JP2003079382A - サイトカイニン受容体とその用途 - Google Patents
サイトカイニン受容体とその用途Info
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Abstract
活性の分析方法を提供し、さらに当該分析方法を使用す
ることでサイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト
活性を有する物質を少量のサンプルでかつ迅速に見出す
方法等を提供する。 【解決手段】特定のサイトカイニン受容体および該受容
体をコードするDNA、サイトカイニン受容体に対する
アンタゴニスト活性の分析方法であって、(1)サイト
カイニン受容体をコードするDNAが導入されてなる形
質転換細胞に、被験物質及びサイトカイニン受容体に対
するアゴニスト活性を有する物質を接触させる第一工
程、及び(2)前記第一工程後に、前記形質転換細胞内
で発現されたサイトカイニン受容体からの細胞内信号伝
達の有無又はその量を測定する第二工程を有することを
特徴とする分析方法、等。
Description
容体に対する被験物質のアゴニスト活性及びアンタゴニ
スト活性の分析方法等に関する。
と分化に関する植物ホルモンであり、高等植物細胞の分
裂の誘起、カルスや髄から茎葉への分化、葉の黄化や落
葉、落果等の防止、頂芽優先の打破等の作用を示すこと
が知られている重要な生理活性物質である〔Cytokinin
s: Chemistry, Activity, and Function, CRC Press (1
994)〕。
ゴニスト活性を有する物質は、植物生長調節剤、例え
ば、果樹であるリンゴ、ミカンなどの落果防止剤、植物
の草丈を調節することによるイネ、ムギなどの倒伏防止
剤、収穫後の果実の甘味増強剤などとして利用可能であ
る。このようなサイトカイニンアンタゴニスト活性を有
する物質を見出す方法としては、被験物質を植物個体に
直接散布してその生理的な変化を観察、評価する方法を
用いることができる。しかし、当該方法は、植物個体に
直接散布するに足る量の被験物質を準備することを必要
とし、また前記植物個体の育成や被験物質散布後の植物
個体の生理的変化の観察、評価に多大な時間を要する、
といった問題があった。そこで、少量の被験物質で迅速
にサイトカイニンアンタゴニスト活性を有する物質を見
出すための種々な方法の開発が求められていた。
況のもと鋭意検討した結果、サイトカイニン受容体とし
て機能するタンパク質を見出し、そして当該サイトカイ
ニン受容体を利用することによってサイトカイニン受容
体に対する被験物質のアンタゴニスト活性の分析が可能
であること、及び、当該分析方法を使用することでサイ
トカイニンアンタゴニスト活性を有する物質を少量のサ
ンプルでかつ迅速に探索することが可能となることを見
出して本発明に至った。
通領域のうち、その一部の膜貫通領域が欠失しているも
のであって、かつ膜貫通領域を少なくとも1個以上有す
るサイトカイニン受容体 (e)配列番号2で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号196から1176で示されるアミノ酸配列か
らなるサイトカイニン受容体 (f)配列番号2で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号50から1176で示されるアミノ酸配列から
なるサイトカイニン受容体 (g)配列番号4で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号32から1036で示されるアミノ酸配列から
なるサイトカイニン受容体 (h)互いにホモな由来であるサイトカイニン受容体の
細胞外領域、サイトカイニン受容体の膜貫通領域及びサ
イトカイニン受容体のヒスチジンキナーゼ領域と、前記
領域に対してヘテロな由来であるヒスチジンキナーゼの
レシーバー領域とから構成されるキメラ型サイトカイニ
ン受容体 (i)上記(e)、(f)又は(g)のアミノ酸配列に
おいて1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは
付加されたアミノ酸配列を有するサイトカイニン受容
体; 2.前項1記載のサイトカイニン受容体をコードするD
NA; 3.前項2記載のDNAが導入されてなる形質転換細
胞; 4.サイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト活性
の分析方法であって、 (1)サイトカイニン受容体をコードするDNAが導入
されてなる形質転換細胞に、被験物質及びサイトカイニ
ン受容体に対するアゴニスト活性を有する物質を接触さ
せる第一工程、及び (2)前記第一工程後に、前記形質転換細胞内で発現さ
れたサイトカイニン受容体からの細胞内信号伝達の有無
又はその量を測定する第二工程を有することを特徴とす
る分析方法; 5.前記形質転換細胞が、サイトカイニン受容体からの
細胞内信号伝達による、細胞生育を直接的に制御する機
能を有する細胞であって、前記細胞内信号伝達の有無又
はその量を、前記形質転換細胞の生育量を指標として測
定することを特徴とする前項4記載の分析方法; 6.前記形質転換細胞が、細胞固有のヒスチジンキナー
ゼ活性よりも低いヒスチジンキナーゼ活性を有するよう
に改良された宿主細胞にサイトカイニン受容体をコード
するDNAが導入されてなる形質転換細胞であることを
特徴とする前項4記載の分析方法; 7.前記形質転換細胞が、一つ以上のヒスチジンキナー
ゼを欠失させることにより細胞固有のヒスチジンキナー
ゼ活性よりも低いヒスチジンキナーゼ活性を有するよう
に改良された宿主細胞にサイトカイニン受容体をコード
するDNAが導入されてなる形質転換細胞であることを
特徴とする前項4記載の分析方法; 8.前記形質転換細胞が、サイトカイニン受容体を有さ
ない宿主細胞にサイトカイニン受容体をコードするDN
Aが導入されてなる形質転換細胞であることを特徴とす
る前項4記載の分析方法; 9.前記形質転換細胞が酵母であることを特徴とする前
項4記載の分析方法; 10.前記形質転換細胞が出芽酵母であることを特徴と
する前項4記載の分析方法; 11.サイトカイニン受容体をコードするDNAが、下
記のいずれかのサイトカイニン受容体をコードするDN
Aであることを特徴とする前項4記載の分析方法 (a)配列番号6で示されるアミノ酸配列を有するサイ
トカイニン受容体 (b)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するサイ
トカイニン受容体 (c)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するサイ
トカイニン受容体 (d)天然型サイトカイニン受容体が有する複数の膜貫
通領域のうち、その一部の膜貫通領域が欠失しているも
のであって、かつ膜貫通領域を少なくとも1個以上有す
るサイトカイニン受容体 (e)配列番号2で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号196から1176で示されるアミノ酸配列か
らなるサイトカイニン受容体 (f)配列番号2で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号50から1176で示されるアミノ酸配列から
なるサイトカイニン受容体 (g)配列番号4で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号32から1036で示されるアミノ酸配列から
なるサイトカイニン受容体 (h)互いにホモな由来であるサイトカイニン受容体の
細胞外領域、サイトカイニン受容体の膜貫通領域及びサ
イトカイニン受容体のヒスチジンキナーゼ領域と、前記
領域に対してヘテロな由来であるヒスチジンキナーゼの
レシーバー領域とから構成されるキメラ型サイトカイニ
ン受容体 (i)上記(a)、(b)、(c)、(e)、(f)又
は(g)のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミ
ノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有
するサイトカイニン受容体; 12.異なる2種以上の被験物質のアンタゴニスト活性
を前項4記載の分析方法により分析し、各被験物質と接
触した形質転換細胞について測定されたサイトカイニン
受容体からの細胞内信号伝達の有無又はその量を比較す
ることにより得られる差異に基づき、前記物質のサイト
カイニン受容体に対するアンタゴニスト活性を評価する
ことを特徴とするサイトカイニン受容体に対するアンタ
ゴニスト活性の検定方法; 13.異なる2種以上の物質のうち、少なくとも一つの
物質がサイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト活
性を有さない物質であることを特徴とする前項12記載
の検定方法; 14.前項12記載の検定方法により評価されたサイト
カイニン受容体に対するアンタゴニスト活性に基づきサ
イトカイニン受容体に対するアンタゴニスト活性を有す
る物質を選抜することを特徴とするサイトカイニン受容
体に対するアンタゴニスト活性物質の探索方法;および 15.前項14記載の探索方法により選抜された物質を
有効成分とすることを特徴とする植物生育調節剤;を提
供するものである。
サイトカイニン受容体は、例えば、カイネチン、ゼアチ
ン等のプリン系サイトカイニン、N−フェニル−N’−
(4−ピリジル)ウレア等のウレア系サイトカイニン等
のサイトカイニンに特異的に結合し、Two-Component re
gulatory system (又はHis to Asp phosphorelay syst
em)と呼ばれる細胞内信号伝達メカニズムによって高等
植物細胞の増殖、分化を制御する機能を有するタンパク
質である。本発明で用いられるサイトカイニン受容体と
は、ヒスチジンキナーゼファミリーに属しており、細胞
外領域、膜貫通領域、ヒスチジンキナーゼ領域(細胞内
でヒスチジンキナーゼ活性を有しかつ活性部位となるHi
s残基を保持する領域)及びレシーバー領域(リン酸基
転移の受容部を有しかつ活性部位となるAsp残基を保持
