JP2003074989A - シーソー式ソーラー発電温水器システム - Google Patents

シーソー式ソーラー発電温水器システム

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JP2003074989A JP2001269367A JP2001269367A JP2003074989A JP 2003074989 A JP2003074989 A JP 2003074989A JP 2001269367 A JP2001269367 A JP 2001269367A JP 2001269367 A JP2001269367 A JP 2001269367A JP 2003074989 A JP2003074989 A JP 2003074989A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日中は常に発電および水の昇温が可能で、1
日当たりの発電量および貯湯量を高められ、小さな操作
力で太陽電池パネルおよび太陽熱温水器を同期回動させ
られるシーソー式ソーラー発電温水器システムを提供す
る。 【解決手段】 位置センサ13で太陽の位置を検出し、
その検出信号に基づき、ウインチ15によってソーラー
システムS1と太陽熱温水器S2とを有する発電集熱組
パネルPが太陽を追尾するので、太陽の位置にかかわり
なく、日中は常に太陽電池11による発電および集熱器
50による水の昇温が可能になる。その結果、1日当た
りの発電量および貯湯量を高められる。しかも、太陽追
尾手段として、発電集熱組パネルPをシーソーの板とし
たウインチ15駆動式のシーソー機構を採用したので、
小さな操作力で太陽を追尾できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はシーソー式ソーラ
ー発電温水器システム、詳しくは、太陽電池の電池面と
集熱器の集熱面とが常に太陽と正対するように、太陽電
池パネルおよび集熱器を同期回動させる太陽追尾機能を
備えたシーソー式ソーラー発電温水器システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽光のエネルギーを、半導体の
光電効果により電気に変換する太陽電池が開発され、こ
の太陽電池を利用した太陽光発電が実施されている。こ
の太陽光発電に使用されるソーラーシステム(太陽光発
電装置)としては、従来、多数枚の太陽電池をベース板
に張り付けて作製された太陽電池パネルを、架台を用い
て建物の屋根などに固定していた。その場合、太陽電池
の電池面の向きは、午前中に太陽と向かい合う東向き
か、午後になって太陽と向かい合う西向きか、これらの
平均をとった南向きかのいずれかであった。各向きでの
太陽電池パネルの傾斜角度は、一般的に水平面を基準と
して30〜35度、上向きであった。
【0003】また、太陽光の熱を利用して、水を30〜
50℃まで温める太陽熱温水器が知られている。この太
陽熱温水器は、太陽電池パネルと同様に、建物の屋根な
どに固定された集熱器内の集熱管または集熱溝を通過す
るあいだに水を温め、得られた温水を屋内または屋外に
設置された貯熱槽内で保温し、例えば給湯や暖房などの
必要時に、この貯熱槽から温水を導出して使用する。こ
のような太陽熱温水器についても、太陽と向かい合う集
熱器の集熱面の角度が、前記太陽電池パネルと同じよう
な角度に設定されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ソーラーシステムおよび太陽電池パネルにあっては、こ
のように太陽電池パネルまたは集熱器が固定式であった
ので、例えば、太陽電池パネルまたは集熱器を東向きに
30〜35度の角度で固定した場合には、昼過ぎに太陽
が西へ30〜35度だけ傾いてしまうと、太陽光が太陽
電池の電池面または集熱器の集熱面に当たらない。一
方、南向きの場合であっても、太陽が地平線などに近い
早朝や夕方の時間帯には、同じように太陽光が太陽電池
または集熱器に当たらなくなっていた。その結果、日照
時間の約半分だけしか太陽光による発電または水の昇温
が行なえなかった。これにより、その発電能力または水
の昇温能力を十分に発揮することができず、1日当たり
の発電量または貯湯量も少なかった。
【0005】また、太陽熱温水器にあっては、従来、集
熱器の集熱面側に厚さ3mmの透明な板ガラスがはめ込
まれていた。しかしながら、この板ガラスは2〜3年も
経過すると、長期にわたる砂ぼこりの衝突などの影響
で、板ガラスの表面に微細な凹凸が現出していた。これ
により、太陽光はこのすりガラス状の板ガラスの表面に
当たって乱反射し、集熱器内の集熱管または集熱溝まで
達しにくくなって集熱率が低下していた。さらに、従来
の太陽熱温水器では、集熱器に収納された集熱管が銅製
であった。このため、水との接触によって集熱管に緑青
が発生するおそれがあった。よって、太陽熱温水器によ
って得られた温水の飲用には、健康面で問題があった。
【0006】
【発明の目的】そこで、この発明は、日中は常に発電お
よび水の昇温が可能であって、1日当たりの発電量およ
び貯湯量を高めることができ、しかも小さな操作力で太
陽電池パネルおよび集熱器を同期回動させることができ
るシーソー式ソーラー発電温水器システムを提供するこ
とを、その目的としている。また、この発明は、長期間
使用しても板ガラスの鏡度低下を原因とした集熱器によ
る集熱率の低下が発生しにくいシーソー式ソーラー発電
温水器システムを提供することを、その目的としてい
る。さらに、この発明は、飲用に適した温水を太陽熱温
水器から得ることができるシーソー式ソーラー発電温水
器システムを提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、太陽電池が取り付けられた太陽電池パネルを有する
ソーラーシステムと、太陽光の熱によって流路内部の水
を温める昇温流路が設けられた集熱器を有する太陽熱温
水器と、太陽光を受光して太陽の位置を検出する位置セ
ンサと、この位置センサからの検出信号に基づき、前記
太陽電池の電池面および集熱器の集熱面が太陽に正対す
るように太陽電池パネルおよび集熱器を動かす太陽追尾
手段とを備えたシーソー式ソーラー発電温水器システム
であって、前記太陽電池パネルと集熱器とを連結して発
電集熱組パネルを設け、該発電集熱組パネルが、この発
電集熱組パネルの重心を通過し、この発電集熱組パネル
の表面に平行な回動中心線を中心にして回動自在に設け
られ、前記太陽追尾手段が、前記発電集熱組パネルに先
端が固定された吊下部材をドラムから導出または巻き上
げて、前記回動中心線を中心に発電集熱組パネルを回動
させるウインチであるシーソー式ソーラー発電温水器シ
ステムである。
【0008】このシーソー式ソーラー発電温水器システ
ムの設置場所は限定されない。例えば、住宅やビルを含
む建物の屋根部分でもよい。また、工場,施設または発
電所などの敷地内などでもよい。太陽電池の種類は限定
されない。例えば、一般的な単結晶シリコン系の太陽電
池やアモルファスシリコン系の太陽電池などを採用する
ことができる。太陽電池パネルに取り付けられる太陽電
池の使用枚数は限定されない。また、太陽電池パネルの
形状も限定されない。通常は、正面視して矩形状であ
る。太陽熱温水器の種類は限定されない。例えば、集熱
器の底面に断熱材が敷設される一方、ガラス製またはビ
ニールフィルム製の熱箱が収納された熱箱型、集熱器の
底面に断熱材が敷設され、集熱器の集熱面側に透明な板
ガラスがはめ込まれ、これらの断熱材と板ガラスとの間
に、昇温流路を有する集熱板が配置された平板型、集熱
器内に断面U字形の波形状をした反射板を収納し、反射
板のそれぞれの谷部に管内に昇温流路を有する集熱管を
配置した集光型などを採用することができる。また、こ
の集熱器から排出された温水は、直接、給湯などに使用
