JP2003074041A - ため池施設の緊急放流装置 - Google Patents

ため池施設の緊急放流装置

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JP2003074041A
JP2003074041A JP2001359591A JP2001359591A JP2003074041A JP 2003074041 A JP2003074041 A JP 2003074041A JP 2001359591 A JP2001359591 A JP 2001359591A JP 2001359591 A JP2001359591 A JP 2001359591A JP 2003074041 A JP2003074041 A JP 2003074041A
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emergency
discharge device
reservoir
link mechanism
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Yoji Yamamoto
洋士 山本
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Kaisei Kogyo KK
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Kaisei Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、狭いスペースに配置できるた
め池施設の緊急放流装置を提供する。 【解決手段】 ため池施設2の堤体3の傾斜方向に沿っ
て配置され、軸方向に進退可能な伝達軸4と、この伝達
軸4の中間部に固定され、堤体3内に設けられた通水路
7及びため池を連通する緊急放流口9を開閉する扉体5
と、伝達軸4の先部に、扉体5の開閉ストロークより大
きなストロークを有するリンク機構20を介して遊嵌状
態に接続され、通水路7及びため池を連通する土砂排出
口25を開閉する蓋板6とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ため池施設に設け
られ、地震発生直後等の堤体保全を行う緊急放流装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、地震が発生し、ため池施設の堤
体の上部にクラックが発生した場合、そのまま放置して
おくと、浸水により地震発生後2〜3日で崩壊する傾向
がある。堤体の安全を確保するには、ため池の水位を、
1日で満水位から2m程度緊急降下させれば目的を達成
し得ることが過去の震災調査等から判明している。ただ
し、貯水深が小さいため池の場合は、2mの緊急降下が
かえって堤体の安定に対して不利に働くことになり、ま
た、貯水量の大部分を喪失させることにもなるので、貯
水深の1/3まで降下させることが好ましい。
【0003】図10(A)、(B)に示すように、従来
のため池施設70aには、満水位より低い位置に取水口
70〜72が、備えられている。それぞれの取水口70
〜72の上部には、スライド式の蓋板73〜75が設け
られており、各蓋板73〜75は、ため池施設の堤体7
6の傾斜方向に平行に配置された伝達軸77〜79に接
続されている。各伝達軸77〜79の上端部は、堤体7
6に設けられた進退装置80に接続され、作業者は、進
退装置80に設けられたハンドル81を操作して、伝達
軸77〜79を軸方向にそれぞれ独立して進退させ、各
取水口70〜72を開閉させることができる。各取水口
70〜72は、各伝達軸77〜79が重合しないよう
に、堤体76の傾斜方向に対して斜めに配置されてい
る。最上部の取水口70と満水位とのレベル差S5が2
m程度であった場合には、取水口70を緊急放流口とし
て兼用することも可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のため池施設70aは種々の大きさのものが設置され
ており、最上部の取水口70の深さS6が満水位に対し
