JP2003072045A - インクジェットプリンタおよび印刷の方法 - Google Patents

インクジェットプリンタおよび印刷の方法

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JP2003072045A
JP2003072045A JP2002247157A JP2002247157A JP2003072045A JP 2003072045 A JP2003072045 A JP 2003072045A JP 2002247157 A JP2002247157 A JP 2002247157A JP 2002247157 A JP2002247157 A JP 2002247157A JP 2003072045 A JP2003072045 A JP 2003072045A
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Rodney L Miller
ロドニー・エル・ミラー
James S Newkirk
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    • G06K15/105Multipass or interlaced printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット印刷に必要な乾燥時間ができ
る限り短くなるよう、最小限のインク量で完全に覆い尽
くすことができるような改良が、インクジェット印刷に
必要である。 【解決手段】 インクジェットプリントヘッドは、個々
のノズルが作動時において、選択的に、大きなインク液
滴サイズおよび小さなインク液滴サイズからなる、少な
くとも2つのインク液滴サイズを生成可能なノズル列を
有する。それぞれの画素位置において最大濃度値を示す
画素濃度信号に応答して、ノズルがそれぞれの画素位置
の参照ラスタに大きなインク液滴サイズの液滴を印刷
し、同一または異なるノズルがそれぞれの画素位置に隣
接した転位ラスタ上の画素位置に小さな液滴サイズの液
滴を印刷し、インクの液滴の乾燥時間性能を改善して完
全な被覆を実現している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般にインクジェ
ット印刷に関するものであり、特に複数の大きさの液滴
を噴射可能なプリントヘッドによるインクジェット印刷
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット印刷は、デジタル信号に
反応して画像記録素子へ画素ごとにインク粒子を噴射し
て画像を生成する、ノンインパクト方式の画像生成法で
ある。所望の画像を得るための、記録素子へのインク粒
子の噴射を制御する方法は様々である。ある処理過程に
おいては、個々のインク粒子が必要に応じて、所望の画
像を形成するために、記録素子へ吹き付けられ、それは
ドロップオンデマンドインクジェット印刷として知られ
ている。ドロップオンデマンド印刷において、インク粒
子の吹き付けを制御するのに用いられている一般的な方
法は、圧電変換機と、熱アクチュエータを用いた熱的泡
形成を有している。熱アクチュエータに関しては、ノズ
ル内部またはノズル開口部の適当な位置に配設されたヒ
ータが、選択されたノズル内のインクを加熱し、画像デ
ータに基づいて選択されたノズル内の液滴を記録媒体へ
噴射する。圧電アクチュエータに関しては、圧電材料が
用いられており、その圧電材料には材料に電場がかかる
と、機械的な応力が生じてノズルの容積が減少し、選択
されたノズルから選択的に噴射されるべき液滴を形成す
る。プリントヘッドに適用された画像データによって、
受像シート上の特定の画素における、ノズルそれぞれか
らの個々の液滴の噴射を、どのノズルから行うべきかを
決定する。特許文献に記載のある、ドロップオンデマン
ドインクジェットプリンタのいくつかにおいては、圧電
アクチュエータおよび熱アクチュエータの両方を使用し
ている。
【0003】他の処理過程においては、連続的な粒子の
流れを帯電させ、記録素子の表面へ像のある方向に偏向
させ、その一方で結像に用いられなかった粒子は回収さ
れて、インク溜めに戻される。デスクトップドキュメン
トや絵画のような画像表現から、短時間印刷や工業用ラ
ベリングに渡る範囲の市場で、インクジェットプリンタ
は広範な利用用途を見出している。
【0004】標準的インクジェットプリンタは、インク
の小さな液滴を、間隔をおいて並ぶノズル列により構成
されるプリントヘッドから噴射して画像を再現してお
り、そこにおいて、インクの液滴は受像媒体(標準とし
て紙)に定着して、丸いインクのドットを形成する。あ
る種のプリンタにおいては、全ての液滴は同一のサイズ
であり、そのために、全てのドットは同一のサイズとな
る。通常、水平方向および鉛直方向に等間隔、p、で並
んだ直線状グリッドないしラスタの中心へ向けて液滴は
噴射される。それ故、インクの完全な被覆を達成するに
は、図3に示されているように、少なくともp×(√
2)の直径を、ドット、10、が有することが必要であ
る。ある種のプリンタは、液滴の位置の好ましからざる
変動を補償する目的でより大きなドットを噴射可能に設
計されている。
【0005】現行のインクジェットプリンタには、ペー
ジ上の指定されている位置に噴射するインクの量を(あ
る範囲内で)変化させることができるものもある。この
ような能力を有するプリンタは、「マルチトーン」また
はグレースケールインクジェットプリンタと呼ばれる。
なぜならば、ページ上の個々の画素位置において多様な
濃度の色調を実現しているからである。いくつかのマル
チトーンインクジェットプリンタでは、この機能を実現
するためにノズルに伝送される電気信号を変化させてノ
ズルで生成される液滴の体積を変更したり、またはノズ
ルの直径を変化させたりしている。その例として、米国
特許第4、746、935号を挙げる。別のマルチトー
ンインクジェットプリンタでは、ノズルから噴射される
(またはノズル列が複数回の異なるパスを行う間に複数
のノズルから噴射される)粒数が可変の小さな固定サイ
ズの粒子を生成する。その例として、米国特許第5、4
16、612号を挙げておく。これらの技術により、プ
リンタは指定のドットないし画素のサイズまたは光学濃
度を変化可能となり、個々のドットないし画素位置での
濃度レベルに幅を持たせ、画像の品質を向上させてい
る。このように、複数の液滴サイズを必要とする印刷方
法は、通常、プリントヘッドが液滴を生成する方法に依
存している。上述のように、あるプリントヘッドはノズ
ル直径を複数種有し、また別のプリントヘッドは、個々
のインク室からどの程度のインクを噴射すればよいかを
指示するための、変化する電気信号をインク室に伝送す
る回路を有する。さらにまた別のプリントヘッドにおい
ては、定められた画像画素位置で融合して付着するよう
意図された、粒数が可変の小さな固定サイズの粒子を噴
射するノズルを備えている。1よりも多い液滴を1画素
位置に噴射する印刷方法は、一般に複数回のプリントパ
スによって実行され、プリントヘッドは画素の列を複数
回に渡って印刷し、プリントヘッドに伝送されるデータ
は、個々のパスごとに変化し、あらゆる画素に噴射され
る粒子の正確な総量は、処理された画像データの要求す
る濃度に比例する。
【0006】液滴のサイズとドットのサイズとの厳密な
関係性には、多くの要因が含まれる。しかし、多くの場
合においては、以下の式で近似される。
【数1】 ここで、dはドットの直径で、vは液滴の体積、aは正
定数でその大きさはdおよびvの単位に依存し、bは
0.0から1.0の範囲を持つ正定数である。この式が
ドットサイズと体積との関係を与える。
【数2】 それ故、液滴の体積が増加するにつれて、ドットサイズ
と液滴体積との比は小さくなり、このことは一般に、液
滴の体積を増加させるにつれて、体積増がドットサイズ
に与える効果が減少することを意味している。
【0007】しかし、マルチトーンインクジェットプリ
ンタで完全に覆い尽くすのには、最大のドットは少なく
ともp×(√2)の直径が必要で、その最大の液滴それ
ぞれがラスタ上の指定可能位置へ噴射される必要がある
ことは、留意すべきである。
【0008】インクジェットプリントが乾燥するのに必
要な時間は、媒体に噴射されたインクの体積と直接的に
関係する。インクの最大体積は、完全に覆い尽くすのに
必要なドットサイズによって決定される。ラスタ上に印
刷を行う、二値プリンタまたはマルチトーンプリンタの
場合、完全に覆い尽くすために必要な画素当りのドット
サイズは、既に図3に示したとおり、1ドットあたりの
直径がp×(√2)である。
【0009】インクジェット印刷の技術分野においては
周知であるが、もしもインクの液滴がページ上で近接位
置に同時に吹きつけられれば、インクの液滴は、ページ
に浸透する前に、ページの表面を共に流れ出す傾向があ
る。このことは、再生された画像に、好ましからざる粒
状性、ないしノイズの多い見目を与える。しばしばこれ
を「コアレッセンス」と呼んでいる。印刷された画像に
現れるコアレッセンスの量は、隣接ドットの印刷の間に
経過した時間と関係している。隣接ドット間の印刷の時
間的ずれが増加するにつれ、コアレッセンスの量は減少
し、それにより、画像品質が向上する。先行技術として
多くの技術があり、それらは、「インターレース」、
「プリントマスク」または「マルチパスプリント」と呼
ばれる方法を用いて、隣接ドット間の時間的ずれを増大
させる方法を記述している。また、1次元周期の人工的
産物(アーチファクト(artifacts))ないしは「バン
ド」を減ずるための先行技術も開示されている。このこ
とは、プリントヘッド幅より小さい送りで紙を進ませ
て、連続したパスまたはプリントヘッドの重複のある帯
