JP2003073839A - 膜評価用基板ホルダ及び膜評価方法 - Google Patents

膜評価用基板ホルダ及び膜評価方法

Info

Publication number
JP2003073839A
JP2003073839A JP2001256686A JP2001256686A JP2003073839A JP 2003073839 A JP2003073839 A JP 2003073839A JP 2001256686 A JP2001256686 A JP 2001256686A JP 2001256686 A JP2001256686 A JP 2001256686A JP 2003073839 A JP2003073839 A JP 2003073839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
substrate
substrate holder
plate body
evaluation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001256686A
Other languages
English (en)
Inventor
Eishiro Sasagawa
英四郎 笹川
Naoyuki Miyazono
直之 宮園
Moichi Ueno
茂一 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001256686A priority Critical patent/JP2003073839A/ja
Publication of JP2003073839A publication Critical patent/JP2003073839A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソーダガラス等のナトリウム成分を含んだ大
型基板に製膜される膜の欠陥密度評価を行うことが可能
な膜評価用基板ホルダ及び膜評価方法を提供することを
課題とする。 【解決手段】 金属製の板体1に複数の基板取付部2を
形成し、これらに無アルカリ基板である石英基板2aを
嵌め込む。石英基板2aは板体1の両面に設けた固定部
材3,4にて固定され、取り外し可能とされる。製膜さ
れる側の表面に設けられた各固定部材3の角部は面取り
がなされ、反対側の面に設けられた各固定部材4は薄い
SUS箔等として構成した。また、板体1の縁部にスリ
ットを形成して板体1のそりを抑える構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アモルファスシリ
コン太陽電池等の半導体を製造する際における製膜を評
価する膜評価用基板ホルダ及び膜評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アモルファスシリコン太陽電
池等の半導体を製造する際に、その基板に製膜を行う装
置としてプラズマCVD装置(プラズマ処理装置)が用
いられている。このアモルファスシリコン太陽電池(以
下、単に「太陽電池」という。)等の基板を製造する際
に用いられるプラズマCVD装置について説明すると、
減圧された密閉空間の製膜室内へSiH4からなる原料
ガスを含む製膜ガスを送り込み、高周波電流によってプ
ラズマを生じさせ、製膜室内に支持されて加熱されたガ
ラス等の基板に製膜を施すようになっている。
【0003】これを図4を用いて更に詳しく説明する。
図4はプラズマCVD装置の製膜室10を示した斜視図
である。製膜室10である真空チャンバ12の内部には
非接地電極であるラダー電極13と、製膜ユニット14
と、ヒータカバー15と、基板加熱ヒータ16とが構成
されている。また、ラダー電極13とヒータカバー15
との間には、製膜される基板Kが設置されている。
【0004】製膜過程について説明する。真空チャンバ
12内が減圧された状態にてSiH 4からなる原料ガス
を含む処理原料ガスである製膜ガスが送り込まれ、ラダ
ー電極13に高周波電流が供給されると、真空チャンバ
11内にてプラズマが発生し、基板加熱ヒータ16によ
って加熱された基板Kに製膜が施されるようになってい
る。
【0005】ここで、太陽電池等の基板として多く用い
られるソーダガラスについて説明する。透明なソーダガ
ラスは、成型が容易で化学的に耐久性があり、安価で入
手しやすい材料である。このため、家屋等の建物の屋根
に設置する太陽電池等に用いられる一辺が1mを越える
ような基板であっても低コストに生産することができ、
多く使用されている。
【0006】このソーダガラスは、ごく一般的に使用さ
れるガラスをいうものであり、石英、ソーダ灰、石灰石