してもよいし、いったん貯熱槽に貯湯してもよい。貯熱
槽には遠赤外線式などのヒータを設置し、槽内の温水の
温度を高温(例えば85〜90℃)に保持してもよい。
【0009】位置センサの種類は限定されない。例え
ば、太陽光の成分のうちの1種または2種類以上を検知
することができる光センサなどが挙げられる。光センサ
としては、例えば赤外線センサの他、紫外線センサなど
を採用することができる。要は、太陽の高さ位置を検出
することができるセンサであればよい。太陽追尾手段の
機構は、ウインチ式であれば限定されない。要は、常
時、太陽電池の電池面および集熱器の集熱面が太陽と正
対するように、吊下部材をドラムから導出または巻き上
げて、発電集熱組パネルの向きを太陽の動きに合わせて
変更することができればよい。
【0010】発電集熱組パネルにおける太陽電池パネル
と集熱器との占有率は限定されない。例えば1:1でも
よいし、1:2でもよい。また、発電集熱組パネルの全
面における太陽電池パネルと集熱器との位置は限定され
ない。さらに、発電集熱組パネルにおいて、太陽電池パ
ネルと集熱器とは1箇所ずつ配置してもよいし、複数箇
所ずつ配置してもよい。ウインチの使用個数は限定され
ない。1台でもよいし、2台以上でもよい。1台のウイ
ンチから導出される吊下部材(例えばケーブル)の本数
は限定されない。1本でもよいし、2本以上でもよい。
吊下部材が1本の場合には、通常、発電集熱組パネルの
回動中心線と直交する方向の一端部に吊下部材の先端が
固定される。また、吊下部材が2本の場合には、通常、
各吊下部材の先端は発電集熱組パネルの回動中心線と直
交する方向の両端部にそれぞれ固定される。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記集熱器の集
熱面が、透明な撥水板ガラスの表面である請求項1に記
載のシーソー式ソーラー発電温水器システムである。撥
水板ガラスは、例えば、ワックスエマルジョン、シリコ
ンなどを表面塗布することで得られる。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記昇温流路
が、プラスチックパイプの管路またはカーボンパイプの
管路である請求項1または請求項2に記載のシーソー式
ソーラー発電温水器システムである。プラスチックパイ
プの材料は限定されない。ただし、各種の耐熱性を有す
る強化プラスチックが好ましい。
【0013】請求項4に記載の発明は、太陽電池が取り
付けられた太陽電池パネルを有するソーラーシステム
と、太陽光の熱によって流路内部の水を温める昇温流路
が設けられた集熱器を有する太陽熱温水器と、太陽光を
受光して太陽の位置を検出する位置センサと、この位置
センサからの検出信号に基づき、前記太陽電池の電池面
および集熱器の集熱面が太陽に正対するように太陽電池
パネルおよび集熱器をそれぞれ動かす複数の太陽追尾手
段とを備えたシーソー式ソーラー発電温水器システムで
あって、前記太陽電池パネルおよび集熱器が、各太陽電
池パネルまたは集熱器の重心をそれぞれ通過し、これら
の太陽電池パネルの表面または集熱器の表面に平行な回
動中心線を中心にしてそれぞれ回動自在に設けられ、前
記各太陽追尾手段が、対応する前記太陽電池パネルまた
は集熱器に先端が固定された吊下部材をドラムから導出
または巻き上げて、前記回動中心線を中心に太陽電池パ
ネルおよび集熱器を同期回動させるウインチであるシー
ソー式ソーラー発電温水器システムである。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記集熱器の集
熱面が、透明な撥水板ガラスの表面である請求項4に記
載のシーソー式ソーラー発電温水器システムである。
【0015】請求項6に記載の発明は、前記昇温流路
が、プラスチックパイプの管路またはカーボンパイプの
管路である請求項4または請求項5に記載のシーソー式
ソーラー発電温水器システムである。
【0016】
【作用】請求項1および請求項4の発明によれば、位置
センサで太陽光を受光して太陽の位置を検出し、位置セ
ンサからの検出信号に基づき、太陽追尾手段により太陽
電池の電池面および集熱器の集熱面が太陽と正対するよ
うに、太陽電池パネルおよび集熱器を同期させて動かす
(請求項1では発電集熱組パネルを動かす)。このよう
に太陽を自動追尾することで、上空での太陽の位置にか
かわりなく、日中は常に発電および昇温流路内の水の昇
温が可能であって、1日当たりの発電量および貯湯量を
高めることができる。しかも、この位置センサからの検
出信号に基づき太陽の追尾を行なう際には、ドラムから
吊下部材を導出したり巻き上げたりして、太陽電池の電
池面および集熱器の集熱面が太陽に正対する角度位置ま
で、太陽電池パネルおよび集熱器を回動中心線を中心に
して同期回動させる。このように、太陽追尾手段とし
て、太陽電池パネルおよび集熱器(請求項1では発電集
熱組パネル)をシーソーの板としたウインチ駆動式のシ
ーソー機構を採用したので、小さな操作力で太陽の追尾
を行なうことができる。
【0017】特に、請求項2および請求項5の発明によ
れば、集熱器の集熱面を、撥水性を有する透明な板ガラ
スの面としたので、長期間使用しても集熱器にはめ込ま
れた板ガラスが鏡度低下しない。そのため、この板ガラ
スの鏡度低下を原因とした集熱器による集熱率の低下が
発生しにくい。
【0018】また、請求項3および請求項6の発明によ
れば、昇温流路をプラスチックパイプの管路またはカー
ボンパイプの管路としたので、太陽熱温水器から飲用に
適した温水を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。図1は、この発明の第1の実施例に
係るシーソー式ソーラー発電温水器システムの午前中に
おける発電集熱組パネルの太陽追尾状態を示す斜視図で
ある。図2は、この発明の第1の実施例に係るシーソー
式ソーラー発電温水器システムの正午前後における発電
集熱組パネルの太陽追尾状態を示す斜視図である。図3
は、この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソーラー
発電温水器システムの午後における発電集熱組パネルの
太陽追尾状態を示す斜視図である。図4は、この発明の
第1の実施例に係るシーソー式ソーラー発電温水器シス
テムの制御系を示すブロック図である。
【0020】図1〜図3において、10は木造住宅の屋
根aに据え付けられる第1の実施例のシーソー式ソーラ
ー発電温水器システム(以下、発電温水器システム)で
ある。この発電温水器システム10は、多数枚の太陽電
池11が張り付けられた太陽電池パネル12を有する1
台のソーラーシステムS1と、太陽光の熱によって流路
内部の水を温める昇温流路が設けられた集熱器50を有
する1台の太陽熱温水器S2とを突き合わせ状態で連結
した発電集熱組パネルPと、太陽光を受光して太陽の位
置を検出する位置センサ部13と、風力を検出する風力
計14と、この位置センサ部13からの検出信号に基づ
き、太陽電池11の電池面および集熱器50の集熱面が
太陽に正対するように発電集熱組パネルPを回動する1
対のウインチ(太陽追尾手段)15とを備えている。
【0021】以下、これらの構成部品を詳細に説明す
る。この住宅の屋根aは瓦葺きで、瓦面が東西方向に向
いている。屋根aの頂上部の両側には、1対の門型の基
台16が固定されている。それぞれの基台16の内部空
間には、ウインチ15が収納されている。また、各基台
16の上板の中央部には、1対の長尺なポール17がそ
れぞれ立設されている。両ポール17の上端部には、回
転の中心軸を共有した2個の滑車からなる2連滑車17
aが軸支されている。また、一方のポール17の上端に
は、風力計14の支柱部14aが固定されている。支柱
部14aの上端には、前記位置センサ部13が固定され
ている。位置センサ部13については後述する。
