介在する分子鎖
がそれ程長くない場合には、ハードセグメントにあたる
ベンゼン核が直線状に平面的に並列することが可能とな
り、ウレタン結合、尿素結合、及びベンゼン核の水素結
合や分子間の凝集エネルギーが高率よくいかせることに
なるため、反発性が向上し、またチャンキング性等のカ
バー強度、カバーの耐久性も向上する傾向にあるからで
ある。
【0025】
【化5】
【0026】(式中、R1からR8は、それぞれ炭素数が
1〜9のアルキル基、ハロゲン原子又は水素原子のいず
れかを表わす。) 前記アルキル基は、炭素数が1〜9のアルキル基、具体
的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチ
ル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基、n−ノニル基等の直鎖状のアルキ
ル基;i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、ネオペンチル基等の分枝状のアルキ
ル基;シクロプロピル基、シクロヘキシル基等の脂環式
アルキル基等が挙げられる。これらのうち、立体障害が
少ないという点から、メチル基、エチル基が好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素等が挙げられ、好ましくは塩素及び臭素である。R1
からR8のアルキル基やハロゲン原子は、それぞれ異な
るアルキル基やハロゲン原子であっても良い。前記4,
4'−ジアミノジフェニルメタン誘導体としては、例え
ば、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニル
メタン、3,3'−ジメチル−5,5'−ジエチル−4,
4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3',5,5'−
テトラメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、
3,3',5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトライソプロ
ピル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−
ジメチル−5,5'−ジイソプロピル−4,4'−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,3'−ジエチル−5,5'−ジ
イソプロピル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、
3,3'−ジメチル−5,5'−ジ−t−ブチル−4,
4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジクロロ−
5,5'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタ
ン、2,2'−ジクロロ−3,3',5,5'−テトラエ
チル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2',
3,3'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノジフェニル
メタンなどが挙げられ、2,2'−ジクロロ−3,3',
5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノジフェニル
メタンは毒性が低いので、特に好ましい。
【0027】ウレタンカバー用組成物における芳香族ポ
リアミン化合物の配合量は特に限定しないが、残存ポリ
シソシアネート単量体を0.5質量%以下含有するイソ
シアネート基末端ウレタンプレポリマーに対して、NH
2/NCO=0.85〜1.15(モル比)になる様に
配合をすることが好ましい。
【0028】本発明で使用されるポリウレタンカバー用
組成物には、ウレタン反応で使用される従来より公知の
触媒を含有してもよい。前記触媒としては、トリエチル
アミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどの
モノアミン類;N,N,N',N'−テトラメチルエチレ
ンジアミン、N,N,N',N'',N''−ペンタメチル
ジエチレントリアミン等のポリアミン類;1,8−ジア
ザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、トリ
エチレンジアミン等の環状ジアミン類;ジブチルチンジ
ラウリレート、ジブチルチンジアセテートなどの錫系触
媒などが挙げられ、好ましくは1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、トリエチレンジ
アミンである。
【0029】前記ポリウレタンカバー用組成物は、前記
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと前記芳香
族ポリアミン化合物の他に必要に応じて、硫酸バリウム
等の充填剤;二酸化チタン等の着色剤;分散剤、老化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料、蛍光増白剤
