JP2003073718A - 還元金属の製造方法 - Google Patents

還元金属の製造方法

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Natsuo Ishiwatari
夏生 石渡
Yoshitaka Sawa
義孝 澤
Kanji Takeda
幹治 武田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料堆積層中への熱伝導を促進することによ
り、熱効率の低下を招くことなく、生産性を向上させる
ことができる、還元金属の製造方法を提案すること。 【解決手段】 金属含有物および固体還元剤を含む原料
を水平移動する炉床上に積み、その原料を前記移動炉床
が炉内を移動する間に燃料の燃焼熱により加熱還元して
還元金属を製造する方法において、原料が昇温される過
程の少なくとも一部の区間について、炉床下から炉床上
雰囲気ガスを吸引するようにすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱炉内を移動す
る炉床上に装入した原料を、その移動の間に加熱還元し
て還元金属を製造する方法に関し、とくに移動型炉床炉
を用いて鉄含有物を加熱還元して還元鉄を製造する方法
への適用例について提案する。ここで、還元金属とは還
元率90%程度以上の還元ペレット等の塊成物や溶融され
た金属をいう。
【0002】
【従来の技術】粗鋼を製造する方法としては、高炉−転
炉法および電気炉法がある。たとえば、電気炉法は、鉄
原料を電気エネルギーで加熱溶解し、さらに精錬して鋼
にする方法である。電気炉法はこれまで、スクラップを
主原料としていたが、近年、スクラップの需給が逼迫し
ていること、鋼材の高級化指向による不純物量低減の流
れから、原料として還元鉄を使用する傾向が強まってい
る。
【0003】従来、かかる還元鉄として用いらているも
のに還元ペレットがある。これは、粉鉱石を炭材などと
混合し、ロータリーキルン等の還元材で焼成してペレッ
トとしたものである。還元鉄の製造に当たっては、この
還元ペレットを加熱還元することにより、還元鉄を生成
させている。ところで、こうした還元鉄を製造する方法
の一つに、水平方向に移動する炉床と、その炉床上を覆
うように設けられた加熱炉からなる、移動型炉床炉を用
いる方法がある。この方法は、移動炉床上にペレット状
に成形した粉鉱石や炭材などの混合原料を堆積させ、炉
床が該移動型炉床炉中を水平移動する間に、該炉内に燃
焼ガスなどを供給して炉床炉上の前記ペレットを加熱還
元する技術である。すなわち、その原料が移動炉床と共
に移動する間に加熱され、還元されることで、鉄鉱石中
の酸素と炭材とが反応して還元鉄を生成するのである。
【0004】たとえば、特開平11−172312号公
報に記載されている技術は、移動炉床上に鉄鉱石と固体
還元材とを混合して積層し、この原料堆積層(以下、単
に「原料層」という)を炉内上の方から輻射熱によって
加熱し、鉄鉱石の昇温と還元とを行うと共に、最終的に
は鉄鉱石が溶融するまで加熱還元する方法である。この
方法では、原料を一旦は溶融にまで導くことでスラグ・
メタルを分離することができる点で、脈石等の不純物の
ない還元鉄を容易に得ることができるから、還元ペレッ
トを用いる上記の従来技術に比べると有利である。
【0005】図2は、移動型炉床炉を例示する、特開平
11−172312号公報に開示された回転炉床炉の概
略を示すものである。この回転炉床炉は、予熱帯10a 、
還元帯10b 、溶融帯10c および冷却帯10d に区画された
炉体10と、この炉体10内を旋回移動する移動炉床11から
なるものである。その移動炉床11の上には、例えば鉄鉱
石と固体還元剤からなる混合原料や炭材内装ペレットな
どの原料を装入堆積させる。かかる移動炉床11は、上述
したように、移動経路に沿う少なくとも一部(還元帯、
溶融帯、冷却帯等)が、耐火物の内張りを有する炉体10
で囲まれているが、炉床耐火物を保護するために、装入
原料の堆積層とは別に、例えば炭材等の還元剤の層を形
成させる場合もある。一方、炉体10には、主として上部
にバーナー13が配設され、このバーナー13から燃料を供
給して燃焼し、炉床上の鉄鉱石等の原料加熱還元する。
なお、図2において、14は原料を炉床上に装入する装入
装置および15は還元物を排出する排出装置である。ま