【0022】1対の基台16の上板の対向側の端部に
は、それぞれ1対の軸受16aが上方へ突設している。
各軸受16aには、発電集熱組パネルPの南側の辺の中
間部から突出する軸体12a、または、発電集熱組パネ
ルPの北側の辺の中間部から突出する軸体12aがそれ
ぞれ軸支されている。発電集熱組パネルPは矩形状であ
る。そのため、両軸体12aは、発電集熱組パネルPの
重心を通過し、しかもこの発電集熱組パネルPの表面に
平行な回動中心線上に配置されている。また、各基台1
6の上板のポール17を挟んだ両側部には、対応するウ
インチ15のドラム18の両端部から導出された2本の
ワイヤ(吊下部材)19を遊挿する貫通孔がそれぞれ形
成されている。各ウインチ15のドラム18から上方へ
導出された2本のワイヤ19は、各貫通孔を通過して2
連滑車17aの対応する滑車17aに架け渡されてから
斜め下方へ折り返され、それぞれ発電集熱組パネルPの
対応する隅部に固定される。
【0023】各ウインチ15にあっては、回転モータ2
0によってドラム18を回転した際、ドラム18の一端
部から一方のワイヤ19が導出され、これと同時に、他
方のワイヤ19がドラム18の他端部に巻き取られる。
したがって、これらの回転モータ20を同期回転させる
ことで、発電集熱組パネルPが軸体12aを中心にして
垂直面内で回動する。この発電集熱組パネルPは、両軸
体12aの長さ方向の一端部に太陽電池パネル12が組
み込まれている。そして、この発電集熱組パネルPの残
りの部分に、集熱器50が組み込まれている。発電集熱
組パネルPの全面における太陽電池パネル12と集熱器
50との占有率は約1:3である。太陽電池パネル12
は、発電集熱組パネルPの東側の半分に2枚、西側の半
分に2枚配置されている。発電量は、3〜3.5kwで
ある。太陽電池パネル12は、平面視して矩形状のベー
ス板12bの表面に、多数枚の太陽電池11が縦方向お
よび横方向に整列配置されている。太陽電池11には、
集積型アモルファスシリコン系の矩形状を有する高所用
太陽電池モジュールが採用されている。
【0024】集熱器50は、発電集熱組パネルPの東側
の半分と西側の半分とに、それぞれ1台ずつ配置されて
いる。各集熱器50は、最大200リットルの水をそれ
ぞれ昇温可能である。これらの集熱器50は、その集熱
面側に透明な板ガラスがはめ込まれ、器内に断面U字形
の波形状の反射板が収納され、この反射板の各谷部の空
間に管内が昇温流路である集熱管が多数本配置された集
光型の集熱器である。板ガラスとしては、表面にワック
スエマルジョンが塗布された撥水性の板ガラスが採用さ
れている。集熱管には、耐熱性の強化プラスチックパイ
プが採用されている。なお、既存の集熱器であっても、
銅製の集熱管をこの第1の実施例の耐熱性を有する強化
プラスチックパイプに交換すれば利用することができ
る。また、この太陽熱温水器S2は、集熱器50から導
出された温水をいったん貯液する貯熱槽51を有してい
る。この貯熱槽51は、住宅の一側壁に立設された容量
1キロリットルの保温タンクである。貯熱槽51の内部
には、液温を測定する温度センサ52と、温水を85〜
90℃まで加熱する遠赤外線ヒータ53とが収納されて
いる。2台の集熱器50から得られた温水は、給湯管5
4を介して貯熱槽51に貯液される。また、集熱器50
には、例えば既存の電気温水器、ガス温水器または灯油
温水器などを代用してもよい。
【0025】次に、前記位置センサ部13を詳細に説明
する。位置センサ部13は、中空球状をした球状カバー
21と、その内部空間の下部に設けられた半球状のセン
サ固定台22と、このセンサ固定台22に固定されて、
太陽光の成分のうちの赤外線を感知する3個の赤外線セ
ンサ24a,24b,24cとを有している。球状カバ
ー21には、それぞれ異なる角度位置から太陽光の一部
をカバー内に導入する3本の導光孔21a,21b,2
1cが形成されている。導光孔21aは、球状カバー2
1の周壁のうち、東向き、30度の上方位置に形成され
ている。導光孔21bは、球状カバー21周壁のうち、
真上位置に形成されている。導光孔21cは、球状カバ
ー21の周壁のうち、西向き、水平位置に形成されてい
る。
【0026】これに対して、赤外線センサ24aは、セ
ンサ固定台22の外周面のうち、東向き、30度の上方
位置に固定されている。赤外線センサ24bは、センサ
固定台22の外周面のうち、真上位置に固定されてい
る。赤外線センサ24cは、センサ固定台22の外周面
のうち、西向き、水平位置に固定されている。図4に示
すように、発電温水器システム10の制御系は、制御部
25の入力側に赤外線センサ24a,24b,24cお
よび風力計14が配置されている。一方、制御部25の
出力側に1対の回転モータ20が配置されている。各赤
外線センサ24a,24b,24cが太陽光を検出する
と、それぞれの検出信号が制御部25に入力される。そ
して、制御部25から各ウインチ15に対して、発電集
熱組パネルPを垂直面内で東向きに回動させたり、西向
きに回動させたりする指令が出される。そして、風力計
14からの風速の測定信号に基づき、この発電集熱組パ
ネルPの回動に補正が行なわれる。すなわち、若干風が
強い時(例えば風速10m未満)には、発電集熱組パネ
ルPの傾斜角度を、通常の傾斜角度(東向き30度)よ
りも、5〜10度程度小さくする。それ以上の強風時
(例えば風速10m以上)には、発電集熱組パネルPを
水平状態にする。図1〜図3において、55は電気メー
タ、56は給水管である。
【0027】次に、この発電温水器システム10の作動
を説明する。図1に示すように、午前中、導光孔21a
から位置センサ部13内に太陽光が導入されると、その
赤外線の成分が赤外線センサ24aにより受光される。
この検出信号に基づき、制御部25が各回転モータ20
に発電集熱組パネルPを東向きに回動させる指令信号を
出力する。これにより、ウインチ15が作動し、その太
陽電池11の電池面および集熱器50の集熱面が太陽と
正対する東向き(例えば30度の傾斜状態)になるま
で、発電集熱組パネルPが軸体12aを中心にして垂直
面内で回動する。また、図2に示すように、正午前後と
なり、導光孔21bから位置センサ部13内に太陽光が
導入されると、その赤外線の成分が赤外線センサ24b
によって受光される。これにより、ウインチ15が作動
し、この太陽電池11の電池面および集熱器50の集熱
面が太陽と正対する真上(水平状態)に向くまで、発電
集熱組パネルPを垂直面内で回動させる。
【0028】さらに、図3に示すように、昼過ぎ、導光
孔21cから位置センサ部13内に太陽光が導入される
と、その赤外線の成分が赤外線センサ24cにより受光
される。その結果、ウインチ15が作動し、太陽電池1
1の電池面および集熱器50の集熱面が太陽と正対する
西向き(30度の傾斜状態)になるまで、発電集熱組パ
ネルPが垂直面内で回動する。ただし、風力計14から
の風速の測定信号に基づき、この発電集熱組パネルPの
回動角度が補正される。具体的には、若干風が強い時
(例えば風速5〜10m)には、発電集熱組パネルPの
傾斜角度を、通常の傾斜角度(西向き30度)よりも、
例えば5〜10度程度小さくする。それ以上の強風時
(例えば風速10m以上)には、発電集熱組パネルPを
水平状態にして、風からの回避を優先する。このよう
に、風の強さに応じて発電集熱組パネルPの傾きを修正
するので、風による発電集熱組パネルPの損傷を抑制す
ることができる。
【0029】このように、発電集熱組パネルPが太陽を
自動的に追尾するので、上空での太陽の位置にかかわり
なく、日中は常に太陽電池11により発電を行なうこと
ができるとともに、集熱器50によって45〜50℃の
温水を得ることができる。その結果、太陽電池11の1
日当たりの発電量および集熱器50による1日当たりの
貯湯量を、例えば5〜5.5倍までそれぞれ高めること
ができる。さらに、安価な赤外線センサ24a,24
