JP2003077937A - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタ及びその製造方法

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JP2003077937A
JP2003077937A JP2001270547A JP2001270547A JP2003077937A JP 2003077937 A JP2003077937 A JP 2003077937A JP 2001270547 A JP2001270547 A JP 2001270547A JP 2001270547 A JP2001270547 A JP 2001270547A JP 2003077937 A JP2003077937 A JP 2003077937A
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effect transistor
gate
layer
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electric field
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JP2001270547A
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Takasumi Oyanagi
孝純 大柳
Tokuo Watanabe
篤雄 渡辺
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート電極の中心に対して対称なMOS電界
効果トランジスタの耐圧を劣化させず微細化を可能にす
ること。 【解決手段】 ゲート電極103と対称的にゲートオー
バーラップ構造の電界緩和層107A、107Bを有す
るMOS電界効果トランジスタにおいて、当該電界緩和
層107A、107Bがゲート電極103とオーバーラ
ップする長さLLを少なくとも0.15μmにしたも
の。 【効果】 ゲート絶縁膜102によるフィールドプレー
ト効果により空乏層内の電界が更に緩和されるので、ゲ
ート長が少なくでき、更に微細化を図ることができる
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐圧のMOS電
界効果トランジスタに係り、特にメモリセルの書込回路
と消去回路に好適なMOS電界効果トランジスタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体メモリの一種にフラッシュメモリ
があるが、この場合、メモリセルの書込み消去には10
V程度より高い電圧を印加する必要があり、このため、
10V程度以上の耐圧のMOS電界効果トランジスタ
(MOSFET)が必要である。
【0003】ここで、耐圧が10〜30V程度のMOS
電界効果トランジスタとしては、LDD(Lightly Doped
Drain)構造を用いたものが知られており、この場合、
ドレイン電極に接する高濃度層の端を、耐圧の程度に応
じて、ゲート絶縁膜から離して配置することにより、耐
圧を高めている。
【0004】ところで、通常、N型チャネルMOS電界
効果トランジスタは、ソース電極を接地電位にした上で
ドレイン電極には正の電圧を印加して使用し、P型チャ
ネルMOS電界効果トランジスタの場合は、ドレイン電
極を接地電位にし、ソース電極に正の電圧を印加して使
用している。
【0005】しかし、このときN型チャネルMOS電界
効果トランジスタについては、ドレイン電極が接地電位
でソース電極に正の電圧が印加でき、P型チャネルMO
S電界効果トランジスタの場合は、ソース電極が接地電
位でドレイン電極には正の電圧が印加できるデバイス構
造にすれば、用途が更に大きく広がる。つまり、MOS
電界効果トランジスタの場合、用途によっては、ゲート
電極に対して対称になったデバイス構造が求められる。
【0006】そこで、ソース領域とドレイン領域の双方
の高濃度層端を等しくゲート電極から離すことにより、
デバイス構造に対称性を確保しながら高耐圧を得るよう
にしたLDD構造のMOS電界効果トランジスタが従来
から知られていた。
【0007】一方、このような高耐圧を得るためは、い
わゆるパンチスルーストッパー層を有するMOS電界効
果トランジスタも、従来から提案されている。そこで、
このパンチスルーストッパー層を有する従来のMOS電
界効果トランジスタの一例について、図6により説明す
る。
【0008】この図6の従来例は、図示のように、P型
ウエル領域101Pの一方の面(図では上面)にソース領
域とドレイン領域になる高濃度N型層(N+層)150
A、150Bと、N型の電界緩和層107A、107B
を形成し、その上にゲート電極103と電極11A、1
1Bを設け、これにより、電極11A、11Bの一方を
ソース電極とし、他方をドレイン電極とする対称型のM
OS電界効果トランジスタが形成されるようにしたもの
である。
【0009】このとき、P型ウエル領域101Pは、所
定の濃度のP型Si基板、又は任意の導電型のSi基板
にボロンなどのP型不純物イオンをイオン注入したもの
で、高濃度N型層150A、150Bは、このP型ウエ
ル領域101Pにヒ素を高濃度にドーピングして形成さ
れ、N型の電界緩和層107A、107Bは、ヒ素を所
定の濃度でドーピングして形成されている。
【0010】ゲート電極103は、リンをドーピングし
たN型ポリシリコン膜及びタングステンシリサイド膜を
順次積み重ねて形成したもので、シリコン酸化膜のゲー
ト絶縁膜102を介してP型ウエル領域101Pの一方
の面に設けてある。ここで、ゲート電極103の幅(ゲ
ート長)をLで示してある。
【0011】電極11A、11Bは、何れもアルミニウ
ムなどの金属膜で形成され、P型ウエル領域101Pの
上で、夫々ゲート電極103の側端部から対称的に離れ
た状態で、ゲート電極103の両側にある高濃度N型層
150A、150Bの上に設けてあり、これらにより、
