JP2003071300A - イオン交換装置の製造方法及びイオン交換装置 - Google Patents

イオン交換装置の製造方法及びイオン交換装置

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JP2003071300A
JP2003071300A JP2001266755A JP2001266755A JP2003071300A JP 2003071300 A JP2003071300 A JP 2003071300A JP 2001266755 A JP2001266755 A JP 2001266755A JP 2001266755 A JP2001266755 A JP 2001266755A JP 2003071300 A JP2003071300 A JP 2003071300A
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ion
cation exchange
anion exchange
container
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Tomoaki Deguchi
智章 出口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異種のイオン交換体の充填を工夫して脱塩室
から濃縮室への不純物イオンの移動をスムーズにするこ
とにより脱塩効率を高めること。 【解決手段】 比重の異なる異種のイオン交換体を含
む、スラリー状の混合体4を作成する工程と、この混合
体4を収容した容器5を振動させることによって、主に
比重の小さいイオン交換体から構成される層と主に比重
の大きいイオン交換体から構成される層とを形成する工
程と、を少なくとも含むように構成されたイオン交換装
置の製造方法、及び電極9a、9b間にアニオン交換膜
Aとカチオン交換膜Cとを交互に配列して濃縮室8と脱
塩室7が交互に形成され、少なくとも脱塩室7にはアニ
オン交換樹脂1とカチオン交換樹脂2が混合充填され、
前記脱塩室7には、主にアニオン交換樹脂1を含むアニ
オン交換樹脂層101と主にカチオン交換樹脂2を含む
カチオン交換樹脂層201とが形成されているイオン交
換装置(電気的脱イオン装置13等)を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン交換装置の
製造方法及びイオン交換装置に関する。詳細には、容器
(イオン交換室)へのイオン交換体の充填工程が工夫さ
れたイオン交換装置の製造方法及び少なくとも脱塩室が
アニオン交換樹脂層とカチオン交換樹脂層を備えるよう
に工夫されたイオン交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気的脱イオン装置等のイオン交換装置
において、異種のイオン交換体、例えば、アニオン交換
樹脂とカチオン交換樹脂が混合充填されたイオン交換室
(脱塩室又は希釈室)が設けられる場合がある。
【0003】この種のイオン交換室を形成する場合の方
法としては、(1)各々計量した異種のイオン交換体を
そのままの性状で混合し、水平に設置してある容器(容
器)に手投入により充填する方法、(2)イオン交換
室、例えば電気脱イオン装置の脱塩室や濃縮室等として
利用されることになる容器、即ちイオン交換膜が壁面に
接着又は溶着されている容器若しくはこの容器が積層さ
れて形成されたモジュールに対して、予めスラリー状態
に調整されたイオン交換体を充填する方法、(3)イオ
ン交換体を乾燥収縮させた上で、ポリエチレン等の接着
バインダーを混合し、熱を加えるとともに圧力をかけて
成型し、固形化して容器に充填する方法、などがあり、
従来から採用されている。
【0004】これら従来の方法では、異種のイオン交換
体がランダムに混ざった状態で充填される構成により、
アニオンとカチオンの双方のイオン交換能を備えた容器
が形成される。
【0005】この容器は、所定の加工を経てイオン交換
装置に組み込まれることになる。例えば、電極間にアニ
オン交換膜とカチオン交換膜とが交互に配列され、脱塩
室と濃縮室が交互に形成されている電気的脱イオン装置
の脱塩室等として利用されることになる。
【0006】この電気的脱イオン装置では、脱塩室に流
入した原水中に含まれる不純物イオンが、イオン交換体