などが主成分である。ソーダ灰にはナトリウム(Na)
成分が含まれており、このナトリウムが製膜時に支障を
きたす。よって、製膜時にナトリウムが分拡散すること
を防止するため、SiO2膜を500Å〜1200Åの
厚さで予め製膜した基板を用いている。
【0007】このソーダガラスにSiO2の分拡散防止
バリアが施された基板をさらにプラズマCVD装置で製
膜して太陽電池等の基板を製作するにあたり、この製膜
された膜を製品の品質管理上評価する必要がある。膜の
評価方法には、導電率、バンドギャップ、屈折率等から
なる膜質検査と、シリコンの結合状態を確認する欠陥密
度評価試験とがある。
【0008】欠陥密度評価試験には、主として、電子ス
ピン共鳴(ESR)方式とCPM方式とがある。ここで
いう電子スピン共鳴方式は、電子のスピンのエネルギー
準位がゼーマン効果によって分離している時、振動磁場
または電磁波との間に共鳴をおこすことによって測定す
る分光法であり、ESR(electron spin resonance)
とも呼ばれる。また、CPM方式(constant photocurr
ent measurement)は一定光電流法であり、特にアモル
ファスシリコン材料の欠陥密度や欠陥順位分布の評価方
法としてよく用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラズ
マ処理装置にて製膜された膜の欠陥密度評価を行うため
には無アルカリ基板が好適とされている。これはソーダ
ガラス中に含まれるナトリウム成分が測定データに悪影
響を与える可能性があるからであり、CPM方式の試験
装置では試験データに悪影響を与え、また、ESR方式
の試験装置では計測精度が上がらない可能性を有してい
るからである。
【0010】よって、無アルカリ基板を用いて欠陥密度
評価をすることが望ましいが、家屋等の建物の屋根に設
置する太陽電池等に用いられるような一辺が1mを越え
る比較的大きな無アルカリ基板は高価且つ入手困難であ
り、ましてや板厚が3〜6mmもの無アルカリ基板は特
に入手困難である。
【0011】従って、ソーダガラス等のナトリウム成分
を含んだ基板を使用せざるをえず、このようなガラスの
製膜評価及び欠陥密度評価は的確に行うことができない
ため、結果的に製品の信頼性の欠如を招いていた。
【0012】本発明は上記事情に鑑みて成されたもので
あり、ソーダガラス等のナトリウム成分を含んだ大型基
板に製膜される膜の欠陥密度評価を行うことが可能な膜
評価用基板ホルダ及び膜評価方法を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を採用した。請求項1に記載の
膜評価用基板ホルダは、プラズマ処理装置にて基板に製
膜される膜を評価するための板体からなる膜評価用基板
ホルダであって、前記板体には、該板体よりも小さい無
アルカリ基板が嵌め込まれる基板取付部を備えてなるこ
とを特徴とする。
【0014】このような構成とすることで、膜評価用基
板ホルダを形成する板体の平面に、この面積よりも小さ
な平面を有する無アルカリ基板が嵌め込まれるための基
板取付部が形成され、ここに比較的小さく入手が容易な
無アルカリ基板が嵌め込まれる。無アルカリ基板が嵌め
込まれた膜評価用基板ホルダは、製品とする基板とほぼ
同等な形状に形成されており、これがプラズマ処理装置
内で製膜され、無アルカリ基板を用いて製膜の評価がな
されることになる。なお、板体は製膜時の熱に耐えうる
金属製とすることが望ましい。
【0015】請求項2に記載の膜評価用基板ホルダは、
請求項1記載の膜評価用基板ホルダにおいて、前記基板
取付部は、複数設けられていることを特徴とする。
【0016】このような構成としたことで、板体の平面
に無アルカリ基板が嵌め込まれる複数の基板取付部が形
成され、これらに無アルカリ基板がそれぞれ嵌め込まれ
ることで、製品となる基板とほぼ同等な形状の膜評価用
基板ホルダが形成される。これをプラズマ処理装置内に
て製膜し、各無アルカリ基板上に製膜された膜の評価が
なされることになる。
【0017】請求項3に記載の膜評価用基板ホルダは、
請求項2記載の膜評価用基板ホルダにおいて、前記基板
取付部は、矩形とされた前記板体の平面における少なく
とも一方の対角線上と、前記平面における四隅近傍を含
む縁部の各所とにそれぞれ設けられていることを特徴と
する。
【0018】このような構成とすることで、略長方形の
板体における2本の対角線のうちの少なくともどちらか
の線上に無アルカリ基板が嵌め込まれ、また、略長方形
の板体の四隅近傍にそれぞれ無アルカリ基板が嵌め込ま
れ、さらに四隅近傍の間の各所に無アルカリ基板がそれ
ぞれ嵌め込まれることになる。これによって、製膜の分
