JP2003074652A - テンション装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな調整代を稼ぐことのできる構成が簡単
なテンション装置を提供する。 【解決手段】 ローラ用スプロケット１６とアイドルス
プロケット１８との回転中心を結ぶ中心線Ｐ上に臨む支
点軸２６に、支持部材２８が回動可能に枢支される。支
持部材２８には、支点軸２６を挟む両側の等距離位置に
押圧部材３０,３０が回動可能に枢支される。一方の押
圧部材３０が、無端状チェン２２の一方の走行路２２ａ
に外側から当接可能に設定され、他方の押圧部材３０
が、無端状チェン２２の他方の走行部２２ｂに外側から
当接可能に設定される。支持部材２８を回動手段３８に
より支点軸２６を中心として正逆回転させることによっ
て、押圧部材３０,３０が支点軸２６を中心として旋回
して、無端状チェン２２に付与するテンションが調整さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えばローラコ
ンベヤの各搬送ローラを回転駆動する無端状チェンにテ
ンションを付与するテンション装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】鋼材等の物品の搬送に用いられるローラ
コンベヤは、各搬送ローラが相互に無端状チェンにより
連結され、駆動モータにより適宜位置の搬送ローラを正
逆回転することで、各搬送ローラに無端状チェンを介し
て回転が伝達されるよう構成される。各搬送ローラを連
結する無端状チェンに過度のたるみがあると、コンベヤ
の始動時や停止時あるいは正逆転時に該チェンに過度な
負荷が掛かって破損するおそれがあるため、無端状チェ
ンにはテンション装置により所定のテンションが付与さ
れるようになっている。

【０００３】前記テンション装置として、例えば実開平
５−８２９２６号公報に開示される装置では、駆動スプ
ロケットと従動スプロケットとの間に巻掛けられている
無端状チェンを外側から挟み込む位置に一対の係合部材
を配置し、両係合部材を圧縮バネによって相互に近接す
る方向に付勢することで、常に無端状チェンを内側に押
圧してテンションを付与するよう構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来のテンシ
ョン装置では、一対の係合部材を直線的に移動するよう
付勢して無端状チェンにテンションを付与する構成であ
るため、各係合部材が当接する無端状チェンにおける両
スプロケット間を走行する両走行部(往路部と復路部)と
の離間間隔が狭いものでは大きな調整代が得られず、充
分なテンションを付与することができない。また、係合
部材を移動させる機構が複雑でコストが嵩む難点が指摘
される。

【０００５】

【発明の目的】この発明は、前述した従来の技術に内在
している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提
案されたものであって、大きな調整代を稼ぐことのでき
る構成が簡単なテンション装置を提供することを目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述した課題を解決し、
所期の目的を好適に達成するため本発明は、一対の回転
体間に巻掛けられた無端状索体にテンションを付与する
テンション装置であって、前記一対の回転体の回転中心
を結ぶ中心線上に設定された支点軸を中心として回動可
能な支持部材と、前記支持部材の支点軸を挟む両側に回
動可能に枢支され、前記無端状索体における両回転体間
を走行する異なる走行部に当接可能な一対の押圧部材
と、前記両押圧部材を対応する走行部に押圧するよう前
記支持部材を回動する回動手段とから構成したことを特
徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係るテンション装
置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しな
がら以下説明する。

【０００８】図１は、実施例に係るテンション装置の概
略構成を示し、図２は、実施例のテンション装置が採用
されるローラコンベヤの要部を示す。このローラコンベ
ヤ１０は、コンベヤフレーム１２の上部に、その長手方
向に所定間隔で複数の搬送ローラ１４が回動可能に枢支
してある。各搬送ローラ１４の回転軸１４ａにおける軸
方向一端部には、図３に示す如く、２つのローラ用スプ
ロケット(回転体)１６,１６が軸方向に離間して一体的
に回転するよう配設される。また、隣り合う搬送ローラ
１４,１４の間に臨むコンベヤフレーム１２の側部下方
位置に、一対のアイドルスプロケット(回転体)１８,１
８を軸方向に離間して一体回転可能に配設した従動軸２
０が回動可能に枢支されている。そして、各搬送ローラ
１４では、左右両側に位置して対応するアイドルスプロ
ケット１８,１８とローラ用スプロケット１６,１６との
間に無端状索体としての無端状チェン２２が夫々巻掛け
られることで、全ての搬送ローラ１４が複数の無端状チ
ェン２２により相互に連結されるようになっている。従
って、適宜位置の搬送ローラ１４を図示しない駆動モー
タにより正逆回転することで、各無端状チェン２２を介
して全ての搬送ローラ１４が同一方向に回転する。