等の添加剤等をゴルフボールカバーによる所望の特性が
損なわれない範囲で含有してもよい。
【0030】本発明のゴルフボールのカバーとしては、
上記組成を有するポリウレタン組成物の硬化体単独の硬
度(硬化体単独の硬度を「スラブ硬度」ということがあ
る)を、ショアD硬度で35以上とすることが好まし
く、より好ましくは40以上である。35未満では軟ら
かすぎて反発が低くなり、アイアン、サンドウェッジで
打撃したときの耐擦傷性(チャンキング)が低下しすぎ
るからである。また、ある程度の厚みを有するポリウレ
タンカバーが軟らかすぎると、反発性の低下をもたらす
とともに、打撃に対してボールがクラブから離れるまで
の時間が長くなるためにボールが重く感じられるように
なる。一方、スラブ硬度が大きくなるにしたがって、カ
バーが硬くなることを意味するため、打球感が硬くなる
ばかりか、スピン量が少なくなりすぎて、アプローチシ
ョットでのコントロール性が低下する。よって、スラブ
硬度(ショアD硬度)の上限は55以下とすることが好
ましく、より好ましい上限は52以下である。
【0031】ポリウレタンの硬化反応は、イソシアネー
ト基末端ウレタンプレポリマーと芳香族ポリアミン化合
物とが均質に混合された状態で行う必要があることか
ら、アミン硬化剤が溶融状態となる温度で両者を混合す
ることが好ましい。従って、アミン硬化剤を溶融状態と
し、ウレタンプレポリマーをその温度近くにまで昇温し
て両者を混合し、該混合物を、その混合温度近くにまで
昇温した金型に注入すればよい。
【0032】以上のようにして形成されるウレタンカバ
ーの厚みは、ソフトな打球感及びボールの耐久性を確保
するのに必要な厚みを有すれば十分であり、ぶ厚すぎる
と、カバー材料であるポリウレタンに基づいて、反発性
の低下、飛距離の低下を招くことになる。一方、ウレタ
ンカバーは薄すぎると、成形が困難になる。従って、本
発明のゴルフボールにおけるウレタンカバーの厚みは
0.5mm以上で1.5mm以下である。
【0033】本発明で用いられるソリッドコアは、上記
のような構成を有するポリウレタンカバーとの組み合わ
せにおいて好適なもので、ハイシス1,4−ポリブタジ
エンを基材ゴムとするゴム組成物の加硫体で、任意の部
位での硬度差が5以内で、且つ当該コアに初荷重98N
から終荷重1275N負荷したときの変形量が2.80
〜3.50mmである。
【0034】一般に、ウレタンカバーは、アイオノマー
カバーと比べて軟らかく、反発性に劣る傾向がある。本
発明のゴルフボールは、ソリッドコアとして、コアの任
意の位置におけるショア硬度の差が5以下、好ましくは
3以下、より好ましくは1以下というようなほぼ均質の
ゴム加硫体を用いることにより、反発性を確保してい
る。また、コアが均質であるということは、スピンしや
すいことを意味する。スピンがかかりやすいということ
は、コントロール性が良好であることを意味する。
【0035】また、ソリッドコアの初荷重98N(すな
わち10kgf)から終荷重1275N(すなわち13
0kgf)負荷したときの変形量を、2.80mm以
上、好ましくは2.85mm以上で、3.5mm以下、
好ましくは3.30mm以下とすることにより、反発性
及び打球感を確保している。すなわち、変形量が2.8
0mm未満では、コアが硬くなりすぎるため、打球感に
おけるコアの影響が現れて、打撃時にうけるゴルファー
の衝撃が大きくなる。一方、3.50mm超ではコアが
軟らかくなりすぎる。特に本発明で用いるコアは任意の
位置における硬度が5以下というほぼ均質なコアを用い
ることから、コア全体が軟らかくなっていることを意味
し、反発性が低下するだけでなく、打撃による変形の戻
りが遅くなるため、クラブヘッドからボールが離れるま
での時間が長くなって、打球感が重くなるからである。
【0036】このように、コアの任意の位置におけるシ
ョア硬度の差を5以下としてほぼ均質なゴム加硫体で且
つコアに初荷重98Nから終荷重1275N負荷したと
きの変形量を2.80〜3.50mmとすることによ
り、従来のアイオノマーカバーと比べて軟らかいウレタ
ンカバーと組み合わせて、打球感を確保しつつ、十分な
反発性を確保することができる。さらに、コアの均質性
に基づいて、良好なコントロール性を確保することがで
きる。
【0037】本発明のソリッドゴルフボールに用いられ
るソリッドコアは、基材ゴムとしてハイシスポリブタジ
エンを含有するゴム組成物の加硫体で、上記要件を満足
するものであればよい。
【0038】ハイシス1,4−ポリブタジエンとは、シ
ス−1,4分が40%以上、好ましくは70%以上、よ
り好ましくは90%以上のポリブタジエンをいう。シス
結合分は反発に有利だからである。
【0039】本発明で用いられるコア用ゴム組成物に
は、基材ゴムとしてのハイシス1,4−ポリブタジエン
のほか、ブタジエンゴム(BR)、エチレンプロピレン
ジエン3元共重合体(EPDM)、イソプレンゴム(I
R)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニ
トリルブタジエンゴム(NBR)等の他のジエン系ゴ
ム;共架橋剤として不飽和カルボン酸及び/またはその
金属塩;架橋開始剤としての有機過酸化物;さらに必要
に応じて比重調整剤、老化防止剤、色粉等の添加剤を含
むことが好ましい。