状域を形成することで実現されている。プリントマスク
および帯状域の重複技術は、大抵において、一体化され
ている。例として、米国特許第4、967、203号お
よび第5、992、962号を挙げる。用語「プリント
マスク」は一般には、受像媒体に対してプリントヘッド
が行うマルチパスにおいて画像画素の部分集合に印刷す
ることを意味している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット印刷に
必要な乾燥時間ができる限り短くなるよう、最小限のイ
ンク量で完全に覆い尽くすことができるような改良が、
インクジェット印刷の従来技術に必要である。従来技術
では、完全に覆い尽くすため、過剰なまでの重複を伴う
大きなドットを利用してきた。本発明はより少量の重複
を伴う、小さな液滴で完全に覆い尽くすことを実現する
方法であり、それによって迅速な乾燥所要時間を達成し
ている。
【0011】本発明の目的は、少ないインク総量で、完
全に覆い尽くすことであり、それによって乾燥時間を可
能な限り短くする。本発明は、転位ラスタに印刷可能な
プリンタとマルチトーン印刷能力との協働による。ここ
で用いた「転位ラスタ」とは、主要ないし参照ラスタで
はないドットつまり画素位置を提供する、従属的な印刷
位置グリッドで、その転位ラスタ上の画素位置と参照ラ
スタの画素位置との間隔は、通常、プリントヘッドの記
録素子の公称中心間距離よりも短くなっている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、完全に覆い尽
くすのに必要なインクの量を減少させることで、インク
ジェット印刷に必要な乾燥時間を減少させるための印刷
方法と印刷装置を提供する。本方法は、インクジェット
印刷に関するデータを用意しているコントローラならび
にインクジェットヘッドの位置およびインク受け取り
体、つまりは媒体の位置を制御するコントローラで実施
される。
【0013】本発明ならびにその目的および効果は本発
明の第1態様において達成されており、それは、作動時
に個々のノズルが少なくとも2種類の、大きなサイズの
液滴と小さなサイズの液滴を選択的に生成する能力のあ
るノズルからなる、ノズル列を有するインクジェットプ
リントヘッドを備えたインクジェットプリンタ、および
画素位置それぞれにおいて、最大濃度値を示す画素濃度
信号に応答して参照ラスタ上の画素位置それぞれに対し
て大きなサイズの液滴で印刷するようにノズルに信号を
伝送し、またその画素位置に隣接する転位ラスタ上に小
さなサイズの液滴で印刷するように同一または異なるノ
ズルに信号を伝送するコントローラからなる。
【0014】本発明の第2の態様によれば、作動時にイ
ンクの液滴を選択的に生成する能力のある個々のノズル
からなる、ノズル列を有するインクジェットプリントヘ
ッドを備えたインクジェットプリンタ、および画素位置
それぞれに対し、最大濃度値を示す信号に応答して参照
ラスタ上の画素位置それぞれに大きなサイズの液滴と、
参照ラスタに隣接した転位ラスタ上の画素位置に対して
小さなサイズの液滴を印刷するようプリントヘッドを制
御する、画素濃度信号に応答するコントローラからな
り、そこでは、大きなインクのドットと小さなインクの
ドットとは別々のサイズであり、2×2の集合ないし
は、個々の大きなインクのドットサイズで参照ラスタに
関してそれと隣接する画素位置のインクのドットのクラ
スタに関し、そのクラスタの中心には空隙が存在し、転
位ラスタ上の小さなインクのドットは、それが隣接する
大きなインクのドットが構成する2×2の集合の中心に
あれば、その空隙を埋める程度の大きさである。
【0015】本発明の第3の態様によれば、インクジェ
ットプリンタは以下を有する。 a)インクジェットプリントヘッドは、少なくとも1つ
の列を成して配設されたノズルの列を有し、そのノズル
は作動時には受け取り媒体上の画素位置へ選択的に大き
な液滴や小さな液滴を生成可能である。 b)ノズルの並びとは垂直な方向の高速スキャン方向へ
インクジェットプリントヘッドを動かすためのインクジ
ェットプリントヘッドの駆動。 c)受け取りメディアを、プリントヘッドを通り高速ス
キャン方向と直交する低速スキャン方向へ動かすための
印刷媒体ドライバ。 d)参照ラスタへのインクの液滴の噴射および転位ラス
タへの小さなインクの液滴の噴射のための、ノズルより
出る液滴の大きさ、プリントヘッドの駆動、および印刷
媒体の駆動を制御するためのコントローラ。参照ラスタ
へのインクの液滴の噴射においては、参照ラスタに吹き
付けられた4つの隣接する大きなインクの液滴が構成す
る2×2のクラスタの中央に空隙が残り、参照ラスタに
対して最大濃度のドットを印刷することを指示する印刷
信号に応答してなされる、転位ラスタへの小さなインク
の液滴の噴射においては、小さなインクの液滴がクラス
タ内の空隙を覆う。
【0016】本発明の第4の態様により、インクジェッ
トプリンタにより印刷を行う方法が示されている。その
方法は、作動時に個々のノズルで少なくとも2つの、大
きなインクの液滴と小さなインクの液滴からなる、イン
クの液滴を選択的に生成するノズルの列を有するインク
ジェットプリントヘッドを供する段階、および受像体上
の画素位置それぞれに対し最大濃度値を指示する画素濃
度信号に応答して、参照ラスタ上の画素位置それぞれに
大きなサイズのインクの液滴を印刷し、それぞれと隣接
する転位ラスタ上の画素位置に小さなサイズのインクの
液滴を印刷する段階を有する。
【0017】本発明の第五の態様により、インクジェッ
トプリンタにより印刷を行う方法が示されている。その
方法は、作動時に個々のノズルでインクの液滴を選択的
に生成するノズルの列を有するインクジェットプリント
ヘッドを供する段階、および画素位置それぞれに対し最
大濃度値を指示する画素濃度信号に応答して、参照ラス
タ上の画素位置それぞれに大きなインクドットを印刷
し、それぞれと隣接する転位ラスタ上の画素位置に小さ
なインクドットを印刷する段階を有し、大きなインクド
ットおよび小さなインクドットは別々の大きさを有して
おり、個々の大きなサイズのインクドットつまりは参照
ラスタの隣接した個々の画素位置の2×2の集合ないし
は隣接するインクドットのクラスタに関しては、クラス
タの中央に空隙が残り、隣接している大きなインクドッ
トの2×2の集合の中央の転位ラスタの小さなインクド
ットは、その空隙を覆う程度の大きさである。
【0018】本発明は特に、プリンタが印刷する4つの
画素からなる四角形の、その4画素の中央をインクが覆
わないような最大ドットサイズ性能を有するインクジェ
ットプリンタに適している。
【0019】a)参照ラスタ上への、直径p×(√2)
の単一滴下および、 b)それぞれが参照ラスタと転位ラスタ上への滴下であ
る、直径pの2つの滴下、それらのどちらよりも、参照
ラスタ上への直径p×(√2)よりも小さな滴下と転位
ラスタ上へのさらに小さな直径の第2滴下の組み合わせ
によって、より少ないインク総量によって完全に覆い尽
くすことが実現可能であることは明らかである。
【0020】明細書は、請求項に本発明の主題を特に指
摘し、区別的に請求しているが、添付の図面と併せて、
後述の詳細な説明から本発明をよりよく理解できる。
【0021】
【発明の実施の形態】本記述は、特に本発明による装置
の部分を成す要素および本発明による装置と直接的に協
働する要素に関するものである。当然のことではある
が、特別に示したり説明されていない要素は、当業者に
とって周知である様々な形態を取ることが可能である。
【0022】図1(a)に、本発明が組み込まれたプリ
ンタ10の実施の形態を示す。参照番号11はキャリッ
ジを指している。インクジェットプリントヘッド31は
記録素子と相対し、プリントヘッドモジュール25(図
1(b))に設置されており、またプリントヘッドモジ
ュールはキャリッジ11に設置されている。ドライブモ
ータ(図示せず)とタイミングベルト13で連絡された
キャリッジ11は、記録素子12の幅(矢印A−Bの方
向)よりも長い幅を、再現自在に移動し、その間キャリ
ッジは誘導部材15によって誘導を受けている。インク
ジェットプリントヘッド31は、インクタンク16から
インク供給管17を介してインクを受け取る。搬送ロー
ラ18は、ドライブモータ(図示せず)により駆動され
ると、キャリッジ11の移動する方向とは垂直な方向
(矢印C)に記録媒体12を搬送する。
【0023】ラスタ画像処理部により画像の操作は制御
され、その結果もたらされる画像ファイルが、通信ポー
トを介して離れた場所にあるコンピュータからプリンタ
へ伝送される。プリンタが作業を行う間、画像は搭載メ
モリに記憶される。
【0024】図1(b)と図1(c)は、圧電性プリン
トヘッドアセンブリ25の形態を示している。参照番号
36は、その内にノズル開口部37が形成されたノズル
プレートを指している。インクタンク16からの流れが
流れる、インク供給口38はインク供給管17と連絡し
ている。プリントヘッド31の噴射率は、選択された画
像解像度および印刷品質に応じて、7.5kHzから1
5kHzで切替えられる。キャリッジの速さは、ここで
説明されているプリンタにおいては全てのプリントモー
ドで固定されているが、そのことは本発明にとって必要
ではない。例示されているのは圧電プリントヘッドであ
るが、本発明を実施するにあたり、サーマルプリントヘ
ッドや連続的プリントヘッドのような別のプリントヘッ
ドを用いることができる。
【0025】図2を参照して、各色のプリントヘッド
は、本実施の形態においては2つのプリントヘッド部分
39Aおよび39Bを有する。個々のプリントヘッド部
分は、2つの交互的な配置のノズル列を有し、ノズルの
各列では、列内の隣接するノズルの間隔が150分の1
インチ(0.17mm)である。しかしながら、交互的
な配置をとっているため、各プリントヘッド部分におけ
