JP2003071244A - フルオロカーボンの分解処理剤及び分解処理方法 - Google Patents

フルオロカーボンの分解処理剤及び分解処理方法

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JP2003071244A
JP2003071244A JP2001270367A JP2001270367A JP2003071244A JP 2003071244 A JP2003071244 A JP 2003071244A JP 2001270367 A JP2001270367 A JP 2001270367A JP 2001270367 A JP2001270367 A JP 2001270367A JP 2003071244 A JP2003071244 A JP 2003071244A
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fluorocarbon
decomposition treatment
decomposition
treatment agent
lithium
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Koichi Kitahara
宏一 北原
Kenji Otsuka
健二 大塚
Yoji Nawa
洋二 名和
Tomohisa Ikeda
友久 池田
Yukifumi Ochi
幸史 越智
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造工程等から排出される排ガスに含
まれるCF等のフルオロカーボンを、短時間で分解処
理剤が失活することなく、またフッ化水素等の腐食性ガ
スを排出させることなく、1000℃以下の比較的低い
温度で99.9%以上の分解率で分解可能な分解処理剤
及び分解処理方法を提供する。 【解決手段】 酸化アルミニウム及びリチウム化合物を
有効成分として含む分解処理剤とする。また、加熱下
で、酸化アルミニウム及び酸化リチウムと接触させてフ
ルオロカーボンを分解する。あるいは、加熱下で、酸化
アルミニウムを有効成分として含む処理剤及び酸化リチ
ウムを有効成分として含む処理剤と交互に接触させてフ
ルオロカーボンを分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフルオロカーボンの
分解処理剤及び分解処理方法に関する。さらに詳細には
半導体製造工程等から排出される排ガスに含まれるCF
等のフルオロカーボンを、1000℃以下の比較的低
い温度で長時間効率よく分解処理することが可能な分解
処理剤及び分解処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工業においては、ドライエッ
チング装置のエッチングガスやCVD装置のチャンバー
クリーニングガス等として、CF、C、C
、C 等のフルオロカーボンが使用されている。
これらのフルオロカーボンは非常に安定な化合物であり
地球温暖化に対する影響が大きいため、大気に放出した
場合の環境への悪影響が懸念されている。従って、半導
体製造工程から排出される排ガスに含まれるこれらのフ
ルオロカーボンは、回収するかあるいは分解して大気に
放出することが好ましい。
【0003】従来から使用されているCF、C
、C、C等のフルオロカーボンを、
エッチングガスやチャンバークリーニングガス等として
用いた後の排ガスは、通常は、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム等のキャリアガスをベースガスとし、前記フルオロカ
ーボンの他、HF、F、SiF等の酸性ガスが含ま
れることが多い。また、排ガスに含まれるこれらのフル
オロカーボンの濃度は、通常10〜50000ppm程
度である。このように排ガスに含まれるフルオロカーボ
ンの濃度が比較的低いため、これらの処理には、ランニ
ングコストがより安い分解が多く試みられてきた。
【0004】従来からフルオロカーボンを分解処理する
方法としては、例えばフルオロカーボンを含む排ガス
を、水素、メタン、プロパン等を用いた焼却炉の火炎中
に導入して燃焼させる方法、あるいはフルオロカーボン
を含む排ガスに、空気または酸素、あるいは空気または
酸素とともに水分を含む混合ガスを添加して加熱酸化す
る方法によりフルオロカーボンの分解が行なわれてい
た。また、フルオロカーボン等のフッ素化合物を、アル
ミナ存在下で、分子状酸素と接触させる方法(特開平1
0−286434号公報)、アルミナに6A族、8族、
3B族の金属及び硫酸、燐酸、ほう酸等の無機酸を担持
させた分解処理触媒と接触させる方法(特開平11−1
65071号公報)、酸素及び水共存下において、30
0〜1000℃に加熱された、アルミナ系触媒と含シリ
カ混合材とを混合して成る触媒層を通過させる方法(特
開2000−15060号公報)等が開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃焼法
による分解処理方法は、フルオロカーボンを分解処理し
ていない待機時にも燃焼状態を維持しなければならない
ためエネルギーコストが高い、二酸化炭素を大量に放出
するという不都合があった。空気または酸素を添加して
加熱酸化する分解処理方法は、1000℃以上の加熱が
必要であり、CF の分解の場合はさらに高い温度が必
要であるため、耐熱性とともに耐腐食性の点で分解処理
装置の実用化が困難であった。
【0006】アルミナを分解触媒として用いたフルオロ
カーボンの分解処理方法は、比較的低い温度でフルオロ
カーボンを分解できるという長所がある。しかし、この
分解処理方法においては、フルオロカーボンとの反応に
よりアルミナの表面にフッ化アルミニウムが生成し、短
時間で分解触媒が失活するという不都合があった。ま
た、アルミナに金属、無機酸、あるいはシリカを添加し
た分解処理触媒は、分解触媒の活性を比較的長時間維持
させることを目的に開発されたものであるが、分解対象
のフルオロカーボンがCFの場合は、1000℃以下
の温度で100%近い分解率を維持して長時間連続で分
解処理することは困難であった。