夫々ソース電極とドレイン電極が形成されるようになっ
ている。
【0012】ここで、104はシリコン酸化膜の側壁
で、この側壁104は、図示のように電極11A、11
Bから離れた状態で、ゲート電極103の両側端面に、
ゲート絶縁膜102の両側端面も含めて形成されてい
る。
【0013】このとき、各々の高濃度N型層150A、
150Bは、P型ウエル領域101Pの表面で、電極1
1A、11Bと側壁104の下面には接しているが、ゲ
ート酸化膜102の下には届かないようにして形成し、
電界緩和層107A、107Bは、各々の高濃度N型層
150A、150Bから延長された形でゲート絶縁膜1
02の下面に接するようにして形成してある。
【0014】そして、108がパンチスルーストッパー
層で、このパンチスルーストッパー層108は、P型ウ
エル領域101Pにボロンなどを高濃度でドーピングす
ることにより高濃度P型層(P+層)として形成され、こ
のとき、図示のように、ゲート絶縁膜102の下面にだ
け接し、電界緩和層107A、107Bには接しないよ
うにして形成されている。
【0015】この図6に示したMOS電界効果トランジ
スタの従来例の場合、パンチスルーストッパー層108
により、電圧を加えたときの空乏層の広がりが抑制され
るので、耐圧が向上される。また、この結果、ゲート長
Lも短縮でき、微細化にも対応できる。
【0016】次に、図7は別の従来例で、電界緩和層1
07A、107Bを深くし、各々の高濃度N型層150
A、150Bの下側にまで延びているようにしたもの
で、その他の構成は、パンチスルーストッパー層108
を備えている点も含めて、図6の従来例と同じである。
【0017】従って、この図7の従来例でも、パンチス
ルーストッパー層108により、電圧を加えたときの空
乏層の広がりが抑制されるので、耐圧が向上され、ゲー
ト長Lも短縮でき、微細化に対応できる。
【0018】なお、この種の技術に関連する公知例とし
ては、例えば特開平6−204469号、特開平3−6
869号、特開平3−195063号の各公報を挙げる
ことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、多様
化するMOS電界効果トランジスタの微細化要求に配慮
がされているとはいえず、メモリチップに適用した場合
の高集積化に不満が残るという問題があった。
【0020】すなわち、従来技術では、MOS電界効果
トランジスタの微細化要求に一応応えてはいるが、メモ
リセルの微細化は更に進むので、フラッシュメモリ全体
のチップサイズに占める高耐圧MOS電界効果トランジ
スタの割合も多くなってしまうので、高集積化に不満が
残ってしまうのである。
【0021】本発明は、微細化と高耐圧化の両立が更に
図れるようにしたゲート電極に対称的なMOS電界効果
トランジスタの提供と製造方法の提供を目的とするもの
である。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ソース領域
とドレイン領域にゲートオーバーラップ構造の電界緩和
層を備えた対称型MOS電界効果トランジスタにおい
て、前記ソース領域とドレイン領域の電界緩和層が、夫
々ゲート電極の端部の直下からゲート電極の中心に向け
て、少なくとも0.15μm入り込んでいるようにする
ことにより達成される。
【0023】同じく上記目的は、ソース領域とドレイン
領域にゲートオーバーラップ構造の電界緩和層を備え、
前記ソース領域とドレイン領域の間でゲート電極の中心
付近にパンチスルーストッパー層が備えられている対称
型MOS電界効果トランジスタにおいて、前記ソース領
域とドレイン領域の電界緩和層が、夫々ゲート電極の端
部の直下からゲート電極の中心に向けて、少なくとも
0.15μm入り込んでいるようにしても達成される。
【0024】更に上記目的は、ソース領域とドレイン領
域にゲートオーバーラップ構造の電界緩和層を備え、前
記ソース領域とドレイン領域の間でゲート電極の中心付
近にパンチスルーストッパー層が備えられている対称型
MOS電界効果トランジスタにおいて、前記パンチスル
ーストッパー層の表面に、このパンチスルーストッパー
層と反対導電型の層が設けられているようにしても達成
される。
【0025】また、上記目的は、ソース領域とドレイン
領域にゲートオーバーラップ構造の電界緩和層を備え、
前記ソース領域とドレイン領域の間でゲート電極の中心
付近にパンチスルーストッパー層が備えられている対称
型MOS電界効果トランジスタにおいて、前記電界緩和
層の表面に、この電界緩和層と反対導電型の層が設けら
れているようにしても達成される。
【0026】同じく上記目的は、第一導電型の半導体基
板又は任意の導電型の半導体基板中に形成した第一導電
型によるウエル領域と、該半導体基板上に形成したゲー
ト絶縁膜と、該ゲート絶縁膜上に形成したゲート電極
と、前記ゲート電極の横側に形成したソース電極とドレ
イン電極と、前記ソース電極に接する第二導電型のソー
ス領域と、前記ドレイン電極に接する第二導電型のドレ
イン領域とを備えた電界効果トランジスタの製造方法に
おいて、ゲート絶縁膜形成前の半導体基板に、第一導電
型の不純物イオンをイオン注入し、最終的には当該ゲー
ト絶縁膜に接した状態になるようにして第一導電型のパ
ンチスルーストッパー層を形成する工程と、 ゲート絶
縁膜形成前の半導体基板に、第二導電型の不純物イオン
をイオン注入し、最終的には当該ゲート絶縁膜端よりゲ
ート中心方向に0.15μm入り込んだ状態になるよう
にして第二導電型の電界緩和層を形成する工程と、ゲー
ト絶縁膜及びゲート電極を形成する工程と、前記ゲート
絶縁膜及びゲート電極の側端面に絶縁膜による側壁を形
成する工程と、ゲート電極及び前記側壁をマスクとし
て、基板全面に第二導電型の高濃度の不純物層を形成す
る工程とを有することによっても達成される。
【0027】例えば、ドレイン電極に電圧を加えると、
ドレイン領域側の電界緩和層−基板(又はウエル領域)間
に形成された空乏層が広がっていくとともに、空乏層内
での電界が上昇してアバランシェ降伏する。ソース−ド
レイン間距離が十分長い場合においては、上述の空乏層