る公称ノズル間隔は、図示されているように、300分
の1インチ(0.085mm)である。第2部分上のノ
ズルは第1部分のノズルと類似であり、部分どうしは、
300分の1インチ(0.085mm)の公称ノズル間
隔が続くように配され、以下ラスタグリッド間隔を議論
する際には、この公称ノズル間隔は、通常、「p」と呼
ぶ。当然のことながら、プリンタ10は6色の異なるイ
ンクを有し、プリントヘッド31の説明と類似の6つの
プリントヘッドを有する。6つの異なる色のプリントヘ
ッドはキャリッジ11上に配設され、プリントパスを行
うために受像シート12をキャリッジが横断する際に、
6色のプリントヘッドそれぞれのノズルが作動して、R
IPから受け取った画像に関する指示に基づき、そのよ
うな指示は本発明の教示に基づき修正を加えられ、それ
ぞれの色のインクで印刷を行う。このようなタイプのプ
リンタにおいては概して、単一のプリントパスで全ての
画像を印刷するに十分な数のノズルが備わっており、複
数回のプリントパスでは、それぞれのパスの後に、矢印
Cの方向で受像シートにインデックスを付けながら画像
を印刷する必要がある。画像は一度につき、1つの帯状
域ずつ印刷されると言える。しかし、以下で説明する
「プリントマスク」として知られた印刷技術が適用され
る状況では、前文に関する修正事項が存在している。プ
リントマスクが適用される場合、一般的には、受像シー
トに対してインデックスをつけることなく、如何に記さ
れる理由で、帯状域に印刷される画像はプリントヘッド
が複数回通過することで印刷される。当然のことである
が、以下の記述において、ノズルがスタート位置に復帰
する運動の間にも、プリントパスは実行される。ここで
の説明で導入される一度に1つの帯状域ずつ画像を印刷
する別の要因とは、「転位ラスタ」上への印刷要因であ
る。
【0026】このように、ここで採用されたインクジェ
ットプリンタの構成は、ノズル列を有するインクジェッ
トプリントヘッドである。個々のノズルは独立的に液滴
を噴射することが可能で、ノズルそれぞれは、基本的に
は背景の印刷に用いられるゼロ体積の液滴を含め、少な
くとも3つの異なる体積のインクを噴射することが可能
である。インクジェットプリントヘッドはドロップオン
デマンドでも連続的インクジェット印刷装置でもよい。
一般にプリントヘッドは、インクジェットプリントヘッ
ド駆動機構によりノズル列に垂直な方向に移動する。こ
の方向を高速スキャン方向と呼ぶ。この方向へプリント
ヘッドを動かす機構は広く知られ、この機構は通常、プ
リントヘッドの支持体またはネジ山を有するレール上の
キャリッジを有し、プリントヘッドは、ねじ山でレール
を回転させるといった方法でレールに沿って進められる
か、もしくはプリントヘッドは、タイミングベルトとキ
ャリッジを用いてレールに沿って進められる機構からな
る。一般的にそのような機構が、プリントヘッドの往復
運動を提供している。データと制御信号からなるプリン
トヘッドへの情報は、柔軟性に富んだ配線群または電気
光学的リンクによって伝送される。プリントヘッドが高
速スキャン方向に移動させられる際に、プリンタに入力
された画像データと応答的なコントローラから許可信号
に基づき、ノズルが所々に選択的に液滴を噴射する。液
滴を噴射しながら、ヘッドが通過することは、プリント
パスとして知られている。プリントパスにおいて噴射さ
れた液滴はインクジェット媒体に定着する。1回または
それよりも多くのプリントパスの後、印刷媒体駆動体が
インクジェット印刷媒体を移動させる、つまり、紙、コ
ート紙、プラスチックまたは板のような印刷が可能な受
像シートは、高速スキャン方向とは直交または横断する
低速スキャン方向へ向け、プリントヘッドを通りすぎて
いく。印刷媒体ないし受像部材が進行した後、プリント
ヘッドが、1つまたはそれよりも多くのプリントパスか
らなる別のセットを実行する。次のパスの間に行われる
印刷は、前回のプリントパスの運動とは反対の方向に運
動している間に行われる。受像部材は、ローラや他の周
知駆動装置により被動する離散的シートであっても、巻
き取りローラまたは給紙ローラの駆動体によって通常断
続的に被動する連続的なシートであってもよい。
【0027】交互的な配置を持たない1つもしくは2つ
の平行なノズル列を備えたプリントヘッドも知られてお
り、続けざまに2つのノズルから噴射された液滴によっ
て少なくとも特定の画素を印刷することが可能である
(図5(a)を参照)。
【0028】プリントパスに先立って、印刷媒体は、プ
リントパスの間にノズルが液滴を参照ラスタとして知ら
れたラスタ上に噴射するように、ノズル列と合わせられ
る。続くプリントパスの間に、ノズルが印刷媒体の転位
ラスタとして知られるラスタ上に液滴を噴射するよう
に、ノズル列と印刷媒体が合わせられる。転位ラスタが
低速スキャン方向に2分の1画素だけ転位しているよう
に位置合わせされ、この距離はプリントヘッドのノズル
の間の公称間隔の2分の1である。当然のことながら、
pなるノズル中心間の公称ノズル間隔で2、3のノズル
のみが例示されているのだが、数百または数千ものノズ
ルが特定の公称ノズル間隔、例えばノズル中心間300
分の1インチ(0.085mm)または600分の1イ
ンチ(0.042mm)、でプリントヘッド上に配され
ている。転位ラスタのためのプリントパスの間は、時間
間隔が調整されて、転位ラスタは高速スキャン方向にも
2分の1画素分だけ転位するようになる。
【0029】標準的インクジェットプリンタは、インク
の小さな液滴を、間隔をおいて並ぶノズル列により構成
されるプリントヘッドから噴射して画像を再現してお
り、すなわち、インクの液滴は受像媒体(標準として
紙)に定着して、丸いインクのドットを形成する。ある
種のプリンタにおいては、全ての液滴は同一のサイズで
あり、そのために、全てのドットは同一のサイズとな
る。通常、水平方向および鉛直方向に等間隔、p、で並
んだ直線状グリッドないしラスタの中心へ向けて液滴は
噴射される(図3参照)。それ故、インクの完全な被覆
を達成するには、少なくともp×(√2)の直径を、ド
ット、10、が有することが必要である。
【0030】現行のインクジェットプリンタには、ペー
ジ上の指定されている位置に噴射するインクの量を(あ
る範囲内で)変化させることができるものもある。この
ような能力を有するプリンタは、「マルチトーン」また
はグレースケールまたは「複数回滴下可能」インクジェ
ットプリンタと呼ばれる。なぜならば、ページ上の個々
の画素位置において多様な濃度の色調を実現しているか
らである。いくつかのマルチトーンインクジェットプリ
ンタでは、この機能を実現するためにノズルに伝送され
る電気信号を変化させてノズルで生成される液滴の体積
を変更したり、またはノズルの直径を変化させたりして
いる。その例として、米国特許第4、746、935号
を挙げる。別のマルチトーンインクジェットプリンタで
は、ノズルから噴射される(またはノズル列が複数回の
異なるパスを行う間に複数のノズルから噴射される)粒
数が可変の小さな固定サイズの粒子を生成する。その例
として、米国特許第5、416、612号を挙げてお
く。これらの技術により、プリンタは指定のドットのサ
イズまたは光学濃度を変化可能となり、個々のドット位
置での濃度レベルに幅を持たせ、画像の品質を向上させ
ている。このように、複数の液滴サイズを必要とする印
刷方法は、通常、プリントヘッドが液滴を生成する方法
に依存している。上述のように、あるプリントヘッドは
ノズル直径を複数種有し、また別のプリントヘッドは、
個々のインク室からどの程度のインクを噴射すればよい
かを指示するための、変化する電気信号をインク室に伝
送する回路を有する。さらにまた別のプリントヘッドに
おいては、定められた画像画素位置で融合して付着する
よう意図された、粒数が可変の小さな固定サイズの粒子
を噴射するノズルを備えている。1よりも多い液滴を1
画素位置に噴射する印刷方法は、一般に複数回のプリン
トパスによって実行され、プリントヘッドは画素の列を
複数回に渡って印刷し、プリントヘッドに伝送されるデ
ータは、個々のパスごとに変化し、あらゆる画素に噴射
される粒子の正確な総量は、処理された画像データの要
求する濃度に比例する。
【0031】液滴のサイズとドットのサイズとの厳密な
関係性には、多くの要因が含まれる。しかし、液滴の体
積が増加するにつれて、ドットサイズと液滴体積との比
は小さくなり、このことは一般に、液滴の体積を増加さ
せるにつれて、体積増がドットサイズに与える効果が減
少することを意味している。しかし、マルチトーンイン
クジェットプリンタで完全に覆い尽くすには、図3に示
すように最大のドットが少なくともp×(√2)の直径
が必要で、その最大の液滴がラスタ上の指定可能な位置
へそれぞれ噴射される必要がある。
【0032】インクジェットプリントが乾燥するのに必
要な時間は、媒体に噴射されたインクの体積と直接的に
関係する。インクの最大体積は、完全に覆い尽くすのに
必要なドットサイズによって決定される。ラスタ上に印
刷を行う、二値プリンタまたはマルチトーンプリンタの
場合、完全に覆い尽くすために必要な画素当りのドット
サイズは、図3に示したとおり、1ドットあたりの直径
がp×(√2)である。
【0033】インクジェット印刷の分野においては周知
であるが、もしもインクの液滴がページ上で近接位置に
同時に吹きつけられれば、インクの液滴は、ページに浸
透する前に、ページの表面を共に流れ出す傾向がある。
このことは、再生された画像に、好ましからざる粒状
性、ないしノイズの多い見目を与える。しばしばこれを
「コアレッセンス」と呼んでいる。印刷された画像に現
れるコアレッセンスの量は、隣接ドットの印刷の間に経
過した時間と関係している。隣接ドット間の印刷の時間
的ずれが増加するにつれ、コアレッセンスの量は減少
し、それにより、画像品質が向上する。先行技術として