する領域)から構成されているタンパク質である。
は、例えば、配列番号2、4又は6で示されるアミノ酸
配列を有するサイトカイニン受容体、配列番号2、4又
は6で示されるアミノ酸配列において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
を有するサイトカイニン受容体、配列番号2、4又は6
で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する
DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
るDNAによりコードされるアミノ酸配列からなるサイ
トカイニン受容体、後述する膜貫通領域一部欠失型サイ
トカイニン受容体、後述するキメラ型サイトカイニン受
容体等を挙げることができる。ここで、「複数のアミノ
酸」とは、より具体的には、2個〜約20個程度のアミ
ノ酸を意味し、例えば、2個〜約10個のアミノ酸、2
個〜5個のアミノ酸を一例としてあげることができる。
また、「1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換もしく
は付加されたアミノ酸配列」としては、例えば、欠失、
置換もしくは付加される前のアミノ酸配列に対して80
%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%
以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を一例としてあ
げることもできる。これらの「アミノ酸が欠失、置換も
しくは付加」や「80%以上の配列同一性」には、もち
ろん、配列番号2、4又は6で示されるアミノ酸配列を
有するタンパク質が細胞内で受けるプロセシング、該タ
ンパク質が由来する生物の種差、個体差、組織間の差異
等により天然に生じる変異等が含まれる。本発明におい
て「配列同一性」とは、2つのDNA又は2つのタンパ
ク質間の配列の同一性及び相同性をいう。前記「配列同
一性」は、比較対象の配列の領域にわたって、最適な状
態にアラインメントされた2つの配列を比較することに
より決定される。ここで、比較対象のDNA又はタンパ
ク質は、2つの配列の最適なアラインメントにおいて、
付加又は欠失(例えばギャップ等)を有していてもよ
い。このような配列同一性に関しては、例えば、Vector
NTIを用いて、ClustalWアルゴリズム(Nucleic Acid Re
s.,22(22):4673-4680(1994)を利用してアラインメント
を作成することにより算出することができる。尚、配列
同一性は、配列解析ソフト、具体的にはVector NTI、GE
NETYX-MACや公共のデータベースで提供される解析ツー
ルを用いて測定される。前記公共データベースは、例え
ば、ホームページアドレスhttp://www.ddbj.nig.ac.jp
において、一般的に利用可能である。前記「ストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズする」に関して、ここ
で使用されるハイブリダイゼーションは、例えば、Samb
rook J., Frisch E. F., Maniatis T.著、モレキュラー
クローニング第2版(Molecular Cloning 2nd editio
n)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー
発行(Cold Spring HarborLaboratory press)等に記載
される通常の方法に準じて行うことができる。また「ス
トリンジェントな条件下」とは、例えば、6×SSC(1.5
M NaCl、0.15Mクエン酸三ナトリウムを含む溶液を10
×SSCとする)溶液中で65℃にてハイブリッドを形成
させた後、1×SSCで室温にて洗浄するような条件等を挙
げることができる。洗浄ステップにおける塩濃度は、例
えば、1×SSCで室温の条件(低ストリンジェンシーな
条件)から0.1×SSCで室温の条件(高ストリンジェ
ンシーな条件)から選択することができる。洗浄ステッ
プにおける温度は、例えば、室温(低ストリンジェンシ
ーな条件)から68℃(高ストリンジェンシーな条件)
から選択することができる。また、塩濃度と温度の両方
を変えることもできる。
Aが導入されてなる形質転換細胞の作製)サイトカイニ
ン受容体をコードするDNAが導入されてなる形質転換
細胞は、サイトカイニン受容体をコードするDNA、即
ち、前記のサイトカイニン受容体のアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列を有するDNA等を、以下のようにして
宿主細胞に導入・発現させることにより得ることができ
る。以下、該形質転換細胞の作製方法についてその一例
を示す。
is著、モレキュラークローニング第 2 版(Molecular C
loning 2nd edition)記載の方法に準じて、高等植物等
の植物等から全RNAを調製する。具体的には、例え
ば、イネ、トウモロコシ、ムギ等の単子葉植物、タバ
コ、ダイズ、アラビドプシス等の双子葉植物等である高
等植物からその組織の一部を採取した後、当該組織を液
体窒素中で凍結させた後、乳鉢などにより物理的に磨砕
し、(a)得られた磨砕物に、塩酸グアニジンとフェノー
ルとを含む溶液又はSDSとフェノールとを含む溶液を添
加して全RNAを得る方法、(b)前述の磨砕物にグアニジン
チオシアネートを含む溶液を添加して、さらにCsClを加
え遠心分離することにより全RNAを得る方法等を用いれ
ばよい。当該操作には、例えば、ISOGEN(ニッポンジー
ン社製)、RNeasy TotalRNA Purification Kit(QIAGEN
社製)などの市販のキットを用いることもできる。次い
で、全RNAからmRNAを調製する。例えば、セルロース又
はラテックスに結合されたオリゴdT鎖とmRNAのポリA鎖
とのハイブリダイゼーションを利用した方法等を用いる
ことができる。当該操作には、例えば、mRNA Purificat
ion Kit(アマシャムファルマシア社製)、OligotexTM
−dT30〈Super〉(宝酒造社製)等の市販のキットを用
いることができる。さらに、このようにして調製された
mRNA(ポリA鎖を有するmRNA)を用いてcDNAを作製す
る。例えば、オリゴdT鎖又はランダムプライマーをmRNA
にアニールさせた後に、逆転写酵素を作用させることに
よりcDNAを作製すればよい。またさらに、当該cDNAに、
例えば、RNaseH、DNA PolymeraseIを作用させることに
より、2本鎖cDNAを作製することができる。当該操作に
は、SMARTTM PCR cDNA SynthesisKit(クロンテック社
製)、cDNA Synthesis Kit(宝酒造社製)、cDNA Synth
esis Kit(アマシャムファルマシア社製)、ZAP-cDNA
Synthesis Kit(Stratagene社製)等の市販のキットを用
いることができる。
1、3又は5で示される塩基配列の部分塩基配列を有す
るDNAをプライマーとして用いるポリメラーゼチェイ
ン反応(以下、PCRと記す。)や、配列番号1、3又
は5で示される塩基配列の部分塩基配列を有するDNA
をプローブとして用いるハイブリダイゼーション法によ
り、サイトカイニン受容体をコードするDNAを取得す
ることができる。
bp程度の塩基配列、例えば、配列番号1、3又は5で示
される塩基配列の5’非翻訳領域及び3’非翻訳領域か
らそれぞれ選択した塩基配列に基いて設計、合成したD
NAをプライマーセットとして用いることができる。当
該プライマーセットとしては、例えば、配列番号9で示
される塩基配列からなるDNAと配列番号10で示される
塩基配列からなるDNAとのセットをプライマーセットを
挙げることができる。用いられるPCR反応液は、cDNA250
ngにキット指定の反応液を添加することにより調製すれ
ばよい。PCR反応条件としては、使用するプライマーセ
ットによって適宜変更することができるが、例えば、94
℃で2分間保温し、次に約8℃で3分間保温した後、94℃
で30秒間、55℃で30秒間、72℃で4分間のサイクルを4
0サイクル程度繰り返す条件や、94℃で5秒間次いで72
℃で4分間の保温を1サイクルとしてこれを5から10サイ
クル行い、さらに、94℃で5秒間保温し、次いで70℃で4
分間保温するサイクルを1サイクルとしてこれを20から4
0サイクル程度繰り返す条件をあげることができる。当
該操作には、例えば、Takara HeraculaseTM(宝酒造社
製)、Advantage cDNA PCR Kit(クロンテック社製)に
含まれるDNAポリメラーゼ、TAKARA Ex Taq(宝酒造
社製)、PLATINUMTM PCR SUPER Mix(ライフテックオリ
エンタル社製)等の市販のキットを用いることができ
る。
は、例えばクローニングとシークエンス:植物バイオテ
クノロジー実験マニュアル(渡辺、杉浦編集、農村文化
社1989年)記載の方法に準じてクローニングを行うこと
ができる。用いられるプローブは、配列番号1、3又は
5で示される塩基配列の部分塩基配列を有するDNA
(約200塩基〜約500塩基程度の鎖長)を合成し、
当該DNAを、例えば、Random Primed DNA Labelling
Kit(ベーリンガー社製)、Random Primer DNA Labelli
ng Kit Ver.2(宝酒造社製)、ECL Direct Nucleic Aci
d Labelling and Ditection System(アマシャムファル
マシア社製)、Megaprime DNA-labelling system(アマ
シャムファルマシア社製)等を用いた公知の方法に準じ
てラジオアイソトープ標識又は蛍光標識することにより
得ることができる。ハイブリダイゼーション条件として
は、例えば、ストリンジェントな条件をあげることがで
き、具体的には、例えば、6×SSC(0.9M NaCl、0.09Mク
エン酸三ナトリウム)、5×デンハルト溶液(0.1%(w/v)
フィコール400、0.1%(w/v) ポリビニルピロリドン、0.