布がほぼ板体の全域、つまりは製品となる基板表面の全
域にわたって製膜の評価がなされることとなる。
【0019】請求項4に記載の膜評価用基板ホルダは、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の膜評価用基板ホ
ルダにおいて、前記基板取付部は、前記無アルカリ基板
を固定するための固定部材を備え、該固定部材は、製膜
される側とされた前記板体表面側の角部が面取りされて
いることを特徴とする。
【0020】このような構成とすることで、無アルカリ
基板は板体に確実に固定されて製膜されることとなる。
また、製膜される側の固定部材の角部を丸めることで、
製膜時に発生するプラズマによる電界集中を回避し、製
品とする基板の製膜条件とほぼ同一条件で無アルカリ基
板に製膜が施されることになる。よって、この無アルカ
リ基板にて製膜評価が行われる。
【0021】請求項5に記載の膜評価用基板ホルダは、
請求項4に記載の膜評価用基板ホルダにおいて、前記各
固定部材は、前記板体に対して回動可能に設けられてい
ることを特徴とする。
【0022】このような構成によれば、固定部材が例え
ばボルト等で板体に取り付けられ、この固定部材が無ア
ルカリ基板上に覆い被さる場合には、無アルカリ基板が
板体に嵌め込まれて固定され、固定部材が回動して無ア
ルカリ基板上から外れされた場合には、無アルカリ基板
が板体から取り外せる状態となる。よって、ボルト等で
固定されることによって、固定部材を回動させること、
またはボルトを抜くことによって固定部材を取り外すこ
とが可能となる。
【0023】請求項6に記載の膜評価用基板ホルダは、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の膜評価用基板ホ
ルダにおいて、前記無アルカリ基板は、石英基板とされ
ていることを特徴とする。
【0024】このような構成によれば、ナトリウムを含
有せずSiO2をほぼ100%含有した無アルカリ基板
として石英基板を使用することとなる。この石英基板は
上述のようにSiO2の材料であるため、予めSiO2
を製膜する必要はなく、板体に嵌め込んでプラズマ処理
装置で製膜され、製膜された膜が評価されることにな
る。
【0025】請求項7に記載の膜評価用基板ホルダは、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の膜評価用基板ホ
ルダにおいて、前記板体は、縁部に複数のスリットを備
えてなることを特徴とする。
【0026】このような構成によれば、プラズマ処理装
置にて製膜を行う場合の板体への熱応力がスリットによ
って緩和される。つまり、板体を製膜装置にセットして
裏面よりヒータカバー加熱される際や製膜時に板体に及
ぼす熱が、板体の外周部よりも中央部に多く集中するこ
とから、中央部が周辺より温度が上がり易い際には中央
部と周辺部の間には熱応力が発生する。この熱応力によ
って外周部に囲まれた中央部には歪みが発生し、板体全
体にわたってそりを発生させていた。スリットを設ける
ことで熱応力の緩和がなされ、板体のそりを減少させる
作用が働く。なお、スリットは基板大きさが例えば一辺
1m程のものであるならば、切り込み強度を考慮してほ
ぼ同一形状とされる板体に100〜150mmの長さ
で、100〜150mmの間隔、さらに幅はホロープラ
ズマ発生抑制から0.1mm程度に形成することが望ま
しい。
【0027】請求項8に記載の膜評価用基板ホルダは、
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の膜評価用基板ホ
ルダにおいて、前記板体は、製膜される側の平面にブラ
スト処理がなされていることを特徴とする。
【0028】このような構成によれば、ブラスト処理さ
れた面に製膜が施され、付着膜の脱落が抑制される。こ
の作用は膜が積層された状態においても継続される。な
お、ブラスト処理によって表面積が極端に増加すると製
膜室内での板材表面からの脱ガスにより製膜に悪影響を
与えかねないので、ブラスト処理条件は製膜される側で
ある板体の表面側で、且つ、粒度が150メッシュ以上
(150メッシュでの50%分離径程度)のガラスビー
ズブラスト(GBB)等の細かいブラスト処理で行うこ
とが望ましい。
【0029】請求項9に記載の発明は、前記無アルカリ
基板は、シリコンウエハーとされていることを特徴とす
る。
【0030】プラズマ処理装置にて基板に製膜された膜
を評価する膜評価方法として膜応力評価用などのために
シリコンウエハーを用いる。またシリコンウエハーを使
用することでプラズマエッチングの評価も可能となる。
【0031】請求項10に記載の発明は、プラズマ処理