た、炉体10内の加熱温度は1300℃前後に制御されるが、
とくに溶融帯10cでは、1500℃前後の高温に制御するの
が普通である。
【0006】このような回転炉床炉の操業において、原
料である金属含有物、例えば鉄鉱石や製錬ダスト等は、
脈石成分を含み、また固体還元剤である石炭や石炭チャ
ー、コークスは灰分を含有している。そのために、加熱
還元操作のみが行われる回転炉床炉の操業では、製品で
ある還元鉄に脈石が不可避に混入し、さらに還元剤の灰
分も製品(還元鉄)に付着して混入する虞れがある。し
かし、特開平11−172312号公報に開示の方法で
は、還元生成物は、移動炉床上において少なくとも一度
は溶融させるので、メタルとスラグとの速やかな分離が
できるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】移動型炉床炉の操業に
おいて、原料を還元し溶融するのに必要な熱は、炉内に
配設したバーナー13の燃焼エネルギーを利用している。
この時の伝熱形態は、炉内の上方から前記原料層の表面
へは輻射伝熱であり、また原料層内には伝導伝熱となっ
ている。ただし、原料層中の鉄鉱石は微粒子の集合体で
あるため、この原料層内に多くの空気を含んでおり、こ
の空気は、伝熱が遅く断熱作用をもつため、熱伝導率の
低下を招く。
【0008】したがって、たとえば従来の移動型炉床炉
の操業において、生産性向上のために原料の堆積層厚を
増やそうとすると、堆積層下部への熱供給が遅れ、生産
性が却って低下するという問題があった。このため、生
産性を上げるには、原料の堆積厚を薄くして、移動炉床
の移動速度を速くすることにより、単位時間あたりの生
産性を増やすという方法が必要であった。しかしなが
ら、原料の堆積層厚をあまりに薄くすると、原料の昇温
から冷却までのサイクルにおいて、原料を載せている移
動炉床もまた同じ熱履歴を受けることから、熱エネルギ
ーの一部が炉床の昇温、冷却に消費され、その結果とし
て熱効率が低下するという新たな問題が生じた。この問
題に対処するためには、原料層厚を厚くしても原料の昇
温、還元が速やかにできるように原料堆積層内への熱供
給を速くできる手段を採ることが必要とされる。
【0009】そこで、本発明の目的は、原料堆積層中へ
の熱伝導を促進することにより、熱効率の低下を招くこ
となく、生産性を向上させることができる、還元金属の
製造方法を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的の実現に向けた
研究の中で、発明者らは、金属含有物および固体還元剤
よりなる混合原料を、移動型炉床炉の水平移動する移動
炉床上に積み、その混合原料を移動炉床炉内を移動させ
ながら燃料の燃焼熱により加熱還元して還元金属を得る
際に、移動炉床の移動経路に沿って、移動炉床下から燃
焼排ガス等を吸引する領域と、非吸引領域とを少なくと
も1領域ずつ設けることで、その吸引部位における原料
層内の伝熱を促進することが可能になり、炉の生産性が
飛躍的に向上することを知見した。
【0011】かかる知見に基づいて開発した本発明方法
は、金属含有物および固体還元剤を含む原料を水平移動
する炉床上に積み、その原料を前記移動炉床が炉内を移
動する間に、燃料の燃焼熱により加熱還元して還元金属
を製造する方法において、原料が昇温される過程の少な
くとも一部の区間について、炉床下から炉床上雰囲気ガ
ス、例えば燃焼排ガスを吸引することを特徴とする還元
金属の製造方法である。
【0012】また、生成する還元金属は、炉内で少なく
とも一度は溶融されること、および、炉床上にまず固体
還元剤を積み、その上に原料を積むことが好ましい。
【0013】本発明においては、移動炉床上の原料層は
単に加熱還元するだけに止まらず、還元生成物を炉内の
溶融帯において、少なくとも一度は溶融状態に導くこと
で、再酸化を受け難い還元鉄を製造することが可能にな
り、還元率の向上、生産性の向上に資することができ
る。この方法において、固体炭素還元剤により還元され
た還元金属は、炭素分を含有しており、その融点は1500
℃以下である。また、脈石分に対して、適当なフラック
スを配合することにより、その融点を1500℃以下とする
ことが可能である。従って、還元生成物を溶融させるに
は、炉温、すなわち炉床上の原料層の温度を銑滓の融点
よりも高い1500℃以上となるように、バーナーの燃焼を