【0040】有機過酸化物としては、ジクミルパーオキ
サイド、1,1―ビス(t―ブチルパーオキシ)−3,
5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t
−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられ、
これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いら
れる。有機過酸化物の配合量は、ジエン系ゴム100質
量部に対して0.2〜1.5質量部が好ましく、より好
ましくは0.3〜1.0質量部である。
【0041】不飽和カルボン酸としては、アクリル酸又
はメタクリル酸等のような炭素数3〜8のα、β−不飽
和カルボン酸が好ましく用いられ、その金属塩としては
亜鉛、マグネシウム塩等の一価又は二価の金属塩が用い
られる。不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩の配合
量は、ジエン系ゴム100質量部に対して20〜50質
量部が好ましく、特に25〜40質量部が好ましく用い
られる。
【0042】本発明で用いられるコア用ゴム組成物に
は、基材ゴムとしてのハイシス1,4−ポリブタジエ
ン、共架橋剤、架橋開始剤のほか、下記式で表されるジ
フェニルジスルフィド類を含むことが好ましい。
【0043】
【化6】
【0044】式中、X1〜X10が水素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子、及びシアノ基よりなる郡から選
択される1種で、それぞれ同一であってもよいし、異な
っていてもよく、対称体であっても非対称体であっても
よいが、対称体(ビス体)であることが好ましい。具体
的には、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフ
ェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジ
スルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィ
ド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス
(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨ
ードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニ
ル)ジスルフィド等のモノ置換体;ビス(2,5−ジク
ロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロ
フェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェ
ニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニ
ル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)
ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニ
ル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェ
ニル)ジスルフィド等のジ置換体;ビス(2,4,6−
トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ
−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィド等の
トリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェ
ニル)ジスルフィド等のテトラ置換体;ビス(2,3,
4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビ
ス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジス
ルフィド等のペンタ置換体等が挙げられる。
【0045】これらのジフェニルジスルフィド類はゴム
加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高
めることができる。
【0046】以上のような組成を有するコア用ゴム組成
物は、加硫体の任意の位置におけるショア硬度差を5以
下とするように、加硫条件を設定する必要がある。加硫
条件は、コア用ゴム組成物の組成に応じて適宜設定され
るが、135〜150℃で15〜60分間加硫した後、
160〜170℃で8〜15分間加硫するといった2段
階で加硫を行うことが好ましい。
【0047】本発明のゴルフボールは、以上のようなソ
リッドコアとカバーとを組合わせたツ−ピースゴルフボ
ールである。
【0048】本発明のツーピースゴルフボールは、該ゴ
ルフボールに始荷重98Nから終荷重1275N負荷し
たときの変形量が2.70mm以上であることが好まし
く、より好ましくは2.80mm以上、更に好ましくは
2.85mm以上で、3.50mm以下であることが好
ましく、より好ましくは3.30mm以下である。2.