【０００９】前記搬送ローラ１４のローラ用スプロケッ
ト１６とアイドルスプロケット１８との間に、前記無端
状チェン２２に所定のテンションを付与するテンション
装置２４が配設される。このテンション装置２４は、図
１に示す如く、コンベヤフレーム１２に配設されて、無
端状チェン２２が巻掛けられている一対のスプロケット
１６,１８の回転中心を結ぶ中心線Ｐ上に臨む支点軸２
６に、板状の支持部材２８が回動可能に枢支されてい
る。支持部材２８には、支点軸２６を挟む両側の等距離
位置にスプロケットからなる押圧部材３０,３０が回動
可能に枢支してある。そして、一方の押圧部材３０が、
無端状チェン２２における両スプロケット１６,１８の
間を走行する一方の走行路２２ａに外側から当接可能に
構成されると共に、他方の押圧部材３０が、無端状チェ
ン２２における両スプロケット１６,１８の間を走行す
る他方の走行部２２ｂに外側から当接可能に構成され
る。すなわち、両押圧部材３０,３０を無端状チェン２
２の対応する走行部２２ａ,２２ｂに外側から内側に向
けて押圧する方向(図１の反時計方向)に支持部材２８を
回転することで、両走行部２２ａ,２２ｂに均等にテン
ションを付与し得るようになっている。

【００１０】なお実施例では、支持部材２８における支
点軸２６を挟む各側に、前記２つローラ用スプロケット
１６,１６およびアイドルスプロケット１８,１８の夫々
に対応する２つの押圧部材３０,３０が軸方向に離間し
て配設され、支点軸２６、支持部材２８および複数の押
圧部材３０からなる組立体を、ローラコンベヤ１０にお
ける各位置の無端状チェン２２にテンションを付与する
ための共通部品として使用可能に構成されている。

【００１１】前記コンベヤフレーム１２の適宜位置にホ
ルダ３２が回動可能に配設されると共に、該ホルダ３２
の通孔３２ａに一端部が挿通された調整ロッド３４の他
端部が、前記支持部材２８における支点軸２６から偏位
した位置に設けた取付部２８ａに回動可能に枢支されて
いる。この調整ロッド３４の一端部には雄ネジ部３４ａ
が形成されており、ホルダ３２の通孔３２ａより支持部
材２８から離間する側に突出する雄ネジ部３４ａに螺合
するナット３６を締付けたり緩めてホルダ３２に対して
調整ロッド３４を引き寄せたり押し出すことで、前記支
点軸２６を中心として支持部材２８を正逆回転させ、こ
れによって無端状チェン２２に付与するテンションを調
整するよう構成される。すなわち実施例では、ホルダ３
２、調整ロッド３４およびナット３６から回動手段３８
が構成されている。なお、前記取付部２８ａに関して
も、前述したように支持部材２８を共通部品とし得るよ
うに、該支持部材２８の支点軸２６から偏位する複数箇
所に設けられている。

【００１２】

【実施例の作用】次に、実施例に係るテンション装置の
作用につき、以下に説明する。前記調整ロッド３４をホ
ルダ側に引き寄せるように前記ナット３６を締付けるこ
とで、前記支持部材２８は支点軸２６を中心として図１
において反時計方向に回転し、一方の押圧部材３０は無
端状チェン２２の一方の走行部２２ａに対して外側から
内側に向けて押圧され、他方の押圧部材３０は無端状チ
ェン２２の他方の走行部２２ｂに対して外側から内側に
向けて押圧される。これにより、ローラ用スプロケット
１６とアイドルスプロケット１８との間に巻掛けられて
いる無端状チェン２２には所定のテンションが付与され
る。この場合に、前記支点軸２６が中心線Ｐ上に位置す
ると共に、支点軸２６から各押圧部材３０,３０までの
距離は同一に設定されているから、両押圧部材３０,３
０により両走行部２２ａ,２２ｂに付与されるテンショ
ンは均等になり、一方の側のみに過大な負荷が加わるこ
とは防止される。