多くの技術があり、それらは、「インターレース」、
「プリントマスク」または「マルチパスプリント」と呼
ばれる方法を用いて、隣接ドット間の時間的ずれを増大
させる方法を記述している。また、1次元周期の人工的
産物(アーチファクト(artifacts))ないしは「バン
ド」を減ずるための先行技術も開示されている。このこ
とは、プリントヘッド幅より小さい送りで紙を進ませ
て、連続したパスまたはプリントヘッドの重複のある帯
状域を形成することで実現されている。プリントマスク
および帯状域の重複技術は、大抵において、一体化され
ている。例として、米国特許第4、967、203号お
よび第5、992、962号を挙げる。用語「プリント
マスク」は、以下で説明するように、一般に画像画素の
部分集合に印刷することおよび受像媒体に対してプリン
トヘッドが行うマルチパスを意味している。
【0034】以下に記すように、本発明の特徴は、マル
チトーン印刷機能で転位ラスタ上に印刷することに依っ
ている。そのような機能を有するプリンタは、様々な利
点を有する。転位ラスタ上への印刷を、参照ラスタと同
様に利用することで、より小さな最大液滴での完全な被
覆が可能となり、それにより印刷されたドットを乾燥さ
せるのに必要な乾燥時間に関して向上が見られ、コアレ
ッセンスが減少し、インクが節約できる。さらなる付加
的な利点としては、比較的少数の異なる体積のインクの
液滴でのみ印刷が可能なプリンタから、より沢山のマル
チトーンの階調を取ることができることである。
【0035】図4を参照すれば、参照ラスタ(太線)と
転位ラスタ(細線)の両方が認められる。転位ラスタは
主要なラスタにおける画素位置から水平方向および垂直
方向にそれぞれp/2だけ転位している。図4に示され
ているように、参照ラスタ20は、pなる間隔を有し、
転位ラスタ30は両方向にp/2だけずれている。画像
画素値に応答し、プリンタは受像シート上に液滴を噴射
し、液滴は参照ラスタおよび転位ラスタのどちらか一方
または両方にインクを滴下する。ラスタは受像シートに
印刷されているわけではなく、可能な画素位置による格
子図形である。
【0036】ここで説明するノズル間隔寸法は参照ラス
タの格子間隔寸法、つまり参照ラスタ上の隣接画素の中
心間距離と同一であるが、ノズル間隔は同一でなくても
よく、また公称間隔は参照ラスタグリッド線の間隔より
も大きくてもよい。そして、調節は、プリントモード
で、高速スキャン方向内におけるプリントヘッド制御信
号を介して、適当な既定の間隔で印刷を行うことで成さ
れ、高速スキャン方向に所望のグリッド間隔をもたら
し、また低速スキャン方向には媒体の運動を制御して、
低速スキャン方向の所望のグリッド間隔をもたらしてい
る。当然のことであるが、参照ラスタは、高速スキャン
方向のグリッド間隔と低速スキャン方向のグリッド間隔
が同一である必要はない。同様に、転位ラスタも、上記
参照ラスタに関する記述と同様の性質を有している。転
位ラスタの画素の中心間隔は、例図のように2次元方向
に公称間隔の2分の1だけずらして参照ラスタと同一の
間隔に取ることが望ましい。
【0037】今度は図5(b)を参照し、インクジェッ
トプリンタシステムを示す。コントローラ130がプリ
ントヘッド140、プリントヘッドコントローラおよび
ドライバ150ならびに印刷媒体コントローラおよびド
ライバ160を制御する。コントローラ130は、適切
にプログラムされた1つまたはそれよりも多いマイクロ
コンピュータを有し、プリントヘッドドライバにプリン
トヘッドを高速スキャン方向へ動かす指示をする信号
を、プリントヘッドコントローラおよびドライバ160
へ送る。高速スキャン方向をプリントヘッドが動く間
に、コントローラは、参照ラスタ上の画素が印刷される
べき場合には、印刷媒体における参照ラスタの適切な画
素位置にインクの液滴を噴射するようにプリントヘッド
へ指示を送る。続くパスにおいて、高速スキャン方向を
プリントヘッドが動く間に、コントローラは、転位ラス
タ上の画素が印刷されるべき場合には、印刷媒体におけ
る転位ラスタの適切な画素位置にインクの液滴を噴射す
るようにプリントヘッドへ支持を送る。1つのパスの間
には、参照または転位のいずれか1つのラスタにのみ印
刷が行われ、両ラスタではない。適切な信号がプリント
ヘッドコントローラからプリントヘッドへ伝えられて、
受像シート上の適切な画素位置に画像データを印刷す
る。プリントパスの後、コントローラおよび媒体コント
ローラは印刷媒体駆動体170に、印刷媒体を低速スキ
ャン方向へ動かすように指示を送る。プリントヘッドコ
ントローラから出力される信号は、印刷される画像のデ
ータファイルを構成する適当な電子的データソースから
のプリントヘッドコントローラへ入力される信号に対応
している。
【0038】完全に覆い尽くす為に、プリントヘッドコ
ントローラ150は液滴の並べ方をプリントヘッドに指
示する。好ましい実施の形態において、この並べ方は参
照ラスタに大きな液滴を噴射し、転位ラスタに小さな液
滴を噴射することからなる。
【0039】図6に図示されているのは、ある液滴の並
べ方で、これは本発明の1つの特徴を示しているもので
ある。クラスタに関して、その並びは、参照ラスタ上に
配置(液滴1−6)された大きな液滴の3×2のクラス
タと転位ラスタ上に配置(液滴「a」)された小さな液
滴から成る。好ましい実施の形態において、大きな液滴
は、完全に覆い尽くすことができるほど大きくはなく、
クラスタ中央に空隙が残る。しかしながら、小さな液滴
はその空隙を埋めるのに十分な大きさである。液滴のこ
の並べ方は、完全な被覆を実現するのみならず、1画素
あたり、より少量体積のインクで完全な被覆を実現して
いる。小さな液滴「b」の位置は、参照ラスタと転位ラ
スタとの位置関係を示すためのものである。
【0040】図7には、簡単化されたモノクロインクジ
ェットプリンタ用画像処理シーケンスを示す。これによ
り、図6よりも、より詳細に示される。ジョブの要求に
応答して、ホストコンピュータ180がラスタ画像プロ
セッサ181へデジタル信号を送り、デジタル信号は画
像信号iへと変換される。画像信号iは、個々の画像要
素つまり、画素からなる2次元配列で、行数をw、列数
をhとする。カラープリンタに関しては、2次元配列
は、カラーチャンネルごとに作成され、それはまたイン
クと対応している。カラープリンタでは、画像信号iは
2次元配列の集合体である。ラスタ画像プロセッサは、
標準的な画像処理機能、たとえば鮮鋭化、サイズ変更、
色変換、およびマルチトーン画像信号を生成するための
マルチトーニングのような機能を発揮する。
【0041】二値プリントヘッドに関しては、モノクロ
プリンタ用画像信号iでは1つの画素に1つの液滴を単
一の大きさで印刷することしかできない。個々の画素の
位置は(x、y)座標系で記述され、xが行を、yが列
を指す。個々の画素は、その画像画素に滴下されるべき
インクの量に対応する数字コード値を有する。画素のコ
ード値の範囲は印刷可能な相異なる濃度レベルの数を決
める。二値の例では、コード値は0または1であり、こ
のことは2つの濃度レベルが印刷可能であることを示し
ている。重要なことだが、本発明はあらゆる種類のプリ
ンタで利用可能であり、またマルチトーンプリンタで利
用されることが好ましい。
【0042】再度図7を参照して、画像信号iは、帯状
域抽出プロセッサ182および参照プリントヘッド信号
の182によって、プリントヘッド画像信号oに変換さ
れる。パス表183は2次元参照表であり、それには濃
度のレベルを付けたパス数の関数として参照プリントヘ
ッド信号値を有する。パス表183に含まれるデータ値
は、以下に説明するような様々な異なるフォーマットで
あってよい。例えば、プリントヘッドを作動させる電子
回路はピコリットル単位でインクの滴下を受け付けるよ
うに設計されている。このようにして、プリントヘッド
を作動させる電子回路は、所望のインクの液滴の体積に
ついて記述されているプリントヘッド画像信号oを、所
望の大きさまたは光学濃度のドットを形成するために望
まれるインクの液滴を生成するようにプリントヘッドへ
指示する電気信号に変換する。重要なことだが、パス表
183のデータ値のフォーマットは本発明に関し本質的
ではなく、いかなるプリントヘッドに対しても、パス表
183内の適当なデータ値を用いて、本発明はプリンタ
画像信号oを生成するよう適用される。
【0043】プリントヘッドへの信号を準備する段で、
帯状域抽出プロセッサ182により、データの帯状域が
決定される。プリントヘッドのページを横切る1回の動
作の間に必要とされる、データの帯状域は、マルチトー
ン化された画像信号iの部分集合として定義されてい
る。以下に記すように、プリントマスクを用いること
で、隣接したインクの液滴間のコアレッセンスを減少さ
せる目的において、マスク表はプロセッサ182と関連
性を有する。ここで記述されている様々な表は、帯状域
抽出プロセッサが実行されるコンピュータのディスク記
憶媒体に記憶されている。代わりに、帯状域抽出プロセ
ッサはインクジェットプリンタ内臓コンピュータやプリ
ンタ内のプログラム可能メモリに記憶されている様々な
表によって実行される。当業者ならば認めることだが、
帯状域抽出プロセッサには、多くの相異なるハードウェ
ア構成があり、また、ここに記述されている、構成され
るべき様々な表には、多くの相異なる記憶装置に関する
選択肢があり、そして、本発明はいかなる構成に対して
も適用される。
【0044】後述される定義は、本明細書に記されてい
る例を理解する上で助けとなるであろう。
【表1】 下の表に示す例を検討して頂きたい。
【表2】
【0045】「インク体積」列は、可能なインク体積
(単位ピコリットル)を記載し、それはそのモードにお
けるラスタコード値と関連している。例1において、ラ
スタ画像プロセッサ(RIP)は公称解像度300DP