内での電界上昇によるアバランシェ降伏が起こるが、ソ
ース−ドレイン間距離が短いと、空乏層内での電界上昇
が臨界値を迎える前に広がった空乏層がソース領域の電
界緩和層に達してしまうパンチスルーにより急激に電流
が流れ始める。
【0028】ところが、本発明のようにゲート電極に接
し、かつゲート電極の中心に対して対称に配置した第二
導電型の電界緩和層には接しないように、前記第一導電
型の基板領域またはウエル領域よりも高濃度の第一導電
型のパンチスルーストッパー層を形成しておくと、ドレ
イン領域の電界緩和層−基板間に形成された空乏層が広
がる際、パンチスルーストッパー層によりその広がりを
抑制できるため、パンチスルーストッパー層をもうけな
かった場合と比較して、ソース−ドレイン間距離、すな
わちゲート長を短くすることができる。
【0029】従来技術では、チャネル領域のシリコン基
板に基板と導電型の不純物を深くイオン注入すること
で、ドレイン耐圧を向し、ショートチャンネル効果を防
止する技術が知られているが、本発明で想定しているよ
うな10V程度以上の電圧が加わる用途では、電界緩和
層とパンチスルーストッパー層が接するように構成する
と、その接合の空乏層が広がりづらくなるため、耐圧向
上は見込めない。すなわち、電界緩和層に接しないよう
に、パンチスルーストッパー層を形成する必要がある。
【0030】また、本発明の特徴としてソース領域とド
レイン領域は、ゲート電極の中心に対して対称に配置す
るため、回路構成上の自由度が広がる。
【0031】一方、パンチスルーストッパー層に関して
は、ソース領域とドレイン領域がゲート電極の中心に対
して対称に配置していることから、ゲート中心に対して
対称になるように形成することが本発明で想定している
ようなN型チャネルMOS電界効果トランジスタにおい
てソース電極に電源電圧を加える、またはP型チャネル
MOS電界効果トランジスタに置いてソース電極を接地
電位にするなどの用途においては理想であるが、空乏層
の広がりを抑制するのが主用途であるため、ゲート中心
に対して対称に形成するのに限定される必要はない。
【0032】以上、パンチスルーストッパー層をゲート
酸化膜に接し、電界緩和層には接しないようにすること
により、MOS電界効果トランジスタがゲート中心に対
して対称構造でかつゲート長を微細化でき、このとき、
更に電界緩和層をゲート絶縁膜端面から0.15μm以
上入り込ませることで、電界緩和層−高濃度層間距離を
広げた効果にゲート絶縁膜による電界緩和の効果が加わ
り、耐圧の向上と、ゲート長の微細化が可能になった。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図示の実
施の形態により詳細に説明する。まず、図1は、本発明
の第1の実施形態で、本発明をN型チャネルMOS電界
効果トランジスタとして具現した場合の一実施形態であ
る。
【0034】そして、この図1の実施形態は、P型ウエ
ル領域101Pの一方の面(図では上面)に、一方がソー
ス領域として使用されたときは他方がドレイン領域にな
る高濃度N型層(N+層)150A、150Bと、N型の
電界緩和層107A、107Bを形成し、その上にゲー
ト電極103と電極11A、11Bを設け、これによ
り、電極11A、11Bの一方をソース電極とし、他方
をドレイン電極とする対称型のMOS電界効果トランジ
スタが形成されるようにしたもので、ここで、図6で説
明した従来例と同じ符号を付した部分は、この図1でも
同じ部分に対応する。
【0035】そして、この図1において、LLで示され
ている長さ(寸法)は、電界緩和層107A、107B
が、ゲート絶縁膜102の端部、つまりゲート電極10
3の端部から、その中心に向かって入り込んでいる部分
の長さのことである。
【0036】ここで、このように電界緩和層107A、
107Bがゲート絶縁膜102の端部から中心に向かっ
て入り込んでいる構造は、ゲートオーバーラップ構造と
呼ばれているが、本発明の実施形態では、このゲートオ
ーバーラップ構造における長さLLについて、少なくと
も0.15μmにしてある。
【0037】従って、この実施形態が、図6で説明した
従来例と異なる点は、図示のようにパンチスルーストッ
パー層が設けられていない点と、ゲートオーバーラップ
構造における長さLLについて、それが0.15μm以
上に設定されている点が特徴なので、以下、この点につ
いて説明する。
【0038】この実施形態は、耐圧クラスが15〜30
V程度のMOS電界効果トランジスタを対象とし、この
ため、ソース領域とドレイン領域を形成する電界緩和層
107A、107Bをゲート電極103の端部から、夫
々ゲートの中心方向に向かって0.15μm以上延在さ
せ、LL≧0.15μmとしたものである。
【0039】このとき、各高濃度N型層150A、15
0Bの端部が、ゲート絶縁膜102の端部、つまりゲー
ト電極103の端部に一致させてあり、従って、図示の
寸法LLは、各高濃度N型層150A、150Bの端部
から、対応する各電界緩和層107A、107Bの端部
までの長さ、つまり各電界緩和層107A、107B自
体の長さと同じになる。
【0040】そして、このように、0.15μm以上延
在させた結果、電界緩和層と高濃度層間の距離が広がる
だけでなく、ゲート絶縁層により電界緩和され、耐圧が
向上するので、ゲート長の微細化ができるのであるが、
その理由について以下に説明する。
【0041】ここで、図2は、電界緩和層を有するMO
S電界効果トランジスタについて、その電界緩和層端か
ら高濃度層端まで間の距離による耐圧の変化を表わした
特性図で、電界緩和層と高濃度層とが重なっている状態
のときを横軸の0にし、このときの耐圧を基準にした耐
圧の変化をΔBVで示したものである。
【0042】そして、実線1は、高濃度層端の位置をゲ
ート絶縁膜端面に一致させ、ここに固定した状態で、こ
こから電界緩和層をゲート絶縁膜端面下に入り込ませた
場合の特性を示し、破線2は、電界緩和層位置をゲート
絶縁膜端面に一致させ、固定した状態で、高濃度層の先
端をゲート絶縁膜から離した場合の特性を示したもので
あり、従って、図1における長さLLは、実線1の特性