【0007】さらに、水の共存下でフルオロカーボンの
分解処理を行なった場合は、分解率を向上させることが
できるが、分解処理後にフッ化水素が生成するため、排
ガスを大気に放出するに先立って湿式浄化装置等により
これを除去する必要があるほか、分解処理装置から排出
される排ガスは、高温かつ腐食性であるため熱交換器を
使用することができないという不都合があった。従っ
て、本発明が解決しようとする課題は、半導体製造工程
等から排出される排ガスに含まれるCF等のフルオロ
カーボンを、短時間で分解処理剤が失活することなく、
またフッ化水素等の腐食性ガスを排出させることなく、
1000℃以下の比較的低い温度で99.9%以上の分
解率で分解可能な分解処理剤及び分解処理方法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、フルオロカーボン
の分解処理剤の構成成分として酸化アルミニウム及びリ
チウム化合物を用い、これらを加熱して得られる酸化ア
ルミニウム及び酸化リチウムを有効成分として含む分解
処理剤に、あるいは酸化アルミニウムを有効成分として
含む処理剤及び酸化リチウムを有効成分として含む処理
剤と交互に、フルオロカーボンを接触させることによ
り、フッ化水素等の腐食性ガスを排出させることなく、
フルオロカーボンがCFの場合であっても1000℃
以下の比較的低い温度で99.9%以上の分解率を維持
して長時間連続で分解処理できることを見い出し本発明
のフルオロカーボンの分解処理方法に到達した。
【0009】すなわち本発明は、酸化アルミニウム及び
リチウム化合物を有効成分として含むことを特徴とする
フルオロカーボンの分解処理剤である。また、本発明
は、フルオロカーボンを含有するガスを、加熱下で、酸
化アルミニウム及び酸化リチウムを有効成分として含む
分解処理剤と接触させてフルオロカーボンを分解するこ
とを特徴とするフルオロカーボンの分解処理方法でもあ
る。
【0010】また、本発明は、フルオロカーボンを含有
するガスを、酸素及び/または水蒸気の共存下、加熱下
で、酸化アルミニウム及び酸化リチウムを有効成分とし
て含む分解処理剤と接触させてフルオロカーボンを分解
することを特徴とするフルオロカーボンの分解処理方法
でもある。さらに、本発明は、フルオロカーボンを含有
するガスを、酸素及び/または水蒸気の共存下、加熱下
で、酸化アルミニウムを有効成分として含む処理剤及び
酸化リチウムを有効成分として含む処理剤と交互に接触
させてフルオロカーボンを分解することを特徴とするフ
ルオロカーボンの分解処理方法でもある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のフルオロカーボンの分解
処理剤及び分解処理方法は、窒素、アルゴン、ヘリウム
等のガス中に含まれる、炭化水素の全てがフッ素に置換
されたパーフルオロカーボン、一部がフッ素に置換され
たヒドロフルオロカーボンの分解処理に適用されるが、
これらのフルオロカーボンの中でも化学的に安定なCF
の分解処理において、短時間で分解処理剤が失活する
ことなく、フッ化水素等の腐食性ガスを排出させること
なく、1000℃以下の分解温度で99.9%以上の分
解率で分解可能な点で特に効果を発揮する。
【0012】本発明のフルオロカーボンの分解処理剤
は、酸化アルミニウム及び酸化リチウム、水酸化リチウ
ム、炭酸リチウム等のリチウム化合物を有効成分として
含む分解処理剤である。また、本発明のフルオロカーボ
ンの分解処理方法は、フルオロカーボンを含有するガス
を、加熱下で、酸化アルミニウム及び酸化リチウムを有
効成分として含む分解処理剤と接触させてフルオロカー
ボンを分解する分解処理方法である。また、本発明のフ
ルオロカーボンの分解処理方法は、フルオロカーボンを
含有するガスを、酸素及び/または水蒸気の共存下、加
熱下で、酸化アルミニウムを有効成分として含む処理剤
及び酸化リチウムを有効成分として含む処理剤と交互に
接触させてフルオロカーボンを分解する分解処理方法で
もある。
【0013】本発明のフルオロカーボンの分解処理剤及
び分解処理方法において、分解処理の対象となるフルオ
ロカーボンとしては、例えば、CF、C、C
、C10、C12、C、C
等のパーフルオロカーボン及びCHF、CH
、CHF、C、C等のヒ
ドロフルオロカーボンが挙げられる。
【0014】以下、本発明のフルオロカーボンの分解処
理剤について詳細に説明する。本発明においてフルオロ
カーボンを分解処理する際には、酸化アルミニウムと酸
化リチウムを有効成分とする分解処理剤が必要である。
ただし、本発明においては、酸化リチウムに替えて、フ
ルオロカーボンを分解処理する温度またはその近辺の温
度で、分解されて酸化リチウムとなるリチウム化合物を
用いることができる。これらの化合物としては、リチウ
ムの水酸化物(水和物を含む)、炭酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、有機酸塩等を挙げることができるが、容易に酸化物
に転換できる点及び有害ガス等を排出しない点で水酸化
リチウム、炭酸リチウムを用いることが好ましい。
【0015】また、本発明に用いられる酸化アルミニウ
ムとしては、平均細孔直径が50〜200Åの細孔を有
するものが好ましい。平均細孔直径が50Å未満の細孔
を有する酸化アルミニウムまたは平均細孔直径が200
Åを越える細孔を有する酸化アルミニウムを用いた場合
は、フルオロカーボンの分解率が低下する虞を生じる。
また、比表面積が100m/g以上の酸化アルミニウ
ムが好ましい。酸化アルミニウムの純度は99%以上で
あることが好ましく、さらに99.9%以上であること
がより好ましい。
【0016】本発明のフルオロカーボンの分解処理剤
は、通常は前記の酸化アルミニウムとリチウム化合物
を、混合し造粒することにより調製されるか、あるいは
酸化アルミニウムを造粒するとともにリチウム化合物を
造粒した後、これらを混合することにより調製される。
いずれの分解処理剤の調製方法においても、分解処理剤
に含まれるアルミニウムとリチウムの原子数の比が、通
常は0.1〜10となるように、好ましくは0.2〜
5.0となるように調製される。また、いずれの調製方