て深すぎ、又は浅すぎて緊急放流口として使用できない
場合が多い。この場合には、図10(C)に示すよう
に、所定の深さに緊急放流口83を形成し、緊急放流口
83に被さる扉体84を設け、伝達軸82を扉体84に
接続して設ける必要があるが、伝達軸82を、既設の伝
達軸77〜79の設置位置とは異なる位置に配置する必
要があるため、増設部材の配置スペースが広く必要にな
り、また、設備費用が嵩むという問題点があった。そこ
で本発明が解決しようとする課題は、簡単な構造で、狭
いスペースに配置できるため池施設の緊急放流装置を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のため池の緊急放流装置は、ため池施設の堤
体の傾斜方向に沿って配置され、軸方向に進退可能な伝
達軸と、この伝達軸の中間部に固定され、前記堤体内に
設けられた通水路及び前記ため池を連通する緊急放流口
を開閉する扉体と、前記伝達軸の先部に、前記扉体の開
閉ストロークより大きなストロークを有するリンク機構
を介して遊嵌状態に接続され、前記通水路及び前記ため
池を連通する土砂排出口を開閉する蓋板とを備えてい
る。
【0006】リンク機構は、伝達軸と蓋板との間に扉体
の開閉ストローク以上の隙間を形成する。進退軸を堤体
の上側に移動させると、まず、上側に設けられた扉体の
みが移動して、緊急放流口が開く。一方、土砂排出口を
使用するときには、通常取水口等からの排水の後、水位
が下がってから蓋板が開かれる。進退軸を上側に移動さ
せ、緊急放流口と共に土砂排出口を開くが、水位が下が
っているので、緊急放流口から排水されることはない。
【0007】かかる構成によって、1本の伝達軸で、緊
急放流口を開閉する扉体と土砂排出口を開閉する蓋板を
操作し、蓋板を閉じた状態で扉体を開閉できるので、狭
いスペースに設置できると共に必要な資材を少なくでき
る。特に、既設のため池施設に緊急放流施設を増設する
場合の改造箇所を少なくでき、短期間で施工を完了する
ことができる。
【0008】なお、緊急放流口は、取水口より開口面積
を広くして、流水量を大きくするのが通常であるため、
取水口と緊急放流口を組み合わせると取水時の使い勝手
が悪くなる。また、緊急放流口及び土砂排出口はいずれ
も頻繁には使用されないが、取水口は頻繁に開閉動作が
行われる。本発明においては、緊急放流口を土砂排出口
と組み合わせることによって、通常動作時の誤操作を防
止して使い勝手をよくしている。
【0009】また、前記リンク機構に、長孔を有する受
け金具と、この長孔に嵌入してスライドするピン部材と
を設けることも可能である。かかる構成によって、リン
ク機構を直線的に形成することができ、機構を単純にす
ることができる。
【0010】さらに、前記リンク機構に、2つの揺動部
材を回動可能に連結して折り畳み可能な屈曲部材を設
け、この屈曲部材の両端部を前記蓋板及び前記伝達軸に
それぞれ回動可能に連結することも可能である。かかる
構成によって、伝達軸の移動時の摺動抵抗を減らして、
滑らかに動作させることができる。
【0011】また、前記リンク機構に、筒体と、この筒
体の内部に挿入されてスライドするスライド軸と、前記
筒体及び前記スライド軸の先端部にそれぞれ設けられ、
互いに掛合する対となる掛合部材とを設けることも可能
である。スライド軸は、通常使用時には筒体内に収納さ
れているので、異物が付着することが防止され、緊急使
用時の誤動作が防止される。
【0012】さらに、対となる前記掛合部材に、前記筒
体の内側に設けられたリング状部材と、前記スライド軸
に設けられた膨径部とを設けることも可能である。かか
る構成によって、掛合部材を簡単な形状に形成でき、ま
た、確実に掛合させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
について説明する。図1は本発明のため池施設の緊急放
流装置の正断面図、図2、図3は同緊急放流装置の緊急
放流口の正断面図と平面図、図4、図5は、同緊急放流
装置の土砂排出口の正断面図と平面図である。
【0014】ため池施設の緊急放流装置1は、ため池施
設2の堤体3に設けられた伝達軸4と、伝達軸4の中間
部に設けられた扉体5と、先部に設けられた蓋板6とを