装置にて基板に製膜された膜を評価する膜評価方法であ
って、プラズマ処理装置にて基板に製膜される膜を評価
するための板体からなる膜評価用基板ホルダに、該板体
よりも小さい無アルカリ基板を装着し、前記プラズマ処
理装置内で製膜した後に前記無アルカリ基板に施された
製膜を主として電子スピン共鳴方式あるいはCPM方式
にて欠陥密度評価することを特徴とする。
【0032】このような製膜の評価方法によれば、一辺
が1mを越えるような太陽電池を構成する基板に見立て
たほぼ同じ大きさの板体に、ナトリウム成分を含まない
無アルカリ基板を装着し、これを製品となる基板と同様
にプラズマ処理装置で製膜を施し、無アルカリ基板の製
膜状態を確認することで製品となる基板に即した膜評
価、つまりは膜の欠陥密度評価がなされる。欠陥密度評
価はESR(電子スピン)共鳴方式あるいはCPM方式
で行なわれ、評価点は板体に装着された無アルカリ基板
の個数と、装着位置に従うことになる。
【0033】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]次に、本発明
に係る第1の実施形態について、図1、図2を参照して
説明する。図1は本実施形態の膜評価用基板ホルダの全
体構成を示す平面図である。図2は図1のA部分に石英
基板2aが嵌め込まれた場合の拡大図であり、(a)は
その断面図、(b)は平面図である。なお、図2(b)
は中心線を挟んで板体1の表裏両面を示している。ここ
でいう板体1の表面とは、製膜が施される側の平面をい
うものであり、この背面側は裏面として説明する。
【0034】図1において、符号1は膜評価用基板ホル
ダを構成する板体を示し、2は基板取付部を示してい
る。また、図2において、2aは石英基板(無アルカリ
基板)、3,4は該石英基板2aを板体1に固定するた
めに表面と裏面とにそれぞれ設けられた各固定部材、3
aは表面側の各固定部材3を回動可能に固定するボルト
を示している。
【0035】板体1は矩形とされており、製品となる基
板の面積とほぼ同等な平面の大きさ1400mm×11
00mmと厚さ3mmとを有し、非磁性材料であるSU
S304等で形成される。この板体1には後述する石英
基板2aの大きさに合わせて複数の孔部が形成される。
これら孔部は、石英基板2aを嵌め込むための基板取付
部2をなしており、板体1の平面の四隅に4箇所、板体
1の平面の対角線上に5箇所(四隅を除く)、一側面側
の両端間に1箇所、その一側面に直交する一方の側面側
の両端中間に1箇所の計11箇所の基板取付部2が形成
される。また、この基板取付部2の形状は一辺が約50
mmの略正方形である。
【0036】このような各基板取付部2の配置は、製膜
される板体1の表面すべての膜質・膜厚を把握すること
を目的とし、これらの位置に嵌め込まれる石英基板2a
の製膜を評価することで膜評価用基板ホルダの製膜評
価、ひいては製品となる基板の製膜評価をすることとな
る。
【0037】さらに、図2を用いて図1のA部分を説明
する。基板取付部2には2点鎖線で示される一辺が約5
0mmの石英基板2aが嵌め込まれる。この正方形形状
の基板取付部2の4つの角部付近には、ここに嵌め込ま
れる石英基板2aを固定するための固定部材3、4がそ
れぞれ設けられる。板体1の表面側にはボルト3aで回
動または取り外し可能に固定された各固定部材3が石英
基板2aの四隅にそれぞれ設けられ、板体1の裏面には
図において点で示されるスポット溶接にて溶着されたS
US箔の各固定部材4が基板取付部2の四隅にそれぞれ
設けられる。ボルト3aは、板体1の表面側から空けら
れたねじ孔3bに螺合されて固定される。
【0038】板体1の表面側に固定された各固定部材3
は、角部が丸みを有した形状とされる。これはプラズマ
処理装置にて製膜される際に、この角部に電界集中する
ことを回避するためである。また、これらボルト3aに
て各固定部材3を固定したのは、嵌め込まれる石英基板
2aの取り外しを可能とするためであり、製膜後に石英
基板2aのみを外して欠陥密度評価を行いやすくするた
めである。また、石英基板2aを交換することで、再度
膜評価用基板ホルダを使用することができる。
【0039】一方、板体1の裏面側に固定される長方形
の各固定部材4は、厚さ0.1〜0.2mm程の薄いS
US箔を用い、スポット溶接にて板体1に溶着される。
板体1に溶着する位置は、基板取付部2の各角部を跨ぐ
位置であり、1つの基板取付部2に対して4箇所設け
る。薄いSUS箔を用いたのは、製膜時にヒータカバー
15(図4参照)である接地電極に板体1および石英基
板2aをできるだけ密着させる必要があるからである。
このように、石英基板2aは、各固定部材4上に載置し