Iで画像データをプリントヘッドへ出力する。RIPが
指定する印刷解像度は2値印刷、つまり、1ビット画素
深度印刷である。隣接した2つのインクの液滴の実質上
同時になされる噴射における、インクの液滴のコアレッ
センスを減ずるために、先行技術においては2またはそ
れよりも多くの、画像を横切るプリントヘッドのパスを
採用し、第1のパスにおいて、個々の2×2の画素グリ
ッドの第1対角グリッドを印刷し、2番目のパスにおい
て、第2対角グリッドが印刷される、プリントマスクと
して知られた技術を用いることが望ましいとされてい
る。一般的に、第1および第2のパスにおける印刷用プ
リントマスク論理表が与えられる。論理表における以下
に記したパス表では、この例における「1」とは、その
パスにおいて、もし画像データがその画素を印刷すべき
と指定しているのであれば印刷されるべき画素位置であ
ることを示している。「0」は、そのパスにおいて、そ
の画素位置には、たとえデータがドットを印刷すべきで
あることを示していても、印刷してはならないことを示
している。第2のパスにおける論理表は第1のパスの論
理表と相補的であり、印刷されるべき個々の画素位置
は、2つのパスのうちいずれかのパスで印刷される。プ
リントマスク技術を説明している例において、留意すべ
きは、1パスの間に液滴を付着させることが可能な画素
位置は対角に制限されることである。他の周知プリント
マスク技術では、異なる液滴付着アルゴリズムを利用し
ている。たとえば、2×2の画素グリッドにおいて、あ
るアルゴリズムは、1パスで4つの印刷可能位置のう
ち、たった1つの位置のみを選択し、そのため、参照ラ
スタ上の1画像帯状域を印刷するために、4つのパスを
必要としている。これで、例1を十分に説明している。
【0046】次の例、例2を考察するにおいて、1度に
画素位置へ向けてノズルから出力される最大液滴体積を
64ピコリットルと仮定する。例2においては、ラスタ
画像プロセッサは、公称解像度300DPI、1ビット
画素深度で、これは例1で注記したように、隣接液滴の
コアレッセンスを防ぐプリントマスクを利用するため、
2つのバンドパスで印刷される。バンドパス数はRIP
がそのプログラムの一部として記載される。上で注記し
たように、この例におけるバンドパスの数は1、2、
4、または8である。例1と例2の比較において、留意
すべきはRIPより送られてくる二値画像ファイルは同
一であるが、RIPは72ピコリットルの液滴サイズの
印刷要求をも認めていることである。RIPからのこの
命令に応答して、プリンタは参照ラスタ上の特定の画素
位置に64ピコリットルの印刷をし、そして転位ラスタ
上の隣接位置に補助的な8ピコリットルの印刷をする命
令を出す。図6には転位ラスタ上への印刷の概念が例示
されており、それにおける画素1−6は、参照ラスタグ
リッド上に印刷可能な最大サイズの画素であり、その解
像度は300分の1インチ(0.085mm)である。
第2のグリッドは、また300分の1インチ(0.08
5mm)であるが、主グリッドとは、パスの方向、媒体
の進行方向(矢印C)の両方向に600分の1インチ
(0.042mm)離れて与えられている。当然である
が、グリッド線は媒体上に印刷されているのではなく、
印刷可能な画素の位置を示しているのである。これに関
し、媒体を横切るパスの間に行われるプリントヘッドに
よる印刷は、図6でパス方向を示す矢印で示されている
ように、あらゆるパスで参照ラスタまたは転位ラスタ上
の画素位置にインク粒子を滴下するのだが、パスの間に
両方の位置に滴下されることはない。従って、これは例
2を印刷するための総パス数が4で、例1を印刷するた
めの総パス数が2である、この差異を説明するものであ
り、例2では、付加的な2つのパスで、転位ラスタ上の
補助的画素に印刷して、RIPの要求する大きなサイズ
の滴下に対応している。
【0047】例3および例4に関して、留意すべき点
は、RIPが2ビット画素深度、300DPI印刷解像
度の画素を要求し、2回のバンドパス(プリントマス
ク)を使用する点である。例3において、RIPが要求
するインク液滴サイズは全て、この印刷解像度でのプリ
ントヘッドの性能で可能であり、転位ラスタ上への印刷
は不要である。つまり、例3におけるパスの総数は2で
ある。しかしながら、例4においては、72ピコリット
ルの液滴サイズの印刷が要求され、別の液滴サイズを提
供するため印刷転位ラスタ上に印刷すること、パス総数
がさらに2回余計に必要となる。
【0048】例5、例6、および例7において、RIP
は4ビット画素深度、300DPI印刷解像度の画素を
要求し、2回のバンドパスを使用する。しかしながら、
例5ないし例7の全てにおいて、72ピコリットルサイ
ズの液滴が要求されている。従って、転位ラスタ上への
印刷が、例5、例6、および例7で要求され、総パス数
は、個々の例において4である。なぜならば、参照ラス
タ上への印刷に関し、プリントマスクを利用すること
で、2回のバンドパスが必要とされ、さらに2回のバン
ドパスが、インクの液滴のコアレッセンスを防ぐ目的
で、転位ラスタ上への印刷に用いられる。
【0049】上記を読めば、転位ラスタ上への印刷は、
プリンタのノズルの性能を超えた液滴体積を印刷するた
めの補完的な滴下のためだけのような印象を持たれるか
もしれないが、転位ラスタ上へ印刷を行うことのコンセ
プトは、特定のプリントモードにおいて利用不可能な液
滴サイズをも、転位ラスタを利用した印刷によって実現
することも視野に入れている。例えば、仮にプリントヘ
ッドが印刷媒体を通過する際、300DPI印刷解像度
で、0、8、16、32、48、および64ピコリット
ルの液滴体積を各ノズルから印刷することができるプリ
ントヘッドについて考えてみる。転位ラスタのコンセプ
トが、あらゆる事象において、RIPからの72ピコリ
ットルのインク液滴による印刷の要求に対応するのに用
いられているように、他の液滴サイズの要求にも、以下
の記述のように対応している。24ピコリットルの液滴
体積を印刷する液滴サイズに対する要求には、主ラスタ
に16ピコリットルの液滴を印刷し、補助的に8ピコリ
ットルを16ピコリットルの滴下がなされた位置に隣接
する転位ラスタへ滴下することで対応する。他の中間的
な液滴体積は、それが中間的な液滴体積であることをR
IPが全く意識することなく、RIPで調整される。な
ぜなら、プリントヘッドが上記の5つの液滴サイズのみ
印刷可能であることを、RIPは意識することなく、通
常のプリンタの性能を超えた液滴サイズの印刷要求がな
される時に、エレガントな転位ラスタのコンセプトが、
プリンタによって実現されるからである。転位ラスタの
コンセプトは、転位ラスタ上への丁度8ピコリットルの
同じ液滴サイズの滴下に止まらず、複数種のサイズの液
滴を印刷することで、拡張される。例えば、80ピコリ
ットルの液滴サイズの印刷要求に対し、プリントヘッド
は参照ラスタ上へ64ピコリットルの液滴を印刷し、転
位ラスタへ16ピコリットルの液滴を印刷することでこ
の要求を実行する。このように、転位ラスタのコンセプ
トがプリンタの噴射空間性能ないし友好ドットサイズ数
またはプリンタによって印刷される有効光学濃度数を拡
張する。ホストコンピュータから印刷ジョブを入力する
人が、例えば印刷は、印刷解像度300DPI程度で9
種または10種の画素サイズでなされるように指定する
ことができる。プリンタノズルが作り出せる液滴体積
は、5種程度だが、それでもそのジョブは、RIPがプ
リンタには要求されている9種または10種の液滴体積
サイズで印刷可能であると想定して、そのプリンタで印
刷可能である。以下に記述されているように、プリンタ
は、どの画素が転位ラスタ上への補完的な滴下による印
刷で対応する必要があるのかを認識することで、要求に
応じられるようにしている。重要なのは以下の点に留意
することである。それは、一度転位ラスタ上への印刷が
実行されれば、例えば、1画素への72ピコリットルの
要求に対応するために転位ラスタ上への8ピコリットル
の補完的液滴を印刷するように、80ピコリットルの液
滴体積の要求にも、参照ラスタへの印刷では不可能な中
間的液滴サイズに対応するために必要な補完的滴下と同
様、同一の転位ラスタ用バンドパスにおいて対応がなさ
れるということである。このように、転位ラスタのコン
セプトによってバンドパス数が増加したのであるが、加
わった便益は、より深いビット深度での印刷をもたら
す、さらなる柔軟性である。転位ラスタ上への印刷とい
うコンセプトによるさらなる恩恵は、図6で示したよう
に、完全に覆い尽くすことが、過剰な液滴サイズを用い
ずに実現でき、よって乾燥に要する時間も短縮されると
いう点である。本発明に基づき、2×2の構成の参照ラ
スタ上の4つの画素からなるクラスタの間に噴射される
補完的液滴が、4つのドットからなるクラスタの間の空
白の場所を消し去るほど、大きな液滴が十分には重なり
合わず生じた空白の場所を埋めることができる。ここで
の記述が明白に示すことは、より良い乾燥のためには転
位ラスタを用い、小さな液滴に依って印刷を行い、完全
に覆い尽くすためには十分な重なり合いを有する4つの
大きな液滴サイズを利用するよりも、同色インクの液滴
で埋めるほうがよい、ということである。
【0050】上記表の例8および例9には、600DP
Iモードにおける転位ラスタの使用および、転位ラスタ
に8ピコリットルの液滴を付着させることによる不利益
について例示している。
【0051】例10は、ビット深度が1または2値の1
200DPI解像度における印刷について例示してい
る。参照ラスタ上に位置するドットの近接性から、プリ
ントマスクのために、RIPによって4回のバンドパス
が要求されている。この例においては、転位ラスタ上へ
の印刷は無い。
【0052】当然のことだが、例えば参照ラスタ上の帯
状域に印刷するためのバンドパスのそれぞれのセットの