1%BSA)、0.5%(w/v) SDS及び100μg/ml変性サケ精子DNA
存在下に、又は100μg/ml変性サケ精子DNAを含むDIG EA
SY Hyb溶液(ベーリンガーマンハイム社)中で、65℃で
保温し、次いで1×SSC(0.15M NaCl、0.015Mクエン酸
三ナトリウム)及び0.5%SDS存在下に、室温で15分間の
保温を2回行い、さらに0.1×SSC(0.015M NaCl、0.0015
Mクエン酸三ナトリウム)及び0.5%SDS存在下に、68℃で
30分間保温する条件をあげることができる。
コードするDNAを得るためには、まずシロイヌナズナ
cDNAライブラリーファージ液 (約1000000pfu)を鋳型に
して、TAKARA LA taqTM(宝酒造社製)を用いて、配列
番号11に示されるDNAと配列番号12に示されるDNAとをプ
ライマーセットとしてPCRを行うことによりプローブと
するDNAを増幅し、これを取得すればよい。用いられるP
CR反応液は、DNAライブラリー250ngにキット指定の反応
液を添加することにより調製すればよい。PCR反応条件
としては、例えば、94℃で2分間保温し、次に8℃で3分
間保温した後、94℃で30秒間、55℃で30秒間、68℃で5
分間のサイクルを40サイクル繰り返すことにより増幅を
行う条件をあげることができる。次に、増幅・取得され
たDNAを鋳型にして、Megaprime DNA-labelling system
(アマシャムファルマシア社製)を用いて、当該キット
指定の反応液を用いることにより32Pでラベルされたプ
ローブを作製することができる。このようにして作製さ
れたプローブを用いて通常の方法に従ってコロニーハイ
ブリダイゼーションを行い、6×SSC(0.9M NaCl、0.09M
クエン酸三ナトリウム)、5×デンハルト溶液(0.1%(w/
v) フィコール400、0.1%(w/v) ポリビニルピロリドン、
0.1%BSA)、0.5%(w/v) SDS及び100μg/ml変性サケ精子D
NA存在下に、又は100μg/ml変性サケ精子DNAを含むDIG
EASY Hyb溶液(ベーリンガーマンハイム社)中で、65℃
で保温し、次いで1×SSC(0.15M NaCl、0.015Mクエン
酸三ナトリウム)及び0.5%SDS存在下に、室温で15分間
の保温を2回行い、さらに0.1×SSC(0.015M NaCl、0.00
15Mクエン酸ナトリウム)及び0.5%SDS存在下に、68℃で
30分間保温することにより当該プローブにハイブリダイ
ズするクローンを得ることができる。
DNAは、例えば、配列番号1、3又は5で示される塩
基配列に基づいて、例えば、ホスファイト・トリエステ
ル法(Hunkapiller,M.et al., Nature, 310, 105, 198
4)等の通常の方法に準じて、核酸の化学合成を行うこ
とにより調製することもできる。
受容体をコードするDNAは、「Molecular Cloning:A
Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring
Harbor Laboratory Press、「Current Protocols In M
olecular Biology」(1987),John Wiley & Sons,Inc.ISB
N0-471-50338-X等に記載される通常の方法に準じてベク
ターにクローニングすればよい。用いられるベクターと
しては、例えば、pBlueScriptIIベクター(Stratagene
社製)、pUC18/19ベクター(宝酒造社製)、TAクローニ
ングベクター(Invitrogen社製)等をあげることができ
る。尚、クローニングされたDNAの塩基配列は、Maxa
m Gilbert法 (例えば、Maxam,A.M & W.Gilbert, Proc.N
atl.Acad.Sci.USA, 74, 560, 1977 等に記載される)やS
anger法(例えばSanger,F. & A.R.Coulson, J.Mol.Bio
l., 94, 441, 1975、Sanger,F, & Nicklen and A.R.Cou
lson., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 74, 5463,1977等に記
載される)等により確認すればよい。当該操作には、例
えば、TermoSeqenase II dye terminator cycle sequen
cing kit(アマシャムファルマシア社製)、Dye Termin
ator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit(PEバ
イオシステムズジャパン社製)等の市販キットを用いる
ことができる。
ーの構築は、通常の方法(例えば、J.,Sambrook, E.,
F.,Frisch, T.,Maniatis著、モレキュラークローニング
第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド
スプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Sprin
g Harbor Laboratory press)等に記載されている方
法)に準じて行えばよい。例えば、形質転換する宿主細
胞において利用可能なベクター、例えば、宿主細胞中で
複製可能な遺伝情報を含み、自立的に増殖できるベクタ
ーであって、さらに、宿主細胞からの単離・精製が可能
であり、検出可能なマーカーを持っていてもよいベクタ
ー(具体的には、大腸菌等の細菌を宿主細胞とする場合
には、例えば、プラスミドpUC119(宝酒造(株)製)やフ
ァージミドpBluescriptII(ストラタジーン社製)等を使
用すればよい。酵母を宿主細胞とする場合には、例え
ば、プラスミドpACT2(Clontech社製)等を使用すればよ
い。植物細胞を宿主細胞とする場合には、例えば、プラ
スミドpBI221 (Clontech 社)等を使用すればよい。)
に、サイトカイニン受容体をコードするDNAを組み込
むことにより構築すればよい。
の上流に、宿主細胞で機能可能なプロモーターを機能可
能な形で結合する形で前記ベクターに組み込むことによ
り、サイトカイニン受容体をコードするDNAを宿主細
胞で発現させることが可能となる発現ベクターを構築す
ることができる。ここで、「機能可能な形で結合させ
る」とは、宿主細胞においてプロモーターの制御下にサ
イトカイニン受容体をコードするDNAが発現するよう
に、当該プロモーターとサイトカイニン受容体をコード
するDNAとを結合させることを意味する。宿主細胞で
機能可能なプロモーターとしては、例えば、宿主細胞が
大腸菌である場合には、大腸菌のラクトースオペロンの
プロモーター(lacP)、トリプトファンオペロンのプロ
モーター(trpP)、アルギニンオペロンのプロモーター(a
rgP)、ガラクトースオペロンのプロモーター(galP)、ta
cプロモーター、T7プロモーター、T3プロモーター、λ
ファージのプロモーター(λ-pL、λ-pR)等をあげること
ができる。また、宿主細胞が酵母である場合には、ADH1
プロモーター(尚、ADH1プロモーターは、例えばADH1プ
ロモーター及び同ターミネーターを保持する酵母発現ベ
クターpAAH5 〔Washington Research Fundation から入
手可能、Ammerer ら、Method in Enzymology、101 part
(p.192-201)〕から通常の遺伝子工学的方法により調
製することができる。ADH1プロモーターは、Washington
Research Fundation の米国特許出願第299,733 に含ま
れており、米国において、工業的、商業目的で使用する
場合は、権利者からの権利許諾を必要とする。)等をあ
げることができる。宿主細胞が植物細胞である場合に
は、例えば、ノパリン合成酵素遺伝子(NOS)プロモー
ター、オクトピン合成酵素遺伝子(OCT)プロモータ
ー、カリフラワーモザイクウィルス(CaMV)由来19Sプロ
モーター、CaMV由来35Sプロモーター等をあげることが
できる。
DNAを、宿主細胞において機能可能なプロモーターを
あらかじめ保有するベクターに組み込む場合には、当該
ベクターが保有するプロモーターとサイトカイニン受容
体をコードするDNAとが機能可能な形で結合するよう
に、当該プロモーターの下流にサイトカイニン受容体を
コードするDNAを挿入すればよい。例えば、前述の酵
母用プラスミドpACT2はADH1プロモーターを有してお
り、当該プラスミドのADH1プロモーターの下流にサイト
カイニン受容体をコードするDNAを挿入すれば、サイ
トカイニン受容体をコードするDNAを、例えば、CG19
45(Clontech社製)等の酵母内で発現させることが可能と
なる発現ベクターを構築することができる。
て導入することにより、本発明において用いられる形質
転換細胞を作製することができる。形質転換細胞を作製
するために用いられる宿主細胞としては、例えば、細
菌、酵母、植物細胞等を挙げることができる。細菌とし
ては、例えば、大腸菌、セラチア属、バチルス属、ブレ
ビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、ミクロバク
テリウム属等に属する細菌を挙げることができる。酵母
としては、出芽酵母、分裂酵母を挙げることができ、さ
らに具体的には、例えば、サッカロマイセス属、スキゾ
サッカロマイセス属等に属する酵母を挙げることができ
る。植物細胞としては、例えば、タバコの培養細胞であ
るBY-2 株、トウモロコシ(Black Mexican Sweet)の培
養細胞であるBMS 株等を挙げることができる。
方法としては、形質転換される宿主細胞に応じた通常の
導入方法を適用することができる。例えば、宿主細胞と
して細菌を用いる場合には、「モレキュラー・クローニ
ング」(J.Sambrookら、コールド・スプリング・ハーバ
ー、1989年)等に記載される塩化カルシウム法やエ
レクトロポレーション法等の通常の導入方法を用いるこ
とにより前記発現ベクターを宿主細胞に導入することが
できる。宿主細胞として酵母を用いる場合には、例え
ば、リチウム法を基にしたYeast transformation kit(C
lontech社製)等を用いることにより前記発現ベクターを
宿主細胞に導入することができる。また、宿主細胞とし
て植物細胞を用いる場合には、例えば、アグロバクテリ
ウム感染方法(特公平2-58917及び特開昭60-70080)、
プロトプラストへのエレクトロポレーション方法(特開
昭60-251887及び特開平5-68575)、パーティクルガン方
法(特表平5-508316及び特開昭63-258525)等の通常の
導入方法を用いることにより前記発現ベクターを宿主細
胞に導入することができる。
容体−膜貫通回数変異型サイトカイニン受容体−を発現
させた形質転換細胞)本発明において用いられるサイト
カイニン受容体としては、天然型サイトカイニン受容体
が有する複数(通常2個〜4個程度)の膜貫通領域のう
ち、その一部の膜貫通領域が欠失しているものであっ
て、膜貫通領域を少なくとも1個以上有するサイトカイ
ニン受容体(尚、本願中では、膜貫通領域一部欠失型サ
イトカイニン受容体と記すこともある。)を挙げること
もできる。ここで、「天然型サイトカイニン受容体」と