た後に板体1の表面側にある固定部材3を回動させて嵌
め込まれるようになっている。
【0040】さて、以上説明した膜評価用基板ホルダ
は、以下のように使用される。図4を再度参照しながら
説明すると、石英基板2aが11箇所の各基板取付部2
に嵌め込まれた膜評価用基板ホルダ(図2参照)は、ロ
ードロック室(図示せず)と、製膜室10と、アンロー
ド室(図示せず)とからなるプラズマCVD装置11
(プラズマ処理装置)の内部を結ぶ搬入ライン上(図示
せず)に搬入される。製膜室10よりも搬入ラインの上
流側にあるロードロック室に搬入された膜評価用基板ホ
ルダは、この室内が大気圧からほぼ真空に減圧された状
態で製膜室10に搬入される。
【0041】このプラズマCVD装置11は、製膜室1
0を形成する真空チャンバ12の略中央に、両側面に非
接地電極とされたラダー電極13が設けられた製膜ユニ
ット14を有しており、この製膜ユニット14の両側面
側に、ヒータカバー15を介して基板加熱ヒータ16が
設けられている。
【0042】そして、このヒータカバー15とラダー電
極13との間に、通常製膜する太陽電池等用の基板Kと
入れ替えて本実施形態の膜評価用基板ホルダを搬入して
設置する。膜評価用基板ホルダの設置方向は、製膜され
る側の面である面取りされた固定部材3(図2参照)が
設けられた表面が、ラダー電極13側に向けられて設置
される。
【0043】真空チャンバ12内が減圧された状態にて
SiH4からなる原料ガスを含む処理原料ガスである製
膜ガスが送り込まれ、ラダー電極13に高周波電流が供
給されると、真空チャンバ11内にてプラズマが発生
し、基板加熱ヒータ16によって加熱された膜評価用基
板ホルダに製膜が施される。
【0044】製膜された膜評価用基板ホルダは、搬送ラ
インによって製膜室10よりも下流側にあるアンロード
室(図示せず)に入り、真空から大気圧に戻るまで置か
れた後、プラズマCVD装置11から搬出される。
【0045】プラズマCVD装置から搬出された膜評価
用基板ホルダは、板体1に嵌め込まれた各石英基板2a
毎に膜の欠陥密度評価がなされる。この場合、石英基板
2aを板体1に固定したまま欠陥密度評価を行ってもよ
いし、板体1から石英基板2aを取り外して欠陥密度評
価を行うこととしてもよい。欠陥密度評価は、核磁気共
鳴、あるいはCPM方式にて行われる。
【0046】第1の実施形態の変形例について説明す
る。上述した膜評価基板ホルダは、石英基板2aを取り
外し可能にして、再度製膜を行う構成としている。この
場合、板体1の表面側には製膜を施す実施数分の膜が積
層されることになる。この積層された膜が剥離すると、
製膜時に支障をきたしやすいので、板体1の表面側にブ
ラスト処理を実施する。しかしながら、ブラスト処理に
て板体1の表面積が増加すると、脱ガスの原因となるこ
とがある。製膜時のプラズマにて板体1から脱ガスが発
生した場合、これもまた製膜時に支障をきたす。
【0047】このため、板体1の製膜側である表面側の
みにブラスト処理を行い、裏面であるヒータカバー15
(図4参照)側はブラスト処理を行わない。さらに、板
体1の表面側に行うブラスト処理は、表面積の増加を抑
えるために粒度がメッシュ150以上(150メッシュ
での50%分離径程度)のガラスビーズブラスト(GB
B)等の細かいブラスト処理にて行う。
【0048】このような板体1を用いた膜評価用基板ホ
ルダによれば、付着させた膜の剥離を防止しつつ、脱ガ
スを抑制して繰り返し膜評価を行うことが可能な膜評価
用基板ホルダを提供することができる。
【0049】[第2の実施形態]次に第2の実施形態に
ついて説明する。図3に示される膜評価用基板ホルダ
は、上述した第1の実施形態と板体1の構造が異なるの
でこの点について説明し、その他の点については第1の
実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0050】本実施形態の膜評価用基板ホルダは前記板
体1の縁部に複数のスリット5が形成されたものであ
る。これら各スリット5は、長さが100〜150mm
とされ、100〜150mm間隔で設けられる。スリッ
ト5の幅は、0.1m程度の極狭いものであり、少なく
とも1mm以下とされる。
【0051】これらスリット5によれば、製膜前の板体
1の加熱昇温および製膜時における板体1の中央部と外
周部との温度差によって板体1のそりが発生するような
状況下において、歪みの緩和が図られ、板体1のそりを
ごくわずかなものに抑えることが可能となる。また、ス
リット5を形成する際には、スリット幅を1mm以下と
することが好適であり、製膜時にこれらスリット5でホ
ロープラズマが発生することを回避して製膜時の弊害を
防止することが望ましい。