b,24cにより、太陽光の成分のうちの赤外線を感知
し、太陽の位置を検出するようにしたので、位置センサ
部13のコスト低減が図れる。そして、太陽追尾手段と
して、発電集熱組パネルPをシーソーの板とするウイン
チ駆動式のシーソー機構を採用したので、小さな操作力
で発電集熱組パネルPの回動(太陽追尾)を行なうこと
ができる。したがって、回転モータ20として、安価な
低出力のモータを採用することができる。
【0030】また、ここでは太陽追尾用の回転モータ2
0の電力と、遠赤外線ヒータ53の電力とを、太陽追尾
する発電集熱組パネルPに組み込まれた太陽電池11に
よって得るようにしたので、例えば発電集熱組パネルP
とは別体で図示しない太陽電池パネルを設置し、この太
陽電池パネルを外部の電力によって太陽追尾する場合に
比べて、装置のコンパクト化および設備コストの低減を
図ることができる。なお、余剰の電力は、住宅に配置さ
れた各種の電気製品用として利用することができる。そ
れから、集熱器50の集熱面側にはめ込まれた板ガラス
として、表面に傷が付きにくい撥水性の板ガラスを採用
したので、例えば集熱器50を長期間使用しても、従来
のように砂ぼこりの衝突などの影響で、板ガラスの表面
に、太陽光の乱反射の原因となる微細な凹凸が現出され
にくい。これにより、ガラス面の鏡度低下を原因とした
集熱器50の集熱率の低下が発生しにくい。また、第1
の実施例では、集熱器50に収納された集熱管として耐
熱性の強化プラスチックパイプを採用したので、従来の
銅製の集熱管の際のように緑青が温水に溶け出さない。
そのため、集熱器50から導出された温水は、そのまま
飲用することができる。
【0031】以上、説明してきた発電温水器システム1
0は、ウインチ15により太陽電池パネル12をシーソ
ーの板のように動かすウインチ駆動式のシーソー式ソー
ラ発電システムと同じ装置に、ソーラー温水器の本体
(集熱器50)を設置し、この太陽電池パネル12と同
時に集熱器50も太陽を自動追尾するようにしたシステ
ムである。太陽光を利用する発電温水器システム10
は、一般的に夜間や雨天には機能しない。そこで、晴天
日に太陽電池パネル12から蓄電されたバッテリーの電
力でまかなうようにしてもよい。しかしながら、雨天期
間が長くなると蓄えた電気を使い果たし、バッテリーの
性能が低下してその寿命が短くなるおそれがある。そこ
で、バッテリーに例えばダイナモなどの小型発電機
(1.4〜1.5kw)を接続し、バッテリーが常に蓄
電量の半分くらいの電気を保持するようにすれば、住宅
に対して安定して電力を供給するができる。しかもこれ
と同時に、バッテリーの寿命も、例えば10年くらいま
で長くすることができる。小型発電機の種類は限定され
ない。例えば、中古品のダイナモなども使用することが
できる。このように通常は廃棄処分される小型発電機を
リサイクルすることで、地球環境にも良好となる。
【0032】次に、図5に基づき、この発明の第2の実
施例に係るシーソー式ソーラー発電温水器システムを説
明する。図5は、この発明の第2の実施例に係るシーソ
ー式ソーラー発電温水器システムの使用状態を示す側面
図である。図5に示すように、第2の実施例の発電温水
器システム60は、第1の実施例のような住宅用ではな
く事業所用であり、事業所の屋根aに、1台のソーラー
システムS1と、2台の太陽熱温水器S2とを、それぞ
れ離反状態で配備している。具体的に構成を説明する
と、ソーラーシステムS1は、位置センサ部13からの
検出信号に基づき、太陽電池11の電池面が太陽に正対
するように太陽電池パネル12を、対応する1台のウイ
ンチ15により動かす。なお、ここでは太陽電池パネル
12が6枚のパネルから構成されている。一方、各太陽
熱温水器S2は、対応する位置センサ部13からの検出
信号に基づき、各集熱器50の集熱面が太陽に正対する
ように、各集熱器50をそれぞれ1台ずつのウインチ1
5によって動かす。このとき、1枚の太陽電池パネル1
2および2台の集熱器50は同期回動する。
【0033】また、これらのソーラーシステムS1の北
側と、一方の太陽熱温水器S2の北側とには、太陽電池
11または集熱器50の集熱面に向かって太陽光を反射
する反射板32がそれぞれ配設されている。このよう
に、反射板32を設けることで、北側で反射された太陽
光も利用することができるので、さらに高い発電力およ
び水の昇温力が得られる。この貯熱槽51としては、2
台分の集熱器50からの温水を貯液することができるよ
うに、容量が3キロリットルの大型槽が採用されてい
る。なお、この太陽追尾システムは、このような構成に
限定しなくても、例えばソーラーシステムS1および太
陽熱温水器S2の総数よりも少ない数(例えば1個)の
位置センサ部13からの検出信号に基づき、すべての太
陽電池パネル12および集熱器50の太陽追尾を制御す
るようにしてもよい。その他の構成、作用および効果
は、第1の実施例から推測可能な範囲であるので説明を
省略する。
【0034】
【発明の効果】請求項1および請求項4の発明によれ
ば、位置センサで太陽の位置を検出し、その検出信号に
基づき、太陽追尾手段によって太陽電池パネルおよび集
熱器(請求項1では発電集熱組パネル)が太陽を追尾す
るので、太陽の位置にかかわりなく、日中は常に太陽電
池による発電および太陽熱温水器による水の昇温が可能
になる。その結果、1日当たりの発電量および貯湯量を
高めることができる。しかも、太陽追尾手段として、太
陽電池パネルおよび集熱器(請求項1では発電集熱組パ
ネル)をシーソーの板としたウインチ駆動式のシーソー
機構を採用したので、小さな操作力で太陽の追尾を行な
うことができる。
【0035】特に、請求項2および請求項5の発明によ
れば、集熱器の集熱面側の板ガラスを、撥水性を有する
板ガラスとしたので、集熱器を長期間使用しても、板ガ
ラスの鏡度低下を原因とした、集熱率の低下が発生しに
くい。
【0036】また、請求項3および請求項6の発明によ
れば、昇温流路をプラスチックパイプの管路またはカー
ボンパイプの管路としたので、従来の銅管の場合のよう
に、管路形成面に緑青が発生するおそれが解消される。
その結果、太陽熱温水器から飲用に適した温水を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの午前中における発電集熱組パ
ネルの太陽追尾状態を示す斜視図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの正午前後における発電集熱組
パネルの太陽追尾状態を示す斜視図である。
【図3】この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの午後における発電集熱組パネ
ルの太陽追尾状態を示す斜視図である。
【図4】この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの制御系を示すブロック図であ
る。
【図5】この発明の第2の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの使用状態を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
10,60 シーソー式ソーラー発電温水器システム、 11 太陽電池、 12 太陽電池パネル、 13 位置センサ、 15 ウインチ(太陽追尾手段)、 18 ドラム、 19 ワイヤ(吊下部材)、 50 集熱器、 P 発電集熱組パネル、 S1 ソーラーシステム、 S2 太陽熱温水器。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月5日(2002.3.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 シーソー式ソーラー発電温水器シス