は、同種の生物間において最も高い頻度で存在している
アミノ酸配列を有するサイトカイニン受容体を意味して
おり、一般的に野生型サイトカイニン受容体とも呼ばれ
ているものである。このような膜貫通領域一部欠失型サ
イトカイニン受容体としては、より具体的には、天然型
サイトカイニン受容体から膜貫通領域の一部分、例えば
膜貫通領域1個〜2個程度、が欠失しており、天然型サイ
トカイニン受容体が有する膜貫通領域の個数よりも少な
い個数の膜貫通領域を保持するようなサイトカイニン受
容体などをあげることができる。サイトカイニン受容体
の膜貫通領域の構造は、例えば、配列番号2、4又は6
に示されるアミノ酸配列について、http://www.ch.embn
et.org/software/TMPRED_form.html から利用可能であ
る構造予測ソフトウエア等を用いて推定することができ
る。
酸配列のうち、アミノ酸番号196〜1176で示され
るアミノ酸配列からなるサイトカイニン受容体(膜貫通
領域2個)、配列番号2で示されるアミノ酸配列のう
ち、アミノ酸番号50〜1176で示されるアミノ酸配
列からなるサイトカイニン受容体(膜貫通領域3個)、
配列番号4で示されるアミノ酸配列のうち、アミノ酸番
号32〜1036で示されるアミノ酸配列からなるサイ
トカイニン受容体(膜貫通領域2個)、これらのサイト
カイニン受容体が有するアミノ酸配列において1もしく
は複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミ
ノ酸配列からなるサイトカイニン受容体、例えばこれら
のアミノ酸配列のアミノ末端に1つのメチオニンが付加
されたアミノ酸配列からなるサイトカイニン受容体等を
挙げることができる。
DNAは、例えば、天然型サイトカイニン受容体をコー
ドするDNAを、該受容体の膜貫通領域の一部をコード
する塩基配列が欠失し、かつ天然型サイトカイニン受容
体が有する膜貫通領域の個数よりも少ない個数の膜貫通
領域をコードする塩基配列が保持されるように、通常の
遺伝子工学的手法を用いて切断・結合することにより構
築することができる。当該サイトカイニン受容体をコー
ドするDNAが導入されてなる形質転換細胞の作製は、
前述の“(サイトカイニン受容体をコードするDNAが
導入されてなる形質転換細胞の作製)”に準ずればよ
い。
せる形質転換細胞)本発明において用いられるサイトカ
イニン受容体としては、互いにホモな由来であるサイト
カイニン受容体の細胞外領域、サイトカイニン受容体の
膜貫通領域及びサイトカイニン受容体のヒスチジンキナ
ーゼ領域と、前記領域に対してヘテロな由来であるヒス
チジンキナーゼのレシーバー領域とから構成されるキメ
ラ型サイトカイニン受容体を挙げることもできる。具体
的には例えば、CRE1、AHK2、AHK3のいずれかのサイトカ
イニン受容体に由来する細胞外領域、膜貫通領域及びヒ
スチジンキナーゼ領域と、出芽酵母のSln1遺伝子にコー
ドされるヒスチジンキナーゼに由来するレシーバー領域
とから構成されるキメラ型サイトカイニン受容体を挙げ
ることもできる。サイトカイニン受容体をはじめとする
ヒスチジンキナーゼファミリーのタンパク質は、高等植
物等の植物、微生物に共通して次のような配列を有して
いる。即ち、細胞外領域、膜貫通領域(通常2個〜4個
程度)、細胞内でヒスチジンキナーゼ活性を有しかつ活
性部位となるHis残基を保持するヒスチジンキナーゼ領
域及びリン酸基転移の受容部を有しかつ活性部位となる
Asp残基を保持するレシーバー領域からなる。上記のキ
メラ型サイトカイニン受容体では、細胞外領域、膜貫通
領域及びヒスチジンキナーゼ領域がいずれも同一のサイ
トカイニン受容体由来であるが、これに対してレシーバ
ー領域が前者のサイトカイニン受容体とは異なるヒスチ
ジンキナーゼファミリータンパク質に由来することが重
要である。当該キメラ型サイトカイニン受容体のレシー
バー領域は、ヒスチジンキナーゼ領域からの信号伝達を
受け取り、これを次のステップに伝えるような機能を有
していればよく、サイトカイニン受容体の細胞外領域、
膜貫通領域及びヒスチジンキナーゼ領域からなる領域に
対してホモな由来であるレシーバー領域が本来有する機
能を相補又は改良できるものであればいかなるものであ
ってもよい。このようなレシーバー領域としては、例え
ば、微生物由来のヒスチジンキナーゼが有するレシーバ
ー領域(例えば、酵母、大腸菌等の微生物由来のヒスチ
ジンキナーゼが有するレシーバー領域、さらに具体的に
は、出芽酵母由来のSln1遺伝子にコードされるヒスチジ
ンキナーゼが有するレシーバー領域(例えば、配列番号
7に示すアミノ酸配列を参照)、サルモネラ由来のChey
遺伝子にコードされるヒスチジンキナーゼが有するレシ
ーバー領域、大腸菌のハイブリッドセンサーであるRcsC
遺伝子にコードされるヒスチジンキナーゼが有するレシ
ーバー領域(Maeda T et al. Nature:369 242-245(199
4)、例えば、配列番号8に示すアミノ酸配列を参照)、
分裂酵母の細胞周期制御にかかわるPhks遺伝子にコード
されるヒスチジンキナーゼが有するレシーバー領域(Sh
ieh,JC et al, Gene Dev. 11, 1008-1022 (1997))等を
用いることができる。
ンキナーゼ領域とは、例えば、複数の膜貫通領域の中で
最もC末端側に存在する膜貫通領域のC末端側下流に存在
する領域であって、Annual Review of Genetics 23:311
-336(1989)、Microbiological Reviews 53(4): 450-490
(1989)、Science 262:539-544(1993)およびScience 27
4:982-985(1996)に記載のように一般的なヒスチジンキ
ナーゼに共通の5つの保存モチーフを有することを特徴
とする領域であり、例えば配列番号2で示されるアミノ
酸配列を有するサイトカイニン受容体(AHK2)では配列
番号2の587番目のアミノ酸から844番目のアミノ酸まで
を含む領域であり、配列番号4で示されるアミノ酸配列
を有するサイトカイニン受容体(AHK3)では配列番号4
の450番目のアミノ酸から700番目のアミノ酸までを含む
領域であり、配列番号6で示されるアミノ酸配列を有す
るサイトカイニン受容体(CRE1)では配列番号6の449
番目のアミノ酸から714番目のアミノ酸までを含む領域
である。サイトカイニン受容体のレシーバー領域とは、
例えば、ヒスチジンキナーゼ領域とサイトカイニン受容
体のC末端との間に存在する領域であって、Annual Revi
ew of Genetics 23:311-336 (1989)、Science 262:539-
544 (1993)およびScience 274:982-985 (1996)に記載の
ように一般的なヒスチジンキナーゼに共通の3つの保存
モチーフを有することを特徴とする領域であり、例えば
AHK2では配列番号2の891番目のアミノ酸から1163番目
のアミノ酸までを含む領域であり、AHK3では配列番号4
の746番目のアミノ酸から1018番目のアミノ酸までを含
む領域であり、CRE1では配列番号6の763番目のアミノ
酸から1038番目のアミノ酸までを含む領域である。細胞
外領域の少なくともひとつは、最もC末端側に存在する
膜貫通領域と該膜貫通領域よりもひとつN末端側に存在
する膜貫通領域との間に存在する領域(サイトカイニン
認識に関与する領域)であって、Plant and Cell Physi
ology 42(2):231-235(2001)に記載のようにAHK2、AHK
3、CRE1の3者間で50%以上保存されている領域であ
り、AHK2では配列番号2の259番目のアミノ酸から536番
目のアミノ酸までを含む領域であり、AHK3では配列番号
4の120番目のアミノ酸から399番目のアミノ酸までを含
む領域であり、CRE1では配列番号6の132番目のアミノ
酸から398番目のアミノ酸までを含む領域である。
るDNAは、サイトカイニン受容体の細胞外領域、サイ
トカイニン受容体の膜貫通領域、サイトカイニン受容体
のヒスチジンキナーゼ領域及びヒスチジンキナーゼのレ
シーバー領域の各領域をコードするDNAをそれぞれ調
製し、これらを途中に終止コドンが現れないように、か
つフレームがずれないように、必要に応じて適当なリン
カーを挿入して、通常の遺伝子工学的手法を用いて連結
することによって構築することができる。尚、サイトカ
イニン受容体の細胞外領域及びサイトカイニン受容体の
膜貫通領域をコードするDNAや、サイトカイニン受容
体の細胞外領域、サイトカイニン受容体の膜貫通領域及
びサイトカイニン受容体のヒスチジンキナーゼ領域をコ
ードするDNAは、一分子のDNAとして調製して、キ
メラ型サイトカイニン受容体をコードするDNAの構築
に用いてもよい。
知の方法を用いてそれぞれ作製することができる。例え
ば、PCRによって作製する場合には、まず、増幅しよ
うとする各領域をコードするDNAの5'端領域の塩基配
列を有するオリゴヌクレオチド(5'側プライマー)及び
3'端領域の塩基配列と相補的な塩基配列を有するオリゴ
ヌクレオチド(3'側プライマー)をそれぞれ設計し、合
成する。該プライマーは、通常14塩基程度以上35塩基程
度以下のオリゴヌクレオチドであればよく、さらにこの
プライマーの5'端側には、PCRによって増幅されたDN
Aどうしの連結又はこれらDNAとベクターとの連結の
際に利用しうる制限酵素認識配列を設けておいてもよ
い。次いで、当該プライマーを用いてかつcDNAライ
ブラリーを鋳型として、PCRに使用する通常の反応条
件下で増幅反応を行えばよい。サイトカイニン受容体の
細胞外領域、サイトカイニン受容体の膜貫通領域もしく
はサイトカイニン受容体のヒスチジンキナーゼ領域をコ
ードするDNAを調製する場合に使用される鋳型として
は、例えば、高等植物等の植物由来のcDNAのライブ
ラリーをあげることができる。また、ヒスチジンキナー
ゼのレシーバー領域をコードするDNAの調製の場合に
使用される鋳型としては、例えば、通常の方法で調製さ
れた微生物由来のcDNAライブラリー又は全DNAが
あげられる。
ドするDNAが導入されてなる形質転換細胞の作製は、
前述の“(サイトカイニン受容体をコードするDNAが
導入されてなる形質転換細胞の作製)”に準ずればよ
い。
系)本発明において、前述のようにして作製された形質
転換細胞内で発現されたサイトカイニン受容体からの細
胞内信号伝達の有無又はその量を測定するには、形質転
換細胞を作製するために使用される宿主細胞が本来有し
ている細胞内信号伝達系を利用すればよい。また、当該
宿主細胞に、Two-Component regulatory systemと呼ば
れる細胞内信号伝達機能を担うレギュレーター及び/又
はメディエーターをコードするDNAを導入・発現さ
せ、これを細胞内信号伝達系として利用してもよい。利
用可能なTwo-Component regulatory systemとしては、
例えば、シロイヌナズナが有する5種類の受容体 ETR
1、ETR2、ERS1、ERS2及びEIN4(Chang et al. Science
262:539-544(1993)、Hua et al. Science 269:1712-17
14(1995)、Sakai et al. Plant Cell Physiol 39:1232-
1239(1998))や浸透圧のセンサー機能を有するAtHK1