における横軸の寸法になる。
【0043】この図2に表わされているように、電界緩
和層と高濃度層の距離が0.1μmの場合は、実線1の
特性と破線2の特性の差は小さいが、0.1μmを越え
ると差が生じ、実線1の特性の方が断然大きな耐圧にな
ってゆくことが判る。
【0044】この理由は、次の通りで、nMOSトラン
ジスタを例に説明すると、まず、ドレイン電圧が印加さ
れると、電界緩和層と基板間に空乏層が形成され広がっ
てゆく。一方、ここで形成された空乏層の上には、ゲー
ト絶縁膜を介してゲート電極があり、接地電位にある
り、ドレイン電極からみると、ゲート電位は低い。
【0045】そのため、空乏層内に残存する電子は、こ
の電位が低いゲート電極の影響で反発されるため、空乏
層内での電子の総量が少なくなると共に、空乏層内に広
がってしまうという、いわゆるフィールトプレート効果
により、空乏層内の電界が緩和され、この結果、耐圧の
向上が得られることになるのである。
【0046】このとき、電界緩和層をゲート絶縁膜端よ
り0.15μm以上ゲート電極の中心方向に入り込ませ
たゲートオーバーラップ構造によれば、上述した効果が
顕著に見えはじめ、大きな電界緩和効果が発揮され、耐
圧の大幅な向上が得られるのである。
【0047】従って、この実施形態によれば、微細化と
高耐圧化の両立が更に図れ、この結果、同じ耐圧のデバ
イスでもゲート長を短くすることができ、MOS電界効
果トランジスタの微細化を充分に得ることができる。
【0048】ところで、上記実施形態では、N型チャネ
ルMOS電界効果トランジスタの場合について説明した
が、半導体の導電型をP型とN型で入替えれば、P型チ
ャネルMOS電界効果トランジスタにも同様に適用でき
ることは言うまでもない。
【0049】次に、図3は、本発明をパンチスルースト
ッパー層を有するMOS電界効果トランジスタに適用し
た場合の一実施形態で、この図3でも、図1と同じ符号
は同じ部分に対応する。
【0050】ここで、この図3の実施形態は、図6で説
明した従来例に本発明を適用したものに相当し、リンや
ヒ素などでドーピングされたN型のソース領域とドレイ
ン領域として形成された電界緩和層107が共にゲート
絶縁膜102の端部からゲート中心に向かって0.15
μm以上入り込んだ形、すなわち、図中の長さLLが
0.15μm以上あり、且つ、ボロンなどでドーピング
されたP型のパンチスルーストッパー層108が電界緩
和層107に接触しないように形成されていることを特
徴としている。
【0051】従って、この図3の実施形態によれば、電
界緩和層をゲート絶縁膜端より0.15μm以上ゲート
電極の中心方向に入り込ませたゲートオーバーラップ構
造による耐圧向上と相俟って、パンチスルーストッパー
層による耐圧向上も得られるので、これらの電界緩和効
果が重畳された結果、更なるゲート長の微細化を得るこ
とができる。
【0052】なお、この実施形態の場合も、半導体の導
電型をP型とN型で入替えれば、P型チャネルMOS電
界効果トランジスタにも同様に適用できることは言うま
でもない。
【0053】ところで、この図3のパンチスルーストッ
パー層を有する実施形態の場合、後述するように、例え
ばリンなどのN型層で形成されたパンチスルーストッパ
ー層の表面に、例えばボロンなどによるP型層を形成す
ることにより、しきい値電圧を所望の値に調整するよう
にしても良い。
【0054】同じく、N型チャネルMOS電界効果トラ
ンジスタにおいても、ゲート電極としてP型の多結晶シ
リコン膜を使用する場合などにおいても、例えばボロン
などのP型層で形成されたパンチスルーストッパー層の
表面にリンで形成するN型層を形成し、しきい値電圧を
所望の値にすることもできる。
【0055】そこで、このようにした本発明の他の実施
形態について、図4により説明すると、この実施形態
は、本発明をP型チャネルMOS電界効果トランジスタ
として実施したもので、N型ウエル領域101Nの一方
の面(図では上面)にソース領域とドレイン領域になる高
濃度N型層(P+層)150A、150Bと、P型の電界
緩和層107A、107Bを形成し、その上にゲート電
極103と電極11A、11Bを設け、これにより、電
極11A、11Bの一方をソース電極とし、他方をドレ
イン電極とする対称型のP型チャネルMOS電界効果ト
ランジスタが形成されるようにしたものである。
【0056】N型ウエル領域101Nは、所定の濃度の
N型Si基板、又は任意の導電型のSi基板にリンなど
のN型不純物イオンをイオン注入したもので、高濃度P
型層150A、150Bは、このN型ウエル領域101
Nにボロンを高濃度にドーピングして形成され、P型の
電界緩和層107A、107Bは、ボロンを所定の濃度
でドーピングして形成されている。
【0057】ゲート電極103は、リンをドーピングし
たN型ポリシリコン膜及びタングステンシリサイド膜を
順次積み重ねて形成したもので、シリコン酸化膜のゲー
ト絶縁膜102を介してN型ウエル領域101Nの一方
の面に設けてある。
【0058】電極11A、11Bは、何れもアルミニウ
ムなどの金属膜で形成され、N型ウエル領域101Nの
上で、夫々ゲート電極103の側端部から対称的に離れ
た状態で、ゲート電極103の両側にある高濃度P型層
150A、150Bの上に設けてあり、これらにより、
夫々ソース電極とドレイン電極が形成されるようになっ
ている。
【0059】ここで、104はシリコン酸化膜の側壁
で、この側壁104は、図示のように電極11A、11
Bから離れた状態で、ゲート電極103の両側端面に、
ゲート絶縁膜102の両側端面も含めて形成されてい
る。
【0060】このとき、各々の高濃度P型層150A、
150Bは、N型ウエル領域101Nの表面で、電極1
1A、11Bと側壁104の下面には接しているが、ゲ
ート酸化膜102の下には届かないようにして形成し、
電界緩和層107A、107Bは、各々の高濃度N型層
150A、150Bから延長された形でゲート絶縁膜1
02の下面に接するようにして形成してある。
【0061】また、パンチスルーストッパー層108
は、N型ウエル領域101Nにリンなどを高濃度でドー