【0052】以上説明した第1及び第2の実施形態に係
る膜評価基板ホルダの変形例として以下に説明する構成
としてもよい。製膜時の温度が150℃以下の場合に
は、板体1の材料をガラス板に近い質量と熱容量を有
し、さらに温度均一性が高く、そり等の変形が少ないア
ルミニウム板を用いて構成してもよい。アルミニウムは
150℃以上になると軟化して変形するので、150℃
以下の使用温度範囲制限を設ける必要がある。よって、
この温度範囲の製膜においては、製品となる基板と類似
して製膜がなされ、より製品となる基板に即した欠陥密
度評価を行うことができる。
【0053】以上説明した膜評価用基板ホルダは本発明
における一実施形態を示したものであり、これに限定さ
れるものではなく、例えば製品となる基板の大きさに合
わせて基板取付部2の個数、配置を変更してもよいし、
石英基板2aに相当するナトリウム成分を含まない別の
無アルカリ基板、さらには膜応力などを評価するに使用
されるシリコンウエハーに変更してもよい。
【0054】さらに、石英基板2aの固定方法は、板体
1の片面だけに設けることとしてもよく、この場合石英
基板2a及びこれが嵌め込まれる基板取付部2に段差が
設けられて嵌め込まれることとなる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の膜評価用
基板ホルダにおいては以下の効果を奏する。請求項1記
載の膜評価用基板ホルダによれば、板体には該平面より
も面積が小さい無アルカリ基板が嵌め込まれる基板取付
部が設けられるので、比較的入手が容易な無アルカリ基
板を用いて製膜される膜の欠陥密度評価が可能となる。
従って、製品となる太陽電池等に用いられる比較的大き
な基板の品質管理を高め、高品質な基板、例えば太陽電
池を提供することができる。
【0056】請求項2記載の膜評価用基板ホルダによれ
ば、基板取付部が複数設けられるので、板体表面の全域
にわたって膜評価を行うことができ、高品質な基板を提
供することができる。
【0057】請求項3記載の膜評価用基板ホルダによれ
ば、無アルカリ基板が嵌め込まれる基板取付部は、矩形
とされた板体の平面における少なくとも一方の対角線上
と、板体の平面における四隅近傍を含む縁部の各所とに
それぞれ設けられていので、板体表面の全域にわたって
効果的に膜評価が可能となり、製品となる基板における
品質管理の徹底を図ることができる。
【0058】請求項4記載の膜評価用基板ホルダによれ
ば、基板取付部には無アルカリ基板を固定するための固
定部材が設けられ、製膜される側の固定部材の角部は面
取りがなされているので、安定して無アルカリ基板に製
膜が施される。また、固定部材の面取りによって電界集
中が発生しにくいので、板体の表面全域にわたって安定
して製膜され、製品となる基板に即した膜評価が可能と
なる。
【0059】請求項5記載の膜評価用基板ホルダによれ
ば、固定部材は板体に対して回動可能に設けられている
ので、無アルカリ基板を板体から自由に取り外すことが
でき、繰り返しての使用が可能となる。
【0060】請求項6記載の膜評価用基板ホルダによれ
ば、無アルカリ基板は入手が容易な石英基板とされてい
るので、SiO2膜が施されたものと同じ状態で製膜さ
れた膜のみを評価することが可能となる。
【0061】請求項7記載の膜評価用基板ホルダによれ
ば、板体の縁部に複数のスリットが形成されているの
で、板体のそりが抑えられて確実な製膜が施され、製品
となる基板の製膜状態に即した膜評価が可能となる。
【0062】請求項8記載の膜評価用基板ホルダによれ
ば、板体の製膜される側の平面にはブラスト処理が施さ
れるので、製膜の剥離を回避して繰り返し膜評価を正確
に行うことができる。
【0063】請求項9記載の膜評価用基板ホルダによれ
ば、板体にシリコンウエハーに製膜して膜応力の評価な
どが可能となる。またプラズマによるエッチング評価も
可能となる。
【0064】請求項10記載の膜評価方法によれば、プ
ラズマ処理装置にて基板に製膜される膜を評価するため
の板体からなる膜評価用基板ホルダに、該膜評価用基板
ホルダの平面の面積よりも小さい無アルカリ基板を装着
し、プラズマ処理装置内で製膜した後に無アルカリ基板
に施された製膜を評価する方法とされているので、製品
となる基板の製膜に即して膜評価、つまりは膜の欠陥密
度評価を的確に行うことができ、高品質な例えば太陽電
池等用の基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態における膜評価用基
板ホルダを説明する平面図である。
【図2】 図1のA部分を説明する拡大図であって、図
2(a)はその断面図、図2(b)はその平面図である
【図3】 本発明の第2の実施形態における膜評価用基