制御することで実現される。さらに、本発明において
は、移動炉床上に、まず固体還元剤を積み、その上に前
記混合原料を装入堆積させることにより、その固体還元
剤を緩衝域として作用させることで、還元生成物(融
液)が炉床表面に固着するのを防止すると同時に炉内が
酸化雰囲気になることを防止することができる。
【0014】移動型炉床炉の操業においては、鉄鉱石を
処理して還元鉄を製造するような場合、原料層内におけ
る伝熱が熱供給の律速となり、生産性が決定される。こ
こで、生産性は単位時間および炉床の単位面積において
生産可能な還元鉄量を示す。一般に、炉内伝熱機構は、
大きく分けて輻射伝熱と伝導伝熱とになる。輻射伝熱
は、高温の物体が発する輻射光により熱が伝わり、熱流
速は物体温度の4乗に比例するため、高温の物体ほど伝
熱効率が高い。一方、伝導伝熱は、温度差がある2物体
間に存在する物質が仲介することにより熱が伝わる。そ
の熱流速は温度差に比例し、距離に反比例する性質をも
つ。また、物質ごとに熱の伝わりやすさが違い、金属は
熱を伝えやすいが、気体は熱を伝えにくく、例えば本発
明においても、原料層内では伝導伝熱により熱が供給さ
れるが、この原料層は熱を伝えにくい空気を多量に含む
ために熱が伝わりにくい側面もある。
【0015】そこで発明者らは、移動型炉床炉における
操業において、熱供給を促進するための新たな熱供給機
構について検討した。その結果、移動炉床の下方より、
炉内炉床上の雰囲気ガスを吸引することで、原料層内に
高温のガスの流れ(強制対流)を発生させることに着目
した。このような強制対流により、炉内の高温の燃焼ガ
スが、低温の原料層の下層部へ直接流入するようになる
ため、これまでの伝導伝熱よりも飛躍的に熱供給量が増
加することがわかった。
【0016】一般に、炉内に滞留する高温の燃焼ガス
は、発熱量を最大にするために、燃焼に必要な化学当量
の酸素量に対して1.05倍程度の過剰の酸素を供給し、完
全燃焼を目指して操業している。従って、炉内燃焼ガス
は、常に酸化性ガス成分を含んでおり、このような燃焼
ガス組成によっては、原料中の酸化鉄を十分に還元する
ことはできない。そのために、原料層の下方から空気や
炉内燃焼ガスを吸引して該原料層中を通過させて上記伝
導伝熱を利用する場合、還元反応が活発でない1200℃以
下、好ましくは800〜1000℃の温度域に相当する領域に
おいて行われるべきである。従って、1200℃を超える還
元領域においては、移動炉床下からのガスの吸引は行わ
ず、単にこの原料層内を還元雰囲気に保持して上記輻射
伝熱を利用して還元反応を起こさせ、必要な還元処理を
行なうことが望ましい。ただし、1200℃以上の温度領域
であっても、燃料ガス等に対して必要酸素量以下の酸素
を供給して不完全燃焼の状態で発生する燃焼ガスを還元
性ガスとすれば、移動炉床下からのガス吸引をおこなっ
ても還元の停滞や、生成した還元物の再酸化といった問
題が生じないため、ガス吸引は可能である。
【0017】なお、本発明においては、移動炉床上に、
前記原料層とは別に、その下層として固体還元剤の層を
形成しておくことにより、かかる固体還元剤と生成CO2
ガスとの間に、下記(1)式の反応を起こさせ、反応生
成ガスを還元性ガスとした場合に、本発明の効果は、よ
り一層確実に達成できる。しかも、この固体還元剤10の
層は前記原料層の下に介在させるものであり、還元生成
するメタルやスラグに対して濡れにくい性質があること
から、移動炉床と溶融還元生成物との間にあって保護層
として働き、しかもメタルおよびスラグの固着による肥
大化を防止してその排出を容易にする効果がある。 C+CO2→2CO ・・・(1)
【0018】本発明の上述した方法、すなわち移動炉床
(原料層下)下から炉内生成ガスを吸引し、原料層の加
熱昇温を助勢するべく、該原料層の中を上方から下方へ
高温の燃焼ガス等を吸引流通させる方法としては、図1
に示すように、移動炉床20の上下方向に、通気孔21を格
子状に開孔し、この通気孔21つき移動炉床20の下方に、
吸引フード22とダクト23を設置して吸引する手段が有効
に使用できる。
【0019】上記通気孔21は原料として装入されるペレ
ット等よりも小さくしておけば、原料が該移動炉床20の
下方へ吸い込まれるようなことはない。また、該移動炉
床20上に固体還元剤層24を形成して、その上へ混合原料
