JP2003073151A - 石灰炉への廃プラスチックの吹込み方法及び装置 - Google Patents

石灰炉への廃プラスチックの吹込み方法及び装置

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JP2003073151A JP2001266078A JP2001266078A JP2003073151A JP 2003073151 A JP2003073151 A JP 2003073151A JP 2001266078 A JP2001266078 A JP 2001266078A JP 2001266078 A JP2001266078 A JP 2001266078A JP 2003073151 A JP2003073151 A JP 2003073151A
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忍 熊谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石灰あるいはドロマイト等の原石を焼成する
石灰炉、特にメルツ炉に廃プラスチックを吹き込む際
に、簡単な設備で吹き込むことができ、しかも廃プラス
チックの熱量も充分に有効利用できる石灰炉への廃プラ
スチックの吹き込み方法を提供する。 【解決手段】 石灰炉のバーナアーチ22下の、原石の
安息角によって形成される断面略V字状の燃焼空間S
に、廃プラスチックを吹き込む。別途流動床炉等を設け
ることなく、簡単な設備で廃プラスチックをガス化する
ことができる。また、廃プラスチックを石灰炉のバーナ
アーチ22下の燃焼空間Sに吹き込むので、高温雰囲気
中で廃プラスチックのガス化もスムーズに行われ、廃プ
ラスチックの熱量も充分に有効利用できる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石灰石やドロマイ
ト等の原石を焼成する石灰炉に燃料として廃プラスチッ
クを吹き込む石灰炉への廃プラスチックの吹き込み方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石灰やドロマイト等の原石を焼成する石
灰炉としてメルツ炉が知られている。メルツ炉は2本の
シャフトによって原石を焼成する。図12及び図13は
メルツ炉のシャフトに設けられるスイングバーナを示
す。この図に示すように、各シャフトの予熱帯と焼成帯
の境にはバーナアーチ1が設けられていて、このバーナ
アーチ1と原石の安息角によって形成されるV字状の燃
焼空間2に旋回するスイングバーナ3が挿入される。ス
イングバーナ3の先端には重油を吹出すための3つの孔
が開けられる。
【0003】図14は原石面上の重油の散布軌跡を示
す。スイングバーナ3を軸線の回りに旋回することによ
って重油は3条の線4…,5…となって加熱された原石
面に油滴のまま散布される。これにより重油が焼成帯の
断面全域を充分に覆う。散布された重油は、燃焼空間2
では殆ど燃焼せずにその大部分が熱せられた石灰石に接
触して蒸発する。そして、焼成帯における原石間の空間
で燃焼する。
【0004】近年、燃料費の削減を狙いとして低廉な廃
プラスチックによる重油代替が求められている。廃プラ
スチックは、各家庭から廃棄される一般廃棄物あるいは
工場等から廃棄される産業廃棄物に含まれる使用済みの
プラスチックである。フィルム状プラスチックあるいは
破砕したプラスチックを押出し成型した成型品や硬質プ
ラスチックを破砕した破砕品が主体で、その粒度は10
mmアンダーである。
【0005】この廃プラスチックを重油代替として有効
利用する技術として、本出願人は、廃プラスチックを流
動床炉によってガス化し、このガスをメルツ炉に送入
し、石灰を焼成する石灰の製造方法を提案している(特
開2001−72446号公報参照)。
【0006】また、本出願人は、廃プラスチックを重油
代替として有効利用する技術として、メルツ炉の焼成帯
に廃プラスチックを吹き込む吹込ランスを設け、この吹
込ランスから原石内に粒状の廃プラスチックを吹き込む
技術も提案している(特開平11−263641号公報
参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開2001−724