テム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はシーソー式ソーラ
ー発電温水器システム、詳しくは太陽電池の電池面と集
熱器の集熱面とが常に太陽と正対するように、太陽電池
パネルおよび集熱器を同期回動させる太陽追尾機能を備
えたシーソー式ソーラー発電温水器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽光のエネルギーを、半導体の
光電効果により電気に変換する太陽電池が開発され、こ
の太陽電池を利用した太陽光発電が実施されている。こ
の太陽光発電に使用されるソーラーシステム(太陽光発
電装置)としては、従来、多数枚の太陽電池をベース板
に張り付けて作製された太陽電池パネルを、架台を用い
て建物の屋根などに固定していた。その場合、太陽電池
の電池面の向きは、午前中に太陽と向かい合う東向き
か、午後になって太陽と向かい合う西向きか、これらの
平均をとった南向きかのいずれかであった。各向きでの
太陽電池パネルの傾斜角度は、一般的に水平面を基準と
して30〜35度、上向きであった。
【0003】また、太陽光の熱を利用して、水を30〜
50℃まで温める太陽熱温水器が知られている。この太
陽熱温水器は、太陽電池パネルと同様に、建物の屋根な
どに固定された集熱器内の集熱管または集熱溝を通過す
るあいだに水を温め、得られた温水を屋内または屋外に
設置された貯熱槽内で保温し、例えば給湯や暖房などの
必要時に、この貯熱槽から温水を導出して使用する。こ
のような太陽熱温水器についても、太陽と向かい合う集
熱器の集熱面の角度が、前記太陽電池パネルと同じよう
な角度に設定されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ソーラーシステムおよび太陽電池パネルにあっては、こ
のように太陽電池パネルまたは集熱器が固定式であった
ので、例えば、太陽電池パネルまたは集熱器を東向きに
30〜35度の角度で固定した場合には、昼過ぎに太陽
が西へ30〜35度だけ傾いてしまうと、太陽光が太陽
電池の電池面または集熱器の集熱面に当たらない。一
方、南向きの場合であっても、太陽が地平線などに近い
早朝や夕方の時間帯には、同じように太陽光が太陽電池
または集熱器に当たらなくなっていた。その結果、日照
時間の約半分だけしか太陽光による発電または水の昇温
が行なえなかった。これにより、その発電能力または水
の昇温能力を十分に発揮することができず、1日当たり
の発電量または貯湯量も少なかった。
【0005】また、太陽熱温水器にあっては、従来、集
熱器の集熱面側に厚さ3mmの透明な板ガラスがはめ込
まれていた。しかしながら、この板ガラスは2〜3年も
経過すると、長期にわたる砂ぼこりの衝突などの影響
で、板ガラスの表面に微細な凹凸が現出していた。これ
により、太陽光はこのすりガラス状の板ガラスの表面に
当たって乱反射し、集熱器内の集熱管または集熱溝まで
達しにくくなって集熱率が低下していた。さらに、従来
の太陽熱温水器では、集熱器に収納された集熱管が銅製
であった。このため、水との接触によって集熱管に緑青
が発生するおそれがあった。よって、太陽熱温水器によ
って得られた温水の飲用には、健康面で問題があった。
【0006】
【発明の目的】そこで、この発明は、日中は常に発電お
よび水の昇温が可能であって、1日当たりの発電量およ
び貯湯量を高めることができ、しかも小さな操作力で太
陽電池パネルおよび集熱器を同期回動させることができ
るシーソー式ソーラー発電温水器システムを提供するこ
とを、その目的としている。また、この発明は、長期間
使用しても板ガラスの鏡度低下を原因とした集熱器によ
る集熱率の低下が発生しにくいシーソー式ソーラー発電
温水器システムを提供することを、その目的としてい
る。さらに、この発明は、飲用に適した温水を太陽熱温
水器から得ることができるシーソー式ソーラー発電温水
器システムを提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、太陽電池が取り付けられた太陽電池パネルを有する
ソーラーシステムと、太陽光の熱によって流路内部の水
を温める昇温流路が設けられた集熱器を有する太陽熱温
水器と、太陽光を受光して太陽の位置を検出する位置セ
ンサと、この位置センサからの検出信号に基づき、前記
太陽電池の電池面および集熱器の集熱面が太陽に正対す
るように太陽電池パネルおよび集熱器を動かす太陽追尾
手段とを備えたシーソー式ソーラー発電温水器システム
であって、晴天時に前記太陽電池パネルによって得た電
力を蓄電し、この蓄電された電力を、前記太陽電池パネ
ルからの電力の供給先に対して夜間および/または雨天
時の電力として供給するバッテリーと、発生した電力を
このバッテリーに供給し、常時、バッテリーにその蓄電
量の半分くらいの電気を確保させる発電機とを有し、
記太陽電池パネルと集熱器とを連結して発電集熱組パネ
ルを設け、該発電集熱組パネルが、この発電集熱組パネ
ルの重心を通過し、この発電集熱組パネルの表面に平行
な回動中心線を中心にして回動自在に設けられ、前記太
陽追尾手段が、前記発電集熱組パネルに先端が固定され
た吊下部材をドラムから導出または巻き上げて、前記回
動中心線を中心に発電集熱組パネルを回動させるウイン
チであるシーソー式ソーラー発電温水器システムであ
る。
【0008】このシーソー式ソーラー発電温水器システ
ムの設置場所は限定されない。例えば、住宅やビルを含
む建物の屋根部分でもよい。また、工場,施設または発
電所などの敷地内などでもよい。太陽電池の種類は限定
されない。例えば、一般的な単結晶シリコン系の太陽電
池やアモルファスシリコン系の太陽電池などを採用する
ことができる。太陽電池パネルに取り付けられる太陽電
池の使用枚数は限定されない。また、太陽電池パネルの
形状も限定されない。通常は、正面視して矩形状であ
る。太陽熱温水器の種類は限定されない。例えば、集熱
器の底面に断熱材が敷設される一方、ガラス製またはビ
ニールフィルム製の熱箱が収納された熱箱型、集熱器の
底面に断熱材が敷設され、集熱器の集熱面側に透明な板
ガラスがはめ込まれ、これらの断熱材と板ガラスとの間
に、昇温流路を有する集熱板が配置された平板型、集熱
器内に断面U字形の波形状をした反射板を収納し、反射
板のそれぞれの谷部に管内に昇温流路を有する集熱管を
配置した集光型などを採用することができる。また、こ
の集熱器から排出された温水は、直接、給湯などに使用
してもよいし、いったん貯熱槽に貯湯してもよい。貯熱
槽には遠赤外線式などのヒータを設置し、槽内の温水の
温度を高温(例えば85〜90℃)に保持してもよい。
【0009】位置センサの種類は限定されない。例え
ば、太陽光の成分のうちの1種または2種類以上を検知
することができる光センサなどが挙げられる。光センサ
としては、例えば赤外線センサの他、紫外線センサなど
を採用することができる。要は、太陽の高さ位置を検出
することができるセンサであればよい。太陽追尾手段の
機構は、ウインチ式であれば限定されない。要は、常
時、太陽電池の電池面および集熱器の集熱面が太陽と正
対するように、吊下部材をドラムから導出または巻き上
げて、発電集熱組パネルの向きを太陽の動きに合わせて
変更することができればよい。
【0010】発電集熱組パネルにおける太陽電池パネル
と集熱器との占有率は限定されない。例えば1:1でも
よいし、1:2でもよい。また、発電集熱組パネルの全
面における太陽電池パネルと集熱器との位置は限定され
ない。さらに、発電集熱組パネルにおいて、太陽電池パ
ネルと集熱器とは1箇所ずつ配置してもよいし、複数箇
所ずつ配置してもよい。ウインチの使用個数は限定され
ない。1台でもよいし、2台以上でもよい。1台のウイ
ンチから導出される吊下部材(例えばケーブル)の本数
は限定されない。1本でもよいし、2本以上でもよい。
吊下部材が1本の場合には、通常、発電集熱組パネルの