70mm未満ではボールが硬くなりすぎて、打球感が硬
くなり、3.50mm超では軟らかくなりすぎて、反発
が低下しすぎ、飛距離が得られないからである。従っ
て、ソリッドコアの硬度等を考慮した上でのカバー硬度
に該当するボールの変形量を上記範囲とすることによ
り、ソリッドコアとポリウレタンカバーとのベストな組
合わせ(ソフトな打球感で高反発性)を実現することが
できる。
【0049】本発明のゴルフボールは、硬質ポリウレタ
ンカバーで被覆されたゴルフボールの従来より公知の製
造方法を適用して製造することができる。具体的には、
加硫成型体であるコアを半球状の金型に保持させた状態
でカバー用組成物を注入し、次にこれを反転させて、別
の半球状の金型に注入したポリウレタンカバー組成物を
合わせることにより、カバーを成形すればよい。
【0050】また、ポリウレタンカバー成形時には、必
要に応じてディンプルを多数表面上に形成する。また本
発明のゴルフボールは、美観および商品価値を高めるた
めに、通常ペイント仕上げ、マーキングスタンプ等を施
して市場に投入される。
【0051】
【実施例】〔測定、評価方法〕 荷重変形量(mm) ゴルフボールまたはコアに初期荷重98Nを負荷した状
態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量を
測定した。
【0052】ショアD硬度 ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計シ
ョアD型を用いて測定した。
【0053】コアを2分割し、その半球のカット断面の
中心部、中心部から5mmの位置、中心から10mmの
位置、中心から15mmの位置にピックをあてて測定
し、各位置での硬度を測定した。また、コア表面の硬度
は、コアの表面にピックをあてて測定した。
【0054】カバー組成物硬化体の硬度(スラブ硬
度) カバー用組成物A〜Hについては、カバー材料を金型に
流し込んで金型中で60〜120℃の温度で10〜60
分間加熱して材料を硬化させた後、金型から取り出して
厚み2mmのシートを作成した。カバー用組成物I,G
については、カバー材料を金型にセットし、該金型中で
加熱プレス成形し、冷却後に金型から取り出して厚み2
mmのシートを作製した。
【0055】作製したシートを23℃で2週間保存した
後、測定基板等の影響が出ないように、3枚以上重ねた
状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式
硬度計ショアD型を用いて測定した。
【0056】反発指数 各ゴルフボールに、200gのアルミニウム製円筒物を
速度45m/secで衝突させ、衝突前後の該円筒物及
びゴルフボールの速度を測定し、それぞれの速度及び質
量から、各ゴルフボールの反発係数を算出した。測定
は、各ゴルフボールで5回行って、その平均を算出し
た。
【0057】アイオノマーカバーを用いたゴルフボール
(比較例11)の反発係数を100として、指数化し
た。反発指数が大きいほど、反発性が高いことを示して
いる。
【0058】スピン量(rpm) ツルーテンパー社製スイングロボットにサンドウェッジ
クラブを取付け、ヘッドスピードを20m/secに設
定して、打撃されたゴルフボール連続写真撮影すること
によってスピン量を測定した。
【0059】チャンキング(耐擦過傷性) 市販のピッチングウェッジをロボットマシンに取付け、
ヘッドスピード36m/secでボールの2ヶ所を1回
づつ打撃し、打撃部分を目視で観察し、下記基準に基づ
いて4段階で評価し、悪い方の結果をその評価とした。 ◎:ボール表面に傷がほとんど残っていない ○:ボール表面に傷がわずかに残るがほとんど気になら
ない程度 △:ボール表面に傷がくっきり残り、若干毛羽立ちが見
られる。 ×:ボール表面がかなり削れ、毛羽立ちが目立つ。
【0060】打球感 プロゴルファー10名及び上級アマチュアゴルファー1