の表面に電気的吸引力によって保持されている同符合の
イオンと当量的に交換する。交換されたイオンは、親和
力、濃度及び移動度(ドリフト移動度)に基づいて、電
位をかけた電極の方向(被処理水の流れに対して略直角
方向)に移動して電気化学的にイオン交換膜を透過し、
イオン交換室外(濃縮室)へ出て行く。この作用によっ
て、脱塩室を流下する被処理水中の不純物イオンが徐々
に減少し、脱イオン水が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術では、脱塩室に異種のイオン交換体が混合状
態で充填されている結果、脱塩室を区画しているイオン
交換膜の周辺に、このイオン交換膜と対立する異種のイ
オン交換基を備えるイオン交換体が対向又は接触してい
る部分が多数存在するようになる。この部分では、水が
電気分解して(水がスプリットして)、水酸イオン(O
)や水素イオン(H)が発生することになる。
【0008】このため、被処理水中の不純物イオンが、
同符合のイオン交換膜を透過して脱塩室から濃縮室に移
動しようとする際に、不純物イオンと対立する異種の水
酸イオン又は水素イオンが、イオン交換膜近傍において
不純物イオンの移動を阻害し、脱塩効率の低下を招いて
いた。
【0009】そこで、本発明の目的は、異種のイオン交
換体の充填方法及び充填形態を工夫して、脱塩室から濃
縮室への不純物イオンの移動をスムーズにすることによ
り脱塩効率を高めることができる、イオン交換装置の製
造方法及びイオン交換装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した技術的課題を解
決するために、本発明では以下の手段を採用することと
した。
【0011】まず、本発明では、少なくとも、次の
(1)、(2)の工程を含む、比重の異なる異種のイオ
ン交換体を充填した容器を備えるイオン交換装置の製造
方法を提供する。
【0012】(1)二つの比重の異なる異種のイオン交
換体を含む、スラリー状の混合体を作成する工程。 (2)(1)の混合体を収容した容器を振動させること
によって、主に比重の小さいイオン交換体から構成され
る層と主に比重の大きいイオン交換体から構成される層
とを形成する工程。
【0013】即ち、本発明では、まず、二つの比重の異
なる異種のイオン交換体を、適当な濃度の溶媒に混合す
ることによって得られたスラリー状態の混合体を、振動
可能に構成された台座の上に水平に設置されている容器
(容器)に収容する。
【0014】この容器を振動させることによって、容器
内部に収容されたイオン交換体を、その比重差と溶媒の
濃度を利用して、溶媒中を移動させ、比重の小さいイオ
ン交換体を上方領域へ、比重の大きなイオン交換体を下
方領域へ、それぞれ集積するように工夫する。
【0015】上記製造方法では、容器外部でスラリー状
の混合体を予め調整作成した後に、台座に水平に載置さ
せてある容器に充填する工程や同容器にイオン交換体の
みをそのままの性状で充填し、続いて所定の溶媒を容器
内部に流入させて、スラリー状の混合体を調整作成する
工程を採用することができる。
【0016】上記イオン交換体としては、不溶性であっ
て、比重差のあるイオン交換体であれば広く使用でき
る。例えば、比重の異なるアニオン交換樹脂とカチオン
交換樹脂が、好適である。また、アニオン交換樹脂、カ
チオン交換樹脂のいずれかと、両性イオン交換の組み合
わせも、比重差があれば採用できる。
【0017】ここで、上記したスラリー状の混合体の作
成にあたっては、混合体中のイオン交換体の濃度を、イ
オン交換体がその比重差によって移動できる程度の条件
に整えることが必要である。これは、スラリー状の混合
体中においてイオン交換体が過密状態となると、容器を
振動してもイオン交換体が自由に移動できず、比重差に
よる分離ができなくなるからである。
【0018】一方、混合体中のイオン交換体の濃度を低
くし過ぎると、スラリー状態を形成することができない
ので、容器内において異種のイオン交換体を上下に分離
しても、その分離状態をそのまま維持することが困難と
なるので、好ましくない。通常、スラリー中のイオン交
換体の濃度は、50〜70容量%とする。
【0019】次に、本製造方法において、使用される溶
媒は、イオン交換機能に悪影響を与えず、かつイオン交
換体の移動をスムーズに行うことができるという条件を