回動中心線と直交する方向の一端部に吊下部材の先端が
固定される。また、吊下部材が2本の場合には、通常、
各吊下部材の先端は発電集熱組パネルの回動中心線と直
交する方向の両端部にそれぞれ固定される。
【0011】請求項2に記載の発明は、太陽電池が取り
付けられた太陽電池パネルを有するソーラーシステム
と、太陽光の熱によって流路内部の水を温める昇温流路
が設けられた集熱器を有する太陽熱温水器と、太陽光を
受光して太陽の位置を検出する位置センサと、この位置
センサからの検出信号に基づき、前記太陽電池の電池面
および集熱器の集熱面が太陽に正対するように太陽電池
パネルおよび集熱器をそれぞれ動かす複数の太陽追尾手
段とを備えたシーソー式ソーラー発電温水器システムで
あって、晴天時に前記太陽電池パネルによって得た電力
を蓄電し、この蓄電された電力を、前記太陽電池パネル
からの電力の供給先に対して夜間および/または雨天時
の電力として供給するバッテリーと、発生した電力をこ
のバッテリーに供給し、常時、バッテリーにその蓄電量
の半分くらいの電気を確保させる発電機とを有し、前記
太陽電池パネルおよび集熱器が、各太陽電池パネルまた
は集熱器の重心をそれぞれ通過し、これらの太陽電池パ
ネルの表面または集熱器の表面に平行な回動中心線を中
心にしてそれぞれ回動自在に設けられ、前記各太陽追尾
手段が、対応する前記太陽電池パネルまたは集熱器に先
端が固定された吊下部材をドラムから導出または巻き上
げて、前記回動中心線を中心に太陽電池パネルおよび集
熱器を同期回動させるウインチであるシーソー式ソーラ
ー発電温水器システムである。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明および請求項2に記載の
発明によれば、位置センサで太陽光を受光して太陽の位
置を検出し、位置センサからの検出信号に基づき、太陽
追尾手段により太陽電池の電池面および集熱器の集熱面
が太陽と正対するように、太陽電池パネルおよび集熱器
を同期させて動かす(請求項1に記載の発明では発電集
熱組パネルを動かす)。このように太陽を自動追尾する
ことで、上空での太陽の位置にかかわりなく、日中は常
に発電および昇温流路内の水の昇温が可能であって、1
日当たりの発電量および貯湯量を高めることができる。
しかも、この位置センサからの検出信号に基づき太陽の
追尾を行なう際には、ドラムから吊下部材を導出したり
巻き上げたりして、太陽電池の電池面および集熱器の集
熱面が太陽に正対する角度位置まで、太陽電池パネルお
よび集熱器を回動中心線を中心にして同期回動させる。
このように、太陽追尾手段として、太陽電池パネルおよ
び集熱器(請求項1に記載の発明では発電集熱組パネ
ル)をシーソーの板としたウインチ駆動式のシーソー機
構を採用したので、小さな操作力で太陽の追尾を行なう
ことができる。また、晴天時に前記太陽電池パネルによ
って得た電力をバッテリーに蓄電し、この蓄電された電
力を、前記太陽電池パネルからの電力の供給先に対して
夜間および/または雨天時の電力として供給することが
できる。さらに、発電機で発生した電力をこのバッテリ
ーに供給し、常時、バッテリーにその蓄電量の半分くら
いの電気を確保させる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。図1は、この発明の第1の実施例に
係るシーソー式ソーラー発電温水器システムの午前中に
おける発電集熱組パネルの太陽追尾状態を示す斜視図で
ある。図2は、この発明の第1の実施例に係るシーソー
式ソーラー発電温水器システムの正午前後における発電
集熱組パネルの太陽追尾状態を示す斜視図である。図3
は、この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソーラー
発電温水器システムの午後における発電集熱組パネルの
太陽追尾状態を示す斜視図である。図4は、この発明の
第1の実施例に係るシーソー式ソーラー発電温水器シス
テムの制御系を示すブロック図である。
【0014】図1〜図3において、10は木造住宅の屋
根aに据え付けられる第1の実施例のシーソー式ソーラ
ー発電温水器システム(以下、発電温水器システム)で
ある。この発電温水器システム10は、多数枚の太陽電
池11が張り付けられた太陽電池パネル12を有する1
台のソーラーシステムS1と、太陽光の熱によって流路
内部の水を温める昇温流路が設けられた集熱器50を有
する1台の太陽熱温水器S2とを突き合わせ状態で連結
した発電集熱組パネルPと、太陽光を受光して太陽の位
置を検出する位置センサ部13と、風力を検出する風力
計14と、この位置センサ部13からの検出信号に基づ
き、太陽電池11の電池面および集熱器50の集熱面が
太陽に正対するように発電集熱組パネルPを回動する1
対のウインチ(太陽追尾手段)15とを備えている。
【0015】以下、これらの構成部品を詳細に説明す
る。この住宅の屋根aは瓦葺きで、瓦面が東西方向に向
いている。屋根aの頂上部の両側には、1対の門型の基
台16が固定されている。それぞれの基台16の内部空
間には、ウインチ15が収納されている。また、各基台
16の上板の中央部には、1対の長尺なポール17がそ
れぞれ立設されている。両ポール17の上端部には、回
転の中心軸を共有した2個の滑車からなる2連滑車17
aが軸支されている。また、一方のポール17の上端に
は、風力計14の支柱部14aが固定されている。支柱
部14aの上端には、前記位置センサ部13が固定され
ている。位置センサ部13については後述する。
【0016】1対の基台16の上板の対向側の端部に
は、それぞれ1対の軸受16aが上方へ突設している。
各軸受16aには、発電集熱組パネルPの南側の辺の中
間部から突出する軸体12a、または、発電集熱組パネ
ルPの北側の辺の中間部から突出する軸体12aがそれ
ぞれ軸支されている。発電集熱組パネルPは矩形状であ
る。そのため、両軸体12aは、発電集熱組パネルPの
重心を通過し、しかもこの発電集熱組パネルPの表面に
平行な回動中心線上に配置されている。また、各基台1
6の上板のポール17を挟んだ両側部には、対応するウ
インチ15のドラム18の両端部から導出された2本の
ワイヤ(吊下部材)19を遊挿する貫通孔がそれぞれ形
成されている。各ウインチ15のドラム18から上方へ
導出された2本のワイヤ19は、各貫通孔を通過して2
連滑車17aの対応する滑車17aに架け渡されてから
斜め下方へ折り返され、それぞれ発電集熱組パネルPの
対応する隅部に固定される。
【0017】各ウインチ15にあっては、回転モータ2
0によってドラム18を回転した際、ドラム18の一端
部から一方のワイヤ19が導出され、これと同時に、他
方のワイヤ19がドラム18の他端部に巻き取られる。
したがって、これらの回転モータ20を同期回転させる
ことで、発電集熱組パネルPが軸体12aを中心にして
垂直面内で回動する。この発電集熱組パネルPは、両軸
体12aの長さ方向の一端部に太陽電池パネル12が組
み込まれている。そして、この発電集熱組パネルPの残
りの部分に、集熱器50が組み込まれている。発電集熱
組パネルPの全面における太陽電池パネル12と集熱器
50との占有率は約1:3である。太陽電池パネル12
は、発電集熱組パネルPの東側の半分に2枚、西側の半
分に2枚配置されている。発電量は、3〜3.5kwで
ある。太陽電池パネル12は、平面視して矩形状のベー
ス板12bの表面に、多数枚の太陽電池11が縦方向お
よび横方向に整列配置されている。太陽電池11には、
集積型アモルファスシリコン系の矩形状を有する高所用
太陽電池モジュールが採用されている。
【0018】集熱器50は、発電集熱組パネルPの東側
の半分と西側の半分とに、それぞれ1台ずつ配置されて
いる。各集熱器50は、最大200リットルの水をそれ
ぞれ昇温可能である。これらの集熱器50は、その集熱