ピングした高濃度N型層(N+層)として形成され、この
とき、図示のように、ゲート絶縁膜102の下面にだけ
接し、電界緩和層107A、107Bには接しないよう
にして形成されている。
【0062】そして、この実施形態では、パンチスルー
ストッパー層108の表面に、更にボロンなどをドーピ
ングして形成させたP型層110が設けてあり、これ
が、この実施形態の特徴であり、その他、電界緩和層1
07A、107Bが、ゲート絶縁膜102の端部から入
り込んでいるゲートオーバーラップ構造になっていて、
長さLLについて、少なくとも0.15μmにしてある
点は、図3の実施形態と同じである。
【0063】次に、この図4の実施形態の作用について
説明すると、ここで、まず、このようなMOS電界効果
トランジスタにおけるパンチスルーストッパー層は、ゲ
ート絶縁膜の下面に位置するようにしてある。
【0064】従って、P型チャネルMOS電界効果トラ
ンジスタにおけるパンチスルーストッパー層として、こ
の実施形態のように、リンをドーピングした高濃度N型
層によるパンチスルーストッパー層108を用いた場
合、デバイス形成過程の熱処理工程において、ゲート絶
縁膜とSi基板の表面にリンが偏斥してしまい、この結
果、表面のリン濃度が著しく高まって、しきい値電圧が
高くなってしまうため、実用上、ほとんど使用に耐えな
くなる。
【0065】しかるに、この実施形態によれば、パンチ
スルーストッパー層108の表面にP型層110が形成
されていて、チャネル領域の見かけ上のリン濃度が低く
されているので、しきい値電圧が上昇してしまう虞れを
無くすことができ、P型チャネルMOS電界効果トラン
ジスタを容易に得ることができる。
【0066】ところで、現在、MOS電界効果トランジ
スタのゲート電極材料としては、主にリンを多量に添加
した多結晶シリコン膜や、その上にタングステンシリサ
イド膜を積んだ積層構造膜が用いられているが、このと
き、P型チャネルMOS電界効果トランジスタの場合、
そのチャネル領域の表面にP型層を形成させると、その
仕事関数差により電流が流れるようになるチャネルが、
Si表面から少し内部に入ったところに形成されるとい
う、いわゆる埋め込みチャネル型のMOS電界効果トラ
ンジスタを形成することができる。
【0067】この実施形態は、P型チャネルMOS電界
効果トランジスタの場合について説明したが、ここで
も、半導体の導電型をP型とN型で入替えれば、N型チ
ャネルMOS電界効果トランジスタにも同様に適用でき
ることは言うまでもない。
【0068】次に、図5により、更に本発明の別の実施
形態について説明すると、この図5は、本発明をN型チ
ャネルMOS電界効果トランジスタとして具現した場合
の一実施形態で、ここでも同じ符号は図3の同じ部分に
対応する。
【0069】従って、この図5の実施形態も、図3の実
施形態と同じく、リンやヒ素などでドーピングされたN
型の電界緩和層107A、107Bが、共にゲート絶縁
膜102の端部からゲート中心に向かって0.15μm
以上入り込んだ形、すなわち、図中の長さLLが0.1
5μm以上あり、且つ、ボロンなどでドーピングされた
P型のパンチスルーストッパー層108が電界緩和層1
07に接触しないように形成されている点は同じであ
る。
【0070】しかして、この図5の実施形態では、更に
高濃度N型層150A、150Bの表面と、電界緩和層
107A、107Bの表面の一部にボロンなどをドーピ
ングし、これにより、ゲート絶縁膜102に一部が接触
するようにして、P型層109A、109Bを形成させ
てある点が特徴である。
【0071】本発明で想定しているような5V以上の電
圧をドレイン電極又はソース電極に印加した場合、絶縁
膜からなる側壁104を設け、これにより高濃度N型層
150A、150Bをゲート絶縁膜102から離して形
成しているが、これでも、かなりの電圧がゲート絶縁膜
102に直接かかってしまう。
【0072】このとき、この実施形態では、ゲート絶縁
膜102に接触するようにして、各電界緩和層107
A、107Bの表面に、これら電界緩和層とは逆の導電
型であるP型層109A、109Bが形成してあるの
で、ここに空乏層が形成されるため電界が緩和され、こ
れによりゲート絶縁膜102に直接かかる電圧を減じる
ことができる。
【0073】従って、この図5の実施形態によれば、更
に、ゲート耐圧も高くすることができ、電界緩和層をゲ
ート絶縁膜端より0.15μm以上ゲート電極の中心方
向に入り込ませたゲートオーバーラップ構造による耐圧
向上と相俟って、パンチスルーストッパー層による耐圧
向上も得られるので、これらの電界緩和効果が重畳され
た結果、更なるゲート長の微細化を得ることができる。
【0074】なお、この実施形態は、N型チャネルMO
S電界効果トランジスタの場合について説明したが、こ
こでも、半導体の導電型をP型とN型で入替えれば、P
型チャネルMOS電界効果トランジスタにも適用できる
ことは言うまでもない。
【0075】次に、本発明に係るMOS電界効果トラン
ジスタの製造方法について、以下に説明すると、まず図
8は、図3で説明したN型チャネルMOS電界効果トラ
ンジスタの製造方法の一実施形態で、ここでも図1と同
じ符号は、同じ部分に対応する。
【0076】まず、図8(a)に示したように、P型のS
i基板、又は任意の導電型のSi基板を用意し、これに
ボロンイオンなどのP型不純物イオンをイオン注入し、
所定の熱処理を施こすことにより、P型のウエル領域1
01Pを形成する。
【0077】次いでフォトレジスト201を所望の領域
に塗布し、所定の露光処理と現像処理を行った後、30
keV〜100keV程度のエネルギーで、リンやヒ素
などのN型不純物イオン200を基板中に注入し、5E
12/cm2〜5E13/cm2 程度のドーズ量の高濃
度N型領域107A、107Bを形成する。そして、イ
オン注入後、フォトレジスト201を除去する。
【0078】このとき、図3で説明したように、ソース
領域とドレイン領域を形成する電界緩和層107A、1
07Bを、ゲート電極103の端部から夫々ゲートの中
心方向に向かって0.15μm以上延在させ、LL≧0.