(Urao Plant Cell 11:1743-1754(1999))に対応し
たTwo-Component regulatory system等を挙げることが
できる。
ために使用される宿主細胞として、宿主細胞固有のヒス
チジンキナーゼ活性よりも低いヒスチジンキナーゼ活性
を有するように改良された宿主細胞を使用することもで
きる。例えば、天然の宿主細胞から一つ以上のヒスチジ
ンキナーゼを欠失させることにより細胞固有のヒスチジ
ンキナーゼ活性よりも低いヒスチジンキナーゼ活性を有
するように改良された宿主細胞があげられる。ヒスチジ
ンキナーゼ活性が低いとはヒスチジンキナーゼ領域の活
性部位となるHis残基からレシーバー領域の活性部位と
なるAsp残基へのリン酸基の転移量が少ないことであ
り、その結果細胞内信号伝達の量が減少する。宿主細胞
固有のヒスチジンキナーゼ活性よりも低いヒスチジンキ
ナーゼ活性を有するように改良された宿主細胞では、例
えば生育量の変化、形態の変化、形状の変化、細胞内で
の特定物質の生合成量の変化、特定物質の代謝量の変化
などが起こることがある。具体的には、Saccharomyces
cerevisiae等の出芽酵母由来の浸透圧センサー機能を有
するタンパク質をコードするSln1遺伝子を欠損させた株
(Maeda T et al. Nature:369 242-245(1994))等を挙
げることができる。この株は、Saccharomyces cerevisi
ae に存在するヒスチジンキナーゼを欠失しているた
め、生育量が減少し、本サイトカイニン受容体を導入す
ると、該受容体からの細胞内信号伝達の有無又はその量
を宿主細胞の生育量を指標としてより明確に検出でき
る。また、大腸菌由来のハイブリッドセンサーであるRc
sC遺伝子の欠損株や分裂酵母の細胞周期制御にかかわる
Phks遺伝子の欠損株等も好ましい態様の一例としてあげ
ることができる。
ト活性及びアンタゴニスト活性の分析方法)サイトカイ
ニン受容体に対するアゴニスト活性の分析方法におい
て、サイトカイニン受容体をコードするDNAが導入さ
れてなる形質転換細胞に被験物質を接触させる第一工程
の具体的な例としては、例えば、当該形質転換細胞を、
被験物質を含む培地で培養する方法をあげることができ
る。当該形質転換細胞の培養は、液体培地中にて培養す
る液体培養や、前記液体培地に寒天等を加えた固体培地
上にて培養する固体培養等いずれの形態であってもよ
い。前記培地中の被験物質の濃度としては、例えば、約
1nM〜約1mMをあげることができ、好ましくは、約
10nM〜約100μMがあげられる。培養時間として
は、例えば、1時間以上3日間程度までをあげることが
でき、好ましくは、25時間から2日間程度までがあげら
れる。尚、サイトカイニン受容体に対するアゴニスト活
性を分析する場合には、被験物質を含む培地はサイトカ
イニン非添加培地を使用すればよい。前記第一工程後
に、前記形質転換細胞内で発現されたサイトカイニン受
容体からの細胞内信号伝達の有無又はその量を測定し、
得られた測定値を指標として、サイトカイニン受容体に
対するアゴニスト活性を分析する。サイトカイニン受容
体に対するアンタゴニスト活性の分析方法において、サ
イトカイニン受容体をコードするDNAが導入されてな
る形質転換細胞に、被験物質及びサイトカイニン受容体
に対するアゴニスト活性を有する物質を接触させる第一
工程の具体的な例としては、例えば、当該形質転換細胞
を、被験物質及びサイトカイニン受容体に対するアゴニ
スト活性を有する物質を含む培地で培養する方法をあげ
ることができる。当該形質転換細胞の培養は、液体培地
中にて培養する液体培養や、前記液体培地に寒天等を加
えた固体培地上にて培養する固体培養等いずれの形態で
あってもよい。前記培地中の被験物質の濃度としては、
例えば、約1nM〜約1mMをあげることができ、好ま
しくは、約10nM〜約100μMがあげられる。サイ
トカイニン受容体に対するアゴニスト活性を有する物質
(例えば、trans-zeatin、cis-zeatin、benzyl adenin
e、thidiazuron等のサイトカイニン)の濃度としては、
例えば、約1nM〜約1mMをあげることができ、好ま
しくは、約10nM〜約100μMがあげられる。培養
時間としては、例えば、1時間以上3日間程度までをあ
げることができ、好ましくは、25時間から2日間程度ま
でがあげられる。前記第一工程後に、前記形質転換細胞
内で発現されたサイトカイニン受容体からの細胞内信号
伝達の有無又はその量を測定し、得られた測定値を指標
として、サイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト
活性を分析する。
sphatase遺伝子(Ota et al, Proc.N.A.sci.USA, 89, 2
355-2359 (1992))を導入したSln1遺伝子欠損株であるT
M182(sln1Δ)株(Maeda T et al. Nature:369 242-24
5(1994))を宿主細胞として作製された形質転換細胞
(即ち、サイトカイニン受容体からの細胞内信号伝達に
よって、細胞生育が直接的に制御される機能を有する形
質転換細胞)を使用する場合には、炭素源としてグルコ
ースを用いた培地(寒天培地又は液体培地)、例えば、
DOLU+Glu培地での当該形質転換細胞の生育量を指標とし
てサイトカイニン受容体に対するアゴニスト活性あるい
はアンタゴニスト活性を測定すればよい。被験物質を加
えたDOLU+Glu培地(サイトカイニン受容体に対するアゴ
ニスト活性を有する物質を含まない培地)を用いた場
合、当該形質転換細胞を生育させうる被験物質はサイト
カイニン受容体に対するアゴニスト活性を有すると評価
することができる。一方、被験物質及びサイトカイニン
受容体に対するアゴニスト活性を有する物質を加えたDO
LU+Glu培地を用いた場合、当該形質転換細胞の生育を抑
制又は阻害しうる被験物質はサイトカイニン受容体に対
するアンタゴニスト活性を有すると評価することができ
る。尚、対照として、炭素源としてグルコースの替わり
にガラクトースを用いた培地、例えばDOLU+Gal培地、で
の当該形質転換細胞の生育が、被験物質の有無に関わら
ず認められることを調べてもよい。
宿主細胞として作製された形質転換細胞(即ち、サイト
カイニン受容体からの細胞内信号伝達によって、細胞生
育が直接的に制御される機能を有する形質転換細胞)を
使用する場合には、当該分裂酵母の分裂様式を顕微鏡下
に観察すればよい。被験物質を含みかつサイトカイニン
受容体に対するアゴニスト活性を有する物質を含まない
培地を用いた場合、当該形質転換細胞を正常に分裂増殖
させうる被験物質はサイトカイニン受容体に対するアゴ
ニスト活性を有すると評価することができる。一方、被
験物質及びサイトカイニン受容体に対するアゴニスト活
性を有する物質を含む培地を用いた場合、当該形質転換
細胞を正常に分裂増殖させない被験物質はサイトカイニ
ン受容体に対するアンタゴニスト活性を有すると評価す
ることができる。cps-LacZを導入したRcsC遺伝子欠損大
腸菌を宿主細胞として作製された形質転換細胞を使用す
る場合には、X-Galの発色を寒天培地又は液体培地で観
察すればよい(Suzuki et al. Plant Cell Physiol 42:
107-113(2001))。被験物質を含みかつサイトカイニン
受容体に対するアゴニスト活性を有する物質を含まない
培地を用いた場合、当該形質転換細胞を青色に着色させ
うる被験物質はサイトカイニン受容体に対するアゴニス
ト活性を有すると評価することができる。一方、被験物
質及びサイトカイニン受容体に対するアゴニスト活性を
有する物質を含む培地を用いた場合、当該形質転換細胞
の青色の着色を抑制又は阻害させうる被験物質はサイト
カイニン受容体に対するアンタゴニスト活性を有すると
評価することができる。
するアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性の分析方
法により、異なる2種以上の物質(例えば、異なる2種
以上の物質のうち、少なくとも一つの物質がサイトカイ
ニン受容体に対するアゴニスト活性またはアンタゴニス
ト活性を有さない物質であることが好ましい。)のアゴ
ニスト活性またはアンタゴニスト活性を各々分析し、各
被験物質と接触した形質転換細胞について測定されたサ
イトカイニン受容体からの細胞内信号伝達の有無又はそ
の量を比較することにより得られる差異に基づき、前記
物質のサイトカイニン受容体に対するアゴニスト活性ま
たはアンタゴニスト活性を評価・検定することもでき
る。そして、上述の検定方法により評価されたサイトカ
イニン受容体に対するアゴニスト活性またはアンタゴニ
スト活性に基づきサイトカイニン受容体に対するアゴニ
スト活性またはアンタゴニスト活性を有する物質を選抜
することにより、サイトカイニン受容体に対するアゴニ
スト活性物質またはアンタゴニスト活性物質を探索する
こともできる。
ニスト活性物質は、植物生育調節剤の有効成分として利
用してもよい。上記の植物生長調節剤の処理の対象とな
る植物としては、例えば、花卉・観葉植物等の鑑賞用植
物、穀類・野菜・果樹等の作物、繊維植物、樹木、芝等
が挙げられる。
液体担体等と混合し、必要により界面活性剤、その他の
製剤用補助剤等を添加して、乳剤、水和剤、懸濁剤、水
溶剤等に製剤化して用いられる。これらの製剤中にサイ
トカイニン受容体に対するアンタゴニスト活性物質が一
般に0.5〜90重量%、好ましくは1〜80重量%含
有される。製剤化するに際し用いられる固体担体として
は、例えば粘土類(カオリナイト、珪藻土、合成含水酸
化珪素、フバサミクレー、ベントナイト、酸性白土
等)、タルク、その他の無機鉱物(セリサイト、石英粉
末、硫黄粉末、活性炭、炭酸カルシウム等)化学肥料
(硫安、燐安、硝安、塩安、尿素等)などの微粉末や粒
状物が挙げられ、液体担体としては、例えば水、アルコ
ール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳
香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、メチルナフタレン等)、非芳香族炭化水素類(ヘキ
サン、シクロヘキサン、ケロシン等)、エステル類(酢
酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリ
ル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジオキサ
ン、ジイソプロピルエーテル等)、酸アミド類(ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン
化炭化水素類(ジクロロエタン、トリクロロエチレン
等)などが挙げられる。界面活性剤としては、例えばア
ルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルアリ−ルスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類
及びそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコ
ールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコ
ール誘導体などが挙げられる。その他の製剤用補助剤と