46号公報に記載の石灰の製造方法にあっては、廃プラ
スチックをガス化させた後にメルツ炉のランス炉に送入
することで、廃プラスチックを粒状のままメルツ炉に吹
き込む場合に比べ、廃プラスチックをより有効利用する
ことができる。しかし、廃プラスチックをガス化するた
めの流動床炉が必要になる。
【0008】また、メルツ炉の焼成帯に廃プラスチック
を吹き込む吹込ランスを設ける技術にあっては、廃プラ
スチックを炉内に適量吹き込むための空隙の確保及び廃
プラスチックのガス化が充分に行われないおそれがあ
り、このため廃プラスチックの熱量を充分に有効利用で
きないおそれがある。
【0009】そこで、本発明は、石灰あるいはドロマイ
ト等の原石を焼成する石灰炉、特にメルツ炉に廃プラス
チックを吹き込む際に、簡単な設備で吹き込むことがで
き、しかも廃プラスチックの熱量も充分に有効利用でき
る石灰炉への廃プラスチックの吹き込み方法及び装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本出願人は、メルツ炉の
スイングバーナ炉には耐火物のバーナアーチが設けら
れ、バーナアーチ下には高温雰囲気の燃焼空間が作られ
ていることに着目した。この燃焼空間は、バーナアーチ
下面と、原石の安息角により作られる2つの斜面によっ
て断面略V字状に作られる。燃焼空間には予熱帯で10
00℃前後に予熱された燃焼空気が流入し、重油の一部
の燃焼熱が付加されるので、燃焼空間は1000〜11
00℃の高温雰囲気となる。この高温雰囲気の燃焼空間
に廃プラスチックを吹き込めば、廃プラスチックのガス
化がスムーズに行われ、廃プラスチックの熱量が充分に
有効利用できることを知見した。
【0011】すなわち、請求項1の発明は、石灰炉のバ
ーナアーチ下の、原石の安息角によって形成される断面
略V字状の燃焼空間に、廃プラスチックを吹き込むこと
を特徴とする石灰炉への廃プラスチックの吹き込み方法
により、上述した課題を解決する。
【0012】この発明によれば、別途流動床炉等を設け
ることなく、簡単な設備で廃プラスチックをガス化する
ことができる。また、廃プラスチックを石灰炉のバーナ
アーチ下の燃焼空間に吹き込むので、高温雰囲気中で廃
プラスチックのガス化もスムーズに行われ、廃プラスチ
ックの熱量も充分に有効利用できる。
【0013】ところで、V字状の燃焼空間の原石の表面
に廃プラスチックを吹き込む場合、従来のスイングバー
ナで重油を散布する場合と同様に、原石の表面に一様に
廃プラスチックを散布すると、図15に示すように表面
の原石の転がり落下の動きと燃焼空気の流れの相乗効果
によって、散布した廃プラスチックがV字状の谷間に落
下・堆積してしまう。この廃プラスチックの堆積のばら
つきは、炉の中心側と外側とでの焼けむらを招き、中心
側は焼け過ぎ外側は未燃焼の原石が残るという問題を生
じさせる。
【0014】この問題を解決するために、請求項2の発
明は、前記燃焼空間を形成する原石の傾斜面の上部に向
けて廃プラスチックを吹き込むことを特徴とする。
【0015】この発明によれば、原石の転がり、燃焼空
気による攪拌及び廃プラスチックの気送空気の流れが相
俟って、散布した廃プラスチックが谷間に堆積されるこ
となく、斜面に均一に堆積される。
【0016】また、本発明は、請求項3に記載のよう
に、石灰炉のバーナアーチ下の、原石の安息角によって
形成される断面略V字状の燃焼空間に、廃プラスチック
を吹き込む吹込ノズルを設けることを特徴とする石灰石
への廃プラスチックの吹き込み装置としても構成するこ
とができる。
【0017】さらに、本発明は、請求項4に記載のよう
に、前記吹込ノズルは、前記燃焼空間を形成する原石の
傾斜面の上部に向けて廃プラスチックを吹き込むことを
特徴とする石灰炉への廃プラスチックの吹き込み装置と
しても構成することができる。
【0018】請求項5の発明は、請求項4に記載の石灰
炉への廃プラスチックの吹き込み装置において、前記吹
込ノズルは、前記バーナアーチに埋め込まれる複数の埋
込みノズルから構成され、該複数の埋込みノズルは、前
記燃焼空間の幅方向の両端部に配置され、しかも前記燃
焼空間の奥行方向に略均等間隔を開けて配置されること
を特徴とする。
【0019】この発明によれば、埋込みノズルが耐火物
のバーナアーチに埋め込まれるので、直接高温にさらさ