有している。堤体3はため池施設2の周囲に緩やかに傾
斜して形成されており、堤体3の内部には、堤体3の傾
斜方向に沿って通水路7が形成され、通水路7の下端部
は土砂処理室8が形成されている。通水路7の上端部は
満水位から2m下方のレベルに形成された緊急放流口9
を介してため池10の内部に連通し、また、土砂処理室
8は土砂排出口25を介してため池10の内部に連通す
る。さらに、伝達軸4に隣接する位置には、図示しない
他の伝達軸が平行に設けられ、この伝達軸の下方位置に
は、図示しない取水口が形成されている。
【0015】伝達軸4は、堤体3の上面の傾斜方向に沿
って所定間隔おきに配置されたリング状ガイド24に挿
通されて軸方向に進退することができる。また、扉体5
は、伝達軸4の中間部に固定され、緊急放流口9の上側
を傾斜方向に沿ってスライド移動して、緊急放流口9を
開閉する。
【0016】図2、図3に示すように、緊急放流口9の
上部は、ベース部材12の上部に設けられた実質的に矩
形の水密ゴム13及び水密ゴム13を下側から支持する
保持部材14に囲まれている。ベース部材12の傾斜方
向上側で幅方向両側には、スライド移動する扉体5を案
内するガイド部材15が敷設され、ステー16により固
定されている。ガイド部材15は、緊急放流口9の開閉
に必要なストロークより長く形成されている。
【0017】扉体5は、伝達軸4に外挿され固定される
接続部17と、接続部17の下側に設けられ、伝達軸4
と共に進退し、水密ゴム13に当接して密閉可能な板状
体18を有している。また、板状体18の上方位置に
は、多数の棒状材を網目状に交差配置して実質的に矩形
に形成され、両端部を緊急放流口9の両側の堤体3に固
定されたスクリーン19が配置されている。スクリーン
19によって、扉体5を開いたときの大きなゴミの流入
による管内での閉塞を防止することができる。
【0018】図4、図5に示すように、土砂排出口25
の上部には、ベース部材26と、ベース部材26の傾斜
方向上側の両側に設けられ蓋板6を案内するガイド部材
27と、ベース部材26の上部に設けられた密閉用の水
密ゴム28とが配置されている。蓋板6は、扉体5より
大きく形成されている。
【0019】蓋板6は、伝達軸4の先部にリンク機構2
0を介して接続されている。リンク機構20は、蓋板6
による緊急放流口9の開閉に必要なストロークS2より
長い長さS3に形成された長孔21を有する受け金具2
2と、長孔21に嵌入してスライドするピン部材23と
を有している。
【0020】ピン部材23は、伝達軸4の先端部の軸線
より少し下方位置に配置され、その両端部を左右にそれ
ぞれ突出して設けられている。また、板状の受け金具2
2は、ピン部材23の両側に一枚ずつ設けられ、それぞ
れの一端部を蓋板6の上端部中央に回動可能に取り付け
ている。受け金具22を2枚設けているので、ピン部材
23から受ける引張力を幅方向に均等に分散することが
できる。
【0021】長孔21の長手方向は、伝達軸4の軸線に
平行に配置されている。伝達軸4で受け金具22を傾斜
方向上側に移動させるときには、受け金具22の下端部
が回動可能に設けられているので、蓋板6に無理な力を
加えずに蓋板6を滑らかに開閉することができる。
【0022】リンク機構20は、伝達軸4の先部に、扉
体5の開閉ストロークS2より大きなストロークS3を
有して遊嵌状態に接続されているので、蓋板6を閉じた
まま蓋板6の開閉を行うことができ。かかる構成によっ
て、地震が発生した場合等の緊急時に、緊急放流口9の
みを開いて水位を下げることができる。
【0023】次に、緊急放流装置1の使用手順について
説明する。通常、ため池10の水位は、満水位のレベル
L1になっている。地震等の緊急時には、これを満水位
より2m低いレベルL2まで下げる必要がある。
【0024】作業者は、緊急警報に対応して伝達軸4の
上端部に設けられている図示しない進退装置を操作し、
伝達軸4を傾斜方向上側にストロークS2だけ移動させ
る。すると、扉体5が開いて緊急放流口9からため池1
0内の水が排出される。このとき、伝達軸4の下端部に
設けられたピン部材23は、ストロークS2だけ傾斜方
向上側に移動するが、ストロークS2は受け金具22の