後に、プリントモードによって、受像媒体は僅かな距離
のインデックスを付される。従って、例えば、上記最初
の7例に関しては、参照ラスタの印刷解像度は300D
PIであり、参照ラスタ上への印刷のための2回のバン
ドパスの後に、受像シートは、そのモードにおいて必要
とあらば、参照ラスタへの印刷のために600分の1イ
ンチ(0.042mm)のインデックスを付けられる。
プリントヘッドは、受像シートにおいて300DPIで
参照ラスタに印刷するように制御されているが、転位ラ
スタ上の画素の位置は参照ラスタ上の画素の位置から6
00分の1インチ(0.042mm)だけ転位してい
る。従って、300DPI解像度の印刷では、プリント
ヘッドは参照ラスタへの印刷であっても、転位ラスタへ
の印刷であっても300分の1インチ(0.085m
m)の送りを受ける。
【0053】転位ラスタによるアプローチは600DP
Iにまで拡張される。このモードでは、各方向へラスタ
は1200分の1インチ(0.021mm)転位する。
転位ラスタによるアプローチは、任意数のバンドパスと
組み合わせて使用できることと同様に、双方向印刷また
は単一方向印刷と組み合わせて使用することができる。
【0054】転位ラスタモードおよび上記制約を満足し
た下での8ピコリットル液滴の使用は、以下に記すプリ
ンタの参照表の指示に基づくことが好ましい。
【0055】本発明の一態様に基づき、プリンタに、様
々な受像媒体を用いて離散量の液滴体積を最適化するイ
メージチェイン構造が与えられる。6つの因子により、
与えられた因子の組み合わせの下での最適な液滴体積を
計算するプリントエンジンの選択可能イメージチェイン
操作が決定される。RIPは、プリンタに送られる印刷
ジョブごとに、これら個々の因子を要求する。これらの
因子とは、 a)解像度(DPI)、 b)ビット深度ないし1画素当りのビット数(BP
P)、 c)バンドパス数(プリントマスクを考慮)、 d)印刷方向、往路のみの印刷(単一方向的)か、復路
においても印刷(双方向的)なのか、 e)インク、 f)媒体、 である。以下は、プリントモードを構成するDPI、B
PP、およびバンドパスの組み合わせ例である。
【表3】
【0056】これらの組み合わせはそれぞれ、単一方向
的にも双方向的にも印刷可能であるので、総計18のプ
リントモードとなり、この例において、インクと媒体の
あらゆる組み合わせを選択可能である。当然だが、上記
は単なる例に過ぎず、本発明に制限を加えるものではな
い。
【0057】図8を参照すると、RIPがDPI、イン
クの種類および媒体の種類を特定している。その結果、
プリンタが個々の、また全ての媒体を取り扱うために可
能な液滴体積の数は膨大になる。被覆因子LUT210
が可能な選択肢の数を減ずる。このLUTが、DPI、
インクの種類および媒体の種類のあらゆる可能な組み合
わせから、どの因子を用いるかを決定する。
【0058】被覆因子は、プリンタの内部的なものであ
り、プリンタのみがその内容を知っている。RIPがこ
のパラメータにアクセスすることは無いので、ホスト
の、プリンタとのインタフェースを構成するソフトウェ
アプログラムの複雑さは大いに軽減される。被覆因子
は、DPI、インク、媒体のあらゆる組み合わせを用い
て多くのサンプル印刷を行い、実験的に決定される。与
えられている例においては、3つの許可された印刷解像
度(DPI)がある。2つのインクの種類(これはいく
つかのプリンタにおいて任意選択可能であり、うち1種
類のインクが使用されると考えられる、つまり、染料ま
たは顔料タイプ)も想定されている。ジョブの要求とし
てプリンタと共に使用するに相応しい、12の異なる表
面を有する代表媒体も想定されている。以下に示すよう
に、これら72の組み合わせは、かなりの数である。し
かし、様々な印刷の組み合わせから決定することで、イ
ンクの被覆に関し、重複物または等価物が生成される可
能性がある。例えば、この72の組み合わせは6つの組
み合わせにまで減少させることが可能で、この数が重要
ではないが、72という膨大な数の組み合わせから相当
量の削減がなされたということがわかる。被覆因子参照
表は3×2×12の表で、それはDPI、インク、およ
び媒体を被覆因子の表にまとめている。
【0059】RIPからの、特定の解像度(DPI)、
インクおよび媒体の組み合わせに関する入力に応じて、
この組み合わせの被覆因子を表すコードが主参照表セレ
クタ220に出力される。別の因子もこの参照表へ入力
される。さらにRIPが解像度(DPI)、ビット深度
(BPP)、バンドパス数、および方向性(単一方向印
刷または双方向印刷)を指定する。プリンタはインクと
媒体を知っている。DPI、インク、および媒体によ
り、被覆因子LUTから被覆因子が決定される。
【0060】主LUTセレクタによってDPI、BP
P、方向性、およびバンドパスは被覆因子と統合され、
イメージチェインに用いるための表を選択するためのポ
インタが生成される。
【0061】例えば、染料と光沢媒体がプリンタに装填
されていると仮定する。RIPは300DPIでの画像
印刷を準備する。300DPIでこのインクと媒体の組
み合わせであれば、該媒体を完全に覆い尽くすためには
各画素あたり72ピコリットル必要であり、それ故、被
覆因子が、最大コード値で72ピコリットルを注入する
プリントモードを指し示す。加えて、RIPがプリンタ
にBPP、バンドパス数、および印刷方向を指定する。
この情報は、DPIと統合され、18のサポートされて
いるプリントモードから1つを特定する。特定されたプ
リントモードは、被覆因子と統合され、イメージチェイ
ン表に示された108のセットから1つを特定する。イ
メージチェイン表の個々のセットには、各色のイメージ
チェインを決定するのに必要な全ての表、LUT、およ
びマトリクスが含まれている。液滴サイズの地図作成、
プリントマスク、および転位ラスタ印刷は、パス表、プ
リントマスク、転位ラスタLUT、および液滴体積LU
Tを用いて完成される。これらの操作は、ホストより送
られたマルチトーン画像データに適用される。その論理
構成図は図9に示されている。
【0062】ホストより送られたマルチトーンデータは
パス表により、媒体に印刷すべきインク液滴の体積を表
すインク堆積インデックスに変換される。2つのパス表
230があり、1つは参照ラスタ上への印刷に用いられ
るものであり、他方は転位ラスタ上への印刷に用いられ
るものである。パス表はマルチトーンレベルの1行と、
1つの列を有する。パス表において、入力データは液滴
体積インデックスである。例では、各ノズルが噴射可能
な液滴体積サイズは5つである。液滴体積インデックス
は3ビットの数で記憶される。液滴体積インデックス
は、液滴体積LUTで、ページ上に付着させるインクの
実際の量を指定するべく、変換される。図10(a)な
いし図10(e)の例において、RIPは300DP
I、1画素当り2ビットのビット深度、およびプリント
マスクを考慮に入れて二回のバンドパスを要求してい
る。
【0063】これらパス表は、図10(e)に示されて
いる液滴体積LUT260を想定している。これらパス
表において、マルチトーンレベル0とは、ページ上にイ
ンクを付着させないことを意味する。マルチトーンレベ
ル1とは、参照ラスタ上に単一の16ピコリットルの液
滴を印刷することを意味する。マルチトーンレベル2と
は、参照ラスタ上に単一の48ピコリットルの液滴を印
刷することを意味する。最後に、マルチトーンレベル3
とは、参照ラスタ上に64ピコリットルの液滴を印刷
し、転位ラスタ上に8ピコリットルの液滴を印刷するこ
とを意味している。
【0064】転位ラスタLUT240は、いつ転位ラス
タ上に印刷すべきかを示している。転位ラスタLUTは
低解像度ラスタおよびそれに対応した低解像度転位ラス
タに適用される。それ故、低解像度ラスタのプリントパ
スおよびそれに対応する低解像度転位ラスタのプリント
パスの合同体における個々のプリントパスに対して1つ
の行がある。入力は、真(T)または偽(F)であり、
真(T)が転位ラスタ上への印刷を意味する。サンプル
の転位ラスタLUTを図10(c)に示す。
【0065】この転位ラスタLUTが示すことは、全て
の奇数番目のプリントパスにおいて、プリンタは転位ラ
スタに印刷すべきであるということである。入力は、以
下の式に従い、転位ラスタLUTから読み込まれる。
【数3】
【0066】ここで%は、剰余の演算子であり、ALR
は低解像度アキュムレータである。前記のように、30
0DPI印刷では1つのアキュムレータが必要で、ま
た、600DPI印刷では2つのアキュムレータが必要
である。なぜならば600DPI印刷では、低解像度ラ
スタは交互的配置を取っているからである。
【0067】生産性に対する関心から、転位ラスタ印刷
は、RIPが単一方向印刷を要求しても、常に双方向印
刷モードで実行される。それ故、プリンタは、プリント
モードが転位ラスタを要求すること、および、必要とあ
らばRIPの要求より優先することを認識しなければな
らない。転位ラスタLUTへの入力は好ましくは交互
に、T、F、T、F、(真、偽、真、偽、)等であるこ
とが望ましい。それ故、双方向印刷で、参照ラスタは常
に1方向で印刷され、転位ラスタは別の方向で印刷され
る。
【0068】RIPが双方向的と呼ぶプリントモードに
おいてのみ、転位ラスタは利用され、RIPが単一方向
的と呼ぶプリントモードにおいて、決して転位ラスタは
用いられないように、イメージチェイン構造の設計決定
してもよい。この理由は、もし単一方向プリントモード
が転位ラスタを使用すると規定されれば、それに対応し
た双方向プリントモードは転位ラスタを使用しないよう
に規定されることが望ましい点にある。さもなくば、プ
リンタユーザは2つのモード間の生産性の差異に気づか
ないのである。この決定とは無関係に、単一方向プリン
トモードに転位ラスタを使用せず、対応した双方向プリ