面側に透明な板ガラスがはめ込まれ、器内に断面U字形
の波形状の反射板が収納され、この反射板の各谷部の空
間に管内が昇温流路である集熱管が多数本配置された集
光型の集熱器である。板ガラスとしては、表面にワック
スエマルジョンが塗布された撥水性の板ガラスが採用さ
れている。集熱管には、耐熱性の強化プラスチックパイ
プが採用されている。なお、既存の集熱器であっても、
銅製の集熱管をこの第1の実施例の耐熱性を有する強化
プラスチックパイプに交換すれば利用することができ
る。また、この太陽熱温水器S2は、集熱器50から導
出された温水をいったん貯液する貯熱槽51を有してい
る。この貯熱槽51は、住宅の一側壁に立設された容量
1キロリットルの保温タンクである。貯熱槽51の内部
には、液温を測定する温度センサ52と、温水を85〜
90℃まで加熱する遠赤外線ヒータ53とが収納されて
いる。2台の集熱器50から得られた温水は、給湯管5
4を介して貯熱槽51に貯液される。また、集熱器50
には、例えば既存の電気温水器、ガス温水器または灯油
温水器などを代用してもよい。
【0019】次に、前記位置センサ部13を詳細に説明
する。位置センサ部13は、中空球状をした球状カバー
21と、その内部空間の下部に設けられた半球状のセン
サ固定台22と、このセンサ固定台22に固定されて、
太陽光の成分のうちの赤外線を感知する3個の赤外線セ
ンサ24a,24b,24cとを有している。球状カバ
ー21には、それぞれ異なる角度位置から太陽光の一部
をカバー内に導入する3本の導光孔21a,21b,2
1cが形成されている。導光孔21aは、球状カバー2
1の周壁のうち、東向き、30度の上方位置に形成され
ている。導光孔21bは、球状カバー21周壁のうち、
真上位置に形成されている。導光孔21cは、球状カバ
ー21の周壁のうち、西向き、水平位置に形成されてい
る。
【0020】これに対して、赤外線センサ24aは、セ
ンサ固定台22の外周面のうち、東向き、30度の上方
位置に固定されている。赤外線センサ24bは、センサ
固定台22の外周面のうち、真上位置に固定されてい
る。赤外線センサ24cは、センサ固定台22の外周面
のうち、西向き、水平位置に固定されている。図4に示
すように、発電温水器システム10の制御系は、制御部
25の入力側に赤外線センサ24a,24b,24cお
よび風力計14が配置されている。一方、制御部25の
出力側に1対の回転モータ20が配置されている。各赤
外線センサ24a,24b,24cが太陽光を検出する
と、それぞれの検出信号が制御部25に入力される。そ
して、制御部25から各ウインチ15に対して、発電集
熱組パネルPを垂直面内で東向きに回動させたり、西向
きに回動させたりする指令が出される。そして、風力計
14からの風速の測定信号に基づき、この発電集熱組パ
ネルPの回動に補正が行なわれる。すなわち、若干風が
強い時(例えば風速10m未満)には、発電集熱組パネ
ルPの傾斜角度を、通常の傾斜角度(東向き30度)よ
りも、5〜10度程度小さくする。それ以上の強風時
(例えば風速10m以上)には、発電集熱組パネルPを
水平状態にする。図1〜図3において、55は電気メー
タ、56は給水管である。
【0021】次に、この発電温水器システム10の作動
を説明する。図1に示すように、午前中、導光孔21a
から位置センサ部13内に太陽光が導入されると、その
赤外線の成分が赤外線センサ24aにより受光される。
この検出信号に基づき、制御部25が各回転モータ20
に発電集熱組パネルPを東向きに回動させる指令信号を
出力する。これにより、ウインチ15が作動し、その太
陽電池11の電池面および集熱器50の集熱面が太陽と
正対する東向き(例えば30度の傾斜状態)になるま
で、発電集熱組パネルPが軸体12aを中心にして垂直
面内で回動する。また、図2に示すように、正午前後と
なり、導光孔21bから位置センサ部13内に太陽光が
導入されると、その赤外線の成分が赤外線センサ24b
によって受光される。これにより、ウインチ15が作動
し、この太陽電池11の電池面および集熱器50の集熱
面が太陽と正対する真上(水平状態)に向くまで、発電
集熱組パネルPを垂直面内で回動させる。
【0022】さらに、図3に示すように、昼過ぎ、導光
孔21cから位置センサ部13内に太陽光が導入される
と、その赤外線の成分が赤外線センサ24cにより受光
される。その結果、ウインチ15が作動し、太陽電池1
1の電池面および集熱器50の集熱面が太陽と正対する
西向き(30度の傾斜状態)になるまで、発電集熱組パ
ネルPが垂直面内で回動する。ただし、風力計14から
の風速の測定信号に基づき、この発電集熱組パネルPの
回動角度が補正される。具体的には、若干風が強い時
(例えば風速5〜10m)には、発電集熱組パネルPの
傾斜角度を、通常の傾斜角度(西向き30度)よりも、
例えば5〜10度程度小さくする。それ以上の強風時
(例えば風速10m以上)には、発電集熱組パネルPを
水平状態にして、風からの回避を優先する。このよう
に、風の強さに応じて発電集熱組パネルPの傾きを修正
するので、風による発電集熱組パネルPの損傷を抑制す
ることができる。
【0023】このように、発電集熱組パネルPが太陽を
自動的に追尾するので、上空での太陽の位置にかかわり
なく、日中は常に太陽電池11により発電を行なうこと
ができるとともに、集熱器50によって45〜50℃の
温水を得ることができる。その結果、太陽電池11の1
日当たりの発電量および集熱器50による1日当たりの
貯湯量を、例えば5〜5.5倍までそれぞれ高めること
ができる。さらに、安価な赤外線センサ24a,24
b,24cにより、太陽光の成分のうちの赤外線を感知
し、太陽の位置を検出するようにしたので、位置センサ
部13のコスト低減が図れる。そして、太陽追尾手段と
して、発電集熱組パネルPをシーソーの板とするウイン
チ駆動式のシーソー機構を採用したので、小さな操作力
で発電集熱組パネルPの回動(太陽追尾)を行なうこと
ができる。したがって、回転モータ20として、安価な
低出力のモータを採用することができる。
【0024】また、ここでは太陽追尾用の回転モータ2
0の電力と、遠赤外線ヒータ53の電力とを、太陽追尾
する発電集熱組パネルPに組み込まれた太陽電池11に
よって得るようにしたので、例えば発電集熱組パネルP
とは別体で図示しない太陽電池パネルを設置し、この太
陽電池パネルを外部の電力によって太陽追尾する場合に
比べて、装置のコンパクト化および設備コストの低減を
図ることができる。なお、余剰の電力は、住宅に配置さ
れた各種の電気製品用として利用することができる。そ
れから、集熱器50の集熱面側にはめ込まれた板ガラス
として、表面に傷が付きにくい撥水性の板ガラスを採用
したので、例えば集熱器50を長期間使用しても、従来
のように砂ぼこりの衝突などの影響で、板ガラスの表面
に、太陽光の乱反射の原因となる微細な凹凸が現出され
にくい。これにより、ガラス面の鏡度低下を原因とした
集熱器50の集熱率の低下が発生しにくい。また、第1
の実施例では、集熱器50に収納された集熱管として耐
熱性の強化プラスチックパイプを採用したので、従来の
銅製の集熱管の際のように緑青が温水に溶け出さない。
そのため、集熱器50から導出された温水は、そのまま
飲用することができる。
【0025】以上、説明してきた発電温水器システム1
0は、ウインチ15により太陽電池パネル12をシーソ
ーの板のように動かすウインチ駆動式のシーソー式ソー
ラ発電システムと同じ装置に、ソーラー温水器の本体
(集熱器50)を設置し、この太陽電池パネル12と同
時に集熱器50も太陽を自動追尾するようにしたシステ
ムである。太陽光を利用する発電温水器システム10
は、一般的に夜間や雨天には機能しない。そこで、晴天
日に太陽電池パネル12から蓄電されたバッテリーの電
力でまかなうようにしてもよい。しかしながら、雨天期
間が長くなると蓄えた電気を使い果たし、バッテリーの