長孔21の長さS3より短いので、受け金具22及びこ
れに連結された蓋板6は移動せず、蓋板6は土砂排出口
25を閉じたままになっている。この状態で、1日程度
放置しておくことによって、ため池10の水位をL1か
らL2まで確実に下げることができる。
【0025】土砂排出口25を使用するときには、伝達
軸4を、まず受け金具22の長孔21の長さS3だけ移
動させて受け金具22によるがたを無くし、続けて蓋板
6のストロークS1分を移動させる。このような手順に
よって蓋板6を開き、土砂排出口25から土砂を排出す
ることができる。
【0026】次に、本発明の第2の実施の形態に係る緊
急放流装置29について説明する。図6は、緊急放流装
置の土砂排出口の正断面図である。なお、緊急放流装置
29は、前述した緊急放流装置1のリンク機構20に変
えてリンク機構30を用いたものであり、その他の部分
の構造は同じにしているので、同一部材には同一符号を
付して説明は省略する。
【0027】リンク機構30は、2つの揺動部材31,
32を回動可能に連結して折り畳み可能な屈曲部材33
を備え、この屈曲部材の両端部は、蓋板6の上端部及び
伝達軸4の下端部にそれぞれ回動可能に連結されてい
る。揺動部材31は細長板状に形成されたものである。
揺動部材32は、細長板状の部材を二つ折りにし、重合
部分の間に少しの隙間を形成し、屈曲部35の近傍で揺
動部材32の一端部を挟むように配置したものである。
揺動部材31,32は、回動ピン34で連結されてお
り、回動することができるが、例えば、重合状態から1
50度回動させたときに揺動部材31が屈曲部35に当
接し、それ以上回動できないように構成されている。揺
動部材31,32が一直線状に配置されると、揺動部材
31,32を折り畳むときに引っ掛かることがあるが、
少し屈曲した状態で止めるので、使用時の抵抗を減らし
て滑らかに移動させることができる。
【0028】揺動部材31,32のそれぞれの他端部
は、回動ピン36,37を介して伝達軸4及び蓋板6に
それぞれ回動可能に接続されている。揺動部材31,3
2を折り畳んだときと伸ばしたときの回動ピン36,3
7間の距離の差S4−S5は、前述したリンク機構20
の長孔21の長さS3に等しく形成されており、緊急放
流装置29は、緊急放流装置1と同様の使用手順によっ
て使用することができる。
【0029】次に、本発明の第3の実施の形態に係る緊
急放流装置40について説明する。図7は、緊急放流装
置のリンク機構の正断面図、図8(A)は、同緊急放流
装置の開閉装置、(B)は同緊急放流装置の開閉装置に
設けられた開度計の正面図、図9(A)〜(C)は同緊
急放流装置の使用状態を示す説明図である。なお、緊急
放流装置40は、前述した緊急放流装置1のリンク機構
20に変えてリンク機構41を用い、上部に開閉装置4
2を用いたものであり、その他の部分の構造は同様であ
るので、同一部材には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0030】リンク機構41は、筒体43と、筒体43
の内部に挿入されてスライドするスライド軸44と、筒
体43及びスライド軸44の先端部にそれぞれ設けら
れ、互いに掛合する対となる掛合部材の一例であるリン
グ状部材45及び膨径部46とを有している。
【0031】リング状部材45は、筒体43の一側端部
に固定され、膨径部46はスライド軸44の他側端部に
設けられている。また、筒体43の他側端部には、内側
に雌ねじ部を形成した固定用スリーブ47が固定され、
スライド軸44の一側端部には、雄ねじ部が形成され、
それぞれの接続を容易にしている。
【0032】筒体43及びスライド軸44は、上部にラ
ックを形成し、下部に扉体5を固定した伝達軸53の下
端と、下部に蓋板6を固定した伝達軸54の上端との間
に配置されて固定されるが、固定する向きはどちらでも
よい。例えば、筒体43を伝達軸53に固定すると、リ
ング状部材45の開口部が下方に向いて配置されるの
で、筒体43内にゴミが入りにくくなる。
【0033】次に、緊急放流装置40の上端部に設けら
れた開閉装置42について説明する。開閉装置42は、
回転ハンドル49と、これに連結された減速機構50