法においても、通常は直径が0.1〜20mm程度、好
ましくは直径が1〜10mm程度の球状、これに類似す
る形状、またはこれに相当する大きさ及び形状となるよ
うに造粒して調製される。
【0017】また、本発明のフルオロカーボンの分解処
理剤は、造粒の際の成型性や成型強度を高めるために、
有効成分のほかにバインダーを加えてもよい。このよう
なバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロースなどの有機系
バインダー、シリカ、珪藻土、珪酸ナトリウム、硫酸水
素ナトリウムなどの無機系バインダーを挙げることがで
きる。これらのバインダーを加える場合は、浄化剤を調
製する際に有効成分に添加、混練される。バインダーの
添加量は、成型条件などによって異なり一概には特定で
きないが、少なすぎる場合はバインダーとしての効果が
得られず、多すぎる場合は分解処理能力が低下すること
から、通常は分解処理剤全重量に対して0.1〜10w
t%であり、好ましくは0.5〜5wt%である。
【0018】また、分解処理剤中にはフルオロカーボン
の分解に悪影響を及ぼさない不純物、不活性物質等を含
んでいてもよい。さらに、使用前の分解処理剤は水分を
含んでいてもよいが含まない方が好ましい。従って、酸
化アルミニウムとリチウム化合物を混合し造粒する際
は、打錠成型により造粒することが好ましい。尚、これ
らのバインダー、不純物、不活性物質、水分などを含ん
だ場合においても、分解処理剤中の有効成分の含有量
は、通常は70wt%以上、好ましくは90wt%以上
である。
【0019】次に、本発明のフルオロカーボンの分解処
理方法を、図1乃至図3に基づいて詳細に説明するが、
本発明がこれらにより限定されるものではない。本発明
のフルオロカーボンの分解処理方法の第一の形態は、フ
ルオロカーボンを含有するガスを、加熱下で、酸化アル
ミニウム及び酸化リチウムを有効成分として含む分解処
理剤と接触させてフルオロカーボンを分解する方法であ
り、図1はそのための分解処理装置の例を示す断面図で
ある。また、本発明のフルオロカーボンの分解処理方法
の第二の形態は、フルオロカーボンを含有するガスを、
酸素及び/または水蒸気の共存下、加熱下で、酸化アル
ミニウムを有効成分として含む処理剤及び酸化リチウム
を有効成分として含む処理剤と交互に接触させてフルオ
ロカーボンを分解する方法であり、図2はそのための分
解処理装置の例を示す断面図である。
【0020】フルオロカーボンの分解を、本発明の分解
処理方法の第一の形態により実施する場合は、通常は前
述の本発明の分解処理剤が使用される。また、フルオロ
カーボンの分解を、本発明の分解処理方法の第二の形態
により実施する場合は、通常は酸化アルミニウムを有効
成分として含む処理剤として、酸化アルミニウムの造粒
物が使用され、酸化リチウムを有効成分として含む処理
剤として、酸化リチウムの造粒物が使用される。ただ
し、第一の形態の場合と同様に、酸化リチウムに替え
て、フルオロカーボンを分解処理する温度またはその近
辺の温度で分解されて酸化リチウムとなる水酸化リチウ
ム(水和物を含む)、炭酸リチウム等を用いることがで
きる。
【0021】本発明の第二の形態による分解処理方法に
おいても、酸化アルミニウムとしては、平均細孔直径が
50〜200Åの細孔を有し、比表面積が100m
g以上で、純度が99%以上のものが好ましい。また、
各々の造粒物は、通常は直径が0.1〜20mm程度、
好ましくは1〜10mm程度の球状、これに類似する形
状、またはこれに相当する大きさ及び形状となるように
調製される。尚、各々の処理剤中の有効成分の含有量
は、通常は70wt%以上、好ましくは90wt%以上
である。
【0022】本発明において、分解処理方法の第一の形
態によりフルオロカーボンの分解処理を実施する場合
は、分解処理を行なう前、分解処理装置に、例えば、図
1(A)に示すように、酸化アルミニウムとリチウム化
合物を混合し造粒した造粒物1から成る分解処理剤が充
填されるか、あるいは、図1(B)に示すように、酸化
アルミニウムの造粒物2とリチウム化合物の造粒物3が
混合して成る分解処理剤が充填される。
【0023】また、本発明において、分解処理方法の第
二の形態によりフルオロカーボンの分解処理を実施する
場合は、分解処理を行なう前、分解処理装置に、例え
ば、図2に示すように、酸化アルミニウムの造粒物2か
ら成る処理剤とリチウム化合物の造粒物3から成る処理
剤が交互に積層される。尚、分解処理方法の第二の形態
によるフルオロカーボンの分解処理において、酸化アル
ミニウムの造粒物から成る処理剤の層の厚さ、リチウム
化合物の造粒物から成る処理剤の層の厚さは、両者共通
常は2〜200mmである。
【0024】本発明において、分解処理装置の形状は通
常は円筒状であり、大きさは通常は内径10〜500m
m、長さは20〜2000mm程度である。分解処理装
置に充填される分解処理剤の充填長は、通常は10〜1
000mm程度、好ましくは50〜500mm程度であ
る。分解処理剤の充填長が10mm以下の場合はフルオ
ロカーボンの分解が不充分となり、1000mm以上の
場合は圧力損失が大きくなる。また、分解処理装置を加
熱するための手段としては、通常は図1または図2のよ
うに分解処理装置の外側にヒーターが設置され、外部の
制御装置により温度がコントロールされる。尚、分解処
理装置のヒーターとして、多段に分割したヒーターを用
いて温度制御することもできる。
【0025】本発明においては、第一の形態によりフル
オロカーボンの分解処理を行なう場合は、図1に示す分
解処理装置のように分解処理剤を固定床として用いるほ
か、移動床、流動床として用いることができる。例え
ば、失活した分解処理剤を分解処理装置の下部に設けた
分解処理剤排出口から排出するとともに、分解処理装置
の上部に設けた分解処理剤供給口から新規分解処理剤を
反応系に供給する構成とすることにより、さらに長時間
にわたり連続してフルオロカーボンの分解処理を実施す
ることができる。
【0026】本発明の第一の形態によるフルオロカーボ
ンの分解処理においては、フルオロカーボンがCF
場合は、分解処理を行なう際に、空気等の酸素を含有す