しては、例えばカゼイン、ゼラチン、多糖類(澱粉、ア
ラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグ
ニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
酸等)などの固着剤や分散剤、PAP(酸性リン酸イソ
プロピル)、BHT(2,6−tert−ブチル−4−
メチルフェノール)、BHA(2−/3−tert−ブ
チル−4−メトキシフェノール)、植物油、鉱物油、脂
肪酸、脂肪酸エステルなどの安定剤が挙げられる。
ン受容体に対するアンタゴニスト活性物質は、そのまま
で、又は、水等で希釈して、植物の茎葉部・枝葉部・花
実部への散布処理、果実への浸漬処理、果実への塗布処
理に用いる。また、当該植物生長調節剤は、対象植物に
対して、1回もしくは複数回処理する。上記の植物生長
調節剤を果実の落下抑制を目的として用いる場合は、例
えば、当該植物生長調節剤を水に希釈し、これを収穫前
に果樹の果実部及び枝葉部に散布する。上記の植物生長
調節剤を綿のボール落下抑制を目的に使用する場合は、
例えば、当該植物生長調節剤を水に希釈し、これを収穫
前に綿のボール及び茎葉部に散布する。上記の植物生長
調節剤は、生育中の植物に対してに処理してもよいし、
収穫後の植物に対して処理してもよい。上記の植物生長
調節剤におけるサイトカイニン受容体に対するアンタゴ
ニスト活性物質の施用量は、製剤形態、施用時期、施用
方法、施用場所、対象植物により変わり得るが、1ヘク
タール当り通常1〜8000gである。また、当該植物
生長調節剤を水に希釈して用いる場合の使用濃度として
は、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、対象植
物により変わり得るが、一般には0.0001〜100
0mMで、望ましくは0.001〜10mMである。
タゴニスト活性物質を製剤化して、上記の植物生長調節
剤とした例を、以下に製剤例として示す。以下の例にお
いて部は重量部を表す。 製剤例1 サイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト活性物質
50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル
硫酸ナトリウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく
粉砕混合して水和剤を得る。 製剤例2 サイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト活性物質
70部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル
硫酸ナトリウム2部及び合成含水酸化珪素25部をよく
粉砕混合して水和剤を得る。 製剤例3 サイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト活性物質
40部、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
3部、CMC(カルボキシメチルセルロース)3部及び
水52部を混合し、粒度が5ミクロン以下になるまで湿
式粉砕して懸濁剤を得る。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
ナズナcDNAファージライブラリーの作成 シロイヌナズナのWassilewskija系統の種子を70%のエチ
ルアルコールで1分殺菌し、さらに1.5%の次亜塩素酸ナ
トリウムで10分間殺菌した。これを滅菌水でよく洗った
後、GM培地(4.3g Murashige and Skoog's basal salt
mixture, 1% ssucrose, 10ml of 5% MES-KOH (pH5.7),
0.3%PhytagelTM (SIGMA))で2週間培養後、5gの植物
を得た。これを液体窒素中で凍結させた後、乳鉢により
物理的に磨砕した。得られた磨砕物に10mlの抽出バッフ
ァー(200mM Tris−HCl(pH8.5)、100mM NaCl、10mM
EDTA、0.5% SDS、14mM βメルカプトエタノール)と10
gのフェノールの混合液を加えた。Voltex ミキサーで
攪拌した後、さらに10mlのクロロホルムを加えて激しく
攪拌し、10000回転で20分間遠心した。回収された水層
にLiClを最終濃度2Mとなるように加え、-80℃で3時間放
置した後、解凍し、10000回転で20分間遠心し、沈殿を
回収した。回収された沈殿を2mlのTE (10mM Tris-HCl(p
H 8.0) 1mM EDTA)に溶かした後、0.2mlの3M 酢酸ナトリ
ウム(pH5.2)と5mlのエタノールを加えて遠心し、RNAを
沈殿として回収した。さらに回収された沈殿(RNA)
を、OligotexTM dT30super(日本ロッシュ社製)を用いて
polyAが結合したRNAを抽出した。抽出されたpolyAが結
合したRNAからのファージcDNAライブラリーの作製は、Z
AP-cDNARSynthesis Kit(Stratagene社製)を用い、説
明書に従って作製した。作製されたファージcDNAライブ
ラリーの力価は500000PFUであった。
製 実施例1で作製されたファージcDNAライブラリーのファ
ージ液(約1000000PFU)を鋳型として、TAKARA LA Taq
TMキット(宝酒造社製)を用い、配列番号11に示された
DNA及び配列番号12に示されたDNAをプライマーとしてPC
R反応を行い、DNAを増幅した。詳細を以下に述べる。フ
ァージ1000000pfu、プライマーDNA各々0.2μMにキット
説明書に従ってdNTP等の反応組成物を添加してPCR反応
液を調製し、PCRの条件として、94℃で2分間保温し、94
℃で30秒間、55℃で30秒間、68℃で5分間のサイクルを
40サイクル繰り返す増幅条件下でPCRを行うことによ
り、目的のDNA断片の増幅を行った。次に増幅されたDNA
断片を鋳型にしてMegaprime DNA-labelling system キ
ット(アマシャムファルマシア社製)を用いて32Pでラ
ベルしたプローブを調製した。尚、反応液(25μl)
は、増幅されたDNA断片25ngに32PdCTP 2.0 MBqを添加
し、キットに指定される反応組成物を添加することによ
り調製された。ラベル化反応は、37℃10分間で行われ
た。
ジcDNAクローンの取得 実施例2で調製されたプローブを用いたプラークハイブ
リダイゼーションにより目的とするCRE1遺伝子をクロー
ニングした。詳細を以下に述べる。実施例1で作製され
たファージcDNAライブラリーを用いて、ZAP-cDNARSynth
esis Kitの説明書に従い 、プラークを形成させた。形
成されたプラークからニトロセルロースフィルター上に
DNAを吸着させた後、紫外線処理をすることにより、フ
ィルター上にDNAを固定させた。このようにして調製さ
れたフィルターを用いて、6×SSC(0.9M NaCl、0.09Mク
エン酸ナトリウム)、5×デンハルト溶液(0.1%(w/v)
フィコール400、0.1%(w/v) ポリビニルピロリドン、0.1
%BSA)、0.5%(w/v) SDS及び100μg/ml変性サケ精子DNA
存在下に、又は100μg/ml変性サケ精子DNAを含むDIG EA
SY Hyb溶液(ベーリンガーマンハイム社)中に65℃で保
温した後、1×SSC(0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナト
リウム)及び0.5%SDS存在下に室温で15分間の保温を2回
行い、さらに0.1×SSC(0.015M NaCl、0.0015Mクエン酸
ナトリウム)及び0.5%SDS存在下に、68℃で30分間保温
することによりハイブリダイズするファージcDNAクロー
ンを得た。
として、配列番号13に示されるDNA及び配列番号14に示
されるDNAをプライマーとしてPCR反応を行い、配列番号
5で示される塩基配列を有するDNAを増幅した。詳細を
以下に述べる。PCR反応は、Herculase Enhanced DNA Po
lymerase (TOYOBO社製)を用いて、94℃で1分間保温し、
94℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で4分間のサイクル
を25サイクル繰り返す増幅条件下で行われた。尚、PCR
反応液(50μl)は、ファージcDNAクローンのcDNA500n
g、プライマーDNA各々100ngにキット説明書に従ってdN
TP等の反応組成物を添加することにより調製された。こ
のようにして目的のDNA断片の増幅を行った。
ne:156 119-122(1995)、ATCCライブラリー (No.8738
2)から入手可能)を制限酵素SmaIで切断した後、T4 D
NA Ligaseを用いて、実施例4で得られた配列番号5で
示される塩基配列を有するDNAを発現ベクターp415CYC1
のCYC1プロモータ配列に結合することにより、酵母にお
いて目的タンパク質が発現されるように組み込んだ。挿
入されたDNAの配列が正しい向きであり、DNA配列が
配列番号5に示された塩基配列であることを自動塩基配
列決定装置を用いて確認し、発現プラスミドp415CYC-CR
E1を得た。
ーニング シロイヌナズナのWassilewskija系統の種子を70%のエチ
ルアルコールで1分殺菌し、さらに1.5%の次亜塩素酸ナ
トリウムで10分間殺菌した。これを滅菌水でよく洗った
後、GM培地(4.3g Murashige and Skoog's basal salt
mixture, 1% ssucrose, 10ml of 5% MES-KOH (pH5.7),
0.3%PhytagelTM (SIGMA))で2週間培養することによ
り、5gの植物を得た。これを液体窒素中で凍結させた
後、乳鉢により物理的に磨砕した。得られた磨砕物に10
mlの抽出バッファー(200mM Tris−HCl(pH8.5)、10
0mM NaCl、10mM EDTA、0.5% SDS、14mM βメルカプトエ
タノール)と10gのフェノールの混合液を加えた。Volt
ex ミキサーで攪拌した後、さらに10mlのクロロホルム
を加えて激しく攪拌し、10000回転で20分間遠心した。
回収された水層にLiClを最終濃度2Mとなるように加え、
-80℃で3時間放置した後、解凍し、10000回転で20分間
遠心し、沈殿を回収した。回収された沈殿を2mlのTE (1
0mM Tris-HCl(pH 8.0) 1mM EDTA)に溶かした後、0.2ml
の3M 酢酸ナトリウム(pH5.2)と5mlのエタノールを加え
て遠心し、RNAを沈殿として回収した。さらに回収され
た沈殿(RNA) 40 μgから、30unitのFPLCpureTM Dnas
eI(Amersham-Pharmacia)と60unitのSuperace(Ambion)を
加えることにより、混在するゲノムDNAを除去した後、
これをフェノール/クロロホルム処理、及びエタノール
処理により精製した。次に、精製されたRNAを鋳型とし
て、かつoligo(dT)12-18 (amersham-Pharmacia)をプラ
イマーとして用いたRT-PCR反応を行った。RT-PCR反応