を積層して原料層25とする場合には、固体還元剤を通気
孔の孔径以上の粒径で篩って使用すれば、やはり原料や
炭材が移動炉床20の下方へ吸い込まれるようなことはな
くなる。なお、この場合、微細な原料、固体還元剤は吸
引され得るが、吸引ダクト23の下流側に電気集塵機(EP)
やサイクロン、バグフィルターといった固気分離設備を
設けておき、分離した微細な固体を原料として再利用す
ることもできる。
【0020】上述したように、移動炉床20下から燃焼排
ガス等の炉床上雰囲気ガスを吸引する領域は、上述した
ように、原料層の昇温領域である。ただし、図1に示す
ように、その昇温領域の一部は、移動型炉床炉の耐火物
の覆い(炉体)の外にあってもよい。この場合、原料に
含まれる炭材を還元に必要な炭素量以上に添加してお
き、原料を移動炉床20上へ積層した後に、点火炉26によ
り、原料層25の上表面の炭材に点火すると、高温の燃焼
排ガスでなく、大気の吸引であっても、原料層25中の炭
材が燃焼し、発熱して、これが原料層25の昇温に寄与す
る。ただし、この方式では、原料層25中の炭材の燃焼が
原料層25上部から下部へ向けて進行するので、原料層25
上部の炭材が全て燃焼してしまうと、逆に空気により冷
却を受けることになる。そこで、昇温領域の後半では、
炉体の中で、バーナー13による昇温を受けるようにする
必要がある。
【0021】
【実施例】本発明方法について、図3に示す水平移動型
炉床炉で実施し、その有効性を確認する試験を行なった
ので、その結果を説明する。使用した炉は、幅2メート
ル、長さ10メートルの水平移動型の炉で炉上部には燃焼
バーナー13を配置し、移動する炉床20上を断熱材の内張
を設けた炉体20で覆うことで熱エネルギーのロスをなく
している。炉体20の内部は、炉床移動方向に沿って長さ
が、3m、3m、3m、1mの4ゾーンに区画されてお
り、それぞれのゾーンから燃焼ガスが排気できるように
なっている。そして、この炉のゾーン1からは、燃焼ガ
ス等の炉床20下への吸引が吸引フード22を介して可能で
あり、ゾーン4では燃焼ガスを燃焼させず、散水するこ
とで還元生成物20を冷却する。各ゾーンでは、炉内温度
を測定し、燃料ガス(LPG)量を調整することで炉内温
度を制御した。装入した鉄鉱石の組成は表1に示すとお
りで、表2に示すような配合で石灰石と石炭とを加えて
混合し、その混合原料を15mm層厚で移動炉床20上に装入
堆積させた。また、必要に応じて表3に示す組成のコー
クスチャー24を、30mm層厚で前記原料層25の下層に堆積
させた。移動炉床20の下面には、温度計を取付けて、原
料層25内の温度を測定した。図4に昇温状況を示す。表
4には、比較例と発明法の鉱石及び炭材の原料装入量、
各ゾーンの炉内温度、各ゾーンの燃料LPG吹き込み量、
ゾーン1での炉床排ガス吸引量、還元鉄26の還元鉄歩留
まり、鉄・滓分離状況を示した。ここで、還元鉄歩留ま
りとは、投入した鉱石中の鉄分に対する還元鉄26として
回収される鉄分の割合を示すものである。また、生産性
は単位時間および炉床の単位面積において生産された還
元鉄量を示し、LPG使用量は、1、2、3各ゾーンの昇
温に使用された燃焼LPGの総量(標準状態での体積:
m3)を生産量(重量:t)で除した値で示している。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】比較例1〜3は、移動炉床下からガスの吸
引を行わなかった場合の操業例である。比較例1では、
銑鉄歩留まりが90%と低いため、比較例2においては、
炉内滞留時間を増加し、鉄鉱石の装入量を減少させた。
これにより、還元鉄歩留まりは増加したものの、生産性
が大幅に低下した。また比較例3は、原料層の下にさら
に厚さ約30mmのコークスチャーを堆積させてゾーン4の
炉内温度をメタルとスラグが溶融分離する1500℃に上昇
させた例である。一方、発明法1〜4は、ゾーン1にお
いて、移動炉床下から炉内の燃焼ガスを吸引したときの
操業例である。発明法1では、ゾーン1の炉内温度は10
00℃であるのに対して、吸引されたガスの温度は200℃
と非常に低い。これは吸引されたガスが原料層25と熱交
換し、ガスが冷却されたためと考えられる。そのため、
比較例1と同様の炉温および鉱石装入量であったにもか
かわらず、発明法1の方がLPGの使用量が少なく、還
元鉄歩留まりも良好であった。発明法2は、鉱石装入量