ントモードも転位ラスタを使用しないように規定するこ
ともできる。さもなくば、やはり、プリンタユーザは2
つのモード間の生産性の差異に気づかない。
【0069】上記、プリントマスクは液滴を空間的に、
また時間的に、利用可能なプリントパスに分配する。図
10(d)にその例が示されているプリントマスク表2
50は、個々の低解像度ラスタおよび個々の低解像度転
位ラスタに関して、入力画像を論理的にデータバッファ
(図示せず)に分割するのに用いられる。以下のプリン
トマスク方程式は、プリントマスク表とパス表を統合す
るのに用いられる。式(a)は、転位ラスタLUTが、
次のプリントパスは参照ラスタ上のものであると示した
場合に選択され、式(b)は、転位ラスタLUTが、次
のプリントパスは転位ラスタ上のものであると示した場
合に選択される。
【数4】
【数5】
【0070】これら方程式において、input[i][j]は、
マルチトーン入力画像の画素(i,j)におけるマルチトー
ンレベルであり、ARRおよびASRは参照ラスタおよ
び転位ラスタのアキュムレータで、maskはプリントマス
クで、(m,m)はプリントマスクの幅と高さであ
り、RRPassTableは参照ラスタパス表、SRPassTableは転
位ラスタパス表、Nはバンドパス数、dataはイメージ
チェインの残余部に移った画像データ、百分率記号%は
剰余演算を表す。
【0071】方程式によれば、しかるべきアキュムレー
タがバンドパス数で剰余演算される。この計算結果を、
画像に両方向的に貼り付けたプリントマスクの値と比較
する。もしこの比較が真であれば、しかるべきパス表の
値がデータバッファに渡る。もしこの比較が偽であれ
ば、ゼロ(滴下せず)がデータバッファに渡る。プリン
トマスクにおける値は0からN−1の範囲にある。
【0072】液滴体積LUTは、液滴インデックスから
インク液滴体積に変換する。液滴体積LUT260は固
定され、変化する必要はない。
【0073】図10(a)−(e)の使用について例示
するために、参照図11、ホストからプリンタへ送られ
たマルチトーン画像の4×6部分で、検討する。プリン
トモードは300DPIで、2ビット画素深度、および
2バンドパスに加えて転位ラスタを用いる故、N=4
である。この画像は、図10に示されているパス表、転
位ラスタLUT、プリントマスク、液滴体積LUTを用
いてプリンタに送られる。
【0074】個々のパスに示されているのは、ページ上
のそれぞれのラスタ位置に付着すべきインク液滴体積を
ピコリットル単位で示したものである。この例で図に示
されているように、左上角を画素を、(0、0)の位置
とする。その位置の2ビット画素は、ホストから0値を
受け取っている。
【0075】第1プリントパスでは、ALRの値は0で
あり、それ故、転位ラスタLUTは、第1プリントパス
は参照ラスタに対するものであると示している。である
から、プリントマスク方程式(a)を参照する場合、A
RRの値が用いられるべきである。これが第1プリント
パスなので、ARRの値も0で、それ故、Nによる剰
余演算は0となる。次に、第1行第1画素に対応するプ
リントマスクの値も0であり、それ故、液滴体積インデ
ックスは参照ラスタパス表から選択される。画素値が0
だから、参照ラスタパス表の0の行が選択される。それ
故、この画素はインデックスAの示す液滴で、参照ラス
タへの第1パスにおいて描像される。液滴体積LUTの
0区分より、これに対応するのは0ピコリットル滴下で
ある。
【0076】同行の次の画素、つまり位置(0、1)
は、1の値を持つ。ALRおよびA の値は、プリン
トパスが完了しないままなので、まだ0である。しかし
ながら、この行のこの画素位置に対応するプリントマス
クの値は1である。この値が非0であるため、参照ラス
タパス表から液滴体積インデックスが選択されることは
ない。それ故、この画素もまた参照ラスタの第1パスに
てインデックスAが示す滴下で描像される。
【0077】同行の次の画素、つまり位置(0、2)の
画素もまた値1を持つ。プリントマスクは画像の両方向
に渡って貼り付けられており、この行のこの画素に対応
するプリントマスクの値は0である。それ故、液滴体積
インデックスは参照ラスタパス表から選択される。画素
の値は1であるので、参照ラスタパス表の1の行が選択
される。それ故、この画素は参照ラスタの第1パスにお
いてインデックスCの示す液滴で描像される。液滴体積
LUTより、これは16ピコリットルの液滴に対応して
いる。
【0078】パスバッファの残りの部分は同様の方法で
構成され、ページ上に液滴が噴射される。第1プリント
パスの後、ALRおよびARRの値が増やされる。次の
プリントパスに関して、ALRの値は1であるから、そ
れ故、転位ラスタLUTが次のプリントパスは転位ラス
タに関するものであることを示す。ノズルが転位ラスタ
と並ぶように用紙は配置される。
【0079】もう一度、左上角、位置(0、0)の画素
について考えてみると、ホストから送られたその位置の
2ビット画素は、0の値を持っている。そして、プリン
トマスク方程式(b)を参照するので、ASRの値が用
いられる。このパスが転位ラスタの第1プリントパスで
あるので、ASRは0である。次に、第1行第1画素位
置に対応するプリントマスクの値もまた0である。それ
故、液滴体積インデックスは転位ラスタパス表から選択
される。その画素の値は0であるので、転位ラスタパス
表の0の行が選択される。それ故、この画素は転位ラス
タに関する第1パスにおいて、インデックスAの示す液
滴で描像される。液滴体積LUTより、これは0ピコリ
ットルの滴下に対応している。
【0080】転位ラスタに関するプリントパスのための
パスバッファを蓄積し続けるので、第2行の最後の画
素、つまり位置(1、5)の、3なる値を持つ画素につ
いて考える。画像に対して、両方向にプリントマスクは
貼りつけられており、この行のこの画素位置に対応する
プリントマスクの値は0である。ASRの値は0なの
で、液滴体積インデックスは転位ラスタパス表から選択
される。画素の値が3なので、転位ラスタパス表の3の
行が選択される。それ故、この画素には、転位ラスタの
第1パスにおいて、インデックスBの示す液滴が描像さ
れる。液滴体積LUTより、これは8ピコリットルの滴
下に対応している。
【0081】同様にパスバッファの残部も構成され、ペ
ージ上の転位ラスタに液滴が噴射される。プリントパス
の後、ALRおよびASRの値が増やされる。次のプリ
ントパスで、ALRの値は2であり、それ故、転位ラス
タLUTは、次のプリントパスは参照ラスタに関するも
ので、用紙はノズルが参照ラスタと並ぶように配置され
ることを示す。
【0082】図12(a)−(e)を参照すると、RI
Pが300DPI印刷解像度、4ビット画素深度、およ
びプリントマスクを考慮に入れた4バンドパスを要求し
ているプリントモードの例を示している。RIPから送
られてくる一画素当り4ビットが、11種のインク体積
(0、8、16、24、32、40、48、56、6
4、72、80)を要求する。しかしながら、液滴体積
LUTに記載のように、個々のノズルは0を含めて6種
類の液滴体積サイズにしか対応していない。しかしなが
ら、転位ラスタを用いることで、参照ラスタ上に16ピ
コリットルの液滴を用い、転位ラスタ上に8ピコリット
ルの液滴を用いることで24ピコリットルの液滴体積は
生成される。同様にして、16ピコリットルの液滴を参
照ラスタ上に用い、8ピコリットルの液滴を参照ラスタ
上に用いることで24ピコリットルの液滴に擬態させる
こともできる。32ピコリットルの液滴を参照ラスタ上
に用い、8ピコリットルの液滴を転位ラスタに用いて4
0ピコリットルの液滴に擬態させること、および48ピ
コリットルの液滴を参照ラスタ上に用い、8ピコリット
ルの液滴を転位ラスタ上に用いて56ピコリットルの液
滴に擬態させることもまた正しい。64ピコリットルの
液滴を参照ラスタ上に用い、8ピコリットルの液滴を転
位ラスタ上に用いて72ピコリットルの液滴を生成する
ことについては前に議論をしている。上記のように、転
位ラスタはより大きなサイズの液滴を生成するのにも利
用可能で、上記例においては8ピコリットルである。こ
のように、80ピコリットルの液滴は、64ピコリット
ルの液滴を参照ラスタに印刷するとともに転位ラスタ上
に16ピコリットルの液滴をそれに隣接する転位ラスタ
上へ印刷することで、転位ラスタ上への印刷の間に生成
される。
【0083】図13(a)−(e)を参照すれば、さら
に別のプリントモードの例が示されている。この例にお
いて、RIPは300DPI解像度、4ビット画素深
度、およびプリントマスクを考慮に入れた2バンドパス
を要求している。このような印刷に関し、印刷には7種
(0、8、16、32、48、64、72)のドットサ
イズのみが想定されている。この例において、72を除
く全てのドットサイズはプリントヘッドによって対応す
るが、72のドットサイズは、上記記述から今や明らか
となった方法で、転位ラスタを使用している。
【0084】ここで示されている様々な例において、留
意すべきは、ページの同一領域上のプリントヘッドの連
続的な運動を伴う1セットのパスの間、例えば参照ラス
タの印刷に関して、受像体は全てのパスが完了するまで
動かないということである。しかしながら、インターレ
ース技術が知られ、例えばページはパス毎にプリントヘ
ッドの高さの4分の1ずつ進む。本発明は、そのような
様式のプリントマスクやインターレースの帯状域印刷で
も同等に適用できる。
【0085】液滴を配着させることにより完全な被覆を
達成するばかりでなく、それを一画素あたりより少ない
インク量で達成している。以下の式で与えられる標準的
なドット直径と液滴体積との関係を考察してみる。
【数6】 ここで、dはミクロン単位でのドット直径、vはピコリ
ットル単位での液滴体積である。それ故、液滴体積は以