は、SuperscriptII(GIBCO BRL社製)を用いて、42℃で
40分間行われた。尚、PT-PCR反応液は、SuperscriptII
の説明書に指定される方法に従い調製された。このよう
にして目的とするcDNAを増幅した。増幅されたcDNAを鋳
型として、配列番号16に示されるDNA及び配列番号17に
示されるDNAをプライマーとして用いたPCR反応を行い、
配列番号3で示される塩基配列を有するDNAを増幅し
た。PCR反応は、Herculase Enhanced DNA Polymerase(T
OYOBO)を用いて、94℃で1分間保温し、94℃で30秒間、5
5℃で30秒間、72℃で4分間のサイクルを41サイクル繰り
返す増幅条件下で行われた。尚、PCR反応液(50μl)
は、鋳型DNA500ng、プライマーDNA各々100ngにキット説
明書に従ってdNTP等の反応組成物を添加することによ
り調製された。このようにして目的のDNA断片の増幅を
行った。
ATCCライブラリー (No.87382)から入手可能)を制限
酵素SpeIとBamHIで消化した後、T4 DNA Ligaseを用い
て、配列番号18及び15に示される合成DNA断片(リ
ンカー)を挿入し、プラスミドp415CYC1に新たに制限酵
素サイトSacII、ApaI、NheIを付加し、pHM-1を構
築した。
4 DNA Ligaseを用いて、配列番号3で示される塩基配列
を有するDNAを発現ベクターpHM-1のCYC1プロモーター配
列に結合することにより、酵母において目的タンパク質
が発現されるように組み込んだ。挿入されたDNAの塩基
配列の配列及び向きが正しいことを自動塩基配列決定装
置を用いて確認し、発現プラスミドp415CYC-AHK3を得
た。
ニング 実施例6で調製されたDNA断片(全RNAより逆転写によっ
て調整したcDNA)を鋳型として、配列番号19に示される
DNA及び配列番号20に示されるDNAをプライマーとして用
いたPCR反応を行い、配列番号1で示される塩基配列を
有するDNAを増幅した。PCR反応は、TAKARA Pfu Turbo
denature(宝酒造社製)を用いて、94℃で1分間保温
し、94℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で4分間のサイ
クルを30サイクル繰り返す増幅条件下で行われた。尚、
PCR反応液(50μl)は、鋳型DNA500ng、プライマーDNA
各々50ngに説明書に従ってdNTP等の反応組成物を添加
することにより調製された。このようにして目的のDNA
断片の増幅を行った。
ローニング 実施例6で調製されたDNA断片(全RNAより逆転写によっ
て調整したcDNA)を鋳型として、配列番号21に示される
DNA及び配列番号22に示されるDNAをプライマーとして用
いたPCR反応を行い、配列番号1で示される塩基配列の
うち、塩基番号586〜3531で示される塩基配列の
5’末端にATGを付加した塩基配列を有するDNAを増幅し
た。PCR反応は、TAKARA Pfu Turbo denature(宝酒造
社製)を用いて、94℃で1分間保温し、94℃で30秒間、5
5℃で30秒間、72℃で4分間のサイクルを30サイクル繰り
返す増幅条件下で行われた。尚、PCR反応液(50μl)
は、鋳型DNA500ng、プライマーDNA各々50ngに説明書に
従ってdNTP等の反応組成物を添加することにより調製
された。このようにして目的のDNA断片の増幅を行っ
た。
ーの構築 pHM-1を制限酵素SacIIとNheIを用いて切断した後、
実施例9及び実施例10で得られたDNA断片をT4 DNA Li
gaseを用いて発現ベクターpHM-1のCYC1プロモータ配列
に結合することにより、酵母において目的タンパク質が
発現されるように組み込んだ。挿入されたDNAの塩基配
列の配列及び向きが正しいことを自動塩基配列決定装置
を用いて確認し、発現プラスミドp415CYC-AHK2及びp415
CYC-AHK2Δを得た。
TM182-AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM182-AHK3の作製 得られた発現プラスミドp415CYC-CRE1(実施例5)、p4
15CYC-AHK2(実施例11)、p415CYC-AHK2Δ(実施例1
1)及びp415CYC-AHK3(実施例8)をそれぞれ用いて、
Sln1遺伝子欠損株であるTM182(sln1Δ)(Maeda T et
al. Nature:369242-245(1994))を形質転換した。形質
転換は、Polyethylene glycol/lithiumacetate (PEG/Li
Ac)-mediated transformation 法を用い、CLONTECH社:
MATCHMAKER Two-Hybrid System 3 User Manual 22ペー
ジに記載される VII.Library Transformation & Screen
ing Protocolsに従って行った。得られる形質転換細胞
では、ロイシンの栄養要求性が消失することを利用し、
DOLU+Gal培地で生育する形質転換酵母を選択し、形質転
換細胞TM182-CRE1、TM182-AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM18
2-AHK3を作製した。
TM182-AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM182-AHK3のサイトカイ
ニン応答(その1) 実施例12で作製された形質転換細胞TM182-CRE1、TM1
82-AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM182-AHK3の培養液10μl
(酵母約800個体)を、濃度10μMのtrans-zeatinを添加
したDOLU+Glu寒天培地上にスポットして、30℃で30時間
培養を行った。培養終了後、当該形質転換細胞の生育状
態を観察し、デジタルカメラにて写真を撮影した。その
結果、TM182-CRE1、TM182-AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM18
2-AHK3のいずれの形質転換細胞も、trans-zeatinを添加
したDOLU+Glu寒天培地の場合には、trans-zeatinを添加
しないDOLU+Glu寒天培地の場合に比べて高い増殖度を示
した。このことから、形質転換細胞がサイトカイニンに
対して応答し、DOLU+Glu寒天培地での生育が可能である
ことを示している。また、形質転換細胞が、trans-zeat
in存在の有無に関わらずDOLU+Gal培地で生育可能である
ことも確認した。
TM182-AHK2Δ及びTM182-AHK2のサイトカイニン応答(そ
の2) 実施例12で得られた形質転換細胞TM182-CRE1、TM182-
AHK2Δ及びTM182-AHK2形質転換細胞の培養液を種々の濃
度(1nM、10nM、100nM、1μM、10μM、100
μM)のサイトカイニンを含むDOLU+Glu寒天培地上にス
ポットして、30℃で30時間培養を行った。培養終了後、
生育状態を観察し、デジタルカメラにて写真を撮影し
た。表1に、各形質転換細胞が生育可能であったtrans-
zeatin及びcis-zeatin の最低濃度を示した。
するアゴニスト活性を有する物質の探索方法(その1) 実施例12で得られた形質転換細胞TM182-AHK2、TM182-
AHK2Δ及びTM182-AHK3をDOLU+Gal培地200mlに植菌し、3
0℃で36時間前培養を行い、この培養液をDOLU+Glu培地
でOD600=0.100に希釈し、さらにそれをDOLU+Glu培地
で200分の1に希釈したものを、希釈前培養液とした。9
6穴プレートの各ウエルに、濃度10mMに調製した被験物
質(Abscisic acidまたは6-Benzyl aminopurine)のDMS
O溶液をDOLU+Glu培地にて100倍に希釈した溶液(100μ
M)を20μl添加したアッセイプレートを準備した。同
時に、DMSO 20μlをDOLU+Glu培地にて100倍に希釈した
溶液を20μl入れたアッセイプレートを対照区として準
備した。上記の希釈前培養液を200μlずつ両アッセイプ
レートの各ウエルに添加し、30℃で24時間培養した後、
プレートリーダーを用いて各ウエルの濁度を測定した。
該濁度を対照区における濁度と比較することにより、被
験物質のサイトカイニン受容体に対するアゴニスト活性
を検定した。表2に、各被験物質を添加した各形質転換
細胞培養液のOD620の吸光度を示した。6-Benzyl aminop
urineを添加した試験区における濁度が対照区における
濁度に比べて高い値を示したことから、6-Benzyl amino
purineを、サイトカイニン受容体に対するアゴニスト活
性物質として選抜した。
するアンタゴニスト活性を有する物質の探索方法(その
1) 実施例12で得られた形質転換細胞TM182-CRE1、TM182-
AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM182-AHK3をDOLU+Gal培地200m
lに植菌し、30℃で30時間前培養を行い、前培養液とす
る。96穴プレートの各ウエルに1μMのtrans-zeatin(サ
イトカイニン)を添加したDOLU+Glu培地を200μl入れ
て、各ウエルに被験物質の供試濃度が1μMとなるよう
に添加したアッセイプレートを準備する。同時に、1μM
のtrans-zeatinを添加したDOLU+Glu培地のみを200μl入
れたアッセイプレートを対照区用として準備する。上記
の前培養液を20μlずつ両アッセイプレートの各ウエル
に添加し、30℃で30時間培養した後、プレートリーダー
を用いて各ウエルの濁度を測定する。該濁度を対照区に
おける濁度と比較することにより、被験物質のサイトカ
イニン受容体に対するアンタゴニスト活性を検定する。
試験区における濁度が対照区における濁度に比べて低い
値を示した被験物質を、サイトカイニン受容体に対する
アンタゴニスト活性物質として選抜する。
するアゴニスト活性物質の探索方法(その2) 実施例12で得られた形質転換細胞(TM182-CRE1、TM18
2-AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM182-AHK3)をDOLU+Gal培地
200mlに植菌し、30℃で30時間前培養を行う。実施例1
5で選抜されたサイトカイニン受容体に対するアゴニス
ト活性物質の供試濃度が10nMから100μMとなるよう
に種々変化させて添加したDOLU+Glu寒天培地に、前培養
した形質転換細胞(TM182-CRE1、TM182-AHK2、TM182-AH
K2Δ及びTM182-AHK3)10μlをスポットして30℃で30時
間培養する。培養終了後、形質転換細胞(TM182-CRE1、
TM182-AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM182-AHK3)の増殖状態
が観察される最低供試濃度から当該供試物質のサイトカ
イニン受容体に対するアゴニスト活性の強度を検定・確
認する。
するアンタゴニスト活性物質の探索方法(その2) 実施例12で得られた形質転換細胞(TM182-CRE1、TM18