と、扉体5及び蓋板6の開度を目視可能な開度計51
と、ストッパとして用いられるチェーン部材52及びピ
ン部材55とを有している。開度計51には、伝達軸5
3の移動距離を示す目盛りに、扉体5の全開位置と蓋板
6の全開位置とが記されており、使用時の状態を簡単に
認識することができる。
【0034】チェーン部材52の基端部は、開閉装置4
2の本体部に取り付けられ、先端部に設けられたピン部
材55は、伝達軸53の開閉装置42より下側の所定位
置に着脱可能に取り付けられている。
【0035】開閉装置42の回転ハンドル49を回す
と、伝達軸53が引き上げられ、ピン部材55が開閉装
置42の本体部に当接する位置で止まる。この位置は、
扉体5が全開となる位置に設定している。蓋板6を開け
る場合には、ピン部材55を外してさらに回転ハンドル
49を回す。
【0036】次に、緊急放流装置40の使用手順につい
て説明する。図9(A)には、扉体5及び蓋板6が閉じ
た状態を示している。この状態で、ため池内の遊泳者や
堤外水路に人がいないことを確認し、また、伝達軸53
のラック部分に異物がからまっている場合にはこれを除
去する。手入力による操作荷重は例えば10kgに設定
しており、水中部に異物があると思われる場合には、設
定荷重以下の力で正転及び逆転を繰り返し、これを除去
する。
【0037】回転ハンドル49を、開閉装置42の本体
部がピン部材55に当接するまで回転させると、伝達軸
53が上昇し、これに固定された扉体5が開く。また、
伝達軸53の下端に設けられた筒体43が上昇し、スラ
イド軸44が相対的に突出する。こうして、図9(B)
に示すように、蓋板6が閉じた状態のままで、扉体5の
みが開く。
【0038】ピン部材55を伝達軸53から外し、回転
ハンドル49をさらに回すと、リンク機構41を介して
連結された伝達軸54が上昇し、蓋板6が開く。回転ハ
ンドル49は、伝達軸53に設けられた全開ストッパ5
6が緊急放流装置40の本体部に当接するまで回転させ
ることができる。図9(C)には、蓋板6が開いた状態
を示している。
【0039】蓋板6及び扉体5を閉じるときには回転ハ
ンドル49を逆に回す。そして、蓋板6及び扉体5が閉
じた後にピン部材55を伝達軸53に固定する。このよ
うにして緊急放流装置40を操作して蓋板6及び扉体5
の開閉を行うことができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば次の効果を奏する。 (1)蓋板が、伝達軸の先部に、扉体の開閉ストローク
より大きなストロークを有するリンク機構を介して遊嵌
状態に接続されているので、1本の伝達軸で緊急放流口
を開閉する扉体と土砂排出口を開閉する蓋板を操作し、
蓋板を閉じた状態で扉体を開閉できるので、狭いスペー
スに設置できると共に必要な資材を少なくできる。特
に、既設のため池施設に緊急放流施設を増設する場合の
改造箇所を少なくでき、短期間で施工を完了することが
できる。 (2)リンク機構に、長孔を有する受け金具と、この長
孔に嵌入してスライドするピン部材とを設けるので、リ
ンク機構を直線的に形成することができ、機構を単純に
することができる。 (3)リンク機構に、2つの揺動部材を回動可能に連結
して折り畳み可能な屈曲部材を設け、この屈曲部材の両
端部を蓋板及び伝達軸にそれぞれ回動可能に連結するの
で、伝達軸の移動時の摺動抵抗を減らして、滑らかに動
作させることができる。 (4)リンク機構に、筒体とスライド軸とを設けること
により、スライド軸に異物が付着せずに緊急使用時の誤
動作が防止され、動作を確実に行い、装置の信頼性を向
上させることができる。 (5)掛合部材に、リング状部材と膨径部とを設けるこ
とにより、掛合部材を簡単な形状に形成でき、また、確
実に掛合させることができ、装置の信頼性をさらに向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るため池施設
の緊急放流装置の正断面図である。
【図2】 同緊急放流装置の緊急放流口の正断面図であ
る。
【図3】 同緊急放流装置の緊急放流口の平面図であ
る。
【図4】 同緊急放流装置の土砂排出口の正断面図であ
る。