下の式で表される。
【数7】
【0086】完全な被覆を達成する単位画素あたりの総
液滴体積は、大きな液滴の体積と小さな液滴の体積の合
計で与えられ、つまり以下の式で与えられる。
【数8】
【0087】ここでVは大きな液滴の体積、Vは小
さな液滴の体積である。極端な場合においては、図3に
示すように大きな液滴が完全な被覆を実現するのに十分
な大きさであり、それ故V=0である。他の極端な場
合では、大きな液滴と小さな液滴が同一のサイズ(図示
せず)で、従ってV=Vである。ラスタの間隔を
p、大きな液滴の直径をd、そして完全な被覆を達成
する小さな液滴の直径をdとして、dの最小値は次
式で与えられる。
【数9】
【0088】数式4、数式5、および数式6より、次式
を得る。
【0089】この式は、図15にp=85ミクロンとし
てプロットした。このpは、およそ300DPIのラス
タ間隔である。極端な場合においては、小さな液滴は不
要で、大きな液滴のドット直径は、85×(√2)=1
20ミクロンで与えられる。別の極端な場合では、大き
な液滴と小さな液滴は同一のサイズで、両直径はラスタ
間隔、つまり85ミクロンに等しい。図15より見て取
れることは、この2つの極端な場合の間のあらゆる液滴
サイズが、より少量の総インク体積で完全な被覆を達成
していることである。
【0090】当業者であれば、図15にプロットされた
関係は、数式3において言及した一般的なドットサイズ
と液滴体積の関係に基づいていることを認識する。図1
5に描かれた曲線の形状は、選ばれた特定のドットサイ
ズと液滴体積との関係に依存して変化する。本発明にお
いて画像記録素子として用いたインクジェットインク
は、当該技術分野においては周知のものである。
【0091】他の本発明実施の形態においては、画像デ
ータの収集および試験に基づき、参照ラスタに印刷すべ
き画像データに、例えば2×2のクラスタが存在する
か、を決定する。クラスタが見出された場合、それらは
完全な被覆を要求しており、転位ラスタに補完的滴下が
なされることを意味している。このように、クラスタの
存在が、低減されたインクの消費量で完全に覆い尽くす
ために転位ラスタに補完的に液滴を噴射させるか否かの
選択の判断基準となっている。
【0092】本発明で使用される画像記録媒体は、当該
技術分野においては周知のものである。記録媒体の例と
して、ボンド紙、定形紙、ビニール、布、つや消しコー
ト紙、およびサテン、準光沢もしくは光沢仕上げの写真
画質紙がある。しかし、それらに限定される訳ではな
い。
【0093】ここで示された様々な実施の形態は典型例
であり、上述の論理演算を実行するためにコンピュータ
または分離的な構成部品を用いる異形式での実施も可能
である。
【0094】
【発明の効果】本発明は、マルチトーン印刷および転位
ラスタを使用するインクジェットプリンタを用いて受像
媒体上に完全な被覆を実現するための印刷方法およびそ
の装置に関する。本発明は間隙の画素位置に、インクに
よる完全な被覆をもたらすもので、そうしなければ、そ
れら画素位置は空白として残るかまたは非効率的インク
使用により空白を塗りつぶすことになるものである。従
って、本発明は完全に覆い尽くす部分のある印刷を行う
場合にインクの乾燥時間に改良をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明を組み込んだプリンタの概略的
斜視図である。(b)図1(a)のプリンタのプリント
ヘッドの1つとして使用されているインクジェットプリ
ントヘッドモジュールの斜視図である。(c)図1
(b)のプリントヘッドモジュール用の、ノズル開口部
を備えたノズルプレートの図である。
【図2】 図1(c)のノズルプレートの概略図で、ノ
ズル開口部の交互交代的な配列を例示している。
【図3】 4つのドットからなる2×2のクラスタが印
刷されたときに、それらにより完全に覆い尽くされるた
めに必要とされるドットサイズの例である。
【図4】 参照ラスタ(太線)と転位ラスタ(細線)の
例図である。
【図5】 (a)非交互交代的配置の当然であるが、さ
らに単一のノズル列からなるノズルデザインも使用可能
である。
【図6】 参照ラスタおよび転位ラスタへの印刷例の図
である。これは転位ラスタ上への補助的ドットの概念を
示すもので、用いられている最大ドットサイズは完全な
被覆を実現するのに必要なサイズよりも小さく、背面か
ら現れる白い場所がないように完全に覆い尽くしてお
り、これはインクの消費を減じ、乾燥時間を改善するの
に有利である。
【図7】 本発明で用いられている画像処理アーキテク
チャの概略的ブロック図である。
【図8】 画像処理アーキテクチャにおける必要なメモ
リ量を減ずるために利用する参照表の概略図である。
【図9】 様々な表への入出力のために利用するイメー
ジチェインアーキテクチャの1例の概略図である。
【図10】 (a)−(e)はジョブの要求に応答し
て、図8の主参照表セレクタから出力される表値の組み
合わせの例である。
【図11】 選択された画素位置における様々なドット
濃度を要請するRIPからの入力要求の例図であり、如
何にしてこれらの要求が、個々のパスにおけるプリンタ
による選択されたドット体積のインク液滴の噴射で完遂
されるかを例示している。
【図12】 (a)−(e)は、異なるそれぞれのジョ
ブパラメータの要請に基づいて主参照表セレクタが作成
する表値の組み合わせの補足的例である。
【図13】 (a)−(e)は、異なるそれぞれのジョ
ブパラメータの要請に基づいて主参照表セレクタが作成
する表値の組み合わせの補足的例である。
【図14】 完全な被覆を実現するためになされた、参
照ラスタ上への4つの大きな滴下と転位ラスタ上への4
つの小さな滴下の図である。
【図15】 完全な被覆を実現するための総インク体積
を、最大ドット半径の関数としてプロットした図であ
る。
【符号の説明】
10 ・・・ プリンタ 11 ・・・ キャリッジ 25 ・・・ プリントヘッドモジュール 31 ・・・ インクジェットプリントヘッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個々のノズルが、作動時に大きなインク
    液滴サイズと小さなインク液滴サイズを含む、少なくと
    も2つのインク液滴サイズを選択的に生成可能なノズル
    の列を有する、インクジェットプリントヘッド、 および、個々の画素位置に、個々の最大濃度値を示す画
    素濃度信号に応答して、個々の参照ラスタ上の画素位置
    に大きなインク液滴サイズのインク液滴を印刷すること
    をノズルに指示する信号および個々の該画素位置に隣接
    する転位ラスタ上の画素位置に小さなインク液滴サイズ
    のインク液滴を印刷することを、同一もしくは異なるノ
    ズルに指示する信号を備えたコントローラを有するイン
    クジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 個々のノズルが、作動時にインク液滴を
    選択的に生成可能なノズルの列を有する、インクジェッ
    トプリントヘッド、 および個々の画素位置において最大濃度値を要求する信
    号に応答して参照ラスタ上の個々の画素位置に大きなイ
    ンクドットを印刷し、またそれぞれの該画素位置に隣接
    する転位ラスタ上の画素位置に小さなインクドットを印
    刷するプリントヘッドを制御する画素濃度信号に反応す
    るコントローラを有する、 隣接インクドットの2×2の集合体ないしクラスタ、大
    きなインクのドットサイズ、および参照ラスタの隣接画
    素位置に関し、クラスタの中心に間隙を残し、隣接ドッ
    トの2×2の集合体の中心の転位ラスタ上の小さなイン
    クドットがその間隙を埋める大きさであるような、大き
    なインクドットおよび小さなインクドットのそれぞれが
    個別の大きさを持つインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 個々のノズルが、作動時に大きなインク
    液滴サイズと小さなインク液滴サイズを含む、少なくと
    も2つのインク液滴サイズを選択的に生成可能なノズル
    の列を有する、インクジェットプリントヘッドを供する
    段階、 および、受像体の画素位置のそれぞれにおいて、個々の
    最大濃度値を示す画素濃度信号に応答して、参照ラスタ
    上の画素位置のそれぞれに大きなインク液滴サイズのイ
    ンクの液滴を印刷し、それぞれの画素位置に隣接した転
    位ラスタ上の画素位置に小さなインク液滴サイズのイン
    クの液滴を印刷する段階を有する、インクジェットプリ
    ンタによる印刷の方法。
  4. 【請求項4】 個々のノズルが、作動時にインク液滴を
    選択的に生成可能なノズルの列を有する、インクジェッ
    トプリントヘッドを供する段階、 および個々の画素位置において最大濃度値を要求する信
    号に応答して参照ラスタ上の個々の画素位置に大きなイ
    ンクドットを印刷し、またそれぞれの該画素位置に隣接
    する転位ラスタ上の画素位置に小さなインクドットを印
    刷する段階を有し、 隣接インクドットの2×2の集合体ないしクラスタ、大
    きなインクのドットサイズ、および参照ラスタの隣接画
    素位置に関し、クラスタの中心に間隙を残し、隣接ドッ
    トの2×2の集合体の中心の転位ラスタ上の小さなイン
    クドットがその間隙を埋める大きさであるような、大き
    なインクドットおよび小さなインクドットのそれぞれが
    個別の大きさを持つインクジェットプリンタによる印刷
    の方法。
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