満たす必要がある点から、食塩水を使用するのが好まし
い。
【0020】食塩水の濃度は、1〜10%が好ましい。
1%未満では、イオン交換体の移動が早くなりすぎ、1
0%を超えるとイオン交換体の移動が遅くなりすぎるか
らである。
【0021】容器の振動数は、基本的には、混合体の性
状に応じて、異種のイオン交換体が、その比重差によっ
て確実に分離される振動数を選択すればよいが、好まし
くは5〜50回/秒、さらに好ましくは10〜20回/
秒の振動数に設定する。
【0022】その理由は、振動数が5回/秒よりも少な
くなると分離時間が急激に長くなって作業効率が低下す
ることになり、一方、振動数が50回/秒より多くなる
とイオン交換体を含む水溶液が激しく攪拌され始めるよ
うになるため、比重差を利用したイオン交換体の分離自
体が困難となってしまうからである。振動数を10〜2
0回/秒に設定すれば、混合体の広範囲な性状にわたっ
て、分離時間を短かくでき、イオン交換体の分離を容易
かつ確実に行うことができる。
【0023】イオン交換体が収容される容器の形状は、
直方体、円筒形、多角形など、種々の形状を広く採用す
ることができ、複数の小室に細分化されている形態であ
ってもよい。イオン交換室、例えば電気脱イオン装置の
脱塩室等として、そのまま利用されることになる容器、
即ちイオン交換膜によって閉塞された容器若しくはこの
容器が積層されて形成されたモジュールも採用できる。
更には、米国特許5,203,976号に開示されてい
るようなスラリー状イオン交換体の導入装置に設けられ
たようなモジュールも採用できる。
【0024】なお、本発明は、電気的脱イオン装置など
の種々のイオン交換装置の製造方法として、より詳細に
は、種々のイオン交換装置の製造工程における、イオン
交換室の製造方法として、幅広く適用できる。
【0025】次に、本発明に係るイオン交換装置は、電
極間にアニオン交換膜とカチオン交換膜とを交互に配列
されて濃縮室と脱塩室が交互に形成され、少なくとも前
記脱塩室にはアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂が混
合充填されているイオン交換装置(即ち電気的脱イオン
装置)であって、前記脱塩室に、主にアニオン交換樹脂
を含むアニオン交換樹脂層と主にカチオン交換樹脂を含
むカチオン交換樹脂層とが形成されたものである。
【0026】本装置は、アニオン交換樹脂層とカチオン
交換樹脂がランダムに混合されていた従来の脱塩室と異
なって、主にアニオン交換樹脂を含むアニオン交換樹脂
層と主にカチオン交換樹脂を含むカチオン交換樹脂層が
分離充填された脱塩室を備えている。
【0027】更には、アニオン交換膜とカチオン交換膜
によって閉塞されている脱塩室において、アニオン交換
膜の周囲にはアニオン交換樹脂層が、カチオン交換膜の
周囲にはカチオン交換樹脂層が、それぞれ形成されたイ
オン交換室(脱塩室)を備えたイオン交換装置を提供す
ることができる。
【0028】この構成(構造)のイオン交換室(脱塩
室)は、本発明に係る上記製造方法において、比重が大
きい方のイオン交換樹脂と同符合のイオン交換膜を容器
の底面に接着又は溶着しておくように工夫し、このイオ
ン交換膜の周辺に(比重の大きい)同符号のイオン交換
樹脂を沈着させることによって、形成することができ
る。
【0029】具体的には、アニオン交換樹脂の方がカチ
オン交換樹脂よりも比重が大きい場合は、容器の底部に
アニオン交換膜を接着又は溶着させる。そして、該容器
を振動させてアニオン交換膜に比重の大きいアニオン交
換樹脂を沈着させるとともに、容器上方領域に集まって
いる比重の小さいカチオン交換樹脂の上面をカチオン交
換膜で閉塞することにより、イオン交換室を形成するこ
とができる。
【0030】カチオン交換樹脂の方がアニオン交換樹脂
よりも比重が大きい場合は、容器の底部にカチオン交換
膜を接着又は溶着させる。そして、該容器を振動させて
カチオン交換膜に比重の大きいカチオン交換樹脂を沈着
させるとともに、容器上方領域に集まっている比重の小
さいアニオン交換樹脂の上面をアニオン交換膜で閉塞す
ることにより、イオン交換室を形成することができる。
【0031】なお、アニオン交換樹脂及びカチオン交換
樹脂の混合比率は、4:1〜1:4とするのが好まし
い。これは、被処理水中に炭酸イオンなどのアニオンや