0名がメタルヘッド製W#1ドライバーで実打撃を行
い、各自が打撃時の衝撃の強さ又は反発感を下記基準で
評価し、5名以上が答えた評価をそのボールの打球感と
した。 ○:衝撃が少ない又は反発感があってよい。 ×:衝撃が大きい又は重くて悪い
【0061】キャリー(m) スイングロボットに、チタンドライバー(W#1)を取
りつけ、ヘッド速度45m/sで打撃したときの、打撃
地点から落下地点までの距離を測定した。
【0062】〔ゴルフボールの製造〕 (1)ソリッドコアの製造 表1に示す配合組成を有するゴム組成物を、表1に示す
加硫条件で加硫成形することにより、直径39.2〜4
2.0mmの球状ソリッドコアa〜iを得た。得られた
ソリッドコアの質量、各位置でのショア硬度及び初荷重
98Nから終荷重1275N荷重時の変形量を測定した
結果を、表1に示す。コアcは硬度分布のばらつきが大
きいため、コアeは荷重変形量が大きいため、コアgは
荷重変形量が小さいため、比較例コアに該当する。ま
た、コアaはコア径が小さすぎて最終的に形成されるボ
ールのカバー厚みが厚くなりすぎるため、コアiはコア
径が大きすぎて最終的に形成されるボールのカバー厚み
が薄くなりすぎるために比較例に該当する。
【0063】尚、表1中、ブタジエンゴムとしては、J
SR株式会社製のハイシスポリブタジエンBR−18
(シス1,4結合分96%)を用い、アクリル酸亜鉛と
しては日本蒸留社製のZNDA−90Sを用い、酸化亜
鉛としては東邦亜鉛製銀嶺Rを用い、ジフェニルジスル
フィドとしては住友精化株式会社製のものを用い、ジク
ミルパーオキサイドとしては日本油脂株式会社製のもの
を用いた。
【0064】
【表1】
【0065】(2)カバーの作成 ソリッドコアa〜iのいずれかを用い、表2に示す組成
を有するカバー用ポリマー組成物A〜Jのいずれかを表
2に示す条件で硬化して、表3に示すような実施例ゴル
フボールNo.1〜7及び表4に示すような比較例ゴル
フボールNo.1〜11を製造した。
【0066】尚、コアiを用いた比較例5については、
カバーが薄すぎるため、成形できなかった。
【0067】カバー用組成物A〜Jのうち、カバーD及
びGは硬化体のショア硬度が55を超えるために比較例
に該当する。カバーHは硬化剤が芳香族ポリアミンでな
いことから、カバーI,Jはウレタンカバーでないこと
から、比較例に該当する。
【0068】
【表2】
【0069】表2中、アジプレンLF800Aは、ユニ
ロイヤル株式会社製のTDI(NCO含量=2.9%)
−PTMG系プレポリマーで、遊離TDIが0.1%以
下である。アジプレンLF900Aはユニロイヤル株式
会社製のTDI(NCO含量=3.8%)−PTMG系
プレポリマーで、遊離TDIが0.1%以下である。ア
ジプレンLF950Aはユニロイヤル株式会社製のTD
I(NCO含量=6.1%)−PTMG系プレポリマー
で、遊離TDIが0.1%以下である。アジプレンLF
600Dは、ユニロイヤル株式会社製のTDI(NCO
含量=7.3%)−PTMG系プレポリマーで、遊離T
DIが0.1%以下である。バイブラセンB635はユ
ニロイヤル株式会社製のMDI(NCO含量=7.8
%)−PTMG系プレポリマーで、遊離MDIが0.5
%超である。ロンザキュアM−CDEAはユニロイヤル
社製の4,4′−メチレンビス(3−クロロ−2,6−
ジエチルアニリン)(アミン価297mgKOH/g)
である。エラスマー250Pはイハラケミカル工業社製
のポリテトラメチレンオキシド−ジ−pアミノベンゾエ
ート(アミン価249mgKOH/g)である。エタキ
ュア300はアルベマーレ製のジー(メチルチオ)トル
エンジアミン(アミン価530mgKOH/g)、パン
デックスT1198は大日本インキ工業株式会社製のア
ジペート系熱可塑性ポリウレタンエラストマーであり、
ハイミラン1855は三井デュポン社製のZn中和エチ