れることがなく、埋込みノズルの寿命を長くすることが
できる。また、燃焼空間の斜面の全体にわたって均一に
廃プラスチックを堆積することができる。
【0020】請求項6の発明は、請求項4に記載の石灰
炉への廃プラスチックの吹き込み装置において、前記吹
込ノズルは、前記燃焼空間を形成する石灰炉の側壁を貫
通し、前記燃焼空間の奥行方向に延びる複数の側壁貫通
ノズルから構成され、前記複数の側壁貫通ノズルの先端
部は、前記原石の傾斜面に向かって廃プラスチックを吹
き込めるように前記燃焼空間の幅方向を向き、前記複数
の側壁貫通ノズルの先端部は、前記燃焼空間の奥行方向
における位置が調整可能であることを特徴とする。
【0021】この発明によれば、燃焼空間の斜面の全体
にわたって均一に廃プラスチックを散布することができ
る。さらに、側壁貫通ノズルの先端部の、燃焼空間の奥
行方向における位置を調整することで、焼成帯断面方向
の熱量分布を調整することができる。
【0022】請求項7の発明は、請求項4に記載の石灰
炉への廃プラスチックの吹き込み装置において、前記吹
込ノズルは、前記燃焼空間を形成する石灰炉の側壁を貫
通し、前記燃焼空間の奥行方向に延びる複数の可動ノズ
ルから構成され、前記可動ノズルの先端部は、前記原石
の傾斜面に向かって廃プラスチックを吹き込めるように
前記燃焼空間の幅方向を向き、前記可動ノズルは、前記
燃焼空間の奥行方向に往復運動可能であることを特徴と
する。
【0023】この発明によれば、燃焼空間の斜面の全体
にわたって均一に廃プラスチックを堆積することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の石灰炉への吹き
込み方法が適用されるメルツ炉のスイングバーナ炉を示
す。まず、メルツ炉の構造について説明する。メルツ炉
は2本あるいは3本(この実施形態では2本)のシャフ
ト11,12を有し、このシャフト11,12を転向装
置13によって交互に切り替えて使用する。原石はメル
ツ炉の上部から装入される。原石はシャフトを降下し、
原石を予熱する予熱帯、原石を焼成する焼成帯、焼成さ
れた原石を冷却する冷却帯を順次通過する。そして、排
出装置14によってシャフト下部より排出される。
【0025】各シャフト11,12のシェルは鋼鈑で、
内部は耐火れんがと断熱れんがでライニングされる。シ
ャフト11,12は焼成帯下部のチャンネル15で結合
される。チャンネル15は焼成帯と冷却帯の接合点にあ
り、焼成帯を降りて来た燃焼ガスと冷却空気とが合流し
て他方のシャフトへ流入する連絡口となる。
【0026】各シャフトに原料を装入する原料装入装置
は、両シャフト11,12に結合される下部スロート1
6と、油圧等によって昇降回転する上部スロート17と
からなる。燃焼空気はブロワー18よりダクト19を経
て下部スロート16の中央部へ送られ、上部スロート1
7の向きに従って2本のシャフトのいずれか(例えば1
1)に入る。反対側のシャフト12は上部スロート17
で煙突20に結合される。計量済原石はサービスホッパ
ーから装入ゲート21を開閉することによって煙突20
の下部を経て燃焼側と反対のシャフト11に供給され
る。排ガスは原石装入側のシャフト11よりスロート1
6,17を経て煙突20から排出される。一定時間の燃
焼が終わるとやがて上部スロート17の切換が始まり、
上昇、180°回転、下降を終えて今までとは逆方向へ
の原石装入、燃焼空気の送風が行われる。
【0027】このようにメルツ炉は、2本のシャフトで
構成され、燃焼側シャフトと予熱側シャフトに交互に一
定サイクルで交換しながら焼成を行う並行流蓄熱方式で
ある。原石は予熱側シャフト11に装入される。燃焼側
シャフト12では、シャフト頂より送風される燃焼用空
気で燃料が燃焼され、その熱ガスによって原石が並流に
焼成される。燃焼ガスはチャンネル15方向へ下降し、
燃焼側シャフト12の下方から送風される冷却空気と合
流してチャンネル15を経て予熱側シャフト11へと入
る。予熱側シャフト11へ入った熱ガスは焼成帯の装入
物を熟焼すると同時に予熱帯の原石を予熱して排ガスと
してシャフト頂より排出される。
【0028】一定時間このような焼成が終わると重油、
燃焼空気、冷却空気のシャフト内への供給と製品排出装
置が一時停止され、スロートが180°回転して反対側
のシャフト燃焼へと切り替えられる。