アンモニウムイオン等のカチオンが含まれている場合で
も、双方のイオン交換を効率よくかつ確実に行うために
好適な条件だからである。即ち、この範囲外では、弱電
解質のアニオンとカチオンのいずれかのイオン交換機能
が十分に発揮されないおそれがある。
【0032】以上のように、本発明は、異種のイオン交
換体が分離配置され、更には、イオン交換膜の周囲に該
イオン交換膜と同符合のイオン交換体の層が形成された
新規な構造を有するイオン交換室を備えたイオン交換装
置の製造方法と同イオン交換室を備えたイオン交換装置
を、脱イオン水を使用する半導体産業界、原子力産業界
等に提供できるという技術的意義を有している。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図面に基づいて説明する。
【0034】まず、本発明に係るイオン交換装置の製造
方法の好適な実施形態を実施例に基づいて説明する。図
1は、第1実施例の工程を簡略化して示した図、図2
は、第2実施例の工程を簡略化して示した図である。
【0035】
【実施例】第1実施例。まず、図1中(a)で示される
工程において、符号1で示すアニオン交換樹脂と符号2
で示すカチオン交換樹脂を、図示しない容器に1〜10
%濃度の食塩水3とともに投入し、攪拌することによっ
て、スラリー状の混合体4を作成する。
【0036】そして、この混合体4を容器(セル)5に
投入する。この容器5は、水平方向(図1(b)の符号
Hで示す矢印方向)に、適宜の手段により振動可能に構
成された台座6に水平に載置されており、容器5の底面
501には、カチオン交換膜Cが設けられている。
【0037】なお、図1、2に示した容器5は、イオン
交換室(脱塩室)を構成する所定形状を備えたフレーム
であって、説明の便宜上、その形状を簡略化して表した
ものである。
【0038】続いて、図1中(b)で示される工程にお
いて、混合体4を収容した容器5を水平方向Hに振動さ
せる。ここで、本第1実施例では、アニオン交換樹脂1
の比重よりもカチオン交換樹脂2の比重の方が大きい場
合を想定していることから、カチオン交換樹脂2は、容
器5の振動によって同容器5の底部501側に沈下し始
める。
【0039】そして、カチオン交換樹脂2は、最終的に
低部501の近傍領域に集まって沈着し、カチオン交換
樹脂層201を形成する。一方、比重の小さなアニオン
交換樹脂1は、カチオン交換樹脂層201の上方領域に
集まり、符号101で示すアニオン交換樹脂層101を
形成する。
【0040】このようにして、容器5内部は、アニオン
交換樹脂層101とカチオン交換樹脂層201とが、ほ
ぼ上下二層に分離した状態となり(図1(c)参照)、
容器底部のカチオン交換膜Cの周辺領域は、カチオン交
換樹脂2によって占有されることになる。
【0041】なお、アニオン交換樹脂層101とは、主
にアニオン交換樹脂1が含まれている樹脂層を意味し、
カチオン交換樹脂層201とは、主にカチオン交換樹脂
2が含まれている樹脂層を意味するものであって、アニ
オン交換樹脂1とカチオン交換樹脂2が完全に分離され
た状態が要求されるものではない。
【0042】次工程では、図1中(d)で示すように、
上方がアニオン交換膜Aによって閉塞された容器5内部
において、食塩水を脱塩水と入れ換えることにより、ア
ニオン交換樹脂1とカチオン交換樹脂2が徐々に膨潤す
る。これによって、アニオン交換膜Aとカチオン交換膜
Cで挟みつけられた容器5の内部は、イオン交換樹脂
1,2が緻密に充填された状態となる。このため、ショ
ートパスなどの偏流が起き難い。なお、符号1aと符号
2aは、それぞれ膨潤した状態のアニオン交換樹脂とカ
チオン交換樹脂を表している。
【0043】第2実施例。以下、図2に基づいて、本発
明に係るイオン交換装置の製造方法の第2実施例につい
て説明する。
【0044】図2(a)で示すように、本実施例では、
まず最初に、底面部501がカチオン交換膜Cで閉塞さ
れた容器5を形成する。そして、この容器5内部へ、ア
ニオン交換樹脂1とカチオン交換樹脂2をそれぞれ乾燥
状態で所定量(所定割合)で投入し、アニオン交換膜A
で容器5の上方開口部を閉塞する。
【0045】次に、図2(b)で示すように、適宜選択
された1〜10%濃度の範囲内の食塩水3を、容器5の
内部に図示しない所定孔から流入し、スラリー状の混合
体4を作成する。続いて、図2(c)で示すように、容