2-AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM182-AHK3)をDOLU+Gal培地
200mlに植菌し、30℃で30時間前培養を行う。実施例1
6で選抜されたサイトカイニン受容体に対するアンタゴ
ニスト活性物質の供試濃度が10nMから100μMとなる
ように種々変化させ、かつ10μMのtrans-zeatin(サイ
トカイニン)と共に、添加したDOLU+Glu寒天培地に、前
培養した形質転換細胞(TM182-CRE1、TM182-AHK2、TM18
2-AHK2Δ及びTM182-AHK3)10μlをスポットして30℃で3
0時間培養する。培養終了後、形質転換細胞(TM182-CRE
1、TM182-AHK2、TM182-AHK2Δ及びTM182-AHK3)の増殖
状態が観察されない最低供試濃度からサイトカイニン受
容体に対するアンタゴニスト活性の強度を検定・確認す
る。
組成を記す。 (a)DOLU+GLU培地 Bacto-yeast nitrogen base without amino acids 6.7g Glucose 20g Drop-out mix(x) 2.0g Distilled water 1000ml (b)DOLU+GAL培地 Bacto-yeast nitrogen base without amino acids 6.7g Glucose 20g Drop-out mix(x) 2.0g Distilled water 1000ml (x)Drop-out mix: Adenine 0.5g Lysine 2.0g Alanine 2.0g Methionine 2.0g Arginine 2.0g para-Aminobenzoic acid 0.2g Asparagine 2.0g Phenylalanine 2.0g Aspartic acid 2.0g Proline 2.0g Cysteine 2.0g Serine 2.0g Glutamine 2.0g Threonine 2.0g Glutamic acid 2.0g Tryptophan 2.0g Glycine 2.0g Tyrosine 2.0g Histidine 2.0g Valine 2.0g Inositol 2.0g Isoleucine 2.0g Distilled water 1000ml (c)DOLU+GLU寒天培地 培地(a)に2%(W/V)の寒天が添加された固体培
地。 (d)DOLU+GAL寒天培地 培地(c)に2%(W/V)の寒天が添加された固体培
地。
受容体および該受容体をコードするDNA、ならびにサ
イトカイニン受容体に対するアンタゴニスト活性の分析
方法が提供可能となり、さらに当該分析方法を使用する
ことでサイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト活
性を有する物質を少量のサンプルでかつ迅速に見出す方
法等が提供可能となる。
Claims (15)
- 【請求項1】下記のいずれかのサイトカイニン受容体。 (d)天然型サイトカイニン受容体が有する複数の膜貫
通領域のうち、その一部の膜貫通領域が欠失しているも
のであって、かつ膜貫通領域を少なくとも1個以上有す
るサイトカイニン受容体 (e)配列番号2で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号196から1176で示されるアミノ酸配列か
らなるサイトカイニン受容体 (f)配列番号2で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号50から1176で示されるアミノ酸配列から
なるサイトカイニン受容体 (g)配列番号4で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号32から1036で示されるアミノ酸配列から
なるサイトカイニン受容体 (h)互いにホモな由来であるサイトカイニン受容体の
細胞外領域、サイトカイニン受容体の膜貫通領域及びサ
イトカイニン受容体のヒスチジンキナーゼ領域と、前記
領域に対してヘテロな由来であるヒスチジンキナーゼの
レシーバー領域とから構成されるキメラ型サイトカイニ
ン受容体 (i)上記(e)、(f)又は(g)のアミノ酸配列に
おいて1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは
付加されたアミノ酸配列を有するサイトカイニン受容体 - 【請求項2】請求項1記載のサイトカイニン受容体をコ
ードするDNA。 - 【請求項3】請求項2記載のDNAが導入されてなる形
質転換細胞。 - 【請求項4】サイトカイニン受容体に対するアンタゴニ
スト活性の分析方法であって、(1)サイトカイニン受
容体をコードするDNAが導入されてなる形質転換細胞
に、被験物質及びサイトカイニン受容体に対するアゴニ
スト活性を有する物質を接触させる第一工程、及び
(2)前記第一工程後に、前記形質転換細胞内で発現さ
れたサイトカイニン受容体からの細胞内信号伝達の有無
又はその量を測定する第二工程を有することを特徴とす
る分析方法。 - 【請求項5】前記形質転換細胞が、サイトカイニン受容
体からの細胞内信号伝達によって、細胞生育が直接的に
制御される機能を有する細胞であって、前記細胞内信号
伝達の有無又はその量を、前記形質転換細胞の生育量を
指標として測定することを特徴とする請求項4記載の分
析方法。 - 【請求項6】前記形質転換細胞が、細胞固有のヒスチジ
ンキナーゼ活性よりも低いヒスチジンキナーゼ活性を有
するように改良された宿主細胞にサイトカイニン受容体
をコードするDNAが導入されてなる形質転換細胞であ
ることを特徴とする請求項4記載の分析方法。 - 【請求項7】前記形質転換細胞が、一つ以上のヒスチジ
ンキナーゼを欠失させることにより細胞固有のヒスチジ
ンキナーゼ活性よりも低いヒスチジンキナーゼ活性を有
するように改良された宿主細胞にサイトカイニン受容体
をコードするDNAが導入されてなる形質転換細胞であ
ることを特徴とする請求項4記載の分析方法。 - 【請求項8】前記形質転換細胞が、サイトカイニン受容
体を有さない宿主細胞にサイトカイニン受容体をコード
するDNAが導入されてなる形質転換細胞であることを
特徴とする請求項4記載の分析方法。 - 【請求項9】前記形質転換細胞が酵母であることを特徴
とする請求項4記載の分析方法。 - 【請求項10】前記形質転換細胞が出芽酵母であること
を特徴とする請求項4記載の分析方法。 - 【請求項11】サイトカイニン受容体をコードするDN
Aが、下記のいずれかのサイトカイニン受容体をコード
するDNAであることを特徴とする請求項4記載の分析
方法。 (a)配列番号6で示されるアミノ酸配列を有するサイ
トカイニン受容体 (b)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するサイ
トカイニン受容体 (c)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するサイ
トカイニン受容体 (d)天然型サイトカイニン受容体が有する複数の膜貫
通領域のうち、その一部の膜貫通領域が欠失しているも
のであって、かつ膜貫通領域を少なくとも1個以上有す
るサイトカイニン受容体 (e)配列番号2で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号196から1176で示されるアミノ酸配列か
らなるサイトカイニン受容体 (f)配列番号2で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号50から1176で示されるアミノ酸配列から
なるサイトカイニン受容体 (g)配列番号4で示されるアミノ酸配列のうち、アミ
ノ酸番号32から1036で示されるアミノ酸配列から
なるサイトカイニン受容体 (h)互いにホモな由来であるサイトカイニン受容体の
細胞外領域、サイトカイニン受容体の膜貫通領域及びサ
イトカイニン受容体のヒスチジンキナーゼ領域と、前記
領域に対してヘテロな由来であるヒスチジンキナーゼの
レシーバー領域とから構成されるキメラ型サイトカイニ
ン受容体 (i)上記(a)、(b)、(c)、(e)、(f)又
は(g)のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミ
ノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有
するサイトカイニン受容体 - 【請求項12】異なる2種以上の被験物質のアンタゴニ
スト活性を請求項4記載の分析方法により各々分析し、
各被験物質と接触した形質転換細胞について測定された
サイトカイニン受容体からの細胞内信号伝達の有無又は
その量を比較することにより得られる差異に基づき、前
記物質のサイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト
活性を評価することを特徴とするサイトカイニン受容体
に対するアンタゴニスト活性の検定方法。 - 【請求項13】異なる2種以上の物質のうち、少なくと
も一つの物質がサイトカイニン受容体に対するアンタゴ
ニスト活性を有さない物質であることを特徴とする請求
項12記載の検定方法。 - 【請求項14】請求項12記載の検定方法により評価さ
れたサイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト活性
に基づきサイトカイニン受容体に対するアンタゴニスト
活性を有する物質を選抜することを特徴とするサイトカ
イニン受容体に対するアンタゴニスト活性物質の探索方
法。 - 【請求項15】請求項14記載の探索方法により選抜さ
れた物質を有効成分とすることを特徴とする植物生育調
節剤。
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JP2005130854A (ja) * | 2003-10-10 | 2005-05-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | サイトカイニン受容体及びサイトカイニン生合成酵素の共発現形質転換細胞 |
JP2008208113A (ja) * | 2006-11-22 | 2008-09-11 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 細胞が有する植物由来のサイトカイニン受容体からの細胞内信号伝達を阻害する活性を有する薬剤 |
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2002
- 2002-03-13 JP JP2002068268A patent/JP4224976B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2008208113A (ja) * | 2006-11-22 | 2008-09-11 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 細胞が有する植物由来のサイトカイニン受容体からの細胞内信号伝達を阻害する活性を有する薬剤 |
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