15μmとする条件が達成されるように、フォトレジス
ト201の幅Wを所定寸法に定めておく。
【0079】次に、図8(b)に示したように、再度フォ
トレジスト203を塗布後、所望の領域に開口が得られ
るように露光、現像処理を施し、次いでボロンやBF2
などのP型不純物イオン202を30keV〜100k
eV程度のエネルギーで5E12/cm2〜5E13/
cm2 程度のドーズ量でイオン注入し、P型層からなる
パンチスルーストッパー層108を形成する。そして、
このイオン注入後、フォトレジスト203を除去する。
【0080】次いで、図8(c)に示すように、シリコン
酸化膜を熱酸化法により数nm〜数10nmの厚さに形
成した後、リンを高濃度に添加したポリシリコン膜とタ
ングステンシリサイド膜を100nm〜1000nmの
厚さに堆積した後、所望のゲート長が得られるように、
ポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜の積層構造
膜及びシリコン酸化膜の一部をドライエッチング法によ
り加工し、ゲート絶縁膜102とゲート電極103を得
る。
【0081】次に、図8(d)に示すように、シリコン酸
化膜をCVD法により数100nmの厚さに堆積後、こ
のシリコン酸化膜を、ドライエッチング法によりエッチ
ングすることにより、ゲート電極102の端面にシリコ
ン酸化膜による側壁104を形成する。
【0082】そして、この後、図8(e)に示すように、
1E15/cm2〜1E16/cm2程度のドーズ量にな
るように、10keV〜80keV程度のエネルギーで
ヒ素イオン204をイオン注入し、同図(f)に示すよう
に、高濃度N型層150を形成する。この後、適当な熱
処理を施してから、層間絶縁膜10と、ソース電極又は
ドレイン電極となる電極11A、11Bを、公知の技術
により順次形成し、N型チャネルMOS電界効果トラン
ジスタを得るのである。
【0083】なお、この図8の実施形態は、N型チャネ
ルMOS電界効果トランジスタの場合について示した
が、伝導型を逆にすればP型チャネルMOS電界効果ト
ランジスタにも同様に適用できる。
【0084】次に、同じく図3で説明したN型チャネル
MOS電界効果トランジスタの製造方法の他の一実施形
態について、図9により説明する。なお、ここでも図1
と同じ符号は、同じ部分に対応する。
【0085】まず、図9(a)に示すように、P型半導体
基板、又は任意の導電型の半導体基板中にボロンイオン
などのP型不純物イオンを注入し、その後、適当な熱処
理を施して形成したP型ウエル領域101P上に、数n
m〜数10nmの厚さのシリコン酸化膜によるゲート絶
縁膜102と、リンを多量に添加したポリシリコン膜と
タングステンシリサイド膜による10数nm〜数100
nmの厚さの積層構造膜によるゲート電極103を形成
する。
【0086】次に、図9(b)に示すように、フォトレジ
スト203を塗布後、所望の領域に開口が得られるよう
に露光、現像処理を施した後、ボロンやBF2 などのP
型不純物イオン202を50keV〜500keV程度
のエネルギーで、5E12/cm2/cm2〜5E13
/cm2 程度のドーズ量のイオンを注入し、P型領域か
らなるパンチスルーストッパー層108を形成する。
【0087】次いで、図9(c)に示すように、シリコン
基板に対して0°〜45°程度の角度傾いた方向から、
30keV〜100keV程度のエネルギーで、5E1
2/cm2〜5E13/cm2 程度のドーズ量になるよ
うに、リンやヒ素などのN型不純物イオン200のイオ
ン注入を行い、これにより、ゲート絶縁膜102の端部
から更に中に入り込むようにして、N型層からなる電界
緩和層107A、107Bを形成する。
【0088】このときも、図3で説明したように、ゲー
ト電極103の端部から夫々ゲートの中心方向に向かっ
て入り込む電界緩和層107A、107Bの長さが0.
15μm以上になるように、N型不純物イオン200の
注入を行い、LL≧0.15μmとする条件が達成され
るようにする。
【0089】次に、図9(d)に示すように、CVD法に
より数100nmの厚さにシリコン酸化膜を堆積後、こ
の酸化膜をドライエッチング法によりエッチングし、絶
縁膜による側壁104を形成する。
【0090】この後、図9(e)に示すように、ヒ素など
のN型不純物のイオン204を、10keV〜80ke
V程度のエネルギーで1E15/cm2〜1E16/c
2程度のドーズ量になるようにイオン注入し、同図(f)
に示すように、高濃度N型層150A、150Bを形成
する。そして、これに所定の熱処理を施した後、層間絶
縁膜10と、ソース電極又はドレイン電極となる電極1
1A、11Bを、公知の技術により順次形成して、N型
チャネルMOS電界効果トランジスタを得るのである。
【0091】なお、この図9の実施形態も、N型チャネ
ルMOS電界効果トランジスタの場合について示した
が、伝導型を逆にすればP型チャネルMOS電界効果ト
ランジスタにも同様に適用できる。
【0092】ところで、本発明に係る電界効果トランジ
スタは、N型チャネルMOS電界効果トランジスタとP
型チャネルMOS電界効果トランジスタとが混在する半
導体装置として実施される場合も多い。そこで、以下、
このようなN型とP型が混在する半導体装置に本発明を
適用した場合の実施形態について、図10と図11によ
り説明する。
【0093】まず、この実施形態では、図10(a)に示
すように、N型チャネルMOS電解効果トランジスタ形
成領域を「N1」で表わし、P型チャネルMOS電解効
果トランジスタ形成領域は「P1」で表わしている。
【0094】そして、まず、図10(a)に示すように、
任意の導電型のSi基板100において、領域N1に
は、ボロンなどのP型不純物イオンをイオン注入してP
型のウエル領域101Pを形成させ、領域P1にはリン
イオンなどのN型不純物イオンをイオン注入してN型の
ウエル領域101Nを形成する。この後、Si基板10
0中に溝を掘り、ここに絶縁膜を埋め込み、CMP法な
どにより研磨し、STI(Shallow Trench Isolation)1
22を作る。
【0095】次に、図10(b)に示すように、フォトレ
ジスト203を塗布後、領域N1のP型のウエル領域1
01Pにおいて、露光、現像などの処理により、所望の
領域に穴をあけ、30keV〜100keV程度のエネ
ルギーで、5E12/cm2〜5E13/cm2 程度の
ドーズ量になるように、ボロンイオンやBF2イオンな
どのP型不純物イオン202をイオン注入し、P型のパ
ンチスルーストッパー層108を形成させ、同様に、領
域P1のN型ウエル領域101Nにおいては、リンなど
のN型不純物イオンをイオン注入することで、N型パン
チスルーストッパー層113を形成する。
【0096】次に、図10(c)に示すように、フォトレ
ジスト201を塗布後、領域N1のウエル領域101P
における所望の領域に、露光、現像などの処理により穴
をあけ、リンイオンやヒ素イオンなどのN型不純物イオ
ン200をイオン注入して、N型の電界緩和層107
A、107Bを形成する。また、領域P1のN型ウエル
領域101Nでは、同様に、ボロンイオンなどのP型不
純物イオンをイオン注入し、P型電界緩和層112A、
112Bを形成する。
【0097】次に、図11(d)に示すように、領域N1