【００１３】また実施例のテンション装置２４では、支
持部材２８を回転した際には各押圧部材３０,３０が支
点軸２６を中心として旋回することで、無端状チェン２
２における対応する走行部２２ａ,２２ｂの走行方向に
離間する位置に夫々当接してテンションを付与するもの
であるから、両走行部２２ａ,２２ｂの離間間隔が狭い
場合であっても、大きな調整代を稼ぐことができる。す
なわち、テンション装置２４により無端状チェン２２に
所定のテンションを付与し得なくなるまで該チェン２２
がたるんだ場合は、無端状チェン２２を構成するローラ
リンクを間引くことでたるみを少なくする作業が必要と
なるが、実施例のテンション装置２４は調整代が大きい
からこのような煩雑な作業が必要となるまでの期間を長
くすることができる。しかも、テンション装置２４の構
成は簡単であるから、コストを低廉に抑えることが可能
となる。

【００１４】

【変更例】本発明のテンション装置は、前述した実施例
に限定されるものでなく、各種の変更例を採用し得る。
すなわち、実施例では両押圧部材を無端状チェンの両走
行部に対して外側から内側に向けて押圧する場合で説明
したが、図４に示す如く、両押圧部材３０,３０を無端
状チェン２２の両走行部２２ａ,２２ｂに対して内側か
ら外側に向けて押圧する構成を採用し得る。また、支持
部材を回動させる回動手段としては、モータとリンク機
構等を組合わせた手段や流体圧シリンダあるいはバネ等
の弾性手段を用いることが可能である。なお、流体圧シ
リンダや弾性手段により押圧部材を常に無端状チェンに
押圧する方向に回転するよう支持部材を付勢すれば、該
チェンのたるみに応じて自動的にテンションを調整し得
る。

【００１５】更に、実施例では搬送ローラのローラ用ス
プロケットとアイドルスプロケットとの間に巻掛けられ
ている無端状チェンにテンションを付与する場合で説明
したが、左右に隣り合う両搬送ローラのローラ用スプロ
ケット間に巻掛けた無端状チェンにテンションを付与す
るように、テンション装置を配置する構成を採用し得
る。更にまた、テンション装置はローラコンベヤに限ら
ず、他の装置における動力伝達に用いられる無端状チェ
ンに対するテンション付与手段として使用することが可
能である。なお、無端状索体としてはチェンに限らず、
ベルトやワイヤ等の動力を伝達し得るものであればよ
く、これに対応して回転体もプーリ等を採用し得る。ま
た押圧部材に関しても、無端状索体の形態に応じてプー
リやローラを適宜に採用することができる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るテンシ
ョン装置によれば、一対の回転体の回転中心を結ぶ中心
線上の支点軸を中心として旋回する一対の押圧部材で無
端状チェンの両走行部を押圧してテンションを付与する
よう構成したから、両走行部の離間間隔が狭い場合であ
っても、大きな調整代を稼ぐことができる。また、テン
ション装置の構成は簡単であり、低廉なコストで提供し
得る利点を有する。更に、支持部材に対して一対の押圧
部材は、支点軸を挟む両側の等距離位置に配設されてい
るから、両押圧部材により両走行部に均等にテンション
を付与することができ、一方の側のみに過大な負荷が加
わるのは防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好適な実施例に係るテンション装置を
示す概略正面図である。

【図２】実施例に係るテンション装置が配設されるロー
ラコンベヤの要部を示す概略正面図である。

【図３】実施例に係るテンション装置を示す概略側面図
である。

【図４】変更例に係るテンション装置を示す概略正面図
である。

【符号の説明】

１６ ローラ用スプロケット(回転体) １８ アイドルスプロケット(回転体) ２２ 無端状チェン(無端状索体) ２２ａ 一方の走行部 ２２ｂ 他方の走行部 ２６ 支点軸 ２８ 支持部材 ３０ 押圧部材 ３８ 回動手段 Ｐ 中心線

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の回転体(16,18)間に巻掛けられた
   無端状索体(22)にテンションを付与するテンション装置
   であって、 前記一対の回転体(16,18)の回転中心を結ぶ中心線(P)上
   に設定された支点軸(26)を中心として回動可能な支持部
   材(28)と、 前記支持部材(28)の支点軸(26)を挟む両側の等距離位置
   に回動可能に枢支され、前記無端状索体(22)における両
   回転体(16,18)間を走行する異なる走行部(22a,22b)に当
   接可能な一対の押圧部材(30,30)と、 前記両押圧部材(30,30)を対応する走行部(22a,22b)に押
   圧するよう前記支持部材(28)を回動する回動手段(38)と
   から構成したことを特徴とするテンション装置。
2. 【請求項２】 前記一対の押圧部材(30,30)は、前記無
   端状索体(22)における対応する走行部(22a,22b)に対し
   て、外側または内側の同一側に当接するよう設定される
   請求項１記載のテンション装置。