を1.5倍とした操業例である。この場合もまた発明法1
と同様に良好に還元が進行し、比較例1に比べて還元鉄
歩留まりは上昇し、LPG使用量が低下した。発明法2に
おいて、LPG使用量が発明法1に比べても大幅に減少し
ているのは、同一の炉を使用しているため、単位時間当
たりの熱ロスは、ほぼ等しいのに対して、生産量が増加
した分、単位生産量当たりの熱ロスが減少し、その結
果、還元熱や顕熱を含めた必要熱量が低下し、それを担
保するLPGの燃焼量を低下させることができたためであ
る。発明法3は、発明法1の鉄鉱石装入量に対して、原
料層の下にさらに厚さ約30mmコークスチャーを堆積させ
て操業した例である。発明法1に比べて、LPG使用量
は増加したが、還元鉄歩留まりは上昇した。当然、比較
例1よりはLPG使用量は低く、還元鉄歩留まりは高
い。発明法4は、発明法1と同様の鉄鉱石装入量とコー
クスチャーの使用量でゾーン4の炉温をメタルとスラグ
が溶融する1500℃以上とした操業例である。還元鉄を溶
融することにより、メタルとスラグが分離した還元生成
物を得ることができ、還元鉄生成歩留まりは最も高い98
%を示した。
【0027】図4は比較例1と発明法1での原料層下面
の温度推移を示すが、発明法ではゾーン1内で900 ℃以
上に達しており、燃焼ガスを吸引することにより原料層
への熱供給が促進されていることがわかる。これによ
り、還元反応が迅速に進み、反応時間の減少による生産
性の向上か図れることが確かめられた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
還元金属の生成歩留まりが向上し、生産性の向上や熱効
率の向上、燃料使用量の低下を図ることができるととも
に、生産設備をコンパクト化することもできる。なお、
本発明は、還元鉄製造にとどまらず、製鉄ダスト・スラ
ッジの再資源化にも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明法の実施形態の1例を示す略線図であ
る。
【図2】 一般的な従来の回転炉床炉の構成を示した略
線図である。
【図3】 実施例に用いた移動炉床炉の模試図である。
【図4】 実施例および比較例における原料層下面の温
度変化を示したグラフである。
【符号の説明】
10 炉体 20 移動炉床 21 通気孔 22 フード 23 ダクト 24 固体還元剤層 25 原料層 26 還元鉄
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 幹治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K012 DE03 DE06 DE08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属含有物および固体還元剤を含む原料
    を水平移動する炉床上に積み、その原料を前記移動炉床
    が炉内を移動する間に、燃料の燃焼熱により加熱還元し
    て還元金属を製造する方法において、原料が昇温される
    過程の少なくとも一部の区間について、炉床下から炉床
    上雰囲気ガスを吸引することを特徴とする還元金属の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 生成する還元金属は、炉内で少なくとも
    一度は溶融されることを特徴とする請求項1に記載の還
    元金属の製造方法。
  3. 【請求項3】 炉床上にまず固体還元剤を積み、その上
    に原料を積むことを特徴とする請求項1または2に記載
    の還元金属の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006328489A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Jfe Steel Kk 還元金属の製造方法

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JP2006328489A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Jfe Steel Kk 還元金属の製造方法
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