性能が低下してその寿命が短くなるおそれがある。そこ
で、バッテリーに例えばダイナモなどの小型発電機
(1.4〜1.5kw)を接続し、バッテリーが常に蓄
電量の半分くらいの電気を保持するようにすれば、住宅
に対して安定して電力を供給するができる。しかもこれ
と同時に、バッテリーの寿命も、例えば10年くらいま
で長くすることができる。小型発電機の種類は限定され
ない。例えば、中古品のダイナモなども使用することが
できる。このように通常は廃棄処分される小型発電機を
リサイクルすることで、地球環境にも良好となる。
【0026】次に、図5に基づき、この発明の第2の実
施例に係るシーソー式ソーラー発電温水器システムを説
明する。図5は、この発明の第2の実施例に係るシーソ
ー式ソーラー発電温水器システムの使用状態を示す側面
図である。図5に示すように、第2の実施例の発電温水
器システム60は、第1の実施例のような住宅用ではな
く事業所用であり、事業所の屋根aに、1台のソーラー
システムS1と、2台の太陽熱温水器S2とを、それぞ
れ離反状態で配備している。具体的に構成を説明する
と、ソーラーシステムS1は、位置センサ部13からの
検出信号に基づき、太陽電池11の電池面が太陽に正対
するように太陽電池パネル12を、対応する1台のウイ
ンチ15により動かす。なお、ここでは太陽電池パネル
12が6枚のパネルから構成されている。一方、各太陽
熱温水器S2は、対応する位置センサ部13からの検出
信号に基づき、各集熱器50の集熱面が太陽に正対する
ように、各集熱器50をそれぞれ1台ずつのウインチ1
5によって動かす。このとき、1枚の太陽電池パネル1
2および2台の集熱器50は同期回動する。
【0027】また、これらのソーラーシステムS1の北
側と、一方の太陽熱温水器S2の北側とには、太陽電池
11または集熱器50の集熱面に向かって太陽光を反射
する反射板32がそれぞれ配設されている。このよう
に、反射板32を設けることで、北側で反射された太陽
光も利用することができるので、さらに高い発電力およ
び水の昇温力が得られる。この貯熱槽51としては、2
台分の集熱器50からの温水を貯液することができるよ
うに、容量が3キロリットルの大型槽が採用されてい
る。なお、この太陽追尾システムは、このような構成に
限定しなくても、例えばソーラーシステムS1および太
陽熱温水器S2の総数よりも少ない数(例えば1個)の
位置センサ部13からの検出信号に基づき、すべての太
陽電池パネル12および集熱器50の太陽追尾を制御す
るようにしてもよい。その他の構成、作用および効果
は、第1の実施例から推測可能な範囲であるので説明を
省略する。
【0028】
【発明の効果】請求項1に記載の発明および請求項2に
記載の発明によれば、位置センサで太陽の位置を検出
し、その検出信号に基づき、太陽追尾手段によって太陽
電池パネルおよび集熱器(または発電集熱組パネル)が
太陽を追尾するので、太陽の位置にかかわりなく、日中
は常に太陽電池による発電および太陽熱温水器による水
の昇温が可能になる。その結果、1日当たりの発電量お
よび貯湯量を高めることができる。しかも、太陽追尾手
段として、太陽電池パネルおよび集熱器(請求項1に記
載の発明では発電集熱組パネル)をシーソーの板とした
ウインチ駆動式のシーソー機構を採用したので、小さな
操作力で太陽の追尾を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの午前中における発電集熱組パ
ネルの太陽追尾状態を示す斜視図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの正午前後における発電集熱組
パネルの太陽追尾状態を示す斜視図である。
【図3】この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの午後における発電集熱組パネ
ルの太陽追尾状態を示す斜視図である。
【図4】この発明の第1の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの制御系を示すブロック図であ
る。
【図5】この発明の第2の実施例に係るシーソー式ソー
ラー発電温水器システムの使用状態を示す側面図であ
る。
【符号の説明】 10,60 シーソー式ソーラー発電温水器システム、 11 太陽電池、 12 太陽電池パネル、 13 位置センサ、 15 ウインチ(太陽追尾手段)、 18 ドラム、 19 ワイヤ(吊下部材)、 50 集熱器、 P 発電集熱組パネル、 S1 ソーラーシステム、 S2 太陽熱温水器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池が取り付けられた太陽電池パネ
    ルを有するソーラーシステムと、 太陽光の熱によって流路内部の水を温める昇温流路が設
    けられた集熱器を有する太陽熱温水器と、 太陽光を受光して太陽の位置を検出する位置センサと、 この位置センサからの検出信号に基づき、前記太陽電池
    の電池面および集熱器の集熱面が太陽に正対するように
    太陽電池パネルおよび集熱器を動かす太陽追尾手段とを
    備えたシーソー式ソーラー発電温水器システムであっ
    て、 前記太陽電池パネルと集熱器とを連結して発電集熱組パ
    ネルを設け、 該発電集熱組パネルが、この発電集熱組パネルの重心を
    通過し、この発電集熱組パネルの表面に平行な回動中心
    線を中心にして回動自在に設けられ、 前記太陽追尾手段が、前記発電集熱組パネルに先端が固
    定された吊下部材をドラムから導出または巻き上げて、
    前記回動中心線を中心に発電集熱組パネルを回動させる
    ウインチであるシーソー式ソーラー発電温水器システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記集熱器の集熱面が、透明な撥水板ガ
    ラスの表面である請求項1に記載のシーソー式ソーラー
    発電温水器システム。
  3. 【請求項3】 前記昇温流路が、プラスチックパイプの
    管路またはカーボンパイプの管路である請求項1または
    請求項2に記載のシーソー式ソーラー発電温水器システ
    ム。
  4. 【請求項4】 太陽電池が取り付けられた太陽電池パネ
    ルを有するソーラーシステムと、 太陽光の熱によって流路内部の水を温める昇温流路が設
    けられた集熱器を有する太陽熱温水器と、 太陽光を受光して太陽の位置を検出する位置センサと、 この位置センサからの検出信号に基づき、前記太陽電池
    の電池面および集熱器の集熱面が太陽に正対するように
    太陽電池パネルおよび集熱器をそれぞれ動かす複数の太
    陽追尾手段とを備えたシーソー式ソーラー発電温水器シ
    ステムであって、 前記太陽電池パネルおよび集熱器が、各太陽電池パネル
    または集熱器の重心をそれぞれ通過し、これらの太陽電
    池パネルの表面または集熱器の表面に平行な回動中心線
    を中心にしてそれぞれ回動自在に設けられ、 前記各太陽追尾手段が、対応する前記太陽電池パネルま
    たは集熱器に先端が固定された吊下部材をドラムから導
    出または巻き上げて、前記回動中心線を中心に太陽電池
    パネルおよび集熱器を同期回動させるウインチであるシ
    ーソー式ソーラー発電温水器システム。
  5. 【請求項5】 前記集熱器の集熱面が、透明な撥水板ガ
    ラスの表面である請求項4に記載のシーソー式ソーラー
    発電温水器システム。
  6. 【請求項6】 前記昇温流路が、プラスチックパイプの
    管路またはカーボンパイプの管路である請求項4または
    請求項5に記載のシーソー式ソーラー発電温水器システ
    ム。
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