るガス、水、水蒸気またはこれらの混合物を添加しても
よいが、これらを添加しなくてもCOを排出することな
くCFを分解できる。また、フルオロカーボンがCF
以外の場合は、何も添加することなく、または水、水
蒸気のみ添加して分解処理を行なうと、フルオロカーボ
ンを分解することができるが、COを排出する虞がある
ので、分解処理を行なう際に、酸素を含有するガス、
水、水蒸気またはこれらの混合物を添加することが好ま
しい。また、本発明の第二の形態によるフルオロカーボ
ンの分解処理においては、分解処理を行なう際に、フル
オロカーボンを含有するガスに、酸素を含有するガス、
水、水蒸気、またはこれらの混合物が添加される。
【0027】本発明によりCFを、酸化アルミニウム
及び酸化リチウムからなる分解処理剤により、酸素及び
水蒸気を共存させることなく分解処理する場合は、次の
(式1)及び(式2)の反応が起こると推測される。ま
た、CF以外のフルオロカーボン、例えばC
を、酸化アルミニウム及び酸化リチウムからなる分解
処理剤により、酸素の共存下で分解する場合は、次の
(式3)及び(式4)の反応が起こると推測される。ま
た、Cを、酸化アルミニウム及び酸化リチウムか
らなる分解処理剤により、水蒸気の共存下で分解する場
合は、(式5)(式6)(式7)及び(式8)の反応が
起こると推測される。
【0028】
【化1】
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】すなわち、本発明によりフルオロカーボン
の分解を行なう際には、酸化アルミニウムの表面にはフ
ルオロカーボンとの反応によりフッ化アルミニウムが生
成するが、フッ化アルミニウムは直ちに酸化リチウムと
反応して酸化アルミニウムが再生されるので、長時間連
続でフルオロカーボンを分解処理することができる。ま
た、酸素が共存する場合は、COの排出を防止すること
ができる。酸素を共存させずにCF以外のフルオロカ
ーボンの分解を行なった場合は、COを排出する虞があ
るが、後段に乾式浄化装置を備えることにより容易に浄
化することができる。また、水蒸気が共存する場合は、
水蒸気がフッ化アルミニウムと反応するので、さらに酸
化リチウムのみの場合より長時間の分解処理が可能であ
る。この際は腐食性ガスであるフッ化水素が発生する
が、直ちに酸化リチウムと反応して消失するので、分解
処理装置からこの腐食性ガスが排出されることはない。
尚、本発明の第二の形態によるフルオロカーボンの分解
処理において水蒸気を共存させた場合は、HFによる下
層部の酸化アルミニウムの失活を防ぐことができる。
【0032】フルオロカーボンと分解処理剤の接触温度
は、フルオロカーボンの種類、濃度、流量等により異な
り一概に限定することはできないが、CF以外のフル
オロカーボンの分解処理の場合は、通常は300〜10
00℃であり、CFの分解処理の場合は、通常は70
0〜1000℃である。前記下限温度以下ではフルオロ
カーボンの分解率が低く、一方1000℃以上では分解
処理装置に耐熱性の高い材料が要求される不都合があ
る。また、フルオロカーボンを分解処理する際の圧力は
通常は常圧で行われるが、減圧あるいは加圧下で行なう
こともできる。
【0033】本発明においてフルオロカーボンを含むガ
スの流速に特に制限はないが、一般的にガス中に含有さ
れるフルオロカーボンの濃度が高いほど流速を小さくす
ることが好ましい。このため分解処理装置はフルオロカ
ーボンの種類、濃度等などに応じて設計されるが、通常
は空筒基準線速度(LV)が50cm/sec以下の範
囲となるようにされる。
【0034】図3は、本発明のフルオロカーボンの分解
処理方法を実施するための分解処理システムの一例を示
す構成図である。図3のフルオロカーボンの分解処理シ
ステムにおいて、フルオロカーボンを含有するガス、酸
素及び/または水蒸気は、各々フルオロカーボン導入ラ
イン6、酸素及び/または水蒸気導入ライン7からフル
オロカーボンの分解処理装置9に導入され、フルオロカ
ーボンが分解処理された後、分解ガスの排出ライン11
により排出される。尚、本発明の第一の形態によりフル
オロカーボンの分解処理を行なう場合は、酸素及び/ま
たは水蒸気導入ライン7を使用することなく分解処理を
行なうこともできる。本発明においては、腐食性ガスが
排出しないので、図3に示すように分解処理前のフルオ
ロカーボンを含有するガスと分解処理後のガスを熱交換
器により熱交換させることが可能である。また、フッ化
水素等の腐食性ガスを浄化するための装置が不要であ
る。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0036】実施例1 (分解処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直
径130Å、純度99.9%)及び酸化リチウム(純度
99%)を100μm以下になるまで粉砕し、原子数の
比(Al/Li)が、1.0となるように混合した。混
合物を内径20mm、高さ5mmの型に詰めた後、油圧
ジャッキを用いて150〜160kg/cmの圧力で
30秒間加圧することにより成型して得られた剤を破砕
して、さらに篩により3.36mmの目の開きを通過し
2.00mmの目の開きを通過しないものを分解処理剤
とした。
【0037】(分解処理試験)前記の分解処理剤を、内
径42mm、長さ1000mmのSUS316L製の分
解処理装置の内部に、図1(A)のような構成で充填長
が300mmとなるように充填した。分解処理装置の処
理剤の温度を800℃に加熱した後、CF(流量10
ml/min)を含有する窒素(合計流量877ml/
min)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気
(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml/m
in)を分解処理装置に導入してCFを分解した。
【0038】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表1に示す。
【0039】実施例2,3 実施例1の分解処理剤の調製における酸化アルミニウム
と酸化リチウムの混合比を、原子数の比(Al/Li)