板ホルダを説明する平面図である。
【図4】 プラズマCVD装置の内部構成を説明する斜
視図である。
【符号の説明】
1 板体 2 基板取付部 2a 石英基板(無アルカリ基板) 3 固定部材 4 固定部材 5 スリット
フロントページの続き (72)発明者 上野 茂一 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 Fターム(参考) 4K030 AA06 BA30 CA02 CA06 FA01 LA16 4M106 AA01 AA10 CB30 DH60 DJ02 5F051 AA05 CA15 GA03 KA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ処理装置にて基板に製膜される
    膜を評価するための板体からなる膜評価用基板ホルダで
    あって、 前記板体には、該板体よりも小さい無アルカリ基板が嵌
    め込まれる基板取付部を備えてなることを特徴とする膜
    評価用基板ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記基板取付部は、複数設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の膜評価用基板ホル
    ダ。
  3. 【請求項3】 前記基板取付部は、矩形とされた前記板
    体の平面における少なくとも一方の対角線上と、前記平
    面における四隅近傍を含む縁部の各所とにそれぞれ設け
    られていることを特徴とする請求項2記載の膜評価用基
    板ホルダ。
  4. 【請求項4】 前記基板取付部は、前記無アルカリ基板
    を固定するための固定部材を備え、 該固定部材は、製膜される側とされた前記板体表面側の
    角部が面取りされていることを特徴とする請求項1〜請
    求項3のいずれかに記載の膜評価用基板ホルダ。
  5. 【請求項5】 前記各固定部材は、前記板体に対して回
    動可能に設けられていることを特徴とする請求項4記載
    の膜評価用基板ホルダ。
  6. 【請求項6】 前記無アルカリ基板は、石英基板とされ
    ていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか
    に記載の膜評価用基板ホルダ。
  7. 【請求項7】 前記板体は、縁部に複数のスリットを備
    えてなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれ
    かに記載の膜評価用基板ホルダ。
  8. 【請求項8】 前記板体は、製膜される側の平面にブラ
    スト処理がなされていることを特徴とする請求項1〜請
    求項7のいずれかに記載の膜評価用基板ホルダ。
  9. 【請求項9】 前記無アルカリ基板は、シリコンウエハ
    ーとされていることを特徴とする請求項6を除く請求項
    1〜請求項8のいずれかに記載の膜評価用基板ホルダ。
  10. 【請求項10】 プラズマ処理装置にて基板に製膜され
    た膜を評価する膜評価方法であって、 プラズマ処理装置にて基板に製膜される膜を評価するた
    めの板体からなる膜評価用基板ホルダに、該板体よりも
    小さい無アルカリ基板を装着し、前記プラズマ処理装置
    内で製膜した後に前記無アルカリ基板に施された製膜を
    主として電子スピン共鳴方式あるいはCPM方式にて欠
    陥密度評価することを特徴とする膜評価方法。
JP2001256686A 2001-08-27 2001-08-27 膜評価用基板ホルダ及び膜評価方法 Withdrawn JP2003073839A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001256686A JP2003073839A (ja) 2001-08-27 2001-08-27 膜評価用基板ホルダ及び膜評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001256686A JP2003073839A (ja) 2001-08-27 2001-08-27 膜評価用基板ホルダ及び膜評価方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003073839A true JP2003073839A (ja) 2003-03-12

Family