【図5】 同緊急放流装置の土砂排出口の平面図であ
る。
【図6】 本発明の第2の実施の形態に係るため池施設
の緊急放流装置の土砂排出口の正断面図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態に係るため池施設
の緊急放流装置のリンク機構の正断面図である。
【図8】 (A)は、同緊急放流装置の開閉装置、
(B)は同緊急放流装置の開閉装置に設けられた開度計
の正面図である。
【図9】 (A)〜(C)は同緊急放流装置の使用状態
を示す説明図である。
【図10】 (A)〜(C)は、従来例に係るため池施
設の緊急放流装置の説明図である。
【符号の説明】
1 緊急放流装置 2 ため池施設 3 堤体 4 伝達軸 5 扉体 6 蓋板 7 通水路 8 土砂処理室 9 緊急放流口 10 ため池 12 ベース部材 13 水密ゴム 14 保持部材 15 ガイド部材 16 ステー 17 接続部 18 板状体 19 スクリーン 20 リンク機構 21 長孔 22 受け金具 23 ピン部材 24 リング状ガイド 25 土砂排出口 26 ベース部材 27 ガイド部材 28 水密ゴム 29 緊急放流装置 30 リンク機構 31,32 揺動部材 33 屈曲部材 34 回動ピン 35 屈曲部 36,37 回動ピン 40 緊急放流装置 41 リンク機構 42 開閉装置 43 筒体 44 スライド軸 45 リング状部材(掛合部材) 46 膨径部(掛合部材) 47 固定用スリーブ 49 回転ハンドル 50 減速機構 51 開度計 52 チェーン部材 53,54 伝達軸 55 ピン部材 56 全開ストッパ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ため池施設の堤体の傾斜方向に沿って配
    置され、軸方向に進退可能な伝達軸と、 この伝達軸の中間部に固定され、前記堤体内に設けられ
    た通水路及び前記ため池を連通する緊急放流口を開閉す
    る扉体と、 前記伝達軸の先部に、前記扉体の開閉ストロークより大
    きなストロークを有するリンク機構を介して遊嵌状態に
    接続され、前記通水路及び前記ため池を連通する土砂排
    出口を開閉する蓋板とを備えていることを特徴とするた
    め池施設の緊急放流装置。
  2. 【請求項2】 前記リンク機構は、前記開閉ストローク
    より長い長孔を有する受け金具と、この長孔に嵌入して
    スライドするピン部材とを有することを特徴とする請求
    項1記載のため池施設の緊急放流装置。
  3. 【請求項3】 前記リンク機構は、2つの揺動部材を回
    動可能に連結して折り畳み可能な屈曲部材を備え、この
    屈曲部材の両端部は、前記蓋板及び前記伝達軸にそれぞ
    れ回動可能に連結されていることを特徴とする請求項1
    記載のため池施設の緊急放流装置。
  4. 【請求項4】 前記リンク機構は、筒体と、この筒体の
    内部に挿入されてスライドするスライド軸と、前記筒体
    及び前記スライド軸の先端部にそれぞれ設けられ、互い
    に掛合する対となる掛合部材とを有していることを特徴
    とする請求項1記載のため池施設の緊急放流装置。
  5. 【請求項5】 対となる前記掛合部材は、前記筒体の内
    側に設けられたリング状部材と、前記スライド軸に設け
    られた膨径部とを有していることを特徴とする請求項4
    に記載のため池施設の緊急放流装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016084580A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 株式会社清水鐵工所 緊急放流システム、及び、それに用いられる緊急開放弁
JP2020070572A (ja) * 2018-10-29 2020-05-07 日進工業株式会社 貯水池排水システム
JP2020070713A (ja) * 2019-08-29 2020-05-07 日進工業株式会社 貯水池排水システム

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