と領域P1の双方において、数nmから数10nmの厚
さのシリコン酸化膜によるゲート酸化膜102と、リン
を多量に添加したポリシリコン膜とタングステンシリサ
イド膜による数100nm厚の積層構造膜によるゲート
電極103を形成する。
【0098】次いで、図11(e)に示すように、CVD
法により、数100nmの厚さにシリコン酸化膜を堆積
し、ドライエッチング法によりエッチングして、ゲート
電極横のシリコン酸化膜による側壁104を形成し、こ
の後、領域P1のN型ウエル領域101Nをフォトレジ
スト205で覆い、領域N1のP型ウエル領域101P
に、10keV〜100keVのエネルギーで、1E1
5/cm2〜1E16/cm2 のドーズ量に、ヒ素など
のN型不純物イオン204をイオン注入し、図11(f)
に示すように、高濃度N型層150A、150Bを形成
する。
【0099】また、領域P1のN型ウエル領域101N
には、同様にして、ボロンやBF2などのP型不純物の
イオンを、10keV〜100keVのエネルギーで、
1E15/cm2〜1E16/cm2 のドーズ量にイオ
ン注入して、高濃度P型層152A、152Bを形成す
る。
【0100】そして、この後、公知の技術により層間絶
縁膜10と、ソース/ドレインの各電極11A、11B
と、電極12A、12Bを形成し、N型チャネルMOS
電界効果トランジスタとP型チャネルMOS電界効果ト
ランジスタの双方が同じ基板上に形成されたた半導体装
置を得るのである。
【0101】なお、この図10、図11で説明した実施
形態においては、P型チャネルMOS電界効果トランジ
スタにおいて、リンなどでドーピングされたN型のパン
チスルーストッパー層の表面にP型層を形成する製造方
法にはなっていないが、図10(b)において、N型のパ
ンチスルーストッパー層を形成したとき、更にボロンイ
オンやBF2イオンなどのP型不純物イオンを10ke
V〜50keV程度のエネルギーで、5E11/cm2
〜1E15/cm2 程度のドーズ量でイオン注入するこ
とで、図4で説明した実施形態と同じく、表面にP型層
を形成することができる。
【0102】また、この図10と図11の実施形態にお
いて、後述する実施形態に示すように、ゲート絶縁膜及
びゲート電極を形成後、パンチスルーストッパー層及び
電界緩和層を形成するようにしても良い。
【0103】次に、図1の実施形態で説明した、耐圧ク
ラスが5V以上のN型チャネルMOS電界効果トランジ
スタ(以下、高耐圧N型チャネルMOS電界効果トラン
ジスタと記す)と、電源電圧が3.3V以下の場合に適
したN型チャネルMOS電界効果トランジスタ(以下、
低耐圧N型チャネルMOS電界効果トランジスタと記
す)とが混在している半導体装置の製造方法に本発明を
適用した場合の実施形態について、図12と図13によ
り説明する。
【0104】ここで、まず、これら図12と図13にお
いて、高耐圧N型チャネルMOS電解効果トランジスタ
形成領域を「N1」で表わし、低耐圧N型チャネルMO
S電解効果トランジスタ形成領域は「n1」で表わして
いる。
【0105】まず、図12(a)に示すように、任意の導
電型のSi基板101中に、ボロンイオンなどのP型不
純物イオンをイオン注入し、P型のウエル領域101P
を形成し、この後、Si基板中に溝を掘って絶縁膜を埋
め込み、CMP法などで研磨することにより、STI1
22を作る。
【0106】次に、図12(b)に示すように、フォトレ
ジスト701を塗布後、高耐圧N型チャネルMOS電界
効果トランジスタ形成領域N1の所望の部分に露光、現
像などの処理により穴をあけ、ボロンイオンやBF2イ
オンなどのP型不純物イオン602を、30keV〜1
00keV程度のエネルギーで、5E12/cm2〜5
E13/cm2 程度のドーズ量にイオン注入して、P型
パンチスルーストッパー層108を形成する。
【0107】次に、図12(c)に示すように、数nmか
ら数10nmの厚さのシリコン酸化膜によるゲート酸化
膜102及びリンを多量に添加したポリシリコン膜とタ
ングステンシリサイド膜による数100nm厚の積層構
造膜によるゲート電極103を形成する。
【0108】次に、図13(d)に示すように、リンやヒ
素などのN型不純物イオン200をシリコン基板に対し
て10〜45度程度の角度で斜め方向からイオン注入
し、N型層107A、107B、161A、161Bを
形成する。
【0109】次に、図13(e)に示すように、シリコン
酸化膜を数100nmの厚さに、CVD法により堆積
後、ドライエッチング法によりエッチングして、ゲート
電極横のシリコン酸化膜による側壁104を形成し、こ
の後、ヒ素などのN型不純物イオン204を10keV
〜100keVのエネルギーで、1E15/cm2〜1
E16/cm2 のドーズ量にイオン注入し、図13(f)
に示すように、高濃度N型層150A、150B、16
5A、165Bを形成した後、公知の技術により層間絶
縁膜10と、ソース/ドレイン用の電極11A、11
B、13A、13Bを形成することにより、高耐圧N型
チャネルMOS電界効果トランジスタと低耐圧N型チャ
ネルMOS電界効果トランジスタが同じ基板上に形成さ
れた半導体装置を得ることができる。
【0110】なお、この実施形態においては、高耐圧N
型チャネルMOS電解効果トランジスタと低耐圧N型チ
ャネルMOS電解効果トランジスタのゲート酸化膜を同
一工程で作成している。しかし、多くの場合、高耐圧M
OS電解効果トランジスタと低耐圧MOS電解効果トラ
ンジスタのゲート酸化膜の厚みが異なっているので、そ
れぞれ別の工程で形成するようにしても良い。
【0111】また、この実施形態では、高濃度N型領域
107A、107Bと、高濃度N型領域161A、16
1Bも、同一の工程で作成しているが、2回のイオン注
入工程に分けて形成するようにしても良い。更に、ゲー
ト絶縁膜及びゲート電極を形成後、パンチスルーストッ
パー層及び電界緩和層を形成するようにしても良い。
【0112】次に、本発明によるMOS電界効果トラン
ジスタが適用されたフラッシュメモリシステムの一実施
形態について、図14により説明すると、このようなフ
ラッシュメモリシステムでは、図示のように、中心にメ
モリセル301が配置され、その周辺に、このメモリセ
ル301に対するデータの書込みと消去を実行する駆動
回路300が配置されている。
【0113】そして、この駆動回路部300は、図1〜
図13で説明した本発明の実施形態によるMOS電界効
果トランジスタの何れかにより構成されており、この結
果、これら実施形態によるMOS電界効果トランジスタ
が有する特性、すなわち微細化が容易であるという特性
を充分に生かすことができ、フラッシュメモリシステム
のチップサイズを大幅に縮小することができた。
【0114】なお、この実施形態では、メモリセル30
1の上部と左脇に駆動回路300を配置しているが、メ
モリセルの周辺全部、又は周辺の何れか一部に駆動回路
300を配置しても問題ないし、メモリセルの内部に配
置してもよい。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、ゲート電極に対称的な
MOS電界効果トランジスタの微細化と高耐圧化の双方
が充分に図れるので、フラッシュメモリの小型化を充分
に促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるMOS電界効果トランジスタの第