器5が水平に載置されている台座6を、水平方向Hに振
動させる。
【0046】図2(d)は、振動後の容器5の内部の状
態を示している。底面のカチオン交換膜Cの周辺には、
比重の大きいカチオン交換樹脂2が集積して、カチオン
交換樹脂層201が形成される。このカチオン交換樹脂
層201の上方領域には、アニオン交換樹脂1が集積し
て、アニオン交換層101が形成される。そして、図2
(e)に示すように、食塩水を脱塩水と入れ換えること
により、容器5内部の交換樹脂1,2は、徐々に膨潤し
て緻密に充填された状態となる。
【0047】以上説明した製造工程によって得られた、
図1(d)、図2(e)で示す容器5は、電気的脱イオ
ン装置などのイオン交換装置の脱塩室7等として利用さ
れることになる。
【0048】この脱塩室7の一実施形態(7a)の構成
を具体的に説明する。図3は、イオン交換装置への配置
方向に従って、(内部の一部を切り裂いた)脱塩室7a
の具体的構成を示す分解斜視図である。
【0049】脱塩室7は、切り裂かれた容器5内部の断
面の一部を拡大する丸囲い図Xに示すように、矩形枠体
状の容器(フレーム)5の内部に、アニオン交換樹脂1
とカチオン交換樹脂2が、上下方向に沿って左右に分離
配置されて充填され、アニオン交換膜A側にはアニオン
交換樹脂層101、カチオン交換膜C側にはカチオン交
換樹脂層201がそれぞれ配置されている。
【0050】なお、容器(フレーム)5の上辺には、被
処理水(原水)10(図6参照)を容器5内部に導入す
るための通水孔502及び濃縮水(流入側)の通水孔5
03が形成され、容器(フレーム)5の下辺には、脱塩
水11の通水孔504及び濃縮水(排出側)の通水孔5
05が形成されている。被処理水(原水)10用の通水
孔502と脱塩水11の通水孔504は、切り欠き状の
小水路506,507を介して、容器(フレーム)5の
内側に連通している。
【0051】ここで、本発明を適用できる脱塩室7の他
の実施形態として、容器5内部を所定形状の区画部材5
08で細分化された構成である、図4に示すような脱塩
室7bを挙げることができる。
【0052】即ち、脱塩室7bは、多数の六角形の小室
509に細分化され、各小室509,509,…には、
アニオン交換樹脂1とカチオン交換樹脂2が緻密に分離
充填されている。すべての小室509においてアニオン
交換膜A側にはアニオン交換樹脂層101、カチオン交
換膜C側にはカチオン交換樹脂層201がそれぞれ配置
された構成となっている(図5参照)。
【0053】小室509に細分化された脱塩室7bにお
いては、系外で作成したスラリー状の混合体4を各小室
509に充填していくことは作業効率が悪いため、所定
の比率のアニオン交換樹脂1とカチオン交換樹脂2を乾
燥状態で、所定の比率で小室509毎に投入し、その
後、所定濃度の食塩水を各小室509内に流入し、モジ
ュール全体を振動させることによって、アニオン交換樹
脂1とカチオン交換樹脂2を分離する工程が好適とな
る。
【0054】なお、この実施形態では、各小室509,
509,…単位で、アニオン交換樹脂1とカチオン交換
樹脂2の充填比率を適宜変えることができる。即ち、ア
ニオン交換樹脂層101、とアニオン交換樹脂層201
の厚み(幅)の配分を各小室509,509,…単位で
変えることができる。また、区画部材508の形状は、
矩形、丸形、三角形、多角形等を含む種々の形状を採用
することができる。
【0055】以下、本発明に係るイオン交換装置の構成
を説明する。
【0056】図6は、本発明に係るイオン交換装置の好
適な実施形態である電気的脱イオン装置13の構成を簡
略化して示した図である。
【0057】電気的脱イオン装置13は、脱塩室7と濃
縮室8が、アニオン交換膜Aとカチオン交換膜Cによっ
て隔てられて、電極9a,9b同士の間に交互に配列さ
れている。
【0058】本装置13では、濃縮室8にもイオン交換
樹脂1,2が充填された構成となっている。これは、濃
縮室8にイオン交換樹脂1,2を充填されることによ
り、電流が流れ易く、また、乱流効果も改善され、電流
効率が向上するからである。
【0059】さらに、濃縮室8においても、アニオン交
換樹脂1とカチオン交換樹脂2を分離配置する構成を採
用することによって、濃縮室8側のイオン交換膜周辺領
域において、脱塩室7から透過してきた不純物イオンの