ID=19084470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001256686A Withdrawn JP2003073839A (ja) 2001-08-27 2001-08-27 膜評価用基板ホルダ及び膜評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003073839A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006287152A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ処理装置
JP2017102064A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 信越半導体株式会社 フォトルミネッセンス測定治具及びこれを用いたフォトルミネッセンス測定方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006287152A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ処理装置
JP4654738B2 (ja) * 2005-04-05 2011-03-23 パナソニック株式会社 プラズマ処理装置
JP2017102064A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 信越半導体株式会社 フォトルミネッセンス測定治具及びこれを用いたフォトルミネッセンス測定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6024873B2 (ja) トラックパッド用カバーガラス及びその製造方法
KR101433555B1 (ko) 적층체와 그 제조 방법 및 그것을 이용한 디바이스 구조체의 제조 방법
US20200201100A1 (en) Manufacturing method of graphene electrode and liquid crystal display panel
JP5454969B2 (ja) 電子機器用カバーガラスの製造方法、及びタッチセンサモジュールの製造方法
JP2015028194A (ja) 成膜マスクの製造方法、成膜マスク及びタッチパネル基板
JP2003073839A (ja) 膜評価用基板ホルダ及び膜評価方法
JP2006225748A (ja) 基板へのスパッタ薄膜の形成方法および搬送キャリア
Voronin et al. Original concept of cracked template with controlled peeling of the cells perimeter for high performance transparent EMI shielding films
EP2141733A1 (en) System and method for processing substrates with detachable mask
JP2002313891A (ja) 基板搬送用トレーおよびその製造方法
US20050034675A1 (en) Susceptor and surface processing method
JP3898600B2 (ja) 太陽電池の製造方法
TWI423381B (zh) 輔助載台與輔助載台之使用方法
CN113755798A (zh) 一种无掩膜版的图案化薄膜制备方法
JPH11121381A (ja) プラズマ化学蒸着装置
JP4197863B2 (ja) 光起電力装置の製造方法
JP5262501B2 (ja) 基板処理装置及び基板処理方法
TWI442505B (zh) A pallet type substrate transport system, a film forming method, and a manufacturing method of an electronic device
JP5235223B2 (ja) 基板へのスパッタ薄膜の形成方法および搬送キャリア
Gonzalez et al. Radiation resistant bolometers using platinum on Al2O3 and AlN
JP2011208197A (ja) インライン型プラズマ成膜装置およびこれを用いたプラズマ成膜方法
JP2013032263A (ja) 電子機器用カバーガラスの製造方法、及びタッチセンサモジュールの製造方法
KR102442207B1 (ko) 투명전극 제조 방법
JP2014077161A (ja) 成膜装置及び基板ホルダ
JPH08186100A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040707