【0029】各シャフトの予熱帯と焼成帯の境にはバー
ナアーチ22が設けられていて、バーナアーチ22の下
部にはスイングバーナ23が設置されている。重油等の
燃料は原石面にスイング噴射される。
【0030】図2は、バーナアーチ下の断面略V字状の
燃焼空間Sにおける燃焼空気の流れ及び原石の動きを示
す。燃焼空間Sは、耐火物のバーナアーチの下面と原石
の安息角により作られる2つの斜面によって形成され
る。
【0031】原石が石灰石の場合、石灰石の両斜面が作
るV字の開き角度は約100°である。原石は炉下部に
設けた排出装置14の作動により、焼成されながら炉内
を降下する。燃焼空間Sの斜面に存在する原石も同様に
降下するが、バーナアーチ上部から新しい原石が転がり
落ちて補充されるため(図中矢印B参照)、V字状の燃
焼空間Sは維持される。一方、燃焼空気は予熱帯で10
00°前後に加熱され、バーナアーチ横を通過し焼成帯
に流下する。その一部はV字状の燃焼空間Sに流入し、
重油の一部と燃焼を開始しながら、再び焼成帯の原石充
填層に流れ込む(図中矢印A参照)。燃焼空間Sには1
000℃前後に予熱された燃焼空気が流入し、重油の一
部の燃焼熱が付加されるので、燃焼空間Sは1000〜
1100℃の高温雰囲気となる。また、燃焼空間Sの圧
力は3000mmH2O程度の正圧である。
【0032】本発明の石灰炉への廃プラスチックの吹き
込み方法は、この高温雰囲気の燃焼空間Sに、気送され
る(空気搬送される)廃プラスチックを吹き込む。これ
により、廃プラスチックが燃焼空間Sでスムーズにガス
化され、廃プラスチックの熱量が充分に有効利用され
る。
【0033】図3及び図4は、本発明における廃プラス
チックの吹き込み装置の第1の実施形態を示す。廃プラ
スチックを燃焼空間Sに吹き込む吹込みノズル25は、
バーナアーチ22の高さ方向の範囲において炉の側壁を
貫通し、その先端側がバーナアーチ22近傍で水平方向
から鉛直下方を向くように折り曲げられる。そして、鉛
直下方を向く吹込みノズル25はバーナアーチ22に埋
め込まれる。バーナアーチに埋め込まれた複数の吹込み
ノズルの先端側25a(請求項中では埋込みノズルと記
載されている)は、燃焼空間Sの幅方向(図中左右方向
)の中央部に配置されることなく両端部に配置され、
しかも燃焼空間の奥行方向(図3において紙面と垂直な
方向)に略均等間隔を開けて配置される。埋込みノズル
25aの数は、燃焼空間Sの幅方向両端付近と燃焼空間
Sの奥行方向に均一散布ができる最小限に設定される。
廃プラスチックは炉外で任意の供給量に計量制御され
て、気送によって空気搬送され、埋込みノズル25aか
ら吹き出される。埋込みノズル25aの材質には耐熱鋼
あるいはセラミクス等が用いられ、その配管径は10m
mアンダーの廃プラスチックを詰まらせることなく搬送
できるように32〜40A程度に設定される。
【0034】図5は、埋込みノズル25aから吹き出さ
れる廃プラスチックの粒子の動きを示す。燃焼空間Sの
上部から廃プラスチックを吹き込むことによって、原石
の転がり、燃焼空気による攪拌、廃プラスチックの搬送
空気の下向き流れが相俟って傾斜面に均一に廃プラスチ
ックの粒子が分散される。分散された廃プラスチックは
燃焼空間の高温雰囲気中で、昇温⇒溶融⇒分解⇒気化と
いう過程を経てガス化する。廃プラスチックはガス化
後、その大部分は原石の充填層内に浸透して着火、燃焼
に至る。
【0035】これに対し、例えばスイングバーナを用い
て傾斜面に均一に廃プラスチックを散布すると、原石の
転がり、燃焼空気による攪拌、廃プラスチックの搬送空
気の下向き流れの相乗効果によって、V字状燃焼空間の
谷間に落下・堆積してしまう。これにより、炉の内側と
外側とで原石の焼けむらが生じるおそれがある。
【0036】なお、上記第1の実施形態では、全ての吹
込みノズル25…がシャフトの側壁(横)を貫通し、バ
ーナアーチ22へ向けて水平方向に延びているが、吹込
みノズル25…がシャフトの上部からバーナアーチ22
へ向けて垂直方向に延び、曲がることなくバーナアーチ
22を貫通するようにしてもよい(図3中2点鎖線参
照)。このように吹込みノズル25´…を配置すると、
吹込みノズル22が原石の流れを阻害しない。
【0037】図6及び図7は、本発明における廃プラス
チックの吹き込み装置の第2の実施形態を示す。この実