が各々0.5、2.0となるように混合したほかは、実
施例1と同様にして分解処理剤を調製した。これらの分
解処理剤を用いて、実施例1と同様にしてCFの分解
処理試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0040】実施例4,5 実施例1の分解処理試験におけるCFの濃度を各々
0.2%、2.0%に変えたほかは実施例1と同様にし
てCFの分解処理試験を行なった。その結果を表1に
示す。
【0041】実施例6〜8 実施例1の分解処理試験におけるフルオロカーボンを、
各々C、C 、CHFに替えたほかは実施
例1と同様にしてフルオロカーボンの分解処理試験を行
なった。その結果を表1に示す。
【0042】実施例9,10 実施例1の分解処理剤の調製における酸化リチウムを、
各々水酸化リチウム、炭酸リチウムに替えたほかは実施
例1と同様にして分解処理剤を調製した。これらの分解
処理剤を用いて、実施例1と同様にしてCFの分解処
理試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0043】実施例11 実施例1と同様にして調製した分解処理剤を、内径42
mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処理
装置の内部に、図1(A)のような構成で充填長が30
0mmとなるように充填した。分解処理装置の処理剤の
温度を800℃に加熱した後、CF(流量10ml/
min)を含有する窒素(合計流量950ml/mi
n)を分解処理装置に導入するとともに、酸素(流量5
0ml/min)を分解処理装置に導入してCFを分
解した。
【0044】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表1に示す。
【0045】実施例12〜14 実施例11の分解処理試験におけるフルオロカーボン
を、各々C、C、CHFに替えたほかは
実施例11と同様にしてフルオロカーボンの分解処理試
験を行なった。その結果を表1に示す。
【0046】実施例15 実施例1と同様にして調製した分解処理剤を、内径42
mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処理
装置の内部に、図1(A)のような構成で充填長が30
0mmとなるように充填した。分解処理装置の処理剤の
温度を800℃に加熱した後、CF(流量10ml/
min)を含有する窒素(合計流量927ml/mi
n)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気(流量
73ml/min)を分解処理装置に導入してCF
分解した。
【0047】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表1に示す。
【0048】実施例16〜18 実施例15の分解処理試験におけるフルオロカーボン
を、各々C、C、CHFに替えたほかは
実施例15と同様にしてフルオロカーボンの分解処理試
験を行なった。その結果を表1に示す。
【0049】実施例19 実施例1と同様にして調製した分解処理剤を、内径42
mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処理
装置の内部に、図1(A)のような構成で充填長が30
0mmとなるように充填した。分解処理装置の処理剤の
温度を800℃に加熱した後、CF(流量10ml/
min)を含有する窒素(合計流量1000ml/mi
n)を分解処理装置に導入してCFを分解した。
【0050】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表1に示す。
【0051】実施例20〜22 実施例19の分解処理試験におけるフルオロカーボン
を、各々C、C、CHFに替えたほかは
実施例19と同様にしてフルオロカーボンの分解処理試
験を行なった。その結果を表1に示す。
【0052】実施例23 (分解処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直
径130Å、純度99.9%、粒径2〜3mm)を酸化
アルミニウムの造粒物とした。また、市販の酸化リチウ
ム(純度99%)を100μm以下になるまで粉砕し、
内径20mm、高さ5mmの型に詰めた後、油圧ジャッ
キ用いて150〜160kg/cmの圧力で30秒間
加圧することにより成型し、得られた剤を破砕して、さ
らに篩により3.36mmの目の開きを通過し2.00
mmの目の開きを通過しないものを酸化リチウムの造粒
物とした。これらを原子数の比(Al/Li)が1.0
となるように混合して分解処理剤を得た。
【0053】(分解処理試験)前記の分解処理剤を、内
径42mm、長さ1000mmのセラミック製の分解処
理装置の内部に、図1(B)のような構成で充填長が3
00mmとなるように充填した。分解処理装置の処理剤
の温度を860℃に加熱した後、CF(流量10ml
/min)を含有する窒素(合計流量877ml/mi
n)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気(流量
73ml/min)及び酸素(流量50ml/min)
を分解処理装置に導入してCFを分解した。
【0054】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表2に示す。
【0055】実施例24,25 実施例23の分解処理剤の調製における酸化アルミニウ
ムと酸化リチウムの混合比を、原子数の比(Al/L
i)が各々0.5、2.0となるように混合したほか
は、実施例23と同様にして分解処理剤を調製した。こ
れらの分解処理剤を用いて、実施例23と同様にしてC
の分解処理試験を行なった。その結果を表2に示
す。
【0056】実施例26,27 実施例23の分解処理試験におけるCFの濃度を各々
0.2%、2.0%に変えたほかは実施例23と同様に
してCFの分解処理試験を行なった。その結果を表2
に示す。
【0057】実施例28〜30 実施例23の分解処理試験におけるフルオロカーボン
を、各々C、C、CHFに替えたほかは