レン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体
系アイオノマー樹脂であり、サーリン8120はデュポ
ン社製のNa中和エチレン−メタクリル酸−アクリル酸
エステル三元共重合体系アイオノマー樹脂である。
【0070】製造したゴルフボールについて、変形量、
反発指数、スピン量、チャンキング、打撃フィーリン
グ、キャリーを評価した。結果を表3(実施例)及び表
4(比較例)に示す。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】比較例1〜5は、いずれも本発明の要件を
満足するカバーBを用いたゴルフボールであるが、コア
が本発明の要件を満足しないために要求される特性のい
ずれかが劣っていた。
【0074】具体的には、比較例1は、軟らかいウレタ
ンカバーが分厚いために、打撃による傷が目立ちやすく
なり、またボールが重く感じられて打球感が劣ってい
た。さらに反発性、飛距離も劣っていた。比較例2は、
コアの硬度分布が大きいために、カバーBを用いた実施
例1,5,6,7と比べてスピン量が少ないためにコン
トロール性に劣り、また反発性もカバーBでジフェニル
ジスルフィドを含有するコアを組み合わせた実施例1,
6,7と比べて劣っている。比較例3は、コアが軟らか
すぎるため、反発性、キャリーが劣る。また、ボールが
重く感じられて打球感が良くなく、スピン量が少ない。
比較例4は、コアが硬すぎるため、打撃時の衝撃が大き
くなって打球感が良くないばかりか、チャンキング性も
低下する傾向にある。
【0075】比較例6〜11は、いずれも本発明の要件
を満足するコアbを用いたゴルフボールであるが、カバ
ーが本発明の要件を満足しないために、要求される特性
のいずれかが劣っていた。
【0076】具体的には、比較例6及び比較例8はカバ
ーが軟らかく、引張り強度、引裂き強度が低いため、打
撃跡がつきやすく、チャンキング性に劣る。また、軟ら
かいボールは、打撃時にボールが重く感じられて打球感
が劣り、反発性も劣っていた。逆に、比較例7及び比較
例9はカバーが硬すぎるために、打撃時の衝撃が大きく
なりすぎて打球感が劣っていた。また、硬いカバーは引
裂き、引張り強度が高いが、柔軟性がないために、クラ
ブに引っかかれて削られやすくなるため、チャンキング
性も劣っていた。チャンキング性及び打球感を満足する
ためには、カバーを構成するポリウレタンのウレタン結
合の割合、架橋度等を適正な範囲に調整する必要がある
ことがわかる。また、比較例6と8の比較、比較例7と
9の比較から、ウレタンカバーとしては、硬化剤として
ロンザキュアM−CDEAを用いた方がエタキュア30
0を用いるよりも反発性、スピン性能が優れる傾向にあ
ることがわかる。
【0077】比較例10はエラストマーでカバーを構成
したゴルフボールであり、材料単独での硬度がそれほど
高くないにもかかわらず、チャンキング、打球感が劣っ
ていた。また、比較例11は、アイオノマーカバーのゴ
ルフボールであり、材料単独での硬度がそれほど高くな
いにもかかわらず、チャンキング、打球感が劣ってい
た。また、スピン量も少ない。
【0078】一方、コア及びカバーの双方が本発明の要
件を満足する本発明実施例のゴルフボール(実施例1〜
7)は、いずれもスピン量、チャンキング性、打球感が
良好であった。ただし、実施例1〜4から、硬化剤の違
いによりチャンキング性、反発性が異なり、ロンザキュ
アM−CDEAを用いた場合(実施例1,2,5〜7)
の方が、エタキュア300を用いた場合(実施例3,
4)よりも広い硬度範囲で優れたチャンキング性を示
し、優れた反発性を示すことがわかる。また、実施例5
〜7から、コア材料のゴム組成物にジフェニルジスルフ
ィドが含まれていない場合(実施例5)には、反発性が
低下する傾向にあることがわかる。
【0079】以上の結果から、チャンキング性、反発