1の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明によるMOS電界効果トランジスタの動
作を説明するための特性図である。
【図3】本発明によるMOS電界効果トランジスタの第
2の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明によるMOS電界効果トランジスタの第
3の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明によるMOS電界効果トランジスタの第
4の実施形態を示す断面図である。
【図6】従来技術によるパンチスルーストッパー層を有
するMOS電界効果トランジスタの一例を示す断面図で
ある。
【図7】従来技術によるパンチスルーストッパー層を有
するMOS電界効果トランジスタの別の一例を示す断面
図である。
【図8】本発明によるMOS電界効果トランジスタの製
造方法の第1の実施形態を示す工程図である。
【図9】本発明によるMOS電界効果トランジスタの製
造方法の第2の実施形態を示す工程図である。
【図10】本発明によるMOS電界効果トランジスタの
製造方法の第3の実施形態における前半部の工程図であ
る。
【図11】本発明によるMOS電界効果トランジスタの
製造方法の第3の実施形態における後半部の工程図であ
る。
【図12】本発明によるMOS電界効果トランジスタの
製造方法の第4の実施形態における前半部の工程図であ
る。
【図13】本発明によるMOS電界効果トランジスタの
製造方法の第4の実施形態における後半部の工程図であ
る。
【図14】本発明によるMOS電界効果トランジスタを
用いたフラッシュメモリシステムのブロック構成図であ
る。
【符号の説明】
10 層間絶縁膜 11A、11B、12A、12B、13A、13B 電
極(ソース/ドレイン電極) 100 任意の導電型のSi基板 101P、101N、Si基板又はSi基板に形成され
たWELL領域 102 ゲート絶縁膜 103 ゲート電極 104 4絶縁膜による側壁 107A、107B、112A、112B 電界緩和層 108、113 パンチスルーストッパー層 109A、109B、110 P型層 122 STI(Shallow Trench Isolation) 150A、150B、152A、152B 高濃度層 161A、161B 低耐圧MOSトランジスタの電界
緩和層 165A、165B 低耐圧MOSトランジスタの高濃
度層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/092 H01L 29/78 371 27/10 481 27/115 29/78 29/788 29/792 Fターム(参考) 5F048 AA01 AA05 AB01 AC01 AC03 BB06 BB08 BC01 BC06 BD01 BD04 BE03 BG13 DA25 5F083 ER22 PR37 ZA05 ZA06 ZA08 5F101 BD07 BD15 BD24 BD27 BD35 BD36 BE07 BH09 BH21 5F140 AA25 AA39 AB03 BA01 BB13 BC02 BE07 BF04 BF11 BF18 BG02 BG08 BG12 BG37 BG38 BG52 BG53 BH14 BH15 BH32 BH40 BH41 BH50 BJ05 BK02 BK05 BK13 BK14 CB04 CB08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース領域とドレイン領域にゲートオー
    バーラップ構造の電界緩和層を備えた対称型MOS電界
    効果トランジスタにおいて、 前記ソース領域とドレイン領域の電界緩和層が、夫々ゲ
    ート電極の端部の直下からゲート電極の中心に向けて、
    少なくとも0.15μm入り込んでいることを特徴とす
    る電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 ソース領域とドレイン領域にゲートオー
    バーラップ構造の電界緩和層を備え、前記ソース領域と
    ドレイン領域の間でゲート電極の中心付近にパンチスル
    ーストッパー層が備えられている対称型MOS電界効果
    トランジスタにおいて、 前記ソース領域とドレイン領域の電界緩和層が、夫々ゲ
    ート電極の端部の直下からゲート電極の中心に向けて、
    少なくとも0.15μm入り込んでいることを特徴とす
    る電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 ソース領域とドレイン領域にゲートオー
    バーラップ構造の電界緩和層を備え、前記ソース領域と
    ドレイン領域の間でゲート電極の中心付近にパンチスル
    ーストッパー層が備えられている対称型MOS電界効果
    トランジスタにおいて、 前記パンチスルーストッパー層の表面に、このパンチス
    ルーストッパー層と反対導電型の層が設けられているこ
    とを特徴とする電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】 ソース領域とドレイン領域にゲートオー
    バーラップ構造の電界緩和層を備え、前記ソース領域と
    ドレイン領域の間でゲート電極の中心付近にパンチスル
    ーストッパー層が備えられている対称型MOS電界効果
    トランジスタにおいて、 前記電界緩和層の表面に、この電界緩和層と反対導電型
    の層が設けられていることを特徴とする電界効果トラン
    ジスタ。
  5. 【請求項5】 第一導電型の半導体基板又は任意の導電
    型の半導体基板中に形成した第一導電型によるウエル領
    域と、該半導体基板上に形成したゲート絶縁膜と、該ゲ
    ート絶縁膜上に形成したゲート電極と、前記ゲート電極
    の横側に形成したソース電極とドレイン電極と、前記ソ
    ース電極に接する第二導電型のソース領域と、前記ドレ
    イン電極に接する第二導電型のドレイン領域とを備えた
    電界効果トランジスタの製造方法において、 ゲート絶縁膜形成前の半導体基板に、第一導電型の不純
    物イオンをイオン注入し、最終的には当該ゲート絶縁膜
    に接した状態になるようにして第一導電型のパンチスル
    ーストッパー層を形成する工程と、 ゲート絶縁膜形成前の半導体基板に、第二導電型の不純
    物イオンをイオン注入し、最終的には当該ゲート絶縁膜
    端よりゲート中心方向に0.15μm入り込んだ状態に
    なるようにして第二導電型の電界緩和層を形成する工程
    と、 ゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜及びゲート電極の側端面に絶縁膜によ
    る側壁を形成する工程と、 ゲート電極及び前記側壁をマスクとして、基板全面に第
    二導電型の高濃度の不純物層を形成する工程と、を有す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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