移動が阻害されることがなくなるので、脱イオン作業が
より円滑なものとなる。
【0060】この装置13では、陽極9aと陰極9bの
間に電圧を印加しながら、脱塩室7に不純物イオンを含
む原水10を流入させて脱塩し、脱イオン水11を得
る。それとともに、アニオン交換膜Aとカチオン交換膜
Cをそれぞれ透過してきた不純物イオンを濃縮室8に流
入させ、不純物イオンが濃縮された濃縮水12を排出す
る。
【0061】図6に示すように、装置13では、脱塩室
7中の異種のイオン交換樹脂1,2が、それぞれ同符合
のイオン交換膜A,C側の領域に集まって分離配置され
た構成であるため、イオン交換膜A,Cの周辺では、こ
のイオン交換膜A,Cとそれぞれ対立する異種のイオン
交換基を備えるイオン交換樹脂が対向していないので、
水が電気分解して、水酸イオン(OH)や水素イオン
(H)が発生することがない。電気分解による水のス
プリットは脱塩室7のアニオン交換樹脂1とカチオン交
換樹脂2とが接した部分でのみ起こる。
【0062】このため、原水(被処理水)10中の不純
物イオンが、同符合のイオン交換膜を透過して脱塩室7
から濃縮室8に移動しようとする際に、該不純物イオン
と対立する異種の水酸イオン又は水素イオンが、該不純
物イオンの移動をイオン交換膜近傍において阻害するこ
とがなくなる。
【0063】
【発明の効果】本発明に係るイオン交換装置の製造方法
及びイオン交換装置では、比重差のある異種のイオン交
換体を分離配置することによって、脱塩室から濃縮室へ
の不純物イオンの移動をスムーズにすることができる。
従って、脱塩効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン交換装置の製造方法の第1
実施例の工程を簡略化して示した図
【図2】同方法の第2実施例の工程を簡略化して示した
【図3】イオン交換装置への配置方向に従って、(内部
を一部切り裂いた)脱塩室(7a)の具体的構成を示す
分解斜視図
【図4】容器(5)内部を所定形状の区画部材(50
8)で細分化された構成の脱塩室7bの具体的構成を示
す分解斜視図
【図5】図4中符号Yで示される区画部材(508)の
一部を断面で示す部分拡大図
【図6】電気的脱イオン装置(13)の構成を示した簡
略図
【符号の説明】
1 アニオン交換樹脂 2 カチオン交換樹脂 4 (スラリー状の)混合体 7(7a、7b) 脱塩室 8 濃縮室 9(9a,9b) 電極 101 アニオン交換樹脂層 201 カチオン交換樹脂層 A アニオン交換膜 C カチオン交換膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比重の異なる異種のイオン交換体を充填
    した容器を備えるイオン交換装置の製造方法であって、 比重の異なる異種のイオン交換体を含む、スラリー状の
    混合体を作成する工程と、 前記混合体を収容した容器を振動させることによって、
    主に比重の小さいイオン交換体から構成される層と主に
    比重の大きいイオン交換体から構成される層とを形成す
    る工程と、 を少なくとも含むことを特徴とするイオン交換装置の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記イオン交換体は、比重の異なるアニ
    オン交換樹脂とカチオン交換樹脂から構成されたことを
    特徴とする請求項1記載のイオン交換装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 電極間にアニオン交換膜とカチオン交換
    膜とを交互に配列して濃縮室と脱塩室が交互に形成さ
    れ、少なくとも前記脱塩室にはアニオン交換樹脂とカチ
    オン交換樹脂が混合充填されているイオン交換装置であ
    って、 前記脱塩室には、主にアニオン交換樹脂を含むアニオン
    交換樹脂層と主にカチオン交換樹脂を含むカチオン交換
    樹脂層とが形成されたことを特徴とするイオン交換装
    置。
  4. 【請求項4】 前記アニオン交換膜の周囲には前記アニ
    オン交換樹脂層が、前記カチオン交換膜の周囲には前記
    カチオン交換樹脂層が、それぞれ形成されたことを特徴
    とする請求項2記載のイオン交換装置。
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