実施例23と同様にしてフルオロカーボンの分解処理試
験を行なった。その結果を表2に示す。
【0058】実施例31,32 実施例23の分解処理剤の調製における酸化リチウム
を、各々水酸化リチウム(一水和物)、炭酸リチウムに
替えたほかは実施例23と同様にして分解処理剤を調製
した。これらの分解処理剤を用いて、実施例23と同様
にしてCFの分解処理試験を行なった。その結果を表
2に示す。
【0059】実施例33 実施例23と同様にして調製した分解処理剤を、内径4
2mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処
理装置の内部に、図1(B)のような構成で充填長が3
00mmとなるように充填した。分解処理装置の処理剤
の温度を800℃に加熱した後、CF(流量10ml
/min)を含有する窒素(合計流量950ml/mi
n)を分解処理装置に導入するとともに、酸素(流量5
0ml/min)を分解処理装置に導入してCFを分
解した。
【0060】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表2に示す。
【0061】実施例34〜36実施例33の分解処理試
験におけるフルオロカーボンを、各々C、C
、CHFに替えたほかは実施例33と同様にしてフ
ルオロカーボンの分解処理試験を行なった。その結果を
表2に示す。
【0062】実施例37 実施例23と同様にして調製した分解処理剤を、内径4
2mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処
理装置の内部に、図1(B)のような構成で充填長が3
00mmとなるように充填した。分解処理装置の処理剤
の温度を800℃に加熱した後、CF(流量10ml
/min)を含有する窒素(合計流量927ml/mi
n)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気(流量
73ml/min)を分解処理装置に導入してCF
分解した。
【0063】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表2に示す。
【0064】実施例38〜40 実施例37の分解処理試験におけるフルオロカーボン
を、各々C、C、CHFに替えたほかは
実施例37と同様にしてフルオロカーボンの分解処理試
験を行なった。その結果を表2に示す。
【0065】実施例41 実施例23と同様にして調製した分解処理剤を、内径4
2mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処
理装置の内部に、図1(B)のような構成で充填長が3
00mmとなるように充填した。分解処理装置の処理剤
の温度を800℃に加熱した後、CF(流量10ml
/min)を含有する窒素(合計流量1000ml/m
in)を分解処理装置に導入してCFを分解した。
【0066】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表2に示す。
【0067】実施例42〜44 実施例41の分解処理試験におけるフルオロカーボン
を、各々C、C、CHFに替えたほかは
実施例41と同様にしてフルオロカーボンの分解処理試
験を行なった。その結果を表2に示す。
【0068】実施例45 (処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直径1
30Å、純度99.9%、粒径2〜3mm)を酸化アル
ミニウムの造粒物から成る処理剤とした。また、市販の
酸化リチウム(純度99%)を100μm以下になるま
で粉砕し、内径20mm、高さ5mmの型に詰めた後、
油圧ジャッキ用いて150〜160kg/cmの圧力
で30秒間加圧することにより成型し、得られた剤を破
砕して、さらに篩により3.36mmの目の開きを通過
し2.00mmの目の開きを通過しないものを酸化リチ
ウムの造粒物から成る処理剤とした。
【0069】(分解処理試験)前記の処理剤を、内径4
2mm、長さ1000mmのセラミック製の分解処理装
置の内部に、図2のような構成で原子数の比(Al/L
i)が1.0となるように交互に4層ずつ充填した(全
充填長600mm)。分解処理装置の処理剤の温度を8
00℃に加熱した後、CF(流量10ml/min)
を含有する窒素(合計流量877ml/min)を分解
処理装置に導入するとともに、水蒸気(流量73ml/
min)及び酸素(流量50ml/min)を分解処理
装置に導入してCFを分解した。
【0070】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表3に示す。
【0071】実施例46,47 実施例45の分解処理試験における酸化アルミニウムの
原子数と酸化リチウムの原子数の比(Al/Li)が、
各々0.5、2.0となるように処理剤を積層したほか
は、実施例45と同様にしてCFの分解処理試験を行
なった。その結果を表3に示す。
【0072】実施例48,49 実施例45の分解処理試験におけるCFの濃度を各々
0.2%、2.0%に変えたほかは実施例45と同様に
してCFの分解処理試験を行なった。その結果を表3
に示す。
【0073】実施例50〜52 実施例45の分解処理試験におけるフルオロカーボン
を、各々C、C、CHFに替えたほかは
実施例45と同様にしてフルオロカーボンの分解処理試
験を行なった。その結果を表3に示す。
【0074】実施例53,54 実施例45の処理剤の調製における酸化リチウムを、各
々水酸化リチウム、炭酸リチウムに替えたほかは実施例
45と同様にして処理剤を調製した。これらの処理剤を
用いて、実施例45と同様にしてCFの分解処理試験
を行なった。その結果を表3に示す。
【0075】実施例55 実施例45と同様にして調製した分解処理剤を、内径4
2mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処
理装置の内部に、図2のような構成で充填長が300m
mとなるように充填した。分解処理装置の処理剤の温度
を800℃に加熱した後、CF(流量10ml/mi