施形態では、吹込みノズルは、燃焼空間を形成する石灰
炉の側壁27の上部を貫通し、燃焼空間の奥行方向に
延びる複数の側壁貫通ノズル26から構成される。複数
の側壁貫通ノズル26の先端部26aは、原石の傾斜面
の上部に向けて廃プラスチックを吹き込めるように折り
曲げられ、燃焼空間の幅方向(水平方向)を向く。ま
た、この側壁貫通ノズル26はその軸線方向の位置が調
整可能であり、これにより複数の側壁貫通ノズル26の
先端部26aは、燃焼空間Sの奥行方向における位置が
調整可能である。複数の側壁貫通ノズル26の数は、燃
焼空間Sの奥行方向に均一散布ができる最小限に設定さ
れる。廃プラスチックは炉外で任意の供給量に計量制御
されて、気送によって側壁貫通ノズル26の先端部26
aから吹き出される。側壁貫通ノズル26の材質には耐
熱鋼あるいはセラミクス等が用いられる。
【0038】図8は、側壁貫通ノズル26の先端から吹
き出される廃プラスチックの粒子の動きを示す。この図
に示すように原石の傾斜面の上部に向けて廃プラスチッ
クを吹き込むことによって、原石の転がり、燃焼空気に
よる攪拌が相俟って傾斜面に均一に廃プラスチックの粒
子が分散される。また、側壁貫通ノズル26の先端部2
6aの、燃焼空間Sの奥行方向における位置を調整す
ることで、焼成帯の奥行方向の熱量分布を調整すること
ができる。
【0039】図9及び図10は、本発明における廃プラ
スチックの吹き込み装置の第3の実施形態を示す。この
実施形態では、吹込ノズルは、燃焼空間Sを形成する石
灰炉の側壁27の上部を貫通し、燃焼空間Sの奥行方向
に延びる一対の可動ノズル28から構成される。一方
の可動ノズル28は、燃焼空間Sの手前側の側壁を貫通
し、他方の可動ノズル28は燃焼空間の奥側の側壁を貫
通している。可動ノズル28の先端部28aは、原石の
傾斜面の上部に向けて廃プラスチックを吹き込めるよう
に燃焼空間の幅方向(水平方向)を向く。すなわち、
可動ノズル28の平面形状はT形に形成される。この可
動ノズル28は、燃焼空間Sの奥行方向に往復運動可
能である。往復運動の速度は1〜3m/minが望まし
く、速度も調整可能な構造となっている。廃プラスチッ
クは炉外で任意の供給量に計量制御されて、気送によっ
て可動ノズル28の先端部28aから吹き出される。可
動ノズル28の材質には耐熱鋼あるいはセラミクス等が
用いられる。
【0040】図11は、可動ノズル28の先端28aか
ら吹き出される廃プラスチックの粒子の動きを示す。原
石の傾斜面の上部に向けて廃プラスチックを吹き込むこ
とによって、原石の転がり、燃焼空気による攪拌が相俟
って傾斜面に均一に廃プラスチックの粒子が分散され
る。
【0041】廃プラスチックはスイングバーナ23から
散布される重油と並行して吹き込まれてもよいし、10
0%重油の代替として吹き込まれてもよい。廃プラスチ
ックを重油と並行して吹き込む場合、上記実施形態のよ
うにV字状の燃焼空間の上部に向けて廃プラスチックを
吹き出すのが望ましいが、重油を傾斜面の上部に向けて
散布し、廃プラスチックを燃焼空間のV字状の谷間に向
けて吹き込み、これにより焼けむらを防止しても良い。
【0042】また本発明の石灰炉への廃プラスチックの
吹き込み方法及び装置は、上記メルツ炉のみならず、メ
ルツ炉の下部に補助バーナを取り付けたサイドバーナ付
きメルツ炉にも適用することができる。サイドバーナ付
きメルツ炉では、炉の下部側壁に補助バーナを取り付
け、助燃することで炉の内側と外側とで炉内温度の平均
化を図り、未燃焼部分をなくしている。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
石灰炉のバーナアーチ下の、原石の安息角によって形成
される断面略V字状の燃焼空間に、廃プラスチックを吹
き込むので、別途流動床炉等を設けることなく、容易に
廃プラスチックを吹き込むことができる。また、廃プラ
スチックを石灰炉のバーナアーチ下の燃焼空間に吹き込
むので、高温雰囲気中で廃プラスチックのガス化もスム
ーズに行われ、廃プラスチックの熱量も充分に有効利用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の石灰炉への廃プラスチックの吹込み方
法及び装置が適用されるメルツをを示す断面図。
【図2】燃焼空間における燃焼空気の流れ及び石灰石の