性、打球感、適正なスピン量を確保するためには、ウレ
タンカバーとコアについてベストな組み合わせを選択す
る必要があることがわかる。
【0080】
【発明の効果】本発明のウレタンカバーを有するゴルフ
ボールは、ウレタンカバーの材料となるイソシアネート
基末端ウレタンプレポリマーにおける残存ポリイソシア
ネート単量体の含有率が0.1質量%以下であるから、
ポリウレタン硬化反応により形成されるポリウレタンカ
バーが均質で、チャンキング性に優れ、必要なスピン量
を保持することができる。また、コアとしてほぼ均質な
ゴム加硫体を用いることにより、ウレタンカバーボール
であっても、従来のアイオノマーカバーボール、エラス
トマーカバーボールと同等以上の反発性、飛距離を期待
できる。
【0081】従って、本発明のウレタンカバーを有する
ゴルフボールは、コア及びカバーの組み合わせの最適化
を図ることにより、打球感、チャンキング性、反発性、
コントロール性といった特性をバランスよく、すべてを
満足させることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイシス1,4−ポリブタジエンを含む
    ゴム組成物の加硫体からなるソリッドコアと、 該ソリッドコアを被覆する、イソシアネート基末端ウレ
    タンプレポリマーと芳香族ポリアミン化合物とを含む組
    成物の硬化体で構成されるポリウレタンカバーとを含む
    ソリッドゴルフボールであって、 前記ソリッドコアの任意の位置におけるショア硬度の差
    が5以下で、前記ソリッドコアに初荷重98Nから終荷
    重1275N負荷したときの該ソリッドコアの変形量が
    2.80〜3.50mmであり、 且つ前記硬化体のショアD硬度が35〜55であり、 前記ポリウレタンカバーの厚みが0.5〜1.5mmで
    あるゴルフボール。
  2. 【請求項2】 前記イソシアネート基末端ウレタンプレ
    ポリマーにおける残存ポリイソシアネート単量体の含有
    率が0.5質量%以下であるクレーム1に記載のゴルフ
    ボール。
  3. 【請求項3】 前記イソシアネート基末端ウレタンプレ
    ポリマーは、TDI系ウレタンプレポリマー、MDI系
    ウレタンプレポリマー及び水素添加MDI系ウレタンプ
    レポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1又は2に記載のソリッドゴルフボール。
  4. 【請求項4】 前記芳香族ポリアミン化合物は、下記一
    般式で表わされる4,4'−ジアミノジフェニルメタン
    及びその誘導体である請求項1に記載のソリッドゴルフ
    ボール。 【化1】 (式中、R1からR8は、それぞれ炭素数が1〜9のアル
    キル基、ハロゲン原子又は水素原子のいずれかを表わ
    す。)
  5. 【請求項5】 前記ゴム組成物には、下記構造式を有す
    るジフェニルジスルフィド類が含有されている請求項1
    〜3のいずれかに記載のソリッドゴルフボール。 【化2】 (式中、X1〜X10は、水素原子、塩素原子、臭素原
    子、ヨウ素原子、及びシアノ基よりなる郡から選択され
    る少なくとも1種であり、それぞれ同一であっても異な
    っていてもよい。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007190287A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Sri Sports Ltd ゴルフボール
JP2015515313A (ja) * 2012-03-28 2015-05-28 ナイキ イノヴェイト シーヴィー 高密度の高酸アイオノマーを含むゴルフボール

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