n)を含有する窒素(合計流量927ml/min)を
分解処理装置に導入するとともに、水蒸気(流量73m
l/min)を分解処理装置に導入してCFを分解し
た。
【0076】この間、30分毎に分解処理装置の排出口
から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってCFの分析を行ないCF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無を検知管((株)ガステック製)により調
査した。その結果を表3に示す。
【0077】実施例56〜58 実施例55の分解処理試験におけるフルオロカーボン
を、各々C、C、CHFに替えたほかは
実施例55と同様にしてフルオロカーボンの分解処理試
験を行なった。その結果を表3に示す。
【0078】実施例59〜61 実施例1の分解処理剤の調製における平均細孔直径13
0Åの細孔を有するアルミナ触媒を、各々平均細孔直径
30Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径80
Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径230Å
の細孔を有するアルミナ触媒に替えたほかは実施例1と
同様にして分解処理剤を調製した。これらの分解処理剤
を用いて、実施例1と同様にしてCFの分解処理試験
を行なった。その結果を表4に示す。
【0079】実施例62〜64 実施例23の分解処理剤の調製における平均細孔直径1
30Åの細孔を有するアルミナ触媒を、各々平均細孔直
径30Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径8
0Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径230
Åの細孔を有するアルミナ触媒に替えたほかは実施例2
3と同様にして分解処理剤を調製した。これらの分解処
理剤を用いて、実施例23と同様にしてCFの分解処
理試験を行なった。その結果を表5に示す。
【0080】実施例65〜67 実施例45の処理剤の調製における平均細孔直径130
Åの細孔を有するアルミナ触媒を、各々平均細孔直径3
0Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径80Å
の細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径230Åの
細孔を有するアルミナ触媒に替えたほかは実施例45と
同様にして処理剤を調製した。これらの処理剤を用い
て、実施例45と同様にしてCFの分解処理試験を行
なった。その結果を表6に示す。
【0081】比較例1 市販のアルミナ触媒(平均細孔直径130Å、純度9
9.9%、粒径2〜3mm)を酸化アルミニウムの造粒
物から成る分解処理剤とした。この分解処理剤を、内径
42mm、長さ1000mmのセラミック製の分解処理
装置の内部に、充填長が300mmとなるように充填し
た。分解処理装置の分解処理剤の温度を800℃に加熱
した後、CF(流量10ml/min)を含有する窒
素(合計流量950ml/min)を分解処理装置に導
入するとともに、酸素(流量50ml/min)を分解
処理装置に導入してCFを分解した。
【0082】この間、実施例1と同様にCFの分解率
が99.9%以下になるまでの時間を測定して分解処理
剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解処理量
(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HFの排出
の有無を検知管((株)ガステック製)により調査し
た。その結果を表7に示す。
【0083】比較例2 市販のアルミナ触媒(平均細孔直径130Å、純度9
9.9%、粒径2〜3mm)を酸化アルミニウムの造粒
物から成る分解処理剤とした。この分解処理剤を、内径
42mm、長さ1000mmのセラミック製の分解処理
装置の内部に、充填長が300mmとなるように充填し
た。分解処理装置の分解処理剤の温度を860℃に加熱
した後、CF(流量10ml/min)を含有する窒
素(合計流量877ml/min)を分解処理装置に導
入するとともに、水蒸気(流量73ml/min)及び
酸素(流量50ml/min)を分解処理装置に導入し
てCFを分解した。
【0084】この間、実施例1と同様にCFの分解率
が99.9%以下になるまでの時間を測定して分解処理
剤1L(リットル)当たりに対するCFの分解処理量
(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HFの排出
の有無を検知管((株)ガステック製)により調査し
た。その結果を表7に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
【表7】
【0092】
【発明の効果】本発明のフルオロカーボンの分解処理剤
及び分解処理方法により、半導体製造工程等から排出さ
れる排ガスに含まれるCF等のフルオロカーボンを、
短時間で分解処理剤が失活することなく、フッ化水素等
の腐食性ガスを排出させることなく、1000℃以下の
比較的低い温度で、99.9%以上の分解率で分解する
ことが可能になった。また、分解処理装置から排出する
分解ガスにフッ化水素等の腐食性ガスが含まれないた
め、これを浄化するための浄化装置が不要となるほか、
分解処理前のフルオロカーボンを含有するガスと分解処
理後のガスを熱交換器により熱交換させることが可能と
なり熱エネルギーの損失を抑制することができるように
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフルオロカーボンの分解処理方法を実
施するための分解処理装置の例を示す断面図
【図2】本発明のフルオロカーボンの分解処理方法を実
施するための図1以外の分解処理装置の例を示す断面図
【図3】本発明のフルオロカーボンの分解処理方法を実
施するための分解処理システムの例を示す構成図
【符号の説明】
1 酸化アルミニウムとリチウム化合物を混合し造粒し