動きを示す図。
【図3】本発明の廃プラスチックの吹込み装置の第1の
実施形態を示す図。
【図4】上記図3のA−A線断面図。
【図5】燃焼空間における廃プラスチック粒子の動きを
示す、図3のB部拡大図。
【図6】本発明の廃プラスチックの吹込み装置の第2の
実施形態を示す図。
【図7】上記図6のA−A線断面図。
【図8】燃焼空間における廃プラスチック粒子の動きを
示す、図6のB部拡大図。
【図9】本発明の廃プラスチックの吹込み装置の第3の
実施形態を示す図。
【図10】上記図9のA−A線断面図。
【図11】燃焼空間における廃プラスチック粒子の動き
を示す、図9のB部拡大図。
【図12】メルツ炉のシャフトの垂直方向断面図。
【図13】図12のA−A線断面図。
【図14】重油散布軌跡を示す平面図。
【図15】スイングバーナで廃プラスチックを散布する
例を示す図。
【符号の説明】
22 バーナアーチ 25 埋込みノズル(吹込ノズル) 26 側壁貫通ノズル(吹込ノズル) 27 側壁 28 可動ノズル(吹込ノズル) S 燃焼空間
フロントページの続き (72)発明者 伊東 裕恭 東京都中央区日本橋小舟町3番2号リブラ ブル3F 吉澤石灰工業株式会社内 (72)発明者 磯崎 進市 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 熊谷 忍 神奈川県横浜市鶴見区弁天町3番地7 エ ヌケーケープラント建設株式会社内 (72)発明者 大谷 断 神奈川県横浜市鶴見区弁天町3番地7 エ ヌケーケープラント建設株式会社内 Fターム(参考) 3K061 AB01 AC13 BA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰炉のバーナアーチ下の、原石の安息
    角によって形成される断面略V字状の燃焼空間に、廃プ
    ラスチックを吹き込むことを特徴とする石灰炉への廃プ
    ラスチックの吹き込み方法。
  2. 【請求項2】 前記燃焼空間を形成する原石の傾斜面の
    上部に向けて廃プラスチックを吹き込むことを特徴とす
    る請求項1に記載の石灰炉への廃プラスチックの吹き込
    み方法。
  3. 【請求項3】 石灰炉のバーナアーチ下の、原石の安息
    角によって形成される断面略V字状の燃焼空間に、廃プ
    ラスチックを吹き込む吹込ノズルを設けることを特徴と
    する石灰石への廃プラスチックの吹き込み装置。
  4. 【請求項4】 前記吹込ノズルは、前記燃焼空間を形成
    する原石の傾斜面の上部に向けて廃プラスチックを吹き
    込むことを特徴とする請求項3に記載の石灰炉への廃プ
    ラスチックの吹き込み装置。
  5. 【請求項5】 前記吹込ノズルは、前記バーナアーチに
    埋め込まれる複数の埋込みノズルから構成され、 該複数の埋込みノズルは、前記燃焼空間の幅方向の両端
    部に配置され、しかも前記燃焼空間の奥行方向に略均等
    間隔を開けて配置されることを特徴とする請求項4に記
    載の石灰炉への廃プラスチックの吹き込み装置。
  6. 【請求項6】 前記吹込ノズルは、前記燃焼空間を形成
    する石灰炉の側壁を貫通し、前記燃焼空間の奥行方向に
    延びる複数の側壁貫通ノズルから構成され、 前記複数の側壁貫通ノズルの先端部は、前記原石の傾斜
    面に向かって廃プラスチックを吹き込めるように前記燃
    焼空間の幅方向を向き、 前記複数の側壁貫通ノズルの先端部は、前記燃焼空間の
    奥行方向における位置が調整可能であることを特徴とす
    る請求項4に記載の石灰炉への廃プラスチックの吹き込
    み装置。
  7. 【請求項7】 前記吹込ノズルは、前記燃焼空間を形成
    する石灰炉の側壁を貫通し、前記燃焼空間の奥行方向に
    延びる複数の可動ノズルから構成され、 前記可動ノズルの先端部は、前記原石の傾斜面に向かっ
    て廃プラスチックを吹き込めるように前記燃焼空間の幅
    方向を向き、 前記可動ノズルは、前記燃焼空間の奥行方向に往復運動
    可能であることを特徴とする請求項4に記載の石灰炉へ
    の廃プラスチックの吹き込み装置。
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