て成る造粒物 2 酸化アルミニウムの造粒物 3 リチウム化合物の造粒物 4 ヒーター 5 温度センサー 6 フルオロカーボン導入ライン 7 酸素及び/または水蒸気導入ライン 8 熱交換器 9 フルオロカーボンの分解処理装置 10 温度制御器 11 分解ガスの排出ライン 12 冷却器 13 ブロワー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 友久 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイオ ニクス株式会社平塚研究所内 (72)発明者 越智 幸史 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイオ ニクス株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4D002 AA22 AC10 BA12 BA20 CA07 DA01 DA08 DA11 DA12 DA16 EA03 GA01 GB03 HA08 4G069 AA02 AA03 AA08 BA01A BA01B BB06A BB06B BC04A BC04B CA02 CA10 CA19 DA06 EA02Y FB64

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化アルミニウム及びリチウム化合物を
    有効成分として含むことを特徴とするフルオロカーボン
    の分解処理剤。
  2. 【請求項2】 酸化アルミニウムとリチウム化合物を混
    合し造粒して成る請求項1に記載のフルオロカーボンの
    分解処理剤。
  3. 【請求項3】 酸化アルミニウムの造粒物とリチウム化
    合物の造粒物を混合して成る請求項1に記載のフルオロ
    カーボンの分解処理剤。
  4. 【請求項4】 分解処理剤に含まれるアルミニウムとリ
    チウムの原子数の比が、0.1〜10である請求項1に
    記載のフルオロカーボンの分解処理剤。
  5. 【請求項5】 酸化アルミニウムが、平均細孔直径50
    〜200Åの細孔を有する酸化アルミニウムである請求
    項1に記載のフルオロカーボンの分解処理剤。
  6. 【請求項6】 リチウム化合物が、酸化リチウム、水酸
    化リチウム、または炭酸リチウムである請求項1に記載
    のフルオロカーボンの分解処理剤。
  7. 【請求項7】 分解処理剤中の重量割合として、有効成
    分が70%以上含まれる請求項1に記載のフルオロカー
    ボンの分解処理剤。
  8. 【請求項8】 フルオロカーボンがパーフルオロカーボ
    ンである請求項1に記載のフルオロカーボンの分解処理
    剤。
  9. 【請求項9】 フルオロカーボンがCFである請求項
    1に記載のフルオロカーボンの分解処理剤。
  10. 【請求項10】 フルオロカーボンを含有するガスを、
    加熱下で、酸化アルミニウム及び酸化リチウムを有効成
    分として含む分解処理剤と接触させてフルオロカーボン
    を分解することを特徴とするフルオロカーボンの分解処
    理方法。
  11. 【請求項11】 フルオロカーボンを含有するガスを、
    酸素及び/または水蒸気の共存下、加熱下で、酸化アル
    ミニウム及び酸化リチウムを有効成分として含む分解処
    理剤と接触させてフルオロカーボンを分解することを特
    徴とするフルオロカーボンの分解処理方法。
  12. 【請求項12】 加熱する前の分解処理剤が、酸化アル
    ミニウムとリチウム化合物を混合し造粒して成る分解処
    理剤である請求項10または請求項11に記載のフルオ
    ロカーボンの分解処理方法。
  13. 【請求項13】 加熱する前の分解処理剤が、酸化アル
    ミニウムの造粒物とリチウム化合物の造粒物を混合して
    成る分解処理剤である請求項10または請求項11に記
    載のフルオロカーボンの分解処理方法。
  14. 【請求項14】 フルオロカーボンを含有するガスと分
    解処理剤の接触温度が、300〜1000℃である請求
    項10または請求項11に記載のフルオロカーボンの分
    解処理方法。
  15. 【請求項15】 失活した分解処理剤を順次反応系から
    排出するとともに、新規分解処理剤を反応系に供給する
    請求項10または請求項11に記載のフルオロカーボン
    の分解処理方法。
  16. 【請求項16】 フルオロカーボンを含有するガスを、
    酸素及び/または水蒸気の共存下、加熱下で、酸化アル
    ミニウムを有効成分として含む処理剤及び酸化リチウム
    を有効成分として含む処理剤と交互に接触させてフルオ
    ロカーボンを分解することを特徴とするフルオロカーボ
    ンの分解処理方法。
  17. 【請求項17】 加熱する前の酸化リチウムを有効成分
    として含む処理剤が、リチウム化合物の造粒物から成る
    処理剤である請求項16に記載のフルオロカーボンの分
    解処理方法。
  18. 【請求項18】 フルオロカーボンを含有するガスと処
    理剤の接触温度が、300〜1000℃である請求項1
    6に記載のフルオロカーボンの分解処理方法。
  19. 【請求項19】 リチウム化合物が、酸化リチウム、水
    酸化リチウム、または炭酸リチウムである請求項12、
    請求項13、または請求項17に記載のフルオロカーボ
    ンの分解処理方法。
  20. 【請求項20】 分解処理前のフルオロカーボンを含有
    するガスと分解処理後のガスを熱交換させる請求項1
    0、請求項11または請求項16に記載のフルオロカー
    ボンの分解処理方法。
  21. 【請求項21】 フルオロカーボンがCFである請求
    項10に記載のフルオロカーボンの分解処理方法。
  22. 【請求項22】 フルオロカーボンがパーフルオロカー
    ボンである請求項11または請求項16に記載のフルオ
    ロカーボンの分解処理方法。
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